JPH11507413A - 天然ゴムラテックス物品のアレルゲン性低減のための改良方法 - Google Patents

天然ゴムラテックス物品のアレルゲン性低減のための改良方法

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Abstract

(57)【要約】 アレルゲン性を低減した、その他は通常の物理的、機械的、および化学的性質を有する天然ゴムラテックス物品は、抗原性成分を、物品の一表面に直接隔離し、次いで天然ゴムラテックスの残留する抗原性成分を誘発し、物品の対向する表面の上および近位に滲出させ、その後、次のスクリーニング試薬で処理して、残留する抗原性化合物を隔離することにより、生産される。

Description

【発明の詳細な説明】 天然ゴムラテックス物品のアレルゲン性低減のための改良方法関連する出願の明示 本出願は、同時係属中の米国特許出願第08/519,371(1995年8月25日出願)の 一部継続出願である。発明の分野 本発明は、概して、天然ゴムで形成されるラテックス物品の生産方法に関する 。より詳細には、本発明は、組織接触表面および他の表面を有し、その抗原性成 分が、ラテックス材料そのものの分子構造を変化または分解することなく、互い に固着される、天然ゴムラテックス物品を生産するための、向上した方法に関す る。このようにして、本発明は、天然ゴムラテックスの、有益な化学的、物理的 、および機械的性質を有すると同時に、過敏な個体における有害な免疫性の反応 を顕著に低減させ、非感作な個体が、そのように生産されたデバイスおよび物品 の表面と接触するようになって、不注意に感作する危険性を最小にする、ラテッ クス物品を生産し得る。さらに、本発明の方法は、無害であり、そして既存のラ テックス物品製造方法および使用に容易に適用出来る。発明の背景 最も初期に公知のエラストマーポリマーの1つである、天然ゴムラテックスは 長い間、自動車タイヤから複雑な医療デバイスまでの範囲の、商業および消費製 品に広く多様に利用されている。砂漠の低木および熱帯の高木を含む、種々の植 物原料から採集された乳白色の樹液から硬化される、天然ゴムラテックスの最も 一般的な原料は、ブラジルゴムの木(Hevea brasiliensis)である。現在、40,0 00に近い製品が天然ゴムラテックスを含有すると見積もられる。これらのうちの 数百が、外科用または検査用手袋、カテーテル、および絆創膏としての使用を含 む医療的実用性を有する。天然ゴムラテックス製品は、クリープ(一定応力下に おける物質の望ましくない延伸)に対する耐性、および圧縮耐性(収縮後にもと のサイズおよび体積に復元する能力)を含む、多数の有益な性質を示す。加えて 、天然の原料から大量に得られるために、これらは製造および使用に対し、容易 に利用可能であり、かつ比較的高価でない。 残念ながら、天然ゴムラテックスはある深刻な欠点を有する。米国だけでも、 概算1700万の人々が、これに対しアレルギー性である。天然ゴムラテックスから 生産された硬化ゴムは、ある人にはかゆみを起こし、またある人には発疹を伴う 炎症を起こす抗原性成分を有する、天然に存在する乳化タンパク質および他のバ イオポリマーを含む。ある非常に過敏な個体は、単なる接触でも生命を脅かすア ナフィラキシーのショックにならされ得る。 この天然ゴムラテックスアレルギー性過敏症は、初期のいくつかの天然ゴムラ テックスとの感作接触の後にのみ発症するので、ヘルスケア従事者が、危険であ ると認識された最初の人々のうちの1人であった。外科用手袋、弾性包帯、接着 テープ、血圧腕帯、およびカテーテルを含む多数の機械必需品および製品は、暴 露の一般的原因である。同様に、多くの消費製品もまた天然ゴムラテックスを利 用しており、最も著名には台所用手袋およびコンドームである。近年、ある研究 者らは、道路側の塵に含まれる自動車およびトラックのすりきれたタイヤの風媒 微粒子を、天然ゴムラテックス暴露のさらなる原因、および引き続いておこる過 敏症の発症として同定した。 しかしながら、1930年代に最初に報告された、天然ゴムラテックスアレルギー 症例の重篤度および数は、30年代最後には劇的に増大した。現在、アレルギー反 応の急激な増加に対する、最も一般的な説明は、エイズの流行により天然ゴムラ テックス手袋に曝されることが増加したこと、ならびに生じた水質汚染を低減す る努力において天然ゴムラテックス物品の生産方法論が工業的に広範に変革され たことである。これらの生産方法論における変化は、ラテックスの凝固に使用さ れ、水質汚染源である亜鉛塩を排除しているが、そのようにして生産された天然 ゴムラテックス物品のアレルゲン性(allergenlcity)を不注意に増加させ得る 。1982年、連邦食品医薬品管理局は、天然ゴムラテックス物品のアレルゲン性に 関する警告を発し、最初はそれらの製造に使用される抗酸化保存剤および他の金 属 含有化合物が反応の原因であったと考えていた。現在では、当業者は、ラテック スに包理された天然タンパク質およびバイオポリマーがアレルゲン反応の誘発を 担う、主な抗原性の候補であるということを疑問視する。 天然ゴムラテックスのアレルゲン性を低減する、初期の最も単純な努力は、採 集したラテックス樹液を水および洗浄剤で洗浄前処理して、これら抗原性タンパ ク質成分を可溶化し、そして抽出することを含んでいた。天然ゴムラテックス樹 液は、天然に存在する植物ポリマーである純粋なシス−(ポリイソプレン)の水 中油エマルジョンである。採集されると、この天然ゴムポリマーは、天然に存在 する界面活性剤および洗浄剤型植物タンパク質により、水ベースのエマルジョン に懸濁される。天然エマルジョンを過剰の水と混合し、または水および合成洗浄 剤または消化性酵素と組み合わせて、次いで遠心分離して、凝固した天然界面活 性剤および洗浄剤タンパク質を除去することは、天然原料中のアレルゲン性タン パク質の総数を効果的に減少させる。その結果、洗浄されたエマルジョンから生 産されるラテックス物品は、低減した抗原性およびアレルゲン性の性質を示す。 あるいは、製造プロセスの間、ある製造者は、さらなる水または化学的な抽出工 程および洗浄工程を、天然ゴムラテックス原料から、残留する、ゆるく結合した 任意の抗原性タンパク質を抜き取るために含む。 これら両方の洗浄手順は、抗原性源を除去し、そしてその結果としてのアレル ゲン性応答を低減するのに効果的である。その上、これは実行するのに比較的高 価でない。しかしながら、これら先行技術である洗浄手順で処理されたラテック ス物品中に、かなりの量の抗原性成分が残留する。さらに、大規模大量原料プロ セッシングおよび比較的複雑でない物品の生産に適用可能である一方、これら技 術は、低減されたアレルゲン性の精密に生産された製品の製造、および長時間、 個体と直接接触したままの製品に、特に適切ではない。精密に生産された、また は複雑な製品は容易に洗浄されず、そしてその生産プロセスは、付加的な取扱工 程および遅滞で妨げられ得ない。拡張使用製品は、長時間の暴露に続くアレルギ ー反応の引き金を引くのに十分な残留した抗原性性質を有し得る。 ある環境では、天然ゴムラテックスエマルジョンを、懸濁した界面活性剤化合 物を塩析するか、または変性させる化学試薬で前処理し、これによりこれらの抗 原性を低減することが可能であり得る。残念ながら、これらの化学処理はまた、 ラテックスそのものに影響を与え得る。その結果、このような前処理された原料 から形成される物品は、物理的、化学的および機械的に劣った性質を示し得、そ して処理されていない(このためアレルギー性ではあるが)ラテックス物品と比 較して、酸化的分解をより受けやすい。厳しく規制された医療工業において、化 合の問題に関して、これら化学修飾された原料は、現存する認可原料とは、その 販売および使用に先立つ高価な規制認可を満足するに十分異なり得る。 成功した、しかし高価な、天然ゴムラテックス過敏症を回避するための別の技 術は、天然ゴムラテックスの代わりに人工または合成ラテックス原料に転換する ことである。