JPH1169711A - スピンドルモータ、及びスピンドルモータを回転体の駆動源とした回転体装置 - Google Patents

スピンドルモータ、及びスピンドルモータを回転体の駆動源とした回転体装置

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JPH1169711A
JPH1169711A JP22897297A JP22897297A JPH1169711A JP H1169711 A JPH1169711 A JP H1169711A JP 22897297 A JP22897297 A JP 22897297A JP 22897297 A JP22897297 A JP 22897297A JP H1169711 A JPH1169711 A JP H1169711A
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bearing
dynamic pressure
bearing member
shaft
spindle motor
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JP22897297A
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Inventor
Isamu Takehara
勇 竹原
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Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正逆回転スピンドルモータ、又はこの正逆回
転スピンドルモータを回転体の駆動源とした回転体装置
を提供すること。 【解決手段】 シャフト回転型スピンドルモータに、正
回転時にはポンプイン方式の動圧軸受として且つ逆回転
時にはポンプアウト方式の動圧軸受としてそれぞれ機能
する正逆回転動圧軸受と、ポンプイン方式とポンプアウ
ト方式の切換を行うために設けられた軸受すきまと外気
との導通孔(12〜15)を正回転時には遮断し且つ逆
回転時には開放するように自動的に作動するセルフ弁
(16〜22)とを設けた。そして、このセルフ弁の弁
駆動力をシャフトの回転力を風車の現象を利用して風圧
に変換して得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータをステータ
に動圧軸受で支承した正逆回転スピンドルモータ、及び
この正逆回転スピンドルモータを磁気ディスク、光ディ
スク或いはポリンミラー等の回転体の駆動源とした回転
体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】動圧軸受にはラジアル動圧軸受とスラス
ト動圧軸受がある。ラジアル動圧軸受は、基本的には、
シャフトとこのシャフトを回転可能に支持するスリーブ
とを有し、シャフトの外周面とスリーブの内周面のいず
れか一方にラジアル軸受用の動圧発生溝、例えばヘリン
グボーン溝が全周にわたって形成されたものである。ま
た、スラスト動圧軸受は、基本的には、シャフトに固着
された円板状スラスト押さえ部材とこのスラスト押さえ
部材に対向して設けられた円板状スラスト軸受部材を有
し、スラスト押さえ部材とスラスト軸受部材のいずれか
一方にスラスト軸受用の動圧発生溝、例えばヘリングボ
ーン溝が放射状に全面に形成されたものである。
【0003】上記の如き動圧軸受は小型軸受として非常
に優れた特長を有し、小型高速回転機に広く使用されて
いる。しかしながら、上記の如き動圧軸受は回転方向に
対して鋭角に浅い溝を設けることによって、回転エネル
ギーを摩擦力を介して圧力に変換して動圧を発生させる
機構であるため、一方向にしか回転することができない
という問題がある。最近になって、例えば日本機械学会
