JPH11512181A - 原子力発電所におけるコンテインメント雰囲気を不活性化および換気するための装置および方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 原子力発電所におけるコンテインメント（８）の内部に水素が発生した際、そのコンテインメント雰囲気（ＣＡ）を不活性化しなければならない。このような不活性化の際にコンテインメント（８）の内部における圧力の発生を防止するために、コンテインメント雰囲気（ＣＡ）を同時に放出（換気）できるようにする装置および方法を提供する。そのために本発明に基づいて、放射性物質が大気に拡出されることなしに、コンテインメント雰囲気（ＣＡ）の換気を可能にする可逆式放射能捕捉装置（４、４′）が設けられている。このようにして原子力発電所のコンテインメント（８）の不活性化が予防的に行うことができるので、原子力発電所の安全性が著しく高められる。

Description

【発明の詳細な説明】 原子力発電所におけるコンテインメント雰囲気を 不活性化および換気するための装置および方法 本発明は、原子力発電所におけるコンテインメント雰囲気を不活性化および換 気するための装置に関する。本発明は更にこの種の装置を運転するための方法に 関する。 原子力発電所において、例えば炉心の加熱に基づいてジルコニウムの酸化が生 ずるおそれのある故障あるいは事故が起きた際に、水素ガスが発生して炉心を包 囲する格納容器あるいはコンテインメントの内部に放散されることを考慮に入れ る必要がある。そのような事態が生じるとコンテインメントの内部に爆発性の混 合気が生じるおそれがある。 原子力発電所のコンテインメント内にこのような爆発性の混合気が発生するこ とを防止するために、種々の装置あるいは方法が論じられている。このために例 えば触媒式再結合器、触媒電気式点火装置あるいはこれらの装置の複合装置、並 びにコンテインメントの永久的あるいは追加的な不活性化法が既に存在している 。 原子力発電所のコンテインメントを不活性化するために、例えば窒素（Ｎ₂） あるいは炭酸ガス（ＣＯ₂）のような非反応性ガスがコンテインメントの中に導 入される。別の例においては不活性化のために、液化ガスがオイルバーナ形ある いはガスバーナ形蒸発装置が一体化されている分岐式ノズル装置あるいは通常の ガス供給装置を介して供給される。更に別の例も液化ガスの供給が基礎となって おり、その場合コンテインメント雰囲気の気化エネルギーが不足する理由からコ ンテインメントの内部における水溜めにも液化ガスが供給される。原子力発電所 のコンテインメント内における雰囲気を不活性化するための装置は例えばドイツ 特許第４４２１６０１Ｃ１号明細書で知られている。 コンテインメントの中に不活性化剤を導入する結果、コンテインメントの内部 の圧力が増大する。このような圧力の増大は既に予め不活性化されているコンテ インメントにおいても、特に比ジルコニウム質量を高め、コンテインメント容積 を小さくする。これは更に場合によりコンテインメント雰囲気を放出することに よりコンテインメントの圧力を放出することを必要とする。しかしコンテインメ ント雰囲気の中には通常例えば希ガス、ヨウ素あるいはエーロゾルのような放射 性物質が含まれており、換気する際にこの放射性物質が原子力発電所の周囲に放 散されるおそれがある。従って故障が起きた際に原子力発電所のコンテインメン ト雰囲気を換気するこの方式の採用は、コンテインメント雰囲気内に含まれる放 射性物質のために考慮することはできない。 本発明の課題は、原子力発電所の周囲を汚染することなしに原子力発電所のコ ンテインメント雰囲気を不活性化および換気することができるような装置を提供 することにある。更に本発明の課題はこのような装置を運転するために特に適し た方法を提供することにある。 この課題は本発明に基づいて、コンテインメントに接続される不活性化剤の供 給配管およびコンテインメントに接続されているコンテインメント雰囲気のブロ ー管が共通して可逆式放射能捕捉装置を通して導かれることによって、あるいは コンテインメントに接続されている不活性化剤を供給しコンテインメント雰囲気 を放出するための配管に可逆式放射能捕捉装置が挿入接続されていることによっ て解決される。 