JPH1154780A - 薄膜系太陽電池モジュール - Google Patents

薄膜系太陽電池モジュール

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JPH1154780A
JPH1154780A JP9210992A JP21099297A JPH1154780A JP H1154780 A JPH1154780 A JP H1154780A JP 9210992 A JP9210992 A JP 9210992A JP 21099297 A JP21099297 A JP 21099297A JP H1154780 A JPH1154780 A JP H1154780A
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JP
Japan
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solar cell
back plate
film solar
thin
sealing material
Prior art date
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Application number
JP9210992A
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English (en)
Inventor
Masaharu Ono
雅晴 大野
Yoshiaki Nishiyama
喜明 西山
Mikio Murozono
幹夫 室園
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Battery Industrial Co Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B10/00Integration of renewable energy sources in buildings
    • Y02B10/10Photovoltaic [PV]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気絶縁性にすぐれ、建材一体化をはじめと
するあらゆる用途に最適な薄型で高電圧出力の太陽電池
モジュールを安価で提供する。 【解決手段】 周縁部に側壁を有する箱形の裏板と、裏
板と所定間隔を隔てて平行になるように側壁の内側に収
容された透光性基板と、裏板および透光性基板の間の空
間部により構成される空気室と、透光性基板上に空気室
に露出して形成された薄膜太陽電池素子と、裏板および
透光性基板の周縁部に回周して充填された空気室を密閉
するための絶縁性かつ粘着性の封止材と、薄膜太陽電池
素子に接続されたリード線を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋根に設置したり
各種建材と一体化して用いたりするのに適した薄型で高
電圧出力の薄膜系太陽電池モジュールに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、水素化非晶質シリコン素子を用い
た薄膜系太陽電池モジュールは、素子をEVA樹脂(エ
チレン酢酸ビニル共重合体)等の可燃性透明樹脂で封入
している。このような水素化非晶質シリコン素子を用い
た太陽電池モジュールは、一般の結晶系太陽電池モジュ
ールと同様に低融点で可燃性のEVA透明樹脂を多量に
用いるため、日本の建築基準法に定められた建材として
の不燃防火規定に適合させるのは困難である。また、現
状では、このように太陽電池素子がEVA樹脂に埋め込
まれた構造の太陽電池モジュールは、各部材の分離が非
常に困難であるため、廃棄時に分解して処理できない。
【0003】これに対して、CdS/CdTe素子を用
いた薄膜系太陽電池モジュールの場合、図6に示すよう
に、素子61と裏板63の間に平均厚さが10mm以上
の空気室66が設けられる(ナショナルテクニカルレポ
