JPH11514601A - コンパクトディスクの射出成形 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 注入したプラスチックによって予め定められた時間（又は距離）型空洞を部分的に再び開かせ、然る後、型をその最終的形態へ閉じさせることを含めた、型空洞中へ溶融プラスチックを射出する間及びその後の臨界的一連の工程を用いて、０．６ｍｍの非常に小さな厚さのコンパクトディスクを射出成形する方法。

Description

【発明の詳細な説明】 コンパクトディスクの射出成形 〔技術分野〕 本発明は、射出成形法によりコンパクトディスクを製造する方法に関する。 〔背景技術〕 本発明は、０．６ｍｍ厚の光ディスクを射出成形することに関する。詳しくは 、独特の方法で射出成形機操作を行い、ブランク又は情報側ディスクに積層する のに適した０．６ｍｍ光ディスクを製造する。 射出成形法及び装置は当分野で知られている。一般に射出成形は、溶融物質（ 通常重合体）を空洞中に射出し、冷却後、その空洞の形態の形にする複製法とし て記述することができる。射出成形は、１．２ｍｍ厚の光ディスクを大量生産す るのに用いられてきた。 １．２ｍｍの光ディスクを射出成形することにより大量生産するために用いら れている方法は、得られる製品の品質が適切でなく、それらの工程が遅いため、 ０．６ｍｍディスクには適していない。そのようなディスクの品質に必要な条件 は、ディスクのティルト(tilt)（即ち、その平面からの偏差）、ジター(jitter) （即ち、ピット(pit)長さの予め定められた値からの標準偏差）、及びその複屈 折（即ち、応力により惹き起こされる、入射光をその重合体を通る方向により分 離させる重合体の性質）に関して表すことができる。 〔本発明の簡単な説明〕 オーディオＣＤ、ＣＤＲＯＭ、及びレーザーディスクのような光ディスクを複 製する時に、種々の射出成形法が用いられている。それら用いられている方法は 、これらの光ディスクフォーマットが全て１．２ｍｍより大きな厚さのものにな っているために適している。 特に、ピットと平坦部(land)とが交互になった渦巻き状のトラック(spiral tr ack)にデーターを記録する高データー密度光ディスクの分野で、１．２ｍｍ型よ りも幾つかの利点を与える新しい０．６ｍｍの光ディスクが開発されてきた。 そのようなピットと平坦部により読取りヘッドへ戻るレーザー光は、光ディスク の光学的に平坦な側を通して見る。ピット又は平坦部から受け取られた光は、光 ディスクのポリカーボネート表面層の表面の所で幾らか曲がる。光ディスクを薄 くすると、レーザーで読取るのに一層小さな径のピットを用いることができ、読 取りヘッドのレンズを、ピットと平坦部の模様を読取るのに用いられる口径数値 が一層大きなものにすることができる。そのような薄い光ディスクからデーター を読取るのに、１．２ｍｍディスクに対して用いられているものよりも小さな波 長を持つレーザー光を用いる。これは、７８０ｎｍから約６５０ｎｍ以下へ波長 を変化させることを伴っている。このように、一層薄い光ディスクを用いると、 ピットと平坦部の一層大きな密度、従ってディスク１枚当たり一層多くのデータ ーを読取ることが可能になる。典型的な改良は、６５０メガビットのデーターか ら５ギガビットへの変化である。 本発明の重要な特徴は、０．６ｍｍの非常に小さな厚さのコンパクトディスク を射出成形する方法にある。特に、注入したプラスチックによって予め定められ た時間（又は距離）型空洞を部分的に再び開かせ、然る後、型空洞をその最終的 形態へ閉じさせることを含めた、型空洞中へ溶融プラスチックを射出する間及び その後の臨界的一連の工程により、そのようなディスクの平面性、複屈折、及び ジターに関する要件を満足させることができることが発見された。 〔図面の簡単な説明〕 第１ａ図〜第１ｄ図は、本発明の方法の種々の段階中の射出成形機の型室の概 略的図面である。 第２図は、本発明の好ましい工程中の、射出成形機パラメーター、即ち、型位 置、スクリュー位置、及びクランプ圧力を示すグラフである。 第３ａ図及び第３ｂ図は、本発明の臨界性を示す、許容できない別の一連のパ ラメーターのグラフを示す図である。 第４図は、本発明により製造されたディスクの複屈折のグラフである。 第５ａ図及び第５ｂ図は、本発明により製造されたディスクのジターのヒスト グラムである。 〔好ましい態様についての詳細な記述〕 ０．６ｍｍディスクを射出成形する工程は、プラスチックを光学的等級のポリ カーボネートにした場合の商業的プラスチック射出成形機で行われる四つの段階 で記述することができる。第１図に示したように、型１は空洞をもち、その一方 の面３は光学的に平坦であり、他方の面５はコンパクトディスクのニッケル加圧 成形層である。溝７には溶融ポリカーボネートが充填されており、それは前進す るスクリュー１１によって型の室９中へ導入される。型の面３及び５は駆動機構 （図示されていない）によって互いに近づくように移動させることができる。型 の距離は第１ａ図〜第１ｄ図では誇張されて描かれている。面５の典型的な直径 は１２０ｍｍであるが、型の開口９は１６００μより小さい面間隔を有する。ポ リカーボネート１３は、型空洞が中間位置に達するまで型空洞中に導入せず、そ の点に来た時に、第１ｂ図に示すように、スクリュー１１を前進させることによ る注入力により型空洞中へ溶融重合体１３を注入する。 注入力が閉じる力より大きいので、第１ｃ図に示すように、型空洞は僅かに開 く。 閉じる力が開く力よりも大きくなると、空洞の閉鎖は、第１ｄ図に示すように 、最終的距離の所まで進行する。 注入工程を誘導する特別な一連のパラメーターが、約０．６°より小さなティ ルト及び充分小さなピット長さ偏差（ジター）を有する０．６ｍｍコンパクトデ ィスクの製造に特に適していることが発見された。特に約６０ｍｍの半径を有す るディスクのための本発明の好ましい態様は、第２図に示すように、次の通りで ある。 型は９００μ開いている。次にそれは１００μの中間的位置まで閉じ、重合体 の注入を始める。重合体の全導入量を注入する前に、注入圧力をクランプ圧力よ り大きくし、型を開き始めさせる。注入が完了した時、次の０．０７秒間、型を ３００μまで開かせ続け、次に閉じ始める。その＋０．０７秒の遅れが終わった 時、型を全力でクランプする。 これらのパラメーター値の臨界性を示すため、図面に別の＋秒の遅れと、−０ ．２５秒の遅れの結果が示されているが、それらの両方共利用できないディスク が射出成形工程から得られる結果になっている。表は、本発明の三つの例の結果 を 示している。 本発明の基本的新規な特徴を、その好ましい態様に適用したものについて示し 、記述し、指摘してきたが、例示した装置の形態及び詳細及びその操作に種々の 省略、置換、及び変更を、本発明の本質から離れることなく当業者によって行え ることは分かるであろう。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピクトスキィ，エドワード アメリカ合衆国18447 ペンシルバニア州 オリファント，サンダーソン アベニュー 606

