JPH11511996A - 伸縮性を有する防護素材の製造方法および伸縮性を有する防護素材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 特に医療用安全手袋への適用が意図された、伸縮性を有する防護素材の製造方法である。該材料は、少なくとも２つの部分を含んで構成される。コア層（１）は、高靭性のポリマー繊維から作られた糸を編成することによって製造され、この層は鋭利な物体が手袋を貫通することを防ぐ役目を果す。コア層（１）は、１またはいくつかのポリマー層（２）によって全体的に包囲されており、該ポリマー層（２）は気体または液体が該手袋を貫通することを防ぐ役目を果す。該材料は、特に感受性および安全性を最適化するために、コア層（１）に属する少なくとも１つの編成層（１'）が、１英インチあたりの針数が少なくとも１０の機械ゲージを用いて、編成構造物に製造されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 伸縮性を有する防護素材の製造方法および伸縮性を有する防護素材 本発明は、互いに結合した少なくとも２つの部分素材からなる防護素材の製造 方法に関する。第１の部分素材は、特に機械的防護性を付与すること、たとえば 堅い物体が該防護素材を突破するのを防止することが意図されたものであり、ま た、第２の部分素材は、特に非機械的防護性を付与すること、たとえば気体、液 体などの該防護素材への浸入を防止することが意図されたものである。伸縮性を 有する防護素材を達成するために、第１の部分素材は、少なくとも部分的に、好 適にはポリマー繊維材料などから編成することによって製造され、第２の部分素 材は、先に製造された編成層と結合するように配置される１またはいくつかのポ リマー材料層などであって、製造時に少なくとも部分的に編成層に組入れられる 。 本発明に従う方法は、非常に雑多な目的のための防護素材の製造に適用するこ とができる。したがって、本発明に従う防護素材は、たとえば防護衣類のための 、特に医療用の安全手袋などのための製造材料として特に有益に用いることがで きる。 上述の目的から、今日では非常に雑多な材料から構成された安全手袋が極めて 一般的に使用されているが、そのような手袋は、通常、ソーキング法または浸漬 によって製造される。特に、伝染力の高い今日の危険な病気(たとえばＡＩＤＳ) のために、安全手袋を使用する際には、たとえばウィルス、細菌による感染を防 止するための適当な衛生上の防護性と、たとえば不意の切断や注射などに対する 機械的防護性との両方を同時に達成することが、第一に、そして何よりも重要に なる。今日この目的で使用されている安全手袋は、十分に機能するものでないた めに、２枚の手袋を重ねて使用するのが一般的であり、そのことが当然のことな がら、安全手袋の使用を遅らし、また使用を困難なものとしている。しかしなが ら、２枚の手袋を重ねて使用することで、特に注射または切断に対する耐久性を 考える限りでは、安全手袋の基本材料の機械的強度は圧倒的に増大する。傷つい た点の変色によって該安全手袋の損傷を知らせることができるように、問題にな っている種類の安全手袋に、たとえば種々の化学的指示のしかけが適用されてき た理由はここにある。しかしながら実地の手術現場では、患者の状態が危篤であ るときに、たとえ安全手袋が破損しても施術者が常にそれを交換できる状況にお かれているとは限らないことを考慮せねばならない。患者に関心がいくがために 、連続して外科処置を行う者にはしばしば自らの健康への危険が伴う理由はここ にある。 sen osan suojaamiseksi ja/tai sen toiminnan tehostamiseksi”には、特に上 述の安全手袋と比較した場合に、本願の安全手袋に関して、ある手法で展開され た解決策が示されている。当該発明においては、防護手袋などの着用のための衣 類に、エネルギーを伝達するダクト、たとえば指に沿って処置点に光を導く光フ ァイバなどを設けることを最重要要件としている。 当該解決策に包含される安全手袋は、有益な実施形態として、ポリマーから作 られた高靭性の（high-tenaclty）繊維から編成または製織された伸縮性を有す る構造部分を含み、これにおいて、繊維の種類としては、異なる種類の石炭およ びポリエチレン繊維、アラミド繊維、組織などが用いられており、その場合、防 護手袋はさらに、たとえば安全手袋の再利用するための滅菌に関連して実施され る、たとえばオートクレーブおよびエチレンクレーブのいずれにも耐性を有する 。 問題になっている種類の衣類または防護手袋を多層構造をもつように、たとえ ば、強靱な人工繊維から上述のように編成した内層や、化学薬品や細菌に耐性を 有するたとえばゴムや合成樹脂材料から作られた外層をもつように製造した場合 、実地において、機械的に強靱で、高い防護能をもつ衣類が得られる。