ート VOL.37 No.1, Feb.1991)。これは、過去の実験に
おける、透明容器内に密閉されたCdS/CdTe素子
を屋外で使用すると容器内の酸素濃度が徐々に減少する
という結果と、真空容器内で使用するとCdS/CdT
e素子の特性が低下するという結果から、空気室を設け
て一定量の酸素を確保するという設計思想による。
【0004】しかしながら、薄膜系太陽電池モジュール
には、以下のような問題点がある。封止材としては、空
気室66を密封するとともに、透光性基板62と裏板6
3を強固に接合する必要がある。しかしながら、これま
でのところ、厚さ10mm以上の空気室66を密封して
維持するために必要な水蒸気透過率および接着強度を同
時に備えた封止材は報告されていない。そこで、空気室
66を密封するための主封止材64と接合強度の大きい
接着封止材65の二種類の封止材が用いられる。主封止
材64としては例えばブチル系ゴムが、接着封止材65
としては例えば硬化型のシリコーンゴムが用いられる。
また、組立において、透光性基板62と裏板63を主封
止材64によりあらかじめ接合した後、さらに両者の間
に接着封止材65を充填する必要がある。この接着封止
材65を充填する作業は、効率が悪く、長時間を要す
る。
【0005】さらに、封止材のみで透光性基板62と裏
板63を接合した場合には、密封された空気室66の圧
力変化や外部応力による変形等に起因して接着封止材6
5が透光性基板62または裏板63より剥離すると修復
されないことから、補強用の固定フレーム67を用いて
透光性基板62と裏板63を多数のビス68で固定する
構造がとられている。このような構造も、低生産性や高
コストの要因になる。このように、複雑な処理や構造が
必要なことから、太陽電池モジュールの生産性は低く、
その製造コストは高い。さらに、このような構造の太陽
電池モジュールは、充分な容積の空気室66を確保する
と、固定フレーム67を除く中央部の厚さが約16mm
以上、固定フレーム67を含めた厚さが約20mm以上
になる。したがって、建材と一体化させると、取り扱い
にくい。また、デザイン的にも好ましくない。
【0006】また、このような太陽電池モジュールは、
近年その要望が高まっている廃棄時の部材の分離解体も
困難である。たとえば、接着封止材65に用いられる架
橋硬化型のシリコーン樹脂等は分離が困難である。ま
た、主封止材64に用いられる熱可塑性樹脂を多量に含
む非粘着性で高硬度の樹脂も、剥離しにくく、比較的分
離が困難である。
【0007】電池の性能面から見ると、空気室66の内
部に収容された太陽電池素子61の正負極より電流を出
力するための一対のリード線69と金属製の裏板63の
間の電気絶縁性および空気室66の気密性を確保するた
め、例えばOリングを取り付けた上、絶縁性のスペーサ
70が装着される。しかしながら、この方法によると、
スペーサ70の絶縁耐圧は2.5kVと低い。さらに、
素子の受光面を外観上目立たないように黒色化するた
め、および空気室66の内圧変化に耐える硬度を得るた
めに、主封止材64には無機充填材としてカーボンが約
25%以上添加される。このように多量のカーボンを添
加された封止材は、小型独立電源用途には問題にならな
いが、屋根に配置したり、建材と一体化して用いるに
は、電気絶縁性や絶縁耐圧が低い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決し、電気絶縁性にすぐれ、薄型の薄膜系太陽電
池モジュールを、簡単な構造で実現させるものであり、
建材との一体化をはじめとするあらゆる用途に最適な太
陽電池モジュールを安価で提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】CdS/CdTe太陽電
池モジュールにおいて、従来、上記のように空気室は、
酸素供給空間として機能すると考えられていた。しかし
ながら、検証を行った結果、初期のフィルファクタの低
下は、加熱乾燥や硬化した保護樹脂膜によって引き起こ
