JPH11513267A - 多様な孔サイズのフィルムトップシートを備えた衛生用品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、吸収性製品、特にフィルムトップシートを有する生理用ナプキンに関する。特に、吸収されるべき液体を受けるフィルムトップシートは、少なくとも異なる４種類のサイズの孔を具備する。この孔サイズの範囲は、生理用ナプキンで吸収される液体で通常見られる範囲の液体粘度に対して、非常に良好な液体取り込み能を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 多様な孔サイズのフィルムトップシートを備えた衛生用品 発明の分野 本発明は、吸収性製品、特にフィルムトップシートを有した生理用ナプキンに 関する。とりわけ、吸収されるべき液体を受けるフィルムトップシートは、少な くとも異なる４種類の大きさの孔を含む。この孔サイズの範囲は、生理用ナプキ ンで吸収される液体で一般的に見られる範囲の液体粘度に対して、非常に良好な 取り込み能を提供する。 発明の背景 生理用ナプキン、乳児用おむつ、挿入用吸収性製品、大人用失禁用吸収性製品 等の衛生用品は、当該分野では周知のものである。典型的に、全てこれらの製品 は、着用者側表面と衣服側表面とを具備する。該着用者側表面は、そのような製 品の着用者からの吸収されるべき液体、即ち、尿のような生体***物、膣排出物 又は月経血を受け止める。該吸収性製品の着用者側表面の外側を清潔に保つのと 同時に、該製品が上記の液体を蓄えておくために、該着用者側表面には、液体透 液性を持たせる必要がある。このような着用者側表面は、トップシートにより提 供される。 吸収性製品の分野における周知のトップシートは、不織布、織布又はフィルム である。該フィルムは、穿孔により透水性を与えなくてはならない。該織物又は 不織布は繊維により作られ、その性質上、これらの繊維は液体を輸送する方向に おいて非直線的な孔を提供する。また、布製トップシートの最大孔サイズは、材 料の強度を維持するための要件によっても制限される。 多くの場合、該フィルムは、重合性の材料で製造され、典型的には、一定の特 徴を提供するために巧みに設計された孔を具備している。これらの孔の形態及び サイズは変更できるが、一般的には、一つの好ましい形態とサイズで提供される 。そのフィルム厚レベルを超える伸張の量および方向（伸張があるとすれば）は 、孔の壁が制限する。また、該フィルムの孔は、漏斗形状でも提供できる。一般 的に、フィルムで織物の上を覆うのが好ましく、これは、フィルムが液体を保持 しないので、液体が通過した後でさえも、きれいな表面を提供できるからである 。 ポリエチレンフィルムで作られた典型的なトップシートは、衛生用品及び大人 用失禁用吸収性製品並びに挿入用製品及び乳児用おむつにおいて、首尾良く用い られている。未だに残る一つの問題は、通常の使用条件下での、そのようなトッ プシートを経て通過できる液体の割合であり、これは、特に、全孔の解放面積の 総量並びに個々の孔サイズ及び孔形に帰する。非常に大きな孔は、液体通過率を 増大するが、少なくとも吸収性製品を製造する行程においては、該トップシート フィルムとなる材料の安定性に関する潜在的な問題が提起され、全く好ましくな い。また、大きな孔は、再湿潤（ｒｅｗｅｔ）と呼ばれる吸収した液体の逆流も 助長し、これもまた望ましくない。一方で、小さい一孔は、表面張力の高い液体 、粘性の高い液体、又は凝固した血液塊のような固体成分を通過させるために要 求される液体通過特性を提供することができない。非常に小さい孔では、このこ とが無条件で問題になり得るし、また、低過ぎる液体流速率の原因にもなり得る 。 また、一定の孔の大きさと形にとって、解放面積の総量が、液体通過率とほぼ 直線的な関係にあることもまた認められている。