JPH1157964A - 鋳片のバルジング検出方法、バルジング判定方法、バルジング防止方法、およびその装置 - Google Patents

鋳片のバルジング検出方法、バルジング判定方法、バルジング防止方法、およびその装置

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JPH1157964A
JPH1157964A JP22489397A JP22489397A JPH1157964A JP H1157964 A JPH1157964 A JP H1157964A JP 22489397 A JP22489397 A JP 22489397A JP 22489397 A JP22489397 A JP 22489397A JP H1157964 A JPH1157964 A JP H1157964A
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幸雄 成毛
Masamitsu Minafuji
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続鋳造設備において、ロール間の微小なバル
ジングを正確に検出し、危険なバルジングを早期に容易
に正確に検出し、バルジングによる事故等を未然に防止
できるようにする。 【解決手段】連続鋳造設備のピンチロール帯等に設置し
た3つレーザーセンサー1a、1b、1cにより、ロー
ル間の鋳片上面の変位と、この鋳片上面に近接するロー
ル上面の変位と、このロールのフレームの変位を測定
し、鋳片上面の変位測定値からロール上面の変位測定値
およびフレームの変位測定値を差し引いて真のロール間
バルジング量δ* を求め、このロール間バルジング量
が、予め求めておいたロール間バルジング量と鋳片幅、
鋳造速度または鋳片炭素量との関係を表す関係式により
それぞれ算出される判定基準のいずれか一つを超える
と、危険バルジングと判定し、鋳造条件を変更してバル
ジング量を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造設備にお
ける鋳片のバルジングを検出し、判定し、防止する方法
およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】連続鋳造
においては、レードル内の溶鋼をタンディッシュを介し
て鋳型内に連続して鋳込み、水冷鋳型により溶鋼外周に
凝固シェルを形成し、続くガイドロール群およびピンチ
ロール帯において凝固シェルを支持しつつロール間の冷
却スプレーにより凝固シェルを成長させ、ピンチロール
により引き出され完全凝固した鋳片をトーチ台車で所定
長さに切断している。
【0003】このような連続鋳造設備においてピンチロ
ール機端以降で完全凝固する鋳片は、拘束するロールが
無いため、鋳片内の静鉄圧力により過剰膨張(バルジン
グ)し、トーチ台車をくぐれず、設備を破損することな
る(図6(a) 参照)。一方、一般的にピンチロールから
トーチ台車までの距離は1m〜10m程度であり、過剰
膨張鋳片の発生に気づき、鋳造速度の低減等により比水
量の増加を図っても間に合わないので、ピンチロール帯
の中で検知し、事故を未然に防止する必要がある。
【0004】鋳片のロール間バルジングを検出する方法
としては、従来から次に示すような種々の方法が提案さ
れているが、それぞれ次に示す通りの問題点、欠点を有
している。
【0005】[A]直接式 (1)接触式 (1−1)ローラ接触式 特開平3−71961号公報などに開示されているよう
に、鋳片に直接ローラを当てて鋳片表面の変位を測定す
る方法。滑り、変形、回転不良、熱影響等により測定精
度が低い。
【0006】(2)非接触式 (2−1)投光式 特開昭58−176510号公報などに開示されている
ように、平行光源によって投影し、鋳片短辺バルジング
を検知する方法。受光器に投影された形は、熱、干渉
波、水蒸気による影響を受けやすく、定量判定できな
い。
【0007】(2−2)超音波式 特開昭61−57550号公報、特開平5−57414
号公報、特開平6−328213号公報などに開示され
ているように、スプレー水を利用して超音波を照射する
などの超音波方式。この方法は、比較的安価で熱影響も
少ないが、水を使用するので鋳片不均一冷却となる。微
小変位を測定するためには、高周波数・近距離とする必
要がある。
【0008】(2−3)渦電流式 特開昭53−113222号公報、特開昭63−104
767号公報、特開平3−268850号公報などに開
