JPH11507904A - ニッケル−マンガン酸化物単結晶 - Google Patents

ニッケル−マンガン酸化物単結晶

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、立方スピネル幾何学構造を有するニッケルマンガン酸化物単結晶の成長に関する。かかる成長の方法と単結晶を用いて構成されるセンサも記載されている。

Description

【発明の詳細な説明】 ニッケル−マンガン酸化物単結晶技術分野 本発明は、特に立方スピネル(cubic spinel)構造を有するニッ ケル−マンガン−酸化物の単結晶を成長させる分野、その製造方法およびその使 用に関する。背景技術 単結晶材料は、同じ材料の多結晶体と比較して、物理的特性の点で高度の均一 性を呈するとともに、高度の反復性と効率を示す。従って、単結晶(monoc rystal、single crystal)が使用される場合には、多結晶 体の代替物として著しく価値のあるものとなる。更に、単結晶材料は、極めて望 ましい特性を呈するので、多結晶材料が検討されていない用途に関して探求が行 われている。例えば、光学の分野においては、多結晶は、入射光を拡散反射させ るのに対し、単結晶は共面反射させる。 本発明によれば、かつ、実際に一般的に、単結晶は数多くのファクタに基づい て多結晶と区別することができる。単結晶は、センサ、プローブなどの製造にお いて個別に使用することができるようなサイズと形状に形成される。多結晶材料 は、多くの個々の結晶の複合体から形成されている。多くのセラミック材料は、 多くの岩石および加工金属と同様に、本質的に多結晶である。これらの多結晶の サイズは通常小さく、多くの材料における同等の直径は数マイクロメートルから 約100マイクロメートルまで変化する。はるかに大きな微結晶体が可能である 。しかしながら、例えば、充填密度のような物理的特性および他のセラミックの 分野において共通する問題を有するため、個々の結晶が大きくなり過ぎずにかつ 可能な限り均一なサイズと組成を有することができるようにするのが通常は有利 である。しかしながら、本発明においては、単結晶について云うと、取り扱うの に十分な大きさを有する、即ち、スライスされまたは成形された単離されている 結晶が意図されている。これにより、結晶の個々の配置方向に対して結晶のかか る特性に基づく利点を享受することができる。好ましい実施例においては、個々 の結晶は、1辺(edge)に沿ったサイズが約100ミクロン以上、より好ま し くは1ミリメートル以上である。実際に1辺が1センチメートルの結晶は、どち らかというと大きいと考えられている。 有意な違いはほかにもあるが、かかる違いのほとんどは、単結晶がその名が示 す通り単独であるのに対して、多結晶は少なくとも2つの結晶の相互作用に基づ くとともに、粒界に散らばる電荷キャリヤの影響を受け、粒界において導電率が 変化すると云う事実に直接基づくものである。実際に、結晶の抵抗率および誘電 特性のような輸送特性が、セラミックサンプルのものとはかなり異なる。多結晶 材料は、2つ以上の異なる個々の成分から形成される複合材料であると考えるこ とができる。多結晶材料は個々の結晶の複合体であるのと同じように、その特性 もまた複合したものとなる。多結晶は空隙を有するとともに、他のある種の化学 量論と相とを有することがしばしばある。このような特性は、かかる材料および かかる材料を使用してつくられる装置あるいはセンサの特性全体に影響を及ぼす 。例えば、多結晶材料を半導体にする誘電テンソルは、空隙の存在により、同じ 物質からなる対応する半導体単結晶と比べて小さくなっている。多結晶材料の抵 抗率もまた、この影響を受ける。このような複合特性をもたない単結晶は、その インピーダンス−周波数特性においてこのような強い分散は示さない。 また、2つのグループの多結晶が全く同じということはなく、即ち、サイズ、 配置方向、化学量論および複合特性が同じで、数も同じ結晶からなるということ はないので、一方のグループの多結晶からつくられるセンサの応答は、他の同様 のセンサとは異なる可能性がある。多結晶はまた、水を、特に結晶間の空隙にお いて吸収する場合があるので、問題となる場合がある。かかる材料が湿度の変化 に曝されると、「エージング」即ち温度に対する特性の再現性の欠如が、対応す る単結晶と比べて加速される場合がある。更にまた、個々の多結晶間の空隙のサ イズは、時間および素子に対する暴露とともに変化しかつ外部の電場に応答して 変化する場合がある。従って、得られる材料の熱的および電気的特性は時間とと もに変化する場合がある。単結晶は、このようなエージングの制限を受けること はない。 更に、ある種の材料、特に、ニッケル−マンガン−酸化物立方スピネル結晶に 関しては、単結晶の場合には低温において磁場配列作用が生ずる場合がある。し かしながら、多結晶の場合には、磁場に曝すと、個々の結晶が移動を行う場合が ある。これにより、粒界の変化や空隙のサイズおよび形状の変化が生ずるととも に、ヒステリシスの影響(非再現性)を引き起こすことが考えられる。従って、 この材料の複合特性が変化することが考えられる。確かに、単結晶の磁気、熱お よび電気特性は、一層正確に測定することができるとともに、多結晶材料よりも 再現性が一層優れている。 ニッケル−マンガン−酸化物立方スピネルの単結晶が特に望ましい。この単結 晶は多結晶の欠点をもつことはないが、同じ材料の多結晶の有利な特性は全て発 揮するものと考えられる。例えば、ニッケル−マンガン−酸化物立方スピネル多 結晶は、−55℃乃至125℃のような一般に狭い温度間隔において著しく変動 し易い導電率を示すことが知られている。結晶ドーピングを行うと、これらの範 囲は両方向に変化しおよび/または拡がる。従って、単結晶のニッケル−マンガ ン−酸化物立方スピネル結晶からつくられるサーミスタは、センサ、温度計およ び温度応答回路において使用するのに特に望ましいと考えられる。 本発明の結晶のような立方スピネル結晶は、他の幾何学構造の結晶と比較する と、等方特性を呈する。例えば、導電性のような輸送特性は等方性である。 ニッケル−マンガン−酸化物の多結晶は、数多くの研究者、特に、ディー・ジ ー・ウィッカム(D.G.Wickham)博士等(1)(2)により報告されており 、かかる多結晶の特性が研究され、報告されている。共同研究者とともに行った ウィッカム博士の研究は、ニッケル−マンガン−酸化物立方スピネル多結晶の有 利な特性の多くを明らかにしているとともに、系の状態図を提供している。 ニッケルマンガン単結晶は、少なくとも報告されているところによれば、少な くとも2人の研究者により製造されている。エイチ・マクラム(H.Makra m)の「マンガン酸ニッケル単結晶の成長」(”Growth of Nick el Manganate Mono−Crystals”)(4)と題する論文 には、フラックス法を使用してニッケル1部に対してマンガン2部の比率を有す るNiMn24の成長が報告されている。マクラムは、この結晶を、正常かつ無 傷であり、しかも6ミリメートル以下の線形寸法を有すると説明している。結晶 は、ビスマスと硼素の酸化物のフラックスにおいて成長が行われている。結晶の 組成 は、Bi23が56.7モル%、B23が13.3モル%、NiOが30モル% 、MnO1.365が30モル%であると説明されている。 しかしながら、マクラムの論文には、得られた結晶の特性と組成が同定されて おらずおよび/または証明する十分な情報が提供されていない。キューリー点お よび格子定数のいずれも提供されていない。種々の結晶形態がより客観的なデー タの提供なしに他の結晶形態に似ているとすることは珍しいことではないが、報 告されている結果がマンガン2とニッケル1の化学量論に対して正しいか否かに 関しては問題がある。マクラムの論文をより詳細に検討したところ、他の幾つか の重大な問題が明らかになった。かかる問題により、当業者であっても、マクラ ムの研究を再現することは不可能である。実際に、本発明者は、マクラムの結果 を正確に再現することはできなかった。 マクラムの論文の種々の記載から生ずる問題点の一例として、報告されている 「典型的な配合」により130モル%が得られると云う記載があるが、この数値 は明らかに不可能である。マクラムはまた、無制限の量の未知の配合物、即ち、 MnO1.365を使用することを要件としている。正しい元素比率が維持されない 場合には広範囲に亘る結晶状態が得られるので、これは著しく問題のある研究で あることがわかる。残念ながら、実際にどのような比率が使用されるべきかを、 マクラムの論文に基づいて定める術はなかった。 マクラムはまた、急冷にH2Oまたは空気を使用することを提案している。し かしながら、酸素種を使用すると、得られる結晶の化学に影響を及ぼす可能性が ある。更にまた、マクラムは、得られる結晶が2対1のマンガン/ニッケル比を 有することを示唆しているが、本発明者が研究を再現したところでは、約3対1 に一層近い比が観察された。 マンガン酸ニッケル(NiMn24)の単結晶をつくったと主張する他の研究 者に、ヴィー・エイ・エム・ブラバーズ(V.A.M. Brabers)とジ ェイ・シー・ジェイ・エム・ターヘル(J.C.J.M Terhell)(5) がいる。