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．０．６ｍｍ以下の厚さを有する、重合体から製造されたコンパクトディス クの射出成形法において、 型を開き、 前記型を１００μの中間位置まで閉じ、重合体の注入を開始し、重合体の全導 入量を注入する前に、注入圧力がクランプ圧力を越え、型が開き始めるようにし 、０．０７秒間型の圧縮を遅らせ、その間に型を３００μまで開かせ続け、次に 閉じ始め、 全力で型をクランプする、 ことからなる射出成形法。 ２．０．６ｍｍ以下の厚さを有する、重合体から製造されたコンパクトディス クの射出成形法において、 型を開き、 前記型を中間位置まで閉じ、重合体の注入を開始し、重合体の全導入量を注入 する前に、注入圧力がクランプ圧力を越え、型が開き始めるようにし、 ０．０７秒間型の圧縮を遅らせ、その間に型を開かせ続け、次に閉じ始め、 全力で型をクランプする、 ことからなる射出成形法。 ３．０．６ｍｍ以下の厚さを有する、重合体の射出成形により形成されたコン パクトディスクで、複屈折が１５０より小さく、ティルトが０．６°より小さく 、型を開き、 前記型を１００μの中間位置まで閉じ、重合体の注入を開始し、重合体の全導 入量を注入する前に、注入圧力がクランプ圧力を越え、型が開き始めるようにし 、０．０７秒間型の圧縮を遅らせ、その間に型を３００μまで開かせ続け、次に 閉じ始め、 全力で型をクランプする、 ことからなる方法により形成したコンパクトディスク。