JPH1150900A - 火花点火式エンジンの制御装置 - Google Patents

火花点火式エンジンの制御装置

Info

Publication number
JPH1150900A
JPH1150900A JP9209318A JP20931897A JPH1150900A JP H1150900 A JPH1150900 A JP H1150900A JP 9209318 A JP9209318 A JP 9209318A JP 20931897 A JP20931897 A JP 20931897A JP H1150900 A JPH1150900 A JP H1150900A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel ratio
ignition coil
air
ignition
dwell time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9209318A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Harada
隆行 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP9209318A priority Critical patent/JPH1150900A/ja
Publication of JPH1150900A publication Critical patent/JPH1150900A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 点火エネルギを増大してのリーン空燃比の運
転時、点火コイルの負荷状態に応じて点火コイルの通電
時間及び空燃比を制御することにより常に安定した燃焼
を確保し、リーン限界を拡大する。 【解決手段】 点火コイルのコイル温度Tを検出し、T
>THIGHで点火コイルが過負荷状態のときには、ドエル
時間を目標ドエル時間から点火コイルの熱的負担を軽減
することのできる最小範囲の設定ドエル時間に向けて縮
小補正するとともに、この設定ドエル時間での点火エネ
ルギに見合った着火性が確保できるよう、空燃比を設定
空燃比に向けてリッチ補正する。これにより、リーンバ
ーン制御時の目標空燃比A/Fがストイキオ方向にシフ
トされ、上記設定ドエル時間での点火エネルギに見合っ
たリーン空燃比となって安定した燃焼を確保することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リーン空燃比での
運転時、点火コイルの通電時間を可変して点火エネルギ
の増大を図る火花点火エンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、火花点火エンジンにおいては、
点火コイルの一次電流を遮断する際に発生する二次高電
圧を点火プラグに印加して放電させる点火装置が広く採
用されているが、安定した燃焼を確保するために要求さ
れる点火エネルギは、燃焼方式や運転状態等によって変
化する。
【0003】例えば、希薄混合気での燃焼を行うリーン
バーンエンジンでは、安定した燃焼を確保するために大
きな点火エネルギを必要とする。このため、実開平5−
57362号公報には、運転時の空燃比に応じて点火コ
イルの通電時間を適宜変更できるようにし、リーンバー
ン運転時に放電エネルギを増大させて点火状態の改善を
図る技術が提案されている。
【0004】この場合、点火コイルの通電時間を変更し
て放電エネルギを増大させると、点火コイルが過負荷と
なる虞があるため、本出願人は、先に、特開平7−26
8746号公報において、リーンバーン運転時や高EG
R運転時、点火コイルの通電時間を延長するとともに延
長した後の経過時間を計時し、その経過時間が設定時間
以上になったとき、点火コイルの通電時間延長を中止す
ることにより、点火コイルの過負荷を防止しつつ、点火
エネルギの増大を図る技術を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、点火コ
イルの過負荷を防止しつつ点火エネルギの増大を図る場
合、より精密な制御のためには点火コイルの負荷状態に
応じて点火コイルの通電時間を制御する必要がある。
【0006】さらに、従来では、リーン運転中に点火コ
イルが過負荷となった場合、点火コイルの通電時間を短
縮せざるを得ないことから、安定した燃焼を確保するに
はストイキオ或いはリッチ空燃比での運転に戻さなけれ
ならず、リーン限界を拡大する上での制約となってい
た。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、点火エネルギを増大してのリーン空燃比の運転時、
