JPH1172505A - 加速度センサおよびその製造方法 - Google Patents

加速度センサおよびその製造方法

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JPH1172505A
JPH1172505A JP9349439A JP34943997A JPH1172505A JP H1172505 A JPH1172505 A JP H1172505A JP 9349439 A JP9349439 A JP 9349439A JP 34943997 A JP34943997 A JP 34943997A JP H1172505 A JPH1172505 A JP H1172505A
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movable electrode
electrode
substrate
weight
weight movable
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JP9349439A
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English (en)
Inventor
Makiko Fujita
真紀子 藤田
Kazuhiko Kano
加納  一彦
Yoshinori Otsuka
義則 大塚
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンカ部に対しおもり可動電極を梁部(バネ
部)によって支持し、加速度が生じたときの梁部の変位
を検出して加速度検出を行うようにした加速度センサに
おいて、バネ部およびおもり可動電極の自重による変形
を低減し、精度よく加速度の検出を行う。 【解決手段】 基板30上にアンカ部11、固定電極1
4が固定され、おもり可動電極12が梁部13によって
アンカ部11に支持されている。基板30の表面と平行
な方向に加速度が生じたとき、梁部13が弾性変形し
て、おもり可動電極12の円周側面12aと固定電極1
4の円周側面14aとが接触し、所定値以上の加速度が
生じていることが検出される。ここで、梁部13および
おもり可動電極12の表面に、引っ張り応力を有する膜
15が形成されており、この膜15によって、梁部13
およびおもり可動電極12の自重による変形が抑制され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加速度センサおよ
びその製造方法に関するものであり、この加速度センサ
としては、例えばガス等の流量メータに内蔵されて地震
等の振動を感知し、ガス配管のバルブを閉塞するセンサ
として用いることができる。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の加速度センサとしては、
X−Y平面において、X、Y方向の加速度をそれぞれ検
出し、それを合成することによって、X−Y平面内のあ
らゆる方向の加速度を検出するようにしたものがある
(特開平6−123632号公報)。
【0003】しかしながら、このものでは、X、Y方向
の加速度をそれぞれ検出し、その検出結果を合成する必
要があるため、その合成のための計算回路が別途必要と
なるという問題がある。そこで、本出願人は、平面内多
方向の加速度を略同一感度で検出でき、しかもそれを小
型かつ簡単な構成で実現できる加速度センサを先に提案
した(特開平9−145740号公報参照)。この加速
度センサの平面構成を図12に示す。また、図12中の
A−A断面を図13に示す。
【0004】この図12、図13に示す加速度センサ
は、シリコンで構成された基板30、アンカ部11、お
もり可動電極12、梁部13、固定電極14で構成され
ている。アンカ部11は、円柱形状で、基板30上に形
成されている。おもり可動電極12は、円筒形状で、基
板30と所定の間隔を有して平行に設けられており、基
板30と垂直方向の略円柱状側面、すなわち円周状に形
成された円周側面12aを有している梁部13は、一端
がアンカ部11に固定され他端がおもり可動電極12に
固定されており、おもり可動電極12をアンカ部11に
対して支持する。この梁部13は、複数本(図では4