再び言及するが、通過した液体 のマスキング、並びに材料の強度及び他の外観上の考慮すべき問題は、選ばれ得 るフィルムトップシートにおける総解放面積の程度を制限するものである。 また、生理用ナプキン上に置かれる液体の粘性は、例えば、軽度の失禁症また はストレス性失禁症候群の人の尿のように、非常に低い粘性のものから、極めて 大きくに変化し得るということも知られている。また、低粘度のものとしては、 界面活性剤成分を少量含む膣排出物または月経血も存在し得る。ある生体***物 は、既に天然の界面活性剤成分を含んでいるだけでなく、そのような製品の多く の着用者により正規に使用されている洗浄用石鹸の残渣をも含んでいる。 範囲に関する他方の限界において、月経血の粘性は、女性の性周期に亘って大 きく変化するものであり、ＥＰ−Ａ−０ ２０５ ２８６においては、５から５ ０ｍＰａｓまで変動すると報告されている。該粘性は、同一人物においても経時 的に変化し、更に、月経周期の同ステージであっても、比較をした人によってま ちまちなのである。 それ故、本発明の目的は、異なった時期のために異なった製品を必要とせず、 粘性の変化に対して便宜を図れる衛生用品のための、フィルムトップシートを提 供することである。これは、使い捨て吸収性製品に、異なる解放面積の孔を持つ トップシートを与えることで達成され得ることが明らかとなった。これらの解放 面積は、吸収されるべき液体の粘度分布の範囲に対応させるべきである。 本発明の更なる目的は、孔サイズの分布を伴うフィルムトップシートを有する 吸収性製品を提供することである。 発明の詳細な説明 本発明は、粘性が大きく異なる液体に関して、穿孔フィルムトップシートの利 点を持った吸収性製品を提供する。特に、該吸収性製品は、着用者側表面と衣服 側表面とを有するトップシートを具備する。該トップシートは、好ましくは互い に結合した複数層を有することができる。一般的に、吸収性製品は、バックシー トと吸収性構造体（該トップシートとバックシートとの間に位置し、吸収性コア とも呼ばれる）とを更に含む。 ＜吸収性構造体＞ 吸収性構造体は、以下の要素を含むことが出来る：（ａ）好ましくは任意の第 二体液分布層を伴う、任意の第一体液分布層；（ｂ）体液貯蔵層；（ｃ）貯蔵層 の下層に位置する、任意の繊維質（「打ち粉（ｄｕｓｔｉｎｇ）」）層；および （ｄ）他の任意の要素。 （ａ）第一／第二体液分布層 本発明の吸収性構造体に属する任意の一要素は、第一体液分布層と第二体液分 布層である。該第一分布層は、典型的には、トップシートの下層に位置し、この トップシートとの間で液体が流通する状態にある。貯蔵層への最終分布のために 、トップシートは、捕捉した体液をこの第一分布層に輸送する。この第一分布層 を介しての体液の輸送は、吸収性製品の厚さ方向だけではなく、長さ方向や幅方 向に沿ってもまた見られる。任意ではあるが、好ましい第二分布層は、典型的に は第一分布層の下層に位置し、この第一分布層との間で液体が流通する状態にあ る。この第二分布層の目的は、体液を第一分布層から直ちに捕捉し、それを迅速 にその下層にある貯蔵層に輸送することである。これにより、下層にある貯蔵層 の体液許容量が充分に生かされるのを助ける。該体液分布層には、そのような分 布層として典型的な何等かの材料を含ませることが出来る。特に、繊維質層は、 繊維間に毛細管を維持しているので、吸湿時においてさえも分布層として有用で ある。 （ｂ）体液貯蔵層 第一または第二分布層との間で液体流通関係にあり、典型的にはそれらの下層 に位置しているのは、体液貯蔵層である。この体液貯蔵層は、何等かの通常の吸 収性材料またはそれらを組み合わせたものにより構成されることが可能である。 それは、好ましくは、「ハイドロゲル」、「超吸収体」「ハイドロコロイド」と 通常呼ばれる吸収性ゲル状材料を、適切な担体と組み合わせたかたちで含まれる 。 