JPH1172058A - 燃料噴射系 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料高圧貯え器と燃料噴射弁との間の管路接
続部による不都合な絞り作用を受けないようにする。 【解決手段】 燃料高圧貯え器５が、該燃料高圧貯え器
５が複数の燃料噴射弁６のそれぞれの弁ケーシング２１
に直接的に結合されている接続個所２６を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のための
燃料噴射系であって、内燃機関に配属された複数の燃料
噴射弁に燃料を供給するための、高圧ポンプによって燃
料を供給される燃料高圧貯え器が設けられており、燃料
噴射弁がその噴射開口の上流側に圧力室を有しており、
該圧力室がそれぞれ燃料高圧貯え器に接続されている形
式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】ドイツ連邦共和国特許出願公開第４３４
１５４６号明細書に基づき公知のこのような燃料噴射系
の場合、燃料高圧源として、第１の燃料高圧貯え器が設
けられている。この第１の燃料高圧貯え器は第２の燃料
高圧貯え器に燃料を供給する。これらの第２の燃料高圧
貯え器はそれぞれ１つの燃料噴射弁に対応配置されてい
る。このような第２の燃料高圧貯え器から切換え弁を介
して、燃料が燃料噴射弁に供給される。これらの燃料高
圧貯え器はそれぞれ高圧管路を介して互いに接続されて
いる。これらの高圧管路はそれぞれ、制限された１流過
横断面を提供していて、ひいては、燃料噴射弁への燃料
供給に絞り作用をも与える。それぞれの燃料噴射過程に
わたる燃料噴射弁への十分な燃料供給は、貯え器の大き
さ、圧力レベルおよび再充填容量、さらに高圧管路内の
絞りに関連する。これらのパラメータを十分に考慮しな
いと、それぞれの燃料噴射過程中に燃料噴射弁において
圧力降下が生ぜしめられる。しかしながら、燃料供給の
このような減小をもたらすパラメータを大きくすること
により、著しい過剰寸法がもたらされる。また、燃料が
高圧下で十分な量で高圧貯え器から提供されても、特に
高圧貯え器と燃料噴射弁との間の絞り作用を有する管路
接続部が、管路の弾性およびこれにより圧力変化時には
変化可能な吸込み容積に基づいても、規定された圧力レ
ベルの保証に対して著しく不都合な影響を与える。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冒頭
に述べた形式の燃料噴射系を改良して、上記欠点を取り
除き、燃料高圧貯え器と燃料噴射弁との間の管路接続部
による不都合な絞り作用を受けない燃料噴射系を提供す
ることである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、燃料高圧貯え器が、該燃料高圧貯
え器が複数の燃料噴射弁のそれぞれの弁ケーシングに直
接的に結合されている接続個所を有しているようにし
た。

【０００５】

【発明の効果】本発明による燃料噴射系の主な利点は、
燃料高圧貯え器が、この燃料高圧貯え器が複数の燃料噴
射弁のそれぞれのケーシングに直接的に結合されている
接続個所を有していることにより、不都合をもたらす管
路接続部が省かれることである。こうして、管路接続部
の絞り作用が阻止され、高圧燃料を大きな補充量で燃料
噴射弁の圧力室に提供することが可能である。

【０００６】本発明の有利な構成では、燃料高圧貯え器
が細長く延びる中空体として形成されており、この中空
体が燃料噴射弁の長手方向軸線に対して横方向に延びて
いる。これにより、燃料高圧貯え器を噴射弁に直接的に
結合することが保証され、燃料高圧貯え器の容積と燃料
噴射弁の圧力室との間の既に述べた短い接続部を実現す
ることができる。この場合、燃料高圧貯え器は内燃機関
ケーシング内で、相応に適合された切欠き内に挿入され
ていると有利である。燃料高圧貯え器と燃料噴射弁と
の、耐高圧性を有する密な有効な結合のために、請求項
４に記載の構成がなされる。この場合、燃料高圧貯え器
が上に述べたように内燃機関ケーシングに設けられた相
応の切欠きに挿入されているか、または内燃機関に他の
形式で位置固定されているかは無関係である。しかしな
がら、請求項５に記載したように、燃料高圧貯え器が内
燃機関ケーシングの長手方向通路内に挿入されていて、
この長手方向通路で位置固定されており、燃料噴射弁が
接続個所の領域で、位置固定された燃料高圧貯え器に圧
着されると有利である。これにより、各燃料噴射弁にお
けるシール性を個別に試験して保証することができる。
別な構成においては、請求項６に記載したように、押圧
部材が設けられており、該押圧部材によって、燃料噴射
弁の弁ケーシングが燃料噴射弁の流入個所の領域におい
て、燃料高圧貯え器の流出個所に圧着されている。この
場合、請求項７に記載した構成によれば、これらの流入
位置および流出位置はシール面で取り囲まれており、こ
れらのシール面は圧着力下でシール性を保証する。請求
項８〜１０に記載した構成によって、燃料高圧貯え器が
規定された状態で位置固定されると、弁ケーシングと燃
料高圧貯え器との間の接続個所の領域で、整合補償を実
現することができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に本発明を図面に示した実施の
形態について説明する。