論文集58巻555号に「ポンプイン型とポンプアウト
型を併用した正逆回転ヘリングボーンジャーナル気体軸
受」と題する論文(論文No.92−0550)及び同
論文集59巻568号に「正逆回転する気体潤滑円板ス
ラスト動圧グルーブ軸受」と題する論文(論文No.9
3−0465)が発表された。
【0004】図4は論文No.92−0550に掲載さ
れた正逆回転ラジアル動圧軸受の原理を示す一部断面の
斜視図で、31は外周面に略V字形の複数の浅い溝から
なるヘリングボーン動圧発生溝が形成されたシャフト、
32はシャフト31を回転可能に支持するスリーブ、3
3はスリーブ32の壁面に設けられた外気への導通孔で
ある。導通孔33はヘリングボーン動圧発生溝の中央に
位置するように配置されている。また、導通孔33は角
度的に等間隔に配置して複数個、例えば3個設けられて
いる。この正逆回転ラジアル動圧軸受は回転方向によ
り、潤滑気体を軸受内部へ押し込み内部を高圧にするポ
ンプイン方式と、潤滑気体を軸受中央部で外気から吸い
込みその流体が軸受すきまを通過する時の抵抗によって
高圧を発生するポンプアウト方式を切り換えて軸受とし
て機能する。
【0005】ポンプイン方式とポンプアウト方式の切り
換えは、図示していない正逆切換弁を、外気との導通孔
33に設けることによって実現される。即ち、正回転の
場合には正逆切換弁を閉じて外気への導通孔33を遮断
し、ポンプイン効果により作動気体を軸受すきまに押し
込み正圧を発生するポンプイン方式の軸受として機能す
る。また、逆回転の場合には弁を開いて外気への導通孔
33を開放し、ポンプアウト効果により作動気体を導通
孔33を通して軸受すきま内に吸い込み、軸端に向かう
流量を生じさせることによって正圧を発生させるポンプ
アウト方式の軸受として機能するのである。
【0006】図5は論文No.93−0465に掲載さ
れた正逆回転スラスト動圧軸受の原理を示す図で、41
は上面に略L字形の複数の浅い溝からなる放射状のヘリ
ングボーン動圧発生溝Gが形成された円板状スラスト軸
受部材、42は円盤状スラスト軸受部材41の中心部に
設けられた貫通穴、43は円板状スラスト軸受部材41
の上下を貫通する外気への導通孔で、動圧発生溝Gの内
側溝と外側溝の境である同一円周上に且つ角度的に等間
隔に配置して複数個、例えば3個設けられている。図示
されていない円板状スラスト押さえ部材は、同じく図示
されていない回転シャフトの端部に同軸にして固着さ
れ、且つ円板状スラスト軸受部材41との対向面は平滑
面とされている。
【0007】前記外気への導通孔43には図示していな
い正逆切換弁が設けられている。この正逆切換弁は、外
気を軸受へ吸い込む方向にのみ流れるように導通孔43
を遮断又は開放するものである。平滑側である前記円板
状スラスト押さえ部材が正回転すると、回転方向と溝の
傾きによって導通孔43へ向かう方向に潤滑気体を流そ
うとする力が働くが、導通孔43が正逆切換弁によって
遮断されているため軸受すきまが高圧になり、ポンプイ
ン方式の軸受として機能する。また、平滑側である前記
円板状スラスト押さえ部材が逆回転すると、正回転時と
は逆に導通孔43から内周側と外周側の両軸端に向かう
方向に潤滑気体を流そうとする力が働くが、この時は正
逆切換弁が開放されているので導通孔43を経て外気が
軸受すきまに流入し、更に内周側と外周側の両軸端に向
かって流れ、両軸端の平滑部分がその流れの抵抗となる
ために圧力が発生し、ポンプアウト方式の軸受として機
能する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、図4に示
した正逆回転ラジアル動圧軸受も図5に示した正逆回転
スラスト動圧軸受も、正回転の場合にはポンプイン方式
の軸受として機能し、逆回転の場合にはポンプアウト方
式の軸受として機能するが、ポンプイン方式とポンプア
ウト方式の切り換えは、軸受すきまと外気との間の導通