本)設けられており、それぞれを、平面的に見て円弧の
一部となる形状にし、また断面において横の長さに対す
る縦の長さの比を大きくした形状にすることによって、
基板30の表面に対し平行方向に弾性変形するバネ部を
構成している。
【0005】固定電極14は、内側が円柱をくり抜いた
形状で、おもり可動電極12の外側に所定の間隔を隔て
て基板30上に形成されており、おもり可動電極12の
円周側面12aに対向する円周側面14aを有してい
る。なお、アンカ部11、おもり可動電極12、梁部1
3、固定電極14は、シリコン膜をエッチングして形成
されたものであって、それぞれの表面に導電性をもたせ
るために不純物が導入されている。従って、おもり可動
電極12の円周側面12aは導電性の検出面となり、固
定電極14の円周側面14aは導電性の被検出面とな
る。また、アンカ部11、固定電極14は、図13に示
すように、酸化膜21、22によって基板上に固定され
ている。
【0006】そして、上記した構成により、基板30の
表面と平行な方向に加速度が生じたとき、基板30の表
面と平行な方向におもり可動電極12が変位し、おもり
可動電極12の検出面12aと固定電極14の被検出面
14aとが接触する。この接触状態を、図示しない検出
回路により検出することによって、加速度が検出され
る。
【0007】また、おもり可動電極12の検出面12a
と固定電極14の被検出面14aとが対向するようにそ
れぞれの円周側面を形成しているため、加速度が基板3
0の表面と平行な何れの方向から生じても、加速度の検
出を行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した加速度センサ
に対し、本発明者等がさらに検討を進めた結果、以下に
示すような問題があることが判明した。すなわち、上述
した加速度センサを用いて低加速度の検出を行う場合、
梁部13におけるバネ定数を小さくする必要があるが、
梁部13およびおもり可動電極12が自重により変形す
ると、おもり可動電極12の検出面12aと固定電極1
4の被検出面14aに位置ずれが生じ、検出面12aと
被検出面14aの接触面積が減って、安定した加速度検
出ができなくなる。また、梁部13およびおもり可動電
極12が図14に示すように変形したときには、おもり
可動電極12が変位しにくくなり、この場合も安定した
加速度検出ができなくなる。
【0009】本発明は上記問題に鑑みたもので、バネ部
およびおもり可動電極の自重による変形を低減し、精度
よく加速度検出を行うことができるようにすることを第
1の目的とする。また、バネ部およびおもり可動電極が
自重により変形しても、精度よく加速度検出を行うこと
ができるようにすることを第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、バネ部(13)
が重力方向に変形するのを抑制する膜(15)を少なく
ともバネ部(13)に形成したことを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明においては、おもり可動電
極(12)に反重力方向の力を作用させる膜(15)を
少なくともバネ部(13)に形成したことを特徴として
いる。
【0011】このような膜(15)を形成することによ
り、バネ部(13)およびおもり可動電極(12)の自
重による変形を低減することができ、精度よく加速度検
出を行うことができる。上述した膜(15)としては、
請求項3に記載したように、おもり可動電極(12)に
反重力方向の力を作用させる応力を有するものを用いる
ことができ、具体的には、請求項4に記載したように、
引っ張り応力を有するものを用いることができる。
【0012】この場合、請求項5に記載したように、膜
(15)として、バネ部(13)とおもり可動電極(1
2)を基板(30)の表面に略平行に維持する応力を有
するものとすれば、バネ部(13)とおもり可動電極
(12)の変形がないため、より精度よく加速度検出を
行うことができる。また、請求項1に記載の、バネ部
(13)が重力方向に変形するのを抑制する膜(15)
としては、請求項6に記載したように、形状記憶合金を
用いて形成することができる。
【0013】請求項7に記載の発明においては、アンカ
