JPH1155148A - 携帯無線装置 - Google Patents
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- JPH1155148A JPH1155148A JP10066662A JP6666298A JPH1155148A JP H1155148 A JPH1155148 A JP H1155148A JP 10066662 A JP10066662 A JP 10066662A JP 6666298 A JP6666298 A JP 6666298A JP H1155148 A JPH1155148 A JP H1155148A
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Abstract
を抑えた携帯無線装置を提供する。 【解決手段】誘電体基板101上に低周波回路部102
と高周波回路部103を設け、高周波回路部103にア
ンテナ104を接続すると共に、回路部102および1
03の電源として電池105を用いた携帯無線装置にお
いて、電池105の導電部108および基板101上の
グランド部109をそれぞれ金属膜により形成し、両者
を面接触で電気的に接続する。
Description
携帯電話機や携帯情報端末などの携帯無線装置に係り、
特に電池の存在による放射パターンの劣化がなく良好な
アンテナ放射特性が得られるように構成した携帯無線装
置に関する。
において、アンテナの放射特性を予測することは困難で
ある。これは、携帯無線装置の筐体や基板の金属部分を
流れる高周波電流による不要放射が無視できないことが
原因である。例えば、携帯電話機ではアンテナ、筐体、
電池および基板等の大きさによってアンテナの放射特性
が大きく変化する場合がある。
す。基板201の両面上に集積回路を主体として構成さ
れた低周波回路部202および高周波回路部203がそ
れぞれ搭載され、高周波回路部203に送受信のための
アンテナ204が接続されている。また、基板201の
面から数mm程度の距離の位置に、低周波回路部202
および高周波回路部203の電源となる電池205が配
置され、面状コネクタ206によって基板201上の電
源端子と接続されている。
アンテナ204の放射パターン(指向性パターンともい
う)を示す。これは図15の右側に示したように給電点
Pから見たアンテナ204の方向をz、基板201から
見た電池205の方向をyとしたとき、zy平面でのE
成分の電界のパターンである。上述したように基板2
01とアンテナ204を合わせた全長は半波長よりやや
長い程度であるため、アンテナ204の放射パターンは
半波長ダイポールアンテナのそれに近い8の字型になる
と予想されるにもかかわらず、実際には図15に示すよ
うにy方向、つまり電池205が存在する方向に放射電
界レベルの落ち込みが生じる。
みの原因は、次の通りと思われる。図16(a)(b)
に、基板201およびアンテナ204の図16(c)に
示す一点鎖線の面上での電流の振幅および位相の分布を
示す。
(c)中の電池装着部207での電流振幅を見ると、ア
ンテナ204上の電流振幅より大きくなっている。これ
は、電池装着部207における基板201と電池205
の間の静電容量と基板201や電池205の導体部分の
インダクタンスにより、高周波の共振電流が基板101
上を流れ込むことに起因するものと思われる。一方、図
16(b)に示されるように、基板201およびアンテ
ナ204上の電流位相を見ると、アンテナ204上の電
流位相に対して電池装着部207での電流位相は逆転し
ている。
上には、アンテナ204上の電流より振幅が大きく、か
つ位相が逆の高周波の電流が流れ、この電流による不要
な放射がアンテナ204からの本来の放射を打ち消すよ
うに作用し、これによって図13に示すようなアンテナ
放射パターンの電界レベルの落ち込みが発生すると考え
られる。すなわち、このアンテナ放射パターンの劣化
は、上述のように電池装着部207が高周波的な共振回
路として働き、基板201上の電流分布を変化させるこ
とが原因と考えられる。
共振回路がアンテナとして動作していると仮定すると考
え易い。すなわち、アンテナ204であるモノポールア
ンテナと電池装着部207による共振回路(ここではア
ンテナのように動作する)が電磁界的に結合したことに
より、共振回路上に電流が発生したと考える。
ンテナは、その形状によりマイクロストリップアンテナ
の放射板の一辺を地板と接続した「片側短絡型マイクロ
ストリップアンテナ」や、あるいはモノポールアンテナ
を逆L字に折り曲げて板状とした「板状逆Lアンテナ」
として働いているとみなすことができる。