【０００８】図１は、本発明による燃料噴射系の原理を
示している。この燃料噴射系においては前フィードポン
プ２が燃料リザーブ容器１から燃料を高圧ポンプ３に圧
送する。この高圧ポンプ３は吐出管路４を介して燃料高
圧貯え器５に接続されている。この燃料高圧貯え器５に
は、噴射圧にもたらされた燃料が、燃料噴射弁６に供給
するために提供される。

【０００９】燃料高圧貯え器５内の圧力は圧力センサ８
によって監視することができる。この圧力センサの信号
は電気的な制御装置９によって検出される。この制御装
置はここで構成されているように、高圧ポンプ３の高圧
フィード出力を制御する。このために付加的に、安全性
の理由から圧力制限弁１０が設けられている。この圧力
制限弁は別の構成では、前記高圧ポンプの制御に使用さ
れる代わりに、燃料高圧貯え器５を制御して放圧するこ
とにより燃料高圧貯え器５内の圧力制御を行うために使
用されてもよい。さらに制御装置９によって、燃料噴射
弁６を介した噴射も制御される。これらの燃料噴射弁
は、電気的に制御可能な燃料噴射弁として形成されてい
る。図１から明らかなように、燃料噴射弁は燃料高圧貯
え器５に直接に配属されている。このような配属関係は
図２においてより詳細に示されている。図２においては
やはり燃料高圧貯え器５が示されている。この燃料高圧
貯え器は詳細には図示していない手段によってその位置
に位置固定されている。さらに燃料噴射弁６の一部が断
面で示されている。この燃料噴射弁は内燃機関ケーシン
グ１４の切欠き１２内で軸方向および半径方向に位置固
定されて挿入されている。燃料高圧貯え器は内燃機関ケ
ーシング１４に設けられた例えば長手方向通路の形の切
欠き１５内にやはり位置固定されている。

【００１０】燃料噴射弁６は弁ニードル１７を有してい
る。この弁ニードルは公知の形式で噴射開口１８を制御
している。これらの噴射開口の上流側には、圧力室１９
が設けられている。圧力室は、燃料噴射弁の弁ケーシン
グ２１内で長手方向に延びる圧力通路２０もしくは圧力
管路から燃料を供給される。弁ニードルは圧縮ばね２２
によって閉鎖方向に負荷される。弁ケーシングに支持さ
れたこのような圧縮ばね２２の力に抗して、圧力室１９
内の圧力に晒される受圧肩部２３が設けられている。こ
の受圧肩部２３を介して、受圧面と圧力室内の圧力とか
ら合成された力から、弁ニードル１７はばね力に抗して
開放位置に運動させることができる。しかしながら弁ニ
ードルの延長部に付加的に、詳しくは図示していない形
式でやはり所定の圧力室の圧力に晒された突き棒２４が
作用する。この圧力室の圧力レベルは電気的に制御され
た弁によって変化させることができる。このような圧力
室が放圧されると、弁ニードル１７を圧縮ばね２２の力
に抗して開放方向にもたらすことができる。しかしなが
ら前記圧力室に圧力が形成されると、突き棒２４は弁ニ
ードル１７をその開放力に抗して閉鎖方向に押圧する。

【００１１】圧力室１９に高い噴射圧にもたらされた燃
料を供給するために、圧力通路２０が設けられている。
この圧力通路は、弁ケーシングの長手方向延在長さの中
央領域において弁ケーシング２１の周面２５に設けられ
た流入個所２７を有している。このような流入個所２７
は、燃料高圧貯え器５に設けられた流出個所２６に密に
接触している。流入個所と流出個所とは、接続個所を形
成している。密な結合のために、噴射弁はその流入個所
で流出個所２６に、押圧部材３６によって圧着されてい
る。このことは図３からより正確に判る。この図３から
明らかなように、弁ケーシング２１の一部はその内部に
圧力管路もしくは圧力通路２０を備えている。この圧力
通路からは、横方向通路２８が分岐している。この横方
向通路は、窪み状の切欠き２９の領域で終わっている。
このような窪み状の切欠きはシール面として弁ケーシン
グ２１の外周面２５に加工成形されており、燃料高圧貯
え器５の流出個所２６を収容するために役立つ。流出個
所は突起３１としてほぼ瘤状に形成されて、球面状の表
面３２を有している。この表面はやはりシール面として
加工されている。燃料高圧貯え器の長手方向軸線３３に
対して半径方向で見て突起３１の最も高く位置する点
に、燃料通路３４が進出している。この燃料通路３４は
燃料高圧貯え器が弁ケーシング２１に密に当接すると、
横方向通路２８と整合合致し、ひいては、燃料高圧貯え
器５と、燃料噴射弁の圧力通路２０もしくは圧力室１９
との間の直接的な接続部を形成する。