部(11)、おもり可動電極(12)、バネ部(13)
および固定電極(14)を、厚さが一定の部材(50)
を加工して形成したものとし、その際、部材(50)
を、基板(30)と反対側の表面においてアンカ部(1
1)からおもり可動電極(12)にかけて連続した面と
するとともに、かつ厚さを、おもり可動電極(12)お
よびバネ部(13)においてアンカ部(11)および固
定電極(14)より小さくしたことを特徴としている。
【0014】従って、おもり可動電極(12)、バネ部
(13)が自重で垂れて、おもり可動電極(12)の円
周側面(12a)の位置が低くなっても、固定電極(1
4)の円周側面(14a)が厚さ方向に広くなっている
ため、おもり可動電極(12)の円周側面(12a)と
固定電極(14)の円周側面(14a)の接触を良好に
し、精度よく加速度検出を行うことができる。また、お
もり可動電極(12)およびバネ部(13)の膜厚を、
アンカ部(11)および固定電極(14)より小さくし
ているため、おもり可動電極(12)、バネ部(13)
が自重で垂れても基板(30)に接触しないようにする
ことができる。
【0015】請求項8に記載の発明においては、第1の
半導体基板(50)の一面側に凹部(53)を形成し、
この第1の半導体基板(50)を第2の半導体基板(5
4、55、60〜63)と貼り合わせ、この後に、第1
の半導体基板(50)の他面側から凹部(53)が形成
された領域をエッチングすることにより、アンカ部(1
1)、おもり可動電極(12)、バネ部(13)および
固定電極(14)を形成している。従って、この製造方
法によれば、請求項7に記載の加速度センサを半導体技
術を用いて適切に製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。 (第1実施形態)図1に本発明の第1実施形態を示す断
面構成を示す。この断面図は、図13に対応したもので
ある。
【0017】この実施形態では、梁部13およびおもり
可動電極12の表面に、引っ張り応力を有する変形制御
用薄膜15を形成している。この変形制御用薄膜15を
形成することにより、おもり可動電極12に反重力方向
の力を作用させ、梁部13がおもり可動電極12の重力
によって重力方向に変形するのを抑制することができ
る。すなわち、変形制御用薄膜15を形成することによ
り、おもり可動電極12の重力によるモーメント(曲げ
とねじれによるモーメント)が梁部13に作用するのを
抑制でき、梁部13の変形を低減することができる。
【0018】上述した引っ張り応力を有する変形制御用
薄膜15としては、例えば窒化膜や引っ張り応力を有す
る金属膜を用いることができる。従って、図1に示す実
施形態によれば、梁部13およびおもり可動電極12の
変形を抑制することができるので、基板30の表面に平
行な方向に所定値以上の加速度が生じたとき、おもり可
動電極12の検出面12aと固定電極14の被検出面1
4aが良好に接触し、精度よく加速度検出を行うことが
できる。
【0019】次に、図1に示す加速度センサに対し、ポ
リシリコンを埋め込んで貼り合わせた基板を用いて加速
度センサを構成した実施形態について説明する。図2
に、その加速度センサの断面構成を示し、図3、図4
に、その製造方法を示す。まず、図3、図4に従ってこ
の実施形態における加速度センサの製造方法について説
明する。 〔図3(a)の工程〕まず、単結晶のシリコン基板(第
1の半導体基板)40を用意し、このシリコン基板40
にアライメント用の溝40aをトレンチエッチングによ
り形成する。この後、シリコン基板40の上に、犠牲層
用薄膜としてのシリコン酸化膜41をCVD法等により
成膜する。さらに、シリコン酸化膜41の一部をエッチ
ングして凹部41aを形成する。この凹部41aは、後
述する犠牲層エッチング工程において、おもり可動電極
12が表面張力等で基板30に付着する場合に、その付
着面積を減らす突起を設けるために形成する。 〔図3(b)の工程〕次に、シリコン酸化膜41の上
に、犠牲層エッチング時のエッチングストッパとなるシ
リコン窒化膜(第1の絶縁体薄膜)42を成膜し、シリ
コン窒化膜42とシリコン酸化膜41との積層体に対し
フォトリソグラフィを経てドライエッチング等によりア
ンカ部形成領域に開口部を形成する。この開口部は、梁
