JPH1158036A - 摩擦溶接方法および溶接継手構造 - Google Patents

摩擦溶接方法および溶接継手構造

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JPH1158036A
JPH1158036A JP9212911A JP21291197A JPH1158036A JP H1158036 A JPH1158036 A JP H1158036A JP 9212911 A JP9212911 A JP 9212911A JP 21291197 A JP21291197 A JP 21291197A JP H1158036 A JPH1158036 A JP H1158036A
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welding
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tool
joint structure
welded
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Hisanobu Okamura
久宣 岡村
Masao Funyu
征夫 舟生
Akihiro Sato
章弘 佐藤
Kinya Aota
欣也 青田
Masakuni Esumi
昌邦 江角
Yasuo Ishimaru
靖男 石丸
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K33/00Specially-profiled edge portions of workpieces for making soldering or welding connections; Filling the seams formed thereby
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K20/00Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating
    • B23K20/12Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding
    • B23K20/122Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding using a non-consumable tool, e.g. friction stir welding
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K2101/00Articles made by soldering, welding or cutting
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】押出し型材やハニカムパネルなどの中空部材に
対して加工物の変形や溶接欠陥を生じさせることなく摩
擦溶接を可能にする。 【解決手段】押出し型材1,2の材質より実質的に硬い
材質によって形成された金属棒からなる溶接用ツール3
を溶接部に挿入し、回転させながら移動させることによ
り摩擦熱を発生させて2つの型材1,2を溶接線方向に
連続的に溶接する際に、一方の型材1の端部12と他方
の型材2の端部13の突出部12a,13aが互いに重
なるように配置し、溶接用ツール3を重なった部分に位
置させ、型材1,2が座屈を生じない程度の荷重をツー
ル3に加えた状態でツール3を回転させて摩擦熱による
塑性流動を利用して溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
からなる構造体、例えば車両,自動車,船舶,航空,エ
レベータ,圧力容器,管材などの構造体の溶接方法、お
よび溶接する際の溶接継手構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から実施されている摩擦溶接方法と
しては、加工物同士を回転させ、加工物同士の摩擦熱に
よって溶接する方法がある。これに対して、例えば特表
平7−505090号公報には、加工物よりも実質的に硬い材
質からなるツールを加工物の溶接部に挿入し、挿入した
ツールを回転させながら移動させることにより溶接線方
向の溶接を行うようにした溶接方法、すなわち、回転ツ
ールと加工物との間に生じる摩擦熱による塑性流動を利
用して摩擦溶接する溶接方法が開示されている。この方
法は、従来の摩擦溶接法に対して溶接部材を固定した状
態で、ツールを回転させながら移動することにより接合
することができるので、溶接方向に対して実質的に無限
に長い部材でもその長手方向に連続的に固相接合するこ
とが可能である。この場合、回転ツールと溶接部材との
摩擦熱による金属の塑性流動を利用した固相接合のた
め、接合部を溶融させることなく接合できるという特徴
があり、加熱温度が低いため、接合後の変形が少ないと
いうことや、接合部は溶融されないため、欠陥が少ない
などの多くの利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特表平7
−505090 号公報記載の溶接方法を内部に中空を有する
押出し型材やハニカムパネルなどの溶接に適用した場
合、次のような問題点がある。
【0004】すなわち、この公知の摩擦溶接方法では、
溶接の過程で加工物に対して局部的に500〜1000
kgの荷重が加わる。このため、溶接中にツールの荷重に
よって加工物に変形や座屈が生じることがあり、溶接の
構造,形状,寸法などが限定される。特に溶接部の近傍
が中空構造になっている押出し型材やハニカムパネルな
どの中空部材では、局部的な圧縮荷重によって変形が生
じ易く、このような押出し部材やハニカムパネルなどの
中空材に対して、このような摩擦溶接法によって溶接す
ることは困難であった。
【0005】従来、一般にはこのような押出し型材やハ
ニカムパネルはアーク溶接などの溶融溶接が適用されて
いる。アーク溶接などの溶融溶接の場合、溶接材に荷重
がほとんどかからないため、溶接構造も軽量構造になっ
ている。しかし、前述のように、溶融溶接では、接合後
の変形が大きかったり、接合部の欠陥が多かったりする
という問題があり、このような問題を生じないようにす
