JPH115767A - ジアリールカーボネートの精製方法 - Google Patents

ジアリールカーボネートの精製方法

Info

Publication number
JPH115767A
JPH115767A JP9158815A JP15881597A JPH115767A JP H115767 A JPH115767 A JP H115767A JP 9158815 A JP9158815 A JP 9158815A JP 15881597 A JP15881597 A JP 15881597A JP H115767 A JPH115767 A JP H115767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic phase
diaryl carbonate
separated
hot water
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9158815A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Suguro
芳雄 勝呂
Hidetaka Tsuchisada
秀隆 土定
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP9158815A priority Critical patent/JPH115767A/ja
Publication of JPH115767A publication Critical patent/JPH115767A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Extraction Or Liquid Replacement (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融エステル交換法による芳香族ポリカーボ
ネート製造時の重合触媒被毒物質である加水分解性塩素
を含まないジアリールカーボネートの製造において、精
製工程における排水負荷を低減する方法を提供する。 【解決手段】 芳香族モノヒドロキシ化合物と、ホスゲ
ンまたはアリールクロロフォーメートとを反応させて得
たジアリールカーボネートを含有する反応混合物を、ア
ルカリ水溶液と接触させて中和した後、有機相と水相に
分離し、該有機相を温水と接触させ、再び水相と有機相
に分離し、有機相よりジアリールカーボネートを回収す
る精製方法において、温水との接触後に分離した水相を
アルカリ水溶液の調製に再利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度に精製され
たジアリールカーボネートを製造する際の、排水負荷を
低減する方法に関するものである。本発明で得られたジ
アリールカーボネートは、溶融エステル交換法による芳
香族ポリカーボネートを製造する原料として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】ジアリールカーボネートの製造方法とし
ては、種々の製造法が知られている。例えば、アルカリ
水溶液中での芳香族モノヒドロキシ化合物の相界面ホス
ゲン化法(Schotten−Baumann反応)が
知られている。この場合、アルカリ水溶液によりホスゲ
ンの部分ケン化が起こると共に、副生成物として大量の
塩化ナトリウムを生じるので、ホスゲンの有効利用率の
低下、アルカリ使用による原料コストの増加、排水処理
等の問題を生じる。
【0003】また、米国特許第2,837,555号明
細書には、触媒としてハロゲン化テトラメチルアンモニ
ウムの存在下に無溶媒縮合を行うことが提案されてい
る。しかしながら、この方法では経済的な反応速度を得
るためには、比較的多量の触媒を必要とし、且つ180
〜215℃という高い温度を用いることが必要であり、
そのために熱的に不安定なハロゲン化テトラメチルアン
モニウムの分解の恐れを伴う。加うるに、化学量論的に
必要とされる量よりもずっと高い割合でホスゲンが消費
される。
【0004】かかる問題を解決する手段として、芳香族
モノヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応を、触媒量の
芳香族複素環式塩基性窒素化合物またはその塩の存在に
おいて行ってジアリールカーボネートを製造する方法が
提案されている(特公昭58−50977号公報参
照)。反応混合物中に含有される触媒を分離する方法と
して該公報には、反応混合物蒸留時の釜残物質として易
融解性付加物として単離する方法と、反応溶融物の底に