ストリップアンテナと板状逆Lアンテナについて簡単に
説明する。まず、図17を用いて片側短絡型マイクロス
トリップアンテナについて説明する。図17(a)は片
側短絡型マイクロストリップアンテナの概略構成であ
る。図17(b)に示す基本形状を持つマイクロストリ
ップアンテナの場合、放射板300の長さdがn・λ/
2(使用周波数における二分の一波長の整数倍)である
ので、その放射板の中央部で電界がゼロになる。従っ
て、図17(a)に示すように放射板301を中央部に
おいて地板302で短絡しても、電界分布に変化はな
い。これにより、放射板301の長さは図17(a)の
基本形状を持つマイクロストリップアンテナの放射板3
00の長さdに対してd/2であるn・λ/4(nは任
意の整数、λは使用周波数における波長)、すなわち使
用周波数における四分の一波長の整数倍となる。
00の場合、L字部分の長さがd/2、つまりn・λ/
4と同じになると共振する。これに対し、図18(a)
に示すような板状素子401とアーム部402からなる
板状逆Lアンテナでは、(板状素子401の周囲長)/
2+(アーム部402の長さ)がd/2、つまりn・λ
/4のときに共振する。そして、この板状逆Lアンテナ
では板状素子401の周上に電流が強く分布することに
よって共振が発生する。
の携帯無線装置では電池装着部での電流の共振により電
池の方向にアンテナ放射パターンの予期しない電界レベ
ルの落ち込みが発生し、アンテナ放射特性を劣化させる
という問題点があった。本発明は、このような問題点を
解消し、電池の存在に起因するアンテナ放射特性の劣化
を抑えることができる携帯無線装置を提供することを目
的とする。
め、本発明は誘電体基板上に回路部を設け、該回路部に
アンテナを接続すると共に、該回路部の電源として電池
を用いた携帯無線装置において、電池の導電部を基板上
のグランド部に面接触で電気的に接続したことを特徴と
する。より具体的には、例えば電池の導電部および基板
上のグランド部をメッキや蒸着等による金属膜によって
形成し、両者を面接触で電気的に接続することを特徴と
する。
ド部を面接触によって電気的に接続すると、両者間に高
周波的な共振回路が形成されることがなく、高周波の共
振電流が基板上に流れ込むことがない。従って、この高
周波共振電流による不要な放射がなくなるか、もしくは
低減されることにより、本来の放射方向に電界レベルの
落ち込みが生じたりすることがなく、アンテナの本来の
放射パターンを損なうことがなくなるので、良好なアン
テナ放射特性を実現することができる。
誘電体基板にアンテナを取り付けるとともに、この基板
上に該基板上のグランド部と電気的に接続された金属シ
ールド部材を設け、この金属シールド部材内に電池を設
けたことを特徴とする。
シールド部材を介して基板上のグランド部に面接触で電
気的に接続されることになり、上記と同様の結果を得る
ことができる。
が直方体形状をなし、基板に近接して一つの面が基板と
平行となるように配置され、基板と平行な面の一辺の長
さがほぼ使用周波数における四分の一波長以上であり、
この電池の導電部を基板上のグランド部に少なくとも一
点で電気的に接続したことを特徴とする。
体形状をなし、基板に近接して一つの面が基板と平行と
なるように配置され、基板と平行な面の一辺に配列され
た複数の電極端子を有し、該電極端子から対向する他の
一辺までの距離が使用周波数における四分の一波長のほ
ぼ整数倍であり、この電池の導電部を基板上のグランド
部に電極端子から他の一辺に寄った位置の少なくとも一
点で電気的に接続したことを特徴とする。
が直方体形状をなし、基板に近接して一つの面が基板と
平行となるように配置され、基板と平行な面の一辺に設
けられた電極端子が基板にほぼ垂直に延びて基板上に接
続され、さらに電池の周囲長の二分の一と電極端子の長
さとの和が使用周波数における四分の一波長のほぼ整数
倍であり、この電池の導電部を基板上のグランド部に電
極端子の位置を除く周部の少なくとも一点で電気的に接
続したことを特徴とする。
のグランド部とを少なくとも一点で電気的に接続するこ
とによって、両者間に形成される高周波的な共振回路の
働きを抑制し、この共振回路により誘起される基板上の
電流を低減させて、良好なアンテナ放射特性を実現する
ことが可能となる。
施の形態を説明する。 (第1の実施形態)図1に、本発明の第1の実施形態に
係る携帯無線装置の概略構成を示す。誘電体基板101
の一方の面上に低周波回路部102、他方の面上に高周
波回路部103がそれぞれ構成され、高周波回路部10
3にアンテナ104が接続されている。低周波回路部1
02および高周波回路部103は、集積回路を主体とし
て構成される。
