JPH1172408A - 漏液検出器,それを用いた漏液検出装置,及びそれを用いた漏液検出方法 - Google Patents

漏液検出器,それを用いた漏液検出装置,及びそれを用いた漏液検出方法

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JPH1172408A
JPH1172408A JP23198197A JP23198197A JPH1172408A JP H1172408 A JPH1172408 A JP H1172408A JP 23198197 A JP23198197 A JP 23198197A JP 23198197 A JP23198197 A JP 23198197A JP H1172408 A JPH1172408 A JP H1172408A
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conductor
liquid
leaked liquid
pipe
detector
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JP23198197A
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Katsufumi Ko
勝文 高
Kenji Sato
賢治 佐藤
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Original Assignee
SUMIEI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地下水や雨水による誤検出のおそれがなく、
漏液発生からの時間経過及び導体相互間の短絡抵抗値の
大小に影響されずに漏液位置を高精度に検出することが
でき、漏液量が所定量を超えた場合にのみ漏液を検出す
るように構成することもでき、施工コストも比較的安価
にできる漏液検出器,漏液検出装置,及び漏液検出方法
を提供すること。 【解決手段】 漏液検出器1は、ケーシング2の内部空
間5に互いに間隔をおいて配置された一対の電極6,7
と、内部空間5に液体を浸入させるための浸液口10を
液密状に閉塞する閉塞シート11と、ケーシング2の外
部が所定圧力に達したときに閉塞シート11を突き破っ
て浸液口10を開口させる針状体12とを備えてなる。
このような漏液検出器1を、配管の外周を覆って設けら
れた複数の筒状体にそれぞれ配設し、各漏液検出器1の
電極6,7を第1導体,第2導体で接続し、さらに第1
導体及び第2導体に第3導体を並設して、漏液検出装置
を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として地中埋設
配管等からの漏液を検出する用途に使用される漏液検出
器と、この漏液検出器を用いた漏液検出装置と、この漏
液検出装置を用いた漏液検出方法とに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、水道水,工業用水等は地中に埋
設された配管によって送液されているが、前記地中埋設
配管からの漏水は水の損失につながるうえ、地滑り等の
二次災害の原因ともなるため、漏水発生の有無及び発生
位置を迅速に検出し、損失拡大防止及び災害発生防止を
図ることが必要である。
【0003】そこで、従来は主として音波式漏水検知器
が利用されてきたが、これは埋設された配管の損傷部か
ら発生する漏水音を地面上から集音センサでキャッチし
て判定するものであり、 (1)周囲音(車両の走行音,重機音,家電機器音) (2)埋設状態(周辺地質,管種) (3)漏水状態(配管の損傷状態,液圧) 等の影響を受けるため、漏水有無の判定は高度の技能・
経験を有する技能者でも難しく、検出精度は低いもので
あった。
【0004】他方、互いに通液可能に絶縁された少なく
とも一対の導体(電極線)を有する検出用ケーブルを配
管に沿って布設し、配管から漏洩した導電性液体による
前記導体相互間の電気的短絡を利用して漏液の有無及び
その位置を検出する技術が、例えば特開昭54−257
88号公報,特開昭56−106130号公報,特開平
3−125939号公報,及び特公平2−43130号
公報等に開示されている。
【0005】ところで、例えば管内に有毒な液体が流れ
ているような場合は僅かな漏液も許されないが、前記の
ように水道水,工業用水等を送液する地中埋設配管に関
