JPH1166197A - 電子カルテシステムの情報提示方式ならびにその記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】膨大な診療情報の提示を診療段階に応じて制御
し、医師の診療を支援する。 【解決手段】診療段階入力手段と、診療段階別検索処理
手段と、診療段階別表示処理手段とを備え、確定診断や
経過観察などの医師の診療段階を指定し、関連する診療
情報のみを予め蓄積されたデータベースから自動選択し
て提示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子カルテシステ
ムの診療支援技術に関し、例えば医師の診療の段階にあ
わせて、患者の診療情報を選択し、提示する技術に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のカルテは、患者のプロフィール・
病歴・診察所見・検査データ等の診療情報が集約されて
おり、医師がそれらデータの記録や整理に忙殺されてい
るのが現状である。これを背景に、電子化された診療情
報を扱う電子カルテシステムでは、上記データを効率的
に入力するための入力支援や、上記データを利用して正
確な診断を迅速に行うための診断支援などの、各種診療
支援が求められている。

【０００３】この支援方法の例として、例えば特公平7
−40283号がある。上記従来例は、入出力一体型タブレ
ット上のペン入力を前提とし、患者の主訴を選択する
と、対応する詳細なカルテ作成用語句が入力画面に表示
され、それらの語句を選択することでカルテを作成す
る。また、特開平4−195465 号では、患者の主訴を選択
すると、診断知識を用いて推論し、次に考えられる診断
名及び、主訴・症状・検査項目等の関連情報を入力画面
に表示し、それらを選択することでカルテを作成する。
また患者の主訴の選択を、階層構造のメニュー式で行
い、各階層で定義された助詞を自動的に付与すること
で、主訴を自然文で表現する。両例は、何れも主訴に従
った入力用テンプレートを有することで、入力操作の簡
便化を図っている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来例では、入
力を支援するほかに、入力用テンプレートの入力項目に
より、診断漏れ，問診漏れ，検査漏れを防ぐ効果があ
る。しかしながら、上記テンプレートから得られる関連
する診療情報は、主訴から推論される項目に限定される
ため、着目すべき主訴を誤った場合や異常所見が新たに
認められ、新たな診断が必要になった場合に元のテンプ
レートでは収集すべき情報が不十分である、という問題
点がある。しかし必要と思われる情報のすべてを収集し
ようとすると、膨大な診療情報の収集と提示を行う必要
があり効果的でない。

【０００５】そこで本発明の目的は、効率的な情報収集
を可能にするため、これら膨大な診療情報の提示を制御
する手段を有する電子カルテシステムを提供し、医師の
診療行為の支援と質の向上を図ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は、確定診断や
経過観察等の医師の診療段階を入力する診療段階入力手
段と、診療段階に応じて関連する診療情報を検索する診
療段階別検索処理手段と、診療段階に応じて関連する診
療情報を表示する診療段階別表示処理手段とを備え、上
記診療段階入力手段で入力した診療段階をもとに、上記
診療段階別検索処理手段で検索した該当診療情報を、上
記診療段階別表示処理手段により表示し、さらに、医師
の診療段階を判断する診療段階判断処理手段を備え、上
記診療段階判断処理手段で判断した診療段階から、上記
診療段階入力手段で入力する診療段階を決定し、さら
に、上記診療段階別検索処理手段で読み取り可能な記録
媒体において、診療情報を示す属性と、少なくとも一つ
以上の診療段階を示す属性とを格納することにより達成
される。

【０００７】

【発明の実施の形態】第１の実施例を図１，図２，図３
により説明する。

【０００８】図１は、本実施例におけるシステム構成図
であり、入出力手段１０，入出力を制御する入出力制御
手段１１，入出力制御手段１１から得られる情報を制御
する制御処理手段１２，診療段階別診療情報データベー
ス１３からなる。制御処理手段１２は、診療段階入力処
理手段１２０，診療段階別検索処理手段１２１，診療段
階別表示処理手段１２２をもつ。