重合により得られる合成ゴムまたはプラスチックのラテックス水エ マルジョンにより、抗原性成分を排除するために、製造業者がエマルジョンの内 容物を厳密に適応させることが可能となる。 これらの合成ラテックスは特に、コーティング、塗料および接着剤に有用であ る。コンドームおよびゴム手袋は、現在、感作された個体において、天然ゴムラ テックス様過敏性応答を誘起しない合成ゴムラテックスから開発された。残念な がら、これら合成原料は、天然ゴムラテックスよりも著しく高価である。さらに 重要なことに、これらの物理的および機械的性質は、多くの適用において劣る。 ある人工ゴムは、手袋として効果的に機能するための、十分な弾性または強度が 欠如している。他のものは、一定応力に供されると、実質的なクリープを示して その結果その作業性を妨げ得る、たわみおよび膨らみを示す。また他のものは、 低い圧縮耐性を有し、そして圧縮応力に屈して曲がる。 受容可能な中間の下地は、ある環境で、ポリウレタンのような非アレルゲン性 材料で天然ゴムラテックス物品の表面を隔てる、コーティングプロセスにより開 発された。これら技術は概して、内在する天然ゴムラテックスの有益な機械的性 質を保持し、そしてアレルゲン性天然タンパク質成分を隠蔽して、過敏性の個体 が反応するのを防ぐ。効果的であるが、コーティング技術は、それに付随する欠 点なしではない。さらなるプロセッシング工程または製造工程および高価な合成 原料を加えることにより、これは、コートされた製品の生産に関連する費用を著 しく増加させる。一見したところ安定であるが、コーティングは、使用の間の欠 け、剥離または摩耗により、なお内在する天然ラテックスが敏感な個体に曝され 得るので、永久的な低アレルゲン性を提供し得ない。これは、内在するラテック スとコーティングとの間の異なる膨張率によりラテックスが曝され得る膨張性の ラテックスバルーンに特に当てはまる。 より最近になって、ある研究者らは、別の植物原料から生産される非アレルゲ ン性天然ゴムラテックスを同定した。例えば、砂漠の野生の低木(Parthenium a rgentatum)は、ブラジルゴムの木から生じた樹液に存在する、アレルギー原因 であるタンパク質の欠如した天然ゴムラテックス樹脂を生産することが報告され ている。有望ではあるが、これらの別の原料は、これらゴムの形成を、ブラジル ゴムの木に対する効果的な競合相手となる点まで増加させるための遺伝子操作を 要する。これらは、広範な適用および暴露に続く時間に渡って、暴露された個体 における過敏性応答を最終的に誘発する、それ自身の界面活性剤および洗浄剤型 植物タンパク質を含有し得るということもまた疑わしい。 本発明を実施するための概念および変形、および2桁以上の規模で天然ゴムラ テックスアレルゲン性を低減させるその能力に続いて、驚くべきことに、本発明 者らは、製造環境において、さらなるアレルゲンタンパク質原料を発見した。一 旦、研究室のベンチトップ(benchtop)から離れると、最も近代的なラテックス 製造技術でさえ、天然ゴムラテックスタンパク質の塵で製造環境を不注意にも汚 染する。これらアレルゲン粒子は、物品が処理され、そして硬化されるとラテッ クス物品の表面から落とされる。生成したアレルゲン塵は、製造環境において、 実質的にあらゆる表面に固着し、アレルゲン性を増加させ、そしてアレルゲン性 を低減されたラテックス製品でさえ潜在的に再汚染することが見出された。 従って、本発明の主要な目的のひとつは、著しい変更または支出なしで、現存 する製造プロセスに取り込まれ得る、天然ゴムラテックス製品のアレルゲン性を 低減するための効果的な方法を提供することである。 本発明のさらなる目的は、物品の表面上に付加的なポリマーをコーティングま たはグラフトすることを伴わない、天然ゴムラテックス物品のアレルゲン性を低 減する方法を提供することである。 本発明のまたさらなる目的は、天然ゴムポリマーを著しく変化させも、その化 学的、物理的および機械的性質を変更もしない、天然ゴムラテックス物品のアレ ルゲン性を低減する方法を提供することである。 上記の目的の各々に付随する目的は、アレルゲン性を低減され、そしてそのよ うな物品について通常予測される範囲の有利な物理的、機械的および化学的性質 を示す天然ゴムラテックス物品それ自身を生産することである。発明の要旨 概して述べると、これらおよび他の目的は、著しく低アレルゲン性の天然ゴム ラテックス物品およびデバイスの、向上した製造方法を提供する本発明により、 達せられる。硬化した天然ゴムラテックス材料の主要なポリマー成分を変化させ ることなくまたはそれと反応することなく、本発明の方法は、形成マンドレルに 接触するラテックスエマルジョンの抗原性成分を直接隔離(sequester)し、次 いで、個体と接触するようになることを意図する対向する表面に抗原性成分の滲 出(blooming)を誘発することにより、硬化したラテックス材料の両表面の上お よび近位に存在する、天然に存在する抗原性の界面活性剤および洗浄剤型植物タ ンパク質の反応性を選択的に中和し、ここで、これらは滲出された抗原性成分の 抗原性領域を隔離するようにスクリーニング試薬で化学的処理される。このよう にして、材料の露出した表面上の抗原性部位が、身体の免疫系に対して実質的に 不活性となる一方で、天然ゴムラテックスの全ての有利な性質および局面は維持 される。 より特定すると、本発明の方法は、「低」アレルゲン性または低減されたアレ ルゲン性の天然ゴムラテックス物品およびデバイスの生産に有用であって、これ は改変されていない天然ゴムラテックスの、通常の、そして望ましい、物理的、 機械的および化学的性質を維持する。本発明の方法は、簡単で、高価でなく、有 害でなく、そして製造環境の清掃および、抗原性塵による再汚染を妨げるための 適切な工程の実施に対して、最小の影響で、現存するラテックス物品製造工程お よびプロセッシング工程に、容易に適用出来る。生じた表面アレルゲン性におけ る有用な低減は、この影響に大きく優る。 広範な局面において、本発明は、以下の工程により、低減されたアレルゲン性 を有する天然ゴムラテックス物品を生産する。スクリーニング試薬を含有するラ テックス凝固剤組成物でコートされた物品形成マンドレルを提供し、それと接触 するようになる抗原性成分を直接隔離する工程;残留する天然ゴムラテックスの 天然に存在する抗原性成分を誘発し、少なくとも1つの、対向するラテックス物 品組織接触表面または他の表面の、上または近位に滲出させる工程;および次い でこれら滲出した抗原性成分を、標的成分の抗原性領域を隔離するか、さもなく ばこれを被覆する結合反応において、滲出された抗原性成分の化学的骨格と共に 見出される、種々の官能基と化学的に相互作用する、1つ以上のスクリーニング 試薬で処理する工程。 本発明の、生産方法論の例示的実施態様は、天然に存在する抗原性界面活性剤 型分子を含有する天然ゴムラテックスエマルジョンの供給で始められる。このエ マルジョンから、患者の組織に接触することを意図する、少なくとも1つの表面 を有するラテックス物品が、スクリーニング試薬を含むラテックス凝固剤組成物 でコートされた表面の少なくとも一部分を有する、型枠中またはマンドレル上に 形成され、外側または意図された組織接触表面と正反対の凝固剤でコートされた 型枠またはマンドレル表面と接触するようになる任意の抗原性成分の抗原性領域 を化学的に処理し、そして直接隔離するか、またはこれを被覆する。残りの未処 理の抗原性成分の、意図される組織接触表面の上または近位への滲出は、残留す る抗原性成分をゲルの露出した外表面へ移動させる、物品形成マンドレル上のゲ ルへのラテックスエマルジョンの進行中の凝固により誘発される。これら滲出さ れた抗原性成分の、さらなるスクリーニング試薬での化学的処理は、種々の比較 的緩やかな次の化学的手順の工程により達せられ得、これは、スクリーニング反 応が実質的に完結するのに十分な時間の間、温度およびpHの適切な反応条件下で 、1つ以上のスクリーニング試薬の有効濃度を有する、処理バス中に含浸するこ とを含む。