点火コイルの負荷状態に応じて点火コイルの通電時間及
び空燃比を制御することにより常に安定した燃焼を確保
し、リーン限界を拡大することのできる火花点火式エン
ジンの制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
リーン空燃比での運転時、点火コイルの通電時間を目標
空燃比に対応した値に設定する手段と、上記点火コイル
の負荷状態を調べ、この負荷状態が設定状態を超えて過
負荷となっているか否かを判別する手段と、上記点火コ
イルが過負荷になっていると判別されたとき、上記点火
コイルの通電時間を縮小補正するとともに、この縮小補
正した通電時間に対応して上記目標空燃比をリーン空燃
比の範囲内で補正する手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記点火コイルの負荷状態を温度センサに
よって検出したコイル温度によって調べることを特徴と
する。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記点火コイルの負荷状態を上記点火コイ
ルの一次側抵抗値の変化量によって調べることを特徴と
する。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記点火コイルの負荷状態を上記点火コイ
ルの通電時間の加重平均値に基づいて調べることを特徴
とする。
【0012】すなわち、本発明による火花点火式エンジ
ンの制御装置では、請求項1に記載したように、リーン
空燃比での運転時、目標空燃比に対応した値に点火コイ
ルの通電時間を設定して点火エネルギの増大を図り、点
火コイルの負荷状態を調べて過負荷と判別したときに
は、点火コイルの通電時間を縮小補正するとともに、こ
の縮小補正した通電時間に対応して目標空燃比をリーン
空燃比の範囲内で補正することで、燃焼の安定性を確保
する。
【0013】この場合、点火コイルの負荷状態は、請求
項2,3,4にそれぞれ記載したように、温度センサに
よって検出したコイル温度、点火コイルの一次側抵抗値
の変化量、点火コイルの通電時間の加重平均値によって
調べることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図4は本発明の実施の一形
態に係わり、図1は点火制御ルーチンのフローチャー
ト、図2は燃料噴射量設定ルーチンのフローチャート、
図3は点火コイル温度、目標空燃比、ドエル時間の関係
を示す説明図、図4はエンジン制御系の概略構成図であ
る。
【0015】図4において、符号1はエンジンであり、
高出力を要求される高負荷・加速運転時あるいはアイド
リング等の一部の運転領域を除く運転領域で希薄燃焼
(リーンバーン)を行うリーンバーンエンジンである。
このエンジン1のシリンダブロック1aの左右両バンク
には、それぞれシリンダヘッド2が設けられ、このシリ
ンダヘッド2と上記シリンダブロック1aとで形成され
る気筒毎の燃焼室3に、吸気バルブ4を介してインテー
クマニホルド5が連通されるとともに排気バルブ6を介
してエキゾーストマニホルド7が連通されている。
【0016】上記吸気バルブ4が介装される吸気ポート
の直上流側には、インジェクタ8が臨まされ、上記シリ
ンダヘッド2には、先端を上記燃焼室3に露呈する点火
プラグ9が各気筒毎に取り付けられている。この点火プ
ラグ9には、点火コイル10が連設され、この点火コイ
ル10にイグナイタ11が接続されている。
【0017】また、上記インテークマニホルド5の上流
側集合部にエアチャンバ12が形成されて吸気管13に
連通され、この吸気管13上流側の空気取入れ口側には
エアクリーナ14が取付けられ、中途にスロットルバル
ブ15が介装されている。さらに、上記吸気管13に
は、上記スロットルバルブ15をバイパスするバイパス
通路13aが接続されており、このバイパス通路13a
にアイドルスピードコントロールバルブ(ISCV)1
6が介装されている。
【0018】一方、上記エキゾーストマニホルド7には
排気管17が連通され、この排気管17の上記エキゾー
ストマニホルド7の集合部直下流に触媒コンバータ18
が介装され、さらに、下流端にマフラ19が介装されて
いる。
【0019】また、上記エンジン1には、各種センサ類
が配置されており、そのセンサ類としては、上記吸気管
13の上記エアクリーナ14の直下流に介装される吸入
空気量センサ20、上記スロットルバルブ15に連設さ
れ、スロットル開度を検出するスロットル開度センサと
スロットル全閉でONするアイドルスイッチとを内蔵し
たスロットルセンサ21、上記シリンダブロック1aに
取り付けられるノックセンサ22、上記シリンダブロッ
ク1aの左右両バンクを連通する冷却水通路1bに臨ま