るため、摩擦溶接に注目が集まっているが、このアーク
溶接法に適用される溶接継手構造に前記摩擦溶接法を適
用すると、加工物に変形や座屈が生じ、結局、所望の溶
接を行うことができない。
【0006】本発明は、このような背景に鑑みてなされ
たもので、その第1の目的は、押出し型材やハニカムパ
ネルなどの中空部材に対して加工物の変形や溶接欠陥を
生じさせることなく摩擦溶接が可能な摩擦溶接方法を提
案することにある。
【0007】また、第2の目的は、前記中空部材に対し
て加工物の変形や溶接欠陥を生じさせることなく摩擦溶
接が可能な溶接継手構造を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、第1の手段は、加工物の材質より実質的に硬い
材質によって形成された金属棒からなる溶接用ツールを
加工物の溶接部に挿入し、回転させながら移動させるこ
とにより摩擦熱を発生させて2つの加工物を溶接線方向
に連続的に溶接する摩擦溶接方法において、一方の加工
物の端部と他方の加工物の端部が互いに重なるように配
置し、前記溶接用ツールを2つの端部が重なった部分に
位置させ、前記加工物が座屈を生じない程度の荷重を前
記溶接用ツールに加えた状態で当該溶接用ツールを回転
させて溶接することを特徴としている。
【0009】この場合、前記加工物としては内部に中空
部を有する押出し型材やハニカムパネルに適用すること
ができる。その際、前記溶接用ツールは前記押出し型材
またはハニカムパネルの面板に対して直角方向に配置さ
れている柱材の配置部分に挿入され、当該部位で溶接を
行うようにするとよい。その場合、この溶接は、溶接用
ツールの加工物への挿入部分の延長上にいずれか一方の
柱材が位置した状態で行うようにする。前記2つの柱材
の間隔は前記溶接用ツールの外径よりも小寸に形成し、
両柱材に荷重が係るようにすることが好ましい。また、
前記端部の重なり部分に設けらる両開先はほぼ平行に溶
接部分表面に対して10〜60度傾けて形成すると、欠
陥防止上有利である。
【0010】上記第2の目的を達成するため、第2の手
段は、加工物の材質より実質的に硬い材質によって形成
された金属棒からなる溶接用ツールを加工物端部の重ね
られた溶接部分に挿入し、回転させながら移動させて2
つの加工物を溶接線方向に連続的に溶接する摩擦溶接に
使用される溶接継手構造において、前記加工物が内部に
中空部を有する押出し型材またはハニカムパネルからな
り、前記重ねられた部分の少なくとも一方の端部に溶接
部を支持する柱材が設けられていることを特徴としてい
る。
【0011】この場合、前記柱材は少なくとも重ねられ
た部分の内側にあたる加工物側に設けるとよい。また、
前記柱材は前記溶接用ツールの挿入部の延長上に位置さ
せておく。さらに、前記柱材を対となる加工物の両者に
設け、両柱材の間隔を前記溶接用ツールの最大径以下の
寸法に設定する。そして、溶接部分に挿入した溶接用ツ
ール先端部から最も近い加工物の端部までの距離は、挿
入された溶接用ツール先端部分の直径の少なくとも1/
3以上とし、前記重ねられた部分の長さ寸法は、前記溶
接用ツールを挿入したときに当該溶接用ツールの端部か
ら少なくとも1mm以上大きく設定するとよい。同様に、
前記重ねられた部分の長さ寸法は、溶接が終了したとき
に前記溶接部の端部から少なくとも1mm以上大きく設定
してもよい。また、溶接された溶接部の先端から最も近
い加工物の端部までの距離は、溶接幅の少なくとも1/
3以上に設定することが望ましい。また、前記溶接部分
の加工物の表面の前記溶接用ツールが当接する個所に対
応する部分に、非溶接部分の加工物表面から所定量突出
した突出部を設けるとよい。この突出部の突出し高さは
0.5mm 以上,3mm以下が望ましい。
【0012】一方、前記のごとく、鉄道車両体,航空機
体,自動車などの輸送機器はますます軽量構造が望まれ
る。したがって、前記構造物の寸法、特に厚さはできる
限り小さい方が望ましい。
【0013】ところが、前記、摩擦溶接方法は溶接中に
回転ツールに500kgから2000kgの荷重がかかるた
め、特に、前記、構造物の溶接部近傍の厚さが小さい場
合は変形や座屈が生じやすい。反対に溶接部近傍の厚さ
が大きい場合は、輸送機器の重量が増加し、望ましくな
い。
【0014】このため、前記溶接用の回転ツールの寸法
はできる限り小さい方が望ましい。しかし、小さ過ぎる
と溶接の許容範囲が狭くなり、また、溶接欠陥が発生し
やすい。このため、回転ツールは、溶接物の厚さや形状
に適した寸法にする必要がある。
【0015】さらに、溶接物の寸法も回転ツールの寸法
に合わせ、かつ、できる限り小さくして軽量化する必要
がある。
【0016】さらに、前記溶接用ツールを大径のショル
ダ部とショルダ部の先端から突出した小径のツール先端
部とから構成し、溶接用ツールの前記ショルダ径Dおよ
びツール先端径dに対応するツール先端部から加工物表
面との最小距離をX,重ねられる部分の重なり長さを
Y,重ねられる部分の内側に位置する端部の厚さをH,
柱材の厚さをT,重ねられる部分の外側に位置する端部
の厚さをS,加工物表面の突起部の幅Wとしたときに、
W≧D X=2〜 5mm Y=1〜10mm H=1〜 5mm T=1〜 5mm S=2〜 5mm に設定し、または、前記溶接部の表面近傍の幅をA,前
記溶接部の中心の幅をB,溶接部先端から加工物表面と
の最小距離をX,加工物の重ねられる部分の重なり長さ
をY,重ねられる部分の内側に位置する端部の厚さを
H,柱材の厚さをTとしたときに、 A=8〜30mm B=4〜10mm X=2〜5mm Y=1〜10mm H=1〜5mm T=1〜5mm となるように設定するとよい。
【0017】また、上記第2の目的を達成するための、
第3の手段は、第2の手段と同様の前提の溶接継手構造
において、加工物が板状の押出し型材からなる場合、重
ねられた板材部分に開先を形成し、両開先をほぼ平行に
溶接部分表面に対して10〜60度傾斜させたことを特
徴としている。
【0018】なお、この溶接方法および溶接継手構造は
アルミニウム合金からなる構造物に適用可能であり、適
用した場合のメリットも大きい。
【0019】さらに、前記摩擦溶接法に適したアルミニ
ウム合金として、下記の組成からなる合金を溶体化処理
後、時効硬化処理したものが望ましい。
【0020】Si:0.2〜0.9wt%,Mg:0.4
〜1.2wt%,Mn:0.1〜0.8wt%,Fe:0.