任意の未反応スクリーニング試薬は、ラテックス物品に残留する、他 の任意の水溶性成分と共に洗浄して、除去され得る。 あるいは、物品形成マンドレル上での、凝固したゼラチン状の天然ゴムラテッ クスエマルジョンの形成に続いて、露出した表面をスクリーニング試薬で処理す る前に、通常の様式で、ゲルは乾燥されて硬化され得る。硬化されたゲルは、そ の露出した表面に滲出された抗原性成分を出し続け、その結果、化学的処理は、 内在する天然ゴムポリマーを変化させることなく、これらの残留する抗原性成分 の抗原性領域を効果的に隔離し得る。 当業者は、本発明の方法は、適切な関心が、通常ラテックス物品の生産の間に 存在し得る凝固加硫および抗酸化剤化学物質との明白な所望でない反応を回避す ることに関する限り、実質的に全ての通常のラテックス物品生産工程に適用され 得ることを、理解する。凝固工程および後続の処理工程において使用されるスク リーニング試薬は、これらの異なるが、同様に標的化された化学反応の間の、普 及している異なる溶媒系および反応条件のために、お互いに異なり得ることもま た当業者に理解される。各スクリーニング試薬の抗原性標的は類似するが、試薬 そのものは、水性ラテックスエマルジョン系に対して凝固剤コーティングを形成 するために利用される、典型的なアセトンおよびアルコールの有機溶媒系におけ るそれらの性能を最適化するために異なり得る。 例えば、天然ゴムラテックスそれ自身は、その化学的処理と同時に、エマルジ ョンの界面で抗原性成分の滲出を誘発するための、適切な分配係数を有する、1 つ以上のスクリーニング試薬を選択することによって、アレルゲン性タンパク質 を低減するように処理され得る。スクリーニング試薬の化学的性質を適切に選択 することは、エマルジョンのさらなる成分との、任意の所望でない反応を回避し 得る。あるいは、エマルジョンは、ラテックスに浸す前に、スクリーニング試薬 の表面層で前処理される形成マンドレル上に、凝固され得る。 本発明の方法はまた、生産工程の後続段階に適用され得る。例えば、スクリー ニング試薬を添加して、コーティング処方物または被着(donning)コーティン グ処方物を放出させ、粉末を含まずに形成されたラテックス物品を生産し得る。 所望ならば、スクリーニング試薬の特性は、続くポリマーコーティング化学に組 み込まれ得、抗原性領域の隔離(sequestration)およびコーティングが同時に 生じ得る。この様式において、本発明は、ラテックス物品の両側を処理して、ア レルゲン性をより一層低減する。あるいは、最初に滲出された表面は、任意の前 述の工程においてスクリーニング試薬で処理され得る。次いで、対向する表面は 後続段階の技術の1つで処理され得る。 本発明の方法は、水性溶液との組み合わせにおいて使用されることが望ましい が、適切な場合、その範囲および教示内で、非水性溶液が使用され得る。その結 果、本発明の方法は、通常の製造手段に最小の影響を与え、上記に記載のような 、原料ラテックス、加工されたラテックス化合物、加硫される前のラテックス化 合物、加硫された物品、および最終ラテックス物品を処理するのに利用され得る 。 本発明の実施に使用され得るスクリーニング試薬は、関連するラテックスゴム 、または所望の凝固剤もしくはエマルジョン組成物との、著しい相互作用を回避 するのに十分穏やかな条件下で、抗原性成分分子とともに見出される種々の官能 基の1つ以上と反応する、広範な種々の化学的物質を含む。本発明のさらなる特 性として、スクリーニング試薬の分配係数は、改変されて、標的の抗原性成分、 または少なくともその抗原性領域の疎水性/親水性の特性を調和または一致させ 、そのスクリーニングの有効性を増強し、そのプロセッシングの性能を改良する 一方、内在する凝固剤およびエマルジョン成分との相互作用をより一層低減し得 る。 例示的なスクリーニング試薬は、多官能性の化学試薬および特に、例えばジエ ポキシ、ジアルデヒド、ジエン、ビスマレイミド(bismalimide)、ジグリシダ ール(diglycidal)エーテル、およびジイソシアネートのような二官能性試薬を 含むが、さらなる多官能性および二官能性のアナログ、および一官能性の化学試 薬をも、本発明の範囲内にあることが意図される。さらに、洗浄剤様の特性を有 する側鎖は、スクリーニング試薬に結合して、その分配係数を改変し得る。同様 に、大きいかまたは嵩高い側鎖が、一官能性または二官能性のスクリーニング試 薬に結合することはまた、そのスクリーニング能力を増強させる。適切に構成さ れた官能基を有する、オリゴマー(oligimer)および低分子量ポリマーもまた用 いられ得る。 使用されるスクリーニング試薬を考慮しなければ、処理条件が比較的穏やかで 、そして対応するプロセッシング工程化学に適切であることが望ましい。従って 、反応温度は、ラテックス分子を攻撃することなしに、または凝固剤系の製剤お よび機能を干渉することなしに、スクリーニング試薬と抗原性成分との化学反応 を誘発するのに十分であるべきである。この目的のために、20℃〜100℃の温度 範囲が適切であることが見出されている。同様に、処理pHは、前記の所望の反応 を 駆動(drive)するのに適切であるが、所望でない反応を駆動する程に極端でな いべきである。例示的な処理pHは、pH9〜pH12の範囲である。1分〜30分の範囲 の反応時間はまた、不必要の遅延や複雑さを有する、現存の製造プロトコルに著 しく影響しないために、適切である。スクリーニング試薬の有効濃度は、水性ま たは非水性溶液中で0.1重量%〜10重量%の範囲であり得る。なぜなら、この濃度 は概して、有害でなく、毒性でなく、高価でなく、そして使用が容易であるから である。 本発明の方法は、現存するラテックス製造技術および方法論に容易に適用出来 るために、本発明はまた、著しく低減されたアレルゲン性を示す、1つ以上の組 織接触表面および対向する表面を有する利点を添加された、実質的に全てのラテ ックス物品または装置を生産し得る。これらの物品には外科用手袋、検査手袋、 コンドーム、カテーテル、カテーテル膨張バルーン、および閉塞バルーン、絆創 膏などが挙げられる。 本発明の低アレルゲン性天然ゴムラテックス物品および製造方法のさらなる目 的、特性および利点、ならびにそのより良い理解は、当業者が以下の例示的実施 態様の詳細な説明を考慮することから得られる。例示的実施態様の詳細な説明 本発明の、「低アレルゲン性」または低減されたアレルゲン性天然ゴムラテッ クス物品は、多数の人々が経験するラテックス過敏およびアレルギー性反応の発 生を低減するために、実質的に任意の天然ゴムラテックス物品の代替に使用する ことを意図する。しかしながら、当業者に理解されるように、組織がラテックス 物品と直接に接触する経験がなされるような環境は、本発明で著しい利益が達せ られる、最も適当な標的である。よって、現在知られている、数百の、医療デバ イス、材料、および物品は、本発明の顕著な利益を最も明白に示す。 今日の医療環境において、医療関係者はしばしば、数時間もゴム手袋を身に付 ける。手の皮膚の皮膚炎およびより障害の多いアレルギー性応答は、手袋の内側 表面との、この継続的な接触により起こり得る。同様に、アレルギー性応答は、 定期的に手袋の外側表面に曝される治療患者などにおいて誘発され得る。より著 しくは、治療患者、特に心臓病患者は、内包する心臓モニタリングデバイスに関 して、長時間にわたる密接なラテックス−組織接触に曝され得る。ここにおいて 、アレルギー反応は重度であり得る。 例えば、心臓病の進行をモニタリングするために一般的に使用される、Swan-G anzカテーテルは、8〜72時間に渡って患者の体内に在り得る。膨張性ラテック スバルーンは、これらのカテーテルを心臓の血管系内部に前進させ、そして圧力 をモニタリングする目的で個々の動脈を遮断するために利用され、患者の血管系 にある繊細な組織と直接接触するようになる。この長時間の密接な組織接触は、 本発明の利益が最大であると言われたところのラテックス曝露の、最も深刻な形 態のひとつであり得る。