される冷却水温センサ23、クランクシャフト1cに軸
着されたクランクロータ24の外周に対設されるクラン
ク角検出用のクランク角センサ25、カムシャフト1d
に連設するカムロータ26に対設される気筒判別用のカ
ム角センサ27、上記排気管18の触媒コンバータ19
上流側に臨まされる広域空燃比センサ28、点火コイル
10のコイル温度を検出するための温度センサ29、そ
の他、図示しない各種センサ類がある。
【0020】上記各種センサ類は、上記エンジン1を電
子的に制御する電子制御装置(ECU)50に接続され
ている。このECU10は、CPU51、ROM52、
RAM53、バックアップRAM54、I/Oインタフ
ェース55等からなるマイクロコンピュータを中心とし
て構成され、各部に安定化電圧を供給する電源回路5
6、上記I/Oインタフェース55の出力ポートからの
信号によりアクチュエータ類を駆動する駆動回路57、
及び、センサ類からのアナログ信号をデジタル信号に変
換するA/D変換器58等の周辺回路が組み込まれてい
る。
【0021】上記I/Oインタフェース55の入力ポー
トには、上記クランク角センサ25、上記カム角センサ
27、その他、図示しないセンサ類・スイッチ類が接続
され、さらに、上記A/D変換器58を介して、上記吸
入空気量センサ20、上記スロットルセンサ21、上記
吸気管圧力センサ22、上記冷却水温センサ23、上記
広域空燃比センサ28、上記温度センサ29等が接続さ
れている。一方、上記I/Oインタフェース55の出力
ポートには、上記イグナイタ11が接続されるととも
に、上記駆動回路57を介して、上記インジェクタ8、
上記ISCV16、その他、図示しない各種アクチュエ
ータ類が接続されている。
【0022】また、上記電源回路56は、ECUリレー
60のリレー接点を介してバッテリ61に接続され、こ
のバッテリ61に、上記ECUリレー60のリレーコイ
ルがイグニッションスイッチ62を介して接続されてい
る。また、上記電源回路56は、直接、上記バッテリ6
1に接続されており、上記イグニッションスイッチ62
がONされてECUリレー60のリレー接点が閉となっ
たとき、上記電源回路56から各部へ電源が供給される
一方、上記イグニッションスイッチ62のON,OFF
に拘らず、常時、上記バックアップRAM54にバック
アップ用の電源が供給される。
【0023】上記CPU51では、上記ROM52に記
憶されている制御プログラムに従って、I/Oインタフ
ェース55を介して入力されるセンサ・スイッチ類から
の検出信号、及びバッテリ電圧等を処理し、RAM53
及びバックアップRAM54に格納される各種データ、
ROM52に記憶されている固定データ等に基づき、燃
料噴射量、点火時期、ISCV16に対する駆動信号の
デューティ比等を演算し、燃料噴射制御、点火時期制
御、アイドル回転数制御等の各種エンジン制御を行う。
【0024】このエンジン制御においては、省燃費化の
ため、運転領域によって通常の混合気でのストイキオへ
の空燃比制御から希薄燃焼による空燃比制御すなわちリ
ーンバーン制御へ切換えるようにしているが、リーンバ
ーン制御時には、混合気への着火性が悪いため通常制御
時に比べて大きな点火エネルギを必要とする。
【0025】このため、上記ECU50では、エンジン
の運転状態に応じた要求点火エネルギを確保し、且つ、
点火エネルギの増大に伴う点火コイル10の負荷状態を
監視し、常に安定した燃焼状態となるようにしている。
【0026】以下、リーンバーン制御時の点火エネルギ
増大に係る処理について、図1及び図2のフローチャー
トに従って説明する。
【0027】図2は、システムイニシャライズ後、所定
周期毎に実行される燃料噴射量設定ルーチンであり、燃
料噴射対象気筒毎に燃料噴射量を定める燃料噴射パルス
幅Tiが設定される。
【0028】この燃料噴射量設定ルーチンでは、ステッ
プS101で、クランク角センサ25の出力信号に基づくエ
ンジン回転数NEと、吸入空気量センサ20からの出力
信号に基づく吸入空気量Qとから、単位回転当たりの吸
入空気流量Qcyをエンジン負荷として算出し(Qcy←Q
/NE)、ステップS102で、エンジン回転数NEと単位回
転当たりの吸入空気流量Qcyとに基づいて、運転領域毎
に空燃比目標値がストアされているマップを参照して目
標空燃比A/Fを設定する。例えば、極低負荷低回転領
域及び高負荷領域を除く低負荷及び中負荷領域でリーン
バーン制御を行う場合、各領域毎にリーンの目標空燃比
が設定される。
【0029】次に、ステップS103へ進み、点火コイル1
0の通電時間(ドエル時間)に応じて空燃比を補正する
ための後述する空燃比補正値KIGをRAM54の所定ア
ドレスから読み出すと、ステップS104で、この空燃比補
正値KIGによって目標空燃比A/Fを補正し、補正した
