JPH1154101A - 電池用セパレータおよび電池 - Google Patents

電池用セパレータおよび電池

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JPH1154101A
JPH1154101A JP10118041A JP11804198A JPH1154101A JP H1154101 A JPH1154101 A JP H1154101A JP 10118041 A JP10118041 A JP 10118041A JP 11804198 A JP11804198 A JP 11804198A JP H1154101 A JPH1154101 A JP H1154101A
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JP
Japan
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nonwoven fabric
battery separator
fabric layer
battery
treatment
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Application number
JP10118041A
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English (en)
Inventor
Wakana Aizawa
和佳奈 相澤
Kenji Hyodo
建二 兵頭
Tomonori Ida
朋智 井田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、アルカリ二次電池の過充電時
に、電池の内部圧力が上昇することがなく、また自己放
電反応を抑制することが可能であり、容易且つ廉価に製
造することが可能な電池用セパレータと該電池用セパレ
ータを用いた電池を提供することにある。 【解決手段】2層以上の不織布層からなる多層化不織布
であり、正極側と負極側の不織布層の性質を変えてある
電池用セパレータで、上記課題を解決することができ
る。また、湿式法および/または水流交絡処理を用いる
ことで、力学的強度の優れた多層化不織布からなる電池
用セパレータを容易に提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用セパレータ
および該電池用セパレータを用いる電池に関し、特にニ
ッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケ
ル−水素電池等のアルカリ二次電池用の電池用セパレー
タおよび該電池用セパレータを用いた電池に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、小型民生機器だけでなく、大型機
器の駆動電源として、ニッケル−カドミウム電池、ニッ
ケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池等のアルカリ二次
電池が普及している。アルカリ二次電池は、高出力、高
エネルギー密度、長寿命、高容量といった特性を有して
おり、広範囲の産業分野での利用が期待されている。
【0003】アルカリ二次電池は、少なくとも正極、負
極、電池用セパレータ、電解液とから構成されている。
アルカリ二次電池で使用されている電池用セパレータに
は、機械的強度、アルカリ性電解液に対する親和性、耐
アルカリ性、耐電気的酸化性等の性質が必要である。
【0004】アルカリ二次電池は、過充電時に正極から
式数1に示す反応によって酸素ガスが発生する。
【0005】
【数1】4OH- → O2 + 2H2O + 4e
【0006】発生した酸素ガスが、電池用セパレータを
速やかに透過して負極で消費されることによって、電池
の内圧上昇が抑制される。そのため、気体が電池外へ放
出されることなく、密閉化が可能となり、安全性の高い
アルカリ二次電池を得ることが可能となる。そのため、
電池用セパレータには高い気体透過性が求められてい
る。また、負極側のガス吸収能を正極側よりも高くする
必要がある。
【0007】ところで、アルカリ二次電池としては、ニ
ッケル−カドミウム電池が一般的であるが、負極にカド
ミウム化合物を用いていることから廃棄方法等の環境問
題が生じている。負極として、カドミウム化合物の代わ
りに水素吸蔵合金を含むニッケル−水素電池は、ニッケ
ル−カドミウム電池との電圧互換性があり、且つより高
容量であるという優位な特性を有している。
【0008】アルカリ二次電池は、充電状態の電池を高
温下に置くと、容量が低下する自己放電現象が問題とな
っている。ニッケル−カドミウム電池では、電池用セパ
レータの分解生成物による正極(オキシ酸化ニッケル;
NiOOH)の還元反応(I)、NiOOHの自己還元
反応(II)が自己放電現象の原因と考えられている。反
応(II)は、反応(I)に比べて非常に起こりにくいの
で、反応(I)を抑制する必要がある。
【0009】従来使用されていた特開平3−14504
3号公報に記載されているポリアミド系繊維からなる電
池用セパレータは、電解液(高アルカリ性)中や充放電
の繰り返しによって分解され、反応(I)を促進するこ
とが知られている。そこで、より耐酸化性、耐アルカリ
性に優れた電池用セパレータとして、ポリオレフィン系
繊維を使用した不織布が優位に用いられる。ポリオレフ
ィン系繊維は親水性が低いという欠点があるので、これ
を改良するために、特開平2−276154号公報に記
載されているフッ素化処理、特開昭57−191956
号公報記載のスルホン化処理、特開平4−255665
号公報記載のコロナ処理等の処理を施すことが知られて
いる。また、特開平5−234577号公報記載の親水
性モノマーのグラフト化処理等によって親水性が付与さ
れたポリオレフィン系繊維含有不織布が用いられてい
る。
【0010】ニッケル−水素電池では、ニッケル−カド
ミウム電池では見られなかった自己放電反応が起こる。
負極として使われている水素吸蔵合金は、充電状態で水
素を大量に吸蔵しているが、高温下ではその水素吸蔵量
が減少し、水素ガスを電池内に放出する。この放出され
た水素ガスが正極のオキシ酸化ニッケルを還元する反応
(III)が問題となっている。反応(III)を抑制するた
めには、水素ガスが正極に移動することが困難な状態が
必要である。
【0011】上述の過充電時に発生した酸素ガスを負極
で速やかに吸収すること、および高温保存時に水素吸蔵
合金から発生した水素ガスを正極側に移動させないこと
を達成するためには、電池用セパレータが高い気体透過
性を有していながらも、負極側よりも正極側の親水性を
高くする必要がある。
【0012】このような正極側と負極側の性質を変化さ
せた不織布である電池用セパレータとして、特開平5−
82115号公報記載のアクリル酸含有繊維含有層とポ
リオレフィン系繊維含有層を熱接着し、且つ場合に応じ
てスルホン化処理を施した不織布、特開平5−3430
45号公報および、特開平6−89711号公報等記載
の負極側の太デニール繊維含有層と正極側の細デニール
繊維含有層とからなる不織布、特開平6−111847
号公報記載の負極側の細デニール繊維含有層(保液層)
と正極側の太デニール繊維含有層とからなる不織布、特
開平8−115739号公報記載の太デニール繊維含有
層と細デニール繊維含有層とを一体化した不織布に親水
性モノマーをグラフト重合した不織布、特開平7−57
712号公報記載の2枚以上の不織布を熱風によって一
体化した不織布、特開平8−2550099号公報記載
の親水性不織布と疎水性不織布を熱圧着させた不織布等
が報告されている。
【0013】これらの電池用セパレータは、性質の異な
る不織布を個々に製造した後に熱圧着、熱接着による方
法で一体化されるのが一般的である。しかしながら、個
々に不織布を製造して一体化させると、工程が多くなる
と言う欠点がある。また、熱圧着や熱融着による一体化
では、電池用セパレータを構成している繊維を融着する
ため一部フィルム化され、電池用セパレータの気体透過
性が低くなるという欠点があり、一方、熱接着・熱融着
による一体化によるフィルム化で不織布の強度を保持し
ているために、フィルム化形成量を少なくすると電池用
セパレータの機械的強度が低くなるという問題点があっ
た。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、アルカリ二次電池の過充電時に発生する酸
素ガスを速やかに負極で吸収して、電池の内部圧力が上
昇することがなく、また特にニッケル−水素電池で問題
となっている高温保存時の水素吸蔵合金から発生する水
素が原因となって起こる自己放電反応を抑制することが
可能である秀逸な電池用セパレータで、かつ容易に製造
される電池用セパレータと該電池用セパレータを用いた
電池を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、以下の発明を見出
した。 (1)2層以上の不織布層から構成され、かつ湿式法で
製造された多層化不織布からなることを特徴とする電池
用セパレータ。 (2)少なくとも1層の不織布層の親水性が他層と異な
る多層化不織布であることを特徴とする上記(1)記載
の電池用セパレータ。 (3)多層化不織布が水流交絡処理を施されていること
を特徴とする上記(1)または(2)記載の電池用セパ
レータ。 (4)少なくとも1層の不織布層の親水性が他層と異な
る、2層以上の不織布層が水流交絡処理によって一体化
された多層化不織布からなることを特徴とする電池用セ
パレータ。 (5)多層化不織布が親水化処理を施されていることを
特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の電池用
セパレータ。 (6)親水化処理を施された第1の不織布層と湿式法に