2〜0.7wt%,Cu:0.1〜0.4wt%,Cr:
0.1〜0.4wt%,Zn:0.25wt%, T
i:0.1wt%,残部:Al つまり、上記組成で熱処理した材料は、機械的強度が高
いわりに塑性変形しやすく、前記摩擦溶接に適してい
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施の形態について説明する。
【0022】<第1の実施形態>この実施形態は、高速
車両用の側外板の一部を摩擦溶接法により溶接する場合
の例で、図1に高速車両用の側外板に対して摩擦溶接し
ている状態を示す。この摩擦溶接法では、側外板1と側
外板2とを金属棒(溶接用ツール以下、単に「ツール」
と称する。)3を回転させながら溶接線方向に移動する
ことにより溶接するが、この溶接方法は溶接材を溶融さ
せないため、図1に示すように表裏両面から同時に溶接
できる。このときの溶接の詳細を図2ないし図5に示
す。
【0023】図2は図1の溶接部近傍の一部を拡大した
断面図である。同図に示すように、高速車両用の側外板
1,2は、押出し成形によって製作された内部に中空を
有する押出し型材(以下、単に「押出し型材」と称
す。)である。これらの押出し型材1,2はアルミニウ
ム合金からなり、それぞれ第1および第2の面板4,
5、第1および第2の面板にそれぞれ設けられた柱材
6,7、並びに斜面板8,9、さらに、面板4,5の端
部12,13から側方に突出した突出部12a,13a
とから構成されている。面板4,5はそれぞれ2枚の平
行な板材からなり、両板材間に斜面板8,9がそれぞれ
斜め方向にトラス状に配置され、端部12,13には両
板材に垂直に柱材6,7が設けられている。この実施形
態では、突出部12a,13aは、突出部が面板5から
そのまま側方に延出し、突出部12aは突出部13aの
内側に平行に位置するように押出し型材1の端部12か
ら面板4に対して平行に突出している。符号3は、ツー
ルであって、図2では、図1に対応させて面板4,5の
両面から溶接を行うときのツール3と面板4,5との相
対的な位置関係を示し、図3では図2の溶接部を拡大し
て示している。
【0024】これらの図において、ツール3は凸形状で
ある溶接材(被加工部材)よりも実質的に硬い材質で作
られる。ツール先端径d,ショルダ径D,ツール先端部
3bの長さLは、溶接材の材質,構造,厚さなどにより
最適値を選定する必要がある。なお、この実施形態で
は、ショルダ径Dは20mm、先端径dは6mm、ツール先
端長さ5mm,ツール3の回転数は850rpm、溶接速度
は240mm/minである。ツール3の中心10は第1の
面板4の溶接開先14および第2の面板4の溶接開先1
5の真上、特に、柱材6のほぼ中心11になるように配
置される。つまり、押出し型材1,2のいずれか一方の
柱材6のほぼ中心11で溶接が行われるように配置され
る。これは、溶接中にツールに下向き方向の荷重がかか
るため、この荷重を柱材6で受けるためである。この場
合、少なくともツール先端部3bの延長部(長手方向)
が板材6と重なるようになっていればよい。
【0025】溶接は、図3の状態から押出し型材1,2
の溶接部、すなわち前記溶接開先14,15の中心11
に摩擦溶接用のツール3に荷重をかけて回転させながら
挿入し、溶接方向に移動することにより行われる。すな
わち、回転によって生じるツール3と加工物との摩擦熱
による金属の塑性流動を利用して加工材を溶接する。こ
れをさらに詳細に説明すると、押出し型材1,2同士の
溶接は、図3に示すように、一方の押出し型材1の端部
12の突出部12aが他方の押出し型材2の端部13の
突出部13aの内側に入り込み、両突出部12a,13
aがお互いに重なった状態で配置される。ここでは、一
方の押出し型材1の端部12が他方の押出し型材2の端
部13を支えるような構造になっている。このような構
造によって溶接の開先14,15のギャップが大きく開
いた場合でも塑性流動した溶接金属は押出し型材1,2
の端部12,13の突出部12a,13a同士が重なり
部分16で阻止される。これにより溶接可能な開先1
4,15のギャップの許容範囲は大きくなり、溶接の信
頼性が向上する。
【0026】一方、押出し型材1,2の溶接部の一部
(端部12,13の面板部分)は図3から分かるように
局部的に高く(F)なっている。これはツール3により
溶接部の一部が切削され、溶接後に表面が凹みが生じる
のを防ぐためである。溶接部に凹みが生じると機械的強
度や美観のために望ましくないので、溶接後に周囲の高
さと同等になるように予め溶接部の一部を高くする。こ
の高さFは、0.5mm 以下ではその効果が小さく、3mm
以上では逆に溶接後の高さが高くなる。そこで、この高
さFは、0.5mm 以上,3mm以下に設定することが望ま
しい。また、この部分は前述のようにツール3によって
切削されるので、この高く形成する部分の幅(直径)W
は、ツール3のショルダ径Dと同等の寸法に設定するこ
とが望ましい。
【0027】ツール先端部3bは押出し型材1,2の突
出部12a,13aの重なり部分16よりわずかに深い
部分まで挿入される。また、ツール3により溶接部に図
示下向き方向の荷重が加えられる。この荷重はツール3
のショルダ部3aの端面に相当する範囲に加わり、ショ