孔の遮断又は開放を行う正逆切換弁によって行われる。
ところで、図4における導通孔33は固定部材であるス
リーブ32の壁面に形成され、図5における導通孔43
は同じく固定部材である円板状スラスト軸受部材41に
形成されている。従って、これらの導通孔33ないし4
3に正逆切換弁を設けることは設計上は困難ではない。
【0009】例えば、正逆切換弁を備えた正逆回転軸受
を採用したスピンドルモータにおいては、正逆切換弁に
オンオフ電磁弁を用い、且つモータの正回転と逆回転の
切換スイッチと連動して該オンオフ電磁弁を駆動するよ
うにすればよい。しかしながら電磁弁は小型であっても
相当かさ張り値段も安くない。しかも電磁弁の制御回路
までも含めると、さらにコストアップとなる。このた
め、従来の正逆回転動圧軸受は一方向回転動圧軸受に比
較すると割高であり、しかも構造もかなり複雑となり、
このため未だに実用的なものがない状況である。このた
め、動圧軸受を用いた正逆回転スピンドルモータは勿論
のこと、これを回転体の駆動源とする回転体装置は未だ
実用化されていない。
【0010】従って本発明の目的は、ロータをステータ
に正逆回転動圧軸受で支承した正逆回転スピンドルモー
タ、及びこの正逆回転スピンドルモータを磁気ディス
ク、光ディスク或いはポリゴンミラー等の回転体の駆動
源として用いた回転体装置を提供することにある。本発
明の他の目的は、ポンプイン方式とポンプアウト方式の
切換弁として値段が安く且つ構造が簡単、保守が容易な
セルフ弁を備えた実用的な正逆回転ラジアル動圧軸受、
正逆回転スラスト動圧軸受、又はこれらを組み合わせた
正逆回転動圧軸受を備えた正逆回転スピンドルモータ、
及びこの正逆回転スピンドルモータを回転体の駆動源と
して用いた回転体装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロータをステ
ータに正逆回転動圧軸受で支承したスピンドルモータ、
又はこのスピンドルモータを回転体の駆動源とする回転
体装置において、前記正逆回転動圧軸受をシャフトに同
軸にして圧入固着された円柱状の第1軸受部材と、ベー
スプレートに固定され且つ前記円柱状の第1軸受部材と
の間に軸受すきまを設ける第2軸受部材と、前記軸受す
きまを設ける前記第1軸受部材と前記第2軸受部材のい
ずれか一方の表面に形成された動圧発生溝と、前記シャ
フトの下端から前記軸受すきまに通じるように前記シャ
フトと前記円柱状の第1軸受部材に穿たれた導通孔と、
及び前記シャフトの下端に固着されて正転又は逆転に対
応して該導通孔を自動的に遮断又は開放するセルフ弁と
で構成した。また前記第2軸受部材を前記ベースプレー
トに立設され且つ前記円柱状の第1軸受部材が同軸にし
て挿入された円筒状軸受部材として前記正逆回転動圧軸
受を構成した。また前記第2軸受部材に前記円柱状の第
1軸受部材の両端に対向して前記ベースプレートに固定
されたドーナツ盤状の上スラスト押さえ部材並びに下ス
ラスト押さえ部材を用いて前記正逆回転動圧軸受を構成
した。
【0012】また本発明は、ロータをステータに正逆回
転動圧軸受で支承したスピンドルモータ、又はこのスピ
ンドルモータを回転体の駆動源とする回転体装置におい
て、前記動圧軸受をシャフトに同軸にして圧入固着され
た円柱状軸受部材と、ベースプレートに立設され且つ前
記円柱状軸受部材が同軸にして挿入された円筒状軸受部
材と、該円筒状軸受部材の両端に配置されたドーナツ盤
状の上スラスト押さえ部材並びに下スラスト押さえ部材
と、前記円柱状軸受部材の外周面と前記円筒状軸受部材
の内周面のいずれか一方に形成されたラジアル軸受用の
動圧発生溝と、前記円柱状軸受部材の両端面と前記上ス
ラスト押さえ部材並びに下スラスト押さえ部材のいずれ
か一方に形成されたスラスト軸受用の動圧発生溝と、前
記シャフトの下端から前記円柱状軸受部材の外周面と両
端面にそれぞれ通じる導通孔と、及び前記シャフトの下
端に固着されて正転又は逆転に対応して該導通孔を遮断