よって製造された第2の不織布層とを一体化した多層化
不織布であることを特徴とする電池用セパレータ。 (7)第1の不織布層と第2の不織布層とを水流交絡処
理によって一体化した多層化不織布であることを特徴と
する上記(6)記載の電池用セパレータ。 (8)第1の不織布層が乾式法によって製造されたこと
を特徴とする上記(6)または(7)記載の電池用セパ
レータ。 (9)少なくとも1層の不織布層が分割型複合繊維を含
有することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか
記載の電池用セパレータ。 (10)少なくとも1層の不織布層がバクテリアセルロ
ースを含有していることを特徴とする(1)〜(9)の
いずれか記載の電池用セパレータ。 (11)少なくとも1層の不織布層がミクロフィブリル
化セルロースを含有していることを特徴とする上記
(1)〜(10)のいずれか記載の電池用セパレータ。 (12)少なくとも1層の不織布層が熱融着ポリオレフ
ィン系繊維を含有していることを特徴とする上記(1)
〜(11)のいずれか記載の電池用セパレータ。 (13)少なくとも1不織布層間に、ネット状織物を介
在させて多層化されていることを特徴とする上記(1)
〜(12)のいずれか記載の電池用セパレータ。 (14)負極と接する不織布層がフッ素系繊維を含有す
ることを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれか記
載の電池用セパレータ。 (15)親水化処理が親水性基を有する単量体および/
またはもしくはオリゴマーをグラフト重合する処理であ
ることを特徴とする上記(5)または(6)記載の電池
用セパレータ。 (16)イオン交換量が0.02〜3.0meq/gで
あることを特徴とする上記(15)記載の電池用セパレ
ータ。 (17)1不織布層の電解液保持率が他の不織布層の電
解液保持率より50%以上大きい多層化不織布であるこ
とを特徴とする請求項(1)〜(16)のいずれか記載
の電池用セパレータ。 (18)1不織布層の坪量が1〜40g/m2であるこ
とを特徴とする上記(1)〜(17)のいずれか記載の
電池用セパレータ。 (19)上記(1)〜(18)のいずれか記載の電池用
セパレータを用いることを特徴とする電池。
【0016】本発明の電池用セパレータは、多層化不織
布なので、少なくとも1つの不織布層の組成を他と変え
ることで、例えば正極側の親水性を負極側の親水性より
高くした不織布とすることができる。このように、正極
側の親水性が高い電池用セパレータでは、過充電時の内
部圧力の上昇や高温下での自己放電特性を抑制すること
が可能である。
【0017】本発明の電池用セパレータ(1)は、2層
以上の不織布層を同時に製造することが可能な湿式法に
よって製造されているので、容易に多層化不織布を得る
ことができる。本発明の電池用セパレータ(2)は、電
池用セパレータ(1)の少なくとも1層の不織布の親水
性を他層と異なるものとしているが、湿式法では、1工
程でこのような組成を変えた多層化不織布をも得ること
ができる。
【0018】本発明の電池用セパレータ(3)は、上記
電池用セパレータ(1)または(2)に係わる多層化不
織布が水流交絡処理を施されている。水流交絡処理は、
不織布を構成している繊維を交絡させ、不織布の強度を
向上させる方法のひとつであるが、接着剤等を用いるこ
とがなく、また繊維の熱融着による不織布のフィルム化
等も無いので、多層化不織布の気体透過性が阻害される
ことがないという利点を有する。
【0019】本発明の電池用セパレータ(4)は、従来
行われているように個々に製造された性質の異なる2枚
以上の不織布層を一体化するのに、水流交絡処理を用い
た電池用セパレータである。電池用セパレータ(1)〜
(3)のように、同時に2層以上の不織布層を製造する
ことは困難であるが、水流交絡処理で一体化されている
ので、上述のように気体透過性を保持できたまま、正極
側と負極側の性質の異なる不織布を製造することができ
る。
【0020】本発明の電池用セパレータ(5)は、上記
電池用セパレータ(1)〜(4)に係わる多層化不織布
が親水化処理を施されていることで、電池用セパレータ
全体の親水性を上げることができる。また、各層の表面
積、繊維を予め変えておくことで、各層の親水性を異な
るものにすることも可能である。
【0021】本発明の電池用セパレータ(6)は、予め
親水化処理を施された第1の不織布層と、湿式法によっ
て製造された第2の不織布層とを一体化した多層化不織
布である。第2の不織布層は湿式法によって製造される
ので、乾式法で製造するよりも薄膜で、かつ地合の良好
な不織布層を得ることができる。この第2の不織布層と
第1の不織布層を一体化させることで、例えば電池用セ
パレータ(8)のように、第1の不織布層が乾式法で製
造された不織布層で合った場合にも、良好な地合を有す
る電池用セパレータを得ることができる。
【0022】また、第1の不織布層と第2の不織布層と
を水流交絡処理によって一体化した多層化不織布である
本発明の電池用セパレータ(7)は、電池用セパレータ
(3)および(4)と同様に、気体透過性が阻害される
ことがない。
【0023】本発明の電池用セパレータ(9)は、少な
くとも1層の不織布層が分割型複合繊維を含有すること
を特徴としているが、分割型複合繊維は、分割されると
微細繊維となるので、不織布の比表面積が増大し、電池
用セパレータの電解液の保液性を向上させることが可能
である。
【0024】本発明の電池用セパレータ(10)は、第
1の不織布層もしくは第2の不織布層の少なくともひと
つの不織布層がバクテリアセルロースを含有している。
不織布は、繊維間の接着力を高めるためにバインダー成
分を含有しているが、バクテリアセルロースは耐アルカ
リ性に優れており、また高温下でも安定なので、電池特
性に悪影響を及ぼすことがない。
【0025】本発明の電池用セパレータ(11)は、少
なくとも1層の不織布層がミクロフィブリル化セルロー
スを含有している。一般に、不織布は、繊維間の接着力
を高めるためにバインダー成分を含有しており、ポリビ
ニルアルコール等の水酸基含有ポリマーを用いることが
多い。特に湿式法で不織布を製造する場合には、湿紙強
度を上げるのに、バインダーが必要である。しかし、ポ
リビニルアルコール等は耐アルカリ性が低く、電池特性
に悪影響を及ぼす。しかし、ミクロフィブリル化セルロ
ースは耐アルカリ性に優れており、また高温下でも安定
なので、電池特性に悪影響を及ぼすことがない。
【0026】本発明の電池用セパレータ(8)は、第1
の不織布層が乾式抄造法によって製造され、湿式抄造法
よりも繊維長の長い繊維をを用いることができる。本発
明の電池用セパレータ(12)における熱融着性ポリオ
レフィン系繊維がこのような繊維長の長い繊維である場
合、薄膜化によって電池用セパレータの機械的強度が小
さくなった場合に、気体透過性を阻害しない程度の熱融
着によって、機械的強度を補うことが可能である。
【0027】本発明の電池用セパレータ(13)は、上
記(1)〜(12)記載の電池用セパレータにおいて、
少なくとも1不織布層間にネット状織物を介在させて多
層化された電池用セパレータであるが、ネット状織物を
介在させることで、容易に電池用セパレータの強度を向
上させることが可能である。このようなネット状織物を
介在させて一体化した多層化不織布に水流交絡処理を施
すことによって、より強度的に優れた電池用セパレータ
を得ることができる。
【0028】本発明の電池用セパレータ(14)では、
負極と接する層がフッ素系繊維を含有することによっ
て、正極側より低い親水性が要求されている負極側の層
の疎水性を高くすることが可能となる。
【0029】本発明の電池用セパレータ(15)では、
電池用セパレータ(5)または(6)において、親水化
処理が親水性基を有する単量体および/またはオリゴマ
ーをグラフト重合する処理である。グラフト重合は、繊
維表面の大部位に親水性基を容易に付着させることがで
きるとともに、該親水性基が電池内に遊離していくこと
がないので、長期間安定な親水性を保つことができ、ま
た電池を劣化させることがない。
【0030】本発明の電池用セパレータ(16)のよう
に、電池用セパレータ(15)では、イオン交換量が
0.02〜3.0meq/gであることが好ましい。こ
の範囲のイオン交換量では、電池用セパレータの電解液
に対する親和性、気体透過性、機械的用度が良好であ
る。
【0031】本発明の電池用セパレータ(18)では、
電池用セパレータ(1)〜(16)において、1不織布
層の坪量が1〜40g/m2である。本発明の電池用セ
パレータは、多層化不織布であるので、ひとつの不織布
層が低目付であっても十分な機械的強度を持たせること
ができる。
【0032】上記(1)〜(18)記載の電池用セパレ
ータは、機械的強度、親水性、耐アルカリ性、高い気体
透過性、正極側および負極側の親水性の差違等の性質を
有するので、本発明の電池(19)は、自己放電特性を
抑制することができ、また高容量等の優れた電池特性を
発現することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電池用セパレータは、2層以上の層から構成さ
れる多層化不織布である。本発明の電池用セパレータ
(1)では、多層化不織布を湿式法で製造するので、各
層を別々ではなく、1回で容易に製造することが可能で
ある。本発明の電池用セパレータ(6)に係わる第2の
不織布層も湿式法で製造される。
【0034】湿式法とは、不織布を構成する繊維、バイ
ンダー、添加物等を水に適当な濃度で分散した後、抄紙
して不織布を製造する方法である。丸網型、長網型、短
網型等の抄造装置があるが、各抄造装置の複合化によっ
て、紙の抄造と同様に多層化不織布を製造することが可
能である。
【0035】本発明の電池用セパレータ(2)および
(4)においては、少なくとも1層の不織布層の親水性