ブラバーズ等は、種々の結晶を形成するのに化学輸送法を使用している 。しかしながら、この場合も、格子パラメータは提供されていない。得られたと 主張されている結晶に関して与えられているマンガン対ニッケル比は約2.1: 1 である。処理が複雑であることおよびその規模から、この方法が実用的であると は考えられない。発明の概要 本発明は、立方スピネル幾何学構造(cubic spinel geome try)を有する単結晶ニッケル−マンガン酸化物を提供するものである。特に 、本発明は、マンガン対ニッケル比と格子パラメータの全立方スピネル範囲に亘 ってかかる結晶を提供するものである。ニッケル−マンガン酸化物の単結晶が提 供されている。立方スピネル幾何学構造と、約0.575乃至約0.810の範 囲に亘るモル比[Rf=(Mn/(Mn+Ni)f]とを有するニッケル−マンガ ン酸化物の単結晶が提供されている。立方スピネル幾何学構造を有するとともに 、約8.366乃至約8.458オングストロームの範囲にある格子パラメータ とを有するニッケル−マンガン酸化物単結晶もまた提供されている。 本発明によればまた、R値が約0.580乃至約0.663でありかつ格子パ ラメータが約8.366乃至約8.399オングストロームであるニッケル−マ ンガン酸化物単結晶が提供されている。本発明の別の観点よれば、得られる結晶 が立方スピネル幾何学構造を有する場合には、マンガン対ニッケル比の可能な全 範囲に亘ってニッケル−マンガン酸化物単結晶を製造する多数の方法も提供され ている。特に、本発明によれば、立方スピネル幾何学構造と、約0.680より も大きく約0.807以下の範囲のモル比Rと、8.406乃至約8.458の 格子パラメータとを有するニッケル−マンガン酸化物の単結晶を製造する方法が 提供されている。約0.671よりも大きくかつ約0.672未満の範囲にある モル比Rと、約8.4026乃至約8.4030の格子パラメータとを有するニ ッケル−マンガン酸化物の単結晶も意図されている。上記のものは、モル比Rに 関しては全て±0.003であり、かつ、値’a’に関して0.03%の絶対平 均分数誤差を有する。全ての場合において、平均分数誤差(average f ractional error)は、絶対値として示される。特に、本発明に よれば、本発明の方法は、実験室的に所望される結晶構造の物理的特性に基づき 、酸化マンガンと酸化ニッケルの混合比を決定するものであり、かかる物理的特 性には、例えば、X線密度、格子パラメータまたはモル比Rがある。 本発明によればまた、既知のまたは測定された量の出発物質からニッケル−マ ンガン酸化物の立方スピネル単結晶を製造する方法が提供されている。更に、得 られる単結晶の物理的特性を出発溶融体のMn23とNiOの比率に基づいて予 測することができる。 更にまた、本発明によれば、本明細書において説明されているような立方スピ ネル幾何学構造を有するニッケル−マンガン酸化物単結晶の少なくとも一部を使 用した独特かつ有利なセンサが提供されている。かかるセンサを使用する種々の 装置とその使用方法もまた意図されている。 本発明の方法を使用すれば、立方スピネル幾何学構造と、有益かつ有用な電気 的特性とを有するニッケル−マンガン酸化物の単結晶を、著しく高精度で製造す ることができる。得られる結晶は単結晶であるので、同じ物質からつくられる場 合でも、多結晶またはセラミック材料がもつ制限および不利益を受けることがな い。更にまた、本発明を実施することにより、広いマンガン対ニッケル比の範囲 に亘って結晶を製造することができる。 最も重要なことであるが、ニッケル−マンガン酸化物単結晶を製造するのに有 用な出発物質と得られる実際の結晶との関係が定められた。従って、有益な物理 的特性の1つに基づいて結晶を予測することができるとともに、かかる物理的特 性を有する結晶を高精度に製造することができる。 更に、本発明によれば、好感度、良好な再現性および一層良好なエージング特 性といった有意な利点を発揮する高精度のセンサまたはサーミスタを提供するこ とができる。図面の簡単な説明 図1は、AがNiOで、Bがフラックスで、CがMn23である擬似三元系状 態図である。 図2は、NiO−Mn23−O2系の状態図である。 図3は、組成に基づく種々の材料の結晶相を示す擬似三元系状態図である。 図4は、モル比R値とオングストロームで示す格子パラメータとを示す最適プ ロット図である。 図5は、R4対初期の酸化ニッケルの割合であるモル%を示す最適のプロット 図 である。 図6は、a-4対初期溶融体における酸化マンガンと酸化ニッケルのモル比を示 す最適プロット図である。 図7は、単位格子のX線密度対初期溶融体における酸化マンガンと酸化ニッケ ルとの割合を示す最適プロット図である。 図8は、本発明に従って製造された結晶の抵抗の対数対逆温度を示すプロット 図である。 図9は、本発明に従って製造された結晶の抵抗の対数対逆温度を示すプロット 図である。 図10は、2つの等温線に関する可聴周波数に対する立方スピネル結晶のイン ピーダンスの正規化分散関係を示す図である。 図11は、モル比R対結晶相転移およびサーミスタ領域を示す格子パラメータ ’a’のプロット図である。 図12は、本発明に従って製造された1.7ミリメートルの寸法を有する立方 スピネル結晶を示す写真図である。 図13は、本発明の実施例に係るセンサを示す概略図である。 図14は、本発明に係る電気回路を示す概略図である。発明を実施するための最良形態 フラックス成長方法によれば、ニッケルとマンガンの酸化物が、Bi23/B23フラックスとともに白金るつぼに装填される。ビスマスと硼素の化合物は、 本明細書においては、ひとまとめにして「フラックス」と云う。次に、るつぼと その内容物は、各るつぼが同じ熱処理を受けかつ混合物を特定の溶融温度に加熱 することができるように、カルーセル(carousel)その他の装置を備え るのが好ましい炉の中に配置される。次いで、混合物を、本明細書において「第 1の温度」と云われるこの溶融温度に、出発材料を完全に溶解させるとともに制 御不能な結晶成長の種として作用する粒子の存在をなくすように十分な時間保持 する。これは、「ソーキング」(”soaking”)とも呼ばれる。ソーキン グが完了すると、材料は第2の高温まで徐々に冷却され、その間に、結晶の形成 と成長が行われる。従って、冷却速度が緩慢になるにつれて、得られる結晶は大 きくなる。最後に、第2の高温が得られると、るつぼの内容物が炉から取り出さ れ、材料を室温まで下げるように迅速な急冷(quenching)が行われる 。その後、結晶をビスマス/硼素酸化物フラックスから分離し、清浄にし、検査 に供する。 本発明において有用な酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化ビスマスおよび酸化 硼素は、結晶のサイズ、マンガンとニッケルとの所望の比率、連続生産量のサイ ズなどをはじめとする数多くのファクタ即ち因子により変えることができる。し かしながら、出発溶融体における酸化ニッケルと酸化マンガンの比、並びに、出 発溶融体におけるこれらの成分の比と得られる立方スピネル単結晶におけるマン ガンとニッケルの比との関係が重要となる。 詳細に説明すると、溶融体混合物においてはニッケル酸化物を過剰にすること が一般には必要である。しかしながら、本発明者は、ニッケルがある量を越える と、出発溶融体のMn:Niの比と、得られる結晶のMn:Niの比との関係が 逆になることがわかった。図1を参照されたい。溶融体混合物においてニッケル の量が相対的に増加すると、得られる結晶体においてはマンガンの比率が相対的 に増加する。かかる関係は、予測することができるものではなかった。実際に、 全く逆のことが予期されていた。溶融配合体においてニッケルの量が増加すると 、得られる結晶体においてはマンガンに対してニッケルの比率が大きくなるべき であった。この逆の関係に関しては、多くの説明が可能であり、当然のことなが ら、溶解度、溶融温度および反応性をはじめとする多くの因子が全て関与する可 能性がある。それにも拘わらず、図1において提供されているデータは、この関 係を立証している。 以上説明からすれば、出発溶融体のNiO対Mn23の最小比は、室温で立方 形態の結晶をもたらす因子であると考えられる。最大比は、望ましくない量の他 の相、例えば、NiOの形成をもたらす因子であると考えられる。図2、図3お よび図11を参照されたい。 フラックスの量は、本発明においては臨界的ではない。フラックスの量は、他 の成分特にNiOを溶解するのに十分なものでなければならないとともに、化学 種の全てを良好に均質に混合することができるように十分なものでなければなら ない。使用される最高温度で完全に溶解することができるように十分なフラック スを提供しなければならない。これを達成するためには、少なくとも約60モル %のフラックスが提供されるべきである。同様に、溶融体は希釈され過ぎてはな らない。 フラックス中のB23は、フラックスの約5モル%乃至約50モル%の範囲、 より好ましくは約15モル%乃至約25モル%の範囲とすることができる。