又は開放するセルフ弁とで構成した。
【0013】更に本発明においては、前記セルフ弁を前
記シャフトの下端をカバーするキャップ部材と、前記シ
ャフトの下端に形成された弁座と、前記キャップ部材内
に収納されて風圧を受けているときには前記弁座に着座
し風圧を受けていないときには自重で落下し前記弁座か
ら離脱する上下可動弁体とで構成し、且つ正転又は逆転
のいずれか一方において前記風圧を発生させるように上
記キャップ部材に貫通口を設けた。
【0014】
【作用】本発明に係るロータをステータに正逆回転動圧
軸受で支承したスピンドルモータ、又はこのスピンドル
モータを回転体の駆動源とする回転体装置において、前
記動圧軸受は回転シャフトの回転力を風車の現象を利用
して風圧に変換し、この風圧の有無に応じて切換弁のセ
ルフ弁が軸受すきまと外気との間の導通路を遮断または
開放して、ポンプイン方式とポンプアウト方式の切換を
直ちに且つ自動的に行う実用的な正逆回転動圧軸受、即
ち正逆回転ラジアル動圧軸受、正逆回転スラスト動圧軸
受或いはラジアル動圧軸受とスラスト動圧軸受とを組み
合わせた正逆回転動圧軸受として機能するので、スピン
ドルモータ又は回転体装置は動圧軸受の特長を維持しな
がら正回転と逆回転のいずれの方向にも円滑に回転す
る。更に、前記正逆回転動圧軸受用の導通路切換弁は、
正回転時には回転シャフトの回転力を風車の現象を利用
して発生させた風圧で押し上げられて内弁を弁座に着座
させ、且つ逆回転時には自重により落下して内弁を弁座
から離脱させる上下可動弁を具備し、正逆回転動圧軸受
のポンプイン方式とポンプアウト方式の切換を直ちに且
つ自動的に行う実用的なセルフ弁として機能する。
【0015】
【発明の実施の態様】本発明の一実施例の正逆回転スピ
ンドルモータを有する回転体装置の断面図である図1に
おいて、1はベースプレート、2はベースプレート1に
立設された円筒状支持部材、3は円筒状支持部材2と一
体に形成された円筒状軸受部材、4は中心部にシャフト
取付穴を有し且つその外周面が円筒状軸受部材3の内周
面との間にラジアル軸受すきまを設けるように配置され
た円柱状軸受部材、5は円柱状軸受部材4の上端面との
間にスラスト軸受すきまを設けるように配置され且つ円
筒状支持部材2の上端部で支持されたドーナツ盤状の上
スラスト押さえ部材、そして6は円柱状軸受部材の下端
面との間にスラスト軸受すきまを設けるように配置され
且つ円筒状支持部材2の下端部で支持されたドーナツ盤
状の下スラスト押さえ部材である。
【0016】7は円筒状支持部材2の外周面に取りつけ
られたステータコイル、8はステータコイル7と共働し
て回転力を発生させるロータ磁石である。9は円柱状軸
受部材4のシャフト取付穴に圧入され円柱状軸受部材4
に同軸にして固着されたシャフト、10はシャフト9の
上端に同軸にして固着され且つその内周面にロータ磁石
8が取り付けられた略カップ状ハブ兼用の回転体支持装
置である。ハブ10は、支持すべき回転体即ち磁気ディ
スク、光ディスク或いはポリンミラー等の対応して、そ
の構造や寸法が定まる。
【0017】円筒状軸受部材3の内周面と円柱状軸受部
材4の外周面との間隙はラジアル軸受すきまを形成す
る。また、円柱状軸受部材4の上端面とドーナツ盤状上
スラスト押さえ部材5の下面との間隙、並びに円柱状軸
受部材4の下端面とドーナツ盤状下スラスト押さえ部材
6の上面との間隙は、それぞれスラスト軸受すきまを形
成する。そして、正逆回転ラジアル軸受用の動圧発生
溝、例えば図4の如きヘリングボーン溝は、円筒状軸受
部材3の内周面と円柱状軸受部材4の外周面のいずれか
一方に形成されている。また、正逆回転スラスト軸受用
の動圧発生溝、例えば図5の如きヘリングボーン溝は、
円柱状軸受部材4の上端面とドーナツ盤状上スラスト押
さえ部材5の下面のいずれか一方の表面、並びに、円柱
状軸受部材4の下端面とドーナツ盤状下スラスト押さえ