沈降した第2の液相から触媒を単離する方法が記載され
ている。
【0005】しかし、前者の蒸留釜残として易融解性付
加物の状態で分離できる触媒は、塩酸付加物の熱安定性
や沸点の上から限られており、後者の反応溶融物からの
液液分離の場合には、ジアリールカーボネート中へかな
りの触媒の塩が溶解し、これを原料としてビスフェノー
ルAとエステル交換法により製造された芳香族ポリカー
ボネートは色相が悪かったり、金型を腐食する。
【0006】芳香族モノヒドロキシ化合物と、ホスゲン
またはアリールクロロフォーメートとを反応させた場
合、ジアリールカーボネートの他に塩酸が副生する。ア
ルカリ水溶液中での反応例等を除いて、この塩酸の一部
が、反応混合物への溶解、塩基性触媒との付加物の形成
等により、反応混合物中に残存する。塩酸等の加水分解
性塩素を有する化合物は、ジアリールカーボネートから
溶融エステル交換法により芳香族ポリカーボネートを製
造する際の重合触媒に被毒作用を示す物質として知られ
ており、ジアリールカーボネート中の含有量を数十pp
b以下とすることが望ましい。
【0007】塩酸や塩基性触媒の塩酸付加物として反応
混合物に残存した塩酸を、重合触媒に影響が無いレベル
まで除去する方法として、反応混合物をアルカリにより
中和すると共に、中和工程で極微量に残存した塩酸や中
和により生成した塩を完全に除去することが考えられ
る。そこで、反応混合物をアルカリ水溶液と接触させて
中和した後、有機相と水相に分離し、該有機相を温水と
接触させ、再び水相と有機相に分離し、有機相よりジア
リールカーボネートを回収するプロセスを我々は検討し
た。
【0008】この方法では、中和後に分離した水相と温
水との接触後に分離した水相が、排水として系外へ排出
される。これらの排水中には、水溶性の芳香族ヒドロキ
シ化合物、水溶性の触媒等が溶解しており、工業的レベ
ルで生産を行う場合には、溶解ロスによる原料コスト増
のみならず、排水処理に伴うコスト増が問題となる。特
に芳香族ヒドロキシ化合物は、通常の排水処理法である
活性汚泥処理を行う際に活性汚泥への負荷が大きく、極
力、低減することが重要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、芳香族モノ
ヒドロキシ化合物と、ホスゲンまたはアリールクロロフ
ォーメートとを反応させて得たジアリールカーボネート
の精製方法において、反応で副生した塩酸、反応中間体
であるアリールクロロフォーメート、塩基性触媒の塩酸
付加物等の、溶融エステル交換法による芳香族ポリカー
ボネートの製造において重合触媒に被毒作用を示す物質
を含まないジアリールカーボネートを、精製工程におけ
る排水負荷を低減しながら製造する方法の提供を目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族モノヒ
ドロキシ化合物と、ホスゲンまたはアリールクロロフォ
ーメートとを反応させて得たジアリールカーボネートを
含有する反応混合物を、アルカリ水溶液と接触させて中
和した後、有機相と水相に分離し、分離した有機相を温
水と接触させ、再び水相と有機相に分離し、有機相より
ジアリールカーボネートを回収するジアリールカーボネ
ートの精製方法において、温水との接触後に分離した水
相をアルカリ水溶液の調製に再利用することを特徴とす
るジアリールカーボネートの精製方法を提供するもので
ある。
【0011】元々、反応混合物中に含まれている芳香族
ヒドロキシ化合物や触媒を含有する温水処理後の水相か
ら調製しても、何ら問題となることはない。この方法に
より、系外へ排出される排水は、中和後に分離された水
相のみとなり、溶解ロス削減の他に、排水処理負荷を低
減することが可能となった。
【0012】
【作用】芳香族モノヒドロキシ化合物と、ホスゲンまた
はアリールクロロフォーメートとを反応させて得たジア
リールカーボネートを含有する反応混合物を、アルカリ
水溶液と接触させて中和した後、有機相と水相に分離
し、該有機相を温水と接触させ、再び水相と有機相に分
離し、有機相よりジアリールカーボネートを回収する精
製方法において、温水との接触後に分離した水相をアル
カリ水溶液の調製に再利用することにより、反応で副生
した塩酸、反応中間体であるアリールクロロフォーメー
ト、塩基性触媒の塩酸付加物等の、溶融エステル交換法
による芳香族ポリカーボネート製造において重合触媒に
被毒作用を示す物質を含まないジアリールカーボネート
を、精製工程における排水負荷を低減しながら精製する
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】芳香族モノヒドロキシ化合物: 芳香族モノヒドロキシ化