示されているように、渦流距離計で被対象距離を 200mm
程度に保ち変位測定する方法。水分を多く含む環境下で
測定することができない。被対象物から最も近距離に設
置する必要があり、防熱対策が高コストとなる。
【0009】[B]間接式 (1)ロール負荷測定式 特開昭55−88961号公報、特開平6−32821
3号公報などに開示されているように、ロール撓み量を
間接的に測定し、さらにモータ駆動電流のフィードバッ
ク制御を行う方法。間接要因が多く、バルジング変位を
特定することができない。
【0010】以上の従来法は一長一短があるが、各従来
法で共通していることは、機械のガタもバルジング量と
して検知しており、センサーで検知した値をバルジング
と特定することができない。また、低測定能の測定方法
であり、ロール間の微小なバルジングを正確に測定する
ことができない。
【0011】本発明は、前述のような問題点を解消すべ
くなされたもので、その目的は、ロール間の微小なバル
ジングを正確に検出することができ、危険なバルジング
を早期に容易に正確に検出することができ、鋳片バルジ
ングによる事故等を未然に防止することのできる方法お
よびその装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のバルジング検出
方法は、連続鋳造設備における鋳片のロール間バルジン
グを検出する方法であり、非接触式の距離センサー(レ
ーザーセンサーなど)により、ロール間の鋳片上面の変
位と、この鋳片上面に近接するロール上面の変位と、こ
のロールのフレームの変位を測定し、鋳片上面の変位測
定値からロール上面の変位測定値およびフレームの変位
測定値を差し引いて真のロール間バルジング量を求める
ことを特徴とする(請求項1)。ガイドロール群あるい
はピンチロール帯において、ロール曲り・撓み、ベアリ
ングギャップ、フレームの油圧変位・メカギャップなど
の機械ガタを相殺し、真のロール間バルジングを正確に
検出することができる。
【0013】本発明のバルジング判定方法は、連続鋳造
設備における鋳片のロール間バルジングを判定する方法
であり、非接触式の距離センサーにより、ロール間の鋳
片上面の変位と、この鋳片上面に近接するロール上面の
変位と、このロールのフレームの変位を測定し、鋳片上
面の変位測定値からロール上面の変位測定値およびフレ
ームの変位測定値を差し引いて真のロール間バルジング
量を求め、このロール間バルジング量が、予め求めてお
いたロール間バルジング量と鋳片幅、鋳造速度または鋳
片炭素量との関係を表す関係式によりそれぞれ算出され
る判定基準のいずれか一つを超えると、危険バルジング
と判定することを特徴とする(請求項2)。ガイドロー
ル群またはピンチロール帯において、正確なロール間バ
ルジングに基づき危険なバルジングを早期に容易に正確
に検出することができる。
【0014】本発明のバルジング防止方法は、連続鋳造
設備における鋳片のロール間バルジングを防止する方法
であり、非接触式の距離センサーにより、ロール間の鋳
片上面の変位と、この鋳片上面に近接するロール上面の
変位と、このロールのフレームの変位を測定し、鋳片上
面の変位測定値からロール上面の変位測定値およびフレ
ームの変位測定値を差し引いて真のロール間バルジング
量を求め、このロール間バルジング量が、予め求めてお
いたロール間バルジング量と鋳片幅、鋳造速度または鋳
片炭素量との関係を表す関係式によりそれぞれ算出され
る判定基準のいずれか一つを超えると、危険バルジング
と判定し、鋳造条件を変更してバルジング量を抑制する
ことを特徴とする(請求項3)。ピンチロール帯におい
てロール間バルジングを測定して鋳造条件(鋳造速度、
スプレー冷却水量など)を変更することにより、過剰バ
ルジングが抑制され、ピンチロール帯以降の設備の破損
を未然に防止することができる。また、ピンチロール帯
に限らず、上流側のガイドロール群においてロール間バ
ルジングを測定して鋳造条件(鋳造速度、鋳型への溶湯
注入速度など)を変更することにより、鋳型内湯面の変
動等を防止することができる。
【0015】本発明のバルジング検出装置は、連続鋳造
設備における鋳片のロール間バルジングを検出する装置
であり、ロール間の鋳片上面の変位を測定する非接触式
の距離センサーと、この鋳片上面に近接するロール上面
の変位を測定する非接触式の距離センサーと、このロー
ルのフレームの変位を測定する非接触式の距離センサー
と、鋳片上面の測定箇所を気体ブローする装置と、鋳片
上面の変位測定値からロール上面の変位測定値およびフ