部材6の上面のいずれか一方の表面にそれぞれ形成され
ている。
【0018】11はシャフト9にその上端からハブ10
の厚み程度の長さまで穿たれたクランプ用センタ穴、1
2はシャフト9にその下端から中央部付近まで中心軸に
沿って穿たれた第1導通孔である。14は円柱状軸受部
材4に放射状に穿たれた3個のラジアル軸受すきま用の
第2導通孔で、図4の導通孔33に対応するものであ
る。15は円柱状軸受部材4に中心軸に平行に穿たれた
3個のスラスト軸受すきま用の第3導通孔で、図5の導
通孔43に対応するものである。更に13はシャフト9
に中心軸を横切って穿たれた第4導通孔で、第2導通孔
14と第3導通孔15とを第1導通孔12に連通するも
のである。これら第1ないし第4導通孔の配置関係を分
かりやすくするために、図1の線A−Aで切断し矢印方
向からみた断面図を図2に示す。
【0019】16はシャフト9の下端従って第1導通孔
の下端部に形成された弁座、17は遮断時には弁座16
に着座し且つ開放時には弁座16から離れる略円錐体状
又は半球状の内弁、18は内弁17が上端に一体に形成
された略円柱状の上下可動弁体、19は上下可動弁体1
8の下端に一体に形成されたストッパである。20は上
下可動弁体18を収納するキャップで、そのキャップ面
の近傍には貫通孔21が形成され、且つその開放端はシ
ャフト9の下端に嵌め込まれ接着シール22によって固
着されている。上下可動弁体18は樹脂性の軽く且つ滑
りの良好な材料で製作されている。キャップ20も上下
可動弁体18と同様の材料で製作されている。ストッパ
19は、キャップ20の内面と上下可動弁体18の下端
で風圧発生室となる空間を形成するとともに、上下可動
弁体18の上下の移動量を例えば0.5mm程度に押さ
えるような長さに選ばれている。弁座16と内弁17で
弁を構成し、且つ上下可動弁体18とキャップ20で弁
駆動部を構成し、そして、これらを合わせてセルフ弁の
正逆切換弁を構成している。
【0020】図1の線B−Bで切断し矢印方向からみた
断面図である図3から明らかな如く、貫通孔21はキャ
ップ20に、その内周円の同一の接線方向に角度的に等
間隔に3個穿たれている。このため、図3においてキャ
ップ20が反時計方向に回転している時は、前記風圧発
生室には貫通孔21から外気が流れ込み、風圧を発生さ
せる。逆に、キャップ20が時計方向に回転している時
は、前記風圧発生室には貫通孔21から外気が流れ込ま
ないから、風圧は発生しない。即ち、キャップ20の回
転方向によって、風車の現象が起こり、前記風圧発生室
に風圧が発生したり発生しなかったりするのである。こ
こで、図3における上述の回転方向は図1に示す装置を
下から見たものであるから、図1に示す装置を上から見
れば、上述の回転方向は逆になる。従って、図1のスピ
ンドルモータが正回転即ち時計方向に回転すれば前記風
圧発生室には風圧が発生し、逆回転即ち反時計方向に回
転すれば前記風圧発生室には風圧は発生しない。
【0021】本発明においては、この風圧を弁駆動力に
利用したセルフ弁を構成し、このセルフ弁を正逆回転動
圧軸受のポンプイン方式とポンプアウト方式の切換えを
直ちに且つ自動的に行う正逆切換弁としたものである。
即ち、スピンドルモータが正回転すれば前記セルフ弁は
その風圧発生室に風圧が発生し、この風圧が上下可動弁
体18を押し上げて内弁17を弁座16に着座させ、こ
れによって第1導通孔12、第2導通孔14、第3導通
孔15及び第4導通孔13とからなる導通孔を閉止す
る。従って、円筒状軸受部材3の内周面と円柱状軸受部
材4の外周面との間に形成されたラジアル軸受すきま、
及び円柱状軸受部材4の上端面とドーナツ盤状上スラス
ト押さえ部材5の下面との間並びに円柱状軸受部材4の
下端面とドーナツ盤状下スラスト押さえ部材6の上面と
の間にそれぞれ形成されたスラスト軸受すきまは、外気
から遮断される。すると、これらの軸受すきまにはポン