20 モル%のB23で622℃の共融混合物となる。これは、最も低い融点と、結晶 が成長する最大の温度範囲とを提供するので、良好なフラックスを提供する。 溶融温度は、本発明において重要な因子である。本発明に係る好ましいフラッ クスは、約622℃の共融温度を有する。Mn23は、空気中で約1705℃の 融点を有する。酸化ニッケルは、ほぼ2000℃の融点を有する。硼素/ビスマ ス酸化物フラックスは、酸化ニッケルとMn23に作用してこれらの融点を下げ るとともに溶解を早める。 第1の高温(本明細書において、「トップ温度」または「Tτ」とも呼ばれる 系の最高温度)と第2の高温(「急冷温度」または「Tq」としても知られてい る、急冷が開始される温度)の双方が結晶の成長にとって著しく重要である。ト ップ温度は、成分の全てを溶解させるのに十分高くすべきである。しかしながら 、この温度は、例えば、比較的低い融点の多すぎる部分が蒸発するほど高くする ことはできない。 マクラム(Makram)は、溶融体は1280℃のトップ温度まで加熱すべ きであると提案している。しかしながら、この温度は第1の高温に対しては上限 とはならない。実際に、所定のフラックスに適しかつ成分の全てを溶解させると 同時に比較的安定な系を提供する温度であれば、どのような温度も利用すること ができる。トップ温度は、溶融体の組成とともに変化するBi23の揮発度によ り制限を受けることになる。1300℃を越える温度は、酸化ビスマス及び酸化 硼素のフラックスに適用することができる。本発明によれば、この第1の高温は 、約1250℃乃至約1350℃、好ましくは約1260℃乃至約1300℃の 範囲とすることができる。 同様に、第2の高温即ち急冷温度は、結晶の形成にとって重要である。Tqが 705℃よりも下がると、立方スピネルは不安定となり、他の同様の結晶相が酸 素(空気)の存在下で形成される。(図2参照)。 数多くの試験を行ったところ、本発明者は、860℃のTqの場合には、3つ のるつぼ材料のうち2つは半固体でかつ粘性を有することがわかった。試験を行 った第3のるつぼ(るつぼNo.2)の内容物は、860℃で実質上固体であっ た。るつぼNo.2を再び高温にし、次いで1050℃の急冷温度まで素早く冷 却した。溶融体はこの温度では液体であった。急冷温度は、約705℃(立方ス ピネル層に関する最低温度)乃至約1050℃の範囲にすべきである。 結晶成長は、トップ温度から急冷温度までの冷却の際にあるいはフラックスが 凝固するまでに生ずる。成分の比および温度が正しい場合には、ニッケル−マン ガン酸化物の立方スピネル単結晶が得られる。一般に、材料が急冷温度まで放冷 される時間が長いほど、即ち、徐冷が行われるほど、一層良好となる。本発明に おいては、幾つかの場合において、溶融体は1280℃から860℃までは、1 時間当たり約1℃の速度で冷却することができる。この場合には、約171/2日 かかった。しかしながら、一層大きな結晶体の成長を促進するには、冷却速度を 小さくしおよび/または冷却時間を長くするのが望ましい場合がる。あるいはお よび/または更には、トップ温度と急冷温度は、冷却時間を一層長くするように 調整することができる。一般に、冷却速度は、約.6乃至約5℃/時、好ましく は約.6乃至約1.0℃/時の範囲にすべきである。 急冷とは、結晶の形成を停止して所望の構造の結晶体だけが得られるように温 度を急速に低下させることを云う。これを行うために、マクラム(Makram )は、空気または水を使用することを提案している。しかしながら、本発明者は 、冷却の際の多量の酸素は、特に、得られる結晶体の表面層に有害であることを 案じた。結晶体の表面層と酸素との反応は、例えば、局在化した電荷の変動を引 き起こす可能性があるとともに、結晶体の表面化学を変化させる可能性がある。 従って、例えば、無水の不活性ガスによるガスシールの下で急冷を行うのが特に 好ましい。本発明においては、無水窒素雰囲気を使用して急冷する方法を選定し た。 急冷並びに結晶体の回収は、例えば、1つ以上のスクリーンを使用しかつTq の加熱温度の溶融体をかかるスクリーンを介して注ぐことにより行うこともでき る。特に、異なるメッシュサイズを有する複数のスクリーンを使用する場合には 、種々のサイズの結晶をスクリーンに保持することができる。この混合物は、例 えば、支持シートのような著しく浅い容器に注ぐこともできる。好ましくは、こ れらのスクリーンまたは容器は、数百°Fに加熱される。スクリーンおよび/ま たは容器を加熱することにより、周囲温度のスクリーンに保持される結晶に対す る熱衝撃または応力を少なくすることができると考えられる。得られる結晶を、 スクリーンまたは容器および溶解による残留フラックスから本明細書に記載のよ うに分離する。スクリーンは、白金から形成するのが好ましい。 この処理により黒色の結晶が得られ、これは公知の手段によりフラックスの大 部分から遊離させることができる。抽出を行う一の方法として、10容量%の硝 酸または20容量%の酢酸のような酸を使用するものがある。硝酸は、十分な量 を使用する場合には、Bi23と反応してBi(NO33を形成する。しかしな がら、この物質は、水と反応して白色の不溶性沈降物であるBiONO3を生ず る。これを阻止するには、一の式量のBi23を溶液中に保持するために、過剰 の、即ち、378.12グラムを越える硝酸が必要となる。70重量%HNO3 の10%溶液約9ミリリットルを使用して各1グラムのBi23を溶解させるべ きである。 結晶はまた、るつぼから取り出し、破壊し、秤量し、上記した酸溶液で処理す ることもできる。攪拌を行って溶解を促進することができる。白色の沈降物が生 じた場合には、BiONO3が生じたものと考えられるので、更なる硝酸を添加 して、Bi(NO33/水溶液の形成に向けて平衡を逆に駆動すべきである。 あるいは、るつぼをビーカに入れ、上記したHNO3溶液に浸漬することがで きる。内容物の攪拌も行うべきである。白色の沈降物が生ずる場合には、更に酸 を添加すべきである。次に、るつぼをビーカから取り出し、黒色の結晶その他の 関係のある物質を回収する。 20容量パーセント(Vol%)の酢酸を使用する場合には、酢酸ビスマスが 反応の際に形成されるので過剰の酸を使用することも必要である。酢酸ビスマス はその後加水分解を受ける。酢酸の濃度を増加させると、溶液中にビスマスを保 持する方向へ反応が駆動される。かくして、普通に計算される量の約2倍以下の 酢酸が必要となる場合がある。Bi23100グラムを含むフラックスの場合に は、20Vol%の酢酸738ミリリットルを使用することができる。反応の進 行にともない、攪拌と熱入れ(warming)を行うと、フラックスの溶解を 促進することができる。酢酸よりもわずかに強い蟻酸のような他の形態の酸を溶 解に使用することもできる。しかしながら、エッチングの可能性について結晶を 検討すべきである。当然のことであるが、エッチングが起こらない限りは、周囲 温度を越える温度に保持される種々の濃度の混合酸を使用して溶解処理を促進す ることができる。 結晶のタイプとMn:Ni比との関係を、図2に示す状態図を使用して説明す ることができる。図2は、本明細書において「R値」とも云われるモル比「R」 として示されるNiO−Mn23−O2系の組成物の全範囲に亘る種々の温度に おける種々の相の関係を示す。Rは、構造式Ni3(1-R)Mn3R4におけるMn の原子分率として定義され、関係式R=Mn/(Ni+Mn)として表される。 この情報はニッケル−マンガン−酸化物多結晶に関して得られたものであるが(1 ) 、本発明においても同じく適用することができる。本発明に従って得られる結 晶が立方スピネルであるか否かは、溶融体において使用されるマンガンとニッケ ルの酸化物の相対量と、フラックスにおいて使用されている急冷温度とによる。 例えば、0.71のモル比Rを有する結晶を得るように適正な比率の酸化ニッケ ルと酸化マンガンとを溶融体において使用するとした場合、ニッケル−マンガン 酸化物の立方スピネル結晶を得るには約705℃の最小温度が必要である。立方 スピネル幾何学構造を得るためには、結晶のモル比Rは、少なくとも約0.57 5であって約0.810以下にすべきであり、好ましくは0.580乃至0.8 07にしなければならない。 図4および図11は、上記した結晶のモル比Rとこの立方スピネル相の格子パ ラメータ’a’との線形関係を示す(1)。図11も参照されたい。ニッケル−マ ンガン酸化物立方スピネル系は、ベガーズ則(Vegard’s law)に従 う。かくして、単位格子寸法または格子パラメータ’a’の変化は、R値の変化 とともに直線にすべきである。本発明に従って得られる単結晶のX線回折分析に より得られた格子パラメータのデータはいずれも、立方スピネル結晶構造を示し た。 これらの格子パラメータ値は、既に発表されているデータとともに図4に示され ている。 かかるデータの知得により、種々の比率の出発材料から得られる結果を予測す ることができ、あるいは逆に、所望のマンガン対ニッケル比と、モル比Rと、特 に所望される格子パラメータとを有する溶融体を構成することができる。本明細 書に示すように、この比がマクラムの論文に開示のものとは同じではないという ことは特に興味のあるところである。