【０００９】診療段階入力処理手段１２０では、ユーザ
によって入力された診療段階を取得する。ここで診療段
階とは、初診から治癒するまでの患者に対して行う医師
の診療の段階のことを示し、スクリーニング，鑑別診
断，確定診断，経過観察などがある。例えばスクリーニ
ングは、初めに病気のふるいわけを行う段階であり、確
定診断は、ある程度診断のついた疾患を確定する段階で
ある。このように各々の診療段階では、診療の目的が異
なるため、医師が必要とする情報の内容も異なってい
る。そこで診療段階別検索処理手段１２１では、入力さ
れた上記診療段階をもとに、診療段階別診療情報データ
ベース１３を検索し、その診療段階別に該当する診療情
報を抽出する。

【００１０】図２は、本実施例における処理ステップを
示すフローチャートである。図３は、本実施例における
画面展開例で、診療情報を段階別に絞り込む診療段階選
択エリア３０と、絞り込んだ診療情報を表示する診療情
報表示エリア３１をもつ。

【００１１】以下、図２の各処理ステップを説明する。

【００１２】＜ステップ２００＞診療段階選択エリア３
０で選択入力した診療段階を、診療段階選択入力処理手
段１２０により取得する。

【００１３】＜ステップ２０１＞診療情報表示エリア３
１に表示する内容を格納するための診療情報バッファ・
メモリを初期化する。

【００１４】＜ステップ２０２＞診療段階別検索処理手
段１２１により、ステップ２００で取得した診療段階を
もとに、診療段階別診療情報データベース１３を検索
し、該当する診療情報を抽出する。

【００１５】＜ステップ２０３＞抽出した診療情報を診
療情報バッファ・メモリに追加する。

【００１６】＜ステップ２０４＞選択入力した全診療段
階について、検索済みかどうかをチェックする。未終了
であればステップ２０２、終了であれば次ステップ２０
５を実行する。

【００１７】＜ステップ２０５＞診療段階別表示処理手
段１２２により、診療情報バッファメモリの内容を表示
する。

【００１８】図３は、「慢性肝炎」に関連する検査情報
について、診療段階として「確定診断、合併症」を選択
入力し（図中３０）、「ＧＯＴ、ＧＰＴ…など」各種検
査情報を絞り込んで表示した例である（図中３１）。

【００１９】上記実施例では、医師が診療段階を入力す
ると、診療段階に関連する診療情報のみを提示するの
で、効率的な情報収集が行える。

【００２０】第２の実施例を図４，図５，図６により説
明する。図４は、本実施例におけるシステム構成図であ
り、図１の構成に加えて、診療段階判断処理手段４０，
診療情報データベース４１，診療段階判断知識４２を有
する。診療段階判断手段４０では、診療情報データベー
ス４１から検索した患者の診療情報をもとに、診療段階
判断知識４２を用いて、自動的に診療段階を判断する。
判断した診療段階は、診療段階入力処理手段１２０によ
り処理される。

【００２１】図５は、本実施例における処理ステップを
示すフローチャートである。図６は、本実施例において
診療段階判断知識４２として用いる診療段階判定テーブ
ルである。上記テーブルには、疾患名６０とその疾患が
治癒するまでの診療段階６１と、各段階で行うべき処置
情報６２の項目をもつ。

【００２２】以下、図５の各処理ステップを説明する。

【００２３】＜ステップ５００＞診療段階判断処理手段
４０において、診療情報データベース４１より、疾患名
及び上記疾患に関する処置歴などの診療情報を取得す
る。

【００２４】＜ステップ５０１＞取得した疾患名及び処
置歴から、図６の診療段階判定テーブルを検索し、現在
の診療段階を取得する。

【００２５】＜ステップ５０２＞取得した診療段階から
診療段階別検索手段１２１，診療段階別表示処理手段１
２２により、ステップ２００〜２０５までの処理を行
い、自動的に診療情報を絞り込んで提示する。

【００２６】上記実施例では、初診時など明らかに診療
段階が明確な場合に、診療段階を入力する作業を省略で
きる。また、自動的に診療段階を判断するので、医師が
診療段階を誤ったときの情報収集漏れを防ぐことができ
る。