プイン効果が生じ、図1の正逆回転動圧軸受はポンプイ
ン方式の動圧軸受として機能する。
【0022】スピンドルモータが逆回転すれば、前記セ
ルフ弁の風圧発生室には風圧が生じないから上下可動弁
体18は自重によって落下し内弁17を弁座16から離
脱させ、これによって第1導通孔12、第2導通孔1
4、第3導通孔15及び第4導通孔13とからなる導通
孔は開放される。従って、円筒状軸受部材3の内周面と
円柱状軸受部材4の外周面との間に形成されたラジアル
軸受すきま、及び円柱状軸受部材4の上端面とドーナツ
盤状上スラスト押さえ部材5の下面との間並びに円柱状
軸受部材4の下端面とドーナツ盤状下スラスト押さえ部
材5の上面との間にそれぞれ形成されたスラスト軸受す
きまは、導通孔を介し、更にセルフ弁のキャップ20の
内周面と上下可動弁体18の外周面の間の間隙を介して
外気と連通する。すると、これらの軸受すきまにはポン
プアウト効果が生じ、図1の正逆回転動圧軸受はポンプ
アウト方式の動圧軸受として機能する。このようにして
図1の正逆回転動圧軸受は、風車の現象を利用したセル
フ弁の正逆切換弁の作用によってポンプイン方式とポン
プアウト方式の切り換えが直ちに且つ自動的に行われる
から、実用的な正逆回転動圧軸受として機能する。
【0023】図1を参照して、1個のラジアル動圧軸受
と2個のスラスト動圧軸受を具備する正逆回転動圧軸受
の構造ないし動作を詳細に説明した。しかしながら本発
明はこれに限定されるものではなく、1個のラジアル動
圧軸受を具備するもの、1個のスラスト動圧軸受を具備
するもの、或いは2個のスラスト動圧軸受を具備するも
の、または1個のラジアル動圧軸受と1個のスラスト動
圧軸受とを具備するものも実現できる。
【0024】1個のラジアル動圧軸受を具備する正逆回
転動圧軸受の一例を図1を参照して説明すれば、シャフ
ト9が同軸にして圧入固着された円柱状軸受部材4と、
ベースプレート1に立設され且つ円柱状軸受部材4が同
軸にして挿入された円筒状軸受部材3と、円柱状軸受部
材4の外周面と円筒状軸受部材3の内周面のいずれか一
方に形成されたラジアル軸受用の動圧発生溝と、シャフ
ト9の下端から円柱状軸受部材4の外周面と両端面にそ
れぞれ通じる導通孔12〜14と、及びシャフト9の下
端に固着されて正転又は逆転に対応して該導通孔を遮断
又は開放するセルフ弁16〜22とから構成される。そ
して、この場合のスラスト軸受は例えば磁気軸受や磁性
流体を用いたすべり軸受であり、当然ながらスラスト軸
受すきま用の導通孔(図1の導通孔15)は円柱状軸受
部材4には形成されないし、またドーナツ盤状の上スラ
スト押さえ部材5並びに下スラスト押さえ部材6等のス
ラスト軸受部材とは異なった構造のものとなる。
【0025】また、2個のスラスト動圧軸受を具備する
正逆回転動圧軸受の一例を図1を参照して説明すれば、
シャフト9が同軸にして圧入固着された円柱状軸受部材
4と、ベースプレート1に立設され且つ円柱状軸受部材
4が同軸にして挿入された円筒状軸受部材3と、円筒状
軸受部材3の両端に配置されたドーナツ盤状の上スラス
ト押さえ部材5並びに下スラスト押さえ部材6と、円柱
状軸受部材4の両端面と上スラスト押さえ部材5並びに
下スラスト押さえ部材6のいずれか一方に形成されたス
ラスト軸受用の動圧発生溝と、シャフト9の下端から円
柱状軸受部材4の外周面と両端面にそれぞれ通じる導通
孔12〜15と、及びシャフト9の下端に固着されて正
転又は逆転に対応して該導通孔を遮断又は開放するセル
フ弁16〜22とから構成される。そして、この場合の
ラジアル軸受は例えば磁気軸受や磁性流体を用いたすべ
り軸受であり、当然ながらラジアル軸受すきま用の導通
孔(図1の導通孔14の外周面側の一部)は円柱状軸受
部材4には形成されないし、且つ円柱状軸受部材4の外
周面並びに円筒状軸受部材3と内周面の構造も図1のも
のとは異なったものとなる。更に、1個のスラスト動圧