しては、例えば配管接続部のパッキン,シール類からの
微量の漏水(漏水の大半はこれに該当する)は実用上修
理を必要としない。しかし、前記各公報の技術を前記地
中埋設配管に適用した場合、漏水量の多少にかかわらず
発生した漏水を全て検出してしまうので、許容範囲内の
微量の漏水に起因する検出信号に邪魔されて、本来検出
しなければならない、修理を要する規模の漏水を発見で
きないおそれがあった。
【0006】また、特殊な検出用ケーブルを用いるため
にコスト高となるのに加えて、地下水や地面から浸透し
た雨水を漏水として誤検出しないためには、例えば配管
と検出用ケーブルとをその全長にわたって遮液シートで
一体的に覆い、地下水や雨水による導体相互間の短絡を
防ぐような対策も必要であった。しかし、この場合は遮
液シートに微細な孔が生じることも許されないので、高
度な遮液シート施工技術が要求され、施工コストが一層
高騰することになった。
【0007】また、漏水があった場合の導体相互間の短
絡抵抗値は、導体相互間の距離,導体表面の状態,水質
等によって大きく変化するが、前記各公報に記載の技術
ではこのように一定しない短絡抵抗値の影響を受けて、
漏水位置の検出精度が低くならざるを得なかった。加え
て、漏水発生から時間が経過すると、水が配管の長手方
向に伝播し検出用ケーブルの導体が広範囲にわたって短
絡するため、漏水位置の検出精度がより一層低下した。
さらに、漏水検出時に検出用ケーブルに接続する電源の
電圧が高い場合には、地中にリークする電流が近隣に埋
設された金属製ガス管に電食を生ぜしめ、ガス管の損傷
及びガスへの引火の危険性が増大することにもなった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題点に鑑みてなされたものであって、地下水や雨水に
よる誤検出のおそれがなく、漏液発生からの時間経過及
び導体相互間の短絡抵抗値の大小に影響されずに漏液位
置を高精度に検出することができ、漏液量が所定量を超
えた場合にのみ漏液を検出するように構成することもで
き、施工コストも比較的安価にできる漏液検出器,漏液
検出装置,及び漏液検出方法の提供を目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る漏液検出器は、内部空間及びこの内部
空間に液体を浸入させるための浸液口が形成されたケー
シングと、このケーシングの前記内部空間に互いに間隔
をおいて配置された少なくとも一対の電極とを備え、前
記浸液口から前記内部空間に浸入した導電性液体による
前記電極相互間の電気的短絡に基づいて配管等からの漏
液を検出する漏液検出器において、前記浸液口を液密状
に閉塞する閉塞手段と、ケーシング外部の圧力が所定圧
力に達したときに前記閉塞手段による閉塞状態を解除し
て前記浸液口を開口させる開口手段とを備えたものであ
る。
【0010】また、本発明に係る漏液検出装置は、大気
圧よりも高圧の導電性液体を管内に流して用いられる配
管の長手方向に配設され、それぞれが環状空間を介して
前記配管の外周を覆う複数の筒状体と、前記各筒状体の
開口縁部と前記配管の外周面との間をそれぞれ密封する
密封手段と、少なくとも浸液口が前記環状空間に臨む状
態で前記各筒状体にそれぞれ設けられた請求項1記載の
漏液検出器と、前記各漏液検出器の一方の電極を接続し
て設けられた第1導体と、前記各漏液検出器の他方の電
極を接続して設けられた第2導体と、前記第1導体及び
第2導体に並設された第3導体とを備えたものである。
【0011】また、前記構成に加えて、配管から漏洩し
て環状空間に溜まった導電性液体を筒状体の外部に排出
するための所定開口面積の排液口が筒状体,漏液検出器
のいずれか一方又は両方に形成されたものである。
【0012】さらに、本発明に係る漏液検出方法は、前
記漏液検出装置を用いて漏液を検出する場合において、
第1導体又は第2導体のいずれか一方について、その一
端と第3導体の一端との間に電源を接続するとともに、
その他端と第3導体の他端との間を短絡し、この状態で
前記電源の電圧値と、第1導体の一端と第2導体の一端
との間の電圧値とをそれぞれ計測し、前記計測された両
電圧値の比率に基づいて漏液を検出した漏液検出器の位
置を特定するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1〜図3は本発明の一実施形態に
係る漏液検出器1を示している。この漏液検出器1は四
角箱状のケーシング2と、このケーシング2の下部から