目標空燃比A/Fと単位回転当たりの吸入空気流量Qcy
とに基づいて、基本燃料噴射量を定める基本燃料噴射パ
ルス幅Tpを算出する(Tp←K×Qcy/((A/F)−K
IG);但し、Kはインジェクタ特性補正定数)。
【0030】続くステップS105では、冷却水温センサ2
3による冷却水温、スロットルセンサ21によるスロッ
トル開度出力やアイドル出力等に基づいて、冷却水温補
正、加減速補正、全開増量補正、アイドル後増量補正な
どに係わる各種増量分補正係数COEFを設定し、ステ
ップS106で、広域空燃比センサ28の出力に基づく実空
燃比と目標空燃比との偏差に応じて設定される空燃比フ
ィードバック補正係数λをRAM53の所定アドレスか
ら読み出す。
【0031】さらに、ステップS107でバッテリ電圧VB
に基づいてインジェクタ8の無効噴射時間を補間する電
圧補正係数TSを設定すると、ステップS108で、基本燃
料噴射パルス幅Tpに各種増量分補正係数COEF及び
空燃比フィードバック補正係数λを乗算して電圧補正係
数TSを加算し、空燃比補正及び電圧補正を行って最終
的な燃料噴射量を定める燃料噴射パルス幅Tiを設定す
る(Ti←Tp×COEF×λ+TS)。そして、ステッ
プS109で、この燃料噴射パルス幅Tiを燃料噴射対象気
筒の噴射用タイマにセットし、ルーチンを抜ける。
【0032】以上の燃料噴射量設定ルーチンによるリー
ンバーン制御実行時には、要求点火エネルギが増大する
ため、以下に説明する図1の点火制御ルーチンで点火コ
イル10のドエル時間を設定し、一次側に蓄積されるエ
ネルギを増大させるようにしている。
【0033】この点火制御ルーチンでは、まず、ステッ
プS201でエンジン回転数NEと基本燃料噴射パルス幅Tp
とに基づいて基本進角値テーブル(ステップS201図示参
照)を参照して基本進角値ADVBASEを設定すると、ス
テップS202で、冷却水温やノックセンサ22からの信号
に基づくノッキング発生の有無に応じて点火時期補正値
ADVKを設定する。
【0034】次いで、ステップS203へ進み、基本進角値
ADVBASEに点火時期補正値ADVKを加算して制御進
角ADVを設定すると(ADV←ADVBASE+ADV
K)、ステップS204で、リーン運転状態か否かを調べ
る。そして、リーン運転状態でないとき、ステップS205
へ進んで、バッテリ電圧VBに基づいてテーブル参照等
によりストイキオ或いはリッチ空燃比における点火コイ
ル10の基本ドエル時間DWLBを設定する。この基本ド
エル時間DWLBは、バッテリ電圧VBに依存して変化する
コイル一次電流に基づく基本通電時間であり、バッテリ
電圧VBが高い程、短い値の基本ドエル時間DWLBがテー
ブルにストされている。
【0035】さらに、上記ステップS205からステップS2
06へ進むと、エンジン回転数NEに基づくテーブル参照に
よって回転補正係数KDWLNを設定する。この回転補正係
数KDWLNは、エンジン回転数NEが高くなる程、短くな
るコイルの非通電時間(休止時間)の影響を補正するた
めの係数であり、エンジン回転数NEが高い程、小さい
値の回転補正係数KDWLNがテーブルにストされている。
【0036】その後、上記ステップS206からステップS2
07へ進み、基本ドエル時間DWLBに回転補正係数KDWLN
を乗算してストイキオ或いはリッチ空燃比での目標ドエ
ル時間DWLを設定する(DWL←DWLB×KDWLN)。
そして、ステップS208で空燃比補正値KIGを0とし(KIG
←0)、ステップS217で、点火対象該当気筒の点火タイ
マに、制御進角ADV、ドエル時間(目標ドエル時間)
DWLをセットし、ルーチンを抜ける。
【0037】その結果、所定のタイミングでECU50
からイグナイタ16へ点火対象気筒に点火信号が出力さ
れて点火コイル10の通電が開始され、点火タイミング
に達したとき、ドエルがカットされて点火コイル10に
高圧の二次電圧が誘起され、点火対象気筒の点火プラグ
9がスパークする。
【0038】一方、上記ステップS204で、リーン運転状
態のときには、上記ステップS204からステップS209へ進
み、リーン空燃比における目標ドエル時間DWLを設定
する。この目標ドエル時間DWLは、リーンバーン制御
時の目標空燃比A/Fに対し、失火が生じないよう点火
エネルギを増加させるためのドエル時間であり、目標空
燃比A/F、バッテリ電圧VB、エンジン回転数NE等に
基づいて設定され、一般的には、ストイキオ或いはリッ
チ空燃比での目標ドエル時間よりも長いドエル時間に設
定される。
【0039】続くステップS210,S211では、点火コイル
10の負荷状態を検出し、この負荷状態が設定状態を超
えて過負荷となっているか否かを調べる。点火コイル1
0の負荷状態は、点火コイル10のコイル温度Tによっ
