JPH1167248A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池

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JPH1167248A
JPH1167248A JP9223550A JP22355097A JPH1167248A JP H1167248 A JPH1167248 A JP H1167248A JP 9223550 A JP9223550 A JP 9223550A JP 22355097 A JP22355097 A JP 22355097A JP H1167248 A JPH1167248 A JP H1167248A
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JP
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electrolyte
test piece
fuel cell
phosphoric acid
battery
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JP9223550A
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Inventor
Kentaro Matsunaga
健太郎 松永
Taiji Kogami
泰司 小上
Hiroshi Chisawa
洋 知沢
Tadanori Maoka
忠則 真岡
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】運転中の電池スタックに含浸されているリン酸
量を積層状態のままで正確に測定し、長期にわたって発
電性能を良好に維持する燃料電池を提供する。 【解決手段】燃料極と酸化剤極の間に挟持される電解質
層を有する単位電池を,2枚の電解質保持板で挟持し,
セパレータを介して複数枚積層してなる電池スタック
と、複数の単位電池ごとに挿入される冷却板と、各単位
電池の燃料極と酸化剤極に燃料ガスと酸化剤ガスを供給
または排出するマニホールドを有する燃料電池におい
て、電池スタック中の単数または複数の電解質保持板に
設けた溝または孔に接触しかつ保持される試験片を有
し、この試験片は電解質を含浸しうる多孔質体からな
り、任意の電池運転時間後に積層状態のままで試験片を
抜き取ることができるので、この試験片に含まれる電解
質量を測定することにより、電池スタックのリン酸含浸
量を正確に把握し、寿命特性の優れた燃料電池が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池、特にリ
ン酸型燃料電池の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、燃料の有する化学エネルギ
ーを電気化学プロセスで酸化することにより放出される
エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置であ
る。この燃料電池を用いた発電プラントは発電の熱効率
が40〜50%にも達し、火力発電などと比較しても極
めて高効率の発電方法として注目されている。更に負荷
変動に対する応答性が良い他、近年社会問題とされてい
る公害要因であるSOX やNOX の排出量が極めて少な
い。また、発電装置内に燃焼サイクルを含まないので大
量の冷却水を必要としなく、振動音も小さいなどの長所
を併せ持つことにより、その実用化に向けての研究、開
発が進められている。
【0003】図12は従来の燃料電池スタックの模式図
である。図に示すように、電解質にリン酸を用いた燃料
電池において、単位電池1はマトリックス層に電解質を
保持してなる電解質層1cを、燃料極1aと酸化剤極1
bで挟持されている。これらの各電極に各々燃料ガス
(水素と二酸化炭素の混合ガス)及び酸化剤ガス(空
気)を供給すると、電気化学的反応により起電力が得ら
れる。各電極では、それぞれ次のような反応が進行す
る。 酸化剤極:1/2O2 +2H+ +2e- →H2 O 燃料極: H2 →2H+ +2e-
【0004】ところで、1枚の単位電池当たりの出力電
圧は0.7V前後と低いため、実際のプラントでは、必
要とされる出力を得るために、両極へ供給する反応ガス
の混合を防ぐセパレータ2及び電解質保持板3を介して
単位電池1を直列に積層して電池スタック4を構成して
いる。反応ガスは、マニホールド5を通じて電池スタッ
ク4を構成する各単位電池1へまとめて供給・排気され
る。また電池スタック全体を発電に適当な温度に維持す
るために、電池スタック4をいくつかのサブスタック6
と呼ばれる構成単位に分割し、これらの間に冷却板7を
挿入して余分な熱を除去している。
【0005】電解質保持板3は、以下のような目的の下
に使用される。即ちリン酸型燃料電池では、長期間にわ
たり運転を継続すると、電解質であるリン酸が反応ガス
中に揮発するため、電池の各電極及び電解質層に含浸さ
れている電解質量は徐々に減少していく。この電解質量