ルダ径Dの大きさにほぼ比例して大きくなる。具体的に
はショルダ径Dが10mmの場合は約500kg、20mmの
場合は約1000kgの荷重が加えられる。そのため、溶
接部近傍の強度が小さい場合は、この荷重によって溶接
部とその近傍に弾性変形や塑性変形が生じ、溶接が困難
になる。さらに、変形が大きい場合は溶接部にも欠陥が
発生する。欠陥が発生しない場合でも変形により車両全
体の信頼性や美観上の問題となる。したがって、特に溶
接部近傍の内部に中空を有する押出し型材を溶接する場
合には、ツール3による荷重の点からはツールのショル
ダ径Dはできるかぎり小さい方が望ましい。
【0028】一方、車両などの大型構造物にこの摩擦溶
接法を適用する場合、溶接長さは少なくとも5m以上と
なる。この場合、溶接中の熱変形などにより最大3mm程
度の開先の開き(ギャップ)が生じる。そのため、ツー
ル先端径dが細い場合はこの開先の開きに対処できなく
なり溶接部に欠陥が発生する原因になる。したがって、
開先の開きが大きい場合でも健全な溶接を得るために
は、ツール先端径dはできるかぎり大きい方が望まし
い。つまり、ツール先端径dはツール3による溶接部に
対する荷重と溶接過程の開先の開きの両方を考慮して選
定する必要がある。車両用の場合、図2のような複雑な
押出し型材1,2を製作する材料としてアルミニウム合
金材料の中でも加工性と機械的特性の両方に優れている
JIS規格A6061,A6063あるいはA6N01
が採用される。特にこれらの材料は、押出し加工性に優
れているため、摩擦溶接による溶接性にも優れている。
しかし、ツール3の荷重によって変形し易く、変形とい
う点から見ると溶接部近傍の内部に中空部を有する押出
し型材の溶接は困難である。そこで、このような材料に
ついてはツール3の寸法や形状の設定がきわめて重要な
ものとなる。
【0029】このように摩擦溶接方法は、溶接中に溶接
材に対して大きな荷重が加わる。このため、図4に示す
ように溶接部に挿入されたツール先端部3dから最も近
い符号20,21で示す型材端部にツール3の荷重によ
って変形が生じる場合がある。そして、この変形量が大
きい場合は、溶接部にも欠陥が発生し、溶接部の品質上
大きな問題となる。このためツール先端部3bから最も
近い押出し型材端部20,21までの距離Xがツール先
端径dの1/3以上になるように前記型材端部20,2
1の位置を設定し、当該端部20,21のツール先端部
3bに対する厚さを確保している。具体的には、前述の
ようにツール3の先端径dを4〜8mmの中間値をとって
6mmとしたときに、ツール先端部3bからの距離Xが2
mm以上の3mmとなるように設定している。
【0030】なお、前述のようにツール3の溶接材に対
する荷重はツール径にほぼ比例して増加するので、ツー
ル先端部3bからの距離Xもツール先端部3bの直径d
が増加すれば、その増加に応じて増やす必要がある。例
えば、ツール先端径dが8mmであれば、距離Xは2.7m
m以上、10mmであれば3mm以上が望ましい。
【0031】このような寸法関係で摩擦溶接を行った場
合、溶接部18の溶込み深さPは、図5に示すようにツ
ール先端部3bの長さLとほぼ同じである。また、溶接
部18の表面近傍の幅Aはツール3のショルダ径Dと、
また、溶接部18の中央の幅Bはツール先端径dにほぼ
等しい。従って、溶接部先端から最も近い押出し型材端
部までの距離Xが小さい場合は型材端部20および21
が変形し、この変形量が大きい場合は溶接部18にも欠
陥が生じる。このため、溶接部18側から上記ツール3
と型材形状との関係を見た場合にも溶接部18の先端か
ら最も近い押出し型材端部20,21までの距離Xを溶
接幅Bの1/3以上にすることが望ましい。
【0032】一方、図4の一方の押出し型材1と他方の
押出し型材2が重なった部分(突出部12a,13a)
の重なり長さYは溶接部分に挿入されたツール先端部3
bまたは図5に示した溶接部18の端部より少なくとも
1mm以上大きいことが望ましい。1mm未満の場合にはツ
ール3と溶接材との摩擦熱により塑性流動した溶接金属
が重なり部分16から押し出され、溶接部18に欠陥が
生じる原因になる。
【0033】前記のごとく、摩擦溶接用の溶接継手構造
の寸法は、ツールの荷重による変形を防止する点からで
きるかぎり大きい方が望ましい。しかし、摩擦溶接方法
を高速車両に適用した場合、できるかぎりの軽量化が望
まれるので、この点からは溶接継手構造の寸法はできる
かぎり小さい方が望ましい。そこで、この実施形態で
は、前述の高速車両に使用されるJIS規格のアルミニ
ウム合金の機械的特性から車両用の摩擦溶接継手構造と
して、ツール3の荷重のかかる範囲、つまり、ツール3
のショルダ径Dおよびツール先端径dに対応する前述の
各部の寸法、すなわち、ツール先端部3bから型材端部
(表面)20,21の最小距離X,突出部12a、13
aの重なり長さY,内側に位置する突出部12aの厚さ
H,柱材6の厚さT,外側に位置する突出部13aの厚
さSの寸法を図4にも示すように、 X:2〜5mm(X≧1/3d) Y:1〜10mm H:1〜5mm T:1〜5mm S:2〜4mm に設定する。
【0034】これに対し、溶接部18の表面近傍の幅A
および溶接部18の中心の幅Bとして溶接部18に対応