当業者がマクラムの論文の教示に従った場 合には、ちょうど2.00のマンガン対ニッケル比を有するものは得られないこ とになる。本発明の主たる観点の1つとなるのが、出発材料と得られる立方スピ ネル単結晶との真実の関係の知得である。 即ち、本発明者は、出発溶融材料と得られる結晶におけるニッケルとマンガン の比との相互関係を解明した。これにより、当業者は、本発明における指示通り に出発材料の量を単に変えることにより、(立方スピネル構造の境界条件内にお いて)所望のニッケル対マンガン比のニッケル−マンガン−酸化物の立方スピネ ル結晶を特別につくることができる。 実施例Iに記載に記載されている各試験により得られた各結晶のモル比R並び に多結晶の文献(1)(2)に提供されているデータをはじめとする他の提供データが 、表2に報告されている。モル比Rは、R=Mn/(Ni+Mn)の式により計 算することができる。Rはまた、マンガンによって置換されるニッケルの量であ るXに基づいて計算することもでき、R=(2+X)/3、従って、X=(3R −2)である。当量式は、[Ni1-xMn2+x4]および[Ni3(1-R)Mn3R4 ]である。当然のことであるが、これらの別の式並びにこの関係を示す他の数学 上の式を相互交換的に使用することができるとともに、本発明の範囲に含まれる ものである。 モル比と、オングストロームである格子パラメータ’a’は、図4および図1 1に示すように直線関係(ベガーズ則)を有する。結晶についてR値を知ること により、図4により格子パラメータ値を決定することができるとともに、逆も可 能である。 本発明者はまた、出発溶融体の組成と得られる結晶の組成、構造および特性と の間に関係があることを知得した。ベガーズ則を考慮すれば、これらの関係はR または’a’を用いて表すことができる。かくして、かつ、本明細書において一 層詳細に説明するように、R4の関係とa4の関係は全て線形即ち直線であり、即 ち、互換性である。例えば、最終製品の結晶と出発(NiO)i溶融体の組成と の関係は、a4またはR4に基づいて算出することができる。従って、当然のこと であるが、勾配と切片を再計算することが必要となる。同様に、溶融体における Mn23対NiOの初期比と結晶のa-4値との間にある直線性により、R-4を用 いた同様の式を使用することができる。 Bi23−B23からニッケル−マンガン酸化物の立方スピネル単結晶を成長 させる初期および最終条件を関連させるために本明細書において使用される一時 方程式の概要である表1を以下に掲げる。本明細書の他の部分でも、勾配と切片 の種々の値が報告されている。しかしながら、かかる場合においては、より少な い桁の有効数字を報告することができる。 * 参考文献(1)参照 ** 参考文献(2)参照 表2において、R(max)は、最大のR値従ってマンガン対ニッケルの最大 モル比を示し、これにより立方スピネルが得られる。これらのデータを図4に示 す。R(min)は、同じく最小の比を示す。R=0.667は、マクラムがつ くったとされる結晶の値であると考えられる。図4に示すように、「C1」、「 C2」および「C3」は、実施例Iにおいて検討されているるつぼ1、2および 3に関するデータポイントを示す。他のデータポイントが、発表された文献(1)( 2) に見受けられるRおよび’a’の値から得られている。 図4のプロットは、式Y=MX+B(表1の式1参照)による線形回帰分析(7 ) から数学的に定義することもでき、この式において、M=2.482およびB =−20.18であり、いずれも有効数宇が4桁であり、Y=RおよびX=aで ある。線形相関係数は、.998である。 線形回帰分析から得られる推定データが、これらのデータと比較されていると ともにこのデータと関連づけられている。これらの絶対値を平均化し、パーセン トで表してある。例えば、格子パラメータ’a’に関しては、平均分数誤差を、 [’a’(推定値)−’a’(実験値))/’a’(実験値)]により定められ る。これらの分数誤差の絶対値’a’は0.015%である。Rに関しては、平 均分数誤差の絶対値は0.48%である。 本発明者は、R4(4乗まで上昇したR値)と溶融体に当初必要とされる酸化 ニッケルの量との間に特有の関係があることを実現した。図5に示すように、R4 対当初の酸化ニッケル濃度モル%をプロットすると、直線が得られる。「C1 」、「C2」および「C3」は実施例Iに記載されているるつぼ1、2および3 に関するデータポイントを示す。他のポイントは、発表されている文献(1)(2)に 見られるRと’a’の値から算出されている。最小2乗ラインの傾斜と切片を決 定することにより、R値に関して、所望のR値を有する結晶を得るのに必要な初 期即ち出発溶融体における酸化ニッケルの量を決定することができる。かくして 、フラックスに大きな量の変化がないとすると、所定のモル比Rまたは所定の’ a’ を有する立方スピネル結晶を得るように、酸化マンガンの量にaついて酸化ニッ ケルの量を比べることができる。更に、ベガーズ則により、(NiO)iに対す るこの直接関係は、格子パラメータ’a’の4乗に直接相関する。図5における プロットを支持するデータポイントを表3に示す。 四角い括弧内の数は、4桁の有効数字で報告されている。 当然のことであるが、当初の溶融体におけるR4対当初の酸化ニッケル濃度モ ル%のプロットは、線形関係式Y=MX+B(表1の式2参照)を使用して表す こともでき、M=.012166であり、B=−.49852であり、いずれも 5桁の有効数字に表されている。この場合も、このプロットは、データに対する 最も良好な適合を示す。実際に、この関係は、相関係数で示されるような計算誤 差および/または実験誤差の許容量内でかつ平均分数誤差(実験誤差)の絶対値 において正確である。この場合には、線形相関係数は0.999であり、平均分 数誤差の絶対値はモル比Rが.10%であり、(NiO)i値が.15%である 。a4を用いて表すと(表1の式3参照)、平均分数誤差の絶対値は、’a’に 関して.01%、(NiO)iに関して.24%である。 本発明者はまた、格子パラメータ’a’(従ってR)を初期溶融体におけるニ ッケルとマンガンの酸化物の比と相関させる方法を定めた。得られた結果は、実 験誤差の範囲内で線形即ちリニアである。図6参照。図6においては、「C1」 、「C2」および「C3」は、実施例1におけるるつぼ1、2および3に相当す るデータを示す。残りのポイントは、発表されている研究(1)(2)に見られるRお よび’a’から算出される。Mn23のNiOに対する初期のモル比は、1/a4 の線形関係としてあるいは4乗に増える格子パラメータ分の1として表すこと がで きる。 四角い括弧内の数は、4桁の有効数字である。 線形モデルを用いて表すと、図6に示すプロットは式Y=MX+B(表1の式 4参照)で表すことができ、Mは1.2277x10-5で、B=1.9154x 10-4であり、いずれも5桁の有効数字に表されている。この場合、線形相関係 数は少なくとも約.999であるのが好ましく、実験誤差あるいは平均分数誤差 の絶対値は、格子パラメータ’a’が0.004%で、初期溶融体におけるMn23/NiOのモル比が.47%である。R-4で表すと(表1、式5参照)平均 分数誤差の絶対値は、Rが.19%で、(Mn23/NiO)iが.88%であ る。 確立されたこの逆第4次数の原子間あるいは分子間関係により、本発明者は、 単位格子に充填される8分子に関してモル比Rから得られる質量の格子パラメー タの3乗と同じ容積に対する比を組み合わせる格子パラメータの近似逆立方の法 則(approximate inverse cube law)の検討を行 った。これは、データをX線密度の形態で表す。図7は、X線密度対溶融体にお けるMn23とNiOの初期モル比のプロットである。るつぼ1および3から得 られたポイントは、直線を形成するように接続され、るつぼ2からの第3ポイン トはこの線に著しく接近しており、実験誤差内であった。(「C1」、「C3」 および「C2」はるつぼ1、3および2に関するデータポイントをそれぞれ示し 、残りのポイントは発表された研究(1)(2)におけるRおよび’a’値から算出さ れた。 X線密度は、以下に記載の情報から計算され、立方スピネルは化学式AB24 を有する。単位格子は8個の「分子」を含み、かくして、8(AB24)または A81632として表すことができる。単位格子の容積は、a3である。単位格子 の重量は、AB24の分子量即ちこの場合はA(3(1-R))3R4の分子量の8倍 からなる。単位格子の密度は、その質量の容積に対する比である。無傷の単結晶 の密度が単位格子の密度である。 立方スピネルの単位格子の格子パラメータをX線回折により測定したところ、 この関数はX線密度と呼ぶことができ、D[g/cm3]=[nA(AMU)] /[N(AMU/g)]/[V(cm3)]により示され、上記式において、n =単位格子当たりの「分子」の数(この場合には8)であり、A=原子質量単位 (AMU)で表される「分子」の原子量の合計であり、N=6.0220x1023 (AMU/g)であり、V=格子パラメータの3乗により示される単位格子の 容積の立方センチメートルである。 