レームの変位測定値を差し引いて真のロール間バルジン
グ量を求める演算処理装置(パソコンなど)を備えてい
ることを特徴とする(請求項4)。
【0016】本発明のバルジング判定装置は、連続鋳造
設備における鋳片のロール間バルジングを判定する装置
であり、ロール間の鋳片上面の変位を測定する非接触式
の距離センサーと、この鋳片上面に近接するロール上面
の変位を測定する非接触式の距離センサーと、このロー
ルのフレームの変位を測定する非接触式の距離センサー
と、鋳片上面の測定箇所を気体ブローする装置と、鋳片
上面の変位測定値からロール上面の変位測定値およびフ
レームの変位測定値を差し引いて真のロール間バルジン
グ量を求め、このロール間バルジング量が、予め求めて
おいたロール間バルジング量と鋳片幅、鋳造速度または
鋳片炭素量との関係を表す関係式によりそれぞれ算出さ
れる判定基準のいずれか一つを超えると、危険バルジン
グと判定する演算処理装置(パソコンなど)を備えてい
ることを特徴とする(請求項5)。
【0017】本発明のバルジング防止装置は、連続鋳造
設備における鋳片のロール間バルジングを防止する装置
であり、ロール間の鋳片上面の変位を測定する非接触式
の距離センサーと、この鋳片上面に近接するロール上面
の変位を測定する非接触式の距離センサーと、このロー
ルのフレームの変位を測定する非接触式の距離センサー
と、鋳片上面の測定箇所を気体によりブローする装置
と、鋳片上面の変位測定値からロール上面の変位測定値
およびフレームの変位測定値を差し引いて真のロール間
バルジング量を求め、このロール間バルジング量が、予
め求めておいたロール間バルジング量と鋳片幅、鋳造速
度または鋳片炭素量との関係を表す関係式によりそれぞ
れ算出される判定基準のいずれか一つを超えると、危険
バルジングと判定し、鋳造条件を変更してバルジング量
を抑制する演算処理装置(パソコンなど)を備えている
ことを特徴とする(請求項6)。
【0018】(1) 本発明の装置の構成機器・機能 本発明装置の構成機器と機能は、図1、表1に示すよう
に、主として、非接触式の高分解能センサー1と、セン
サー架台2と、アンプボックス3と、パソコン4と、バ
ルジング判定プログラム5と、比水量制御6から構成さ
れている。
【0019】
【表1】
【0020】高分解能センサー1は、例えばレーザー式
として、鋳片上面を検出するセンサーの場合には、最大
バルジングが発生すると予想される位置(通常は鋳片幅
方向中央)にセンサー架台2を介して固定し、センサー
ヘッド部分からレーザーを照射して鋳片上面に対して垂
直に測定する。レーザーの場合、照射されたレーザーは
鋳片に衝突し、拡散反射光となり、特定波長バンドのみ
透過できるフィルタを通過した後、受光レンズによりフ
ォトダイオードに焦点し、フォトダイオードから受光回
路へと送信される。発信回路の情報と受光回路の位相差
を比較し、AD変換を行い電流・電圧出力する。この出
力波形をアンプで増幅し、最短周波数5Hz(200msec)〜
1KHz(1sec) 程度の連続した周期で、距離を測定し、
後に詳述するように、検出した波形をパソコン内で演算
し、表示し、バルジング判定となった場合は、警報・画
面表示し、鋳造速度低減または比水量増加を行う。
【0021】従来センサーとの比較を表2に示す。方式
は、レーザー式が最も有効であり、先に列挙した従来方
式のセンサーでの問題をすべて解決することができる。
特に、赤色レーザーを用いる場合、波長が長いのでセン
サーヘッド部分をコンパクトにすることができる。ま
た、鋳片表面に発光体であり、800 〜1000°Cとなるた
め、770nm 程度の波長となる。通常、赤色レーザー変位
計を用いる場合、レーザー波長は550 〜700nm となり、
干渉波が想定されるが、自発光以外の波長バンドを透過
させないフィルターを有するセンサーが市販されている
ので、これを用いた。
【0022】
【表2】
【0023】(2) ロール間バルジングの検出 鋳片の微小なロール間バルジングを検出するためには、
構成する機械部品の変位を相殺した値に換算する必要が
ある。そこで、本発明では、ロールおよびフレームの変
位・撓みを同時に測定し、ロール間バルジング量を変位
(変形)したロール下面からの相対変位に換算する演算
プログラムを作成し、次の(1)式を用いて真のロール
間バルジング量δ* を求める。
【0024】
【数1】
【0025】ここで、鋳片上面の変位をロールの下面か
らの相対変位で検出する方法には、次の2つの方法が考
えられる。フレームが静鉄圧を受けて変位しない箇所