合成ラテックス膨張バルーンが、天然ゴムラテックスバ ルーンに通常生じる物理的、機械的、化学的特性と一致し得ないために、これら は、この重大な物理的環境において、天然ゴムラテックスの効果的な代替品とし て機能し得ない。 従って、本発明の範囲を制限することなく、この例示的な実施態様は、例示的 な医学的膨張バルーンおよびラテックスシートまたは手袋(これらの物品が本発 明の原理および利益を単一に例示するので)に関連して論じられる。しかしなが ら、本発明が膨張バルーン、シート、または手袋に限定されず、そしてラテック スで形成される実質的に任意の物品、デバイス、または組成物に広範に適用可能 であることが強調されるべきである。 本発明の広大な範囲の適切な理解により、カテーテル膨張バルーンは、天然ラ テックス物品に通常存在する有益かつ望ましい物理的、化学的および機械的特性 の非常に明白な実証を提供する。天然ゴムと対照的に、ポリ−イソプレンおよび ポリ−ブタジエンで形成される合成ゴムラテックスバルーンは、ゴム材料が一定 応力下で伸び続ける、「クリープ」を示すことが知られている。膨張および伸長 に続いて、人工ゴムバルーンは、その元の寸法よりも50%まで伸び得る。結果と して生じるたるみ(baggines)は、たるんだ(sagging)バルーン材料が繊細な 内部構造にかみ合う場合、関連する心臓のカテーテルを引っ込める際に機能的問 題を起こし得る。さらに、合成バルーンはまた、天然ゴムラテックスバルーンが 通常示すものに劣る耐圧力特性を示す。一定圧縮応力(例えば、折り畳みや、輸 送または貯蔵の間に生じ得るような応力)下で、これらの材料は、永久に変形し 得、そしてその機能に不利に影響し得るゆがんだ「セット」になり得る。 製品の輸送および貯蔵条件は、天然ゴムラテックスに通常関連する他の有益な 特性を強調する。適切な抗酸化化合物で適切に製造される場合、天然ゴムラテッ クスで形成された物品は、エージングに耐え、そして性能が劣化することなくか なりの期間貯蔵され得る。よって、弾性率、破裂圧力、および天然ゴムラテック スバルーンの減衰の前の多数の膨張サイクルが、貯蔵の間に比較的一定のままで ある。この貯蔵能力は、このような製品の有用性を増強し、合成ゴムデバイスと 比較した場合に、比較的低い費用に寄与する。 天然ゴムラテックスはまた、酸および塩基の両方に化学的耐性であり、殆どの 環境で、化学的に不活性であると見なされ得る。このことは、天然ゴムラテック スを特にゴム手袋および絆創膏に良く適合させる。さらに、天然ゴムラテックス 物品は、細菌性およびウィルス性病原体の伝播に対して効果的なバリアであり、 これはさらにこれらの医学的有用性を増強する。 天然ゴムラテックスのこれらの通常生じる有用な特性を維持する能力は、本発 明の主な長所のひとつである。天然ゴムラテックスそれ自身の化学構造を変更し 得る、先行技術プロセスとは対照的に、本発明は、材料のアレルゲン性成分の抗 原性のみを標的とし、変化させる。さらなる利点として、変化された抗原性成分 は、ラテックスに特性的な修飾された表面を提供するのに利用され得る結合また はグラフト試薬として、後続の処理に利用され得る。例えば、本発明の教示の利 用により、通常の物理的および機械的特性を有し、さらに、結合された抗酸化化 合物、抗オゾネート(antiozonate)化合物、抗菌化合物、抗血栓形成化合物、 および親水性化合物を含む表面修飾を備えた、アレルゲン性を低減された天然ゴ ムラテックス物品を生産することが可能である。 物理的特性の維持ならびに、このように生産された異なる物品およびデバイス の性能利点に加えて、同様の結果をもたらす、関連した実施上の利点がある。天 然ゴムラテックスの内在する処方物が、本発明により変化されないままであるた めに、クレームされた方法、材料およびデバイスの医学的使用に先立って、規定 の承認を得るために、さらなる臨床データは必要とされるべきでない。この特性 のみで、それらを取り込む新規のまたは改善された医学的材料およびそのデバイ スの生産に通常関連する費用を著しく低減する。 前述のように、本発明は、通常の製造技術の主要な改変を行うことなくこれら の有利な特性および利点を示す、低アレルゲン性天然ゴムラテックス物品を生産 し得る。これらのうち、最も一般的なラテックス製造手順のひとつは、浸漬−形 成(dip-forming)プロセスである。この手順において、Ca(NO3)2の水、アルコ ール、またはアセトンの懸濁液のような凝固前処理試薬で典型的にコーティング された、物品形成マンドレルは、マンドレルをラテックスエマルジョン浴または タンクに浸漬し、次いでマンドレルからのラテックス物品の除去に先立つリンス および乾燥/硬化工程により、ラテックスエマルジョンで簡単にコーティングさ れる。 物品形成マンドレルの設計および製造のために、かなりの努力がなされた。典 型的にはステンレス鋼またはセラミックから構築される、浸漬−形成マンドレル は、意図される目的に対し、適切なサイズおよび構成のラテックス物品を生産す るために、正確な寸法および形状でなければならない。殆どの場合、オーブン乾 燥と共に、マンドレルは、前処理試薬浴、エマルジョン浴、およびリンス浴へ、 マンドレルを繰り返し浸して取り出すことを伴う、大量自動生産技術に取り込ま れる。よって、これらは繰り返しの使用および高温に耐えるのに十分であるべき である。 ある環境では、浸漬−形成ラテックス物品は、「反転」または裏返されて、形 成マンドレルからそれらを剥離または除去する。ゴム手袋およびコンドームの生 産は、除去するためのこのような反転工程を共通して利用し、その結果、最終物 品の内側表面は、実質的に、元の浸漬−形成製品の対向した外側表面になる。逆 に、膨張バルーンは物品形成マンドレルから除去するために反転されない。浸漬 −形成プロセスにより生産される好ましい伸長特性は、バルーンが裏返されるこ となく除去されることを要する。同じく重要なことに、浸漬−形成の間に、最初 にマンドレルに接触するラテックス物品の内側表面に包理され得る剥離剤を、形 成マンドレル上で使用することは一般的でない。 興味深いことに、たとえ浸漬−形成ラテックス物品が、その製造プロセスの間 に反転され得るかまたは反転され得なくても最終的には使用者または患者の組織 と接触する、物品形成マンドレル上に、もとのラテックス外側表面が直接生産さ れることは、最も一般的である。本明細書中に記載した本発明の例示的な実施態 様において、製造プロセスの間に処理されてそのアレルゲン性を低減される主要 な標的は、この外側表面である。しかしながら、本発明の増強された形態は特に 、ラテックス物品の内側および外側の両表面の処理に適用可能であることを強調 すべきである。 概して言えば、本発明は、浸漬−形成または他の製造プロトコルに、適切なま たは好ましい段階で組み込まれた、ごくわずかの簡単な工程を通して、この目的 を達成する。その広範な局面において、本発明は、初期には、一表面で抗原性成 分を直接隔離し、次いで、通常生じる天然ゴムラテックス抗原性成分が、組織に 接触することが意図される表面を含む、対向する物品表面上に滲出することを誘 発する。 成型および浸漬−形成プロセスにおいて、これは、抗原性成分の通常の補体( compliment)を包む、天然ゴムラテックスエマルジョンの提供により達成され得 る。前述のように、これら抗原性成分は、タンパク様および非タンパク様の化合 物を含む、広範に種々の天然に存在するバイオポリマーから構成される。これら の界面活性剤および洗浄剤様のバイオポリマーは典型的に、そのタンパク質また はポリマーの骨格に沿って、多数の反応性の官能基を取り込む。例えば、NH2、- OH、および=Sは、本発明の初期および後に適用されるスクリーニング試薬の反 応またはドッキングの部位を提供するいくつかの官能基である。 ある場合において、予備的製造工程として、天然ゴムラテックスエマルジョン にスクリーニング試薬を添加することは可能であり得る一方、抗酸化化合物およ び保存剤の保存が所望である場合、このことは望ましくない。多くの先行技術の 処理プロトコルはこの欠点を示す。