周囲に張り出した鍔部3と、この鍔部3の四隅から下向
きに延設された脚体4とを有している。符号5はケーシ
ング2の内部空間を示している。
【0014】ケーシング2には、それぞれ中間部分が内
部空間5に露出した一対の電極6,7と、これらの電極
6,7間に配された1本の導体8とが設けられている。
電極6,7及び導体8の両端部はそれぞれケーシング2
外に突出しており、ここに導線等が接続できるようにな
っている。なお、図2及び図3に示したように導体8の
中間部分は被覆部9で被覆されていて、内部空間5には
露出していない。
【0015】ケーシング2には外部の液体を内部空間5
に浸入させるための浸液口10が形成されるとともに、
この浸液口10を液密状に閉塞する閉塞シート11(閉
塞手段の一例)が設けられている。閉塞シート11は可
撓性を有する合成樹脂等からなり、その周縁部が耐水性
を有する接着材(不図示)で浸液口10周囲のケーシン
グ2下面に貼着されている。また、ケーシング2の内部
空間5には下端の尖った針状体12(開口手段の一例)
が設けられていて、ケーシング2の外部と内部空間5と
に圧力差が無い場合には、図2及び図3に実線で示した
ように閉塞シート11と針状体12とが離れているが、
ケーシング2外の圧力が所定圧力まで上昇した場合に
は、図3に二点鎖線で示したように閉塞シート11が内
方に撓んで針状体12の下端が閉塞シート11を突き破
り、これにより浸液口10が開口するよう構成されてい
る。なお、針状体12が閉塞シート11を突き刺した際
に液体の通路となる溝又は孔等の空間を針状体12の側
面や内部に形成することも考えられる。
【0016】次いで、前記漏液検出器1を用いた漏液検
出装置を図4及び図5に基づいて説明する。図4におい
て符号20は地面を、21は地中に埋設され管内に大気
圧よりも高圧の導電性液体(例えば上水道水など)を流
して用いられる配管を示しており、符号22は配管21
に設けられた筒状体を示している。筒状体22は液密性
(遮液性)を有する合成樹脂等のシートからなり、環状
空間23を介して配管21の外周を覆っている。筒状体
22両端の開口縁部と、これに対向する位置の配管21
外周面との間は、それぞれシリコンゴム等のコーキング
24(密封手段の一例)で密封され、これにより環状空
間23は外部と遮断された密閉状の空間となっている。
【0017】前記漏液検出器1は、筒状体22に穿設さ
れた適宜な大きさの取付孔からケーシング2上部が突き
出すとともに、前記閉塞シート11で閉塞された浸液口
10が環状空間23に臨んだ状態に設けられ、漏液検出
器1と筒状体22との隙間は前記と同様のコーキング2
4で密封されている。さらに、筒状体22には、環状空
間23内の液体を筒状体22の外部に排出可能な所定開
口面積の排液口25が穿設されている。
【0018】漏液検出装置は、以上のような筒状体22
の複数が配管21の長手方向に適宜の間隔をおいて配設
されるとともに、各筒状体22に設けられた漏液検出器
1が図5のように電気接続されて構成されている。すな
わち、各漏液検出器1の電極6,電極7,及び導体8
が、それぞれ接続用導体26,27,28を介して直列
に接続され、各電極6及び接続用導体26から本発明に
いう第1導体aが、各電極7及び接続用導体27から本
発明にいう第2導体bが、さらに各導体8及び接続用導
体28から本発明にいう第3導体cが、それぞれ構成さ
れている。
【0019】接続用導体26,27,28は防水性を有
する絶縁材(不図示)で被覆されるとともに、電極6,
7及び導体8と各接続用導体26,27,28との接続
部分はそれぞれ防水性を有する絶縁材(不図示)でシー
ルされて、相互間の短絡が防止されている。なお、筒状
体22を配管21のいずれの部位に設けるかは任意であ
るが、一般的には漏液が発生しやすい配管21相互の継
手部分や、配管21と枝管との接続部分を覆うように設
けるのが好ましい。
【0020】この漏液検出装置は以上のように構成され
ているので、いずれかの筒状体22で覆われた位置の配
管21から導電性液体が漏洩すると、漏洩した液体は環
状空間23に蓄積される。ここで、環状空間23におけ
る導電性液体の圧力Pは次式で与えられる。 P=K(V/A)2 ただし、Vは単位時間当たりの漏液量,Aは排液口25
の開口面積,Kは液体の粘度,排液口25先の地質等に
より変化する係数である。
【0021】圧力Pが所定圧力まで上昇すると、前記の
ように漏液検出器1の針状体12が閉塞シート11を突
き破って浸液口10を開口させるので、環状空間23の