する前述の各部の寸法を図5にも示すように、 A:8〜30mm B:4〜10mm X:2〜5mm(X≧1/3B) Y:1〜10mm H:1〜5mm T:1〜5mm に設定する。なお、ここでは、柱材6の幅寸法をツール
3の荷重に耐え、座屈しない最低の寸法の1mmから重量
を考慮した最大寸法の5mmの範囲に設定した。
【0035】なお、この実施形態では、第1および第2
の面板4,5のそれぞれの端部12,13に柱材6,7
を設けているが、重なり部分16の内側に位置する面板
(この実施形態では第1の面板に対応)側にのみ柱材を
設け、ツール3の荷重をこの柱材のみによって受けるよ
うに構成することも可能である。これらは、加工物の材
料の強度,寸法,形状などに応じて適宜設定される。
【0036】<第2の実施形態>図6に第2の実施形態
に係る摩擦溶接の溶接部近傍を示す。この第2の実施形
態は前述の第1の実施形態において第1および第2の押
出し型材1,2の端部12,13の柱材6,7間の間隔
Kをツール3のショルダ径D以下に設定したもので、そ
の他の各部は全て第1の実施形態と同等に構成されてい
る。
【0037】このように柱材6,7の間隔Kをツール3
のショルダ径D以下にすることにより、ツール3の荷重
を両方の柱材6,7で受けることができるため、溶接中
の変形を少なくすることができる。例えば、ツール先端
径dを6mm、ショルダDを20mmとしたときに、柱材6
と7の間隔Kは15mmに設定する。これにより、ツール
3の中心10は第1の押出し型材1の柱材6の中心11
近傍に配置されるが、ツール3の荷重を第2の押出し型
材2の柱材7でも受けることができるため、柱材6で受
けるツール荷重が少なくなる。したがって、柱材6,7
の厚さ寸法、言い換えれば溶接継手構造の寸法を小さく
することができ、車両の場合には軽量化が実現できる。
【0038】<第3の実施形態>図7は第3の実施形態
に係る摩擦溶接の溶接部近傍を示す断面図であり、車両
用の側外板の溶接部が図示されている。この第3の実施
形態は、溶接部は第1および第2の実施形態とは異なっ
て中空の押出し型材ではなく、単なる押出し加工によっ
て製作された板状の押出し型材を摩擦溶接する場合の例
であり、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態を
同等に構成されているので、重複する説明は省略する。
【0039】この実施形態では、図2の第1の実施形態
に示すように柱材6,7と斜面板8,9がないため、ツ
ールの荷重による柱材の変形や座屈を考慮する必要がな
い。また、各部寸法は第1の実施形態で示した図4およ
び図5と同様に設定されている。なお、この実施形態で
は、溶接部のツールと対向する面(図7において下面)に
ツール荷重を受ける支持手段を設け、ツール荷重によっ
て押出し型材の変形が生じないように配慮される。
【0040】この第3の実施形態では、図7から分かる
ように溶接開先14および15がほぼ平行に、かつ溶接
表面に対して斜めになるように設定されている。このよ
うに開先を斜めにすることにより、図3〜図5に示した
ように開先を直角とした場合に較べて、溶接中に開先が
大きく開いた場合でも溶接部に欠陥が発生しない。この
開先の角度θは10〜60°が望ましく、この実施形態
では、θ=30°としている。
【0041】このように開先の角度θ=30°とし、前
記寸法で作成した本実施形態で第1の実施形態と同様の
溶接条件で摩擦溶接を行った場合、開先が3mm開いても
溶接部に欠陥が発生することはなかった。
【0042】なお、この実施形態では、単なる板状の押
出し型材を例示しているが、第1および第2の実施形態
のように中空の押出し型材やハニカムパネルにも適用で
きることはいうまでもない。
【0043】<第4の実施形態>図8に第4の実施形態
に係る摩擦溶接装置を示す。この実施形態は、鉄道車両
用の床板を表裏両面から溶接する場合の例で、床板はア
ルミニウム合金のJIS規格A6N01からなる押出し
型材からなる。なお、このアルミニウム合金の組成は、
Si:0.4〜0.9wt%,Mg:0.4〜0.8wt
%,Mn:0.5wt%,Fe:0.35wt%,Cr:
0.3wt%,Cu:0.35wt%、溶体化後、時効硬
化処理されているのが好ましい。一枚の押出し型材は長
さ20m,幅500m,厚さ50mmである。なお、床板
となる押出し型材30の溶接部の高さは局部的に約1mm
高くなっている。すなわち、F=1mmに設定されてい
る。摩擦溶接はツール3の先端部3bを押出し型材30
の柱材6,7の中央に挿入して、回転させながら移動さ
せる。回転ツール3は移動台車37に搭載された移動ロ
ボット36に取り付けられており、移動台車37の移動
によって溶接線方向に移動する。床板となる押出し型材
30は、上下からの固定治具38および左右からの固定
治具39によって固定されている。なお、溶接部の詳
細,溶接条件などは前述の第1の実施形態と同等なの
で、説明は省略する。
【0044】図9は本実施形態を適用して車両に対して
溶接を行った鉄道車両の斜視図である。図から分かるよ
うに、側外板101,102、屋根板103,104,1
05、床板106,107を本実施形態の摩擦溶接によ
って接合して組立てた車両が図示されている。溶接部4
0の長さはいずれも最大25mである。
【0045】
【発明の効果】これまでの説明で明らかなように、本発