されるものであり、その後は安定化することが判明し
た。したがって、空気室は大容量である必要はない。た
だし、雰囲気が機械的な接触であるカーボン電極と半導
体のオーミックコンタクト部へ及ぼす影響を避けるため
に、最小限の容積の空気室を確保する必要がある。した
がって、空気室の容量を小さくし、太陽電池モジュール
を薄くすることができる。そこで、空気室の厚さを1〜
5mmとし、空気室を、絶縁耐圧を確保するための不燃
絶縁層として用いる。ここで、封止材に粘着性のものを
用い、空気室の厚さを大幅に薄くすることにより、従来
のように二種類の封止材を用いる必要はなく、生産性を
大幅に向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の薄膜系太陽電池モジュー
ルは、周縁部に側壁を有する箱形の裏板と、側壁の内側
に裏板の平板部と所定間隔を隔てて平行になるように収
容された透光性基板と、裏板および透光性基板の間の空
間部により構成される空気室と、透光性基板上に空気室
に露出して形成された薄膜太陽電池素子と、裏板および
透光性基板の周縁部に周回して充填され空気室を密閉す
る絶縁性かつ粘着性の封止材と、薄膜太陽電池素子に接
続されたリード線を具備する。これにより、簡易な構造
でモジュールを封止することができる。したがって、部
材コストや組立コストを大幅に削減することができる。
また、モジュールを大幅に薄型化することが可能にな
る。さらに、二種類の封止材を用いる必要がないことか
ら、難燃性や不燃性を大幅に向上させることが可能にな
る。したがって、耐久性を必要とする屋根用や建材一体
化に最適の薄型の薄膜系太陽電池モジュールが得られ
る。また、産業廃棄物として回収後の部材の分離が容易
になる。
【0011】本発明の薄膜系太陽電池モジュールの好ま
しい態様において、裏板が一枚の金属板を折曲げ加工し
て側壁を形成して得られたものである。本発明の他の薄
膜系太陽電池モジュールは、裏板と、裏板と所定間隔を
隔てて平行になるように近接して配置された透光性基板
と、裏板および透光性基板の間の空間部により構成され
る空気室と、透光性基板上に空気室に露出して形成され
た薄膜太陽電池素子と、裏板および透光性基板の周縁部
に周回して充填され空気室を密閉するための絶縁性の封
止材と、薄膜太陽電池素子に接続されたリード線と、空
間部に部分的に配された絶縁性の粘着材を含むスペーサ
を具備する。これにより、大面積のモジュールにおいて
も裏板と太陽電池素子の接近や接触を防止することがで
きる。
【0012】本発明のさらに他の薄膜系太陽電池モジュ
ールは、周縁部に側壁を有する箱形の裏板と、側壁の内
側に裏板の平板部と所定間隔を隔てて平行になるように
収容された透光性基板と、裏板および透光性基板の間の
空間部により構成される空気室と、透光性基板上に空気
室に露出して形成された薄膜太陽電池素子と、裏板およ
び透光性基板の周縁部に周回して充填され空気室を密閉
する絶縁性の封止材と、薄膜太陽電池素子に接続された
リード線を具備し、裏板が側壁に切り欠き部を備え、リ
ード線が封止材を貫通し、さらに裏板の側壁の切り欠き
部を通じて外部に導出される。これにより、出力端子も
同時に封止することができることから、生産性をさらに
向上させることができる。本発明の薄膜系太陽電池モジ
ュールの好ましい態様において、外部機器と接続するた
めの接続端子と、接続端子を被覆保護するための端子保
護部および切り欠き部を外部より密着して被覆するため
のつば部を有するカバーを備える。
【0013】本発明の薄膜系太陽電池モジュールの他の
好ましい態様において、裏板に接合された絶縁基板、絶
縁基板上に形成された一対の導体膜、導体膜間を接続す
るダイオード、導電膜の一方を外部機器に接続するため
の接続端子を具備し、導電膜の他方がリード線と接続さ
れたものである。本発明の薄膜系太陽電池モジュールの
さらに他の好ましい態様において、封止材が、ブチル系
ゴムを主成分とし、カーボンを15重量%以下含み、さ
らに体積固有抵抗が1010Ωm以上である。これによ
り、絶縁抵抗および絶縁耐圧を改善することができる。