合物としては、芳香環に直接ヒドロキシ基が結合してい
るものであり、フェノール、クレゾールやブチルフェノ
ール等のアルキルフェノール類、アリールフェノール
類、ハロゲン化フェノール類及びヘテロ原子を介してア
ルキルまたはアリール基の結合したフェノール類が使用
できる。
【0014】アリールクロロフォーメート:アリールク
ロロフォーメートとしては、前記芳香族モノヒドロキシ
化合物のクロロフォーメートが使用できる。
【0015】ホスゲン:ホスゲンとしては、塩化メチレ
ンや四塩化炭素等の不純物を含有しない純粋のものが好
ましい。芳香族モノヒドロキシ化合物 1.0モルに対
し、ホスゲンは、1.0モル以下、好ましくは0.4〜
0.5モル使用される。
【0016】芳香族複素環式含窒素塩基性化合物または
その塩:触媒として芳香族複素環式含窒素塩基性化合物
を使用する場合、芳香族複素環式含窒素塩基性化合物と
しては、窒素原子が芳香族の5員環または6員環中に存
在しており、かつ、反応条件下にホスゲンまたは炭酸エ
ステルと強固な結合を生じやすい官能基(例えば、アミ
ノ基またはヒドロキシ基)を有していない塩基性窒素化
合物であり、環には、窒素原子の他に酸素、硫黄等の他
のヘテロ原子を有していても良い。かかる触媒の具体例
としては、ピリジン、キノリン、ピコリン、イミダゾー
ル類、ベンズイミダゾール類、ピラゾール類、トリアゾ
ール類及びベンゾトリアゾール類である。
【0017】芳香族複素環式含窒素塩基性化合物触媒
は、反応混合物中で直ちに相当する塩酸塩に変化する。
この塩酸塩は遊離型の塩基性触媒と解離平衡の状態にあ
るため、遊離型の塩基性触媒の代わりに、塩基性触媒の
塩、例えば、塩酸塩や硫酸塩等の無機酸塩、蟻酸塩や酢
酸塩等の有機酸塩を使用することができる。これらの触
媒は、芳香族モノヒドロキシ化合物1.0モルに対し
て、0.001〜0.20モルの量で使用することが好
ましく、0.01〜0.10モルの使用がさらに好まし
い。
【0018】アルカリ:アルカリとしては、ナトリウ
ム、カリウム、カルシウム及びバリウムの水酸化物、炭
酸及びリン酸のナトリウム塩及びアンモニウム塩が使用
できる。
【0019】反応:本発明の高純度のジアリールカーボ
ネートを得る一例を、触媒として芳香族複素環式含窒素
塩基性化合物を使用する場合を例にとり、図1を用いて
説明する。芳香族モノヒドロキシ化合物(1)と芳香族
複素環式含窒素塩基性化合物またはその塩(2)の混合
物を反応器(4)内に充填し、これを120〜190℃
に昇温し、溶融させ、充分な攪拌を行いながら同温度で
ガス状のホスゲン(3)を混合物中に導入することによ
り反応を行う。
【0020】ホスゲン導入量としては、芳香族モノヒド
ロキシ化合物1.0モルに対して1.0モル以下が好ま
しく、0.4〜0.5モルがさらに好ましい。化学量論
量は0.5モルであるが、ホスゲンの導入量を化学量論
量以下に抑制することにより、未反応の芳香族モノヒド
ロキシ化合物が必然的に残存し、反応中間体であるアリ
ールクロロフォーメートと芳香族モノヒドロキシ化合物
のジアリールカーボネート生成反応が促進されて、工業
用グレードの着色のないポリカーボネート製造時に悪影
響を及ぼすアリールクロロフォーメートをほとんど含ま
ない反応混合物を得ることができる。その際、必要によ
り、ホスゲン導入後に窒素ガス(5)を反応混合物中に
吹き込んで、反応によって生成した塩酸(6)を系外へ
除去することにより、アリールクロロフォーメートと芳
香族モノヒドロキシ化合物の平衡反応をさらに促進する
ことができる。
【0021】反応終了後の混合物中には、ジアリールカ
ーボネート、未反応芳香族モノヒドロキシ化合物、微量
不純物及び触媒である芳香族複素環式含窒素塩基性化合
物の塩酸塩が含まれており、塩素の含有量は、触媒の使
用量に応じて約300〜60,000ppmとなる。塩
素の除去は、反応器(4)より取り出した反応混合物
(7)を、反応混合物の融点以上の温度でアルカリ水溶
液(8)と接触させて中和し、この中和液を分離槽
(9)で有機相と水相に分離し、有機相を抜き出して有
機相の融点以上の温度で温水(10)と接触させた後、
再び、これを分離槽(11)で有機相と水相に分離する
ことにより行う。
【0022】使用する温水の量は、通常有機相の重量に
対して0.01〜20倍、好ましくは0.2〜1倍であ
る。水の量が少なすぎるとその効果が十分でなく、多す
ぎると回収に手間がかかる。なお、中和工程及び温水処
理工程の攪拌と分離を適切に行えば、温水処理は1回で
充分であるが、攪拌や分離が不充分で、ジアリールカー
ボネート中の加水分解性塩素の濃度が高い場合には、温