導電性液体は浸液口10からケーシング2の内部空間5
に浸入する。これにより、内部空間5内の電極6,7間
(すなわち第1導体a,第2導体b間)に電気的短絡が
生じるので、第1導体a,第2導体b,及び/又は第3
導体cの一端及び/又は他端に電源,電圧計,電流計等
を適宜に接続すれば、漏液の有無及びその発生位置を検
出することができる。
【0022】この漏液検出装置にあっては、排液口25
の開口面積に対して漏液の量が僅かである場合には、上
記の式からも明らかなように環状空間23内の圧力は上
昇せず、漏液検出器1の浸液口10は閉塞シート11で
閉塞された状態を保つ。したがって、排液口25の開口
面積を適宜に設定することにより、例えば配管接続部の
パッキン,シール類からの実用上修理を必要としない微
量の漏液は検出せず、一定以上の規模の漏液のみを確実
に検出するように構成することができる。
【0023】また、接続用導体26,27,28には、
例えばビニル被覆電線のような一般的なものが使用でき
るので、特殊な検出用ケーブルを用いる場合に比べて材
料費を低減できる。また、施工時に筒状体22等に多少
傷がつき、そこから地下水等が環状空間23内に浸入し
ても、これによって閉塞シート11が破れるようなこと
はない。したがって、特別に高度な施工技術は要求され
ないため、施工コストも低減できる。
【0024】さらに、複数の筒状体22は互いに独立し
ているので、一つの筒状体22の内部で閉塞シート11
が破れる程度の漏液が発生してから時間が経過しても、
隣接する筒状体22では環状空間23内の圧力が上昇す
ることはなく、かつ、従来のように検出用ケーブルを用
いた場合と異なり、第1導体a,第2導体b,第3導体
cを漏液が伝播して短絡範囲が広がるようなこともな
い。したがって、漏液発生からの時間の経過によって漏
液位置の検出精度が低下することはない。
【0025】次いで、前記漏液検出装置を用いた本発明
の漏液検出方法を図6に基づいて説明する。図示したよ
うに、第1導体a,第2導体b,及び第3導体cの一端
と漏液検出器Xとの距離をL1 、漏液検出器Xと第1導
体a,第2導体b,及び第3導体cの他端との距離をL
2 、第1導体aの一端から漏液検出器Xまでの電気抵抗
値をr1 、漏液検出器Xから第1導体aの他端までの電
気抵抗値をr2 、第3導体cの一端から他端までの電気
抵抗値をr3 、漏液検出器Xから第2導体bの一端まで
の電気抵抗値をr4 、漏液検出器Xの電極6,7間の短
絡抵抗値をrx、第1導体aの一端と漏液検出器Xとの
間の電流値をI1 、漏液検出器Xと第1導体aの他端と
の間の電流値をI2 、第3導体cの他端と一端との間の
電流値をI3 、漏液検出器Xと第2導体bの一端との間
の電流値をI4 、漏液検出器Xの電極6,7間の電流値
をIx とする。
【0026】なお、第1導体a,第2導体b,及び第3
導体cの全長L3 は予め分かっているものとする。ま
た、第1導体a,第2導体b,第3導体cの単位長さ当
たりの電気抵抗値ra ,rb ,rc は互いに異なってい
てもよいが、ここでは計算簡略化のために全て同抵抗値
(ra =rb =rc )であるものとする。
【0027】漏液検出に際しては、図のように第1導体
a一端の測定端子Naと第3導体c一端の測定端子Nc
との間に電源31及び電圧計32を接続するとともに、
前記測定端子Naと第2導体b一端の測定端子Nbとの
間に電圧計33を接続する。また、第1導体a他端と第
3導体c他端との間を短絡する。
【0028】配管21に漏液が発生していない場合は、
測定端子Na,Nb間に閉回路が形成されないため、前
記測定端子間に電位差は生じない。他方、複数の筒状体
22のいずれかで覆われた位置の配管21に、一定量以
上の漏液が発生した場合は、その筒状体22に設けられ
た漏液検出器Xの電極6,7間が短絡し(すなわち第1
導体a,第2導体b間が短絡し)、測定端子Na,Nb
間に電位差V2 が発生するので、これを電圧計33で計
測する。また、測定端子Na,Nc間の電位差V1 (す
なわち電源31の電圧値)を電圧計32で計測する。
【0029】ここにおいて、短絡抵抗値rx は電極6,
7間の距離,電極表面の状態,漏液の液質等によって大
きく変化する。(上水道水で電極6,7間を短絡させた
実験でも短絡抵抗値rx には5000〜8000Ωとい
うばらつきが認められたが、いずれの場合も導体の抵抗
値ra =0.02Ω/mに比較すると極めて大きかっ
た。)しかし、電圧計の内部抵抗が極めて大きいので、