ウレタン系、シリコン系およびアクリル系の粘着材は、
いずれも水蒸気透過率が高いため、空気室を密封するた
めの封止材に用いることは困難である。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0015】《実施例1》本実施例の薄膜系太陽電池モ
ジュールを図1および図2に示す。表面にあらかじめC
dS/CdTe等の薄膜太陽電池素子1が形成されたガ
ラス基板等の透光性基板2と、周囲に側壁11bを有す
る箱形の裏板11を近接して配置する。ここで、裏板1
1は、厚さ0.2〜1mmのステンレス鋼板を曲げ加工
して平板部11aの周囲に側壁11bを形成したもので
あり、四隅に切れ目20を有する。また、側壁11bに
は、太陽電池素子1に接続されたリード線15を裏板1
1の外部へ導き出すための切り欠き部19が形成されて
いる。切り欠き部19より、太陽電池素子1に接続され
た一対の平型の芯線からなるリード線15を裏板11の
外部へ導き出した後、透光性基板2または裏板11のい
ずれか一方の外周部に、封止材12としてブチルゴムを
主成分とする絶縁性の粘着材を周回して塗布する。つい
で、透光性基板2および裏板11を重ね合わせて接着す
ることにより、一体化する。この際、リード線15も封
止材12により固定される。透光性基板2と裏板11の
間には、空気室13が形成される。空気室13の厚さ
は、太陽電池素子1と裏板11の間の絶縁性の確保と、
裏板11の低温下での応力変形を考慮すると、1mm以
上が好ましい。また、空気室13内の雰囲気の及ぼす影
響やモジュールの薄型化を考慮すると、5mm以下が好
ましい。
【0016】裏板11の外面には、表面に一対の導体箔
14aを備えた絶縁性の中継端子板14があらかじめ固
定されている。導体箔14aの一方にリード線15をは
んだづけし、他方に外部と接続するためのキャブタイヤ
ケーブルを接続する。これにより、外部からの力がリー
ド線15に加わらなくなる。また、導体箔14a間に
は、逆流防止のため逆耐圧が100V〜150V以上の
ダイオード21が接続される。低コスト化のためには、
切り欠き部および中継端子板をそれぞれ1個とし、正負
のリード線を同一の中継端子板に接続することもでき
る。
【0017】また、裏板11には、封止材12を充填す
る際に空気室13の内圧が上昇するのを防ぐための通気
孔17が形成されている。この通気孔17を密封材18
等で塞ぐことにより、空気室13を密封する。裏板11
が、ステンレス鋼板やニッケルメッキ鋼板のようなはん
だ付けが可能な材料からなる場合、はんだ付けにより空
気室13を密封することができる。また、塩化ビニル鋼
板を用いた場合には、金属板等を接着して密封する。な
お、空気室13内の裏板11上に必要に応じて少量の乾
燥剤を固定しておくことにより、空気室13内の結露を
防ぐことができる。また、透光性基板2がガラス製の場
合、太陽電池素子1を形成した後に、透光性基板2の太
陽電池素子1を備えた側と反対の面、すなわち受光面を
表面にマット加工が施された厚さ20〜100μmのフ
ッ素系樹脂フィルムで被覆することにより、鏡面反射や
透光性基板1が破損した際の飛散を防止することができ
る。
【0018】端子キャップ23は、ポリカーボネート等
の樹脂やステンレス鋼からなり、中継端子板14とその
接続部を保護する。板状のつば部23aは、裏板11の
切り欠き部19に密着して、封止材12のはみ出しを防
止する。溝部23bは、外部接続用のキャブタイヤケー
ブルを固定し、ケーブルに加わる外力から中継端子板1
4やその接続部を保護する。裏板11および端子キャッ
プ23にステンレス鋼等の金属を用いると、高い防火性
や不燃性が得られる。また、高い機械的強度も得られる
ことから、耐衝撃性も向上する。
【0019】透光性基板2として、幅が435mmで長
さが175mmまたは幅が870mmで長さが175m
mで厚さが2.7mmのガラス基板を、裏板11に厚さ
0.5mmのステンレス鋼板をそれぞれ用い、空気室1
3の厚さを2.8mmとして太陽電池モジュールを作製