が他と異なるものとする。また、本発明の電池用セパレ
ータ(6)に係わる第1の不織布層の親水性は、第2の
不織布層の親水性より高い。ここでいう不織布層の親水
性とは、不織布の吸水性および保水性のことであり、電
解液の保持率で表すことができる。本発明の電池用セパ
レータ(17)のように、他の不織布層よりも親水性の
高い1不織布層とは、電解液保持率が他の不織布層より
50%以上大きい不織布層を言い、例えば、(イ)水酸
基、カルボン酸基、スルホン酸基、エステル基、エーテ
ル基等の水分子との親和性が高い置換基を含有している
繊維の含有量が他の不織布層よりも多い不織布層、
(ロ)分割複合型繊維等の比表面積の大きい微細繊維の
含有量が他の不織布層よりも多い不織布層、(ハ)異形
断面形状、空隙、枝分かれ構造、粗面構造等を有するこ
とで、繊維の比表面積の大きい繊維の含有量が他の不織
布層よりも多い不織布層、(ニ)界面活性剤、親水性樹
脂等の親水性付与剤が付着している繊維の含有量が他の
不織布層よりも多い不織布層、(ホ)繊度の小さい繊維
の含有量が多い不織布層等を挙げることができる。
(イ)に述べた水との親和性が高い置換基は、繊維を構
成するポリマーに元来含まれていても、グラフト処理、
スルホン化処理、フッ素処理、コロナ処理、プラズマ処
理等の後処理で繊維に生じたものでも、何れでも良い。
【0036】また、例えば他の不織布層よりも親水性の
低い不織布層とは、(い)アルキル基、フルオロアルキ
ル基、アリール基等の水分子との親和性が低い置換基を
含有している繊維の含有量が他の不織布層よりも多い不
織布層、(ろ)繊度の大きい繊維の含有量が他の不織布
層よりも多い不織布層、(は)撥水剤、フッ素樹脂等の
疎水性付与剤が付着している繊維の含有量が他の不織布
層よりも多い不織布層等をあげることができる。
【0037】本発明の電池用セパレータ(3)、(4)
および(7)に係わる水流交絡処理は、多層化不織布も
しくは多層化不織布を構成する層を積層して支持体上に
載せて、上方から水流を噴射して、多層化不織布もしく
は層を構成する繊維を3次元交絡させる。水流交絡処理
は、多層化不織布もしくは層の両面に施しても、片面に
のみ施しても何れでも良い。
【0038】水流を噴射するためのノズル径は、10〜
500μmの範囲が好ましい。ノズルの間隔は、10〜
15000μmが好ましい。これらのノズルは、多層化
不織布の坪量、繊維の種類、加工速度、水圧を考慮し
て、充分な交絡処理がなされるように、ノズルヘッドの
数を変更することができる。また、交絡回数も任意に選
択することができる。
【0039】水流交絡処理の水圧は10〜250kgf
/cm2の範囲で用いることが好ましい。10kgf/
cm2未満では、充分に繊維が交絡せず、電池用セパレ
ータとして必要な機械的強度が発現しない。また、25
0kgf/cm2を超えると、繊維の脱落によって、多
層化不織布の破損が生じる。
【0040】水流交絡処理の搬送速度は、5〜200m
/分の範囲から選ぶことができる。搬送速度が遅いと、
水流で不織布が破損する場合がある。また、生産効率上
好ましくない。搬送速度が速すぎると、交絡に必要なエ
ネルギーを与えることができないために、繊維の交絡お
よび多層化不織布の一体化が不十分なものとなる。
【0041】本発明の電池用セパレータ(4)に係わる
不織布層および本発明の電池用セパレータ(6)に係わ
る第1の不織布層は、カード法、エアレイ法、スパンボ
ンド法、メルトブロー法等の乾式法、湿式法等で製造す
ることができる。本発明の電池用セパレータ(6)に係
わる第1の不織布層は、乾式法がより好ましい。
【0042】本発明の電池用セパレータ(5)は、多層
化不織布が多層化された後に親水化処理を施されている
電池用セパレータである。このようなセパレータでは、
不織布層の繊維径や繊維の置換基、形状等を各層間で変
えて、不織布層の表面積を異なるものとしておくこと
で、親水化処理の程度を不織布層ごとに変えることがで
きる。親水化処理としては、スルホン化処理、フッ素処
理、グラフト処理、コロナ処理、プラズマ処理、界面活
性剤付与処理、樹脂コーティング処理等を上げることが
できる。
【0043】本発明の電池用セパレータに係わる多層化
不織布に用いることができる繊維としては、ポリエステ
ル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリビニ
ルアルコール系、ポリアクリロニトリル系、ポリアミド
系、再生繊維、半合成繊維、天然繊維、複合繊維、分割
繊維等が挙げられる。電池用セパレータに必要な耐アル
カリ性、耐酸化性を考慮すると、ポリオレフィン系繊維
を好ましく用いることができる。繊維の断面形状は特に
制限がなく、円形、楕円形、三角形、星形、T型、U
型、Y型、葉状等を用いることができる。また、繊維に
空隙を有するもの、枝分かれ構造を有するもの等を使用
することも可能である。
【0044】電池の小型化、薄型化のためには電池用セ
パレータは薄膜とすることが望ましい。本発明の電池用
セパレータ(9)のように、電池用セパレータを薄膜と
しても、微細繊維である分割複合型繊維を含有している
ことで、高い保液性を保持しておくことが容易となる。
【0045】本発明の電池用セパレータに係わる多層化
不織布に用いることができる繊維は、繊維径が1〜30
μmである。繊維径が1μmより小さいと、多層化不織
布が緻密になりすぎて、気体透過性が低くなる。逆に、
30μmよりも大きくなると、比表面積が低下し、保液
性が低下する。
【0046】本発明の電池用セパレータに係わる多層化
不織布に用いることができる繊維において、湿式法で不
織布層を製造する場合には、繊維長は1〜50mmが望
ましい。繊維長が50mmを超えると、不織布層を製造
する際に、繊維のもつれが生じ、均一な電池用セパレー
タが得られなくなる。
【0047】本発明の電池用セパレータ(11)に係わ
るミクロフィブリル化セルロースとは、結晶化度の高い
セルロース繊維を高度にフィブリル化した微小繊維であ
る。本発明に係わるミクロフィブリル化セルロースの製
造方法としては、機械的剪断力による方法、例えばビー
ター、コニカルリファイナー、シングルディスクリファ
イナー、ダブルディスクリファイナー等の各種叩解機を
用いる方法、高圧下で小径のオルフィスを通過させる方
法、特開昭63−256787号公報に記載されている
へベル付駆動軸でインペラーを回転させ繊維材料に衝撃
を加える方法、特開平4−194097号公報に記載さ
れているサンドミル等の微粉砕機を使用する方法、特開
平6−184975号公報に記載されているリング状粉
砕媒体による粉砕方法、特開平6−212587号公報
に記載されているメディア撹拌式粉砕器による粉砕方法
等を挙げることができる。
【0048】本発明の電池用セパレータ(11)に係わ
るミクロフィブリル化セルロースの原料としては、例え
ば広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラ
フトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ
(NBSP)等の化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サ
ーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ等の木
材パルプや、コットンパルプや麻、楮、雁皮、三椏等の
靭皮繊維パルプ等の非木材パルプ、再生セルロース繊維
等を用いることができる。
【0049】本発明の電池用セパレータ(11)に係わ
るミクロフィブリル化セルロースの含有量は、不織布の
全重量に対して、0.5〜30重量%が望ましい。ミク
ロフィブリル化セルロースの含有量が0.5重量%より
小さいと、不織布の強度と親水性が極端に低下する。ま
た、ミクロフィブリル化セルロースの含有量が30重量
%を超えると、不織布の通気性の低下をまねく。
【0050】本発明の電池用セパレータ(11)に係わ
るミクロフィブリル化セルロースとしては、上述の原料
を用いるものの他に、バクテリアセルロースをより好ま
しく用いることができる。バクテリアセルロースとは、
微生物によって製造されたセルロース繊維のことであ
り、セルロースおよび、セルロースを主鎖としたヘテロ
多糖を含むものおよびβ−1,3、β−1,2糖のグル
カンを含むものである。ヘテロ多糖の場合のセルロース
以外の構成成分はマンノース、フラクトース、ガラクト
ース、キシロース、アラビノース、ラムノース、グルク
ロン酸等の六炭糖、五炭糖および有機酸等である。な
お、これらの多糖は1種もしくは2種以上で存在してい
る。
【0051】バクテリアセルロースを生産するのに使用
されるセルロース生成菌は、特に限定されないが、例え
ば、BPR2001株に代表されるアセトバクター・キ
シリナム・サブスピーシーズ・シュクロファーメンタン
ス(Acetobacterxylinum subs
pecies sucrofermentans)、ア
セトバクター・キシリナム(Acetobacter
xylinum)ATCC23768、アセトバクター
・キシリナムATCC23769、アセトバクター・パ
スツリアヌス(Acetobacter pasteu
rianus)ATCC10245、アセトバクター・
キシリナムATCC11142およびアセトバクター・
キシリナムATCC10821等の酢酸菌(アセトバク
ター属)、アグロバクテリウム属、リゾビウム属、サル
シナ属、シュードモナス属、アクロモバクター属、アル
カリゲネス属、アエロバクター属、アゾトバクター属お
よびズーグレア属、およびこれらをNTG(ニトロソグ
アニジン)等を用いる方法によって変異処理することに
より創製される各種変異株である。
【0052】NTG等の変異剤を用いての化学的変異処
理方法としては、例えば、BioFactors,vo
l.1,p.297−302(1988)およびJ.G