該吸収性ゲル状材料は、大量の水性体液を吸収することができ、更にそのよう に吸収した体液を常圧下で維持することが出来る。吸収性ゲル状材料は、適切な 担体中に、均一または不均一に分散させることが出来る。また、適切な担体は、 それ自身が吸収体であれば、単独で使用することも出来る。 殆どの場合、ここで使用する適切な吸収性ゲル状材料には、事実上、水には溶 けず、若干架橋され、部分的に中和された、重合性のゲル状材料が含まれるであ ろう。この材料は、水と接触してハイドロゲルを形成する。そのような重合性材 料は、当業者に周知の、重合可能な、不飽和、酸含有モノマーから製造できる。 適切な担体には、綿毛および／または薄織布の形態で、吸収性構造体中に慣習 的に利用される材料、例えば、天然繊維、または修飾若しくは合成された繊維、 特に、修飾若しくは非修飾セルロース繊維等が含まれる。適切な担体は、吸収性 ゲル状材料と共に用いることができるが、それらはまた、単独または組合せて使 用することも可能である。最も好ましいのは、生理用ナプキンまたはパンティー ライナーにおける薄織布または薄織り布ラミネートである。 本発明により作られた吸収性構造体の態様には、薄織布をそれ自身の上に折り 畳むことにより形成した二層薄織布ラミネートが含まれる。これらの層を、例え ば接着剤、または機械的な相互固定、または水素架橋結合により、互いに接合さ せることが可能である。吸収性ゲル状材料または他の任意の材料を、それらの層 の間に含ませることも出来る。 また、強化セルロース繊維のような修飾したセルロース繊維を使用することも 出来る。また、合成繊維も使用することができ、これには、酢酸セルロース、フ ッ化ポリビニル、塩化ポリビニルデン、アクリル繊維（オーロン等）、酢酸ポリ ビニル、不溶性ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリア ミド（ナイロン等）、ポリエステル、二成分繊維、三成分繊維、およびそれらの 混合物等から作られた合成繊維が含まれる。好ましくは、繊維表面は親水性であ り、または親水性になるように処理される。また、液体の保持性を改善するため に、該貯蔵層には、例えばパーライト、珪藻土、バーミキュウライト等の充填材 も含ませることが出来る。 たとえ、吸収性ゲル状材料を、担体中に不均一に分散させる場合であっても、 貯蔵層は、局所的に均一であること、即ち、貯蔵層の特性の範囲内で、一方向ま たは数方向の分布勾配を有することが可能である。また、不均一な分布は、部分 的または完全に吸収性のゲル状材料を封入する担体のラミネートにも当てはめる ことが出来る。 （ｃ）任意の繊維質（「打ち粉（ｄｕｓｔｉｎｇ）」）層 本発明の吸収性構造体に任意に含まれる要素は、繊維質層であり、これは前記 貯蔵層に隣接し、且つ、典型的にはその下層に位置する。この下地繊維層は、吸 収性構造体を製造する際に、その上に、貯蔵層における吸収性ゲル状材料を設置 するための基体を提供することから、典型的には「打ち粉（ｄｕｓｔｉｎｇ）」 層と呼ばれる。実際、吸収性ゲル状材料が、繊維、シートまたは、細長い小片の ようなマクロ構造体の形態で存在する場合には、この繊維「打ち粉」層を含む必 要はない。しかしながら、この「打ち粉」層は、該パッドの長さに沿って体液を 迅速に毛管作用によって輸送するというような、幾つかの付加的な体液操作能力 を提供する。 （ｄ）吸収性構造体のその他の任意要素 本発明の該吸収性構造体は、通常は吸収性織布の中に存在するその他の任意な 要素を含むことが出来る。例えば、吸収性構造体の各々の層に、または各々の層 の間に補強スクリムを置くことが出来る。そのような補強スクリムは、体液の輸 送に対する界面障壁とならないような構造にすべきである。熱接合の結果として 通常生じる構造的な一体性が得られれば、大抵の場合、熱接合した吸収性構造体 に補強スクリムは必要ない。 