があるレベル以下になると、電解質層が両極の反応ガス
の分離機能を失うため、電池電圧が急激に低下する。こ
れを防止するために、燃料極1aと酸化剤極1bに、各
々電解質保持板3a(燃料極側)と電解質保持板3b
(酸化剤極側)を接触させる。これら電解質保持板3
a,3bはカーボン等の導電性を持つ物質からなる多孔
質体であり、空隙には電解質であるリン酸が含浸されて
いる。
【0006】上記したような構造を持つ燃料電池におい
て、揮発により電極及び電解質層から失われた電解質
は、電極と電解質保持板の接触面を通じて浸透作用によ
り電解質保持板から適宜補充される。これにより、単位
電池に含浸されている電解質を長時間にわたって適当な
量に保持することができる。
【0007】更に、近年では電解質であるリン酸の枯渇
による特性の急激な低下を防ぐために、適当な間隔をお
いて電池スタックに外部から直接リン酸を補給する手段
が提案されており、リン酸型燃料電池の寿命特性は大き
く向上しつつある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、外部からリ
ン酸補給を行うと、必ずしも全ての電池の寿命特性が改
善されるとは限らない。中には外部からのリン酸補給に
より、逆に電池の特性が大きく劣化する例もある。これ
は電池に補給したリン酸量が、電池において実際に不足
しているリン酸量と異なるためである。
【0009】現在、電池に補給するリン酸量は、通常の
運転条件におけるリン酸の揮発量を計算によって求めて
いる場合が殆どである。計算に当たっては運転時間を通
じて単純な条件の下にリン酸量などの諸物性が変化して
いくことを仮定することが多いが、実際の電池では運転
中に温度分布等の運転条件は絶えず変化し、起動停止な
どの複雑な変化が加わることにより、電池に含浸されて
いるリン酸の分布状態も当初の予測から大きくずれてい
くのが通例である。
【0010】電池の運転履歴がそれぞれ異なる以上、実
際のリン酸量を正確に測定するには個々の電池について
直接調査を行う必要がある。しかし、個々の電池につい
てリン酸含浸量を正確に知るためには、これまでは分解
調査以外に適当な手法がなく、電池スタックを積層した
状態のままでは、致命的なリン酸欠乏が発生するまでの
時間を正確に予測することができなかった。
【0011】本発明(請求項1乃至請求項8対応)は上
記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、運転中の
電池スタックに含浸されているリン酸量を積層状態のま
まで簡易かつ正確に測定し、長期の運転時間にわたって
発電性能を良好に維持できる燃料電池を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題に対して、本発
明では次のような解決手段を提供する。本発明の請求項
1は、ガス透過性の電極基材の一方の面に電極触媒層を
有する燃料極及び酸化剤極と前記両電極の電極触媒層の
間に挟持されるマトリックス層に電解質を含浸してなる
電解質層とから構成される単位電池を,2枚の電解質保
持板で挟持したものを,ガス不透過性のセパレータを介
して複数枚積層してなる電池スタックと、前記電池スタ
ック内部の複数の単位電池ごとに挿入される冷却板と、
前記電池スタックを構成する各単位電池の燃料極と酸化
剤極に対してそれぞれ燃料ガスと酸化剤ガスを供給また
は排出するためのマニホールドを有する燃料電池におい
て、前記電池スタック中の単数または複数の電解質保持
板に、単数ないし複数の溝または孔を設け、この単数な
いし複数の溝または孔に接触しかつ保持される試験片を
有し、この試験片は電解質を含浸しうる多孔質体からな
り、任意の電池運転時間後に前記電池スタック積層状態
のままで前記試験片を抜き取ることができるように構成
されていることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項2は、請求項1記載の燃料
電池において、各電解質保持板の試験片を保持する溝ま
たは孔及び試験片を、マニホールドに覆われない電池ス
タックのコーナ部に設けることを特徴とする。
【0014】本発明の請求項3は、請求項1又は請求項
2記載の燃料電池において、任意の時点において電解質
保持板に設けた溝または孔に電解質を含浸しうる多孔質
体からなる試験片を差し込み、一定時間後に抜き取るこ
とできるように構成されていることを特徴とする。
【0015】本発明の請求項4は、請求項1乃至請求項
3記載の燃料電池において、試験片が保持溝あるいは保
持孔において特定の部材以外の部材と接する部分の試験
片の表面あるいは電池スタックの接触面を、PTFE等
のフッ素樹脂でコーティングすることを特徴とする。
【0016】本発明の請求項5は、請求項1記載の燃料
電池において、単数または複数の電解質保持板の一部を
前記電池スタック積層時に側面から突出するように突出
部を形成し、任意の時点でこの突出部の一部あるいは全
体を当該電池スタックから切り離せるように構成されて
いることを特徴とする。
【0017】本発明の請求項6は、請求項1乃至請求項
5記載の燃料電池において、一対の冷却板に挟持される