en.Microbiol,vol.135,p.29
17−2929(1989)等に記載されている方法、
放射線照射法等がある。
【0053】バクテリアセルロースの培養に用いる培地
の組成物中、炭素源としてはシュクロース、グルコー
ス、フラクトース、マンニトール、ソルビトール、ガラ
クトース、マルトース、エリスリット、グリセリン、エ
チレングリコール、エタノール等を単独あるいは併用し
て使用することができる。さらにはこれらを含有する澱
粉水解物、シトラスモラセス、ビートモラセス、ビート
搾汁、サトウキビ搾汁、柑橘類をはじめとする果汁等を
シュクロースに加えて使用することもできる。また、窒
素源としては硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム等のアンモニウム塩、硝酸塩、尿素等
有機あるいは無機の窒素源を使用することができ、ある
いはBacto−Peptone、Bacto−Soy
tone、Yeast−Extract、豆濃などの含
窒素天然栄養源を使用しても良い。有機微量栄養素とし
てアミノ酸、ビタミン、脂肪酸、核酸、2,7,9−ト
リカルボキシ−1Hピロロ[2,3,5]−キノリン−
4,5−ジオン、亜硫酸パルプ廃液、リグニンスルホン
酸等を添加しても良い。
【0054】生育にアミノ酸等を要求する栄養要求性変
異株を使用する場合には、要求される栄養素を補填する
ことが必要である。無機塩類としてはリン酸塩、マグネ
シウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩、コバルト
塩、モリブデン酸塩、赤血塩、キレート金属類等が使用
できる。さらに、イノシトール、フィチン酸、ピロロキ
ノリンキノン、カルボン酸またはその塩、インベルター
ゼおよびメチオニン等のセルロース生成促進因子を適宜
培地に添加することもできる。
【0055】バクテリアセルロースの培養方法として
は、一般の細菌培養法を用いることができる。すなわ
ち、静置培養法、撹拌培養法、通気培養法、振盪培養
法、回分発酵法、流加回分発酵法、反復回分発酵法およ
び連続発酵法、あるいはこれらを組み合わせたもの等を
挙げることができる。具体的には、特開昭59−120
159号、同61−152296号、同61−2122
95号、同62−265990号、同62−17519
0号、同63−202394号、同62−36467
号、同63−74940、特開平3−174091号、
同5−51885号、同6−113873号、同6−2
06904号、同6−233691号、同7−3938
6号、同7−79769号、同7−107986号、同
7−118301号、同7−118303号、同9−2
5302号、特表昭62−500630号、特表平2−
500116号公報等に記載の方法を挙げることができ
る。
【0056】バクテリアセルロースの培養形式として
は、通気撹拌培養法が好ましい。通気撹拌培養法によっ
て、バクテリアセルロースの構造において、結晶化指数
が低下して非晶部が増加する。撹拌手段としては、例え
ばインペラー(撹拌羽根)、エアーリフト発酵法、発酵
ブロスのポンプ駆動循環、およびこれら手段の組み合わ
せを用いることができる。ここでいう通気では、例えば
空気等の酸素を含有する気体、もしくはアルゴンや窒素
等の酸素を含有しない気体のいずれを用いても良い。通
気は、例えば好気性のセルロース生成菌を用いた場合に
は酸素が必要であるが、嫌気性のセルロース生成菌を用
いた場合も、酸素を含有しない気体を通気することで、
培地の撹拌を効率よく行うことができる。
【0057】バクテリアセルロースは、上述の培養方法
で形成された後、遠心分離法または濾過法等によって培
地から分離される。バクテリアセルロースはセルロース
生産菌と一緒に回収しても良いが、セルロース生産菌や
他の不純物を除去しても良い。これら不純物を除去する
方法としては、水洗、加圧脱水、希酸洗浄、アルカリ洗
浄、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素などの漂白剤に
よる処理、リゾチーム等の生産菌溶解酵素による処理、
ラウリル硫酸ナトリウム、デオキシコール酸等の界面活
性剤による処理、常温から200℃の範囲の加熱洗浄等
を単独もしくは併用して用いることができる。
【0058】本発明の電池用セパレータ(15)に係わ
る多層化不織布に用いることができるネット状織物と
は、糸が網状組織を形成しているものである。網状組織
としては、重ね合わせた上下の縦糸間に横糸を挟み込ん
だ組織や上下交互に等間隔に配置した縦糸を挟んだ組織
等、種々の組織を用いることができる。このネット状織
物に用いることができる糸の密度は、0.1〜20本/
cmが好ましい。またネット状織物に用いることができ
る糸としては、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポ
リ塩化ビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリ
ロニトリル系、ポリアミド系の糸を挙げることができ
る。
【0059】本発明の電池用セパレータ(15)に係わ
る多層化不織布では、負極と接する不織布層がフッ素系
繊維を含有することで、負極側の不織布層に疎水性を容
易に発現することが可能である。
【0060】本発明の電池用セパレータ(15)では、
電池用セパレータ(5)または(6)において、親水化
処理としては、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、
エステル基、エーテル基等の水分子との親和性が高い親
水性基を有する単量体もしくはオリゴマーをグラフト重
合する処理が好ましい。
【0061】本発明の電池用セパレータ(15)に係わ
る親水性基を有する単量体としては、(メタ)アクリル
酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、
無水イタコン酸、(メタ)アクリル酸エステル、イタコ
ン酸モノエステル、マレイン酸モノエステル、フマル酸
モノエステル、アリルアルコール、酢酸ビニル、安息香
酸ビニル、スチレンスルホン酸、反応性界面活性剤等を
挙げることができる。
【0062】本発明の電池用セパレータ(15)に係わ
る親水性基を有する単量体として用いることができる
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリ
ル酸(ジ)エチレングリコール、(メタ)アクリル酸グ
リセロール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アク
リル酸メトキシポリプロピレングリコール、ジ(メタ)
アクリル酸(ジ)エチレングリコール、ジ(メタ)アク
リル酸グリセロール、ジ(メタ)アクリル酸メトキシポ
リエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸メトキシ
ポリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリ
グリセロール等を用いることができる。
【0063】本発明の電池用セパレータ(15)に係わ
る親水性基を有する単量体として用いることができる反
応性界面活性剤としては、特開昭54−144317
号、同55−98201号、同56−28208号、同
62−15202号、同62−34047号公報、特公
平5−75002号公報等記載の(メタ)アクリル系界
面活性剤、特開昭58−203960号、同60−78
947号、特開平4−50204号、同4−53802
号、特公昭49−46291号、特公平5−75001
号公報等記載のアリル系界面活性剤、特開昭49−40
388号、同50−98484号、同52−13465
8号、同62−22803号公報等記載のマレイン酸系
界面活性剤、特開昭49−40388号、同50−98
484号、特公昭46−34874号公報記載のイタコ
ン酸系界面活性剤等が挙げられる。
【0064】本発明の電池用セパレータ(15)に係わ
る親水性基を有するオリゴマーとしては、上記親水性基
を含有するエポキシアクリレート、エポキシ化アクリレ
ート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポ
リエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート等
を使用することができる。また、例えば「UV・EB硬
化ハンドブック−原料編−」(加藤清視編、1985年
発刊、高分子刊行会刊行)、「紫外線硬化システム」
(加藤清視編、1989年発刊、(株)総合技術センタ
ー刊行)等記載のオリゴマーを使用することができる。
【0065】本発明の電池用セパレータ(15)に係わ
るグラフト処理の方法としては、例えば単量体および/
またはオリゴマーと重合開始剤を含む溶液に不織布層ま
たは多層化不織布を浸漬した後に加熱する方法、不織布
層または多層化不織布に単量体および/またはオリゴマ
ーを塗布した後に放射線を照射する方法、不織布層また
は多層化不織布に放射線を照射した後に単量体および/
またはオリゴマーを接触させる方法、増感剤と単量体お
よび/またはオリゴマーを含む溶液に、不織布層または
多層化不織布を浸漬し、次いで紫外線を照射する方法が
あるが、紫外線によるグラフト重合が繊維を劣化させる
ことなく、効率的に不織布層または多層化不織布に親水
性を付与することができる。
【0066】上記紫外線グラフト重合に用いることがで
きる増感剤としては、ベンゾインブチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ジ
エトキシアセトフェノン、アシロキシムエステル、塩素
化アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、アシル
フォスフィンオキサイド等のアセトフェノン構造を持つ