本発明の吸収性構造体に含ませることができ、好ましくは、第一若しくは第二 体液分布層に接して、またはその一部分として提供されるその他の要素は、臭抑 制剤である。特に、適切なゼオライト若しくは粘土質の材料を、他の臭抑制剤に 加え、または活性炭にコートして、所望に応じて吸収性構造体に組み込むことが 出来る。これらの要素は、所望するどの様な形態であっても組み込むことが可能 であるが、大抵は、独立した小片として含有される。 ＜バックシート＞ 第一に、バックシートは、吸収性製品に接するパンツ類、ズボン類、パジャマ 類および下着類等の製品が、その吸収性構造体に吸収され含まれている滲出物で 濡れるのを防止する。バックシートは、好ましくは液体（例えば月経血および／ または尿）に対して不浸透性であり、且つ、薄いプラスチックフィルムから好ま しく製造されるが、他の可撓性防水材料で製造されることも可能である。ここで 使用される「可撓性」の語は、従順であり、雑多な形や人体の曲線に容易に適応 し得る材料を言う。また、このバックシートに、一方向または二方向への伸張を 可能にする弾力性を持たせることも可能である。 該バックシートは、典型的には、吸収性構造体の全体に張り渡され、更に、好 ましいサイドフラップ、即ち端部ラッピング要素または羽根の一部若しくは全体 にまで延出されてその一部若しくは全体を形成しても良い。 バックシートは、織布または不織布材料、ポリエチレン若しくはポリプロピレ ンのような熱可塑性の重合性フィルムで構成することができ、また、フィルムコ ートした不織布材料のような合成材料で構成することも可能である。好ましくは 、バックシートは、約０．０１２ｍｍ（０．５ｍｉｌ）から約０．０５１ｍｍ（ ２．０ｍｉｌs）までの厚さを有したポリエチレンフィルムである。 例示的なポリエチレンフィルムは、クロペイ社（Ｃｌｏｐａｙ Ｃｏｒｐｏｒ ａｔｉｏｎ ｏｆ Ｃｉｎｃｉｎｎａｔｉ、Ｏｈｉｏ）により、名称Ｐ１８−０ ４０１の元に製造され、また、エチル社（Ｅｔｙｌ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ、 Ｖｉｓｑｕｅｅｎ Ｄｉｖｉｓｉｏｎ、ｏｆ Ｔｅｒｒｅ Ｈａｕｔｅ、Ｉｎｄ ｉａｎａ）により、名称ＸＰ−３９３８５の元に製造されている。バックシート は、より布地に似た外観を提供するように、好ましくは型押し加工および／また は艶や消し仕上げされる。更に、バックシートは、蒸気を吸収性構造体から放出 させること、つまり、該バックシートには呼吸能を持たせることができるが、そ の一方ではなお、滲出物がバックシートを通過するのを防止する。また、幾つか の層（例えば、フィルムに加えた不織布構造体）を備えた呼吸性バックシートも 用いることが可能である。 ＜トップシート＞ 多層トップシートに対して、ここで使用される「接合した（ｊｏｉｎｅｄ）」 の語は、第一層と第二層を直接に貼り合わせることにより、第一層が直接に第二 層に固定される構成と；第一層を中間層（一層または多層）に張り合わせ、それ を第二層に貼り合わせることにより、第一層が間接的に第二層に固定される構成 とを含む。 好ましくは、トップシートの層は、互いに、接着剤、縫合、加熱および／また は加圧接合、力学的機械的接合、超音波接合、トップシートの層を含む構造要素 の係合若しくは絡み合い、即ち、一方の層をもう一方の層に突き出すようなこと により、または当業者に公知である他の何れかの方法により接合できる。 全体としてのトップシート（従って各々の層）は、追従性、柔軟な触感、更に 着用者の皮膚に対して非炎症性である必要がある。そしてまた、一方向または二 方向に伸張させることが可能であるように、弾力性も持たせることが可能である 。 本発明に従い、該トップシートの少なくとも一層は、ここで言う「特大型孔」 、「大型孔」、「中型孔」および「小型孔」を有したフィルム材料により提供さ れる。