モノポールアンテナを用いている。ここで、基板101
とアンテナ104を合わせた全長は、半波長よりやや長
く設定されており、アンテナ101は理想的には基板1
01と共に動作することにより、半波長ダイポールアン
テナとほぼ同等の動作をするようになっている。
時には、図示しない送話器を介して入力された利用者の
音声が低周波回路部102を介して高周波回路部103
に供給され、所定周波数の高周波信号に変調された後、
アンテナ104から電波として放射される。一方、受信
時にはアンテナ104で受信された信号が高周波回路部
103で所定の中間周波数に変換された後、低周波回路
部102に供給され、図示しない受話器から音声として
出力される。
機構により電池105が装着されている。電池105
は、例えばリチウムイオン電池その他の二次電池であ
り、その正極端子106および負極端子107は、電池
105が基板201上に装着された状態で装置側の図示
しない正負の電極端子と接続される。この電極端子は低
周波回路部102に接続され、電池105の出力は低周
波回路部102で安定化や昇圧または降圧などの処理を
受けた後、低周波回路部102および高周波回路部10
3の必要な部分に電源として供給される。
に示すように導電部108が形成されている。この導電
部108は、電池105のケースにメッキ、蒸着、ある
いはスパッタなどにより形成された金属膜であり、基板
101への電池105の装着時に、基板101上に同様
にメッキ、蒸着、あるいはスパッタなどにより形成され
た金属膜からなるグランド面109に面接触で電気的に
接続される。ここで、図2(a)は基板101のグラン
ド面109が電池105の底面に対向する面全域に形成
されている例、図2(b)はグランド面109電池10
5の底面の外郭部に対向する位置のみにリング状に形成
されている例であり、これらのいずれでも構わない。
がシールドされた構造の場合、シールド部材の一部を兼
ねていてもよいし、シールド部材と電気的に接続されて
いてもよい。また、導電部108を負極端子107と電
池105の内部で電気的に接続してもよい。
着するための上記着脱機構は、電池105の装着時に導
電部108を基板101のグランド面109に十分な力
で押し付けることができるように、電池105を基板1
01側に押圧する押圧機構を備えることが望ましい。着
脱機構としては、ネジ止めによるものを用いても構わな
い。電池105を固定型とする場合には、電池105の
グランド面109に電池105の導電部108をハンダ
付けで固定してもよい。
るアンテナ放射パターンを示す。これは図4に示したよ
うに、給電点Pから見たアンテナ104の方向をzと
し、基板101から見た電池105の方向をyとしたと
きの、zy平面でのE 成分の電界のパターンである。
1とアンテナ104を合わせた全長が半波長よりやや長
く設定され、アンテナ104は半波長ダイポールアンテ
ナとして機能するように設計されているが、図3から明
らかなようにアンテナ104の放射パターンは設計通
り、半波長ダイポールアンテナのそれに近い8の字型の
パターンとなっている。すなわち、本実施形態によれば
従来の携帯無線装置の図9に示したアンテナ放射パター
ンに見られるような電池の存在による電界レベルの落ち
込みはなく、良好な放射特性が得られている。
れる理由について、図5を用いて説明する。図5(a)
(b)は、基板101およびアンテナ104の図5
(c)に示す一点鎖線の面上での電流の振幅および位相
の分布を示している。
ら図中右側の基板101上の電流振幅は、給電点Pから
図中左側のアンテナ104上の電流振幅より小さくなっ
ており、従来のように電池装着部での電流振幅が増大す
る現象は見られない。本実施形態では、電池105の導
電部108が基板101のグランド面109と面接触で
電気的に接続されており、両者間に従来のように高周波
的な共振回路が形成されず、共振電流が流れないためで
あると考えられる。一方、図5(b)に示されるよう
に、基板101上の電流位相はアンテナ104上の電流
位相に対し80°程度の差であり、図16に示した従来
の特性のように逆転していないので、アンテナ放射パタ
ーンに電界の落ち込みを発生させるには至っていない。
は、アンテナ104上の電流に対して逆位相である基板
101上の電流による不要な放射がほとんど存在しない
ため、アンテナ放射パターンはアンテナ104による本
来の放射パターンでほぼ決まることになり、図3に示し
たような良好な8の字型パターンが得られる。
なお、以下の実施形態では図1と同一部分に同一符号を
付して第1の実施形態との相違点を中心に説明するもの
とする。
の実施形態に係る携帯無線装置の概略構成を示す。本実