当該解決 策においては、たとえば前記照明効果は、内層に除去可能にまたは一体的に取付 けられた、光を導くための光ファイバなどを有する第２構造部分によって達成さ れる。 したがって、当該解決策は、一定の用途のための有益な実施形態として光学的 効果を有する安全手袋を含むが、この光学的効果は、すべての環境において必ず しも必要とされるという訳ではない。さらに、人工繊維から製造された編成層は 、上述のように配置された場合、皮膚に直接接触するために、該編成層を十分な 滅菌が難しく、また滅菌を行うのに費用がかかるという点で、上述の解決策の中 に示されている構造の原理は不利である。一方、当該解決策の製品開発途中に、 関連して開発された防護手袋の感受性が十分でないという重大な問題が見つかっ た。安全手袋をたとえば神経外科手術に用いることに関する特許出願において、 より良い感受性を得るために指先を覆わずにおかねばらないことを言及する必要 があった理由はここにある。 原則として、当該解決策はこのように適切な指針への１ステップではあるもの の、実地における手術または同様の用途に関係する非常に一般的で困難な問題を 十分に解決することはできない、すなわち、すべての用途および環境において、 十分に良好な機械的防護性と非機械的防護性との両方を同時に提供することはで きない。 本発明の目的は、上述の問題を決定的に改善することにあり、したがって、実 質的に当該分野における知識レベルを実質的に向上することにある。この目的を 達成するために、本発明に従う方法は、特に防護素材によって与えられる感受性 および安全性を最適化するために、第１の部分素材に属する少なくとも１つの編 成された層が、好適にはシングルジャージ編物またはその派生物から、１英イン チあたり少なくとも針数１０の機械ゲージを用いて製造されることを第１の特徴 とする。 本発明に従う方法の最も重要な利点として、有益性、特に該方法によって与え られる防護素材の安全性と使用適性との両方を考慮に入れた有益性を挙げること ができよう。本発明に従って製造された防護素材を用いると、感受性および十分 な機械的強度の両方に関係する問題、ならびに非機械的防護性の問題を解決する ことができる。長期間にわたる研究、開発、ならびに実地における実験的実施を 経て、編成層を編成する際により細かいゲージを使用することにより、特に感受 性を考慮した十分に薄い編成層であって、表面積が極度に小さく透過性のない編 成層を実現することができることが判った。本発明に従う方法において、より細 いポリマー繊維材料を利用することが特に有益であり、これにおいて、好適には 、たとえばシンカ法に基づき、好適には１インチあたり針数１３以上のゲージの 横編機を使用すると、非常に感受性が高く、さらに完全にフルファッションの（ completely fully fashioned）編製品を実現することができる。今日、実地にお いて自動装置によって製造されている通常の手袋は、原則として１つの部分から 構成される編地であるが、実地においては、現在に至るまでに完全にフルファッ ションの手袋を製造する必要性がなかった。したがって、たとえば従来技術によ って製造された手袋は、手編みの場合を除いて、たとえば各指の全長にわたって 常に同数の針を使用して製造されており、その結果、現行の手袋ではその様々な 部位における編目密度が異なる。 したがって、本発明に従う方法は、特に衣類のための、とりわけ医療上の用途 で使用される安全手袋などのための製造材料として使用された場合に、現行の対 応する解決策に比べて、著しく良好な衛生的防護性、切断や注入などに対する機 械的防護性、ならびに感受性を与える防護素材の製造を可能とする。本発明に従 う方法を有益に適用する場合、防護素材は、製造過程に関わる編成技術、加工技 術のいずれかに基づく解決法によってさらに強化することができ、たとえば、好 適には編成時にたとえばインターシャ技法を用いることによって、手の平側より も手の甲側の方をより厚くするなど、安全手袋の厚さを該手袋の様々な部分領域 において変化させることができる。さらにそれらのことに加えて、本発明に従う 方法によれば、前記防護素材は、たとえば、該防護素材の製造過程で一体的に配 置される色および柄を含んでも良い。 本発明に従う方法の有益な実施形態は、方法について記載した従属項に示す。 本発明はまた、伸縮性を有する防護素材に関する。該防護素材については、こ れに関する独立請求項の前提部において詳しく示す。該防護素材の第１の特徴は 、同請求項の特徴部に示す。 本発明に従う防護素材を用いることによって、同一の目的で使用されている現 行の素材に比べて、機械的損傷と衛生的損傷との両方同時に対抗するより良好な 防護性を実現することができる。