これらの孔は、様々な粘度の液体に対する、着用者側表面から吸収性構造 体への液体輸送を促進するために提供される。 フィルム通過層の孔に関する全ての測定において、他の言及がなければ、孔の 断面積の最も小さい面を使用することとした。ここで使用される「孔サイズ」の 語は、孔によりフィルムに提供される解放面積を言う。 「特大型孔」は、個々に、１．４ｍｍ²よりも大きく且つ３ｍｍ²以下の解放面 積を持つ。他の全ての液体輸送孔を除いた「特大型孔」の総解放面積は、トップ シートの表面積の１％から２５％、好ましくは１０％から２０％の範囲にある。 「大型孔」は、個々に０．５ｍｍ²よりも大きく且つ１．４ｍｍ²以下の解放面 積を持つ。他の全ての液体輸送孔を除いた「大型孔」の総解放面積は、トップシ ートの表面積の１％から３０％、好ましくは５％から１５％の範囲にある。 「中型孔」は、個々に０．１ｍｍ²よりも大きく且つ０．５ｍｍ²以下の解放面 積を持つ。他の全ての液体輸送孔を除いた「中型孔」の総解放面積は、トップシ ートの表面積の１％から３５％、好ましくは１０％から２５％の範囲にある。 「小型孔」は、個々に０ｍｍ²よりも大きく且つ０．１ｍｍ²以下の解放面積を 持つ。他の全ての液体輸送孔を除いた「小型孔」の総解放面積は、トップシート の表面積の０．１％から５％、好ましくは０．５％から３％の範囲にある。 孔は、好ましくは、実質的に円または多角形である。それらの形は、「最も大 きな内側対角線」：「最も小さな内側対角線」の割合が１から６の間の範囲、好 ましくは１から３の間の範囲を有することにより制限される。全ての液体輸送孔 の総解放面積は、トップシートの総面積の３．１％から９５％、好ましくは１０ ％から５０％、最も好ましくは１５％から４０％の範囲内にある。該トップシー トは、均一に分布した液体流路、または不均一に分布した流体流路を有すること が出来る。後者では、液体が排出されるであろうと予測される領域に、高密度の 孔が配されるであろう。 液体輸送孔は、単純な孔でよいのであるが、好ましくは、該孔の壁が基礎のフ ィルムの表面、即ちフィルムに穿孔する前のフィルム表面のレベルを超えて延出 するように、該フィルムに形成する。吸収性製品におけるこれらの延出する壁の 方向は、その製品の衣服側表面に向かう方向である。孔壁の延出の量は、孔壁が 属する表面からフィルム表面を越えて少なくとも０．３ｍｍである。好ましくは 、孔壁は、当業者に周知の漏斗（ｆｕｎｎｅｌ）またはベンチュリチャネル（ｖ ｅｎｔｕｒｉｃｈａｎｎｅｌ）を形成する。 材料の安定性を確立するために、隣り合う特大孔および／または大孔の間の最 短距離は、それらの特定の形態およびサイズとは無関係に、好ましくは少なくと も０．５ｍｍ、更に好ましくは１．５ｍｍである。この距離は、吸収性製品の使 用者側表面に最も近い側のフィルム表面で測定した。 フィルムの材料には、好ましくは、最初に水と接触する際に、蒸留水との接触 角が９０°未満の角度になるような親水性を与える。界面活性剤をフィルムに処 理することによって、これが達成される。界面活性剤を処理した重合性のフィル ムとしては、界面活性剤をフィルムの表面に永久的に固定したフィルムを使用す るのが有用であると認められている。これらは、いわゆる樹脂集積（ｒｅｓｉｎ ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ）界面活性剤処理フィルム材である。これらのフィルムは 、蒸留水により繰り返し湿潤されたときでさえ、蒸留水と初回に接触した時とほ ぼ同じ接触角を提供することができる。 もう一つの好ましい態様において、トップシートの着用者側表面は、液体を孔 に向かって方向付けするために試薬で処理する。そのような試薬として、処理し た表面に自浄効果を与えるシリコンまたはテフロンが使用できる。この処理は、 上述の界面活性剤処理に加えて行える。 