複数の単位電池の中で、前記冷却板から最も離れている
中央部の単位電池に接する電解質保持板に試験片の保持
溝または保持孔を設け、この試験片を保持させること、
あるいは前記電解質保持板の一部を電池スタック積層時
に側面から突出する突出部を形成させることを特徴とす
る。
【0018】本発明の請求項7は、請求項1乃至請求項
6記載の燃料電池において、試験片と、この試験片を保
持する電解質保持板とが接触する溝または孔の側面が、
単位電池の積層面に対し30度乃至90度の角度を持つ
ことを特徴とする。
【0019】本発明の請求項8は、請求項1乃至請求項
7記載の燃料電池において、試験片または側面から突出
した電解質保持板の一部のうち、当該電池スタック外部
に露出する露出部の表面を、PTFE等のフッ素樹脂に
よってコーティングすることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
よって説明する。図1は本発明の第1の実施例(請求項
1対応)であるリン酸型燃料電池を構成する単位電池の
一部を模式的に示した図であり、既に説明した図12の
従来例と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0021】同図において、単位電池1は、マトリック
ス層に電解質を保持してなる電解質層1cを、燃料極1
aと酸化剤極1bで挟持されている。これら各電極に
は、各々燃料ガス(水素と二酸化炭素の混合ガス)及び
酸化剤ガス(空気)がそれぞれ図に示した方向から供給
される。電解質保持板3aと電解質保持板3bはカーボ
ンの多孔質体であり、内部の空隙にはリン酸が含浸され
ている。これら電解質保持板3a,3bの電極に対する
面には、それぞれ電極へ反応ガスを供給するためのガス
流通溝8a,8bが刻まれている。この流通溝の1つ
に、電解質保持板と同じ材質からなる試験片9を差し込
んでおく。試験片9には電解質保持板3a,3bの初期
リン酸含浸率と同じ割合でリン酸を含浸しておく。
【0022】試験片9と電解質保持板3a,3bの間で
は、互いに接触する流通溝8a,8bの表面を通じてリ
ン酸が相互に浸透するため、両者のリン酸含浸率は常に
ほぼ同じ状態に保たれる。電解質であるリン酸が揮発す
る速度は、温度が高くなるほど大きくなる。従って、試
験片9を差し込む溝の位置は、リン酸の減少速度が最も
大きいと思われる電池の温度が最も高くなる部分、即ち
燃料ガス及び酸化剤ガスの入口付近にあるのが望まし
い。図では、試験片9を燃料極1a側の電解質保持板3
aの燃料ガス入口側、酸化剤ガスの入口寄りの溝に差し
込んでいる。試験片9は、酸化剤極1b側の電解質板の
電解質保持板3b(酸化剤ガス入口側、燃料ガスの入口
寄り)の溝に差し込んでも良い。この試験片9を、任意
の運転時間後に電池スタックから取り出して粉砕した
後、蒸留水中で撹拌してリン酸を溶液中に抽出して、I
CP(誘導結合形高周波プラズマ法)などによってリン
酸量を定量する。ここから算出されたリン酸含浸率を基
に、電池スタックに含浸されているリン酸量を推測する
ことができる。
【0023】通常の運転条件において、燃料電池の運転
時間と電池構成の各部材(電極、電解質層、電解質保持
板)のリン酸含浸率との関係を図2に示す。この図2か
ら電池全体に含浸されているリン酸の総量は、運転時間
と共に揮発により減少していくが、各部材におけるリン
酸量の減少の割合は必ずしも均一ではなく、電極や電解
質層では殆どリン酸含浸率の変化は見られない。これは
電極に接している電解質保持板から電極及び電解質層に
対して揮発した分に相当する量のリン酸が随時補われる
ためである。しかし、電解質保持板に含浸されているリ
ン酸含浸率が図中に示した限界値を下回ると、電極及び
電解質層に対して必要な量のリン酸を供給することがで
きなくなり、リン酸の含浸率は全ての部材において低下
する。この状態になると正常な電池反応が阻害されて、
電池の特性は著しく低下する。
【0024】そこで、電池スタックの運転を長期にわた
って継続させるためには、電解質保持板のリン酸含浸率
が図2に示した限界値以下になる前に、適当な量のリン
酸を外部から電解質保持板へ補給する必要がある。ここ
では、電解質保持板のリン酸含浸率が電解質保持板の当
初のリン酸含浸率の90%となる点をリン酸補給の目標
値とする。前述したとおり、本実施例においては、任意
の運転時間後に取り出した試験片のリン酸含浸量を調べ
ることにより、その時点における電解質保持板のリン酸
含浸量を計算することができるので、電池スタックを解
体することなく、必要なリン酸補給量を正確に求めるこ
とができる。
【0025】次に、本実施例の電池特性を図3の特性図
について説明する。図において、リン酸補給を行わない
電池スタックは、ほぼ5千時間経過した時点で電池特性
が急激に劣化した。また4千時間経過後に計算により予
測した量のリン酸補給を行った電池スタックは、補給後
の特性が低下した。これに対し本実施例の電池スタック
は、4千時間後のリン酸補給後も長期にわたって安定し
た特性を示した。
【0026】すなわち、本実施例によれば、電池スタッ
クを構成する1枚または複数枚の電解質保持板につい