水との接触及び水相と有機相の分離からなる工程を、複
数回行うことにより、同様の効果が得られる。その際、
2回目以降の温水との接触後に分離した水相を、前工程
で使用するアルカリ水溶液または温水として再利用する
ことができる。
【0023】具体的には、温水処理工程を2回行う場
合、2回目の温水処理に未使用の温水を供給し、その温
水が有機相との接触後に分離された水相を1回目の温水
処理に供給する。次に、その温水が有機相との接触後に
分離された水相をアルカリ水溶液の調製に再利用する、
カウンターフロー方式が最適である。また、中和工程及
び温水処理工程の温度は、反応液の融点以上の温度で行
えるが、中和反応の促進と生成した塩の水相への抽出効
果を考慮すると、50〜100℃の範囲で行うことが望
ましい。
【0024】なお、ホスゲンとの反応の触媒として塩基
性触媒を使用した場合、触媒が熱的に不安定な塩酸付加
物を形成するために、触媒の回収及び再利用が困難とな
るが、触媒の塩酸付加物を含むジアリールカーボネート
の反応混合物を、アルカリ水溶液で中和してから有機相
と水相に分離し、該有機相を蒸留することにより安定な
遊離型となった塩基性触媒をほぼ定量的に回収すること
ができる。
【0025】分離槽(11)で分離された水相は、アル
カリ水溶液(8)の調製に再利用される。塩基性触媒を
容易に効率良く回収するために、水相と分離した有機相
を蒸留塔に導き、そこで蒸留によって、遊離型の塩基性
触媒(12)及び未反応芳香族モノヒドロキシ化合物
(13)とジアリールカーボネート(14)に分離す
る。
【0026】蒸留温度は、遊離型の塩基性触媒がピリジ
ンの場合は20〜40torrで50〜80℃、未反応
の芳香族モノヒドロキシ化合物がフェノール等の場合は
20〜40torrで50〜100℃、ジアリールカー
ボネートがジフェニルカーボネート等の場合5〜10t
orrで140〜160℃である。本発明のジアリール
カーボネートの製造は、連続式でも、バッチ式(回分
式)でもよい。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明する。 実施例1 オイル循環方式の外部加熱装置に接続されたジャケット
付きガラス製反応容器(内容積が1リットル、実液70
0mlの位置にオーバーフロー管を設置)を3個連続で
接続した。第2と3の反応容器には、生成した塩酸ガス
を系外へ除くためのコンデンサー付き排気管を接続し
た。
【0028】あらかじめピリジンを5モル%添加して攪
拌しておいた溶融フェノールを、約700ml/hr
(フェノール716g/hr、ピリジン30g/hrに
相当)で第1反応容器へ連続供給しながら、150℃へ
昇温した。充分に攪拌を行いながら、供給されるフェノ
ールの0.48モル比のホスゲン(361g/hr)を
第1反応容器へ連続供給した。
【0029】第1反応容器から流出した反応混合物は、
オーバーフロー管を介して第2反応器へ供給し、第2反
応器から流出した反応混合物は同様に第3反応器へ供給
した。第3反応器から流出した反応混合物は、ポリプロ
ピレン製の受器に抜き出した。第3反応器には、窒素ガ
スの吹き込み管を設置し、反応混合物中へ70Nリット
ル/hrの窒素ガスを連続供給した。
【0030】組成が充分に安定した後に抜き出した反応
混合物(組成:ジフェニルカーボネート89重量%、フ
ェノール6重量%、ピリジン塩酸塩5重量%、フェニル
クロロフォーメート未検出)1kgを、オイル循環方式
の外部加熱装置に接続されたジャケット付きガラス製反
応容器に入れ、85℃へ昇温した。あらかじめ、濃度が
25重量%の水酸化ナトリウム水溶液74gと、前回の
実験時に回収した温水処理後の水相300g(フェノー
ル1.2gとピリジン0.9gを含む)から調製し、8
5℃に加温しておいた濃度が5重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液374gを添加して5分間攪拌後、30分間静
置してから水相と有機相を別々に抜き出した。水酸化ナ
トリウム水溶液添加後のpHは9.0であった。
【0031】抜き出した有機相を、再度、オイル循環方
式の外部加熱装置に接続されたジャケット付きガラス製
反応容器内に入れ、85℃へ昇温した。85℃に加温し
ておいた脱塩水300gを添加して5分間攪拌後、5分
間静置してから水相と有機相を別々に抜き出した。水相
には、フェノール1.2gとピリジン0.9gが含まれ
ており、COD値 10,000ppm、BOD値 1
2,000ppmであった。
【0032】このジフェニルカーボネート5gをトルエ
ン10mlに加え、60℃で溶解後、超純水(Clを含
有しないイオン交換水)10mlを加え、23℃の恒温