図7に示すように、単位格子の密度は、酸化マンガン対酸化ニッケルの当初の モル比に対してプロットすることができる。5桁の有効数字を示す得られる回帰 線の式D=0.31997(Mn23/NiO)i+4.9705は、.999 の線形即ちリニア相関係数を有する。格子パラメータの平均分子誤差は0.00 5%であり、Dに関しては.015%であり、(Mn23/NiO)iに関して は.47%である(表5参照)。既に発表されている研究(1)からの(a、R) データにより算出される密度の値を使用して、この線形モデルから溶融体におけ る出発材料の所要の比を計算することにより、これらの(a、R)特性を有する 立方スピネル単結晶を得ることができる。 四角の括弧内の数は、5桁の有効数字である。 上記下線は、マクラムの論文の虚偽である。R値も「a」値も、マクラムの論 文には提供されていない。従って、本発明者が行った全範囲の実験なしには、マ クラムが提案した関係、即ち、結晶における2:1のマンガンとニッケルの比が 実際に得られたかどうかを決定することは不可能であり、マクラムの論文におい てマクラムが提案している正規化された出発物質の量を使用した場合にはマクラ ムが提案した結晶は得られず、実際には酸化マンガンマンガンと酸化ニッケルの 比が2:1よりも大きい結晶が得られるものと考えられる。 上記説明に基づけば、所定量の出発物質を加熱容器に単に入れることにより、 立方スピネル幾何学構造を有するニッケル−マンガン酸化物の単結晶を得ること も可能である。更にまた、得られた結晶の物理的特性をある相対的な確実性をも って予測することは、実験誤差の範囲内で可能である。特に、初期溶融体におけ るMn23/NiOの比は、約1.265:1乃至約0.3355:1の範囲と することができ、正しく行われた場合には、得られるものはニッケル−マンガン 酸化物の立方スピネルであり、得られる結晶はそれぞれ、R(min)乃至R(max )の範囲のR値を有するものとなる。同様に、立方スピネルの範囲の両端におけ る得られた結晶の格子パラメータはそれぞれ、約8.366乃至約8.457オ ングストロームである。本明細書において引用されている範囲に入る酸化ニッケ ルと酸化マンガンの初期比によれば、立方スピネル結晶が提供される。 この場合にも、出発材料と、得られる結晶の特性および構造との関係は、本発 明の主たる特徴の1つである。しかしながら、上記説明から、出発材料と、得ら れる結晶の特性との関係を定めることができる。例えば、初期溶融体のMn23 /NiOの比を1/a4の関係により得られる結晶の格子パラメータと関連させ ることができることがわかった。この数から、得られる結晶の格子パラメータ’ a’とR値を定めることができる。しかしながら、マクラムの論文に開示されて いる出発材料の提案量が(実施例Iにおけるるつぼ1において試みられているよ うに)結晶をつくるのに利用された場合には、得られるものは、2:1のマンガ ン対ニッケル比を有する結晶とはならない。かくして、マクラムの結果は、本発 明において同定された関係とは一致しない。実際に、最終生成物の結晶において 2:1のマンガン対ニッケル比を有する結晶を得るためには、初期溶融体の酸化 マンガン対酸化ニッケルの比は、.667のRに基づいて0.7921:1にな らなければならないと考えられる。 当然のことであるが、出発材料の比と得られる結晶との関係は、出発溶融体に おけるR4またはa4対NiOの比と、出発溶融体における(R-4、a-4またはD )対Mn23/NiO比とに基づいて数学的に表すこともできる。他の数学式も 使用することができる。 本発明の別の実施例に係るセンサは、本発明の上記実施例に従って得られる単 結晶のニッケル−マンガン酸化物スピネルからなる感知素子102(図13)と 、感知素子と実質上オーム接触する1対の電気端子104とを有する。端子10 4は、貴金属およびその合金、銅およびアルミニウム並びにそれらの合金から形 成することができる。白金、パラジウムおよび金並びにこれらの合金が特に好ま しい。この金属端子は、端子の金属をスピネルにスパッタリングしあるいは金属 塗料又は加圧接点の電気めっき、無電解めっきもしくは塗布を行うことにより被 着して、端子の金属をスピネルと密着させることができる。リード106は、端 子に溶接により接続されている。感知素子102、接点104およびリード10 6は従来のハウジング108に収容され、図13にはハウジング13は一部だけ が図示されている。 リード106、従って、感知素子は、感知素子を介して電気抵抗を測定するよ うになっている電気抵抗測定装置に接続されている。図13に示す特定の抵抗測 定装置は、電池112と、一方の分岐を形成するように感知素子と直列に接続さ れた可変抵抗器114と、第1の分岐と平衡をなす別の分岐を形成するように互 いに直列に接続された抵抗器116および118と、分岐間に接続された検流計 120とを有するホイートストンブリッジである。この回路は、ハウジング10 8従って感知素子102を未知の温度に曝し、かつ、ブリッジがバランスして検 流計120が電流の流れを示さなくなるまで抵抗器114を調整することにより 未知の温度を測定するのに使用される。ブリッジをバランスさせるのに必要な抵 抗により、感知素子の抵抗を測定し、従って、未知の温度を測定することができ る。従来の他の多くの抵抗測定装置をホイートストンブリッジの代わりに使用す ることができる。例えば、従来のオームメータを使用することができる。 感知素子は、電気回路の温度補償を行うのに使用することができる。例えば、 電気回路は、上記した感知素子と同様の感知素子102’に直列接続され、更に 他の回路素子(図示せず)に接続された抵抗器130を含むことができる。回路 が周囲の温度変化に曝されると、抵抗器130の抵抗は温度の上昇とともに増加 する傾向にある。感知素子106’の抵抗の減少が、かかる増加を補償する。温 度にともなう感知素子のインピーダンスの変動を使用して、半導体、コンデンサ 、インダクタなどのような他の電子素子の特性の変化を補償することができる。 本発明のこの観点に係る感知素子は、約10Hzを越える交流電流で駆動される 回路において特に有用であり、より高い周波数においてより一層有用である。多 結晶センサとは異なり、本発明のこの観点に係るセンサは、多結晶感知素子と比 べて、周波数にともなうインピーダンスの分散又は変化が実質上低い。「ワール ドワイド・キャパビリティ・イン・サーミスターズ(”Worldwide C apability in Thermistors”)と題するサーモメトリ ックス・カタログ(Thermometrics’Catalog)1993年 版を広く参照されたい。サーミスタは、少なくとも−63乃至260℃で動作す ることができる。ドーピングすることにより、一層広い範囲を得ることができる 。 上記説明は、下記の実施例により一層良好に理解されるものである。これらの 実施例は、例示を目的とするものである。従って、実施例は本発明の範囲および 精神を限定するものと解するべきではない。実施例1 立方スピネル幾何学構造を有するニッケル−マンガン酸化物の単結晶を、ビス マスと硼素の酸化物(フラックス)の溶融混合物の液において下記のようにして 成長させた。表6に示すように、3つの組成物が検討された。 有効数字は全て4桁である。 *モル% 約200mlの容積を有する第1の白金るつぼ(直径2.4インチ、高さ2. 75インチ)に、27.53グラムのB23と、785.66グラムのBi23 と、66.63グラムのNiOと、70.42グラムのMn23とを入れた。第 1のるつぼと寸法が同じ2番目の白金るつぼに、27.52グラムのB23と、 785.25グラムのBi23と、62.16グラムのNiOと、75.08グ ラムのMn23とを入れた。第1および第2のるつぼと同じ第3のるつぼには、 27.53グラムのB23と、785.66グラムのBi23と、71.08グ ラムのNiOと、65.73グラムのMn23とを入れた。るつぼ内の材料と雰 囲気中の酸素との平衡が最終的に得られ、るつぼは緊密なカバーをしなかった。 各るつぼを炉に入れ、1,280℃のトップ温度に加熱され、この温度で60時 間ソーキングを行った。るつぼをゆっくりした回転(約30RPM)を行うカル ーセルに入れ、各るつぼに同じ熱処理を施した。60時間に亘るソーキングの後 に、るつぼを860℃の第2の高温まで1時間当たり1℃の速度で冷却した。 るつぼ1および3の内容物は半固体であり、粘性を有していた。るつぼ2の内 容物は実質上全てが固体であるように見えた。3つのるつぼを周囲温度まで急冷 してから、るつぼ2を1,280℃の温度まで再加熱し、60時間ソーキングし 、1,050℃の温度まで1時間当たり5℃の速度で冷却した。次に、材料を砂 を詰めた金属容器上のステンレス鋼のスクリーンに注ぐことにより急冷し、窒素 ガス雰囲気において周囲温度まで冷却した。るつぼ2および3の単結晶を、上記 説明のように硝酸で処理することにより回収した。るつぼ1からの単結晶は、硝 酸に次いで酢酸を使用して回収した。 るつぼ1および3の内容物をコアの形成に供し、直径が約1/2インチで長さ が約2インチの円筒状コアを得た。次に、このコアを壊し、上記したように酸で 処理し、残留固体を洗浄し、フィルター処理を行い、結晶を回収した。 