て、これに接触しかつ保持される電解質を含浸しうる多
孔質体からなる試験片を設け、任意の運転時間後に積層
状態の電池スタックから抜き取った試験片に含まれる電
解質量を測定することにより、電池スタックを分解せず
にリン酸含浸量を正確に把握できるので、適切なリン酸
を補充できる。したがって、寿命特性の優れた燃料電池
を得ることができる。
【0027】図4は本発明の第2実施例(請求項2対
応)である単位電池の模式図であり、図1の第1実施例
と同一部分には同一符号を付して説明する。なお、単位
電池においてマニホールドに覆われる部分を、図中では
矢印で示している。本実施例では、電池スタックに反応
ガスを供給するために、電池スタックの側面にマニホー
ルド(図示せず)が取り付けられる。
【0028】単位電池を構成する燃料極側の電解質保持
板3aのマニホールドに覆われないコーナ部(酸化剤ガ
ス入口/燃料ガス入口寄り)に、試験片9を差し込むた
めの保持溝10を設けている。この保持溝10は酸化剤
極側の電解質板の電解質保持板3b(酸化剤ガス入口
側、燃料ガス入口寄り)に設けてもよい。保持溝10
に、電解質保持板と同じ材質からなる試験片9を差し込
む。試験片9には電解質保持板の初期リン酸含浸率と同
じ割合でリン酸を含浸しておく。試験片9と電解質保持
板の間では、接触する保持溝10の表面を通じてリン酸
が相互に浸透するため、両者のリン酸含浸率は常にほぼ
同じ状態に保たれる。
【0029】この試験片9を、任意の運転時間後に電池
スタックから取り出して粉砕した後、蒸留水中で撹拌し
てリン酸を溶液中に抽出してICP(誘導結合形高周波
プラズマ法)などによってリン酸量を定量する。ここか
ら算出されたリン酸含浸率を基に、電池スタックに含浸
されているリン酸量を計算する。
【0030】前記第1実施例では、試験片は電解質保持
板のガス供給溝に差し込まれるが、マニホールドはこれ
らのガス供給口を全て覆う形で取り付けられる。従っ
て、試験片を取り出すためにはマニホールドを外す必要
があり、それには電池の運転を一旦停止し、電池スタッ
クの温度を十分に下げなければならない。
【0031】一方、本実施例では、マニホールドを外し
たり、電池スタックの温度を下げることなく、電池を運
転状態に保ったまま試験片を取り出すことができる。こ
れにより電池の起動停止による特性低下のリスクを避
け、マニホールドの取り外しなどの作業やこれらに関す
るコストを省くことができる。
【0032】上述したように、本実施例によれば、各電
解質保持板に保持される試験片をマニホールドに覆われ
ない電池スタックのコーナ部に設けることにより、電池
スタックに含浸されている電解質量を容易かつ正確に把
握できるので、適切なリン酸を補充できる。したがっ
て、寿命特性の優れた燃料電池を得ることができる。
【0033】図5は本発明の第3実施例(請求項3対
応)である単位電池の模式図である。図に示すように、
本実施例ではリン酸含浸率の確認をしない期間における
保持溝10の表面からのリン酸の揮発や、保持溝への異
物の侵入を防止するために、ダミープラグ11(電解質
保持板と同じ材質からなり試験片と同様の形状を持つ
が、リン酸量の測定には特に関与しない)を差し込んで
いる点が第1実施例と異なる。なお、電池の基本的な構
成は図1の第1実施例と同一であるので、第1実施例と
同一部分には同一符号を付して説明する。
【0034】本実施例では、任意の時点において電解質
保持板に設けた保持溝10からダミープラグ11を取り
除き、代わりに試験片9を差し込む。試験片9は電解質
保持板と同じ材質からなり、リン酸含浸率が100%と
なるように予めリン酸を吸収させておく。試験片を保持
溝に24時間保持した後に電池スタックより抜き取り、
粉砕後蒸留水中で撹拌してリン酸を溶液中に抽出してI
CP(誘導結合形高周波プラズマ法)などによってリン
酸量を定量する。
【0035】試験片を一定時間電解質保持板に差し込ん
だ場合、互いに接触する試験片と電解質保持板のリン酸
含浸率は必ずしも同一にはならないが、両者のリン酸含
浸率の差による浸透速度の違いから、電解質保持板のリ
ン酸含浸率とこれに一定時間接触した試験片のリン酸含
浸率の変化との間には、ある種の傾向が見られる。図6
は、リン酸含浸率を100%とした試験片を、運転時の
電解質保持板に差し込み24時間保持した後のリン酸含
浸率と、電解質保持板のリン酸含浸率との関係を示す。
この関係を基に、一定時間電池スタックに保持させた試
験片のリン酸含浸率の変化を調べることにより、任意の
時点において電池スタックのリン酸含浸量を簡易に、し
かも短時間で調べることができる。
【0036】このように本実施例によれば、第1及び第
2実施例の燃料電池において、任意の時点において電解
質保持板に設けた溝または孔に電解質を含浸しうる多孔
質体からなる試験片を差し込み、一定時間後に抜き取る
ことにより、短時間に、また繰り返し電池スタックに含
浸されている電解質量を正確に把握できるので、適切な
リン酸を補充できる。したがって、寿命特性の優れた燃
料電池を得ることができる。
【0037】図7は本発明の第4実施例(請求項4対
応)である単位電池の模式図である。図に示すように、