構造体と基板とを接続するためのものである。
【0020】引き続き、開口部を含むシリコン窒化膜4
2の上に、ポリシリコン薄膜を0.5〜2μm程度の膜
厚で成膜し、その成膜中または成膜後に不純物を導入し
て導電性薄膜とする。さらに、そのポリシリコン薄膜を
フォトリソグラフィを経てパターニングし、開口部を含
むシリコン窒化膜42上の所定領域に不純物ドープトポ
リシリコン薄膜43を形成する。なお、ポリシリコン薄
膜のフォトリソグラフィ工程において、ポリシリコン薄
膜が薄いので、ポリシリコン薄膜の下でのシリコン窒化
膜42の開口部の形状を透視することができ、フォトマ
スク合わせを正確に行うことができる。
【0021】この後、ポリシリコン薄膜43上に窒化膜
44を形成する。そして、窒化膜44の上に、シリコン
酸化膜(第2の絶縁体薄膜)45を成膜し、さらにシリ
コン酸化膜45の上に、貼り合わせ用薄膜としてのポリ
シリコン薄膜46を成膜し、貼り合わせのためにポリシ
リコン薄膜46の表面を機械的研磨等により平坦化す
る。 〔図3(c)の工程〕次に、シリコン基板40とは別の
単結晶シリコン基板(第2の半導体基板)47を用意
し、ポリシリコン薄膜46とシリコン基板47とを貼り
合わせる。さらに、シリコン基板40、47を表裏逆に
して、シリコン基板40側を機械的研磨等を行い薄膜化
する。その際、シリコン基板40に形成した溝40aの
深さまで研磨を行うと、シリコン酸化膜41の層が出現
し、研磨における硬度が変化するため、研磨の終点を容
易に検出することができる。
【0022】また、シリコン基板40を電極とするため
に、シリコン基板40にリン拡散等により不純物を導入
する。 〔図3(d)の工程〕次に、アルミ電極48a、48b
を、成膜・フォトリソグラフィによって形成する。さら
に、変形制御用薄膜(例えば、窒化膜)15を、成膜・
フォトリソグラフィによって形成する。 〔図4(a)の工程〕この後、梁構造体のパターンのフ
ォトリソグラフィを経て、アンカ部11、おもり可動電
極12、梁部13、固定電極14の形成を行う。梁構造
体のエッチングに用いるマスクとしては、フォトレジス
トのようなソフトマスクでも酸化膜のようなハードマス
クでもよい。 〔図4(b)の工程〕次に、HF系のエッチング液を用
いた犠牲層エッチングによりシリコン酸化膜41をエッ
チング除去し、おもり可動電極12、梁部13を可動と
する。その際、エッチング後の乾燥工程でおもり可動電
極12、梁部13が基板30に固着するのを防止するた
め、バラジクロルベンゼン等の昇華剤を用いる。
【0023】この後、おもり可動電極12、固定電極1
4における検出面12a、被検出面14aの接点の接触
抵抗を低減するため、接点電極49a、49bを形成す
る。例えば、接触抵抗の小さい金をメッキにより成膜し
て接点電極49a、49bを形成する。なお、接点電極
49a、49bの形成は、HF系のエッチンング液に耐
性のある薄膜を使用するときには、HFエッチングの前
に形成してもよい。
【0024】このようにして図2に示す加速度センサが
構成される。この加速度センサにおいて、アンカ部1
1、固定電極14に形成されたそれぞれのアルミ電極4
8a、48bは、図示しない検出回路にワイヤボンディ
ングを用いて結線されており、それぞれのアルミ電極4
8a、48bに所定の電位差が設定されている。また、
シリコン基板40によりアンカ部11、おもり可動電極
12、梁部13、固定電極14が構成されているので、
アンカ部11に形成されたアルミ電極48aとおもり可
動電極12の接点電極49a間は電気的に導通した状態
になっており、固定電極14に形成されたアルミ電極4
8bと接点電極49b間も電気的に導通した状態になっ
ている。
【0025】また、変形制御用薄膜15が梁部13およ
びおもり可動電極12の表面に形成されているため、梁
部13がおもり可動電極12の重力によって重力方向に
変形するのが抑制されている。なお、変形制御用薄膜1
5は、図4(a)の工程前に成膜し、フォトリソにて梁
部13および可動電極12の表面にのみ残るように形成
する。
【0026】そして、基板30の表面に平行な方向に所
定値以上の加速度が生じたとき、おもり可動電極12が
変位し、おもり可動電極12の接点電極49aが、固定
電極14の接点電極49bに接触する。このとき、おも