なお原子力発電所における放射能捕捉装置の採用は例えばドイツ特許出願公開 第３６３７７９５Ａ１号明細書で知られている。しかしこれは専ら原子力発電所 のコンテインメントを放圧するために設けられている。コンテインメントから放 出されるコンテインメント雰囲気はいずれの場合にも放射能捕捉装置を貫流する 。コンテインメント雰囲気内に含まれる例えば希ガス、ヨウ素あるいはユーロゾ ルのような放射性物質は放射能捕捉装置の内部に設けられている吸収剤に捕捉さ れ、一時的に蓄えられる。吸収剤がそのように負荷された後で、放射性物質が突 発する前、即ち放射性物質が大気に放出される前に、放射能捕捉装置の運転モー ドが逆向きに不活性化剤で貫流されるように変更される。その場合、捕捉されて いた放射性物質は吸収剤から解放され、不活性化剤で運ばれてコンテインメント の中に戻される。これによってコンテインメント雰囲気を不活性化することおよ び不活性状態に維持することができ、同時にコンテインメントの放圧が保証され る。 その場合常に放射性物質の周囲への放出が確実に防止される。更に可逆式放射能 捕捉装置を利用することによって、例えば詰まったフィルタ要素の形の追加的な 廃棄物の発生が避けられる。その際不活性化剤は例えば窒素（Ｎ₂）、ＣＯ₂、水 蒸気あるいは他の非酸化性ガスである。 コンテインメントに接続されている不活性化剤の供給配管およびコンテインメ ントに接続されているコンテインメント雰囲気のブロー管が共通して導かれてい る可逆式放射能捕捉装置は、軸を中心として回転可能に支持されているフィルタ 要素を有していると有利である。再生輪として形成されているこの放射能捕捉装 置は連続的に再生運転できる。そのブロー管および供給配管はそれぞれ放射能捕 捉装置の空間的に異なった部位を通して導かれ、ブロー管内および供給配管内を それぞれ導かれるガス流を互いに密封して隔離するために、好適には耐放射性の 不燃性密封材料が選択されて利用される。従って放射能捕捉装置を回転すること によって、放射能捕捉装置の各部位は選択的に、放出される放射性物質を含んだ コンテインメント雰囲気で負荷されたり、それと逆向きに貫流する不活性化剤で 再生される。 放射能捕捉装置は希ガスを捕捉するために特に適した吸収剤として、有利には 活性炭および／又は分子ふるいおよび／又はゼオライトを有している。その際吸 収剤は少なくとも１０００ｍ²／ｍ³の内部交換面積を有していると有利である。 コンテインメント雰囲気の流れ方向において、放射能捕捉装置にエーロゾルお よびヨウ素溶媒に対する分離装置が前置接続あるいは後置接続されていると有利 である。 吸収剤の再生を特に助成するためにおよびこれによって放射能捕捉装置の寿命 を特に長くするために、不活性化剤の流れ方向において放射能捕捉装置に過熱器 が前置接続されていると有利である。これは例えば水エネルギー貯蔵槽あるいは 高温乾燥貯蔵槽である。しかし他の加熱装置あるいは排気装置も考えられる。こ れによって不活性化剤が過熱されることによって、専ら乾燥した不活性化剤が放 射能捕捉装置を貫流することが保証される。このような乾燥不活性化剤は特に放 射能捕捉装置の再生に良好に作用する。更に、放射能捕捉装置に流入する前の不 活性化剤の温度を調整するための制御装置が設けられると有利である。 コンテインメント内における圧力の過大な増加を特に有効に防止するために、 不活性化剤が水蒸気を含んでいると有利である。コンテインメントに導入された 過熱水蒸気はコンテインメントの内部で凝縮する。この凝縮はコンテインメント の内部の圧力を減少する。特に有利に補助的に設けられブロー管に接続されてい る排気設備と接続して、コンテインメント内の負圧を永続的に維持することがで きる。これによって周囲への放射性物質の放出は確実に防止される。この種の排 気設備は従ってコンテインメントに漏洩が生じた際に特に有効に作用する。