本実施例では単位電池の燃料極側の電解質保持板3aの
ガス供給溝(燃料ガス入口/酸化剤ガス入口寄り)を、
試験片9の保持溝とし、この保持溝の側面の一部となる
電解質保持板のガス供給溝(試験片が接触する部分)の
表面にPTFEの懸濁液を塗布した後、熱処理(400
℃*10分)を行い、PTFEの被膜12を形成した点
が第1実施例と異なる。なお、電池の基本的な構成は図
1の第1実施例と同一であるので、第1実施例と同一部
分には同一符号を付して説明する。
【0038】本実施例では、電池スタックの積層終了
後、運転を開始する前に、この保持溝に電極と同じ材質
からなる試験片9を差し込む。試験片9には電極の初期
リン酸含浸率と同じ割合でリン酸を含浸しておく。試験
片と電極の間では、接触する保持溝の表面を通じてリン
酸が相互に浸透するため、両者のリン酸含浸率は常にほ
ぼ同じ状態に保たれる。
【0039】一方、試験片と電解質保持板との間では、
接触する部分の保持溝の表面に形成されたPTFEの被
膜によってリン酸の移動が阻害されるため、試験片のリ
ン酸含浸率は電解質保持板の状態に影響されない。この
試験片を、任意の運転時間後に電池スタックから取り出
して粉砕した後、蒸留水中で撹拌してリン酸を溶液中に
抽出して、ICP(誘導結合形高周波プラズマ法)など
によってリン酸量を定量する。ここから算出されたリン
酸含浸率を基に、電池スタックに含浸されているリン酸
量を推測することができる。
【0040】このように本実施例によれば、電極のリン
酸含浸率を直接測定することができる。これにより、電
圧の急激な低下を引き起こす電極及び電解質層のリン酸
含浸率の管理をより正確に行い、電池の寿命特性の低下
を確実に防止することができる。
【0041】また、第1実施例乃至第3実施例の燃料電
池において、試験片が保持溝あるいは保持孔において、
特定の部材(電解質保持板、あるいは電極など)以外の
部材と接する部分の試験片の表面あるいは電池スタック
の接触面をPTFEなどのフッ素樹脂でコーティングす
ることにより、注目する特定の部材に含浸されている電
解質量を正確に把握し、寿命特性の優れた燃料電池を得
ることができる。
【0042】図8は本発明の第5実施例(請求項5対
応)である単位電池の模式図である。図に示すように、
本実施例では、燃料極側の電解質保持板の一部が、電極
の端部から突出する突出部を形成した点が第1実施例と
異なる。なお、電池の基本的な構成は図1の第1実施例
と同一であるので、第1実施例と同一部分には同一符号
を付して説明する。
【0043】本実施例では、燃料極側の電解質保持板に
設けた突出部13には数本の切れ目14を均等な幅で刻
んでいる。この電解質保持板に、通常の場合と同じ含浸
率でリン酸を含浸し、通常仕様の電池と併せて適宜積層
することにより電池スタックを構成する。任意の運転時
間後、突出部の一片15を電池スタックから折り取り、
粉砕後蒸留水中で撹拌してリン酸を溶液中に抽出して、
ICP(誘導結合形高周波プラズマ法)などによってリ
ン酸量を定量する。ここから算出されたリン酸含浸率を
基に電池スタックに含浸されているリン酸量を推測す
る。
【0044】本実施例では、第1実施例のように積層後
の電池スタックにリン酸含浸率を測定するための試験片
を差し込む代わりに、予め大きく整形した電解質保持板
の一部を折り取ることにより、電池スタックのリン酸含
浸量を把握するものである。ここでは電池スタックを構
成する電解質保持板と、外部に取り出してリン酸を抽出
する試験片との間に、接触面を介したリン酸の移動がな
いので、単純な構造でより正確なリン酸含浸率を求める
ことができる。また電解質保持板の突出部に予め切れ目
を設けて突出部を分割し、必要に応じて1片ずつ折り取
っていけば、数回にわたり異なる時間間隔でリン酸量の
測定を行うことができる。なお、本実施例では、燃料極
側の電解質保持板に突出部13を設けたが、これは酸化
剤極側の電解質保持板に設けてもよい。
【0045】上述したように、本実施例によれば、第1
実施例の燃料電池において、1枚または複数の電解質保
持板について電解質保持板の一部を電池スタック積層時
に側面から突出するように整形し、任意の時点で突出し
た部分の一部あるいは全体を電池スタックから切り離し
て含浸リン酸量を測定することにより、簡易な構造及び
作業で電池スタックに含浸されている電解質量を正確に
把握し、寿命特性の優れた燃料電池を得ることができ
る。
【0046】図9は本発明の第6実施例(請求項6対
応)である電池スタックの模式図である。同図に示すよ
うに、本実施例は、電池スタック4は5枚の単位電池1
及び2枚の冷却板7から構成されている。単位電池の間
にはガス不透過性のセパレータ(図示せず)が介在して
おり、隣接する単位電池に供給される空気及び燃料ガス
が混合するのを防止している。電池スタックの中央に位
置する単位電池16の燃料極または酸化剤極に接する電
解質保持板3(図では酸化剤極側の電解質保持板3b)
のガス流通溝の1つに、同じ材質からなる試験片9を差
し込む。試験片9には電解質保持板の初期リン酸含浸率
と同じ割合でリン酸を含浸しておく。この試験片を、任