り可動電極12の変形が抑制されているため、接点電極
49a、49b間の接触面積を十分確保することができ
る。この接点電極49a、49b間の接触によって、ア
ルミ電極48a、48b間に電流が流れ、図示しない検
出回路は、所定値以上の加速度が生じたことを検出す
る。
【0027】なお、アンカ部11の下部に形成したポリ
シリコン薄膜43を導電性薄膜としており、このポリシ
リコン薄膜43の電位を、おもり可動電極12の電位と
同電位に設定することによって、おもり可動電極12と
基板30間に働く静電気力をなくし、おもり可動電極1
2が基板30側に変位するのを防止することができる。
【0028】また、上述した実施形態においては、梁部
13およびおもり可動電極12の両方に変形制御用薄膜
15を形成するものを示したが、図5に示すように、梁
部13にのみ変形制御用薄膜15を形成するようにして
もよい。この場合、変形制御用薄膜15によるおもり可
動電極12の反りを抑えることができる。なお、上述し
たように、変形制御用薄膜15の応力によって梁部13
の変形を低減することができるが、その応力を、梁部1
3とおもり可動電極12を基板30の表面に略平行に維
持する大きさにすれば、加速度が生じたとき、おもり可
動電極12の検出面12aを基板30の表面に略平行に
変位させることができるため、検出精度を一層高めるこ
とができる。
【0029】また、梁部13がおもり可動電極12の重
力によって重力方向に変形するのを抑制する膜として、
変形制御用薄膜15を用いるものを示したが、形状記憶
合金で形成された膜を用いるようにしてもよい。この場
合、梁部13およびおもり可動電極12が変形する前に
形状記憶合金を成膜、熱処理して形状を記憶させ、その
後、梁部13およびおもり可動電極12が変形した時
に、再度、熱処理を行って変形する前の形に戻すように
する。 (第2実施形態)上記した第1実施形態では、梁部13
およびおもり可動電極12の自重による変形を低減する
ものを示したが、この実施形態では、梁部13およびお
もり可動電極12が自重により変形しても、精度よく加
速度検出を行うことができるようにしている。
【0030】図6に、この実施形態における加速度セン
サの断面構成を示す。図に示すように、基板30はシリ
コン基板54と絶縁膜55で構成されており、この絶縁
膜55の上に、アンカ部11、おもり可動電極12、梁
部13、固定電極14が形成されている。アンカ部1
1、おもり可動電極12、梁部13、固定電極14は、
厚さが一定のシリコン基板50をエッチング加工により
形成したものであり、シリコン基板50は、基板30と
反対側の表面においてアンカ部11からおもり可動電極
12にかけて連続した面となっており、かつその厚さ
が、おもり可動電極12およびバネ部13においてアン
カ部11および固定電極14より小さくなっている。
【0031】また、アンカ部11、固定電極14には、
アルミ電極56a、56bがそれぞれ形成され、おもり
可動電極12、固定電極14の側壁には、接点電極57
a、57bがそれぞれ形成されている。なお、接点電極
57aの表面がおもり可動電極12の検出面12aとな
っており、接点電極57bの表面が固定電極14の被検
出面14aとなっている。
【0032】このような構造とすることにより、おもり
可動電極12、梁部13が自重で垂れて、おもり可動電
極12の側壁に形成された接点電極57bの位置が低く
なっても、固定電極14の側壁に形成された接点電極5
7aが厚さ方向に広くなっているため、接点電極57b
と接点電極57aの接触を良好にし、正確な加速度検出
を行うことができる。また、おもり可動電極12、梁部
13を薄く形成することにより、可動電極12、梁部1
3が自重で垂れても、基板30に接触しないようにする
ことができる。
【0033】次に、上記した加速度センサの製造方法に
ついて図7、図8に示す工程図に従って説明する。 〔図7(a)の工程〕まず、単結晶のシリコン基板(第
1の半導体基板)50を用意し、このシリコン基板50
にアライメント用の溝51をトレンチエッチングにより
形成する。 〔図7(b)の工程〕シリコン基板50の上にシリコン
酸化膜52をCVD法等により成膜し、図に示すように
パターニングする。 〔図7(c)の工程〕この後、シリコン酸化膜52をマ