不活 性化剤は専ら水蒸気から成るか、あるいは水蒸気のほかに例えば窒素（Ｎ₂）あ るいは炭酸ガス（ＣＯ₂）のような別の物質も含むことができる。 コンテインメントを大気に対して密封するために、従って放射性物質の大気へ の放出を確実に防止するために、供給配管に自動閉鎖式遮断弁が挿入接続されて いると有利である。この種の自動閉鎖式遮断弁は例えばばね力あるいは重力で閉 鎖される。不活性化剤を導入する際、コンテインメントの中に不活性化剤が流入 できるように、弁はばね力あるいは重力に抗して作用する不活性化剤の圧力によ って開かれる。 原子力発電所におけるコンテインメント雰囲気を不活性化および換気するため の方法に関する本発明の課題は、本発明に基づいて可逆式放射能捕捉装置がコン テインメントに導入すべき不活性化剤およびコンテインメントから放出されるコ ンテインメント雰囲気によって選択的に貫流されることによって解決される。 本発明の有利な実施態様においては、放出されるコンテインメント雰囲気内に 含まれる放射性物質は放射能捕捉装置内で分離され、それに続いて放射能捕捉装 置が不活性化剤で貫流される際にコンテインメントに戻される。その際放射能捕 捉装置は例えば再生輪の原理に基づいて連続的に運転されるか、あるいは例えば 切換および対向流の再生によって間欠的に運転される。 放射能捕捉装置の特に効果的な再生を保証するために、放射能捕捉装置に流入 する前の不活性化剤が温度調整される。その場合特に、不活性化剤がその乾燥の ために過熱されると有利である。 本発明によって得られる利点は特に、可逆式放射能捕捉装置によって常に、原 子力発電所のコンテインメント内における許容できない圧力上昇を生ずることな しに、コンテインメントの中に不活性化剤を導入することができることにある。 従って本発明に基づくコンテインメントの不活性化方式は通常コンテインメント 内における圧力上昇を伴う問題を生じない。本発明の不活性化方式は特に柔軟に 採用可能であり、予防的にも実施することができる。従って故障状態あるいは事 故状態においてだけでなく、原子力発電所の状態が正常状態から僅かに変動した 際にも、設備全体の安全性が著しく高められる。 以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。 図１は放射能捕捉装置を備えた原子力発電所におけるコンテインメント雰囲気 を不活性化および換気するための装置の概略配管系統図、および 図２は回転可能な放射能捕捉装置を備えた原子力発電所におけるコンテインメ ント雰囲気を不活性化および換気するための装置の概略配管系統図である。 図１および図２において同一部分には同一符号が付されている。 図１の原子力発電所（図示せず）におけるコンテインメント雰囲気ＣＡを不活 性化し換気するための装置１は、放射能捕捉装置４が挿入接続されている配管２ を有している。弁装置５で遮断できるこの配管２は一方では貫通部６を介して原 子炉圧力容器あるいはコンテインメント８の内部に接続され、他方では三方弁の 形をした方向切換装置１０に接続されている。配管２は方向切換装置１０内で不 活性化剤Ｉの供給配管１２とコンテインメント雰囲気ＣＡのブロー管１４に分岐 している。 供給配管１２には温度調整するための制御装置１５を備えている過熱器として の熱交換器１６が挿入接続され、この供給配管は不活性化剤Ｉの貯蔵容器１８に 接続されている。ブロー管１４はそのベンチュリ洗浄器として形成された先端２ ０がヨードおよび／又はエーロゾル分離装置として形成されているタンク２２の 中に開口している。このタンク２２は上側部位にフィルタ要素２４を有している 。このタンク２２の出口側はフィルタ要素２４を介して排気管２６に接続されて いる。この排気管は有利にはガス吸出し装置（図示せず）を介して煙突２７に開 口している。排気管１４はタンク２２と並列して弁２８で遮断できるバイパス配 管２９を介して排気管２６に接続されている。 放射能捕捉装置４は多数のフィルタ組物３０を有している。図１には二つのフ ィルタ組物３０しか示されていない。