に設置した鋳片変位測定用センサーのみを用いて、鋳片
上面変位を測定し、その変位の振幅中心をバルジング量
と仮定する方法。本発明のように、鋳片上面変位測定
用センサー、ロール上面変位測定用センサー、フレーム
変位測定用センサーの3つのセンサーを用いて、同時に
3つの変位を測定し、鋳片上面変位から他の2つの値を
減算して真のロール間バルジングに換算する演算式によ
る方法。
【0026】の方法では、フレーム、ロール、ベアリ
ングの撓み・変形・隙間が明確に判定できないため(機
械ガタを含めた変位を検出しているため)、ロール間バ
ルジング量を正確に検出することができない。これに対
して、の本発明の方法では、図2に示すように、フレ
ーム、ロール、ベアリングの変位を検出して鋳片上面変
位を補正するため、実際のロール下面からのロール間バ
ルジング量を測定することができ、微小なロール間バル
ジング量を正確に測定することができる。
【0027】(3) 過剰バルジング判定・監視基準 ロール間バルジング量と、鋳造速度Vc 、鋳片幅Wまた
は鋼種(鋳片炭素量C)との関係を表す関係式から判定
基準となる相関線図を予め求めておき、各相関線図を超
えるロール間バルジング量を検出すると、画面表示と警
報にてオペレータに知らせ、ロール間バルジングを低減
させる鋳造速度の低減等の比水量増加につながる処置を
促す。なお、鋳造速度Vc 、鋳片幅W、鋳片炭素量Cの
各判定基準から鋳造速度等の自動調整も可能であること
はいうまでもない。
【0028】次に、判定基準の例について述べる。判定
方法の背景の一つには、材料力学で凝固短辺の両側と拘
束するロールによる4辺拘束の平板に等分布荷重が働い
ている状態における最大撓みの算出式がある。この最大
撓みDmax の一般式を次式に示す。
【0029】
【数2】
【0030】この(2)式は、拘束長Lと鋳片凝固殻厚
tが撓みD(ロール間バルジング)の支配因子であるこ
とを示す。また、一般には、L、Pは設備要因で決定さ
れる不変的要素である。従って、これら要素(L、P)
を決定すれば、(E×t3 )の板厚項とWによって整理
でき、最大撓み算出式を比較的簡単に計算し、まとめる
ことができるようになる。
【0031】一方、一般的に、ロール間バルジング量の
支配因子は、その時点でのスラブ凝固殻厚であり、凝固
殻はスプレー水による凝固係数k、機長Lm 、鋳造速度
Vcによって決定される。スラブ凝固殻厚tは、次式で
表される。各要素のうち、機長Lm 、スプレー水による
凝固係数kは設備要因であり、規定値であることが多
い。
【0032】
【数3】
【0033】そこで、鋳片凝固殻厚tでバルジング量を
評価するために、W/Vc 2 でバルジング量を整理し
た。図3(a) はW/Vc 2 でバルジング量を整理した結
果であり、図3(b) は炭素量でバルジング量を整理した
結果である。なお、これはロールピッチが 500mmの場合
である。この図の直線近似から次式の判定基準式が得ら
れる。
【0034】
【数4】
【0035】つまり、各要素、根拠によって整理された
換算波形結果の上限値こそ、通常発生するロール間の許
容バルジング量の上限であり、本発明の警報設定値であ
る。
【0036】以上のような装置・基準を用いて演算処理
を行い、前述のように正確に測定されたロール間バルジ
ング量の内一つでも警報値(過剰変位)を超える場合、
過剰変位(過剰バルジング)であると判定する。
【0037】図4に示すのは、実際のセンサー出力波形
であり、連続した測定を行う場合、非常に判断が困難で
あるが、本発明では、判定基準を有するため、不要な要
素を含む複雑な連続曲線が2つの判定基準を超えている
か、超えている数値が瞬間的なものなのか、継続するも
のなのか、容易に判定することができる。従来の方法で
は、図5に示す波形のように検知することができても、
判定しやすい数値には換算できなかったので、バルジン
グ判定、変位の特定(他の変位との差別化)、定量化が
困難であった。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する一実施例
に基づいて詳細に説明する。これは、スラブの連続鋳造
のピンチロール帯に適用した例である。図6は、本発明
のピンチロール帯におけるロール間バルジングの検出の
例を示す。図7は、本発明で用いる鋳片上面変位測定用
のセンサー架台を示す。図8は、本発明の操作手順の一
例を示すフローチャートである。
【0039】図6において、連続鋳造設備の下流側に
は、ピンチロール帯10が形成され、このピンチロール
帯10を出た鋳片Sはトーチ下テーブル12上において