表7に示すように、各るつぼに特定量の酸化ニッケル、酸化マンガンおよびフ ラックスを含む組成物を充填した。これらの各材料の量を第2欄に示す。表2を 更に参照されたい。表7の第3欄には、酸化ニッケルおよび酸化マンガンの初期 量がモル%で記載されている。第4欄には、3つのるつぼから得られた結晶のX 線回折パターンから実験により得られた格子パラメータ’a’が記載されている 。 表7から容易に理解されるように、得られた格子パラメータは、得られた結晶が a=b=c幾何学構造内の立方スピネルであることを示している。 有効数字は、四角い括弧で示す。 表7に戻って説明すると、第5欄は各るつぼの結晶のモル比Rを示し、第6欄 は得られた結晶のマンガン対ニッケルの比率を示す。同様に、第7欄は、得られ た立方スピネル結晶の式を示す。第8欄は、結晶中のMn23とNiOの実際の 量をモルパーセントで示す。第9欄は、実施例Iに記載の各実験において使用し たフラックスに対する酸化硼素と酸化ビスマスのモル%を示す。 るつぼ1における結晶のマンガン対ニッケルの比率は2.9811であること がわかったが、これはマンガンがニッケルの量の約3倍であることを示す。るつ ぼ2の結晶のマンガン対ニッケルの比率は、2.6231であったが、これはマ クラムの論文に基づいて予測されるものと最も近いものであった。るつぼ3にお いては、マンガン対ニッケルの比率が3.2997である結晶が得られた。 更に、図1に示すように、式Ni1-xMn2+x4に相当するNiO対Mn23 の相対的な割合を計算してプロットすることができる。るつぼ1の結果は、Mn23が59.848モル%であり、NiOが40.152モル%であった。格子 パラメータ(a=b=c)は8.434オングストロームであり、モル比Rは0 .749であった。これは、Ni.7536Mn2.24644の式と2.9811のマン ガン対ニッケルの比率に対応するものであった。この構成は、マクラムの論文を 再現することを意味するものであった。 るつぼ2において形成された結晶は、Mn23が56.739モル%で、Ni Oが43.261モル%であった。格子パラメータは8.424オングストロー ムで、モル比Rは0.724であった。これは、Ni.8280Mn2.17204の式と 、2.6231のマンガンニッケル比に相当するものである。更に、るつぼ3は 、8.4415オングストロームの格子パラメータと0.767のR値とを有し 、Mn23が62.262モル%とNiOが37.738モル%の結晶が得られ た。これは、Ni.6977Mn2.30234の式と3.2997のマンガン対ニッケル 比に対応するものであった。この場合にも、これらの数値は全て、示されている 桁の有効数字に丸められている。 図1に示すように、溶融体および得られた結晶における酸化ニッケルと酸化マ ンガンのそれぞれの比率を用いてプロットすると、るつぼ3の結晶は最低のパー セントの酸化ニッケルを含んでおり、るつぼ2の結晶は最高の酸化ニッケルを含 んでいた。るつぼ3は出発溶融体に最高の初期パーセントの酸化ニッケルを含み 、るつぼ2は最低のパーセントを含んでいるので、これは特に興味があるもので あ る。これはまた、酸化ニッケル、Mn23およびフラックスの出発濃度を示す図 1のグラフ内のポイントによっても示される。反転が行われることがわかった。 この関係は、本発明者が承知している先行技術に基づいて予測することができる ものではなかった。実際に、これは全く予期し得なかったものである。 同じく驚いたこととして、マクラムの論文によれば、るつぼ1は図1の中間点 のAC線に沿って結晶が得られるはずであったことがある。更に、るつぼ2は比 較的高いパーセントのマンガンを有することにより、AC線の中間点の上方でA C線上にプロットされる結晶を形成すべきであるとともに、るつぼ3はより低濃 度のマンガンを有することによりAC線の中間点の下にプロットされる結晶を形 成すべきであると期待されていた。データポイントの3つ全てがAC線の中間点 の上方に位置するだけでなく、上記した反転により、るつぼ3からは、るつぼ2 よりも比較的低いパーセントの酸化ニッケルを有する結晶が得られた。実施例II るつぼ1において成長した材料から形成したセンサを用いて、種々の温度にお ける材料の抵抗の変化を測定した。かかるセンサは次のようにしてつくった。単 結晶を、(上記したように)酸溶解処理により凝結したフラックスから回収し、 微細な食塩(NaCl)とともに混転により清浄にした。次に、結晶を、食塩を 温水に溶解することにより回収した。電気接点を、(Pd−Ag)インクのタブ を、清浄にしかつ乾燥させた単結晶の1つの面に被着することにより形成した。 次に、単結晶を、825℃のチューブ炉の高温ゾーンにおいて焼成した。10分 の滞留時間の経過後に、単結晶を炉から取り出し、放冷した。次に、(Pd−A g)インクの第2のタブを単結晶の第2の面に被着し、上記と同様にして焼成を 行った。 結晶を再び冷却したところ、1.1ミルのPtワイヤ2本を、張力をワイヤに かけてワイヤを互いに平行に保持する取り付け具にワイヤを配列することにより 、焼成したインクスポットの上に配置した。次いで、(Pd−Ag)インクの小 さなドットをPtワイヤの上で既に焼成したインクスポットに被着した。次に、 単結晶、Ptワイヤおよび取り付け具全てを上記のようにしてチューブ炉内で焼 成した。2本の1.1ミルPtワイヤリードを短く切断し、個々の4ミルPtワ イ ヤに溶接した。同時に、1.1ミルのリードの自由端部を単結晶に極めて近接し て切断した。かくして得られた集成体をガラスシリンダ内に配置し、2本の4ミ ルPtワイヤをシリンダの中から外部へ延出した。この埋め込まれた4ミルのリ ード構成体を、チューブ炉において再び焼成した。これにより、電気的測定に利 用することができる、4ミルのリードワイヤを有し、ガラスに気密に封入した単 結晶が得られた。 図8および図9に示すように、温度(ケルビン温度T)を、離れた左側の約2 60℃から、離れた右側の約0℃まで1000/Tとしてプロットした。これら の温度における抵抗の対数は、260℃の全範囲に亘って良好な直線性を示すと ともに、個別の抵抗値が各温度点において得られていることを示している。表8 は、観察されたDC抵抗曲線が多結晶サーミスタ抵抗−温度特性の数学モデルと 極めて良好に整合していることを示している。 これらの結果の重要性を十分には説明することができない。図8および図9に 示すように、曲線対数Rの勾配(この場合は抵抗)対逆温度は、サーミスタの特 徴的な負温度係数(NTC)特性を示す。るつぼ1により得られた1つの結晶を 使用してそれぞれ得られた、図8および図9に対応するデータが表9に示されて いる。 表9には、0乃至260℃の温度範囲に亘る、温度の関数としての上記したセ ンサのDC抵抗が含まれている。この表の第(1)欄は、摂氏温度を示し、第( 2)および(4)欄は、るつぼ(1)により得られた2つの結晶を使用してそれ ぞれの温度で測定した実際の抵抗を示す。第(3)および(5)欄は、抵抗Rに 関する式R=exp(A0+A1/T+A2/T2+A3/T3)から算出された理論 値を示す。Ai係数(A0、A1、A2およびA3)が表8および表10に示されて いる。このように、本発明に従って得られる結晶はサーミスタとして広く有用で ある。 サーミスタ産業は従来、種々の感熱材料を考慮する場合、(T10/(T0− T1))lnR1/R0として定義されるベータ値(β)を使用している。Tはケ ルビン温度である。ベータは、図8および図9に示すラインの勾配と大まかに類 似しており、温度範囲に対する材料の抵抗の感度に関連している。るつぼ1(結 晶3)からの図8に示す試料に関するベータ値は、3915°K即ち0.34e Vであった。図9に示す、るつぼ1から得られた第2の結晶(結晶4)のベータ 値は、4008°K即ち0.35eVであった。ニュージャージー州、エジソン に所在するサーモメトリックス・インコーポレイテッド(Thermometr ics Inc.)から入手することができる多結晶材料(F材料と名付けられ ている)からつくったセンサ(GC−32)は、3975°K即ち0.34eV のベータ値を有していた。ニッケル−マンガン酸化物立方スピネルセラミックス に関して発表されている値(2)は、.33乃至.35eVの範囲にあるベータ値 を含んでいる。実施例III 本発明に従って成長させた単結晶の試験を行い、多結晶材料との物理的、構造 的および電気的違いを見るとともに、サーミスタまたは温度センサとしての単結 晶材料の有用性を見た。先づ、るつぼ1から得られた単結晶材料の試験を行い、 25℃と125℃の2つの温度におけるインピーダンスの変化を調べた。本発明 に係る単結晶を含む2つのセンサと同様の構造の2つの多結晶試料について試験 を行った。そのために、実施例IIに記載のセンサを使用した。 るつぼ1から取り出された2つの単結晶と、同様の材料の多結晶から得られた データが表IIに含まれている。表IIには、試験を行った単結晶および多結晶 試料に関するDC抵抗、周波数および対応するインピーダンスが提供されている 。データは、25℃と125℃の2つの等温線で提供されている。