各フィルタ組物３０はその表面に吸収材Ａ を有しいる。 コンテインメント雰囲気ＣＡの必要な不活性化を行う場合、貯蔵容器１８の中 にレベル３２の高さまで液状で存在している不活性化剤Ｉがまず加熱装置３４に よって部分的に気化される。その際不活性化剤Ｉは例えば窒素（Ｎ₂）、炭酸ガ ス（ＣＯ₂）、水あるいはこれらの混合物である。気化された不活性化剤Ｉは供 給配管１２を介して方向切換装置１０に流入し、その際に熱交換器１６を通過す る。不活性化剤Ｉは熱交換器１６で過熱される。熱交換器１６は能動的に加熱す る加熱要素あるいは永久的に加熱された熱エネルギー貯蔵槽（高温乾燥槽）であ る。 これによって過熱された不活性化剤Ｉ′をコンテインメント８の内部に導入す るために、方向切換装置１０によって配管２と供給配管１２との接続通路が開か れて、過熱済みの不活性化剤Ｉ′が配管２を通して放射能捕捉装置４に導かれる 。過熱済みの不活性化剤Ｉ′は放射能捕捉装置４内においてフィルタ組物３０を 貫流し、それから配管２およびブッシング６を通ってコンテインメント８の内部 に到達し、そこでコンテインメント雰囲気ＣＡを不活性化するために寄与する。 コンテインメント８の内部に圧力の減少にとって必要とされる量の過熱済みの 不活性化剤Ｉ′が導入された後、方向切換装置１０を介して供給配管１２と配管 ２との接続部が遮断され、ブロー管１４と配管２との接続部が開かれる。方向切 換装置１０のこの位置において、コンテインメント雰囲気ＣＡを換気することが でき、即ちコンテインメント雰囲気ＣＡを放出することができる。その際、コン テインメント８から放出されるコンテインメント雰囲気ＣＡは放射能捕捉装置４ およびそのフィルタ組物３０を貫流する。コンテインメント雰囲気ＣＡ内に含ま れる例えば不活性ガスのような放射性物質はフィルタ組物３０に吸収されて捕捉 される。これによって浄化されたコンテインメント雰囲気ＣＡ′は、矢印で示さ れているように、ヨードおよび／又はエーロゾル分離装置として形成されたタン ク２２の中に流入する。ブロー管１４のベンチュリ洗浄器として形成された先端 ２０とフィルタ要素２４との共働によって、ヨウ素および／又はエーロゾルがコ ンテインメント雰囲気ＣＡ′から除去される。これによって一層浄化されたコン テインメント雰囲気ＣＡ″は煙突２７を通して大気に放出できる。 このようにしてコンテインメント８の内部における圧力が十分にバランスされ た後で、次の過程においてコンテインメント８に新たに不活性化剤Ｉが導入され る。そのために方向切換装置１０によって配管２とブロー管１４との接続部が閉 じられ、同時に配管２と供給配管１２との接続部が開かれる。これによって新た に過熱済みの不活性化剤Ｉ′がコンテインメント８の内部に流入し、その際に放 射能捕捉装置４およびそのフィルタ組物３０を通過する。不活性化剤Ｉ′はフィ ルタ組物３０を貫流する際にそこに吸収されていた放射性物質を解放し、コンテ インメント８の内部に戻す。このように装置１を選択的に従って間欠的に運転す ることによって、コンテインメント８を換気する場合も放射性物質の放出が確実 に防止される。 図２におけるコンテインメント雰囲気ＣＡを不活性化し換気するための別の装 置１′の場合、不活性化剤Ｉの供給配管１２並びにコンテインメント雰囲気ＣＡ のブロー管１４はそれぞれ貫通部４０、４１を介してコンテインメント８の内部 に接続されている。この実施例の場合にも、過熱器としての熱交換器が挿入され ている配管１２は不活性化剤Ｉの貯蔵容器１８に接続されている。ブロー管１４ はヨードおよび／又はエーロゾル分離装置として形成されたタンク２２を介して 煙突２７に接続されている。 この実施例において供給配管１２およびブロー管１４は共通の可逆式放射能捕 捉装置４′を介して導かれている。この放射能捕捉装置４′は再生輪として形成 されている。これは軸５０を中心として回転可能に支持されたフィルタ要素５２ を有し、このフィルタ要素は吸収剤Ａを有している。 放射能捕捉装置４′は連続的に運転可能である。