電流値Ix 及びI4 は、Ix =I4 ≒0と無視できるこ
とにより、短絡抵抗値rx の影響も無視できることにな
る。また、これにより必然的にI1 ≒I2 =I3 とな
る。
【0030】したがって、測定端子Na,Nc間の電位
差V1 は次の式で現わされる。 V1 =ra ×L1 ×I1 +ra ×L2 ×I2 +rc ×L3 ×I3 =r1 ×I1 +r2 ×I2 +r3 ×I3 ≒2ra ×L3 ×I1 ・・・・ また、測定端子Na,Nb間の電位差V2 は次の式で現
わされる。 V2 =ra ×L1 ×I1 +rx ×Ix +rb ×L1 ×I4 ≒ra ×L1 ×I1 ・・・・ よって、漏液検出器Xまでの距離L1 は、以下の式で求
められる。 L1 =(2×V2 ×L3 )/V1 ・・・・ この距離L1 により、漏液を検出した漏液検出器Xの位
置を特定できる。
【0031】の式から明らかなように、この漏液検出
方法では短絡抵抗値rx が大きく変化しても、その影響
で距離L1 に誤差が生じることはない。したがって、短
絡抵抗値rx を無視できることになって、従来の方法よ
りも漏液位置の検出精度が大幅に向上する効果が奏され
る。(第2導体bの導体抵抗rb も無視できる。)
【0032】また、第1導体a,第2導体b,第3導体
cの全長L3 が不明の場合には測定端子Na,Nb間の
電流値I3 を計測し、前記式に代入し、 L3 =V1 /(2ra ×I1 ) 上記の計算を行なうことにより容易に求められる。
【0033】なお、電源の接続及び電位差の計測を第1
導体a,第2導体b,第3導体cの一端側のみから行な
え、他端側は施工時に予め短絡させておくこともできる
本発明の漏液検出方法を用いれば、例えば前記の電位差
を自動的に計測し、この計測結果を公衆回線等を通じて
集中監視装置まで伝達し、そこで距離演算を行ない、漏
液が発生した地区,液種,位置等を表示するというよう
な漏液集中管理システムも容易に実現可能となることは
明らかである。
【0034】ところで、本発明の実施形態が以上で説明
したものに限定されないことは言うまでもなく、例えば
漏液検出器1の内部空間5に臨む電極6,7はそれぞれ
透液性絶縁材で被覆されていてもよい。また、前記では
第1導体aで各漏液検出器1の電極6を相互に接続する
とともに、第2導体bで各漏液検出器1の電極7を相互
に接続するようにしたが、本発明にいう「一方の電
極」,「他方の電極」と電極6,電極7との対応関係が
固定的である必要はなく、例えば1つの漏液検出装置の
中の、ある漏液検出器1では第1導体aが電極6に第2
導体bが電極7にそれぞれ接続され、別の漏液検出器1
では第1導体aが電極7に第2導体bが電極6にそれぞ
れ接続されているというように、第1導体aと第2導体
bとが交差状に設けられていても構わない。
【0035】また、ケーシング2に電極6,7を予め設
けておかず、漏液検出装置を施工する際に、第1導体及
び第2導体を構成するための例えばビニル被覆電線等の
導体の非透液絶縁被覆材を所定長さで取り除き、この被
覆材を除去した部分が内部空間5に収容されるようケー
シング2に導体を挿通したのち、ケーシング2と導体と
の隙間を液密状にシールするようなことも考えられる。
この場合、前記導体の被覆材を除去した部分が漏液検出
器の電極となる。なお、この場合は第3導体の被覆材は
除去する必要がなく、また、第3導体をケーシング2内
に挿通する必要もない。
【0036】また、前記漏液検出器1は電極6,7の両
端がケーシング2外に突出していたが、本発明の漏液検
出器は、図7に示したように一端がケーシング2の内部
空間5に突出し他端がケーシング2外に突出した一対の
電極6a,7aを備えた漏液検出器1aであっても構わ
ない。なお、この場合は、図8に示したように第1導体
a,第2導体bを各漏液検出器1aの電極6a,7aの
他端側に接続して設けるとともに、第3導体cはいずれ
にも接続しないで第1導体a及び第2導体bと平行に配
設すればよい。
【0037】また、前記では漏液検出器1の開口手段
を、閉塞シート11を突き破る針状体12で構成した
が、例えば所定の圧力がかかったときに閉塞シート11
が自ら破れるように閉塞シート11に予め傷等の加工を
施したり、閉塞シート11に予め切れ目又は継ぎ目を形
成し、この切れ目又は継ぎ目を圧力がかかったときに剥
離する程度に接着剤又はコーキング材で封止したりする
ことも考えられ、このような構成も当然本発明にいう開
口手段に含まれる。