施形態では、誘電体基板101上のグランド部に電気的
に接続された箱状の金属シールド部材110が設けら
れ、この金属シールド部材110の内側に、これに導電
部が密着するように電池105が配置されている。金属
シールド部材110は、図示しない蝶番等により開閉可
能であり、電池105は着脱可能となっている。
電部は基板101上のグランド部に金属シールド部材1
10を介して電気的に接続されることになり、先の実施
形態と同様の効果が得られる。
電池105のみを内蔵させたが、電池105と一緒に低
周波回路部102および高周波回路部103の少なくと
も一方を内蔵させても構わない。また、金属シールド部
材110の形状は、図示のような方形状に限られず、多
角形、円筒形等の形状であってもよい。さらに、金属シ
ールド部材110は必ずしも開閉可能である必要はな
い。
の実施形態に係る携帯無線装置の概略構成を示し、図8
(a)(b)にその平面図および断面図を示す。
は誘電体基板101と近接して基板101と一つの面が
平行となるように配置され、一辺が使用周波数における
四分の一波長以上の長さとなっている。
基板101と対向した面に例えば図2(a)に示したよ
うに形成された導電部108にピン状の接地用端子11
1が設けられており、この接地用端子111は基板10
1上のグランド面109に電極端子106,107以外
の位置で電気的に接続される。なお、図7では接地用端
子111は一点にのみ設けられているが、複数の点に設
けられいてもよい。すなわち、電池105の導電部10
8は少なくとも一点でグランド面109に接続される。
施形態と同様の効果を得ることができる。 (第4の実施形態)図9(a)(b)に、本発明の第4
の実施形態に係る携帯無線装置の平面図および断面図を
示す。本実施形態は、電池105が片側短絡型マイクロ
ストリップアンテナとして作用する場合の例である。
池105は誘電体基板101と近接して基板101と底
面が平行となるように配置され、さらにその一辺(この
例では低周波回路部102および高周波回路部103が
実装された側と反対側の辺)の側面上に、複数の電極端
子120が直線状に配列されている。電池105の電極
端子120が配列された辺から、これに対向する辺(こ
の例では、低周波回路部102および高周波回路部10
3が実装された側の辺)までの距離Dは、ほぼn・λ/
4(nは任意の整数、λは使用周波数における波長)、
すなわち使用周波数における四分の一波長のほぼ整数倍
となっている。
電部108に、ピン状の接地用端子121が一端を接続
して設けられており、この接地用端子121は基板10
1上のグランド面109に電極端子120以外の位置で
電気的に接続される。なお、本実施形態では接地用端子
121は一点にのみ設けられているが、複数の点に設け
られいてもよい。すなわち、電池105の導電部108
は図9(a)に斜線で示す領域内の位置、具体的には、
電池105の電極端子120が配列された辺から、これ
に対向する辺に寄った位置に少なくとも一点でグランド
面109に接続される。
ュレーションに基づいて説明する。図10は、本実施形
態の携帯無線装置のシミュレーションモデルを示してい
る。このモデルを用いて、電池105の導電部108上
の接地用端子121の接続位置を点A,B,C,D,E
のように種々変えて放射パターンのシミュレーションを
行った。ここで、A,B,C,D,Eは本実施形態に係
る携帯無線装置の配置に従って決定した。第1の実施形
態と同様に、本実施形態の携帯無線装置は放射パターン
が半波長ダイポールアンテナと同等になるように設計さ
れている。
は、接地用端子121の接続位置を点A,B,C,D,
Eとしたときの本実施形態の携帯無線装置のアンテナ放
射パターンのシミュレーション結果であり、給電点Pか
ら見たアンテナ104の方向をz、基板101から見た
電池105の方向をyとしたときのzy平面でのE 成
分の電界のパターンである。この図11から明らかなよ
うに、接地用端子121の位置が変わってもアンテナ1
04は設計通り、半波長ダイポールアンテナのそれに近
い8の字型のパターンとなっている。
無線装置の図9に示したアンテナ放射パターンに見られ
るような電池の存在による電界レベルの落ち込みはな
く、良好な放射特性が得られることが分かる。
ンテナ放射特性が得られる理由について説明する。従来
の技術の項で図17を用いて説明したように、電池10
5による共振回路がアンテナとして動作していると考え
ると、このアンテナは例えばマイクロストリップアンテ
ナの放射板の一辺を地板と接続した片側短絡型マイクロ
ストリップアンテナとみなすことができる。片側短絡型
マイクロストリップアンテナとみなすと、放射板と基板