意の運転時間後に電池スタックから取り出して粉砕した
後、蒸留水中で撹拌してリン酸を溶液中に抽出して、I
CP(誘導結合形高周波プラズマ法)などによってリン
酸量を定量する。ここから算出されたリン酸含浸率を基
に、電池スタックに含浸されているリン酸量を推測する
ことができる。
【0047】第1実施例で述べた通り、電解質であるリ
ン酸が揮発する速度は、温度が高くなるほど大きくな
る。電池スタックにおいて、積層された単位電池の中で
最も温度が高くなるのは、冷却板から最も離れているス
タック中央部の電池となる。従ってリン酸含浸率の低下
速度が最も大きくなるのは、この中央部の単位電池の各
部材であることが推測される。この部分のリン酸含浸率
を正確に確認することにより、リン酸の揮発に起因する
電池特性の急激な低下を確実に防いで、電池スタック全
体の寿命特性を優れたものにすることができる。
【0048】このように本実施例によれば、前記第1乃
至第5実施例の燃料電池において、一対の冷却板に挟持
される複数の単位電池の中で、冷却板から最も離れてい
る中央部の単位電池に接する電解質保持板に試験片を保
持させること、あるいは前記電解質保持板の一部を電池
スタック積層時に側面から突出するように整形すること
により、電解質の揮発が最も著しい部分の電解質量を正
確に把握し、寿命特性の優れた燃料電池を得ることがで
きる。
【0049】図10は本発明の第7実施例(請求項7対
応)である単位電池の模式図である。図に示すように、
本実施例では単位電池の燃料極側の電解質保持板3aの
ガス流通溝8の1つ(燃料ガス入口側、酸化剤ガスの入
口寄り)を、ガス流通溝の側面17が単位電池の積層面
に対し各々60度の角度を持つように加工し、リン酸含
浸率を測定するための試験片を差し込むための保持溝と
した点が第1実施例と異なる。なお、電池の基本的な構
成は図1の第1実施例と同一であるので、第1実施例と
同一部分には同一符号を付して説明する。
【0050】本実施例はでは、この保持溝に電解質保持
板と同じ材質からなる試験片9を差し込む。試験片9は
保持溝と同形の断面を持つように加工し電解質保持板と
の密着性を高めた上で、電解質保持板の初期リン酸含浸
率と同じ割合でリン酸を含浸しておく。この試験片を、
任意の運転時間後に電池スタックから取り出して粉砕し
た後、蒸留水中で撹拌してリン酸を溶液中に抽出して、
ICP(誘導結合形高周波プラズマ法)などによってリ
ン酸量を定量する。ここから算出されたリン酸含浸率を
基に、電池スタックに含浸されているリン酸量を推測す
ることができる。
【0051】このように本実施例によれば、保持溝の側
面が単位電池の積層面に対し各々60度の角度を持つよ
うに加工することにより、試験片の単位体積当たりの電
解質保持板との接触面積を増やすことができる。これに
より試験片と電解質保持板の間におけるリン酸の相互浸
透がより容易になり、両者のリン酸含浸率の均一化が促
進されることから、リン酸含浸率の定量を更に正確に行
うことができる。
【0052】さらに、第1実施例乃至第6実施例の燃料
電池において、試験片とこれを保持する電解質保持板と
が接触する溝または孔の側面が、本実施例のように単位
電池の積層面に対し30度から90度の角度を持つこと
により、試験片が接触する部材の電解質量を短時間でよ
り正確に把握し、寿命特性の優れた燃料電池を得ること
ができる。
【0053】図11は本発明の第8実施例(請求項8対
応)である単位電池の模式図であり、電池の基本的な構
成は図1の第1実施例と同一であるので、第1実施例と
同一部分には同一符号を付して説明する。
【0054】図に示すように、本実施例では、単位電池
の燃料極3aに接する電解質保持板の溝の1つ(燃料ガ
ス入口側、酸化剤ガスの入口寄り)に、電解質保持板と
同じ材質からなる試験片9を差し込む。試験片9には電
解質保持板の初期リン酸含浸率と同じ割合でリン酸を含
浸しておく。前記試験片の電池スタック外部に露出する
部分の表面には、PTFE薄膜18を溶着する。この試
験片を、任意の運転時間後に電池スタックから取り出し
て粉砕した後、蒸留水中で撹拌してリン酸を溶液中に抽
出して、ICP(誘導結合形高周波プラズマ法)などに
よってリン酸量を定量する。ここから算出されたリン酸
含浸率を基に、電池スタックに含浸されているリン酸量
を推測することができる。
【0055】電池スタックにおけるリン酸の揮発は、リ
ン酸を含浸している部材が反応ガスと接触する表面を中
心に進行すると考えられる。リン酸を含浸した試験片を
電池スタック内の電解質保持板に挿入した場合、リン酸
は試験片の電池スタック外部に露出している部分からも
揮発する。この状態では、試験片を通じて電解質保持板
に含浸されているリン酸が外部へ揮発することになり、
リン酸含浸率の測定精度を落とすばかりか、電池の寿命
にむしろ悪影響を及ぼしかねない。
【0056】このように本実施例によれば、試験片の電
池スタック外部に露出している部分の表面にPTFE薄
膜を溶着させることにより、試験片の表面からのリン酸
の揮発を防止すると共に、より高い精度で電池スタック
のリン酸含浸率を測定することができる。
【0057】さらに、第1実施例乃至第7実施例の燃料