て調べることができ、ステップS210では、温度センサ2
9からの出力に基づいて点火コイル10のコイル温度T
を検出し、ステップS211で、このコイル温度が設定温度
THIGHを超えているか否かを調べる。この設定温度THI
GHは、点火コイル10の容量、仕様、耐久性等を考慮し
て定めた連続使用可能な上限温度である。
【0040】その結果、T>THIGHで点火コイル10が
過負荷状態のときには、ステップS211からステップS212
へ進んで、点火コイル10のドエル時間を、上記ステッ
プS209で設定した目標ドエル時間から点火コイル10の
熱的負担を軽減することのできる最小範囲の設定ドエル
時間に向けて縮小補正する。
【0041】さらに、ステップS213で、上記設定ドエル
時間での点火エネルギに見合った着火性が確保できるよ
う、空燃比を設定空燃比に向けてリッチ補正すべく空燃
比補正値KIG(初期値は0)をプラス側に増大させ、ス
テップS217での点火タイマセットを経てルーチンを抜け
る。
【0042】上記設定空燃比は、上記設定ドエル時間の
関数として与えられるリーン限界の空燃比であり、前述
の燃料噴射量設定ルーチンにおいて、リーンバーン制御
時の目標空燃比A/Fが空燃比補正値KIGだけストイキ
オ方向にシフトされて基本燃料噴射パルス幅Tpが算出
される(ステップS104)ことで、実質的に目標空燃比が
リーン空燃比の範囲内でストイキオ方向に補正され、上
記設定ドエル時間での点火エネルギに見合ったリーン空
燃比となって安定した燃焼を確保することができる。
【0043】また、上記ステップS211でT≦THIGHであ
り、点火コイル10のコイル温度Tが設定温度THIGHを
超えていないときには、上記ステップS211からステップ
S214へ分岐し、コイル温度Tが設定温度TLOWより低い
か否かを調べる。この設定温度TLOWは、リーンバーン
制御時に運転領域に応じてテーブル設定される目標空燃
比で連続使用可能な点火コイル10の温度であり、TLO
W<THIGHである。
【0044】そして、T≧TLOWのときには、現在の補
正ドエル時間を維持したまま、上記ステップS214から該
当気筒の点火タイマをセットするステップS217へジャン
プし、T<TLOWのときには、上記ステップS214からス
テップS215へ進んで、現在のドエル時間が上記ステップ
S209で設定した目標ドエル時間となるよう拡大補正す
る。
【0045】次いで、ステップS216へ進み、上記ステッ
プS215で補正したドエル時間に対応する空燃比となるよ
う、空燃比を目標空燃比に向けてリーン補正すべく空燃
比補正値KIGをマイナス側に減少させ、ステップS217で
の点火タイマセットを経てルーチンを抜ける。これによ
り、上述の燃料噴射量設定ルーチンにおいて、リーンバ
ーン制御時の目標空燃比A/Fが空燃比補正値KIGだけ
リーン側にシフトされて基本燃料噴射パルス幅Tpが算
出され(ステップS104)、リーンバーン制御時の本来の
目標空燃比に近づいてゆく。
【0046】尚、リーンバーン制御開始当初のT<TLO
Wの状態、あるいは、一旦、T>THIGHとなった後、上
述の処理によって点火コイル10の温度が低下してT<
TLOWとなり、点火コイル10のドエル時間が上記ステ
ップS209で設定した目標ドエル時間DWLになったとき
には、KIG=0とされる。
【0047】すなわち、リーンバーン制御時には、点火
コイル10の一次側に蓄積されるエネルギを増大して点
火プラグ10からの放電エネルギを増大して燃焼性を確
保するが、図3に示すように、点火コイル10の温度が
設定温度THIGHを超えたときには、直ちにドエル時間を
縮小して熱的な過負荷状態を解消するとともに、ドエル
時間の縮小に対応して空燃比をリーン空燃比の範囲内で
ストイキオ方向に補正するため、リーン運転領域内での
安定燃焼を確保し、サージ発生等を未然に回避すること
ができる。
【0048】尚、点火コイル10の負荷状態を、温度セ
ンサ29からの出力に基づくコイル温度Tによって調べ
る代わりに、点火コイル10の一次巻線側の抵抗値の変
化によって調べるようにしても良い。その場合、抵抗値
の変化から算出されるコイル平均温度を、設定温度THI
GH,TLOWと比較するようにしても良く、また、直接、抵
抗値の変化量を設定温度THIGH,TLOWに相当する値と比
較しても良い。
【0049】さらには、ドエル時間を以下の式によって
加重平均し、この加重平均によるドエル時間から点火コ
イル10の負荷状態を調べるようにしても良く、その場
合、加重平均によるドエル時間からコイル温度を推定
し、設定温度THIGH,TLOWと比較するようにしても良
く、あるいは、直接、加重平均後のドエル時間を、設定
温度THIGH,TLOWに相当する値と比較するようにしても
良い。