しかしながら、適切な分配係数および反応性 を有するスクリーニング試薬の選択により、抗原性成分のエマルジョンの界面で の滲出を誘発することによる凝固剤抗酸化剤および保存化合物との所望でない相 互作用を回避することが可能である。 本発明は、抗原性成分の滲出を、好ましくはエマルジョンの対向する内側およ び外側の両表面の上および近位に、特に患者の組織との接触が意図されるところ に誘発することによる天然ゴムラテックスエマルジョンの前処理に通常関連する 問題を克服する。これは、エマルジョンにおいて、上述のように、ならびに天然 ゴムラテックスエマルジョンからのラテックス物品の形成の間に、直接達成され 得る。例えば、ラテックス物品が、物品形成マンドレルをラテックスエマルジョ ン中に浸漬することにより形成される場合、滲出および隔離が、浸漬された物品 形成マンドレルの表面上にラテックスエマルジョンが凝固してゲルになることに より、対向する両表面に誘発され得る。 本発明の教示によれば、スクリーニング試薬を含む凝固剤組成物でマンドレル をコーティングする結果として、ラテックスエマルジョンの抗原性成分の隔離は 、物品形成マンドレルと接触して、エマルジョンの表面に直接生じる。記載のよ うに、スクリーニング試薬は、比較的穏やかな条件下で、ラテックスエマルジョ ンの抗原性成分と反応する、化学的化合物である。これらは、ベースゴムポリマ ーの生体適合性または分子構造に影響せず、そして、本発明の方法のこの工程に おいて凝固剤コーティングの操作への衝撃を回避するように選択される。 例えば、現在の凝固剤系は典型的に、Ca(NO3)2のアセトンおよびアルコール溶 媒懸濁液を使用する。これらの懸濁液を浸漬するか、または物品形成マンドレル の上にスプレーし、そして溶媒を蒸発させて、凝固剤試薬のコーティングを残す 。本発明において、アセトンおよびアルコールベースの凝固剤のためのブタンジ オールジグリシダールエーテル、または水ベースの凝固剤系のためのペンタエリ トリトールトリグリシダールエーテルのような例示的なスクリーニング試薬が、 物品形成マンドレルへの適用に先立って、有効量を凝固剤懸濁液に単に添加する ことにより、使用され得る。 処理され凝固剤でコートされる、物品形成マンドレルを、ラテックスエマルジ ョンに単に浸漬することで、マンドレルと接触するようになるエマルジョンの内 側表面に抗原性成分を直接隔離する。本発明の方法におけるこの工程で、使用さ れるスクリーニング試薬は、次の処理工程において使用されるものと異なり得、 これはスクリーニング試薬が、プロセスの適切な工程で、溶媒系および意図する 反応に対して最適化されるべきであるためであることが、当業者に理解される。 ラテックスエマルジョンの残留する抗原性成分は、以下のように、次の手順の工 程において隔離される。 ラテックスエマルジョンの凝固を継続して、水性キャリア溶液を凝固したゲル の外側または露出した表面の方に移す。本発明の教示に一致して、エマルジョン 凝固剤である、残留抗原性成分の濃度および関連する特異な相は、対向するまた は外側の露出した表面の方へ移動して、それと共に水溶性の残留抗原性成分を搬 送する。これにより、対向する露出したゲル表面の上または近位の場所で、凝固 したゲルの構造の内に緩やかに取り込まれる。 分子レベルで、この露出した表面は、緩やかに包埋され、滲出された抗原性界 面活性剤成分の露出した抗原性領域で高い程度で巻き込まれ、そして緩やかに被 包される。その結果、滲出された抗原性成分は組織上に提供されて、天然ゴムラ テックスゲルの内在するベースポリマーに影響しないで、それらを後続の化学的 スクリーニング処理に対して個々に感受性にする様式で、形成されたラテックス 物品の表面に接触する。残留する滲出された抗原性成分を、1つ以上のスクリー ニング試薬で化学的に処理することは、これらの緩やかに結合する露出したバイ オポリマーの抗原性領域を隔離して、引き続く組織接触現象の間に、それらを人 体の免疫系に対して事実上不活性にする。本発明の、天然ゴムラテックス物品の アレルゲン性を低減するのは、両表面の抗原性領域の、このスクリーニングまた は被包である。これは、先行技術において実施されたような、単なるコーティン グプロセスでないことが強調されるべきである。本発明は、個々の分子ベース上 の抗原性成分のアレルゲン性領域を能動的に被包し、材料表面をフィルム、ポリ マーグラフトなどでコートしないで、材料の両表面の内部に、十分被包する。 同様に、スクリーニング試薬での化学的処理は、あるタンパク質を別のタンパ ク質で消化する酵素処理ではなく、また抗原性成分を可溶化して除去する簡単な 洗浄プロセスでもない。むしろ、本発明の方法は、タンパク様組織を単に架橋す ることでなく抗原性領域を隔離することで機械的分解を妨げるというさらなる焦 点を有することを除けば、天然に存在する組織の化学的堅固化すなわち「固定化 」に、より類似する。 本発明の後続の化学的処理工程はまた、簡単なプロセスである。これは浸漬、 浸透、スプレー、またはスクリーニング試薬が、適切な反応条件下で、反応を進 行させるのに十分な時間、滲出された抗原性成分を係合することを可能にする、 任意の類似の技術によって達成され得る。本明細書中に記載される例示的な浸漬 −形成方法論において、これは、温度およびpHの適切で穏やかな反応条件下で、 1つ以上のスクリーニング試薬を効果的な濃度で含む、簡単な水性または非水性 の浸漬浴の提供を通して達成され得る。その外側表面に滲出された残留抗原性成 分を有する形成されたラテックス物品は、適切な時間、処理浴に簡単に液浸され 、除去され、そして分離リンス工程においてリンスされて、未反応のスクリーニ ング試薬および他の可溶性成分を除去される。 処理手順は硬化されたラテックスエマルジョンならびに前述のエマルジョンお よび凝固されたゲルに、等しく適用し得る。これらの別の実施態様において、滲 出された抗原性成分を、その外側表面上に有する、ゲル化ラテックスエマルジョ ンは、乾燥および/または加熱を伴う通常の様式において硬化される。硬化によ り滲出された抗原性成分は、外側の巻き込まれた分子表面により堅固に結合し、 そして水性処理バスの能力を低減して、非水性バスあるいはエマルジョンまたは 凝固されたゲルの処理によって達成され得るのと同程度に深く、ラテックス構造 の内側に浸透し得る。典型的な非水性バスは、アルコール、ケトン、エステルな どの、当該分野で公知でありそして反応および反応条件に適合する有機溶媒を含 む。それにもかかわらず、このような改変および代替によっても、硬化されたラ テックス物品表面のアレルゲン性は、本発明の教示に一致して、滲出された抗原 性成分の化学的処理を通して、著しく低減される。 任意の場合において、本発明の実施のために、比較的穏やかな反応条件が適切 である。穏やかな条件は、スクリーニング試薬と、その表面上に滲出された抗原 性成分を提供するベースの天然ゴムラテックスポリマーとの、相互作用の防止を 助ける。さらなる利点として、穏やかな反応条件は、既存の製造プロセスに容易 に取り込まれ得る。典型的な穏やかな反応条件は、約20℃〜100℃の範囲の温度 を含む。好ましい温度は、60℃〜80℃程度であり得る。よって、化学的処理反応 溶液または浴は、室温またはそれよりわずかに高い温度で、安価に、生産および 維持され得る。これは、ラテックスエマルジョンまたはラテックスそのものに提 供され得る抗酸化剤に影響せずに、スクリーニング反応を効果的に導く。 同様に、反応溶液または処理浴は、関連する天然ゴムベースポリマーのビニル 結合を開くことなく、標的抗原性成分の結合領域とスクリーニング試薬との間の 反応を誘発できるほど十分に高いpHを有するべきである。本発明を実施するため の典型的なpHの範囲は、pH9〜pH12の穏やかな塩基処理条件を含む。好ましいpH は10.5程度であり得る。 これらの比較的穏やかな反応条件下で、滲出された物品表面に接触するスクリ ーニング試薬を1分〜30分の間放置することが適切である。正確な時間は、スク リーニング反応を効果的な終端点まで進めるために、わずかな努力で実験的に決 定され得る。衝撃または通常の製造プロセスの遅れを最小にするので、より短い 暴露時間が好ましい。