軸受を具備する正逆回転動圧軸受や、1個のラジアル動
圧軸受と1個のスラスト動圧軸受とを具備する正逆回転
動圧軸受も上記と同様な構成にして実現できる。
【0026】
【発明の効果】本発明において、スピンドルモータ又は
回転体の駆動源としてのスピンドルモータの軸受である
正逆回転動圧軸受は、ラジアル軸受すきま及び/又はス
ラスト軸受すきまと外気との導通孔を、正回転の時には
遮断してポンプイン方式の動圧軸受として機能させ、且
つ逆回転の時には開放してポンプアウト方式の動圧軸受
として機能させる正逆回転動圧軸受において、この導通
孔を遮断または開放する正逆切換弁としてセルフ弁を用
いたものであるから、ポンプイン方式とポンプアウト方
式の切換が直ちに且つ自動的に行われるものである。ま
た、正逆切換弁はシャフトの回転力を風車の現象を利用
して風圧に変換して弁遮断の弁駆動力とし、弁開放は弁
駆動手段である上下可動弁体の自重で行うようにした純
機械的な小型軽量のセルフ弁であって、構造は簡単、動
作は確実、また保守も容易なものである。このように、
本発明に係るスピンドルモータ又はこのスピンドルモー
タを駆動源とする回転体装置は、従来のものに比べて価
格が安く、小型で、構造は簡単で堅牢、そして保守も容
易な極めて実用的な正逆回転可能な動圧軸受を軸受に採
用したものであり、装置自体の小型化が可能で、コスト
アップも押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の正逆回転スピンドルモータ
を有する回転体装置の断面図である。
【図2】図1の線A−Aで切断し矢印の方向から見た断
面図である。
【図3】図1の線B−Bで切断し矢印の方向から見た断
面図である。
【図4】正回転時にはポンプイン方式のラジアル動圧軸
受として、逆回転時にはポンプアウト方式のラジアル動
圧軸受としてそれぞれ機能する正逆回転動圧軸受の基本
的な構造を示す図である。
【図5】正回転時にはポンプイン方式のスラスト動圧軸
受として、逆回転時にはポンプアウト方式のスラスト動
圧軸受としてそれぞれ機能する正逆回転動圧軸受の基本
的な構造の要部を示す図である。
【符号の説明】
1 ベースプレート 2 円筒状支持部材 3 円筒状軸受部材 4 円柱状軸受部材 5 ドーナツ盤状上スラスト押さえ部材 6 ドーナツ盤状下スラスト押さえ部材 7 ステータコイル 8 ロータ磁石 9 シャフト 10 略カップ状ハブ 11 クランプ用センタ穴 12 第1導通孔 13 第4導通孔 14 第2導通孔 15 第3導通孔 16 弁座 17 内弁 18 上下可動弁体 19 ストッパ 20 キャップ 21 貫通孔 22 接着シール 31 シャフト 32 スリーブ 33 導通孔 41 円板状スラスト軸受部材 42 貫通穴 43 導通孔 G 動圧発生溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータをステータに動圧軸受で支承した
    スピンドルモータにおいて、前記動圧軸受はシャフトが
    同軸にして圧入固着された円柱状の第1軸受部材と、ベ
    ースプレートに固定され且つ前記第1軸受部材との間に
    軸受すきまを設ける第2軸受部材と、前記軸受すきまを
    設ける前記第1軸受部材と前記第2軸受部材のいずれか
    一方の表面に形成された動圧発生溝と、前記シャフトの
    下端から前記軸受すきまに通じるように前記シャフトと
    前記第1軸受部材に穿たれた導通孔と、及び前記シャフ
    トの下端に固着されて正転又は逆転に対応して前記導通
    孔を遮断又は開放するセルフ弁とからなる正逆回転動圧
    軸受であることを特徴とする正逆回転スピンドルモー
    タ。
  2. 【請求項2】 前記第2軸受部材は前記ベースプレート
    に立設され且つ前記円柱状の第1軸受部材が同軸にして
    挿入された円筒状軸受部材であることを特徴とする請求