本発明に従う防護素材に属する編成層の製造時 に、１インチあたりに非常に多くの針を使用することを、著しく細いポリマー繊 維材料と組合わせたことによって、さらに、該防護素材から作られた防護衣類、 たとえば安全手袋などの感受性を、今日使用されているものと比較して、著しく 良好なものにすることができる。したがって、本発明に従う防護素材の１つの主 たる利点は、該防護素材が特に安全手袋のための製造材料として使用された場合 に、過大の労力を要する外科手術でのあらゆる状況において、ただ１枚の手袋に よって十分な防護を可能にすることである。本発明に従う防護素材の機械的特性 は、該防護素材において、たとえば編成層であって、その気密性、たとえば被覆 係数値（cover factor value）が加工技術または編成技術によって高められてい る編成層を使用することによってさらに向上できる。本発明に従う防護素材を用 いることによって、たとえば３次元状の、完全にフルファッションの最終製品で あって、製造時に目的どおりに仕上げされ、着色、素材厚、全体の寸法などが予 め決められた通りの最終製品を得ることができる。この場合さらに、たとえば手 袋の、手の平側／手の甲側の素材厚の相比を調節することもできる。 本発明に従う防護素材の有益な実施形態は、該防護素材に関する従属項に示す 。 以下、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。図面において、 図１は、本発明に従う方法によって製造された防護素材を、原理的な断 面図として示したものであり、 図２は、防護素材の特性を改善するために、防護素材に属する編成層を 特に結合させて使用した場合の原理的な配置である。 本発明は、互いに結合した少なくとも２つの部分素材からなる伸縮性を有する 防護素材の製造方法に関する。第１の部分素材１には、特に機械的防護性を付与 すること、たとえば堅い物体の該素材内突破を防ぐことが意図されており、第２ の部分素材２には、特に非機械的防護性を付与すること、たとえば気体、液体な どの該素材への浸入を防ぐことが意図されている。伸縮性を有する防護素材を実 現するために、第１の部分素材は、好適にはポリマー繊維１ａなどから少なくと も部分的に編成することによって製造され、また、第２の部分素材２は、たとえ ば１またはいくつかのポリマー材料層２'などであって、編成層１'に結合して配 置され、製造時に少なくとも部分的に一体化されて製造される。防護素材によっ て与えられる特に感受性および安全性を最適化するために、第１の部分素材に属 する少なくとも１つの編成層１'は、好適にはシングルジャージ編物またはその 派生物から、機械ゲージを１英インチあたり少なくとも針数１０として製造され る。 本発明に従う方法の有益な実施形態として、防護素材は、特に、着用されるこ が意図された３次元防護装備の製造素材として使用されることが意図されている 。この場合、防護素材に属する第１の部分素材１は、ポリエチレン繊維(ＵＨＭ ＰＥ)、アラミド繊維(ＰＰＴＡ)、液晶繊維（ＬＣＰ）などの、高強度の有機ポ リマー繊維材料１ａから作られた糸から製造される。第１の部分素材に属する編 成構造物１'は、太さが好適には８０ｄｔｅｘから４４０ｄｔｅｘの細いポリマ ー繊維から製造される。これに関して、好適にはシンカ技法に基づき、１インチ あたり針数１３以上のゲージをもち、完全にフルファッションの編成構造物（１ '）を与える横編機が好適に用いられる。ここで、完全にフルファッションのと いう限定は、編成された３次元状の衣類が着用される際に、該衣類の様々な部分 領域において、編目密度が一定であることを意味する。 特に有益な実施形態として、前記方法は、防護素材を医療用の製品の製造素材 として使用すること、たとえば保護包帯、安全手袋、保護用の履物およびヘルメ ットなどの製造に用いることを目的としている場合に、適用される。この場合、 たとえば図１を参照して、第１の部分素材１全体を包囲する第２の部分素材２は 、好適には殺菌力があり、滅菌消毒可能なエラストマーやポリマーから、たとえ ば、ポリウレタン(ＰＵＲ)、エチルビニルアセテート(ＥＶＡ)、ポリエチレン（ ＰＥ）などから製造される。これに関して、特に重い点負荷を考慮して、特に防 護素材の効果を高めるために、たとえば鋭利な切断による貫通や注射などを防ぐ ために、防護素材は、防護素材の１または複数の部分素材１，２の表面積を特に 小さくして機械的透過性をなくすために、該防護素材の製造時に、編成技術およ び／または加工技術によって強化される。 さらに、有益な実施形態として、図２のＢに詳細に示したように、防護素材は 、 該防護素材の製造時に編成技術によって、特に第１部分層１に属し、機械的透過 性を与えている編成層１'の表面積を、たとえば該編成層１'の被覆係数を小さく するように強化されており、強化は、髭結晶（whisker：ウィスカー）１ａ"、ス テープル糸、繊維などを、ポリマー繊維材料１ａまたはその一部として使用する ことによって行われる。