その場合、コンテインメント ８から放出されたコンテインメント雰囲気ＣＡはブロー管１４の範囲に存在する フィルタ要素５２の部分を貫流する。フィルタ要素５２のこの部分だけがコンテ インメント雰囲気ＣＡ内に含まれる放射性物質で負荷される。ここで浄化された コンテインメント雰囲気ＣＡ′は続いて図１の実施例の場合と同様にヨウ素およ び／又はエーロゾル分離装置として形成されたタンク２２に流入する。 フィルタ要素５２が軸５０を中心として回転することによって、フィルタ要素 ５２の放射性物質で負荷された部位がブロー管１４の範囲から離され、フィルタ 要素５２の放射性物質を負荷されていない部位と置き換えられる。フィルタ要素 ５２の各部位は耐放射性の不燃性密封材料で互いに密封され隔離されている。 フィルタ要素５２の放射性物質で負荷された部位は、フィルタ要素５２が軸５ ０を中心として回転することによって不活性化剤Ｉの供給配管１２の範囲に到達 する。この部位が熱交換器１６で過熱されコンテインメント８に導入すべき不活 性化剤Ｉ′で貫流される。その際に吸収していた放射性物質はフィルタ要素５２ から解放され、コンテインメント８に戻される。従ってフィルタ要素５２の各部 位は連続的に放射性物質で負荷され、再び再生される。これによってフィルタ要 素５２の負荷および再生の過程は放射能捕捉装置４′内において並行して同時に 進行するので、放射能捕捉装置４′は連続的に運転できる。これによってコンテ インメント８内に過圧が発生することが常に防止されるので、コンテインメント ８のこの不活性化は特に柔軟性を有し、常に予防的にも行うことができる。 図２の実施例において貯蔵容器１８の中に蓄えられている不活性化剤Ｉは水で ある。この水Ｉは加熱装置３４によって全部あるいは一部が蒸発される。供給配 管１２を介して放射能捕捉装置４′に流入すべき水蒸気Ｄは熱交換器１６で過熱 されるので、それで貫流されるフィルタ要素５２の部位は特に効果的に再生され る。導入された水蒸気Ｄはコンテインメント８の中で凝縮する。範囲Ｋで示され ているこの凝縮によってコンテインメント８の内部は減圧されるか負圧にされる 。このようにして特に煙突２７と組み合わせてコンテインメント８の内部を負圧 に永続的に維持することができる。このような負圧を維持することによって、コ ンテインメント８に漏洩が生じた場合にも、その漏洩は、図２において矢印Ｌで 示されているように、専らコンテインメント８の中に流入するので、放射性物質 が大気に放出されることは確実に防止される。 放射能捕捉装置４′に供給配管１２と並行して、別の不活性化剤Ｉ₂を供給す るための別の供給配管５４を接続することができる。その不活性化剤Ｉ₂は窒素 （Ｎ₂）あるいは炭酸ガス（ＣＯ₂）である。このような配置構造によれば、水蒸 気Ｄと不活性ガスＩ₂との混合物によってフィルタ要素５２を再生することがで きる。 放射能捕捉装置４ないし４′の各フィルタ要素３０、５２は吸収剤Ａとして有 利には活性炭および／又は分子ふるいを有している。その細かく分割された吸収 剤は少なくとも１０００ｍ²／ｍ³の内部交換面積を有している。フィルタ要素３ ０ないし５２を特に有効に再生するために、導入される不活性化剤Ｉ′、Ｉ₂を 温度調整することができる。このような温度調整は、例えば制御装置１５による 熱交換器１６の調整によって行われるか、あるいは詳細に図示していない方式で 供給配管１２内を導かれるガス流を部分流に分割して、その一部分流だけを熱交 換器１６を通して流し、これを続いて残りの部分流と再び混ぜることによって行 われる。 図１および図２の実施例において放射能捕捉装置４、４′はコンテインメント ８の外に配置されているが、コンテインメント８の内部に配置することも可能で ある。 コンテインメント８の確実な隔離を保証するために、従って放射性物質の大気 への放出を確実に防止するために、コンテインメント８を貫通するブッシング６ ないし４０の後ろに自動閉鎖式遮断弁６０、６０′が設けられている。これは例 えばばね力あるいは重力に抗して作用する不活性化剤Ｉ′、Ｉ₂の供給圧力によ って開放される。