    項1の正逆回転スピンドルモータ。
  3. 【請求項3】 前記第2軸受部材は前記円柱状の第1軸
    受部材の両端に対向して前記ベースプレートに固定され
    たドーナツ盤状上スラスト押さえ部材並びに下スラスト
    押さえ部材であることを特徴とする請求項1の正逆回転
    スピンドルモータ。
  4. 【請求項4】 ロータをステータに動圧軸受で支承した
    スピンドルモータにおいて、前記動圧軸受はシャフトが
    同軸にして圧入固着された円柱状軸受部材と、ベースプ
    レートに立設され且つ前記円柱状軸受部材が同軸にして
    挿入された円筒状軸受部材と、該円筒状軸受部材の両端
    に配置されたドーナツ盤状上スラスト押さえ部材並びに
    下スラスト押さえ部材と、前記円柱状軸受部材の外周面
    と前記円筒状軸受部材の内周面のいずれか一方に形成さ
    れたラジアル軸受用の動圧発生溝と、前記円柱状軸受部
    材の両端面と前記上スラスト押さえ部材並びに下スラス
    ト押さえ部材のいずれか一方に形成されたスラスト軸受
    用の動圧発生溝と、前記シャフトの下端から前記円柱状
    軸受部材の外周面と両端面にそれぞれ通じる導通孔と、
    及び前記シャフトの下端に固着されて正転又は逆転に対
    応して該導通孔を遮断又は開放するセルフ弁とからなる
    正逆回転動圧軸受であることを特徴とする正逆回転スピ
    ンドルモータ。
  5. 【請求項5】 前記セルフ弁は前記シャフトの下端をカ
    バーするキャップ部材と、前記シャフトの下端に形成さ
    れた弁座と、前記キャップ部材内に収納されて風圧を受
    けているときには前記弁座に着座し且つ風圧を受けてい
    ないときには自重により前記弁座から離れる弁体と、正
    転又は逆転のいずれか一方において前記風圧を発生させ
    るように上記キャップ部材に穿たれた貫通口とからなる
    ことを特徴とする請求項1、2、3又は4の正逆回転ス
    ピンドルモータ。
  6. 【請求項6】 ロータをステータに動圧軸受で支承した
    スピンドルモータであって、前記動圧軸受はシャフトが
    同軸にして圧入固着された円柱状の第1軸受部材と、ベ
    ースプレートに固定され且つ前記第1軸受部材との間に
    軸受すきまを設ける第2軸受部材と、前記軸受すきまを
    設ける前記第1軸受部材と前記第2軸受部材のいずれか
    一方の表面に形成された動圧発生溝と、前記シャフトの
    下端から前記軸受すきまに通じるように前記シャフトと
    前記第1軸受部材に穿たれた導通孔と、及び前記シャフ
    トの下端に固着されて正転又は逆転に対応して前記導通
    孔を遮断又は開放するセルフ弁とからなる正逆回転動圧
    軸受であることを特徴とする正逆回転スピンドルモータ
    を、回転体の駆動源とした回転体装置。
JP22897297A 1997-08-12 1997-08-12 スピンドルモータ、及びスピンドルモータを回転体の駆動源とした回転体装置 Pending JPH1169711A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010041907A (ja) * 2008-07-10 2010-02-18 Minebea Co Ltd スピンドルモータ
JP2011080597A (ja) * 2004-06-11 2011-04-21 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 流体動圧軸受、モータおよび記録媒体駆動装置
CN105449926A (zh) * 2015-12-25 2016-03-30 佛山市南海区精鹰机械有限公司 一种孔型结构的伺服电机

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