トーチ台車11により走行切断され、所定の長さの鋳片
となる。ピンチロール帯10は、多数のセグメント13
から構成され、各セグメント13は、上ロール14を備
えた上部フレーム15と、下ロール16を備えた下部フ
レーム17からなる。なお、上部フレーム15は定置の
下部フレーム17に対してガイドポストにより上下移動
可能に支持され、クランプシリンダ等により固定され
る。
【0040】このようなピンチロール帯10において、
任意のセグメント13に、非接触式高分解能距離センサ
ーとしてのレーザーセンサー1を配設する。このレーザ
ーセンサー1には、赤色半導体レーザー(波長 500〜80
0nm 、出力クラス3B程度)を用い、鋳片上面変位測定
用のセンサー1aと、ロール上面変位測定用のセンサー
1bと、フレーム変位測定用のセンサー1cの3つを利
用して真のロール間バルジング量δ* を測定する。
【0041】鋳片上面変位測定用のセンサー1aは、図
6(b) 、(c) に示すように、隣接するセグメントのロー
ル間の中央部および鋳片幅方向中央部における鋳片上面
を測定できるように、センサー架台2を介して上部フレ
ーム15の上に取付ける。このセンサー架台2は、上部
フレーム15が静鉄圧力によってフレーム変位を生じな
い箇所、例えば上部フレーム15と下部フレーム17と
を連結固定する部分、即ち上部フレーム15の鋳造方向
および鋳片幅方向の端部に設置する。
【0042】また、このセンサー架台2は、図7に示す
ように、セグメント13の上に固定された垂直架台(既
設)18と、この架台18にボルト・ナットにより着脱
自在に固定される水平架台19と、ガイド20に案内さ
れスクリューロッド21により水平移動するスライダー
22と、このスライダー22にセンサー1aを片持ち式
に取付ける支持部材23からなり、センサーヘッドの位
置を移動調整可能、センサーを移設可能としている。
【0043】また、鋳片表面に付着する酸化スケール・
スプレー冷却水による誤検出を防止するために、図6
(b) 、(c) に示すように、気体ブローノズル24を設置
してN2 等の気体を鋳片上面測定位置に吹き付けてい
る。この気体ブローノズル24は、鋳片上面変位測定用
のセンサー1aと同様に、隣接するセグメントのロール
間の中央部に配置するが、鋳片幅方向については、鋳片
幅方向中央部より片側へずらし、先端部を折曲して中央
部に指向させることにより、センサー1aの測定に支障
が生じないようにしている。
【0044】ロール上面変位測定用のセンサー1bは、
鋳片上面の測定位置に近接する上ロール14の上面の変
位を測定できるように、上部フレーム15に設置され
る。フレーム変位測定用のセンサー1cは、測定対象の
上ロール14が取付けられている上部フレーム15の変
位を測定できるように、セグメント13とは独立した適
宜の箇所に固定されている。
【0045】鋳片上面変位測定用のセンサー1aの事前
準備は、図8(a) に示すような手順で行う。センサー架
台2を設置しセンサー1aのセンサーヘッドの位置調整
が終了すると、図2(a) に示すように、T形治具25を
用いてセンサー1aの0点調整を行う。各レーザーセン
サー1a、1b、1cの測定信号は、図1(b) に示すよ
うに、アンプボックス3を介してパソコン4に入力され
る。
【0046】パソコン4(PCカード用スロット付き)
においては、前述の(1)式の演算を行って、図2に示
す実際の上ロール14の下面からの真のロール間バルジ
ング量δ* を得る。また、パソコン4には、予め求めら
れた(4)式、(5)式による判定基準が登録されてお
り、測定結果の前記ロール間バルジング量δ* が前記判
定基準を超えると、過剰バルジングと判定して警報と画
面表示でオペレータに知らせる。ロール間バルジング量
δ* が判定基準を超えない場合には、現状を維持し、判
定基準を超えた場合には、鋳造速度の低減、スプレー冷
却水量の増加など、比水量を増加させる処置をオペレー
タによりまたは自動で行う(図1(b) 参照)。図8(b)
に測定時の手順を示す。
【0047】また、以上の実施例とロールピッチが異な
る場合には、前述した材料力学式(2)式の係数A(W
/Lから求まる係数)およびロールピッチL4 で各式を
換算して用いることができる。
【0048】また、判定基準は前述した(4)式のバル
ジング量と(鋳片幅/鋳造速度の2乗)の関係式に限ら
ず、ロール間バルジング量と鋳造速度Vc の関係式、ロ
ール間バルジング量と鋳片幅Wの関係式などを用いるこ
ともできる。
【0049】なお、以上はピンチロール帯におけるバル