スクとして、TMAH、KOH等のアルカリ溶液でシリ
コン基板50をエッチングし、凹部53を形成する。こ
の後、シリコン基板50表面のシリコン酸化膜52をH
F等のエッチング液で除去する。 〔図7(d)の工程〕次に、シリコン基板50を、熱酸
化膜(絶縁膜)55が形成された単結晶シリコン基板
(第2の半導体基板)54と貼り合わせ、シリコン基板
50、54を表裏逆にする。 〔図8(a)の工程〕シリコン基板50側を機械的研磨
等を行い薄膜化する。その際、シリコン基板50に形成
した溝51の深さまで研磨を行う。また、シリコン基板
50を電極とするために、シリコン基板50にリン拡散
等により不純物を導入する。 〔図8(b)の工程〕次に、アルミ電極56a、56b
を、成膜・フォトリソグラフィによって形成する。 〔図8(c)の工程〕次に、梁構造体のパターンのフォ
トリソグラフィを経て、アンカ部11、おもり可動電極
12、梁部13、固定電極14の形成を行う。この場
合、シリコン基板50において凹部53が形成された膜
厚が小さい領域を、ドライエッチングして、おもり可動
電極12、梁部13を形成する。このことにより、可動
電極2および梁部13を、アンカ部11および固定電極
14より薄く形成することができる。なお、梁構造体の
エッチングに用いるマスクとしては、フォトレジストの
ようなソフトマスクでも酸化膜のようなハードマスクで
もよい。この後、おもり可動電極12、固定電極14に
接点電極57a、57bをそれぞれ形成する。
【0034】このようにして図6に示す加速度センサが
構成される。上述した製造方法によれば、ドライエッチ
ングを行って構造体を可動にすることができるため、第
1実施形態のような構造体を可動にするための犠牲層エ
ッチングおよびエッチング後の乾燥工程を不要にするこ
とができる。また、図6に示す構造の加速度センサに対
し、アンカ部11、おもり可動電極12、梁部13、固
定電極14の下部に下部電極を形成して構成することも
できる。例えば、図9に示すように、シリコン基板60
上に絶縁膜61を形成し、その上に下部電極をなすポリ
シリコン薄膜(導電性薄膜)62を形成する。このポリ
シリコン薄膜62による下部電極を設けることにより、
下部電極を通し外部に配線して電極を取り出すようにす
ることができる。
【0035】この場合の製造方法について、図10、図
11に示す工程図を参照して説明する。まず、第1の半
導体基板であるシリコン基板50について、図7(a)
から図7(c)に示すのと同様の方法で、シリコン基板
50に凹部53を形成する。第2の半導体基板について
は、図10(a)に示すように、単結晶シリコン基板6
0を用意し、その両面に熱酸化膜61およびポリシリコ
ン薄膜62を形成する。この後、図10(b)に示すよ
うに、ポリシリコン薄膜62をパターニングし、さら
に、図10(c)に示すように、シリコン酸化膜63を
CVD法により形成して、ポリシリコン薄膜62の段差
を埋める。このとき、その表面を研磨して凹凸をなく
す。
【0036】そして、図11(a)に示すように、第2
の半導体基板のポリシリコン薄膜62が形成された面と
第1の半導体基板の凹部53が形成された面を接合し
て、両基板を貼り合わせる。この後は、図11(b)〜
(d)の工程(図8に示すのと同様の工程)において、
シリコン基板50側を薄膜化し、アルミ電極56a、5
6bを形成し、ドライエッチングによってアンカ部1
1、おもり可動電極12、梁部13、固定電極14を形
成する。さらに、おもり可動電極12、固定電極14に
接点電極57a、57bをそれぞれ形成する。
【0037】このようにして図9に示す加速度センサが
構成される。なお、上記第1、第2実施形態に示す加速
度センサにおいて、基板30、アンカ部11、おもり可
動電極12、梁部13、固定電極14としては、特開平
9−145740号公報に開示されているように種々の
変形が可能である。例えば、基板30として半導体基板
以外にガラス基板を用いるようにしてもよい。また、固
定電極14の円周側面14aに突起を設けて、おもり可
動電極12の円周側面12aが接触するときの接触圧力
を高めるようにしてもよい。さらに、固定電極14を中
央に設け、その外周におもり可動電極12、梁部13、
アンカ部11を形成するようにしてもよい。さらに、梁
部13としては、渦巻き形状のバネ(スパイラルバネ)