2つの所定の 等温線に関するこれらのインピーダンス値は、それらのDC抵抗に正規化されて いる。 データは、AC周波数の対数の関数としての正規化インピーダンスロスのパー セントとしてプロットされている。図11を参照されたい。2つの25℃等温線 は、単結晶と多結晶試料とは分散関係に著しい違いがあることを示している。例 えば、10kHzでは、2つの多孔性多結晶試料の場合は、少なくとも83%の インピーダンス降下が見られる(表11の第2、4、5および6欄)のに対し、 2つの単結晶試料はわずか55%となっている(表11の第2および3欄)。1 25℃の等温線は、周波数に対する感度が低くなっている。50kHzでは、2 つの単結晶では4%のロスが実現されている(表11の第7および8欄)のに対 し、2つの多結晶試料に関しては少なくとも29%のロスとなっている。従って 、セッラミック密度を単結晶センサの密度と比較することにより、得ることがで きるセラミック密度に対して制限を設けることができる。この比較により、処理 と所要のセラミック密度の品質管理についての試験に関して典型的な利点を発揮 することができる。 *オーム 本発明の技術思想、好ましい実施例および動作の態様を以上のように説明した が、開示されている特定の実施例は制限的なものではなく例示としてみなされる べきであるので、保護されるべき本発明はかかる実施例に限定されるものと解さ れるべきではない。修正と変更とを本発明の精神と範囲とから逸脱することなく 行うことができるものである。産業上の利用可能性 本発明は、種々のセンサ、特に、温度センサの構造および使用に利用すること ができる。かかるセンサは、化学、工学、食品の製造および保管、天候などのよ うな多くの分野において利用可能性が見出される。文献 本明細書においては、引用文献の内容、特に、以下に示す頁を引用してその説 明に代える。 (1)J.Inorg.Nucl.Chem.、第26巻、(1964年)、第1369-1377頁に掲載のD. G.Wickhamの"Solid-Phase Equilibria In The System NiO-Mn2O3-O2"と題する 論文 (2)J.Phys.Chem.Solids、第23巻、(1962年)、第1771-1781頁に掲載の E.G.Larson,R.J.ArnottおよびD.G.Wickhamの"Preparation,Semiconduction And Low-Temperature Magnetization of the System Ni1-xMn2+xO4"と題する論 文 (3)C.R.Acd.Sc.Paris、第260巻、(1965年)、第3406-3409頁に掲載のGer ard VillersおよびRobert Buhlの"Chimie Minerale-Preparation,Etudes Crist allines et Magnetiques du Manganate de Nickel NiMn2O4"と題する論文 (4)Journal of Crystal Growth、第1巻、(1967年)、第325-326頁に記載の H.Makramの"Growth of Nickel Manganate Monocrystals"と題する論文 (5)Thys.Stat.Sol.(a)、第69巻、(1982年)、第325-332頁に掲載のV.A.M . BrabersおよびJ.C.J.M.Therhellの"Electrical Conductivity and Cation Va lencies in Nickel Manganate"と題する論文 (6)J.Am.Ceram.Soc.、第45巻、第8号、第356頁(1962年)に掲載のE.M.L evinおよびClyde McDanielの論文、特に、その図323 (7)マサチューセッツ州、スキチュエートに所在するDuxbury Press発行、 カリフォルニア州、ベルモットに所在するWadsworth Publishing Co.,Inc.が1 973年に著作権を得た"Mathematical Statistics with Applications"第11章 、第375-424頁に掲載のW.Mendenhallの論文
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 08/488,331 (32)優先日 1995年6月7日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ウィックハム,ドナルド,ジー. アメリカ合衆国90265カリフォルニア州 マリブ,トゥランカス・キャニヨン・ロー ド・6146

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.立方スピネル幾何学構造を有し、約0.580乃至約0.663プラスマイ ナス.003の範囲にあることを特徴とするニッケル−マンガン酸化物の単結晶 。 2.立方スピネル幾何学構造と、約0.671乃至約0.672プラスマイナス .003の範囲にあるモル比Rとを有することを特徴とするニッケル−マンガン 酸化物の単結晶。 3.立方スピネル幾何学構造と、約0.680乃至約0.807プラスマイナス .003の範囲にあるモル比Rとを有することを特徴とするニッケル−マンガン 酸化物の単結晶。 4.前記Rは約0.700乃至約0.807の範囲にあることを特徴とする請求 の範囲第3項に記載の単結晶。 5.前記Rは約0.724乃至約0.807の範囲にあることを特徴とする請求 の範囲第4項に記載の単結晶。 6.立方スピネル幾何学構造と、平均分数誤差内において約8.366乃至約8 .399Åの範囲にある格子パラメータ’a’とを有することを特徴とするニッ ケル−マンガン酸化物の単結晶。 7.立方スピネル幾何学構造と、平均分数誤差内において約8.4026乃至約 8.4030Åの範囲にある格子パラメータ’a’とを有することを特徴とする ニッケル−マンガン酸化物の単結晶。 8.立方スピネル幾何学構造と、平均分数誤差内において約8.406乃至約8 .457Åの範囲にある格子パラメータ’a’とを有することを特徴とするニッ ケル−マンガン酸化物の単結晶。 9.前記格子パラメータは約8.414乃至約8.457の範囲にあることを特 徴とする請求の範囲第8項に記載の単結晶。 10.前記格子パラメータは約8.424乃至約8.457の範囲にあることを 特徴とする請求の範囲第9項に記載の単結晶。 11.所望のマンガン対ニッケルの割合を有するとともに、立方スピネル幾何学 構造を有するニッケル−マンガン酸化物の単結晶の製造方法であって、 前記割合を有するニッケル−マンガン酸化物単結晶の材料特性を定める工程と 、 前記材料特性とかかる特性を有する単結晶を得るのに必要な混合比との実験的 に定められた関係に基づいて酸化ニッケルと酸化マンガンの混合比を選定する工 程と、 前記混合比と等しい割合で前記酸化マンガンと前記酸化ニッケルを、該酸化物 を完全に溶解させるのに十分な量をもって提供されたフラックスと混合する工程 と、 酸化マンガン、酸化ニッケルおよびフラックスの前記混合物を溶融して均質な 溶融体を形成するのに十分な第1の温度に前記混合物を加熱する工程と、 立方スピネル幾何学構造を有する単結晶を形成するように前記溶融体を第2の 温度に冷却する工程とを備えることを特徴とする単結晶の製造方法。 12.前記材料特性はX線密度、格子パラメータまたはモル比Rよりなる群から 選ばれることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の方法。 13.前記材料特性はRであることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の方 法。 14.酸化ニッケルと酸化マンガンの前記混合比はY=MX+Bとして得られ、 平均分数誤差の範囲内において、YはR4に等しく、Xは酸化ニッケルの対応す る初期割合に等しく、Mは0.01217に等しく、Bは−0.4985に等し いことを特徴とする請求の範囲第13項に記載の方法。 15.酸化マンガンと酸化ニッケルの前記混合比はY=MX+Bとして得られ、 平均分数誤差の範囲内において、Yは1/R4に等しく、Xは酸化マンガンと酸 化ニッケルの対応する初期割合に等しく、Mは5.667に等しく、Bは.38 43に等しいことを特徴とする請求の範囲第13項に記載の方法。 16.前記材料特性は格子パラメータ’a’であることを特徴とする請求の範囲 第12項に記載の方法。 17.酸化ニッケルと酸化マンガンの前記混合比はY=MX+Bとして得られ、 平均分数誤差の範囲内において、Yは1/a4に等しく、Xは酸化マンガンと酸 化ニッケルの対応する初期比に等しく、Mは1.228x10-5に等しく、Bは 1.915x10-4に等しいことを特徴とする請求の範囲第16項に記載の方法 。 18.酸化ニッケルと酸化マンガンの前記混合比はY=MX+Bとして得られ、 平均分数誤差の範囲内において、Yはa4に等しく、Xは酸化ニッケルの対応す る初期比に等しく、Mは7.085に等しく、Bは4586.0に等しいことを 特徴とする請求の範囲第16項に記載の方法。 19.