電池において、試験片または側面から突出した電解質保
持板の一部のうち、電池スタック外部に露出する部分の
表面をPTFEなどのフッ素樹脂によってコーティング
することにより、試験片の電池スタック外部への露出分
からの電解質の損失を抑制し、電池スタックに含浸され
ている電解質量を正確に把握して、寿命特性の優れた燃
料電池を得ることができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の各請求項
によれば以下に述べるような効果を奏する。本発明の請
求項1によれば、電池スタックを構成する単数または複
数の電解質保持板に接触しかつ保持される電解質を含浸
しうる多孔質体からなる試験片を設け、任意の運転時間
後に積層状態の電池スタックから抜き取った試験片に含
まれる電解質量を測定することにより、電池スタックを
分解せずにリン酸含浸量を正確に把握し、寿命特性の優
れた燃料電池を得ることができる。
【0059】本発明の請求項2によれば、請求項1記載
の燃料電池において、各電解質保持板に保持される試験
片をマニホールドに覆われない電池スタックのコーナ部
に設けることにより、電池スタックに含浸されている電
解質量を容易かつ正確に把握し、寿命特性の優れた燃料
電池を得ることができる。
【0060】本発明の請求項3によれば、請求項1及び
請求項2記載の燃料電池において、任意の時点において
電解質保持板に設けた溝または孔に電解質を含浸しうる
多孔質体からなる試験片を差し込み、一定時間後に抜き
取ることにより短時間に、また繰り返し電池スタックに
含浸されている電解質量を正確に把握し、寿命特性の優
れた燃料電池を得ることができる。
【0061】本発明の請求項4によれば、請求項1乃至
請求項3記載の燃料電池において、試験片が保持溝ある
いは保持孔において特定の部材(電解質保持板、あるい
は電極など)以外の部材と接する部分の、試験片の表面
あるいは電池スタックの接触面をPTFEなどのフッ素
樹脂でコーティングすることにより、注目する特定の部
材に含浸されている電解質量を正確に把握し、寿命特性
の優れた燃料電池を得ることができる。
【0062】本発明の請求項5によれば、請求項1記載
の燃料電池において、単数または複数の電解質保持板の
一部を電池スタック積層時に側面から突出する突出部を
設け、任意の時点で突出部の一部あるいは全体を電池ス
タックから切り離して含浸リン酸量を測定することによ
り簡易な構造及び作業で電池スタックに含浸されている
電解質量を正確に把握し、寿命特性の優れた燃料電池を
得ることができる。
【0063】本発明の請求項6によれば、請求項1乃至
請求項5記載の燃料電池において、一対の冷却板に挟持
される複数の単位電池の中で、冷却板から最も離れてい
る中央部の単位電池に接する電解質保持板に、試験片を
保持させること、あるいは前記電解質保持板の一部を電
池スタック積層時に側面から突出するように整形するこ
とにより、電解質の揮発が最も著しい部分の電解質量を
正確に把握し、寿命特性の優れた燃料電池を得ることが
できる。
【0064】本発明の請求項7によれば、請求項1乃至
請求項6記載の燃料電池において、試験片とこれを保持
する電解質保持板とが接触する溝または孔の側面が、単
位電池の積層面に対し30度から90度の角度を持つこ
とにより、試験片が接触する部材の電解質量を短時間で
より正確に把握し、寿命特性の優れた燃料電池を得るこ
とができる。
【0065】本発明の請求項8によれば、請求項1乃至
請求項7記載の燃料電池において、試験片または側面か
ら突出した電解質保持板の一部のうち、電池スタック外
部に露出する部分の表面を、PTFEなどのフッ素樹脂
によってコーティングすることにより、試験片の電池ス
タック外部への露出分からの電解質の損失を抑制し、電
池スタックに含浸されている電解質量を正確に把握し
て、寿命特性の優れた燃料電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の模式図。
【図2】燃料電池の運転時間と単位電池を構成する各部
材のリン酸含浸率との関係を示す特性図。
【図3】第1実施例電池と比較電池の特性を比較した
図。
【図4】本発明の第2実施例の模式図。
【図5】本発明の第3実施例の模式図。
【図6】電解質保持板と試験片のリン酸含浸率の関係を
示す特性図。
【図7】本発明の第4実施例の模式図。
【図8】本発明の第5実施例の模式図。
【図9】本発明の第6実施例の模式図。
【図10】本発明の第7実施例の模式図。
【図11】本発明の第8実施例の模式図。
【図12】従来の燃料電池スタックの模式図。
【符号の説明】
1…単位電池、1a…燃料極、1b…酸化剤極、1c…
電解質層、2…セパレータ、3…電解質保持板、3a…
電解質保持板(燃料極側)、3b…電解質保持板(酸化
剤極側)、4…電池スタック、5…マニホールド、6…
サブスタック、7…冷却板、8a,8b…ガス流通溝、
9…試験片、10…保持溝、11…ダミープラグ、12
…PTFEの被膜、13…突出部、14…切れ目、15
…突出部の一方、16…電池スタックの中央の単位電