【００１２】流入個所２７と流出個所２６との間の密な
結合を保証するために、燃料噴射弁の長手方向延在長さ
に対して横方向に押圧部材３６が設けられている。この
押圧部材は切欠き１２内に進入して、弁ケーシング２１
で緊定されている。この場合弁ケーシング２１の流入個
所２７は、長手方向通路１５に位置固定された燃料高圧
貯え器の流出個所２６に圧着される。突起３１の球面状
の形状は整合エラーを補償することを可能にする。この
場合、突起３１の表面が球面状である一方、切欠き２９
の表面は円錐状に形成されて、シール縁としての線接触
が実現可能であるように対を成すことが可能である。し
かしながら、流入個所と流出個所との間の、相応に適合
された球面状の窪み形状の組み合わせも勿論実現可能で
ある。さらに、両結合領域は円錐面においても実現可能
である。この場合整合エラーの補償はもはや大きな範囲
においては不可能である。特に円錐角を互いに異なる大
きさで形成して、突起３１の領域内で、形成すべき円錐
の小さめの先端角を備えた円錐面が設けられるのに対し
て、弁ケーシング２１の円錐面のための対応して形成す
べき円錐が相応により大きくなるようにしなければなら
ない。

【００１３】図３に示した実施例の実施変化例が図４に
示されている。この突起は燃料高圧貯え器の側ではな
く、燃料噴射弁の側に設けられている。この突起３１′
は図３に示した形状に類似して球面状の表面３２′を有
している。この表面はシール面として加工成形されてい
て、横方向通路２８′がこの実施例でも、この球面状の
突起３１′の最も高い個所で開口している。燃料高圧貯
え器５′は対向して位置する側で、窪み状の切欠き２
９′を有している。この切欠きは球面状または円錐面状
であってよく、やはりシール面として考えられている。
このシール面には、内室３７を備えた、燃料高圧貯え器
の内部から燃料通路３４が延びている。この内室は、燃
料高圧ポンプ３によって燃料を充填された状態にある。

【００１４】前記突起は図３および図４に示した両実施
例において、切欠き１２と切欠き１５との間の交わり開
口３８を跨いでいる。これらの交わり開口は、内燃機関
ケーシング１４に支承された燃料高圧貯え器と、この内
燃機関ケーシングに支承された燃料噴射弁との間の接続
を許す。この場合さらに突起３１；３１′は、整合エラ
ーを補償し、かつ燃料高圧貯え器に弁ケーシングを圧着
するのに必要な自由空間を提供して、燃料高圧貯え器と
弁ケーシングとの間の管片状の結合を実現するために必
要である。押圧部材３６によって行われる圧着は、種々
異なる形で実現することができ、各接続個所において個
別に調節することもできるので、燃料噴射弁と燃料高圧
貯え器との間の正確で密な結合が、必要な製造許容誤差
および組付許容誤差とは無関係に可能である。

【００１５】本発明による手段により、燃料高圧貯え器
と燃料噴射弁の噴射個所との間の、極めて短い接続が提
供される。このような接続により、燃料高圧貯え器と燃
料噴射弁の噴射個所との間の接続部における絞り損失が
最小限に抑えられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】燃料高圧貯え器および燃料噴射弁を備えた燃料
噴射系を示す概略図である。

【図２】燃料高圧貯え器とこれに対応配置された燃料噴
射弁との結合部の、本発明による第１の実施例を示す部
分断面図である。

【図３】燃料高圧貯え器と燃料噴射弁との間の接続個所
を拡大して示す図である。

【図４】燃料噴射弁と燃料高圧貯え器との間の結合部
の、本発明による第２の実施例を示す部分断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 燃料リザーブ容器、 ２ 前フィードポンプ、 ３
高圧ポンプ、 ４吐出管路、 ５，５′ 燃料高圧貯
え器、 ６ 燃料噴射弁、 ８ 圧力センサ、 ９ 制
御装置、 １０ 圧力制限弁、 １２ 切欠き、 １４
内燃機関ケーシング、 １５ 切欠き（長手方向通
路）、 １７ 弁ニードル、 １８ 噴射開口、 １９
圧力室、 ２０ 圧力通路、 ２１ 弁ケーシング、
２２圧縮ばね、 ２３ 受圧肩部、 ２４ 突き棒、
２５ 外周面、 ２６ 流出個所、 ２７ 流入個
所、 ２８，２８′ 横方向通路、 ２９，２９′ 切
欠き、 ３１，３１′ 突起、 ３２，３２′ 表面、
３３ 長手方向軸線、３４ 燃料通路、 ３６ 押圧
部材、 ３７ 内室、 ３８ 交わり開口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フリートリヒ ベッキング ドイツ連邦共和国 シュツツトガルト マ インツァー シュトラーセ 27