前記材料特性はX線密度であり、酸化ニッケルと酸化マンガンの前記混合 比はY=MX+Bとして得られ、平均分数誤差の範囲内において、Yは前記X線 密度に等しく、Xは酸化マンガンと酸化ニッケルの対応する初期比に等しく、M は0.3194に等しく、Bは4.971に等しいことを特徴とする請求の範囲 第12項に記載の方法。 20.所望のマンガンとニッケルの比を有するとともに、立方スピネル幾何学構 造を有するニッケル−マンガン酸化物の単結晶の製造方法であって、 単結晶において所望されるマンガンとニッケルの割合と、これに対応するR値 を定める工程と、 かかる単結晶のR4値を定める工程と、 図5のプロットを参照するとともに必要な酸化ニッケルの量を選定することに より、平均分数誤差内にあるかかる単結晶を提供する工程と、 酸化マンガンの対応する量を定める工程と、 前記酸化マンガンと前記酸化ニッケルを、該酸化物を完全に溶解させるのに十 分な量をもって提供されたフラックスと混合する工程と、 酸化マンガン、酸化ニッケルおよびフラックスの前記混合物を溶融して均質な 溶融体を形成するのに十分な第1の温度に前記混合物を加熱する工程と、 立方スピネル幾何学構造を有する単結晶を形成するように前記溶融体を第2の 温度に冷却する工程とを備えることを特徴とする単結晶の製造方法。 21.所望のマンガン対ニッケルの比を有するとともに、立方スピネル幾何学構 造を有するニッケル−マンガン酸化物の単結晶の製造方法であって、 単結晶において所望されるマンガンとニッケルの割合と、これに対応する格子 パラメータ’a’を定める工程と、 かかる単結晶の1/a4を定める工程と、 図6のプロットを参照するとともにかかる単結晶を提供するのに必要な酸化マ ンガン/酸化ニッケルの比を平均分数誤差内において選定する工程と、 所定量の酸化マンガンとこれに対応する酸化ニッケルを、該酸化物を完全に溶 解させるのに十分な量をもって提供されるフラックスと混合する工程と、 酸化マンガン、酸化ニッケルおよびフラックスの前記混合物を溶融して均質な 溶融体を形成するのに十分な第1の温度に前記混合物を加熱する工程と、 立方スピネル幾何学構造を有する単結晶を形成するように前記溶融体を第2の 温度に冷却する工程とを備えることを特徴とする単結晶の製造方法。 22.所望のマンガンとニッケルの比を有するとともに、立方スピネル幾何学構 造を有するニッケル−マンガン酸化物の単結晶の製造方法であって、 所望される単結晶の単位格子の理論密度を定める工程と、 図7のプロットを参照するとともに、かかる単結晶を提供するのに必要な酸化 マンガン/酸化ニッケルの比を平均分数誤差内において選定する工程と、 前記酸化マンガンおよび前記酸化ニッケルを、該酸化物を完全に溶解させるの に十分な量をもって提供されるフラックスと混合する工程と、 酸化マンガン、酸化ニッケルおよびフラックスの前記混合物を溶融して均質な 溶融体を形成するのに十分な第1の温度に前記混合物を加熱する工程と、 立方スピネル幾何学構造を有する単結晶を形成するように前記溶融体を第2の 温度に冷却する工程とを備えることを特徴とする単結晶の製造方法。 23.前記フラックスはB23およびBi23の混合物からなることを特徴とす る請求の範囲第11乃至22項のいずれかに記載の方法。 24.前記フラックスのB23の量は約5乃至約50モル%の範囲にあることを 特徴とする請求の範囲第23項に記載の方法。 25.前記フラックスのB23の量は約15乃至約25%の範囲にあることを特 徴とする請求の範囲第24項に記載の方法。 26.前記B23は前記フラックスの約20モル%を構成することを特徴とする 請求の範囲第25項に記載の方法。 27.前記フラックスは前記酸化ニッケルと前記酸化マンガンの量に対して前記 混合物の少なくとも約60モル%を構成することを特徴とする請求の範囲第22 乃至8項のいずれかに記載の方法。 28.前記混合物は約1000乃至約1350℃の第1の温度に加熱されること を特徴とする請求の範囲第11乃至22項のいずれかに記載の方法。 29.前記第1の温度は約1250乃至約1350℃の範囲にあることを特徴と する請求の範囲第28項に記載の方法。 30.前記冷却温度は約700℃乃至約1050℃の範囲にあることを特徴とす る請求の範囲第11乃至22項のいずれかに記載の方法。 31.前記冷却温度は約705℃乃至約860℃の範囲にあることを特徴とする 請求の範囲第30項に記載の方法。 32.前記冷却は約0.1乃至約10℃/時の範囲の速度で行われることを特徴 とする請求の範囲第11乃至22項のいずれかに記載の方法。 33.前記冷却速度は約0.6乃至約1℃の範囲にあることを特徴とする請求の 範囲第32項に記載の方法。 34.立方スピネル幾何学構造と、2:1以外のマンガン対ニッケル比とを有す るニッケル−マンガン酸化物の単結晶の製造方法であって、 約1.265:1乃至約0.3355:1モル%のMn23対NiO比を有す る所定量のMn23およびNiOを容器に入れる工程と、 前記酸化物を完全に溶解させるのに十分な量をもって提供されるフラックスを 前記容器に加える工程と、 酸化物とフラックスの前記混合物を溶融して均質な溶融体を形成するのに十分 な第1の所定の温度に前記混合物を加熱する工程と、 立方スピネル幾何学構造を有する単結晶を形成するように前記溶融体を第2の 温度に冷却する工程とを備えることを特徴とする単結晶の製造方法。 35.立方スピネルニッケル−マンガン酸化物単結晶のマンガン対ニッケルの比 は2:1よりも小さく、初期のMn23対初期のNiOの比は約1.265:1 乃至0.8095:1モル%未満の範囲にあることを特徴とする請求の範囲第3 4項に記載の方法。 36.立方スピネルニッケル−マンガン酸化物単結晶のマンガン対ニッケルの比 は2:1よりも大きく、初期のMn23対初期のNiOの比は約.7749:1 乃至約0.3355:1モル%の範囲にあることを特徴とする請求の範囲第34 項に記載の方法。 37.約1.265:1乃至約0.3355:1モル%の範囲にあるMn23対 NiO比を有する所定量のMn23およびNiOを容器に入れる工程と、前記酸 化物を完全に溶解するのに十分な量をもって提供されるフラックスを前記容器に 添加する工程と、前記酸化物とフラックスの混合物を溶融して均質な溶融体を形 成するのに十分な第1の温度に前記混合物を加熱する工程とを備えた立方スピネ ルニッケル−マンガン酸化物の単結晶の製造方法であって、 立方スピネル幾何学構造を有する単結晶を形成するように前記溶融体を第2の 温度に冷却する工程を備え、出発材料の量と得られる結晶の格子パラメータはa-4 =M(Mn23 /NiO)i+B式の関係を有し、M=1.228x10-5で 、B=1.915x10-4であることを特徴とする単結晶の製造方法。 38.単結晶ニッケル−マンガン−酸化物立方スピネルからなる感知素子と、該 感知素子と接触する1対の端子とを備え、該端子間の電気抵抗が前記感知素子の 温度とともに変化することを特徴とする約−70℃乃至約200℃の範囲内の温 度を検出することができるセンサ。 39.前記端子は前記素子と実質上オーム接触することを特徴とする請求の範囲 第38項に記載のセンサ。 40.前記端子は貴金属およびその合金並びに銅およびその合金よりなる群から 選ばれる金属から形成されることを特徴とする請求の範囲第39項に記載のセン サ。 41.1対のリードを更に備え、該リードの一方は前記各端子に接続されている ことを特徴とする請求の範囲第38項に記載のセンサ。 42.前記素子の少なくとも一部を支持しかつ収容するハウジングを更に備える ことを特徴とする請求の範囲第38項に記載のセンサ。 43.前記端子間の電気抵抗を測定することにより前記素子の温度を測定する手 段を更に備えることを特徴とする請求の範囲第38項に記載のセンサ。 44.未知の温度に関連する抵抗を電気回路に提供する方法であって、 ニッケル−マンガン−酸化物立方スピネル単結晶の少なくとも一部からなる感 知素子を未知の温度に曝することにより、前記素子が前記回路に接続された状態 で前記単結晶を前記未知の温度に近い測定温度に到達させる工程を備えることを 特徴とする方法。 45.交流電流を前記素子を介して供給するように前記回路を作動させる工程を 更に備えることを特徴とする請求の範囲第44項に記載の方法。 46.前記交流電流は約10Hzよりも高い周波数を有することを特徴とする請 求の範囲第45項に記載の方法。 47.直流電流を供給するように前記回路を作動させる工程を更に備えることを 特徴とする請求の範囲第44項に記載の方法。 48.前記抵抗を測定することにより前記未知の温度を測定する工程を更に備え ることを特徴とする請求の範囲第44項に記載の方法。 49.前記回路は温度とともに変化する電気的特性を有する1つ以上の追加の回 路素子を有し、該追加の回路素子は前記感知素子とともに前記未知の温度に曝さ れることにより、前記感知素子の抵抗と前記追加の回路素子の電気的特性が前記 未知の温度の変動にともなって変動するようにし、前記回路は前記回路素子の前 記抵抗の変動が前記追加の回路素子の前記電気的特性の変動に逆らうように接続 されていることを特徴とする請求の範囲第44項に記載の方法。
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