明によれば下記のような効果を奏する。
【0046】すなわち、一方の加工物の端部と他方の加
工物の端部が互いに重なるように配置し、溶接用ツール
を2つの端部が重なった部分に位置させ、加工物が座屈
を生じない程度の荷重を前記溶接用ツールに加えた状態
で当該溶接用ツールを回転させて溶接するので、加工物
に変形や欠陥を生じることなく摩擦溶接を行うことが可
能になる。
【0047】加工物が内部に中空部を有する押出し型材
またはハニカムパネルからなるので、軽量な構造材にお
いても摩擦溶接を行うことができ、これによって、車両
等の種々の構造物への適用が可能となる。
【0048】溶接用ツールは押出し型材またはハニカム
パネルの面板に対して直角方向に配置されている柱材の
配置部分に挿入され、当該部位で溶接を行うので、摩擦
溶接時の荷重は前記柱材で受けることが可能となり、こ
れによって面板が薄くとも変形や欠陥を生じることなく
摩擦溶接を行うことができる。
【0049】いずれか一方の柱材のほぼ中央で溶接を行
うので、確実に摩擦溶接時の荷重を柱材で受けることが
できる。
【0050】柱材の間隔が溶接用ツールの外径よりも小
寸に形成されているので、両柱材で摩擦溶接時の荷重を
受けることが可能となり、これによって、柱材の厚み寸
法をより薄くした上で、面板が薄くとも変形や欠陥を生
じることなく摩擦溶接を行うことができる。
【0051】端部の重なり部分に開先を形成し、この開
先をほぼ平行に、かつ、溶接部表面に対して10〜60
度傾斜させていることによって溶接部の欠陥の発生を防
止することができる。
【0052】加工物がアルミニウム合金からなるので、
アルミニウム合金を使用した軽量で薄い構造材を摩擦溶
接によって変形や欠陥を生じさせることなく接合するこ
とができる。
【0053】加工物が内部に中空部を有する押出し型材
またはハニカムパネルからなり、加工物の重ねられた部
分の少なくとも一方の端部に溶接部を支持する柱材が設
けられているので、溶接部が薄い面板であっても変形や
欠陥を生じることなく摩擦溶接可能な溶接継手構造を提
供することができる。
【0054】柱材が重ねられた部分の内側にあたる加工
物側に少なくとも設けられているので、確実に摩擦溶接
時の荷重を受けることができる。
【0055】柱材が溶接用ツールの挿入部の延長上に位
置しているので、摩擦溶接時の荷重を柱材で直接受ける
ことができる。
【0056】柱材が対となる加工物の両者に設けられ、
両柱材の間隔が前記溶接用ツールの最大径以下の寸法に
設定されているので、摩擦溶接時の荷重を両側の柱材で
確実に受けることができ、これによって柱材を最小限の
厚さに設定することが可能となり、さらに加工材の軽量
化を図ることができる。
【0057】溶接部分に挿入した溶接用ツール先端部か
ら最も近い加工物の端部までの距離は、挿入された溶接
用ツール部分の直径の少なくとも1/3以上に設定され
ているので、加工物変形と溶接欠陥を生じさせることな
く摩擦溶接が可能となる。
【0058】重なり部の寸法を前述のように規定したの
で、溶接用ツールと加工材との摩擦熱による塑性流動し
た溶接金属が重なり部から押し出されることがなくな
り、欠陥の発生を防止できる。
【0059】溶接された溶接部の先端から最も近い加工
物の端部までの距離は、溶接幅の少なくとも1/3以上
に設定されているので、加工物の変形と溶接欠陥を生じ
させることなく摩擦溶接が可能となる。
【0060】溶接部分の加工物の表面の溶接用ツールが
当接する個所に対応する部分に、非溶接部分の加工物表
面から所定量突出した突出部が設けられているので、溶
接用ツールにより切削され、溶接後に表面が凹みが生じ
るのを防ぐことができる。
【0061】各部寸法を前述のように規定したので、加
工物の変形と溶接欠陥を生じることのない溶接継手構造
を提供することができる。
【0062】両開先がほぼ平行であって、溶接部分表面
に対して10〜60度傾斜させて設けられているので、
板状の押出し型材においても欠陥の生じにくい溶接継手
構造を提供することができる。
【0063】加工物がアルミニウム合金からなるので、
アルミニウム合金を使用した軽量で薄い構造材を摩擦溶
接によって変形や欠陥を生じさせることなく接合するこ
とが可能な溶接継手構造を提供することができる。
【0064】摩擦溶接を行うアルミニウム合金の組成を
重量で、Si:0.2〜0.9%,Ti:0.1%,M
n:0.1〜0.8%,Cu:0.1〜0.4%,Mg:
0.4〜1.2%,Cr:0.1〜0.4%,Fe:0.3
〜0.7%,Zn:0.25%含有し、溶体化後、時効硬
化熱処理したので、摩擦溶接に適した材料からなる高速
車両用の溶接継手構造を提供することができる。これに
より、軽量で溶接欠陥のない鉄道車両を提供することが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両用の構造材
の摩擦溶接の状態を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る押出し型材の型材と溶接
部位の状態を示す図である。
【図3】図2の溶接部を示す拡大図である。
【図4】図3に示した溶接部のおける溶接工程を示す図
である。
【図5】図4によって摩擦溶接したあとの溶接部の状態
を示す図である。