増感剤、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジベンゾス
ベロン、2−エチルアンスラキノン、イソブチルチオキ
サンソン、ベンジル等のチオキザンソン構造を持つ増感
剤、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物、金属イオ
ン等が挙げられる。
【0067】紫外線グラフト重合は、脱酸素下で行われ
るのが好ましい。脱酸素下としては、窒素雰囲気下でも
良い。照射される紫外線は、200〜400nmの領域
の光で、増感剤がこの光を受けて励起し、不織布の繊維
を構成しているポリオレフィンから水素を引き抜き、ラ
ジカルを形成する。生成したラジカルは上述の単量体お
よび/またはオリゴマーと反応し、重合が開始される。
グラフト重合に寄与しなかった単量体および/またはオ
リゴマー、繊維に化学的に結合しなかったホモポリマー
は、重合後洗浄工程を経て除去されることが好ましい。
【0068】本発明の電池用セパレータ(18)のよう
に、本発明の電池用セパレータにおいては、1不織布層
の坪量は、好ましくは1〜40g/m2である。坪量が
40g/m2を超えると、電池の小型化に対応すること
ができなくなり、また1g/m2より小さい不織布層
は、製造工程上得ることが困難である。
【0069】本発明の電池用セパレータ(18)におい
て、1不織布層の坪量が小さくなると、例えば繊維径が
大きい場合には、不織布層が疎な構造となり、機械的強
度が低くなる場合がある。機械的強度を増すために、水
流交絡処理の前もしくは後に、電池用セパレータの気体
透過性を低くしない範囲で熱融着処理を施しても良い。
水流交絡処理の前に熱融着処理を施した場合には、水流
交絡処理の柱状水流による交絡痕によって気体透過性を
十分に持たせることが可能である。
【0070】上記のような熱融着処理を施すためには、
少なくとも1つの不織布層が熱融着性ポリオレフィン系
繊維を含有していることが適当である。熱融着性ポリオ
レフィン系繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維、アセテート繊維、ポリエステル系繊維、ポ
リビニルアルコール繊維や、これらの複合型繊維等を用
いることができる。
【0071】本発明の電池(19)は、本発明の電池用
セパレータ(1)〜(17)のいずれかを用いてなるも
のである。
【0072】
【実施例】以下、本発明を実施例で詳説するが、本発明
はその趣旨を超えない限り、下記実施例に限定されるも
のではない。
【0073】実施例1湿式法による多層化不織布の製造 親水基である水酸基を含有するポリプロピレンとエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体とからなる繊度3デニー
ル、繊維分割後0.2デニール、繊維長10mmの分割
型複合繊維97重量部をノニオン性界面活性剤1重量%
水溶液に含浸させたものと、バインダーである繊維長3
mmの熱水可溶性ポリビニルアルコール繊維(VPW1
03:クラレ製)3重量部とを、水中に投入し、高速ミ
キサーで3分間撹拌して繊維を離解させた後、往復回転
式撹拌機(アジター:島崎製作所製)を装着したチェス
ト内で緩やかに撹拌した。次いで速やかにポリアクリル
アミド0.1重量%水溶液(粘剤)を適宜添加し、引き
続き緩やかに撹拌して、均一なスラリー(a)を調製し
た。
【0074】芯成分であるポリプロピレンと鞘成分であ
るポリエチレンとからなる繊度1.5デニール、繊維長
10mmの芯鞘繊維97重量部をノニオン性界面活性剤
1重量%水溶液に含浸させたものと、バインダーである
繊維長3mmの熱水可溶性ポリビニルアルコール繊維
(VPW103:クラレ製)3重量部とを、水中に投入
し、高速ミキサーで3分間撹拌して繊維を離解させた
後、往復回転式撹拌機を装着したチェスト内で緩やかに
撹拌した。次いで速やかにポリアクリルアミド0.1重
量%水溶液を適宜添加し、引き続き緩やかに撹拌して、
均一なスラリー(b)を調製した。
【0075】上記スラリー(a)および(b)を用い
て、丸網抄紙機で、幅50cm、総坪量50g/cm2
の多層化不織布を湿式法によって製造した。スラリー
(a)から抄造された親水性を有する不織布層は坪量3
5g/cm2、スラリー(b)から抄造された不織布層
は坪量15g/cm2となるように、スラリー濃度を調
製した。
【0076】水流交絡処理 上記多層化不織布を100メッシュのステンレスワイヤ
ーである多孔質支持体上に搬送して、表1の条件を有す
る5つのノズルヘッドを用いて柱状水流により、両面に
交絡処理を施した。交絡の速度は20m/分で、交絡後
サクションドラムドライヤーで130℃で乾燥され、多
層化不織布Aが形成された。
【0077】
【表1】
【0078】不織布層の親水性 スラリー(a)を用いて、丸網抄紙機で、幅50cm、
35g/cm2の不織布を湿式法で製造した。また、ス
ラリー(b)を用いて、丸網抄紙機で、幅50cm、坪
量15g/cm2の不織布を湿式法によって製造した。
この2つの不織布を、各々、100メッシュのステンレ
スワイヤーである多孔質支持体上に搬送して、表1の条
件を有する5つのノズルヘッドを用いて柱状水流によ
り、両面に交絡処理を施した。交絡の速度は25m/分
で、交絡後サクションドラムドライヤーで130℃で乾
燥された。得られた不織布の電解液保持率を、後述の方
法で測定したところ、スラリー(a)を用いた不織布
は、377%、スラリー(b)を用いた不織布は220
%であり、スラリー(a)を用いた不織布の親水性が高
いことが確認された。
【0079】実施例2湿式法による多層化不織布の製造 親水基である水酸基を含有するポリプロピレンとエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体とからなる繊度3デニー
ル、繊維分割後0.2デニール、繊維長10mmの分割
型複合繊維99重量部をノニオン性界面活性剤1重量%
水溶液に含浸させたものと、バインダーであるバクテリ
アセルロース1.0重量%懸濁液100重量部とを、水
中に投入し、高速ミキサーで3分間撹拌して繊維を離解
させた後、往復回転式撹拌機(アジター:島崎製作所
製)を装着したチェスト内で緩やかに撹拌した。バクテ
リアセルロース懸濁液は、特開平6−250431号公
報の実施例(バクテリアセルロースの調製例)に記載の
方法で調製した。次いで速やかにポリアクリルアミド
0.1重量%水溶液(粘剤)を適宜添加し、引き続き緩
やかに撹拌して、均一なスラリー(c)を調製した。
【0080】疎水性であるフッ素系繊維98重量部をノ
ニオン性界面活性剤1重量%水溶液に含浸させたもの
と、上記方法で懸濁したバクテリアセルロース(バイン
ダー)1.0重量%懸濁液200重量部とを、水中に投
入し、高速ミキサーで3分間撹拌して繊維を離解させた
後、往復回転式撹拌機を装着したチェスト内で緩やかに
撹拌した。次いで速やかにポリアクリルアミド0.1重
量%水溶液を適宜添加し、引き続き緩やかに撹拌して、
均一なスラリー(d)を調製した。
【0081】上記スラリー(c)およびスラリー(d)
を用いて、丸網抄紙機で、幅50cm、総坪量50g/
cm2の多層化不織布を湿式法によって製造した。スラ
リー(c)から抄造された親水性を有する不織布層は坪
量35g/cm2、スラリー(d)から抄造された不織
布層は坪量15g/cm2となるように、スラリー濃度
を調製した。
【0082】水流交絡処理 上記多層化不織布を100メッシュのステンレスワイヤ
ーである多孔質支持体上に搬送して、表1の条件を有す
る5つのノズルヘッドを用いて柱状水流により、両面に
交絡処理を施した。交絡の速度は20m/分で、交絡後
サクションドラムドライヤーで130℃で乾燥され、多
層化不織布Bが形成された。
【0083】不織布層の親水性 スラリー(c)を用いて、丸網抄紙機で、幅50cm、
35g/cm2の不織布を湿式法によって製造した。ま
た、スラリー(b)を用いて、丸網抄紙機で、幅50c
m、坪量15g/cm2の不織布を湿式法で製造した。
この2つの不織布を、各々、100メッシュのステンレ
スワイヤーである多孔質支持体上に搬送して、表1の条
件を有する5つのノズルヘッドを用いて柱状水流によ
り、両面に交絡処理を施した。交絡の速度は25m/分
で、交絡後サクションドラムドライヤーで130℃で乾
燥された。得られた不織布の電解液保持率を、後述の方
法で測定したところ、スラリー(c)を用いた不織布
は、368%、スラリー(d)を用いた不織布は105
%であり、スラリー(c)を用いた不織布の親水性が高
いことが確認された。
【0084】実施例3湿式法による多層化不織布の製造 ポリプロピレンからなる繊度0.7デニール、繊維長1
0mmの繊維98重量部をノニオン性界面活性剤1重量
%水溶液に含浸させたものと、バインダーであるバクテ
リアセルロース1.0重量%懸濁液200重量部とを、
水中に投入し、高速ミキサーで3分間撹拌して繊維を離
解させた後、往復回転式撹拌機を装着したチェスト内で
緩やかに撹拌した。次いで速やかにポリアクリルアミド
0.1重量%水溶液を適宜添加し、引き続き緩やかに撹
拌して、均一なスラリー(e)を調製した。
【0085】実施例2で調製したスラリー(c)および
上記スラリー(e)を用いて、丸網抄紙機および長網抄
紙機で、層間にネット状織物(クラネットVK070
7:クラレ製)を挟みながら、幅50cm、総坪量50
g/cm2の多層化不織布を湿式法で製造した。スラリ
ー(c)から抄造された親水性を有する不織布層は坪量
40g/cm2、スラリー(e)から抄造された不織布
層は坪量10g/cm2となるように、スラリー濃度を
調製した。
【0086】水流交絡処理 上記多層化不織布を100メッシュのステンレスワイヤ
ーである多孔質支持体上に搬送して、表1の条件を有す
る5つのノズルヘッドを用いて柱状水流により、両面に