室でマグネチックスターラを用い1,000rpmで1
0分間攪拌した後、水相中の塩素をイオンクロマトグラ
フで分析したところ、26ppbであった。次に、スル
ザーパッキング(住友重機工業製)10個を充填した真
空蒸留塔にて、分離した有機相を蒸留精製した。詳細に
は、真空度20〜40torr、オイルバス温度約22
0℃、トップ温度50〜80℃で、遊離型のピリジンと
フェノールを留去した後、真空度10torr、オイル
バス温度約230℃、トップ温度150℃で、遊離型の
ピリジンとアリールクロロフォーメートを全く含まない
(0ppm)精製ジフェニルカーボネート750gを得
た。
【0033】
【発明の効果】本発明のジアリールカーボネートの精製
方法は、残存する重合触媒量の少ないジアリールカーボ
ネートを製造することができると共に、精製時の排水処
理負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のジアリールカーボネートの製造方法を
示すフローシート図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族モノヒドロキシ化合物と、ホスゲ
    ンまたはアリールクロロフォーメートとを反応させて得
    たジアリールカーボネートを含有する反応混合物を、ア
    ルカリ水溶液と接触させて中和した後、有機相と水相に
    分離し、分離した有機相を温水と接触させ、再び水相と
    有機相に分離し、有機相よりジアリールカーボネートを
    回収するジアリールカーボネートの精製方法において、
    温水との接触後に分離した水相をアルカリ水溶液の調製
    に再利用することを特徴とするジアリールカーボネート
    の精製方法。
  2. 【請求項2】 温水との接触及び水相と有機相の分離か
    らなる工程を複数回行い、2回目以降の温水との接触後
    に分離した水相を、前工程で使用するアルカリ水溶液ま
    たは温水として再利用することを特徴とする、請求項1
    記載のジアリールカーボネートの精製方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ水溶液及び温水との接触を、5
    0〜100℃の範囲で行うことを特徴とする、請求項1
    記載のジアリールカーボネートの精製方法。
  4. 【請求項4】 温水との接触後に分離された有機相よ
    り、蒸留によりジアリールカーボネートを回収すること
    を特徴とする請求項1記載のジアリールカーボネートの
    精製方法。
  5. 【請求項5】 芳香族モノヒドロキシ化合物と、ホスゲ
    ンまたはアリールクロロフォーメートとの反応を、芳香
    族複素環式含窒素塩基性化合物またはその塩の存在下に
    行うことを特徴とする、請求項1記載のジアリールカー
    ボネートの精製方法。
JP9158815A 1997-06-16 1997-06-16 ジアリールカーボネートの精製方法 Pending JPH115767A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9158815A JPH115767A (ja) 1997-06-16 1997-06-16 ジアリールカーボネートの精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9158815A JPH115767A (ja) 1997-06-16 1997-06-16 ジアリールカーボネートの精製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH115767A true JPH115767A (ja) 1999-01-12

Family

ID=15679975

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9158815A Pending JPH115767A (ja) 1997-06-16 1997-06-16 ジアリールカーボネートの精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH115767A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5850977B2 (ja) * 1974-10-04 1983-11-14 バイエル アクチエンゲゼルシヤフト タンサンジアリ−ルノセイゾウホウホウ
JPH02175722A (ja) * 1988-09-22 1990-07-09 Nippon G Ii Plast Kk ポリカーボネートの製造方法