池、17…ガス流通溝の側面、18…PTFE薄膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真岡 忠則 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス透過性の電極基材の一方の面に電極
    触媒層を有する燃料極及び酸化剤極と前記両電極の電極
    触媒層の間に挟持されるマトリックス層に電解質を含浸
    してなる電解質層とから構成される単位電池を,2枚の
    電解質保持板で挟持したものを,ガス不透過性のセパレ
    ータを介して複数枚積層してなる電池スタックと、前記
    電池スタック内部の複数の単位電池ごとに挿入される冷
    却板と、前記電池スタックを構成する各単位電池の燃料
    極と酸化剤極に対してそれぞれ燃料ガスと酸化剤ガスを
    供給または排出するためのマニホールドを有する燃料電
    池において、前記電池スタック中の単数または複数の電
    解質保持板に、単数ないし複数の溝または孔を設け、こ
    の単数ないし複数の溝または孔に接触しかつ保持される
    試験片を有し、この試験片は電解質を含浸しうる多孔質
    体からなり、任意の電池運転時間後に前記電池スタック
    積層状態のままで前記試験片を抜き取ることができるよ
    うに構成されていることを特徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料電池において、各電
    解質保持板の試験片を保持する溝または孔及び試験片
    を、マニホールドに覆われない電池スタックのコーナ部
    に設けることを特徴とする燃料電池。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の燃料電池に
    おいて、任意の時点において電解質保持板に設けた溝ま
    たは孔に電解質を含浸しうる多孔質体からなる試験片を
    差し込み、一定時間後に抜き取ることできるように構成
    されていることを特徴とする燃料電池。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3記載の燃料電池に
    おいて、試験片が保持溝あるいは保持孔において特定の
    部材以外の部材と接する部分の試験片の表面あるいは電
    池スタックの接触面を、PTFE等のフッ素樹脂でコー
    ティングすることを特徴とする燃料電池。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の燃料電池において、単数
    または複数の電解質保持板の一部を前記電池スタック積
    層時に側面から突出するように突出部を形成し、任意の
    時点でこの突出部の一部あるいは全体を当該電池スタッ
    クから切り離せるように構成されていることを特徴とす
    る燃料電池。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5記載の燃料電池に
    おいて、一対の冷却板に挟持される複数の単位電池の中
    で、前記冷却板から最も離れている中央部の単位電池に
    接する電解質保持板に試験片の保持溝または保持孔を設
    け、この試験片を保持させること、あるいは前記電解質
    保持板の一部を電池スタック積層時に側面から突出する
    突出部を形成させることを特徴とする燃料電池。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6記載の燃料電池に
    おいて、試験片と、この試験片を保持する電解質保持板
    とが接触する溝または孔の側面が、単位電池の積層面に
    対し30度乃至90度の角度を持つことを特徴とする燃
    料電池。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7記載の燃料電池に
    おいて、試験片または側面から突出した電解質保持板の
    一部のうち、当該電池スタック外部に露出する露出部の
    表面を、PTFE等のフッ素樹脂によってコーティング
    することを特徴とする燃料電池。
JP9223550A 1997-08-20 1997-08-20 燃料電池 Pending JPH1167248A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005002779A1 (de) * 2003-07-02 2005-01-13 Jenoptik Automatisierungstechnik Gmbh Verfahren zum trennen flacher werkstücke aus keramik mit einer berechneten strahlflecklänge
JP2016162736A (ja) * 2015-03-05 2016-09-05 三浦工業株式会社 燃料電池システム及び燃料電池の劣化判定方法

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