従って、反応時間は3分〜10分の範囲が好ましい。 スクリーニング試薬は、上述の比較的穏やかな条件で抗原性成分と反応する化 学的化合物でなければならない。また、これらは、ベースゴムポリマーの生物学 的適合性または分子構造に影響すべきでなく、そして好ましくは比較的非毒性で あるべきである。本発明の教示に一致するこの試薬および反応条件の選択は、こ れらの目的を達成する。本発明の実施に有用な典型的な化学的スクリーニング試 薬は、ジエポキシ、ジアルデヒド、ジエン、ビスマレイミド、ジグリシダールエ ーテル、トリグリシダールエーテル、およびジイソシアネートのような、種々の 多官能性試薬および二官能性試薬を含む。これらの分類における、特に典型的な スクリーニング試薬は、エチレングリコールジグリシダールエーテル、グルタル ジアルデヒド、1,4-ブタンジオールジグリシダールエーテル、ブタンジオールジ グリシダールエーテル、ペンタエリトリトールトリグリシダールエーテル、およ びジビニルスルホンを含む。類似の任意の官能基化合物は、本発明の教示と一致 して、スクリーニング試薬として利用され得ることを、当業者は理解する。 加えて、反応性基および側鎖を有する任意のこれらのスクリーニング試薬の修 飾はまた、本発明の範囲に含まれるものとして意図される。例えば、洗浄剤様側 鎖を試薬に添加することは、その分配係数を改変させるために使用され得る。あ るいは、嵩高い側鎖を添加することは後続反応のスクリーニング有効性を向上し 得る。適切な官能基および側鎖を含む、置換オリゴマー(oligimer)および低分 子量ポリマーはまた、スクリーニング試薬に使用し得る。例えば、ポリビニルア ルコールおよびエピクロルヒドリンから形成されるポリエポキシ化合物は、効果 的なスクリーニング試薬であり得る。 使用されるスクリーニング試薬に依存して、化学的処理は乾燥した、水性また は非水性条件下で実施され得る。適切な場合には、水性条件は、それらが天然に 存在するラテックスエマルジョンと容易に適合し、取り扱いがかなり簡単である ため、好ましい。それらの費用および毒性が比較的低いことは、さらなる利点で ある。スクリーニング試薬の濃度はまた、溶液の種類および試薬そのものに依存 する。 典型的なスクリーニング試薬濃度は、0.1重量%〜10重量%の範囲が効果的であ ると考えられているが、これより大きいまたは小さい濃度も、本発明の範囲に含 まれることが意図される。より低い濃度は、反応速度およびその結果としての生 産プロセスを遅め得、一方、より高い濃度は、より高価であり、そして取り扱い が困難であり、付随する生産上の利点を提供しない。従って、典型的な濃度範囲 は、周辺環境および化学に一致するように改変されることのみが最高かつ必要で あると考える。好ましくは、スクリーニング試薬は使用される特定の溶媒系に対 して最適化される。従って、凝固剤系において使用するために選択されたスクリ ーニング試薬は、ラテックス物品の外側における後続のバルク処理に使用される ものと、異なり得る。どちらの状況においても、最適化は、溶媒の溶解度、予測 される反応速度、内在するラテックスに対する異なる標的官能基についての化学 的親和力を考慮する。 本発明のさらなる精緻さにより、実施者は、スクリーニング試薬の疎水性/親 水性の特性を微調製して、直接提供されるかまたは滲出された抗原性成分による 標的の抗原性領域のその特性とより近づけ合わせ得る。これは、反応を標的部位 に集中させ、そして内在するベースポリマーから遠ざけることを助ける。特に、 当業者に理解されるように、直接隔離され、次いで滲出される抗原性成分がエマ ルジョンの境界面、周囲のラテックスゲル、またはポリマーの内部に結合するの で、突出した分子性要素は、それらが境界面または物品表面から離れて広がるに つれて、増大する親水性(水適合性)を示す。表面に最も近いか、あるいは境界 面もしくは表面に近位のラテックスエマルジョンまたは物品に包埋された、これ らの分子成分は、非常により疎水性(水反発)である。使用されるスクリーニン グ試薬の疎水性/親水性特性の微調整または調和により、本発明は、抗原性成分 上のこれらの特異的な疎水性または親水性の抗原性領域を効果的に標的とし得る 。 実験を通して、より高い疎水性またはより高い親水性のスクリーニング試薬は 、穏やかな疎水性および穏やかな親水性の特性の両方を示すスクリーニング試薬 よりも、ある状況下で、効果が劣り得ると測定された。エチレングリコールグリ シダールエーテルおよびグルタルジアルデヒドは、疎水性および親水性の中間の 分配係数を有するスクリーニング試薬の例である。これらの試薬は、周囲の環境 に突出した、または内在するベースポリマーもしくはエマルジョン境界面の内部 に深く包埋された、抗原性領域よりもむしろ、滲出されたラテックス表面にごく 近位の抗原性領域を標的とすると考えられる。実験的証拠は、これが天然ゴムラ テックス材料のアレルゲン性を低減するための最も効果的な標的であり得ること を示す。同様に、凝固剤工程において抗原性成分の直接隔離を扱う場合、ブタン ジオールジグリシダールエーテルは、アセトンおよびアルコールに基づく凝固剤 系での使用に対して最も適切であり得るが、ペンタエリトリトールトリグリシダ ールエーテルはより高い水溶性であって、水に基づく凝固剤系に対してより適正 である。 この理解を留意して、本発明の向上した技術を取り込んだ典型的な天然ゴムラ テックス製造プロセスは、以下のように実施され得る。本発明のこの実施態様に おいて、スクリーニング試薬での処理は、水和ゲル材料中への次のスクリーニン グ試薬の拡散を容易にし得るので、ゲル段階の前および間の両方で行う。さらに 、穏やかな反応条件および適切に選択されたスクリーニング試薬のおかげで、こ の段階において、スクリーニング試薬と、ラテックスエマルジョンの中に存在す る任意の加硫化学薬品または抗酸化化学薬品との相互作用が、殆どないかまたは 全くない。 本発明の既存の生産技術への適用の容易さの例証として、製造プロセスにおけ る第一工程は、標準的処方および技術を使用して天然ゴムラテックスエマルジョ ンを構成することを含む。代表的には、生の天然ゴムラテックス水性エマルジョ ンは、酸化亜鉛、硫黄、アミン、チオール、ならびに他の抗酸化剤および促進剤 を含む種々の加硫、架橋および抗酸化の化合物で前処理される。この材料の組み 合わせ物は、密封下で数時間、加熱および撹拌されて、浸漬−形成プロセスまた は他の製造プロセスに適した原料を提供する。 標準的な浸漬−形成手順において、プロセスにおける次の工程は、所望の形状 を有し、物品形成マンドレルを処理された凝固剤系に浸漬し、次いで乾燥するこ とを含む。例えば、マンドレルを形成する、ビードブラストされたステンレス鋼 は、ブタンジオールジグリシダールエーテルの直接スクリーニング試薬で処理さ れた、アルコールおよびCa(NO3)2の溶液中に浸漬され得る。次いでマンドレルを 天然ゴムラテックス化合物(これは安定剤および上述の他の成分を含み得る)中 に浸漬し、そして接着されたラテックスエマルジョンの薄いコーティングと共に 取り出す。この処理工程は、凝固剤でコートされた、物品形成マンドレルと接触 するようになるラテックスエマルジョンの抗原性成分を直接隔離する。 大気中に短時間曝して、浸漬されたラテックスエマルジョンを凝結し、残留す る抗原性成分のその表面への滲出を誘発し得た後、浸漬されてコートされた、マ ンドレルを形成するラテックスは水浴中でリンスされて、任意の容易に可溶な化 合物を除去し、そしてゲル化エマルジョンの表面から任意のイオンなどを抽出す る。これは、直接隔離した抗原性成分を有する内側表面と、包被され、滲出され た残留抗原性成分を露出した親水性かつ抗原性の領域を含む非常に高い表面積を 有する、対向する外側表面とを有する、凝結されたゼラチン状ラテックス物品を 提供する。 リンスパラメーターの最適化は、ラテックスエマルジョンからの凝固剤物質お よびアンモニアの効果的な除去、非対称な加硫の最小化、および所望の抗酸化剤 および抗オゾネート剤の不注意な浸出を最小化しながらの滲出するアレルゲン性 成分の最大化を含む、いくつかの異なる因子に焦点を合わせるべきである。