ジングの検出、判定、防止について説明したが、これに
限らず、上流側のガイドロール群におけるバルジングの
検出、判定、防止にも、本発明を適用することができ
る。
【0050】
【発明の効果】本発明は、前述のような構成としたた
め、次のような効果を奏する。
【0051】(1) レーザー式などの非接触式高分解能セ
ンサーを用いて、鋳片上面変位、ロール上面変位、フレ
ーム変位を測定し、鋳片上面変位からロール上面変位お
よびフレーム変位を差し引いてロール間バルジングを求
めるようにしたため、ロール曲り・撓み、ベアリングギ
ャップ、フレームの油圧変位・メカギャップなどの機械
ガタを相殺することができ、ロール間の微小なバルジン
グを正確に検出することが可能となる。
【0052】(2) 測定された正確なロール間バルジング
量と、予め求めておいたバルジング量と鋳片幅、鋳造速
度、鋳片炭素量との関係式による判定基準とを比較し
て、危険バルジングか否かを判定するため、危険なバル
ジングを早期に容易に正確に検出することができる。
【0053】(3) 危険なバルジングを早期に検出し、鋳
造条件を変更してバルジング量を抑制することにより、
ピンチロール帯以降の設備の破損等を未然に防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明のバルジング検出方法を示す設備
の概略側面図、(b) は本発明のバルジング判定監視方法
を実施するためのブロック図である。
【図2】本発明のバルジング検出方法による検出状態を
示す(a) は側面図、(b) は横断面図である。
【図3】本発明のバルジング判定監視方法の判定基準例
を示すグラフである。
【図4】本発明によるセンサー出力波形と判定基準を示
すグラフである。
【図5】従来の変位の波形を示すグラフである。
【図6】本発明における一実施例であり、(a) は連続鋳
造設備のピンチロール帯の側面図、(b) 、(c) はそのピ
ンチロールのセグメント部分の側面図、横断面図であ
る。
【図7】本発明で用いるセンサー架台を示す(a) は平面
図、(b) は正面図、(c) は断面図である。
【図8】本発明の操作フローチャートであり、(a) は事
前準備、(b) は測定時の手順を示す。
【符号の説明】
S…鋳片(スラブ) 1…非接触式高分解能センサー(レーザーセンサー) 1a…鋳片上面変位測定用センサー 1b…ロール上面変位測定用センサー 1c…フレーム変位測定用センサー 2…センサー架台 3…アンプボックス 4…パソコン 10…ピンチロール帯 11…トーチ台車 12…トーチ下テーブル 13…セグメント 14…上ロール 15…上部フレーム 16…下ロール 17…下部フレーム 18…垂直架台 19…水平架台 20…ガイド 21…スクリューロッド 22…スライダー 23…支持部材 24…気体ブローノズル 25…T形治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成毛 幸雄 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者 皆藤 正光 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造設備における鋳片のロール間バ
    ルジングを検出する方法であり、非接触式の距離センサ
    ーにより、ロール間の鋳片上面の変位と、この鋳片上面
    に近接するロール上面の変位と、このロールのフレーム
    の変位を測定し、鋳片上面の変位測定値からロール上面
    の変位測定値およびフレームの変位測定値を差し引いて
    真のロール間バルジング量を求めることを特徴とする連
    続鋳造鋳片のバルジング検出方法。
  2. 【請求項2】 連続鋳造設備における鋳片のロール間バ
    ルジングを判定する方法であり、非接触式の距離センサ
    ーにより、ロール間の鋳片上面の変位と、この鋳片上面
    に近接するロール上面の変位と、このロールのフレーム
    の変位を測定し、鋳片上面の変位測定値からロール上面
    の変位測定値およびフレームの変位測定値を差し引いて
    真のロール間バルジング量を求め、このロール間バルジ
    ング量が、予め求めておいたロール間バルジング量と鋳
    片幅、鋳造速度または鋳片炭素量との関係を表す関係式
    によりそれぞれ算出される判定基準のいずれか一つを超
    えると、危険バルジングと判定することを特徴とする連
    続鋳造鋳片のバルジング判定方法。
  3. 【請求項3】 連続鋳造設備における鋳片のロール間バ