【0050】NTD={TD+NTD・(n−1)}/n 但し、NTD:加重平均によるドエル時間 TD:ドエル時間 n :なまし定数
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、リ
ーン空燃比での運転時、目標空燃比に対応した値に点火
コイルの通電時間を設定し、点火コイルの負荷状態を調
べて過負荷と判別したときには、点火コイルの通電時間
を縮小補正するとともに、この縮小補正した通電時間に
対応して目標空燃比をリーン空燃比の範囲内で補正する
ため、点火コイルが過負荷となった場合でも、ストイキ
オ或いはリッチ空燃比に戻すことなく安定した燃焼を確
保することができ、リーン限界を拡大することができる
等優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】点火制御ルーチンのフローチャート
【図2】燃料噴射量設定ルーチンのフローチャート
【図3】点火コイル温度、目標空燃比、ドエル時間の関
係を示す説明図
【図4】エンジン制御系の概略構成図
【符号の説明】
1 …エンジン 10 …点火コイル 50 …ECU DWL…目標ドエル時間 A/F…目標空燃比

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リーン空燃比での運転時、点火コイルの
    通電時間を目標空燃比に対応した値に設定する手段と、 上記点火コイルの負荷状態を調べ、この負荷状態が設定
    状態を超えて過負荷となっているか否かを判別する手段
    と、 上記点火コイルが過負荷になっていると判別されたと
    き、上記点火コイルの通電時間を縮小補正するととも
    に、この縮小補正した通電時間に対応して上記目標空燃
    比をリーン空燃比の範囲内で補正する手段とを備えたこ
    とを特徴とする火花点火式エンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】 上記点火コイルの負荷状態を温度センサ
    によって検出したコイル温度によって調べることを特徴
    とする請求項1記載の火花点火式エンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】 上記点火コイルの負荷状態を上記点火コ
    イルの一次側抵抗値の変化量によって調べることを特徴
    とする請求項1記載の火花点火式エンジンの制御装置。
  4. 【請求項4】 上記点火コイルの負荷状態を上記点火コ
    イルの通電時間の加重平均値に基づいて調べることを特
    徴とする請求項1記載の火花点火式エンジンの制御装
    置。
JP9209318A 1997-08-04 1997-08-04 火花点火式エンジンの制御装置 Pending JPH1150900A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9209318A JPH1150900A (ja) 1997-08-04 1997-08-04 火花点火式エンジンの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9209318A JPH1150900A (ja) 1997-08-04 1997-08-04 火花点火式エンジンの制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1150900A true JPH1150900A (ja) 1999-02-23

Family

ID=16570971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9209318A Pending JPH1150900A (ja) 1997-08-04 1997-08-04 火花点火式エンジンの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1150900A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030005505A (ko) * 2001-07-09 2003-01-23 현대자동차주식회사 자동차의 점화제어장치 및 그 방법
KR20040009304A (ko) * 2002-07-23 2004-01-31 현대자동차주식회사 천연가스 차량의 점화신호 제어 방법
KR100471862B1 (ko) * 2002-10-04 2005-03-08 현대자동차주식회사 천연가스 차량의 점화신호 제어 장치 및 그 방법
US7131435B2 (en) 2003-08-29 2006-11-07 Denso Corporation Control apparatus for an internal combustion engine