交絡処理を施した。交絡の速度は20m/分で、交絡後
サクションドラムドライヤーで130℃で乾燥され、多
層化不織布Cが形成された。
【0087】不織布層の親水性 スラリー(c)を用いて、丸網抄紙機で、幅50cm、
40g/cm2の不織布を湿式法で製造した。また、ス
ラリー(e)を用いて、丸網抄紙機で、幅50cm、坪
量10g/cm2の不織布を湿式法で製造した。この2
つの不織布を、各々、100メッシュのステンレスワイ
ヤーである多孔質支持体上に搬送して、表1の条件を有
する5つのノズルヘッドを用いて柱状水流により、両面
に交絡処理を施した。交絡の速度は25m/分で、交絡
後サクションドラムドライヤーで130℃で乾燥され
た。得られた不織布の電解液保持率を、後述の方法で測
定したところ、スラリー(c)を用いた不織布は、37
4%、スラリー(e)を用いた不織布は168%であ
り、スラリー(c)を用いた不織布の親水性が高いこと
が確認された。
【0088】実施例4親水化処理 実施例1で製造した多層化不織布Aを、ポリオキシエチ
レンアルキルプロペニルフェニルエーテル(NE−1
0:旭電化製)1重量部、アクリル酸50重量部、ベン
ゾフェノン0.5重量部、イオン交換水49重量部から
なる処理液に浸漬した後、脱酸素下で低圧水銀灯を使用
して185nmおよび254nmの低波長紫外線を1分
間照射し、次いでイオン交換水を用いて洗浄処理を行
い、グラフト重合による親水化処理を施した多層化不織
布Dを得た。多層化不織布Dのグラフト率は、22%で
あった。
【0089】実施例5親水性不織布層の製造 平均繊維径7μm、平均繊維長15mm、坪量50g/
2のポリプロピレン繊維からなる乾式不織布を、ポリ
オキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル
(NE−10:旭電化製)1重量部、アクリル酸50重
量部、ベンゾフェノン0.5重量部、イオン交換水49
重量部からなる処理液に浸漬した後、脱酸素下で低圧水
銀灯を使用して185nmおよび254nmの低波長紫
外線を1分間照射し、次いでアセトンおよびイオン交換
水を用いて順次洗浄処理を行って、未反応モノマー、ホ
モポリマーを除去した。続いて60℃で熱風乾燥して、
グラフト重合による親水化処理を施した親水性不織布層
を得た。この親水性不織布層のグラフト率は、15%で
あった。また、この親水性不織布層の電解液保持率を後
述の方法で、測定したところ382%であった。
【0090】水流交絡処理による多層化不織布の製造 平均繊維径7μm、平均繊維長15mm、坪量50g/
2、電解液保持率153%のポリプロピレン繊維から
なる乾式不織布層と上記親水性不織布層を積層して、1
00メッシュのステンレスワイヤーである多孔質支持体
上に搬送して、表1の条件を有する5つのノズルヘッド
を用いて柱状水流により、両面に交絡処理を施した。交
絡の速度は10m/分で、交絡後サクションドラムドラ
イヤーで130℃で乾燥され、多層化不織布Eが形成さ
れた。
【0091】実施例6湿式法による親水性不織布層の製造 親水基である水酸基を含有するポリプロピレンとエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体とからなる繊度3デニー
ル、繊維分割後0.2デニール、繊維長10mmの分割
型複合繊維97重量部をノニオン性界面活性剤1重量%
水溶液に含浸させたものと、バインダーである繊維長3
mmの熱水可溶性ポリビニルアルコール繊維(VPW1
03:クラレ製)3重量部とを、水中に投入し、高速ミ
キサーで3分間撹拌して繊維を離解させた後、往復回転
式撹拌機(アジター:島崎製作所製)を装着したチェス
ト内で緩やかに撹拌した。次いで速やかにポリアクリル
アミド0.1重量%水溶液(粘剤)を適宜添加し、引き
続き緩やかに撹拌して、均一なスラリーを調製した。該
スラリーで、丸網抄紙機を用いて湿式法により親水性不
織布層を製造した。この親水性不織布層の坪量は45g
/m2であった。また、この親水性不織布層の電解液保
持率は、387%であった。
【0092】水流交絡処理による多層化不織布の製造 この親水性不織布層と、平均繊維径7μm、平均繊維長
15mm、坪量50g/m2、電解液保持率153%の
ポリプロピレン繊維からなる乾式不織布層と上記親水性
不織布層とを積層して、100メッシュのステンレスワ
イヤーである多孔質支持体上に搬送して、表1の条件を
有する5つのノズルヘッドを用いて柱状水流により、両
面に交絡処理を施した。交絡の速度は10m/分で、交
絡後サクションドラムドライヤーで130℃で乾燥さ
れ、多層化不織布Fが形成された。
【0093】実施例7親水化処理 多層化不織布Fの両面に、電極20mm×600mm、
誘電体ハイパロン3.2mmを用い、片面当たりの層エ
ネルギーが17.5kW分/m2となる条件で、コロナ
放電による親水化処理を行い。多層化不織布Gを得た。
【0094】実施例8親水性不織布層の製造 平均繊維径7μm、平均繊維長15mm、坪量50g/
2のポリプロピレン繊維からなる乾式不織布を、ポリ
オキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル
(NE−10:旭電化製)1重量部、アクリル酸30重
量部、ベンゾフェノン0.5重量部、イオン交換水69
重量部からなる処理液に浸漬した後、脱酸素下で低圧水
銀灯を使用して185nmおよび254nmの低波長紫
外線を1分間照射し、次いでアセトンおよびイオン交換
水を用いて順次洗浄処理を行って、未反応モノマー、ホ
モポリマーを除去した。続いて60℃で熱風乾燥して、
グラフト重合による親水化処理を施した親水性不織布層
を得た。この親水性不織布層のグラフト率は、8%であ
った。また、この親水性不織布の電解液保持率は、36
3%であった。
【0095】水流交絡処理による多層化不織布の製造 この親水性不織布層と、平均繊維径7μm、平均繊維長
15mm、坪量50g/m2、電解液保持率153%の
ポリプロピレン繊維からなる乾式不織布層とネット状織
物(クラネットVK0707:クラレ製)と上記親水性
不織布層を順に積層して、100メッシュのステンレス
ワイヤーである多孔質支持体上に搬送して、表1の条件
を有する5つのノズルヘッドを用いて柱状水流により、
両面に交絡処理を施した。交絡の速度は10m/分で、
交絡後サクションドラムドライヤーで130℃で乾燥さ
れ、多層化不織布Hが形成された。
【0096】実施例9湿式法による親水性不織布層の製造 親水基である水酸基を含有するポリプロピレンとエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体とからなる繊度3デニー
ル、繊維分割後0.2デニール、繊維長10mmの分割
型複合繊維97重量部をノニオン性界面活性剤1重量%
水溶液に含浸させたものと、バインダーである繊維長3
mmの熱水可溶性ポリビニルアルコール繊維(VPW1
03:クラレ製)3重量部とを、水中に投入し、高速ミ
キサーで3分間撹拌して繊維を離解させた後、往復回転
式撹拌機(アジター:島崎製作所製)を装着したチェス
ト内で緩やかに撹拌した。次いで速やかにポリアクリル
アミド0.1重量%水溶液(粘剤)を適宜添加し、引き
続き緩やかに撹拌して、均一なスラリーを調製した。該
スラリーで、丸網抄紙機を用いて湿式法により親水性不
織布層を製造した。この親水性不織布層の坪量は45g
/m2であった。
【0097】湿式法による疎水性不織布層の製造 疎水性であるフッ素系繊維98重量部をノニオン性界面
活性剤1重量%水溶液に含浸させたものと、上記方法で
懸濁したバクテリアセルロース(バインダー)1.0重
量%懸濁液200重量部とを、水中に投入し、高速ミキ
サーで3分間撹拌して繊維を離解させた後、往復回転式
撹拌機を装着したチェスト内で緩やかに撹拌した。次い
で速やかにポリアクリルアミド0.1重量%水溶液を適
宜添加し、引き続き緩やかに撹拌して、均一なスラリー
を調製した。このスラリーを用いて、丸網抄紙機で、幅
50cm、坪量20g/cm2の疎水性不織布層を湿式
法により製造した。
【0098】水流交絡処理による多層化不織布の製造 上記親水性不織布層と多層化不織布層とを、100メッ
シュのステンレスワイヤーである多孔質支持体上に搬送
して、表1の条件を有する5つのノズルヘッドを用いて
柱状水流により、両面に交絡処理を施した。交絡の速度
は10m/分で、交絡後サクションドラムドライヤーで
130℃で乾燥され、多層化不織布Iが形成された。
【0099】不織布層の親水性 上記親水性不織布層と疎水性不織布層を、各々、100
メッシュのステンレスワイヤーである多孔質支持体上に
搬送して、表1の条件を有する5つのノズルヘッドを用
いて柱状水流により、両面に交絡処理を施した。交絡の
速度は25m/分で、交絡後サクションドラムドライヤ
ーで130℃で乾燥された。得られた不織布層の電解液
保持率を、後述の方法で測定したところ、親水性不織布
層は、364%、疎水性不織布層は112%であり、親
水性不織布層の親水性が高いことが確認された。
【0100】実施例10親水化処理 多層化不織布Iを0.1%ノニオン性界面活性剤溶液に
浸漬し、絞液および乾燥した後、両面に、電極20mm
×600mm、誘電体ハイパロン3.2mmを用い、片
面当たりの層エネルギーが17.5kW分/m2となる
条件で、コロナ放電による親水化処理を行い。多層化不
織布Jを得た。
【0101】実施例11第1の不織布層の作製 平均繊維径7μm、平均繊維長15mm、坪量50g/
2のポリプロピレン繊維からなる乾式不織布を、ポリ
オキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル
(NE−10:旭電化製)1重量部、アクリル酸50重
量部、ベンゾフェノン0.5重量部、イオン交換水49
重量部からなる処理液に浸漬した後、脱酸素下で低圧水
銀灯を使用して185nmおよび254nmの低波長紫