【0038】また、前記では筒状体22をシートで形成
したが、筒状体は内径が配管21の外径よりも大きい金
属管や樹脂製のチューブ等でもよい。排液口25は、筒
状体22の開口縁部を密封するコーキング24に形成さ
れていてもよく、内部空間5を避ける位置で漏液検出器
1を上下に貫通して形成されていてもよい。僅かな量の
漏液も検出する必要があるような場合は、排液口25を
設けなくてよい。さらに、第1導体a,第2導体b,第
3導体cは、筒状体22の内側(環状空間23側)に挿
通されていてもよい。
【0039】また、前記では測定端子Na,Nb間及び
Na,Nc間の電位差に基づいて漏液位置を特定した
が、測定端子Na,Nb間及びNb,Nc間の電位差、
又は、測定端子Nb,Nc間及びNa,Nc間の電位差
に基づいて漏液位置を特定してもよい。さらに、前記で
は第1導体a,第2導体b,及び第3導体cという3本
の導体を用いた場合について説明したが、漏液測定装置
が並設された4本以上の導体を備えている場合も、その
うちの少なくとも2本が各漏液検出器の電極をそれぞれ
接続していれば、漏液位置を特定することが可能であ
る。
【0040】(実験例)本発明の有効性を実証するた
め、以下のような実験を行なった。すなわち、図9のよ
うに両端を閉塞した長さ1mの試験用配管21aに前記
実施形態と同様の筒状体22を1つ設け、この筒状体2
2に前記漏液検出器1を取り付けた。漏液検出器1のケ
ーシング2は塩化ビニル製とし、この漏液検出器1の電
極6,7及び導体8の両端にビニル被覆電線をそれぞれ
接続して、全長L3 が1000mずつの第1導体a,第
2導体b,及び第3導体cを構成した。また、供給配管
34から試験用配管21a内に所定圧力で供給した上水
道水を、試験用配管21aに形成した漏水孔35から漏
洩させた。
【0041】そして、前記全長L3 は1000mずつの
一定に保ちつつ、各導体の漏液検出器1を境とする一端
側と他端側との長さの比率を変化させることで、見掛上
の漏水位置を変化させるようにした。また、第1導体
a,第2導体b,第3導体cの一端(測定端)に図6と
同様に電源及び電圧計を接続した。このようにして、見
掛上の漏水位置を変化させるたびに電圧計で電位差を計
測し(漏液検出後2〜3秒経過時点と、漏液検出後1時
間経過時点との2回計測)、この計測値に基づいて距離
1 を算出した。
【0042】その結果、図10のグラフに示したよう
に、この方法で求められた距離L1 と実際の距離との誤
差は0.5m以内であり、全長L3 の0.05%程度で
あることが確認された。なお、配管単長は一般的に4〜
5m程度であり、現実の工事では配管単長の数倍の長さ
にわたって地盤を掘削,補修するので、±4m程度の誤
差であれば何ら支障が生じることはない。また、漏水開
始からの時間経過が計測誤差に影響しないので、安心し
て工事計画を立てられることもわかった。さらに、全長
3 を1000mに設定したこの実験では電源の電圧が
2V以下でも問題なく計測できたので、全長L3 が5倍
となっても低電圧での計測が可能で、周囲のガス管等へ
の影響を極めて少なくできることが明らかになった。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
地下水や雨水による誤検出を防止できるとともに、漏液
発生からの時間経過及び導体相互間の短絡抵抗値の大小
に影響されずに漏液位置を高精度に検出することがで
き、単位時間当たりの漏液量が所定量を超えた場合にの
み漏液を検出するように構成することもでき、さらに、
施工コストも比較的安価にできる。したがって、例えば
水道水,工業用水等を管内に流して用いられる地中埋設
配管からの漏水を検出するような場合に極めて好適に実
施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る漏液検出器の平面図
である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】図2のB−B線における断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る漏液検出装置の要部
概略断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る漏液検出装置の電気
配線を説明する概略平面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る漏液検出方法を説明