    ルジングを防止する方法であり、非接触式の距離センサ
    ーにより、ロール間の鋳片上面の変位と、この鋳片上面
    に近接するロール上面の変位と、このロールのフレーム
    の変位を測定し、鋳片上面の変位測定値からロール上面
    の変位測定値およびフレームの変位測定値を差し引いて
    真のロール間バルジング量を求め、このロール間バルジ
    ング量が、予め求めておいたロール間バルジング量と鋳
    片幅、鋳造速度または鋳片炭素量との関係を表す関係式
    によりそれぞれ算出される判定基準のいずれか一つを超
    えると、危険バルジングと判定し、鋳造条件を変更して
    バルジク量を抑制することを特徴とする連続鋳造鋳片の
    バルジング防止方法。
  4. 【請求項4】 連続鋳造設備における鋳片のロール間バ
    ルジングを検出する装置であり、ロール間の鋳片上面の
    変位を測定する非接触式の距離センサーと、この鋳片上
    面に近接するロール上面の変位を測定する非接触式の距
    離センサーと、このロールのフレームの変位を測定する
    非接触式の距離センサーと、鋳片上面の測定箇所を気体
    によりブローする装置と、鋳片上面の変位測定値からロ
    ール上面の変位測定値およびフレームの変位測定値を差
    し引いて真のロール間バルジング量を求める演算処理装
    置を備えていることを特徴とする連続鋳造鋳片のバルジ
    ング検出装置。
  5. 【請求項5】 連続鋳造設備における鋳片のロール間バ
    ルジングを判定する装置であり、ロール間の鋳片上面の
    変位を測定する非接触式の距離センサーと、この鋳片上
    面に近接するロール上面の変位を測定する非接触式の距
    離センサーと、このロールのフレームの変位を測定する
    非接触式の距離センサーと、鋳片上面の測定箇所を気体
    ブローする装置と、鋳片上面の変位測定値からロール上
    面の変位測定値およびフレームの変位測定値を差し引い
    て真のロール間バルジング量を求め、このロール間バル
    ジング量が、予め求めておいたロール間バルジング量と
    鋳片幅、鋳造速度または鋳片炭素量との関係を表す関係
    式によりそれぞれ算出される判定基準のいずれか一つを
    超えると、危険バルジングと判定する演算処理装置を備
    えていることを特徴とする連続鋳造鋳片のバルジング判
    定装置。
  6. 【請求項6】 連続鋳造設備における鋳片のロール間バ
    ルジングを防止する装置であり、ロール間の鋳片上面の
    変位を測定する非接触式の距離センサーと、この鋳片上
    面に近接するロール上面の変位を測定する非接触式の距
    離センサーと、このロールのフレームの変位を測定する
    非接触式の距離センサーと、鋳片上面の測定箇所を気体
    ブローする装置と、鋳片上面の変位測定値からロール上
    面の変位測定値およびフレームの変位測定値を差し引い
    て真のロール間バルジング量を求め、このロール間バル
    ジング量が、予め求めておいたロール間バルジング量と
    鋳片幅、鋳造速度または鋳片炭素量との関係を表す関係
    式によりそれぞれ算出される判定基準のいずれか一つを
    超えると、危険バルジングと判定し、鋳造条件を変更し
    てバルジング量を抑制する演算処理装置を備えているこ
    とを特徴とする連続鋳造鋳片のバルジング防止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011230139A (ja) * 2010-04-26 2011-11-17 Nippon Steel Corp 連続鋳造時のバルジング計測方法、および該計測方法から得られたデータを用いたバルジング評価方法、および該評価方法により決定されたバルジング形状に基づく連続鋳造操業条件制御方法。
KR101482339B1 (ko) * 2012-12-24 2015-01-13 주식회사 포스코 연속주조용 벌징 시험장치
CN111715860A (zh) * 2019-03-20 2020-09-29 宝山钢铁股份有限公司 一种在线测量高温板坯宽度尺寸的方法
CN114850429A (zh) * 2022-05-11 2022-08-05 重庆钢铁股份有限公司 一种用于方坯连铸中铸坯热复尺的方法

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