した。得られた太陽電池モジュールの中央部の厚さは6
mmとなった。この値は、従来と同出力の太陽電池モジ
ュールの厚さの40%以下である。このように本実施例
によると、太陽電池モジュールの厚さを大幅に薄くする
ことができる。また、本実施例によると、一種類の封止
材でよい。さらに、本実施例では、ステンレス鋼板を曲
げ加工して得られた四隅に切れ目20を有する裏板11
を用いたが、粘着性の封止材12により、空気室13の
気密性は保持され、特性の良好な太陽電池が得られる。
したがって、材料コストおよび製造コストを大幅に低減
することが可能になる。
【0020】なお、上記実施例では、特に薄型化が可能
なフレームレスの薄膜系太陽電池モジュールについて説
明したが、取付固定用や外観デザインの目的でフレーム
を設けてもよい。例えば、砂漠等の高温地域での使用に
おける信頼性を高めるためには、鍵型のフレームを用い
て透光性基板2が取れない構造にする。ただし、上記実
施例の太陽電池モジュールにおいても、通常の設置で
は、太陽光を受ける上方に受光面を向けるため、また封
止材12の粘弾性摩擦力と空気室13の密閉空気圧によ
り、透光性基板2が裏板11から脱落した例は無かっ
た。
【0021】本実施例の薄膜系太陽電池モジュールは、
太陽電池素子1を備えた透光性基板2と裏板11は封止
材12により外周部のみ固定され、さらに封止材12は
粘着性である。したがって、廃棄回収後、透光性基板2
と箱型裏板11を容易に分離することができる。封止材
12の粘弾性的性質により瞬時に剥離はしないが、常温
または加温で、比較的小さい外力を一定時間加えるだけ
で透光性基板2や裏板11を破壊することなく分離する
ことができる。また、ケトン類やシンナー系やアルコー
ル系の有機溶剤等に浸漬させて封止材12を溶解させる
方法でも容易に分離できる。
【0022】したがって、本実施例の太陽電池モジュー
ルは、普及するにつれて社会的に大きな問題点となるで
あろう廃棄回収の問題を解決できる。特に、Cd、T
e、In、Se、Ga、Cu等の重金属や希金属を含む
化合物薄膜系太陽電池に有用である。
【0023】次に、上記のような太陽電池モジュールの
耐電圧の向上に関して説明する。本実施例の薄膜系太陽
電池モジュールにおいて、金属製の裏板11に接着した
中継端子板14の種類や厚さを変えて、モジュールの耐
電圧を測定した。その結果を図3に示す。一般に絶縁基
板に垂直に電気力線が加わると、蓄積電荷が沿面放電の
原因となる。したがって、導体箔14aの端から中継端
子板14の端までの長さ(図中、エッジ(mm)で表
す)や中継端子板14の材質が耐電圧に及ぼす影響は無
視でき、耐電圧は、中継端子板14の厚さに依存するこ
とになる。図3に示すように、中継端子板14の厚さを
1mm以上とすることにより、3kV以上の耐電圧を得
ることができた。さらに中継端子板14をシリコーン樹
脂によりモールドすると、金属製の端子キャップ23を
用いた場合でも、5kV以上の十分な耐電圧が得られ
た。
【0024】次に、封止材の種類について説明する。そ
れぞれ平均分子量等の異なるA、BおよびCの3種類の
ブチルゴム系の粘着材に、重量比0.01%〜約25重
量%のカーボン(ファーネスブラック)を均一に分散さ
せて封止材を調製した。ただし、A、BおよびCは、い
ずれも分子量が50000以上のブチルゴム系の粘着材
と5000以下のブチルゴム系の粘着材の混合物から構
成される。また、これらの封止材は、粘度や粘着性の調
整のため、ケイ酸塩や炭酸塩等の組成の異なる無機充填
材を1〜40重量%含有する。これら封止材のカーボン
充填率に対する常温における体積固有抵抗を測定した。
その結果を図4に示す。A、BおよびCのいずれの粘着
材を用いた封止材も、カーボン充填率が15重量%以下
においては1010Ωm以上の高い体積固有抵抗を示す。
また、封止材の組成の違いが体積固有抵抗に大きな影響
を及ぼさないことがわかる。カーボン充填率が15%を
超えると、体積固有抵抗が急激に低下するのは、ブチル
ゴム中に分散させたカーボン粒子同士が結合し、導電経