としてもよい。
【0038】また、おもり可動電極12の円周側面12
aと固定電極14の円周側面14aとの距離の変化に基
づいて加速度検出を行う場合、おもり可動電極12の円
周側面12aと固定電極14の円周側面14aの接触状
態を検出するものの他、おもり可動電極12の円周側面
12aと固定電極14の円周側面14aとの間の静電容
量を測定して加速度検出を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における加速度センサの
断面図である。
【図2】シリコンの貼り合わせ基板を用いて加速度セン
サを構成した実施形態を示す断面図である。
【図3】図2に示す加速度センサの製造工程を示す断面
図である。
【図4】図3に続く製造工程を示す断面図である。
【図5】図2に示す加速度センサの他の構成を示す断面
図である。
【図6】本発明の第2実施形態における加速度センサの
断面図である。
【図7】図6に示す加速度センサの製造工程を示す断面
図である。
【図8】図7に続く製造工程を示す断面図である。
【図9】図6に示す加速度センサの他の構成を示す断面
図である。
【図10】図9に示す加速度センサの製造工程を示す断
面図である。
【図11】図10に続く製造工程を示す断面図である。
【図12】従来の加速度センサの平面図である。
【図13】図12に示す加速度センサの断面図である。
【図14】図12、図13に示す加速度センサの問題点
を説明する断面図である。
【符号の説明】
11…アンカ部、12…おもり可動電極、13…梁部、
14…固定電極、15…変形制御用薄膜、30…基板。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(30)と、 前記基板(30)上に固定して配設されたアンカ部(1
    1)と、 円周側面を有するおもり可動電極(12)と、 一端が前記アンカ部(11)に固定され他端が前記おも
    り可動電極(12)に固定されており、前記基板(3
    0)の表面と平行な方向に加速度が生じたとき、弾性変
    形して、前記おもり可動電極(12)を前記基板(3
    0)の表面と平行な方向に変位させるバネ部(13)
    と、 前記基板(30)上に固定して配設され、前記可動電極
    (12)の前記円周側面(12a)と所定間隔を隔てて
    対向する円周側面(14a)を有する固定電極(14)
    とを備え、 前記おもり可動電極(12)の前記円周側面(12a)
    と前記固定電極(14)の前記円周側面(14a)との
    距離の変化に基づいて加速度を検出するようにした加速
    度センサであって、 前記バネ部(13)が重力方向に変形するのを抑制する
    膜(15)を少なくとも前記バネ部(13)に形成した
    ことを特徴とする加速度センサ。
  2. 【請求項2】 基板(30)と、 前記基板(30)上に固定して配設されたアンカ部(1
    1)と、 円周側面を有するおもり可動電極(12)と、 一端が前記アンカ部(11)に固定され他端が前記おも
    り可動電極(12)に固定されており、前記基板(3
    0)の表面と平行な方向に加速度が生じたとき、弾性変
    形して、前記おもり可動電極(12)を前記基板(3
    0)の表面と平行な方向に変位させるバネ部(13)
    と、 前記基板(30)上に固定して配設され、前記可動電極
    (12)の前記円周側面(12a)と所定間隔を隔てて
    対向する円周側面(14a)を有する固定電極(14)
    とを備え、 前記おもり可動電極(12)の前記円周側面(12a)
    と前記固定電極(14)の前記円周側面(14a)との
    距離の変化に基づいて加速度を検出するようにした加速
    度センサであって、 前記おもり可動電極(12)に反重力方向の力を作用さ
    せる膜(15)を少なくとも前記バネ部(13)に形成
    したことを特徴とする加速度センサ。
  3. 【請求項3】 前記膜(15)は、前記おもり可動電極
    (12)に反重力方向の力を作用させる応力を有するも
    のであることを特徴とする請求項1又は2に記載の加速
    度センサ。
  4. 【請求項4】 前記膜(15)は、前記バネ部(13)