従って不活性化剤Ｉ′、Ｉ₂の供給が休止した際あるいは終了 した際に、コンテインメント８は「フェイルセイフ」原理で大気に対して遮断さ れる。 このような本発明に基づく装置１、１′によれば、コンテインメント雰囲気Ｃ Ａをいつでも同時に換気して不活性化することができる。その際にコンテインメ ント８の内部の過圧発生が防止されるので、そのような不活性化はいつでも行う ことができる。従ってこの不活性化を、決して放射性物質が大気に放出されない ので、「ブローダウン」に応じてあるいは例えば「Ｈ₂濃度が過大」、「炉心レ ベルが低すぎる」といったような他の基準に応じて行われるか、あるいは予防的 にも行うことができる。更に重要なシステムが故障した場合（ステーションブラ ックアウト）、コンテインメント雰囲気ＣＡの不活性化を一時的に行うこともで きる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．コンテインメント（８）に不活性化剤（Ｉ）の供給配管（１２）およびコン テインメント雰囲気（ＣＡ）のブロー管（１４）が接続され、これらの供給配管 （１２）およびブロー管（１４）が共通の可逆式放射能捕捉装置（４′）を介し て導かれている原子力発電所におけるコンテインメント雰囲気（ＣＡ）を不活性 化および換気するための装置。 ２．放射能捕捉装置（４′）が軸（５０）を中心として回転可能に支持されてい るフィルタ要素（５２）を有していることを特徴とする請求項１記載の装置。 ３．コンテインメント（８）に不活性化剤（Ｉ）を供給しコンテインメント雰囲 気（ＣＡ）を放出するための配管（２）が接続され、この配管（２）に可逆式放 射能捕捉装置（４）が挿入接続されていることを特徴とする原子力発電所におけ るコンテインメント雰囲気（ＣＡ）を不活性化および換気するための装置。 ４．放射能捕捉装置（４、４′）が吸収剤（Ａ）として活性炭および／又は分子 ふるいを有していることを特徴とする請求項１ないし３のいずれか１つに記載の 装置。 ５．放射能捕捉装置（４、４′）の吸収剤（Ａ）が少なくとも１０００ｍ²／ｍ³ の内部交換面積を有していることを特徴とする請求項１ないし４のいずれか１つ に記載の装置。 ６．コンテインメント雰囲気（ＣＡ）の流れ方向において放射能捕捉装置（４、 ４′）にエーロゾル分離装置（２２）が前置接続あるいは後置接続されているこ とを特徴とする請求項１ないし５のいずれか１つに記載の装置。 ７．不活性化剤（Ｉ）の流れ方向において放射能捕捉装置（４、４′）に過熱器 （１６）が前置接続されていることを特徴とする請求項１ないし６のいずれか１ つに記載の装置。 ８．放射能捕捉装置（４、４′）に流入する前の不活性化剤（Ｉ′）の温度を調 整するための制御装置（１５）が設けられていることを特徴とする請求項１ない し７のいずれか１つに記載の装置。 ９．不活性化剤（Ｉ）が水蒸気（Ｄ）を含んでいることを特徴とする請求項１な いし８のいずれか１つに記載の装置。 １０．ブロー管（１４）に煙突（２７）が接続されていることを特徴とする請求 項１ないし９のいずれか１つに記載の装置。 １１．供給配管（１２）に自動閉鎖式遮断弁（６０、６０′）が挿入接続されて いることを特徴とする請求項１ないし１０のいずれか１つに記載の装置。 １２．可逆式放射能捕捉装置（４、４′）がコンテインメント（８）に導入すべ き不活性化剤（Ｉ）およびコンテインメント（８）から放出されるコンテインメ ント雰囲気（ＣＡ）によって選択的に貫流されることを特徴とする原子力発電所 におけるコンテインメント雰囲気（ＣＡ）を不活性化および換気するための方法 。 １３．放出されるコンテインメント雰囲気（ＣＡ）内に含まれる放射性物質が放 射能捕捉装置（４、４′）内で分離され、それに続いて放射能捕捉装置（４、４ ′）が不活性化剤（Ｉ）で貫流される際にコンテインメント（８）に戻されるこ とを特徴とする請求項１２記載の方法。 １４．不活性化剤（Ｉ）が温度調整されることを特徴とする請求項１２又は１３ 記載の方法。 １５．不活性化剤（Ｉ）が過熱されることを特徴とする請求項１２ないし１４の いずれか１つに記載の方法。