【００２７】第３の実施例を図７により説明する。図７
は、診療段階別診療情報データベース１３において、診
療段階から診療情報を抽出するためのデータ構造であ
る。上記データベースでは、疾患名７０や検査項目７１
のような診療情報毎に、診療段階に対応したフラグ７２
をもつ。よって例えば、急性肝炎の患者の場合、「経過
観察」という診療段階で必要な情報としては、経過観察
フラグが真である情報ＧＯＴ，ＧＰＴ，Ａ／Ｇが抽出で
きる。一方、診療段階から情報の絞り込みを行う場合、
医師の情報の見落としを防ぐためにも、複数の診療段階
から情報提示の制御をすることが多い。そこで本実施例
では、複数の診療段階のフラグをもたせることで、複数
の診療段階に対する情報の抽出を可能にする。例えば、
確定診断と経過観察の両方で扱う情報を抽出する場合、
両フラグが真である情報ＧＯＴ，ＧＰＴを抽出する。ま
た確定診断と経過観察のいずれかで扱う情報を抽出する
場合、両フラグが偽である情報以外のＧＰＴ，ＧＰＴ，
Ａ／Ｇ，ＬＤＨを抽出する。

【００２８】上記実施例では、診療情報毎に複数の診療
段階に応じたフラグをもつため、複数の診療段階から診
療情報を抽出する場合に高速に検索できる。

【００２９】

【発明の効果】診療段階に応じて診療情報の提示を制御
することで、医師は効率的な情報収集が行える。また、
診療段階の判断機能を加えることで、医師の情報収集漏
れを防ぐ。また、複数の診療段階から診療情報を高速に
抽出するデータ構造をもつことで、情報提示時の操作性
が向上する。以上のことにより、医師の診療の効率なら
びに質的向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のシステム構成を示すブロッ
ク図。

【図２】本発明の一実施例における診療段階入力による
診療情報表示時の処理フローチャート。

【図３】本発明の一実施例における診療段階入力による
情報表示画面の一例を示す説明図。

【図４】本発明の他の実施例を示す診療段階判断手段を
考慮したシステム構成のブロック図。

【図５】図４の実施例における診療情報表示時の処理フ
ローチャート。

【図６】診療段階判定テーブルの一例を示す説明図。

【図７】診療段階別診療情報データベースのデータ構造
の一例を示す説明図。

【符号の説明】

１０…入出力手段、１１…入出力制御手段、１２…制御
処理手段、１２０…診療段階入力処理手段、１２１…診
療段階別検索処理手段、１２２…診療段階別表示処理手
段、１３…診療段階別診療情報データベース、３０…診
療段階選択エリア、３１…診療情報表示エリア、４０…
診療段階判断処理手段、４１…診療情報データベース、
４２…診療段階判断知識データベース、６０…疾患名、
６１…診療段階、６２…処置情報、７０…疾患名、７１
…検査項目、７２…診療段階フラグ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電子カルテシステムの情報提示方式におい
   て、確定診断や経過観察等の、医師の診療段階を入力す
   る診療段階入力手段と、診療段階に応じて関連する診療
   情報を検索する診療段階別検索処理手段と、診療段階に
   応じて関連する診療情報を表示する診療段階別表示処理
   手段とを備え、上記診療段階入力手段で入力した診療段
   階をもとに、上記診療段階別検索処理手段で検索した該
   当診療情報を上記診療段階別表示処理手段により表示す
   ることを特徴とする電子カルテシステムの情報提示方
   式。
2. 【請求項２】請求項１記載の電子カルテシステムの情報
   提示方式において、医師の診療段階を判断する診療段階
   判断処理手段を備え、上記診療段階判断処理手段で判断
   した診療段階から、上記診療段階入力手段で入力する診
   療段階を決定することを特徴とする電子カルテシステム
   の情報提示方式。
3. 【請求項３】請求項１及び２記載の診療段階別検索処理
   手段で読み取り可能な記録媒体において、診療情報を示
   す属性と、少なくとも一つ以上の診療段階を示す属性と
   を格納することを特徴とする記録媒体。