【図6】第2の実施形態における溶接状態を示す図であ
る。
【図7】第3の実施形態における押出し型材と溶接部の
状態を示す図である。
【図8】第4の実施形態における摩擦溶接装置を示す図
である。
【図9】第4の実施形態における摩擦溶接装置を使用し
て溶接した車両構造物の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2…押出し型材、3…溶接用ツール、3a…ショル
ダ部、3b…ツール先端部、4,5…面板、6,7…柱
材、8,9…斜面板、12,13…端部、12a,13a
…突出部、14,15…開先、16…重なり部分、18
…溶接部、20,21…型材端部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 602 C22F 1/00 602 630 630M (72)発明者 青田 欣也 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 江角 昌邦 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 石丸 靖男 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加工物の材質より実質的に硬い材質によっ
    て形成された金属棒からなる溶接用ツールを加工物の溶
    接部に挿入し、回転させながら移動させることにより摩
    擦熱を発生させて2つの加工物を溶接線方向に連続的に
    溶接する摩擦溶接方法において、 一方の加工物の端部と他方の加工物の端部が互いに重な
    るように配置し、 前記溶接用ツールを2つの端部が重なった部分に位置さ
    せ、 前記加工物が座屈を生じない程度の荷重を前記溶接用ツ
    ールに加えた状態で当該溶接用ツールを回転させて溶接
    することを特徴とする摩擦溶接方法。
  2. 【請求項2】前記加工物が内部に中空部を有する押出し
    型材またはハニカムパネルのいずれかであることを特徴
    とする請求項1記載の摩擦溶接方法。
  3. 【請求項3】前記溶接用ツールは前記押出し型材または
    ハニカムパネルの面板に対して直角方向に配置されてい
    る柱材の配置部分に挿入され、当該部位で溶接を行うこ
    とを特徴とする請求項2記載の摩擦溶接方法。
  4. 【請求項4】前記溶接は、溶接用ツールの加工物への挿
    入部分の延長上にいずれか一方の柱材が位置した状態で
    行われることを特徴とする請求項3記載の摩擦溶接方
    法。
  5. 【請求項5】前記2つの柱材の間隔が前記溶接用ツール
    の外径よりも小寸に形成されていることを特徴とする請
    求項3または4記載の摩擦溶接方法。
  6. 【請求項6】前記端部の重なり部分に開先が形成され、
    前記両開先はほぼ平行に溶接部分表面に対して10〜6
    0度傾斜していることを特徴とする請求項1記載の摩擦
    溶接方法。
  7. 【請求項7】前記加工物がアルミニウム合金からなるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の摩擦溶接方法。
  8. 【請求項8】加工物の材質より実質的に硬い材質によっ
    て形成された金属棒からなる溶接用ツールを加工物端部
    の重ねられた溶接部分に挿入し、回転させながら移動さ
    せて2つの加工物を溶接線方向に連続的に溶接する摩擦
    溶接に使用される溶接継手構造において、 前記加工物が内部に中空部を有する押出し型材またはハ
    ニカムパネルからなり、 前記重ねられた部分の少なくとも一方の端部に溶接部を
    支持する柱材が設けられていることを特徴とする溶接継
    手構造。
  9. 【請求項9】前記柱材が、前記重ねられた部分の内側に
    あたる加工物側に少なくとも設けられていることを特徴
    とする請求項8記載の溶接継手構造。
  10. 【請求項10】前記柱材が、前記溶接用ツールの挿入部
    の延長上に位置していることを特徴とする請求項8また
    は9記載の溶接継手構造。
  11. 【請求項11】前記柱材が対となる加工物の両者に設け
    られ、両柱材の間隔が前記溶接用ツールの最大径以下の
    寸法に設定されていることを特徴とする請求項8記載の
    溶接継手構造。
  12. 【請求項12】溶接部分に挿入した溶接用ツール先端部
    から最も近い加工物の端部までの距離は、挿入された溶
    接用ツール先端部分の直径の少なくとも1/3以上に設
    定されていることを特徴とする請求項8ないし11のい
    ずれか1項に記載の溶接継手構造。
  13. 【請求項13】前記重ねられた部分の長さ寸法は、前記
    溶接用ツールを挿入したときに当該溶接用ツールの端部
    から少なくとも1mm以上大きく設定されていることを特
    徴とする請求項8記載の溶接継手構造。
  14. 【請求項14】溶接された溶接部の先端から最も近い加
    工物の端部までの距離は、溶接幅の少なくとも1/3以
    上に設定されていることを特徴とする請求項8ないし1
    1のいずれか1項に記載の溶接継手構造。