    における前記基板(30)と反対側の表面に形成され
    て、引っ張り応力を有するものであることを特徴とする
    請求項3に記載の加速度センサ。
  5. 【請求項5】 前記膜(15)は、前記バネ部(13)
    と前記おもり可動電極(12)を前記基板(30)の表
    面に略平行に維持する応力を有するものである請求項3
    又は4に記載の加速度センサ。
  6. 【請求項6】 前記膜(15)は、形状記憶合金で形成
    されていることを特徴とする請求項1に記載の加速度セ
    ンサ。
  7. 【請求項7】 基板(30)と、 前記基板(30)上に固定して配設されたアンカ部(1
    1)と、 円周側面を有するおもり可動電極(12)と、 一端が前記アンカ部(11)に固定され他端が前記おも
    り可動電極(12)に固定されており、前記基板(3
    0)の表面と平行な方向に加速度が生じたとき、弾性変
    形して、前記おもり可動電極(12)を前記基板(3
    0)の表面と平行な方向に変位させるバネ部(13)
    と、 前記基板(30)上に固定して配設され、前記可動電極
    (12)の前記円周側面(12a)と所定間隔を隔てて
    対向する円周側面(14a)を有する固定電極(14)
    とを備え、 前記おもり可動電極(12)の前記円周側面(12a)
    と前記固定電極(14)の前記円周側面(14a)とが
    接触したときに加速度を検出するようにした加速度セン
    サであって、 前記アンカ部(11)、前記おもり可動電極(12)、
    前記バネ部(13)および前記固定電極(14)は、厚
    さが一定の部材(50)を加工して形成されたものであ
    って、前記部材(50)は、前記基板(30)と反対側
    の表面において前記アンカ部(11)から前記おもり可
    動電極(12)にかけて連続した面となっており、かつ
    厚さが前記おもり可動電極(12)および前記バネ部
    (13)において前記アンカ部(11)および前記固定
    電極(14)より小さくなっていることを特徴とする加
    速度センサ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の加速度センサを製造す
    る方法であって、 前記部材をなす第1の半導体基板(50)の一面側に凹
    部(53)を形成する工程と、 この第1の半導体基板(50)の前記凹部(53)が形
    成された一面と前記基板をなす第2の半導体基板(5
    4、55、60〜63)の一面を接合して前記第1の半
    導体基板(50)と前記第2の半導体基板(54、5
    5、60〜63)を貼り合わせる工程と、 前記第1の半導体基板(50)の他面側から前記凹部
    (53)が形成された領域をエッチングして、前記アン
    カ部(11)、前記おもり可動電極(12)、前記バネ
    部(13)および前記固定電極(14)を形成する工程
    とを有することを特徴とする加速度センサの製造方法。
JP9349439A 1997-06-17 1997-12-18 加速度センサおよびその製造方法 Pending JPH1172505A (ja)

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JP9349439A JPH1172505A (ja) 1997-06-17 1997-12-18 加速度センサおよびその製造方法
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JP16029297 1997-06-17
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003510194A (ja) * 1999-09-27 2003-03-18 インプット/アウトプット,インコーポレーテッド マイクロ加工構造用テンポラリーブリッジ
KR100416763B1 (ko) * 2001-04-26 2004-01-31 삼성전자주식회사 수직변위 측정 및 구동 구조체와 그 제조방법

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