路が形成されるためと考えられる。
【0025】なお、カーボン充填率が0.01重量%で
も、黒色の着色効果は得られる。また、この場合の体積
固有抵抗は約1×1013Ωmであり、同じ測定法で測定
したカーボン充填率が0.03重量%の封止材の値とほ
ぼ同じである。
【0026】これらの封止材を用いて、それぞれ上記と
同様の太陽電池モジュールを作製した。得られた太陽電
池モジュールの電圧1000Vにおける裏板と薄膜太陽
電池素子の端子間の絶縁抵抗を測定した。粘着材Aにカ
ーボンを25重量%充填した封止材を用いた太陽電池モ
ジュールは、絶縁抵抗が103〜105Ωと低く、また不
安定であった。しかしながら、A、BおよびCのいずれ
の粘着材を用いた場合でも、カーボンの充填量を15重
量%以下とすることにより、1×109Ω以上の優れた
絶縁抵抗が得られた。
【0027】《実施例2》実施例1によると、例えば幅
が880mmで長さが360mm、または幅が980m
mで長さが660mmといった大面積の薄膜系太陽電池
モジュールの場合、空気室を安定して維持することが困
難である。すなわち、空気室が薄いことから、機械的な
応力や熱応力によって裏板が変形し、太陽電池素子と接
触することが懸念される。そこで、このような大型の太
陽電池モジュールにおいては、図5に示すように空気室
43に面した裏板41の内面に部分的にスペーサ55を
配する。これにより、機械的変形や熱応力による変形で
裏板41と太陽電池素子31が接触するのを容易に防止
することができる。スペーサ55としては、封止材42
と同様のブチル系ゴムを主成分とする粘着材を用いるこ
とができる。また、スペーサ55としては、封止材42
のように優れた水蒸気透過率や接着力を必要としないた
め、ウレタン系等の各種材料を用いることもできる。ス
ペーサ55は、裏板41と太陽電池素子31がもっとも
近接しやすい空気室43の中央部に相当する箇所に配す
ることが効果的である。このほか、複数個の微小なスペ
ーサを散在させたり、スペーサを列状に配置してもよ
い。
【0028】たとえば、封止材42と同様のものをスペ
ーサに用いることにより、裏板または透光性基板に封止
材と同様に塗布することができる。したがって、自動塗
布装置を用いると、新たな工程を付加する必要がない。
また、粘着性の封止材を用いることにより、裏板の変形
によって太陽電池素子が剥離するような機械的損傷も無
い。さらに、透光性基板に加わった衝撃を封止材により
吸収することができるため、太陽電池モジュールの耐衝
撃強度を向上させることができる。裏板にステンレス鋼
等の金属板を用いた場合でも、封止材と同等の絶縁性を
有するものをスペーサに用いることにより、太陽電池モ
ジュールとして充分な絶縁性や高耐圧を確保することが
できる。さらに、廃棄回収における部材の分離解体の容
易さも損なわれることは無い。
【0029】上記実施例では、いずれも封止材に添加す
るカーボンとしては、ゴム用によく用いられるファーネ
スブラックを用いたが、サーマルブラックやチャンネル
ブラックでもよい。また、CdS/CdTe太陽電池素
子のほか、水素化非晶質シリコン素子、薄膜多結晶シリ
コン素子、化合物銅インジウムセレン系素子等、その他
の薄膜系太陽電池素子を用いたモジュールにも容易に適
用することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、薄型で、屋根設置用や
建材と一体化して用いるのに適した高性能の太陽電池モ
ジュールを安価で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の薄膜系太陽電池モジュール
の縦断面図である。
【図2】同薄膜系太陽電池モジュールの一部を分解した
斜視図である。
【図3】中継端子板の厚さと耐電圧の関係を示す特性図
である。
【図4】封止材のカーボン充填率と体積固有抵抗の関係
を示す特性図である。
【図5】本発明の他の実施例の薄膜系太陽電池モジュー
ルの縦断面図である。
【図6】比較例の薄膜系太陽電池モジュールの縦断面図
である。
【符号の説明】