これ は、リンス温度および時間の注意深い調整を要する。なぜなら、より高い温度は 凝固剤物質の除去の効果を高め、一方、より低い温度はアンモニアの溶解度を増 加させ、かつ促進剤活性化レベル未満で操作することにより加硫を最小にするの に望ましいからである。同様に、リンス時間の延長は、可溶アレルゲン性成分の 除去を最大化するのに好ましく、一方、リンス時間の短縮は、抗酸化剤および抗 オゾネート剤の不注意な浸出を低減する。 開示された典型的な系において、最適なリンス温度は、30℃〜35℃の範囲にあ り得、これは、ラテックスエマルジョン中で、架橋を開始することなく、凝固剤 塩を効果的に可溶化するからである。この温度での適切な5分のリンス時間は、 典型的な凝固剤系を使用した薄壁の物品の処理に適切である。あるいはまた、成 形されたラテックス物品は、長時間の間100℃程度かそれより高いリンス温度を 要し得る。 当業者が理解し得るように、洗浄は、これらの天然に存在する界面活性剤分子 の約30%を除去するに過ぎない。従って、ラテックスエマルジョンに元々存在す る、それらの残留抗原性成分のかなりの部分が、ラテックスゲルの滲出された対 向する外側表面に、またはその近くに残留する。 いくつかのエポキシスクリーニング試薬に関して、エポキシ官能基が上昇した 温度およびpH値で水と反応し得ることが注目されるはずである。生じる加水分解 反応は、試薬の活性のロスを生じる。なぜなら、アレルゲン性の矛盾しない減少 を生じるための製造環境において一定レベルの試薬活性を維持することが所望さ れるために、加水分解のロスを補うための処理設備に新鮮なスクリーニング試薬 の供給をゆっくり連続的に行うことが所望される。さらに、試薬の補充に関連す るコストを削減するために、濃縮されたスクリーニング試薬を低い温度で維持し 、次いで使用の直前に、上昇させた温度の緩衝液に試薬を添加することが所望さ れ得る。これらの技術の最適化は、製造プロセス全体にわたって、種々の温度お よびpHレベルで、活性レベルおよび加水分解速度を測定することにより達成され 得る。大規模の生産について、最少量の希釈したスクリーニング試薬溶液を処理 される物品に噴霧することが所望され得る。 本発明が既存の製造技術にいかに容易に組み込まれるかのさらなる例示をする と、続く滲出した抗原性化合物の化学的処理は、リンスし、ラテックスでコート して形成したマンドレルを、例えば、pH10.5で緩衝化した溶液中に5重量%のエ チレングリコールジグリシダールエーテルを含む処理浴中で、50℃から80℃の間 の温度で約3〜15分間単に浸すことにより、この段階で達成され得る。例えば、 60℃で20分間の水中でのさらなる洗浄工程は、最初のリンスで除去されない可溶 性のイオン、タンパク質および他の成分とともに任意の未反応のスクリーニング 試薬を除去する。次いで、処理した物品は乾燥させられ、そして、90分間90℃の オーブンに置かれるような通常の製造手順を利用して、その最終形態に硬化させ 、続いて浸漬したマンドレルから除去される。これにより、包埋されそして滲出 された抗原性成分を含む、内部および組織接触表面の両方を有する通常の化学的 、物理的、および機械的特性を有する天然ゴムラテックス物品を産生する。これ は、これらの抗原性領域を被包するスクリーニング試薬によりアレルギー性の応 答から効果的にスクリーニングする。 あるいは、天然のゴムラテックス物品および膜を製造するために、先の浸漬形 成する(dip-forming)手順が通常、物品の硬化後に次の処理工程で行われ得る 。この別の手順において、その外表面上に存在する滲出した抗原性成分を有する 、硬化されたかまたは仕上げられた(finished)物品は、先のような同じ次の処 理溶液浴で処理され、そして形成するマンドレルから除去される前または後のい ずれかに乾燥させられる。これらの別の製造プロトコルのいずれかは、本発明を 実施するために利用され得、そして適切な場合は、非水溶性の処理浴が利用され 得る。 本発明のスクリーニング試薬が、内在するラテックスポリマーとの相互作用を 最小化するために非常に穏やかな処理条件で操作されるために、隔離された表面 タンパク質は、次の処理工程でこのように生産されるラテックス物品に改変した 表面特性を提供するために利用され得る、未反応のペンダント(pendent)架橋 基を含み得る。本発明の教示に従って、これらの未反応のペンダント基が、抗酸 化剤、抗オゾネート剤(antiozonate)、抗菌剤、抗血栓形成剤(antithromboge nic)、および疎水性表面改変剤を処理された物品の表面に結合するグラフト剤 として利用され得る。 例えば、ラテックスエマルジョン上の滲出された抗原性成分の次の処理の後、 物品は、25℃で約2分間空気乾燥され得、その後、ポリマー性フェノール抗酸化 剤の10%水性エマルジョン中に60℃で約5分間浸透され得、その後、前記のよう にリンスされそして硬化させられ得る。これにより、改善された酸化耐性を有す る、アレルゲン性を低減させたラテックス物品が製造される。本発明の実施に適 切な、ポリマー性ヒンダードフェノール抗酸化剤化合物の例として、Goodyear T ire and Rubber Companyから市販されているWingstay Lが挙げられる。抗オゾネ ート剤の例として、ポリマー性アルキルエーテルアミンが挙げられる。銀スルフ ァチアジン/クロルヘキシジンは、本発明の実施に適切な抗細菌剤の例である。 本発明の範囲内にあるとして意図される、抗血栓性表面改変剤はヘパリンを包含 し、そして親水性表面改変剤はマクロポリオールを包含する。 これらのプロトコルが単に例示であり、本発明を既存の製造方法と合体させる 可能性を示すことを意図することは、再度強調されるべきである。当該分野で公 知であり、本明細書中では議論されない別の製造方法は、本発明の教示と合体さ せて、開示されるような低アレルゲン性の天然ゴムラテックス物品を製造するの に同様に適切である。例えば、原料ラテックスエマルジョンは、1種以上のスク リーニング試薬(これは、エマルジョン界面で滲出して反応性部位を処理する抗 原性成分を誘導するのに十分な分配係数を有する)で処理され得る。あるいは、 マンドレル形成に適用される凝固剤系は、1種以上のスクリーニング試薬を含む ように処方され得る。これにより、ゲル化エマルジョンの内部表面を直接処理す ることが可能となり、そしてそれに続く、ゲルの外部表面の処理を妨害しない。 同様に、ラテックス物品の外表面は、上で議論されたように処理され得、その後 、物品を反転させて、内部表面を浸漬処理、スプレー処理、または他の処理で処 理する。所望であれば、スクリーニング試薬は、パウダーフリーの放出コーティ ング処方物またはドニング(donning)コーティング処方物(これらは、当該分 野で公知の多くのラテックス物品に典型的に適用される)中に組み込まれ得る。 1種以上のスクリーニング試薬を、実際のポリマーコーティング(これは、仕上 げられたラテックス物品に適用され、同時にコートされそして抗原性成分を隔離 し得る)に組み込むことは、本発明の範囲内であるとして意図される。物品形成 技術のほとんどの段階への、本発明の教示に広く基づいた適用可能性に対する唯 一の重要な制限は、当業者によりルーティンな実験から事実上排除され得ること が論じられている、潜在的に所望でない化学反応である。 本発明の教示に従って製造されるラテックス物品のアレルゲン性が低減したこ とを示すために、ラテックス膜およびバルーンの多くの例に関して、競合阻害ア ッセイを行った。当該分野で公知のように、適切な実験条件下では、標準的なア レルゲン性曲線は、数種のヒト血清サンプルに、生じる阻害パーセントに関連し て添加されたラテックスアレルゲン性成分の量に関連して展開し得る。次いで、 未知の抽出物中に存在するラテックスアレルゲンの量は、未知物質により生じる 競合阻害を標準曲線と比較することにより測定され得る。例えば、アッセイは、 ラテックスのアレルゲン性成分に結合するヒト免疫グロブリン(免疫反応性分子 )(例えば、IgE)の量を測定するために構成され得る。