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関のための燃料噴射系であって、
   内燃機関に配属された複数の燃料噴射弁（６）に燃料を
   供給するための、高圧ポンプ（３）によって燃料を供給
   される燃料高圧貯え器（５）が設けられており、燃料噴
   射弁がその噴射開口（１８）の上流側に圧力室（１９）
   を有しており、該圧力室がそれぞれ燃料高圧貯え器
   （５）に接続されている形式のものにおいて、 燃料高圧貯え器（５）が、該燃料高圧貯え器（５）が複
   数の燃料噴射弁（６）のそれぞれの弁ケーシング（２
   １）に直接的に結合されている接続個所（２６）を有し
   ていることを特徴とする、燃料噴射系。
2. 【請求項２】 燃料高圧貯え器（５）が、長く延びる中
   空体として形成されており、該中空体が、燃料噴射弁
   （６）の長手方向軸線に対して横方向に延びている、請
   求項１記載の燃料噴射系。
3. 【請求項３】 燃料高圧貯え器（５）も燃料噴射弁
   （６）も内燃機関の内燃機関ケーシング（１４）内で、
   相応に適合された切欠き（１２，１５）内に挿入されて
   いる、請求項２記載の燃料噴射系。
4. 【請求項４】 燃料高圧貯え器（５）が燃料噴射弁
   （６）の軸線に対して横方向に位置し該燃料噴射弁にお
   いてそれぞれの接続個所を形成するように、燃料高圧貯
   え器（５）が内燃機関ケーシング（１４）に位置固定さ
   れており、前記接続個所で、弁ケーシング（２１）内へ
   の流入個所（２７）または燃料高圧貯え器（５）に設け
   られた流出個所（２６）を収容するそれぞれ１つの突起
   （３１，３１′）が、弁ケーシング（２１）または燃料
   高圧貯え器（５）に設けられており、両部分のうちの一
   方すなわち弁ケーシングまたは燃料高圧貯え器に付与さ
   れた圧着力によって、前記両部分が接続個所（２６，２
   ７）の領域で互いに密に当て付けられた状態で保持され
   ている、請求項２または３記載の燃料噴射系。
5. 【請求項５】 燃料高圧貯え器（５）が内燃機関ケーシ
   ング（１４）に設けられた長手方向通路（１５）に挿入
   されており、該長手方向通路が燃料噴射弁（６）を収容
   するための切欠き（１２）と交わっていて、長手方向通
   路（１５）と収容部（１２）との間の交わり開口（３
   ８）にそれぞれ接続個所が形成されており、該接続個所
   が、弁ケーシング（２１）への流入個所（２７）または
   燃料高圧貯え器（５）の流出個所（２６）を収容する突
   起（３１，３１′）を弁ケーシング（２１）または燃料
   高圧貯え器（５）に有しており、この突起（３１，３
   １′）がそれぞれ交わり開口（３８）を通って突出して
   おり、両部分のうちの一方、つまり弁ケーシングまたは
   燃料高圧貯え器に付与された圧着力によって、前記両部
   分が接続個所の領域で互いに密に当て付けられて保持さ
   れている、請求項４記載の燃料噴射系。
6. 【請求項６】 弁ケーシング（２１）の流入個所（２
   ７）が、それぞれ押圧部材（３６）によって、燃料高圧
   貯え器（５）の流出個所（２６）のうちの１つに圧着さ
   れている、請求項４または５記載の燃料噴射系。
7. 【請求項７】 流入個所（２７）と流出個所（２６）と
   が、シール面（２９，３２）として形成された表面によ
   って取り囲まれている、請求項６記載の燃料噴射系。
8. 【請求項８】 前記両部分のうちの一方の部分つまり弁
   ケーシングもしくは燃料高圧貯え器のシール面が円錐状
   に形成されており、前記両部分のうちの他方の部分のシ
   ール面が球面状に形成されている、請求項７記載の燃料
   噴射弁。
9. 【請求項９】 前記両部分つまり弁ケーシングおよび燃
   料高圧貯え器のシール面がそれぞれ、異なる球半径で球
   面状に形成されている、請求項７記載の燃料噴射系。
10. 【請求項１０】 前記両部分つまり弁ケーシングおよび
    燃料高圧貯え器のシール面がそれぞれ、異なる円錐角で
    円錐状に形成されている、請求項７記載の燃料噴射系。