間に電流が大きく分布することによって共振が発生する
と考えられる。このような共振を抑制する一つの方法と
して、電流の大きい部分に導体を挿入することで電流分
布を変化させ、共振周波数をずらせる手法が考えられ
る。
の電極端子120が直線状に配列されていることによ
り、電池105は片側短絡型マイクロストリップアンテ
ナとして作用するため、電池105の導電部108上の
電流の大きい部分を接地用端子121を介して基板10
1上のグランド面109に電気的に接続することによっ
て、上記の手法と同様の効果により電池105の部分の
共振が抑制され、共振による不要電流が減少したものと
考えられる。
では、アンテナ104上の電流に対して逆位相である基
板101上の電流による不要な放射がほとんど生じなく
なるため、アンテナ放射パターンはアンテナ104上の
電流による本来の放射パターンからの変化が小さくな
り、図11に示したような良好な8の字型パターンを得
ることができる。
と同様に基板101およびアンテナ104の図5(c)
に示す一点鎖線の面上での電流の振幅および位相の分布
をを示している。
から図中右側の基板101上の電流の振幅は、給電点P
から図中左側のアンテナ104上の電流の振幅より小さ
くなっており、従来のように電池装着部での電流振幅が
増大する現象は見られない。一方、図12(b)に示さ
れるように、基板101上の電流の位相は、アンテナ1
04上の電流の位相に対し80°程度の差であり、従来
の図16に示した特性のように逆転するまでには至って
いない。このように基板101上の電流位相と、アンテ
ナ104上の電流位相の位相差の減少も、基板101上
の電流によるアンテナ放射パターンへの干渉を抑制する
傾向を示している。
に、本発明の第4の実施形態に係る携帯無線装置の平面
図および断面図を示す。本実施形態は、電池105が板
状逆Lアンテナとして作用する場合の例である。すなわ
ち、本実施形態では直方体形状の電池105は誘電体基
板101と近接して基板101と底面が平行となるよう
に配置され、さらにその一辺(この例では低周波回路部
102および高周波回路部103が実装された側と反対
側の辺)の側面上に、電極端子130が接続されてい
る。ここで、電極端子130は、誘電体基板101に対
しほぼ垂直に延びて基板101上に接続されている。
2の1/2である(a+b)と、電極端子130の長さ
cとの和(a+b+c)(図13(a)の斜線部分の長
さ)がほぼn・λ/4(使用周波数における四分の一波
長のほぼ整数倍)となっている。
電部108に、ピン状の接地用端子131が一端を接続
して設けられており、この接地用端子131は基板10
1上のグランド面109に電極端子130を除く周部の
位置で電気的に接続される。なお、本実施形態では接地
用端子131は一点にのみ設けられているが、複数の点
に設けられいてもよい。すなわち、電池105の導電部
108は図13(a)に斜線で示す領域内の位置(電池
105の底面の周部上の位置)に、少なくとも一点でグ
ランド面109に接続される。
端子130と導電部108とで板状逆Lアンテナを形成
し、板状素子である導電部108の周上(図13(a)
の斜線部)に電流が大きく分布することによって、共振
が発生すると考えられる。従って、第4の実施形態と同
様に電流の大きい部分、すなわち電池105の導電部1
08の周部に接地用端子131を設けて電流分布を変化
させ、共振周波数をずらせることで、共振回路上の不要
な電流分布を低減させることができる。
周波数が抑制され、電池105による不要な電流分布が
低減されることにより、本来の放射方向に電界レベルの
落込みが生じたりすることがなく、従ってアンテナ本来
の放射パターンを損なうことがなくなるので、良好なア
ンテナ放射特性を実現することができる。
はなく、次のように種々変形することができる。本発明
は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように
種々変形して実施することができる。例えば、上記実施
形態ではアンテナとしてモノポールアンテナを用いた
が、ループアンテナ、逆F型アンテナなどを用いること
もでき、その形状や形式は特に限定されない。
周波回路部を基板の両面に分けて配置した構成とした
が、電池の装着側と反対側の面上に低周波回路部と高周
波回路部を配置してもよい。このようにすると、電池と
して縦横寸法が基板とほぼ同一の大型のものを用いるこ
とができる。
枚で構成されていたが、複数枚の誘電体基板を用いるこ
ともでき、それらを電池と同等の接続法で接続すること
ができる。すなわち、複数の基板間でも接続端子が必要
であり、ここで高周波的な共振回路が形成される場合が