JPH07316278A (ja) * 1994-05-30 1995-12-05 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 芳香族ポリカーボネートの製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5850977B2 (ja) * 1974-10-04 1983-11-14 バイエル アクチエンゲゼルシヤフト タンサンジアリ−ルノセイゾウホウホウ
JPH02175722A (ja) * 1988-09-22 1990-07-09 Nippon G Ii Plast Kk ポリカーボネートの製造方法
JPH07316278A (ja) * 1994-05-30 1995-12-05 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 芳香族ポリカーボネートの製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
緒方章, 化学実験操作法上巻, vol. 第27版, JPN4006001196, 20 November 1963 (1963-11-20), pages 221 - 235, ISSN: 0000734662 *

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0616584A (ja) ビスフェノール−aの製法
US6680400B2 (en) Continuous process for the production of carboxylic acid diaryl esters
EP0881248B1 (en) Continuous hydrolysis of organochlorosilanes
TW201141820A (en) Method for producing alkylene carbonate and/or alkylene glycol
JP4096375B2 (ja) ジアリールカーボネートの製造方法
JP4356120B2 (ja) 高純度ジアリールカーボネート及びその製造方法
JP4080117B2 (ja) ジアリールカーボネートの製造方法
JP3818744B2 (ja) ジアリールカーボネートの精製方法
JPH115767A (ja) ジアリールカーボネートの精製方法
JP4420477B2 (ja) 高純度ジアリールカーボネートおよびその製造方法
US5629457A (en) Dephenolizing process for production of high-quality polycarbonate grade bisphenol A
JP4073048B2 (ja) ジアリールカーボネートの製造方法
JPH11140029A (ja) ジアリールカーボネートの製造方法
JP5030930B2 (ja) 高純度ジアリールカーボネート及びその製造方法
JP3807817B2 (ja) ジフェニルカーボネートの精製方法
JP4004689B2 (ja) ジアリールカーボネートの製造方法
JP4752300B2 (ja) N−エチル−n−(2−メチルフェニル)−2−ブテナミドの製造方法
US4324665A (en) Process for recovering bromine from waste liquid
JPH09278714A (ja) 炭酸ジアリールの製造方法
JP3216242B2 (ja) ゲルマニウムの回収方法
JP2001131124A (ja) ジアリールカーボネートの製造方法
EP1072585B1 (en) Process for producing dimethylcyanamide
JP2003040854A (ja) クロロスルホニルイソシアナートの製造方法
JP4035286B2 (ja) イサチンビス(o−クレゾール)の製造方法
JP4016654B2 (ja) 炭酸ジアリールの製造方法及び芳香族ポリカーボネートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060317

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060317

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060317

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060516