する電気回路図である。
【図7】本発明の別の実施形態に係る漏液検出器の断面
図である。
【図8】図7の漏液検出器を用いた場合の電気配線を説
明する概略平面図である。
【図9】本発明に係る実験に用いた漏液検出装置の概略
断面図である。
【図10】実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1,1a 漏液検出器 2 ケーシング 5 内部空間 6,7 電極 6a,7a 電極 10 浸液口 11 閉塞シート(閉塞手段) 12 針状体(開口手段) 21 配管 22 筒状体 23 環状空間 24 コーキング(密封手段) 25 排液口 31 電源 32,33 電圧計 a 第1導体 b 第2導体 c 第3導体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部空間及びこの内部空間に液体を浸入
    させるための浸液口が形成されたケーシングと、このケ
    ーシングの前記内部空間に互いに間隔をおいて配置され
    た少なくとも一対の電極とを備え、前記浸液口から前記
    内部空間に浸入した導電性液体による前記電極相互間の
    電気的短絡に基づいて配管等からの漏液を検出する漏液
    検出器において、 前記浸液口を液密状に閉塞する閉塞手段と、ケーシング
    外部の圧力が所定圧力に達したときに前記閉塞手段によ
    る閉塞状態を解除して前記浸液口を開口させる開口手段
    とを備えたことを特徴とする漏液検出器。
  2. 【請求項2】 大気圧よりも高圧の導電性液体を管内に
    流して用いられる配管の長手方向に配設され、それぞれ
    が環状空間を介して前記配管の外周を覆う複数の筒状体
    と、前記各筒状体の開口縁部と前記配管の外周面との間
    をそれぞれ密封する密封手段と、少なくとも浸液口が前
    記環状空間に臨む状態で前記各筒状体にそれぞれ設けら
    れた請求項1記載の漏液検出器と、前記各漏液検出器の
    一方の電極を接続して設けられた第1導体と、前記各漏
    液検出器の他方の電極を接続して設けられた第2導体
    と、前記第1導体及び第2導体に並設された第3導体と
    を備えたことを特徴とする漏液検出装置。
  3. 【請求項3】 配管から漏洩して環状空間に溜まった導
    電性液体を筒状体の外部に排出するための所定開口面積
    の排液口が筒状体,漏液検出器のいずれか一方又は両方
    に形成された請求項2記載の漏液検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の漏液検出装置を用
    いて漏液を検出する場合において、 第1導体又は第2導体のいずれか一方について、その一
    端と第3導体の一端との間に電源を接続するとともに、
    その他端と第3導体の他端との間を短絡し、 この状態で前記電源の電圧値と、第1導体の一端と第2
    導体の一端との間の電圧値とをそれぞれ計測し、 前記計測された両電圧値の比率に基づいて漏液を検出し
    た漏液検出器の位置を特定することを特徴とする漏液検
    出方法。
JP23198197A 1997-08-28 1997-08-28 漏液検出器,それを用いた漏液検出装置,及びそれを用いた漏液検出方法 Pending JPH1172408A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0691353A1 (en) * 1994-07-06 1996-01-10 Union Carbide Chemicals & Plastics Technology Corporation Process for preparing an in situ polyethylene blend giving low gel film
JP2017003380A (ja) * 2015-06-09 2017-01-05 積水化学工業株式会社 漏水検知システムの設置方法、漏水検知システムおよび漏洩検知方法
JP2019158443A (ja) * 2018-03-09 2019-09-19 日本電気株式会社 漏洩検出システムおよび漏洩検出方法
CN113008475A (zh) * 2021-03-05 2021-06-22 深圳市祥为测控技术有限公司 传输管道测漏***及其测漏方法

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