これに関して、図２のＡに詳細に示されるように編成を 行い、編地の構造を完全なものにするプラッシュループ糸１ａ'''、編込み糸１ ａ''''を使用することもできる。 本発明に従う方法の有益な実施例として、製造された編成層１'に関して、第 ２の部分素材（２）に属する他の化成層２'が、好適には被覆方法などによって 、たとえば浸漬、注入、塗布、吹付けなどによって、一体的に形成される。これ に関して、防護素材は、該防護素材の製造時に、加工技術によって、特に、第１ の部分素材１に属する編成層１'の表面積を小さくして機械的透過性をなくすよ うに、強化することができる。強化は、図２のＢに詳細に示すように、好適には 金属、セラミック、石、繊維などに基づく充填材料ｙを、第２の部分素材の一部 として、たとえば防護素材の機械的耐久性を強化する１つまたは複数の化成層２ 'の一部として使用することによって行われる。これに関して、実施の形態とし て、図２のＢに詳細に示すように、いわゆるウィスカーｙ'を使用することがで きる。これに関して、もちろん、ポリマー繊維材料１ａとして、またはその一部 として、好適には熱、圧力、薬品、および／または、対応する後処理（シルケッ ト加工を参照）によって断面積が拡大可能である糸材料を使用することもできる 。 本発明の方法の特に有益な実施形態として、防護素材に属する編成層１'の特 性は、たとえば該防護素材の様々な部分領域における強度、色、厚さなどは、編 成層１'を、特性が互いに異なる部分層Ｉ，IIら構成することによって変化させ る。これに関して、図２に従った編成を行う際に、いわゆるインターシャ技法が 用いられる。インターシャ技法を用いる場合、編成層１'は連続する部分層Ｉ，I Iから構成され、その場合、いわゆるプラッシュループ糸または編込み糸は、編 地の裏側には見られない。当該技術を使用することによって、図２に示されるよ うに、異なる種類の糸１ａ"、厚さ１ａ，１ａ'が用いられた部分領域を、あるい は様々な層Ｉ，IIにおいて構造すら異なっている部分領域を“継ぎ目なく”組合 わせて製品にすることができる。 さらに、本発明の有益な実施形態として、第２の部分素材２に属する少なくと も１つの化成層２'は、第１の部分素材１に属する少なくとも１つの編成層１'に 結合して配置され、結合は、均一なポリマーフィルムなどを３次元的に、好適に は、ブロー成形といったような正圧によって、および／または、真空成形といっ たような負圧によって形成することによって行われ、それにより、前記層２'お よび１'は、たとえば熱、圧力、および／または、化学積層処理によって、少な くとも部分的に相互に一体的に結合される。 上で説明したように、本発明に従う防護素材の機械的防護作用は、特に細いフ ィラメント糸から編成された編成層１'によって達成される。実地において実施 した試験では、シンカ技法に基づいた、たとえば１インチあたりの針数が１３以 上のゲージをもつ横編機であって、それを用いて上述のように均一で正確に寸法 どりのされた編地を製造することができるような横編機を使用するとさらに有益 であることがわかった。もし必要であれば、上で説明したように、いわゆる安全 手袋の上側の厚さを下側よりも厚く製造することによって、様々な部分領域の編 地を上述のように所望どおりに、素材強度の観点からおよび物理的に強化しても よい。これに関して、編成された構造物として、たとえばさらに、二次元的なシ ングルジャージ構造物、または、３次元的な、たとえばピケ構造物などを使用す ると有益である。たとえば、シングルジャージにおいて、有益な編目の幅は１で あり、高さは１．３であることが判った。 本発明に従う防護素材は、上で説明したように、３次元的形状に製造してもよ く、たとえば、図１に示す原理に従って編成層１'に個別に一体化されたポリマ ー材料層２ａ'，２ｂ'が、上述のように、浸漬によって、および／または、真空 成形および／またはブロー成形によって実現されるように製造してもよい。これ に関して、本発明に従う防護素材からたとえば手袋を製造する１つの可能な方法 は、たとえば２段階からなる浸漬であり、そこでは、まず最初に手袋の内面２' ａを手型を用いて形成し、その後、被覆された手型の上に編成層１'を配置する 。 次に、この編成層は、第２浸漬物２'ｂによってポリマー材料２の内部全体にわ たって一体化される。これに関して、様々な浸漬段階において異なる材料を使用 することができ、その場合、内面と外面の特性の違った製品が実現される。 一方、上述の真空成形および／またはブロー成形によって、全体的にまたは部 分的に一体化された末端構造をもつ製品を実現することができる。この場合、有 益な実施形態として、原料は、熱および負圧に補助される真空成形によって、た とえば手型の上に、手袋の内面２'ａを実現するように成形される。