外線を1分間照射し、次いでアセトンおよびイオン交換
水を用いて順次洗浄処理を行って、未反応モノマー、ホ
モポリマーを除去した。続いて60℃で熱風乾燥して、
グラフト重合による親水化処理を施した第1の不織布層
を得た。この第1の不織布層のグラフト率は、15%で
あった。また、この第1の不織布層の電解液保持率を後
述の方法で、測定したところ377%であった。
【0102】第2の不織布層の作製 ポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体
とからなる繊度3デニール、繊維分割後0.2デニー
ル、繊維長10mmの分割型複合繊維80重量部、芯成
分であるポリプロピレンと鞘成分であるポリエチレンと
からなる繊度1.5デニール、繊維長10mmの芯鞘繊
維19重量部をノニオン性界面活性剤1重量%水溶液に
含浸させたものと、バインダーであるバクテリアセルロ
ース1.0重量%懸濁液100重量部とを、水中に投入
し、高速ミキサーで3分間撹拌して繊維を離解させた
後、往復回転式撹拌機(アジター:島崎製作所製)を装
着したチェスト内で緩やかに撹拌した。バクテリアセル
ロース懸濁液は、特開平6−250431号公報の実施
例(バクテリアセルロースの調製例)に記載の方法で調
製した。次いで速やかにポリアクリルアミド0.1重量
%水溶液(粘剤)を適宜添加し、引き続き緩やかに撹拌
して、均一なスラリーを調製した。該スラリーで、丸網
抄紙機を用いて湿式法により第2の不織布層を製造し
た。この第2の不織布層の坪量は15g/m2であっ
た。また、電解液保持率は、289%であった。
【0103】第1および第2の不織布層の一体化 第1の不織布層と第2の不織布層とを積層して、100
メッシュステンレスワイヤーである多孔質支持体上に搬
送して、表1の条件を有する5つのノズルヘッドを用い
て、柱状水流により、両面に交絡処理を施した。交絡の
速度は10m/分で、交絡後サクションドラムドライヤ
ーで130℃で乾燥され、多層化不織布Kを得た。
【0104】実施例12第1の不織布層の作製 平均繊維径7μm、平均繊維長15mm、坪量40g/
2のポリプロピレン繊維からなる乾式不織布を、ポリ
オキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル
(NE−10:旭電化製)1重量部、アクリル酸30重
量部、ベンゾフェノン0.5重量部、イオン交換水69
重量部からなる処理液に浸漬した後、脱酸素下で低圧水
銀灯を使用して185nmおよび254nmの低波長紫
外線を1分間照射し、次いでアセトンおよびイオン交換
水を用いて順次洗浄処理を行って、未反応モノマー、ホ
モポリマーを除去した。続いて60℃で熱風乾燥して、
グラフト重合による親水化処理を施した第1の不織布層
を得た。この第1の不織布層のグラフト率は、9%であ
った。また、この第1の不織布層の電解液保持率を後述
の方法で、測定したところ358%であった。
【0105】第2の不織布層の作製 ポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体
とからなる繊度3デニール、繊維分割後0.2デニー
ル、繊維長10mmの分割型複合繊維80重量部、芯成
分であるポリプロピレンと鞘成分であるポリエチレンと
からなる繊度1.5デニール、繊維長10mmの芯鞘繊
維19重量部をノニオン性界面活性剤1重量%水溶液に
含浸させたものと、バインダーである繊維長3mmの熱
水可溶性ポリビニルアルコール(VPW103:クラレ
製)3重量部とを、水中に投入し、高速ミキサーで3分
間撹拌して繊維を離解させた後、往復回転式撹拌機(ア
ジター:島崎製作所製)を装着したチェスト内で緩やか
に撹拌した。次いで速やかにポリアクリルアミド0.1
重量%水溶液(粘剤)を適宜添加し、引き続き緩やかに
撹拌して、均一なスラリーを調製した。該スラリーで、
丸網抄紙機を用いて湿式法により第2の不織布層を製造
した。この第2の不織布層の坪量は20g/m2であっ
た。また、電解液保持率は、290%であった。
【0106】第1および第2の不織布層の一体化 第1の不織布層と第2の不織布層とを積層して、100
メッシュステンレスワイヤーである多孔質支持体上に搬
送して、表1の条件を有する5つのノズルヘッドを用い
て、柱状水流により、両面に交絡処理を施した。交絡の
速度は10m/分で、交絡後サクションドラムドライヤ
ーで130℃で乾燥され、不織布Lを得た。
【0107】実施例13第1の不織布層の作製 芯成分であるポリプロピレンと鞘成分であるポリエチレ
ンとからなる繊度1.5デニール、繊維長20mmの芯
鞘繊維からなる乾式不織布(坪量40g/m2)を、ポ
リオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル
(NE−10:旭電化製)1重量部、アクリル酸30重
量部、ベンゾフェノン0.5重量部、イオン交換水69
重量部からなる処理液に浸漬した後、脱酸素下で低圧水
銀灯を使用して185nmおよび254nmの低波長紫
外線を1分間照射し、次いでアセトンおよびイオン交換
水を用いて順次洗浄処理を行って、未反応モノマー、ホ
モポリマーを除去した。続いて60℃で熱風乾燥して、
グラフト重合による親水化処理を施した第1の不織布層
を得た。この第1の不織布層のグラフト率は、12%で
あった。また、この第1の不織布層の電解液保持率を後
述の方法で、測定したところ361%であった。
【0108】第2の不織布層の作製 ポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体
とからなる繊度3デニール、繊維分割後0.2デニー
ル、繊維長10mmの分割型複合繊維70重量部、芯成
分であるポリプロピレンと鞘成分であるポリエチレンと
からなる繊度1.5デニール、繊維長10mmの芯鞘繊
維29重量部をノニオン性界面活性剤1重量%水溶液に
含浸させたものと、バインダーである繊維長3mmの熱
水可溶性ポリビニルアルコール(VPW103:クラレ
製)3重量部とを、水中に投入し、高速ミキサーで3分
間撹拌して繊維を離解させた後、往復回転式撹拌機(ア
ジター:島崎製作所製)を装着したチェスト内で緩やか
に撹拌した。次いで速やかにポリアクリルアミド0.1
重量%水溶液(粘剤)を適宜添加し、引き続き緩やかに
撹拌して、均一なスラリーを調製した。該スラリーで、
丸網抄紙機を用いて湿式法により第2の不織布層を製造
した。この第2の不織布層の坪量は17g/m2であっ
た。また、電解液保持率は、258%であった。
【0109】第1および第2の不織布層の一体化 第1の不織布層と第2の不織布層とを積層して、100
メッシュステンレスワイヤーである多孔質支持体上に搬
送して、表1の条件を有する5つのノズルヘッドを用い
て、柱状水流により、両面に交絡処理を施した。交絡の
速度は10m/分で、交絡後、サクションドラムドライ
ヤーで140℃で乾燥され、不織布Mを得た。第1の不
織布層がドライヤーと接するようにし、第1の不織布層
の表層部分を熱融着させた。
【0110】比較例1 平均繊維径7μm、平均繊維長15mm、坪量50g/
2のポリプロピレン繊維からなる乾式不織布と、平均
繊維径15μm、平均繊維長15mm、坪量25g/m
2のポリプロピレン繊維からなる乾式不織布とを積層し
て、150℃、30kg/cm2のカレンダーロールで
圧接し、熱融着のみによって一体化された多層化不織布
Xを得た。
【0111】多層化不織布A〜MおよびXの電池セパレ
ータ特性評価 多層化不織布A〜MおよびXについて、次の特性の評価
を行い、その結果を表2〜表4にまとめた。
【0112】(i)電解液吸液速度:各多層化不織布か
ら2.5×18cmの試験片を採取し、40±5℃の下
に予備乾燥を行い、公定水分率以下にした後、試験片を
標準温湿度状態の試験室に放置し、その後試験片を1時
間以上の間隔で計量し、その前後の質量差が後の質量の
0.1%以内になった状態(水分平衡状態)とする。次
に試験片を20±2℃における比重1.3の水酸化カリ
ウム溶液を入れた水槽上に所定高さの水平棒に下端を揃
えて留めて垂れ下げ、水平棒を降下させて各試験片の下
端が5cmだけ液中に浸かった状態となし、30分後に
毛細管現象により水酸化カリウム溶液が上昇した高さを
測定した。
【0113】(ii)電解液保持率:各多層化不織布から
10×10cmの大きさの試験片を採取し、水分平衡状
態となしたときの重量をW(g)とする。次に、上記水
酸化カリウム溶液中に試験片を広げて浸漬し、1時間以
上放置した後、液中から取りだして試験片の一つの角を
吊り下げ、10分後に重量W1を測定し、次の式数2よ
り電解液保持率(%)を算出した。
【0114】
【数2】 電解液保持率(%)=[(W1−W)/W]×100
【0115】(iii)減量率:各多層化不織布から10
cm×10cmの大きさの試験片を3枚採取し、水分平
衡状態となしたときの重量W(mg)を測定した後、電
解液に相当する30%濃度の水酸化カリウム溶液に浸漬
して、80±2℃の雰囲気中で7日間保存する。その後
取り出した試料を中和点に達するまで水洗乾燥し、再度
水分平衡状態となしたときの重量W2(mg)を測定
し、次式数3より減量率(%)を求めた。
【0116】
【数3】減量率(%)=[(W2−W)/W]×100
【0117】(iv)通気度:正極側から発生する酸素が
電池用セパレータを経て負極側への透過するしやすさの
評価として、フラジール通気度(cc/cm2/se
c)を測定した。フラジール通気度は、JIS−L−1
096により、フラジール型通気度試験機を用いて、試
験片を通過する空気量を5回測定し、その平均値を示し
た。
【0118】(v)引張強度:電極板に巻き付ける際
に、流れ方向に引っ張りながら巻き付けるために必要な
強度と、不織布製造時の取扱性の目安として、縦(抄造
流れ方向)の引張強度(kg/2cm幅)を測定した。
引張強度は、JIS−P−8113により、各多層化不