ある。この場合も、電池を回路部が形成された第1の誘
電体基板とは異なる第2の誘電体基板上に配置して、電
池の導電部を基板上のグランド部に面接触または少なく
とも一点で電気的に接続すればよい。
をアンテナの方向に長い長方形としたが、アンテナの方
向に短い長方形であってもよいし、多角形、円形等であ
ってもよい。誘電体基板はある程度厚みのあるブロック
状であってもよく、板状に限られない。
をアンテナの方向に長い長方形としたが、アンテナの方
向に短い長方形であってもよい。誘電体基板はある程度
厚みのあるブロック状であってもよく、板状に限るもの
ではない。
電体による波長短縮効果を考慮した場合は、次式で表さ
れるλeff を考えるものとする。 λeff =c/{f(εr )1/2 } λeff :波長 c:光速 f:使用周波数 εr :比誘電率
池の導電部と基板上のグランド部を例えば両者を金属膜
で形成した上で面接触によって電気的に接続するか、あ
るいは電池の導電部を金属シールド部材を介して基板上
のグランド部に面接触で電気的に接続するか、あるいは
少なくとも一点で基板上のグランド部に接続することに
より、基板と電池間に高周波の大きな共振電流が流れな
いようにして不要な放射を防止し、アンテナ放射パター
ンの落ち込みを抑えて良好な放射特性を得ることが可能
な携帯無線装置を提供することができる。
概略構成を示す斜視図
の導電部の接続方法を説明するための分解斜視図
す図
方を説明するための図
流振幅および電流位相の分布を示す図
概略構成を示す斜視図
概略構成を示す斜視図
断面図
平面図および断面図
を示す図
示す図
電流振幅および電流位相の分布を示す図
の平面図および断面図
ターンを示す図
テナ上の電流振幅および電流位相の分布を示す図
図
Claims (6)
- 【請求項1】誘電体基板上に回路部を設け、該回路部に
アンテナを接続すると共に、該回路部の電源として電池
を用いた携帯無線装置において、 前記電池の導電部を前記基板上のグランド部に面接触で
電気的に接続したことを特徴とする携帯無線装置。 - 【請求項2】誘電体基板上に回路部を設け、該回路部に
アンテナを接続すると共に、該回路部の電源として電池
を用いた携帯無線装置において、 前記電池の導電部および前記基板上のグランド部を金属
膜により形成し、両者を面接触で電気的に接続したこと
を特徴とする携帯無線装置。 - 【請求項3】誘電体基板と、 この基板に取り付けられたアンテナと、 前記基板上に設けられ、該基板上のグランド部と電気的
に接続された金属シールド部材と、 この金属シールド部材内に設けられた電池とを有するこ
とを特徴とする携帯無線装置。 - 【請求項4】誘電体基板上に回路部を設け、該回路部に
アンテナを接続すると共に、該回路部の電源として電池
を用いた携帯無線装置において、 前記電池は直方体形状をなし、前記基板に近接して一つ
の面が該基板と平行となるように配置され、該基板と平
行な面の一辺の長さがほぼ使用周波数における四分の一
波長以上であり、 さらに前記電池の導電部を前記基板上のグランド部に少
なくとも一点で電気的に接続したことを特徴とする携帯
無線装置。 - 【請求項5】誘電体基板上に回路部を設け、該回路部に
アンテナを接続すると共に、該回路部の電源として電池
を用いた携帯無線装置において、 前記電池は直方体形状をなし、前記基板に近接して一つ
の面が該基板と平行となるように配置され、該基板と平
行な面の一辺の側面上に配列された複数の電極端子を有
し、該電極端子から対向する他の一辺までの距離が使用
周波数における四分の一波長のほぼ整数倍であり、 さらに前記電池の導電部を前記基板上のグランド部に前
記電極端子から前記他の一辺に寄った位置の少なくとも
一点で電気的に接続したことを特徴とする携帯無線装
置。 - 【請求項6】誘電体基板上に回路部を設け、該回路部に
アンテナを接続すると共に、該回路部の電源として電池
を用いた携帯無線装置において、 前記電池は直方体形状をなし、前記基板に近接して一つ
の面が該基板と平行となるように配置され、該基板と平
行な面の一辺の側面上に設けられた電極端子が該基板に
ほぼ垂直に延びて該基板上に接続され、該電池の周囲長
の二分の一と該電極端子の長さとの和が使用周波数にお
ける四分の一波長のほぼ整数倍であり、 さらに前記電池の導電部を前記基板上のグランド部に前
記電極端子の位置を除く周部の少なくとも一点で電気的
に接続したことを特徴とする携帯無線装置。
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ID=26407853
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