次に、編成 層１'を被覆された手型の上に配置し、その後、たとえば内面と同様にして外面 ２'ｂを形成する。これに関して、熱処理によって一体化の度合を調節すること ができる。一方、同じ関連において、ブロー成形法および真空成形法を用いるこ ともでき、そこでは、手袋の性質は、まず陰性モデルにフィルムを吹付け、その 後、陽性手袋モデルの表面に真空成形することによって与えられる。 したがって、本発明に従う伸縮性を有する防護素材は、図１に従って、特に機 械的防護性を付与する第１の部分素材１と、特に非機械的防護性を付与する第２ の部分素材２とによって形成される。第１の部分素材１は、ポリマー繊維材料１ ａから編成することによって製造され、そこで、第２の部分素材２は、たとえば 、製造時に、１またいくつかのポリマー材料層２'が編成層１'に結合して配置さ れたものであって、上述のように、製造時に部分的または全体的に組込まれて製 造されている。本発明に従う防護素材の第１の部分素材１に属する編成層１'は 、好適にはシングルジャージまたはシングルジャージの派生物から、１英インチ あたりの針数が少なくとも１０の機械ゲージを用いて製造される。 さらに、有益な実施形態として、特に、着用が意図された３次元防護装備など の製造素材として用いられる防護素材の、編成層１'は、好適には高靭性の細い 有機ポリマー繊維材料から作られた糸であって、太さが好適には８０ｄｔｘ〜４ ４０ｄｔｘの糸から製造される。これに関して、好適には横編機であって、好適 にはシンカ技法に基づき、１インチあたりの針数が１３以上のゲージを有する横 編機が使用される。図１に示すように、編成層１'の厚さｈ１がたとえば１００ μｍであるような防護素材を製造することができ、この場合、該防護素材全体の 厚さｈ２は、たとえば１１０μｍとなる。 上記の目的のために、防護素材の製造過程でさらに加工技術を用いて、該防護 素材を強化することができる。したがって、製造過程でたとえば浸漬処理を適用 する場合には、充填材ｙ、たとえばウィスカーｙ'などが、図２のＡおよびＢに 詳細に示すように、第２の部分素材２の一部として、たとえば１またはいくつか の要素から成る層２'の一部として使用され、基本素材の機械的靱性を強化して いる。これに関して、編地の中に、後処理によって断面積が拡大されている糸材 料を適合させることも、当然可能である。 特に有益な実施形態として、防護素材に属する編成層１'は、インターシャ技 法によって互いに結合された部分層ＩおよびIIから形成され、該部分層Ｉおよび IIの特性、たとえば強度、色、圧さなどは互いに異なる。このようにして、防護 素材から製造される最終製品の特性、たとえば靱性、外観、感受性などを、該製 品の様々な部分領域において変化させることができる。さらに、このようにする ことで、製造過程で異なる種類の製品マークを一体的に付加することが可能にな り、または、たとえば防護または安全手袋の様々な部分において、異なる太さの 糸１ａ，１ａ'、または異なる種類の糸１ａ"を用いることによって、直接感受性 を直接的に調節することが可能になる。 本発明は、上で開示または記載した実施形態に限定されることなく、その基本 的原理の範囲内であれば大きく変形することも可能であることは、明らかである 。というのも、本発明に従う方法は、上述のように、雑多な製造材料および方法 を用いて、技術的に非常に多くの方法で実施することができ、その場合、開示し た指針的な実施方法および図面は、特定の有益な実施形態の一般的原理しか示し ていないからである。したがって、本発明に従う方法、および該方法によって製 造される防護素材は、非常に雑多な環境および目的に関連して適用することがで きる。

【手続補正書】 【提出日】１９９８年９月２日 【補正内容】 請求の範囲 １．少なくとも医療上の用途に適用可能な安全手袋のための伸縮性を有する防 護素材の製造方法であって、該防護素材は、互いに結合された少なくとも２つの 部分材料から構成され、第１の部分素材（１）は、特に機械的防護性を付与する こと、たとえば堅い物体が該防護素材を突破することを防止することが意図され たものであり、第２の部分素材（２）は、特に非機械的防護性を付与すること、 たとえば気体や液体が該防護素材に浸入するのを防止することが意図されたもの であり、伸縮性を有する防護素材を達成するために、第１の部分素材（１）は、 高靭性の有機ポリマー繊維材料（１ａ）から作られた糸から編成によって製造さ れ、第２の部分素材（２）は、１またはいくつかのポリマー材料層（２'）など であって、防腐性で滅菌可能なエラストマー、ポリマーなどから、たとえばポリ ウレタン（ＰＵＲ）、エチルビニルアセテート（ＥＶＡ）、ポリエチレン（ＰＥ ）などから製造されるポリマー層（２'）が、製造過程で、前もって製造された 編成層（１'）に結合して該編成層（１'）全体を包囲するように製造される、伸 縮性を有する防護素材の製造方法において、特に防護素材によって与えられる感 受性および安全性を最適化するために、第１の部分素材（１）の少なくとも１つ の編成層（１'）は、シングルジャージ編物またはシングルジャージ編物の派生 物によって、３次元の完全にフルファッションの編成構造物（１'）に、１英イ ンチあたりの針数が少なくとも１０の機械ゲージを適用することによって製造さ れることを特徴とする伸縮性を有する防護素材の製造方法。 ２．編成構造物（１'）は、細いポリマー繊維材料（１ａ）、たとえばポリエ チレン繊維（ＵＨＭＰＥ）、アラミド繊維（ＰＰＴＡ）、液晶繊維（ＬＣＰ）な どの、好適には太さが８０ｄｔｘ〜４００ｄｔｘの細いポリマー繊維材料（１ａ ）から、シンカ技法に基づき、１インチあたりの針数が１３以上のゲージを有す る横編機によって製造されて、完全にフルファッションの編成構造物（１'）と なり、該編成構造物（１'）においては、３次元状安全手袋の着用時に、該手袋 の様々な部分における編目密度が本質的に一定となることを特徴とする請求項１ 記載の方法。 ３．防護素材は、特に、編成層（１'）の表面積を減少させて、たとえば該編 成層（１'）の被覆係数値などを減少させて機械的透過性をなくすために、編地 を完全なものにするプラッシュループ糸（１ａ'"）や編込み糸（１ａ""）を用い ることによって、該防護素材の製造過程における編成技術によって強化されるこ とを特徴とする請求項１または２記載の方法。 ４．防護素材は、特に、編成層（１'）の表面積を減少させて機械的透過性を なくすために、熱、圧力、薬品、および／または、対応する後処理によって断面 積が拡大可能な糸材料を、ポリマー繊維材料（１ａ）として、またはポリマー繊 維材料の一部として用いることによって、該防護素材の製造過程における加工技 術によって強化されることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の方法。 ５．防護素材に属する編成層（１'）の様々な部分領域における特性を、たと えば強度、色、厚さなどを、編成時にインターシャ技法または相応の技術を用い て、該編成層（１'）を特性が互いに異なる部分層（Ｉ，II）から形成すること によって変えることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の方法。 ６．第２の部分素材（２）に属する少なくとも１つの化成層（２'）は、正圧 によって、たとえばブロー成形や相応のものによって、および／または、負圧に よって、たとえば真空成形や相応のものによって、均一なポリマーフィルムなど を３次元的に形成して、第１の部分素材（１）の編成層（１'）に関連して配置 され、これらの層（２'，１'）は、熱、加圧、および／または化学的積層処理ま たは対応する処理によって一体的に結合されることを特徴とする請求項１〜５の いずれかに記載の方法。 ７．少なくとも医療上の用途に適用可能な安全手袋のための伸縮性を有する防 護素材であって、互いに結合された少なくとも２つの部分材料から構成され、第 １の部分素材（１）は、特に機械的防護性を付与すること、たとえば堅い物体が 該防護素材を突破することを防止することが意図されたものであり、第２の部分 素材（２）は、特に非機械的防護性を付与すること、たとえば気体や液体が該防 護素材に浸入するのを防止することが意図されたものであり、伸縮性を有する防 護素材を達成するために、第１の部分素材（１）は、高靭性の有機ポリマー繊維 材料（１ａ）から作られた糸から編成によって製造され、第２の部分素材（２） は、１またはいくつかのポリマー材料層（２'）などであって、防腐性で滅菌可 能なエラストマー、ポリマーなどから、たとえばポリウレタン（ＰＵＲ）、エチ ルビニルアセテート（ＥＶＡ）、ポリエチレン（ＰＥ）などから製造されるポリ マー層（２'）が、製造過程で、前もって製造された編成層（１'）に結合して該 編成層（１'）全体を包囲するように製造される、伸縮性を有する防護素材にお いて、特に防護素材によって与えられる感受性および安全性を最適化するために 、シングルジャージ編物またはシングルジャージ編物の派生物によって、１英イ ンチあたりの針数が少なくとも１０の機械ゲージを適用することによって製造さ れた第１の部分素材（１）の少なくとも１つの編成層（１'）は、３次元の完全 にフルファッションの編成構造物（１'）を含んで構成されることを特徴とする 伸縮性を有する防護素材。 ８．編成構造物（１'）は、完全にフルファッションの編成構造物（１'）を含 み、該編成構造物（１'）においては、３次元状安全手袋が着用された時に、該 手袋の様々な部分における編目密度が本質的に一定となり、また該編成構造物（ １'）は、シンカ技法に基づき、１インチあたりの針数が１３以上のゲージを有 する横編機によって、細いポリマー繊維材料（１ａ）、たとえばポリエチレン繊 維（ＵＨＭＰＥ）、アラミド繊維（ＰＰＴＡ）、液晶繊維（ＬＣＰ）などの、好 適には太さが８０ｄｔｘ〜４００ｄｔｘの細いポリマー繊維材料（１ａ）から製 造されることを特徴とする請求項７記載の防護素材。 ９．防護素材は、特に、編成層（１'）の表面積を減少させて、たとえば該編 成層（１'）の被覆係数値などを減少させて機械的透過性をなくすために、編地 を完全なものにするプラッシュループ糸（１ａ'"）や編込み糸（１ａ""）を用い ることによって、該防護素材の製造過程で適用される編成技術によって配置され 強化されることを特徴とする請求項７または８記載の防護素材。 10．防護素材は、特に、編成層（１'）の表面積を減少させて機械的透過性を なくすために、熱、圧力、薬品、および／または、対応する後処理によって断面 積が拡大可能な糸材料を、ポリマー繊維材料（１ａ）として、またはポリマー繊 維材料の一部として用いることによって、該防護素材の製造過程で適用される加 工技術によって配置され強化されることを特徴とする請求項８または９記載の防 護素材。 11．防護素材の編成層（１'）は、インターシャ技法によって互いに結合され た部分層（Ｉ，II）から形成され、該部分層（Ｉ，II）の特性、たとえば強度、 色、厚さなどは互いに異なり、少なくとも、該防護素材からつくられた安全手袋 の特性、たとえば耐久性、外観、感受性などを、該安全手袋の様々な部分領域に おいて変化させることができるようにしたことを特徴とする請求項７〜１０のい ずれかに記載の防護素材。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ， ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，Ｈ Ｕ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ， ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．伸縮性を有する防護素材の製造方法であって、該防護素材の目的は、少な くとも医療目的で利用可能な安全手袋の製造材料として使用することであり、該 防護素材は、互いに結合された少なくとも２つの部分から構成され、第１の部分 素材（１）は、特に機械的防護性を付与すること、たとえば堅い物体が該防護素 材を突破することを防止することが意図されたものであり、第２の部分素材（２ ）は、特に非機械的防護性を付与すること、たとえば気体や液体が該防護素材に 浸入するのを防止することが意図されたものであり、伸縮性を有する防護素材を 達成するために、第１の部分素材（１）は、好適には高靭性の有機ポリマー繊維 材料(１ａ)、たとえばポリエチレン繊維(ＵＨＭＰＥ)、アラミド繊維(ＰＰＴＡ) 、液晶繊維（ＬＣＰ）などから作られた糸から編成されて製造され、第２の部分 素材（２）は、１またはいくつかのポリマー材料層（２'）などが製造過程で編 成層（１'）に結合して配置されたものであって、編成層（１'）全体を包囲する ように製造され、該第２の部分素材は、防腐性で滅菌可能なエラストマー、ポリ マーなどから、たとえばポリウレタン(ＰＵＲ)、エチルビニルアセテート(ＥＶ Ａ)、ポリエチレン（ＰＥ）などから製造される伸縮性を有する防護素材の製造 方法において、特に、防護素材によって与えられる感受性および安全性を最適化 するために、第１の部分素材（１）に属する少なくとも１つの編成層（１'）は 、好適にはシングルジャージ編物またはシングルジャージ編物の派生物から、３ 次元形状を有する編成構造物に、１英インチあたりの針数が少なくとも１０の機 械ゲージを適用することによって製造されることを特徴とする伸縮性を有する防 護素材の製造方法。 ２．第１の部分素材（１）に属する編成構造物（１'）は、好適には太さが８ ０ｄｔｘ〜４００ｄｔｘの細いポリマー繊維材料（１ａ）から、好適にはシンカ 技法に基づき、１インチあたりの針数が１３以上のゲージを有する横編機であっ て、３次元状安全手袋が着用された時に、該手袋の様々な部分において編目密度 が本質的に一定となる完全にフルファッションの編成構造物（１'）を可能にす る横編機を用いて製造されることを特徴とする請求項１記載の方法。 ３．防護素材は、特に、第１の部分素材（１）に属する編成層（１'）の表面 積、たとえば該編成層の被覆係数値などを減少させて、機械的透過性をなくすた めに、編地を完全なものにするプラッシュループ糸(１ａ''')や編込み糸(１ａ'' '')などを用いて、該防護素材の製造過程における編成技術によって強化される ことを特徴とする請求項１または２記載の方法。 ４．