  15. 【請求項15】前記重ねられた部分の長さ寸法は、溶接
    が終了したときに前記溶接部の端部から少なくとも1mm
    以上大きく設定されていることを特徴とする請求項8記
    載の溶接継手構造。
  16. 【請求項16】前記溶接部分の加工物の表面の前記溶接
    用ツールが当接する個所に対応する部分に、非溶接部分
    の加工物表面から所定量突出した突出部が設けられてい
    ることを特徴とする請求項8ないし15のいずれか1項
    に記載の溶接継手構造。
  17. 【請求項17】前記溶接用ツールが大径のショルダ部と
    ショルダ部の先端から突出した小径のツール先端部とか
    らなり、溶接用ツールの前記ショルダ径Dおよびツール
    先端径dに対応するツール先端部から加工物表面との最
    小距離をX,重ねられる部分の重なり長さをY,重ねら
    れる部分の内側に位置する端部の厚さをH,柱材の厚さ
    をT,重ねられる部分の外側に位置する端部の厚さを
    S,加工物表面の突起幅をWとしたときに、W≧D X=2〜5mm Y=1〜10mm H=1〜5mm T=1〜5mm S=2〜5mm に設定されていることを特徴とする請求項8または12
    記載の溶接継手構造。
  18. 【請求項18】前記溶接部の表面近傍の幅をA,前記溶
    接部の中心の幅をB,溶接部先端から加工物表面との最
    小距離をX,加工物の重ねられる部分の重なり長さを
    Y,重ねられる部分の内側に位置する端部の厚さをH,
    柱材の厚さをTとしたときに、 A=8〜30mm B=4〜10mm X=2〜5mm Y=1〜10mm H=1〜5mm T=1〜5mm に設定されていることを特徴とする請求項14記載の溶
    接継手構造。
  19. 【請求項19】加工物の材質より実質的に硬い材質によ
    って形成された金属棒からなる溶接用ツールを加工物端
    部の重ねられた溶接部分に挿入し、回転させながら移動
    させて2つの加工物を溶接線方向に連続的に溶接する摩
    擦溶接に使用される溶接継手構造において、前記加工物
    が板状の押出し型材からなり、前記重ねられた部分に開
    先が形成され、前記両開先はほぼ平行に溶接部分表面に
    対して10〜60度傾斜していることを特徴とする溶接
    継手構造。
  20. 【請求項20】前記加工物がアルミニウム合金からなる
    ことを特徴とする請求項8,9,12,14,16,1
    7,18および19のいずれか1項に記載の溶接継手構
    造。
  21. 【請求項21】前記アルミニウム合金は、重量で、 Si:0.2〜0.9%, Ti:0.1% Mn:0.1〜0.8%, Cu:0.1〜0.4% Mg:0.4〜1.2%, Cr:0.1〜0.4% Fe:0.3〜0.7%, Zn:0.25% を含有し、溶体化後、時効硬化熱処理されていることを
    特徴とする請求項8ないし20のいずれか1項に記載の
    高速車両用の溶接継手構造。
  22. 【請求項22】請求項21の溶接継手構造を有すること
    を特徴とする鉄道車両。
  23. 【請求項23】加工物の材質より実質的に硬い材質から
    なる金属からなるツールを加工物の溶接部に挿入し、前
    記ツールを回転しながら移動することによって2つの加
    工物を溶接線方向に連続的に溶接する摩擦溶接方法にお
    いて、 一方の加工物の端部と他方の加工物の端部がお互いに重
    なった状態で配置させて溶接することを特徴とする摩擦
    溶接方法。
  24. 【請求項24】加工物の材質より実質的に硬い材質から
    なる金属からなるツールを加工物の溶接部に挿入し、前
    記ツールを回転しながら移動することによって2つの加
    工物を溶接線方向に連続的に溶接する摩擦溶接用継手構
    造において、 一方の加工物の端部と他方の加工物の端部がお互いに重
    なった状態に配置される形状を有することを特徴とする
    摩擦溶接用継手構造。
  25. 【請求項25】内部に中空を有する押出し型材またはハ
    ニカムパネルの摩擦溶接方法において、 一方の押出し型材の端部と他方の押出し型材の端部、ま
    たは前記ハニカムパネルの端部がお互いに重なった状態
    で配置し、前記押出し型材の一方または両方の端部また
    は前記ハニカムパネルの一方または両方の端部に設けら
    れ、該押出し型材の板面に対して直角方向に配置されて
    いる柱材に沿って溶接することを特徴とする摩擦溶接方
    法。
  26. 【請求項26】内部に中空を有する押出し型材またはハ
    ニカムパネルの摩擦溶接用継手構造において、 一方の押出し型材の端部と他方の押出し型材の端部が互
    いに重なった状態で、または前記ハニカムパネルの端部
    が互いに重なった状態で配置され、前記押出し型材の一
    方または両方の端部または前記ハニカムパネルの一方ま
    たは両方の端部に設けられた該押出し型材の板面に対し
    て直角方向に配置されている柱材に沿った溶接構造を有
    することを特徴とする摩擦溶接用の継手構造。
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