ＥＰ−０ ２０５ ２８６、ＥＰ−０ １６５ ２０８、ＥＰ−０ １８０２ ０、ＥＰ−０ ５９ ５０６またはＵＳ−３，９２９，１３５に開示されている ようなフィルムは、孔の分布の要件に合致するとすれば、該トップシートに適切 であるとして明示される。他の適切な成形フィルムは、孔の分布の要件に合致す ると仮定すれば、ＥＰ−２０３ ８２０、米国特許４，３２４，２４６、米国特 許４，３４２，３１４、米国特許４，４６３，０４５および米国特許５，００６ ，３９４に記述されているものである。特に好ましい成形フィルムの微小穿孔は 、米国特許４，６０９，５１８および米国特許４，６２９，６４３に開示されて いる。これらの微小孔もまた、それらの表面が０．１５ｍｍ²未満で且つ本質的 に呼吸能を提供できるものであるならば、該トップシートに含めることが出来る 。そのようなフィルムの形成方法は当業者に周知であり、また、前述の従来技術 の引用文献中にも開示されている。また、穿孔する前の段階で、水蒸気透過性で 且つ液体非透過性であるフィルムについても、本発明で使用することが可能であ る。 もし、トップシートが、複数の層で構成されるのであれば、即ち第二およびそ れに続く層は、孔分布に関して上述した本発明のトップシートと同じ様にするこ とが可能である。それらはまた、他のフィルム層、または織布若しくは不織布層 によっても提供される。 如何なる追加の層も、液体に対してバリアを与えないことが薦められる。これ は、親水性勾配を与えないか、または液体を該吸収性構造体へ方向付ける効果を 作り出すように親水性勾配を調節する吸収度を与えることにより達成される。ま た、全ての層に対して、ほぼ同じ総解放面積を持たせることが、好ましいとみな されている。 理論により制限されることを望んではいないが、一定のレイノルズ数は、最適 な液体通過率を保証してくれる。最適なレイノルズ数は、当然ながら、吸収性コ アの吸収速度に依存する。特定の液体粘度、吸収性コア、およびある一つの孔サ イズに対してこのレイノルズ数が設定されると、孔サイズの理論的に理想的な分 布を、次式により決定することができる。 レイノルズ数 ＝(密度)・(流速)・(液圧直径(hydraulic diameter))／（粘度） ここで、 −密度とは、質量を体積で割った単位での、吸収されるべき液体の密 度である。 −流速とは、距離を時間で割った単位での、吸収されるべき液体の速 度である。 −液圧直径は、４倍した孔サイズをＰｉで割ったものの平方根として 、孔サイズから算出することが出来る。 −粘度とは、圧力に時間を掛けた単位での、吸収されるべき液体の粘 性係数である。 密度をほぼ一定にし（ほぼ水の密度にする）、更に流速を所望に応じて一定に すると、液圧直径の分布は、粘度にほぼ直線的に比例するようになり、孔サイズ の分布は、粘度の二乗にほぼ比例するようになる。 孔サイズ∝粘度² この理論に従うと、特定のトップシートの使用条件によって予想される粘度プ ロフィールについて、理論的に理想とされる一定のトップシートの孔サイズ分布 を選択することは容易である。この理論的に理想とされる分布から、少なくとも ４つの異なった孔サイズを有するおおよその分布が、本発明のトップシートを提 供するために選択された。 本発明の好ましいフィルムトップシートは、４種類よりも多い異なったサイズ の孔を持ち、好ましくは、「理論上で理想的な孔の分布」は、異なった５、６、 ７、８、９または１０種類の孔サイズの分布によって近似される。しかしながら 、孔分布からの利益の大部分は、既に異なった５、６、７または８の孔サイズに より充分に実現される。該分布は、好ましくは分布の中心に対して非対称を伴っ て、４種類の孔のために与えられた分布を満足させなければならない。