防護素材は、特に、第１の部分素材（１）に属する編成層（１'）の表面 積を減少させて、機械的透過性をなくすために、好適には熱、圧力、薬品、およ び／または、対応する後処理によって断面積が拡大可能な糸材料を、ポリマー繊 維材料（１ａ）として、またはポリマー繊維材料の一部として用いることによっ て、該材料の製造過程における加工技術によって強化されることを特徴とする請 求項１〜３のいずれかに記載の方法。 ５．防護素材に属する編成層（１'）の様々な部分領域における特性を、たと えば強度、色、厚さなどを、好適には編成時にインターシャ技法を用いて、該編 成層（１'）を特性が互いに異なる部分層（Ｉ，II）から形成することによって 変えることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の方法。 ６．第２の部分素材（２）に属する少なくとも１つの化成層（２'）は、好適 には正圧によって、たとえばブロー成形法や相応の方法によって、および／また は、負圧によって、たとえば真空成形法や相応の方法によって、または均一なポ リマーフィルムを３次元的に形成して、部分素材（１）に属する少なくとも１つ の編成層（１'）に関連して配置し、これらの層（２'，１'）は、好適には熱、 加圧、および／または化学的積層処理や相応の処理によって互いに結合されるこ とを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記載の方法。 ７．伸縮性を有する防護素材であって、該防護素材の目的は、少なくとも医療 目的で利用可能な安全手袋の製造材料として使用することであり、該防護素材は 、互いに結合された少なくとも２つの部分から構成され、第１の部分素材（１） は、特に機械的防護性を付与すること、たとえば堅い物体が該防護素材を突破す ることを防止することが意図されたものであり、第２の部分素材（２）は、特に 非機械的防護性を付与すること、たとえば気体や液体が該防護素材に浸入するの を防 止することが意図されたものであり、伸縮性を有する防護素材を達成するために 、第１の部分素材（１）は、好適には高靱性の有機ポリマー繊維材料(１ａ)、た とえばポリエチレン繊維(ＵＨＭＰＥ)、アラミド繊維(ＰＰＴＡ)、液晶繊維（Ｌ ＣＰ）などから作られた糸から編成によって製造され、第２の部分素材（２）は 、１またはいくつかのポリマー材料層（２'）などが製造過程で編成層（１'）に 結合して配置されたものであって、編成層（１'）全体を包囲するように製造さ れ、該第２の部分素材は、防腐性で滅菌可能なエラストマー、ポリマーなどから 、たとえばポリウレタン(ＰＵＲ)、エチルビニルアセテート(ＥＶＡ)、ポリエチ レン（ＰＥ）などから製造される伸縮性を有する防護素材において、特に、防護 素材によって与えられる感受性および安全性を最適化するために、第１の部分素 材（１）に属する少なくとも１つの編成層（１'）は、好適にはシングルジャー ジ編物またはシングルジャージ編物の派生物から、３次元形状を有する編成構造 物に、１英インチあたりの針数が少なくとも１０の機械ゲージを適用することに よって製造されることを特徴とする伸縮性を有する防護素材。 ８．第１の部分素材（１）に属する編成構造物（１'）は、好適には太さが８ ０ｄｔｘ〜４００ｄｔｘの細いポリマー繊維材料（１ａ）から、好適にはシンカ 技法に基づき、１インチあたりの針数が１３以上のゲージを有する横編機であっ て、３次元状安全手袋が着用された時に、該手袋の様々な部分において編目密度 が本質的に一定となる完全にフルファッションの編成構造物（１'）を可能にす る横編機を用いて製造されることを特徴とする請求項７記載の防護素材。。 ９．防護素材は、特に、第１の部分素材（１）に属する編成層（１'）の表面 積、たとえば該編成層の被覆係数値などを減少させて、機械的透過性をなくすた めに、編地を完全なものにするプラッシュループ糸(１ａ''')や編込み糸(１ａ'' '')などを用いて、該防護素材の製造過程における編成技術によって配置され強 化されることを特徴とする請求項７または８記載の防護素材。 10．防護素材は、特に、第１の部分素材（１）に属する編成層（１'）の表面 積を減少させて、機械的透過性をなくすために、好適には熱、圧力、薬品、およ び／または、対応する後処理によって断面積が拡大可能な糸材料を、ポリマー繊 維材料（１ａ）として、またはポリマー繊維材料の一部として用いることによっ て、該材料の製造過程における加工技術によって配置され強化されることを特徴 とする請求項８または９記載の防護素材。 11．防護素材に属する編成層（１'）は、部分層（Ｉ，II）から形成され、該 部分層（Ｉ，II）は、好適には編成時にインターシャ技法を適合させることによ って互いに結合され、該部分層の特性、たとえば強度、色、厚さなどは互いに異 なり、該防護素材からつくられた安全手袋の特性、たとえば耐久性、外観、感受 性などを、該手袋の様々な部分領域において変化させることができるようにした ことを特徴とする請求項７〜１０のいずれかに記載の防護素材。