織布を幅2cm、長さ20cmに裁断し、テンシロン測
定機(オリエンテック社製;HTM−100)を用い
て、破断時の荷重を10回測定し、その平均値を示し
た。
【0119】(vi)電池自己放電特性:正極として発泡
式ニッケル極を、負極として水素吸蔵合金を、電解液と
して比重1.3の水酸化カリウム溶液を、セパレータと
して多層化不織布を各々用いて、ニッケル−水素電池を
作製した。これらの電池を1Cで120%定電流充電し
た後、電池電圧が1.0Vになるまで1Cで定電流放電
し、初期放電容量V1を測定した。次いで、1Cで12
0%定電流充電した状態で60℃の恒温槽に3日間放置
した後、1Cで定電流放電し、放電容量V2を測定し、
次式数4より、容量保存率(%)を求めた。
【0120】
【数4】容量保存率(%)=(V2/V1)×100
【0121】(vii)イオン交換量:各多層化不織布か
ら、1gの試験片を採取し、1NのHCl溶液に、70
℃で1時間含浸した後、イオン交換水でpHが6〜7に
なるまで数回洗浄した。次いで、90℃の送風乾燥機で
2時間乾燥し、室温まで冷却した後の試験片の重量W2
を0.01mgまで測定した。重量測定後の試験片を
0.01NのKOH溶液約110gに、70℃で1時間
含浸した後、試験片を取り出し、溶液を室温まで冷却し
た。冷却後の溶液約100gを0.01gまで量り取り
(S1)、pH計(堀場製作所製)を用いて、0.02
NのHCl溶液で中和滴定した。ブランク溶液も同様に
滴定し、次式数5より、カリウムイオン交換量を算出し
た。このイオン交換量を不純物捕捉能の指標とした。
【0122】
【数5】
【0123】
【表2】
【0124】
【表3】
【0125】
【表4】
【0126】実施例1〜4では、湿式法によって多層化
不織布を同時に且つ容易に抄造することができた。
【0127】多層化不織布A〜Jは、正極側の不織布層
に親水性基を有する繊維が含まれているために、正極側
の不織布層の親水性が負極側の不織布層の親水性よりも
高くなっている。特に、多層化不織布B、IおよびJ
は、負極と接する層がフッ素系繊維を含有することによ
って、負極側の親水性をより低くなっている。また、多
層化不織布K〜Mは、正極側に配置した第1の不織布層
が親水化処理を施されているために、正極側の第1不織
布層の親水性が負極側の第2の不織布層の親水性よりも
高くなっている。したがって、多層化不織布A〜Mを用
いた電池では、比較例で得られた親水性基含有繊維を含
まない多層化不織布Xと比較して、自己放電反応を抑制
することができた。
【0128】多層化不織布A〜Dは、湿式法で製造され
た多層化不織布が水流交絡処理を施されており、多層化
不織布E〜Jは、湿式法または乾式法で製造された各々
の不織布層を水流交絡処理によって一体化されている。
また、多層化不織布K〜Mは、水流交絡処理によって第
1の不織布層と第2の不織布層が一体化されている。し
たがって、これらの不織布は、接着剤等を用いることが
無く、また比較例の多層化不織布Xのように、熱接着に
よる繊維の融着等もないので、良好な気体透過性を示し
た。さらに、多層化不織布Mは、第1の不織布層の表層
部分における熱融着によって、高い機械的強度を示し
た。
【0129】多層化不織布CおよびHは、不織布層間に
ネット状織物が挟まれた多層化不織布であるので、他の
多層化不織布よりも優れた機械的強度を示した。
【0130】多層化不織布D、G、Jは、各々多層化不
織布A、F、Iに親水化処理を施した不織布であるた
め、電解液に対する親和性が非常に優れており、高い吸
液速度と保液性を示した。
【0131】親水化処理として、グラフト処理を施した
多層化不織布D、E、H、K〜Mを用いた電池は、他の
親水化処理を施した多層化不織布G、Jを用いた電池よ
りも、自己放電反応が抑制されることが確認された。
【0132】多層化不織布A〜D、F、G、IおよびJ
〜Mは、少なくとも1不織布層が微細な分割型複合繊維
を含有するので、高い電解液の保液性示すことが確認さ
れた。
【0133】多層化不織布B、C、Kは少なくとも1不
織布層のバインダーとしてミクロフィブリル化セルロー
スの一種であるバクテリアセルロースを含有しているの
で、熱可溶性ポリビニルアルコールを用いた多層化不織
布A、F、G、LおよびMより、電解液への有機不純物
の遊離が少なかった。
【0134】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明の電池用セ
パレータは、多層化不織布であるので、正極側および負
極側の性質を容易に変えることができ、正極側の親水性
を負極側より高くすることができる。したがって、本発
明の電池用セパレータを用いた電池では、アルカリ二次
電池の過充電時に発生する酸素ガスを速やかに負極で吸
収して、電池の内部圧力が上昇することがなく、また特
にニッケル−水素電池で問題となっている高温保存時の
水素吸蔵合金から発生する水素が原因となって起こる自
己放電反応を抑制することが可能である。また、湿式法
で多層化不織布を製造することで、容易に電池用セパレ
ータを製造することが可能である。さらに、水流交絡処
理を電池用セパレータに施すことで、接着剤等を使用す
ることなく、また熱融着を行うことなく、力学的強度の
優れた電池用セパレータを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D04H 3/10 D04H 3/10 B D06M 14/10 D06M 14/10 H01M 10/30 H01M 10/30 Z

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2層以上の不織布層から構成され、かつ
    湿式法で製造された多層化不織布からなることを特徴と
    する電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 少なくとも1層の不織布層の親水性が他
    層と異なる多層化不織布であることを特徴とする請求項
    1記載の電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 多層化不織布が水流交絡処理を施されて
    いることを特徴とする請求項1または2記載の電池用セ
    パレータ。
  4. 【請求項4】 少なくとも1層の不織布層の親水性が他
    層と異なる、2層以上の不織布層が水流交絡処理によっ
    て一体化された多層化不織布からなることを特徴とする
    電池用セパレータ。
  5. 【請求項5】 多層化不織布が親水化処理を施されてい
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の電池
    用セパレータ。
  6. 【請求項6】 親水性化処理を施された第1の不織布層
    と湿式法によって製造された第2の不織布層とを一体化
    した多層化不織布であることを特徴とする電池用セパレ
    ータ。
  7. 【請求項7】 第1の不織布層と第2の不織布層とを水
    流交絡処理によって一体化した多層化不織布であること
    を特徴とする請求項6記載の電池用セパレータ。
  8. 【請求項8】 第1の不織布層が乾式法によって製造さ
    れたことを特徴とする請求項6または7記載の電池用セ
    パレータ。
  9. 【請求項9】 少なくとも1層の不織布層が分割型複合
    繊維を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    か記載の電池用セパレータ。
  10. 【請求項10】 少なくとも1層の不織布層がバクテリ
    アセルロースを含有していることを特徴とする請求項1
    〜9のいずれか記載の電池用セパレータ。
  11. 【請求項11】 少なくとも1層の不織布層がミクロフ
    ィブリル化セルロースを含有していることを特徴とする
    請求項1〜10のいずれか記載の電池用セパレータ。
  12. 【請求項12】 少なくとも1層の不織布層が熱融着性
    ポリオレフィン系繊維を含有していることを特徴とする
    請求項1〜11のいずれか記載の電池用セパレータ。
  13. 【請求項13】 少なくとも1不織布層間に、ネット状
    織物を介在させて多層化されていることを特徴とする請
    求項1〜12のいずれか記載の電池用セパレータ。
  14. 【請求項14】 負極と接する不織布層がフッ素系繊維
    を含有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか
    記載の電池用セパレータ。
  15. 【請求項15】 親水化処理が親水性基を有する単量体
    および/またはオリゴマーをグラフト重合する処理であ
    ることを特徴とする請求項5または6記載の電池用セパ
    レータ。
  16. 【請求項16】 イオン交換量が0.02〜3.0me
    q/gであることを特徴とする請求項15記載の電池用
    セパレータ。
  17. 【請求項17】 1不織布層の電解液保持率が他の不織
    布層の電解液保持率より50%以上大きい多層化不織布
    であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか記載
    の電池用セパレータ。
  18. 【請求項18】 1不織布層の坪量が1〜40g/m2
    であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか記載
    の電池用セパレータ。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれか記載の電池
    用セパレータを用いることを特徴とする電池。
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