1 薄膜太陽電池素子 2 透光性基板 11 裏板 11a 平板部 11b 側壁 12 封止材 13 空気室 14 中継端子板 14a 導体箔 15 リード線 17 通気孔 18 密封材 19 切溝部 20 切れ目 21 ダイオード 23 端子キャップ 23a つば部 23b 溝部 31 薄膜系太陽電池素子 41 裏板 42 封止材 43 空気室 55 スペーサ 61 太陽電池素子 62 透光性基板 63 裏板 64 主封止材 65 接着封止材 66 空気室 67 固定フレーム 68 ビス 69 スペーサ 70 リード線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周縁部に側壁を有する箱形の裏板と、前
    記側壁の内側に前記裏板の平板部と所定間隔を隔てて平
    行になるように収容された透光性基板と、前記裏板およ
    び前記透光性基板の間の空間部により構成される空気室
    と、前記透光性基板上に前記空気室に露出して形成され
    た薄膜太陽電池素子と、前記裏板および前記透光性基板
    の周縁部に周回して充填されて前記空気室を密閉する絶
    縁性の封止材と、前記薄膜太陽電池素子に接続されたリ
    ード線を具備し、前記封止材が粘着性を有する薄膜系太
    陽電池モジュール。
  2. 【請求項2】 前記裏板が、一枚の金属板を折曲げ加工
    して得られたものである請求項1記載の薄膜系太陽電池
    モジュール。
  3. 【請求項3】 裏板と、前記裏板と所定間隔を隔てて平
    行になるように近接して配置された透光性基板と、前記
    裏板および前記透光性基板の間の空間部により構成され
    る空気室と、前記透光性基板上に前記空気室に露出して
    形成された薄膜太陽電池素子と、前記裏板および前記透
    光性基板の周縁部に周回して充填されて前記空気室を密
    閉する絶縁性の封止材と、前記薄膜太陽電池素子に接続
    されたリード線と、前記空間部に部分的に配された絶縁
    性の粘着材を含むスペーサを具備する薄膜系太陽電池モ
    ジュール。
  4. 【請求項4】 周縁部に側壁を有する箱形の裏板と、前
    記側壁の内側に前記裏板の平板部と所定間隔を隔てて平
    行になるように収容された透光性基板と、前記裏板およ
    び前記透光性基板の間の空間部により構成される空気室
    と、前記透光性基板上に前記空気室に露出して形成され
    た薄膜太陽電池素子と、前記裏板および前記透光性基板
    の周縁部に周回して充填されて前記空気室を密閉する絶
    縁性の封止材と、前記薄膜太陽電池素子に接続されたリ
    ード線を具備し、前記裏板が前記側壁に切り欠き部を備
    え、前記リード線が前記封止材を貫通し、さらに前記裏
    板の側壁の切り欠き部を通じて外部に導出された薄膜系
    太陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】 外部機器と接続するための接続端子と、
    前記接続端子を被覆保護するための端子保護部および前
    記切り欠き部を外部より密着して被覆するためのつば部
    を有するカバーを備えた請求項4記載の薄膜系太陽電池
    モジュール。
  6. 【請求項6】 前記裏板に接合された絶縁基板、前記絶
    縁基板上に形成された一対の導体膜、前記導体膜間を接
    続するダイオード、前記導電膜の一方を外部機器に接続
    するための接続端子を具備し、前記導電膜の他方が前記
    リード線と接続された請求項1、3または4に記載の薄
    膜系太陽電池モジュール。
  7. 【請求項7】 前記封止材が、ブチル系ゴムからなる粘
    着材を主体とし、カーボンを15重量%以下含み、さら
    に体積固有抵抗が1010Ωm以上である請求項1、3ま
    たは4に記載の薄膜系太陽電池モジュール。
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