WO2013054391A1 (ja) 2011-10-11 2013-04-18 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2016011629A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 ダイハツ工業株式会社 内燃機関の制御装置
JP2019078268A (ja) * 2019-01-10 2019-05-23 ダイハツ工業株式会社 内燃機関の制御装置
JP2020169584A (ja) * 2019-04-02 2020-10-15 三菱電機株式会社 内燃機関の放電状態検出装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030005505A (ko) * 2001-07-09 2003-01-23 현대자동차주식회사 자동차의 점화제어장치 및 그 방법
KR20040009304A (ko) * 2002-07-23 2004-01-31 현대자동차주식회사 천연가스 차량의 점화신호 제어 방법
KR100471862B1 (ko) * 2002-10-04 2005-03-08 현대자동차주식회사 천연가스 차량의 점화신호 제어 장치 및 그 방법
US7131435B2 (en) 2003-08-29 2006-11-07 Denso Corporation Control apparatus for an internal combustion engine
WO2013054391A1 (ja) 2011-10-11 2013-04-18 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
US9567938B2 (en) 2011-10-11 2017-02-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine
JP2016011629A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 ダイハツ工業株式会社 内燃機関の制御装置
JP2019078268A (ja) * 2019-01-10 2019-05-23 ダイハツ工業株式会社 内燃機関の制御装置
JP2020169584A (ja) * 2019-04-02 2020-10-15 三菱電機株式会社 内燃機関の放電状態検出装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0896149B1 (en) Fuel combustion control system for engine
JP3550216B2 (ja) 内燃エンジンの排気ガス浄化装置
JPH1150900A (ja) 火花点火式エンジンの制御装置
JP2816393B2 (ja) 電気加熱式触媒の制御装置
JPH08296431A (ja) 内燃エンジンの排気ガス浄化装置
JP3572783B2 (ja) エンジンの排気浄化装置
JP3622273B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP3478163B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2775676B2 (ja) 内燃機関の燃料供給制御装置
JP2001050081A (ja) エンジンの燃料噴射制御装置
JP3963993B2 (ja) エンジンの空燃比制御装置
JPH09112395A (ja) エンジンの点火制御装置
JP2004116372A (ja) エンジンの点火時期制御装置
JPH07269453A (ja) 内燃機関の点火時期制御方法
JP4124070B2 (ja) 内燃機関の大気圧検出装置
JPH1018892A (ja) エンジンの燃料噴射制御装置
JP3564146B2 (ja) エンジンの点火時期学習制御方法
JP3046465B2 (ja) イオン電流によるmbt制御方法
JP3497914B2 (ja) エンジンの点火時期制御方法
JP3595169B2 (ja) 内燃機関のアイドル空気量学習制御装置
JP4425456B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JPH09170540A (ja) エンジンの点火時期制御装置
KR0156761B1 (ko) 내연기관의 제어장치
JP3972925B2 (ja) 内燃機関の触媒劣化検出装置
JPH09268932A (ja) エンジンの空燃比制御装置