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ， ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，Ｔ Ｄ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ )，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＢ， ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，Ｄ Ｅ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＬ ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，Ｍ Ｎ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．トップシート、バックシート、および前記トップシートと前記バックシート との間に位置する吸収性構造体を具備した吸収性製品であって、前記トップシー トが、着用者側表面と衣服側表面を有し、且つ前記トップシートが、液体輸送の ための小型孔、中型孔、大型孔および特大型孔を有するフィルム通過層を具備し 、 −前記小型孔は、個々に０ｍｍ²よりも大きく０．１ｍｍ²以下の範囲に ある面積を有し、 −前記中型孔は、個々に０．１ｍｍ²よりも大きく０．５ｍｍ²以下の範 囲にある面積を有し、 −前記大型孔は、個々に０．５ｍｍ²よりも大きく１．４ｍｍ²以下の範 囲にある面積を有し、 −前記特大型孔は、個々に１．４ｍｍ²よりも大きく３ｍｍ²以下の範囲 にある面積を有し、 −前記小型孔は、前記フィルム通過層の総面積の０．１％から５％の範 囲の総解放面積を有し、 −前記中型孔は、前記フィルム通過層の総面積の１％から３５％の範囲 の総解放面積を有し、 −前記大型孔は、前記フィルム通過層の総面積の１％から３０％の範囲 の総解放面積を有し、 −前記特大型孔は、前記フィルム通過層の総面積の１％から２５％の範 囲の総解放面積を有し、 −前記液体輸送孔は、最大内接対角線の長さおよび最小内接対角線の長 さを有し、前記最長内接対角線の前記最小内接対角線に対する割合が、１から６ の範囲にある 吸収性製品。 ２．請求項１に記載の吸収性製品であって、前記小型孔が、前記フィルム通過層 の総面積の０．５％から３％の範囲の総解放面積を有し、且つ前記中型孔が、前 記フィルム通過層の総面積の１０％から２５％の範囲の総解放面積を有し、且つ 前記大型孔が、前記フィルム通過層の総面積の５％から１５％の範囲の総解放面 積を有し、且つ前記特大型孔が、前記フィルム通過層の総面積の１０％から２０ ％の範囲の総解放面積を有する吸収性製品。 ３．請求項１または２の何れか一項に記載の吸収性製品であって、前記液体輸送 孔の少なくとも幾つかが、前記フィルム通過層の表面から少なくとも０．３ｍｍ だけ延出した内側の壁を有し、且つ前記内側の壁が、前記製品の前記吸収性構造 体の方向に延出した吸収性製品。 ４．請求項１から３の何れか一項に記載の吸収性製品であって、前記フィルム通 過層が、異なる５、６、７、８、９または１０種類の孔解放面積の液体輸送孔を 有する吸収性製品。 ５．請求項１から４の何れか一項に記載の吸収性製品であって、前記フィルム通 過層における全ての前記液体輸送孔について、総解放面積が、前記フィルム通過 層の総面積の１５％から４０％の範囲にある吸収性製品。 ６．請求項１から５の何れか一項に記載の吸収性製品であって、前記フィルム通 過層における、大型孔および／または特大型孔の間の端から端までの最短距離が 、少なくとも０．５ｍｍである吸収性製品。 ７．請求項１から６の何れか一項に記載の吸収性製品であって、前記トップシー トが、１より多くの通過層を具備する吸収性製品。 ８．請求項１から７の何れか一項に記載の吸収性製品であって、前記液体通過孔 が、均一に分布されている吸収性製品。