抗ラテックス(IgE)を 含むヒト血清のサンプルが、ラテックスアレルゲンを含む溶液と混合されそして インキュベートされるのであれば、抗ラテックス(IgE)の一部は、溶液中のラ テックスアレルゲン性成分に結合する。次いで、このサンプルをアッセイすると 、抗ラテックス抗体との反応により、どれだけの量のラテックス特異的IgEが減 じたかを決定し得る。コントロールサンプルが、アレルゲン性成分を含まない溶 液で同様に処理され、次いで同じ様式でIgEについて試験した場合、検出可能なI gEにおけるこの低減は、阻害パーセントとして表され得る。 現在用いらている競合阻害アッセイは、試験される材料および用いたプロトコ ルのタイプに依存して結果が大きく変わることを、アレルゲン性測定分野の当業 者は理解する。結果として、アレルゲン性と種々のサンプルとの間を直接関連づ けることはできない。しかし、注意深いアッセイ技術および適切なコントロール を用いれば、相対的なアレルゲン性を測定することおよび大きく変化する試験結 果について制御することが可能である。 従って、本発明を利用して得られたアレルゲン性の低減を定量し、そして証明 するために、競合阻害アッセイは、United States Federal Food and Drug Admi nistrationによって、報じられたように開発された、ラテックスグローブのアレ ルゲン性を測定するためのアッセイと同様に行われた。適切な競合コントロール は、生じたアレルゲン性の低減を定量するために、未処理の天然ゴムラテックス 膜およびバルーンと、本発明の教示に従って処理されたものとを比較するための 場所に置かれた。以下の実施例において、アレルゲン性は-log比で表される。従 って、ゼロに近いかまたはゼロ以下のlog比数は、処理された物品対コントロー ル物品の間のアレルゲン性の非常に小さいまたは劣った低減を示す。log比数1.0 は、アレルゲン性の90%の低減に等しい。log比数2.0は、アレルゲン性の99.9% の低減に等しい、など。 以下の非限定的な実施例の各々において、同一の試験プロトコルを用いて、相 対的なアレルゲン性を測定した。天然ゴムラテックス物品の外表面を、凝固した 天然ラテックスゲル状態または硬化したラテックス膜状態のいずれかにて、本発 明の教示に従って処理した。種々の例示の処理プロトコルの間の主な相違は、用 いられるスクリーニング試薬、およびカラムヘディング(column heading)によ って同定されるような異なる処理条件の改変である。 実施例1 実施例1は、最高で、未処理のコントロールサンプルを上回る、アレルゲン性に おける小さな改善を示す。 実施例2 *分析を行わなかったサンプル。 記:実験バルーンについての総侵出時間はコントロールバルーンよりも長かった 。 実施例2は未処理のコントロール物品に比較して、ゲル段階で得られたアレル ゲン性における有為な改善を示す。アッセイ結果における変動は、この最初の分 析での最適な実験条件を決定することを困難にする。さらに、スクリーニング試 薬はラテックスエマルジョン中に存在するアンモニアと相互作用していると考え られる。 実施例3 実施例2と同様に、同じ試薬のより高い濃度であるが、乾燥させた段階、または 硬化させた段階でのラテックス物品の処理は、アレルゲン性において同等の有為 な減少を生じた。さらに、製造プロセスのこの段階での処理は、ゲル段階でスク リーニング試薬を用いて起こり得るアンモニア反応を排除した。 実施例4 記:実験サンプルについての総侵出時間は、コントロールサンプルよりも長かっ た。 実施例4は、実際には、競合阻害アッセイそのもので例示的に限定され得るア レルゲン性における広範に可変な減少を示す。あるいは、増大した反応時間が、 明らかに、ゲル段階でのこのスクリーニング試薬処理で得られるアレルゲン性の 減少を増大させた。 実施例5 実施例5は、本発明の多くの異なる局面を例示する。最初に、ジエポキシスク リーニング試薬は、有効であるためにより高いpHを必要とし得る。より重要には 、本発明の教示に従ってこれらの試薬を用いて達成されるアレルゲン性の減少が 、標準的な阻害アッセイ結果の公知の可変性を考慮すると、顕著に高く、そして 比較的より一定である。さらに、1,4-ブタンジオールジグリシダールエーテルス クリーニング試薬は、先の実施例で用いた比較的疎水性のスクリーニング試薬よ りもさらに疎水性である。これは、滲出された抗原性成分上の標的の抗原性領域 がラテックス物品の表面により近いことを示す。これらの領域をスクリーニング することは、アレルゲン性のより劇的な減少を生じる。 実施例6 記:「>」はアッセイ結果が最少検出レベル未満であることを示す。 実施例6は、1,4-ブタンジオールジグリシダールエーテルの特性に類似の穏や かな疎水性および穏やかな親水性特性の両方を示すスクリーニング試薬であるエ チレングリコールジグリシダールエーテルを用いて得られるアレルゲン性の、同 等に有意な減少を例示する。 実施例7 *分析しなかったサンプル。 記:実験サンプルについての総侵出時間はコントロールサンプルよりも長かった 。 実施例7は、アレルゲン性の同等に効果的な減少が、異なる処理条件下での、 凝固させたラテックスゲル段階でエチレングリコールジグリシダールエーテルス クリーニング試薬処理を用いて得られたことを例示する。 実施例8 実施例8は、種々の濃度、時間、温度、およびpHの反応条件下でゲル段階に適 用されたエチレングリコールジグリシダールエーテルスクリーニング試薬の有効 性を例示する。前述と同様に、未処置のコントロールに対する、アレルゲン性の 有意な減少が、このスクリーニング試薬を用いて得られた。アッセイ限界がまた 、同様の処理条件での互いに異なる結果から確認された。 まとめると、本明細書中に開示される本発明の実施態様が本発明の本質の例示 的なものであり、そしてその範囲内で他の改変が用いられ得ることが理解される はずである。例えば、別の供給源から得られる天然ゴムラテックス樹液またはエ マルジョンが使用され得る。別の試薬、ならびに関連する処理工程および条件が また、本発明の範囲内で使用され得る。従って、本発明は、開示され、そして記 載されたそのものには限定されず、そして添付の請求の範囲によってのみ限定さ れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29L 31:48 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),CA,CN,JP

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.通常の物理的、機械的および化学的性質を有し、そして両表面の少なくとも 一部が低減されたアレルゲン性を示す、対向する内側および外側の表面を有する 、向上した低アレルゲン性天然ゴムラテックス物品を生産する方法であって、以 下の工程を含む、方法: スクリーニング試薬を取り込んだラテックス凝固剤組成物でコートされた物品 形成マンドレルを、抗原性成分を含む天然ゴムラテックスエマルジョン中に浸漬 して、該ラテックスエマルジョンが該マンドレル上で凝固するにつれて該スクリ ーニング試薬と接触するようになる該抗原性成分を直接隔離する工程;および 該凝固ラテックスエマルジョンの、残留抗原性成分を、該マンドレルと接触す る該凝固ラテックスエマルジョンの表面に対向する、該凝固ラテックスエマルジ ョンの表面の上または近位へ滲出させる工程。 2.前記誘発工程後に以下の工程をさらに含む、請求項1に記載の方法: 前記滲出した残留抗原性成分を次のスクリーニング試薬で化学的に処理して、 該滲出した残留抗原性成分を隔離する工程。 3.前記残留抗原性成分の前記滲出が、前記浸漬した物品形成マンドレルを、前 記ラテックスエマルジョンから除去して、該物品形成マンドレル上で該ラテック スエマルジョンをゲルに凝固させ、そして該残留抗原性成分を該マンドレルから 離して、該ゲルの対向する表面へ移動させることにより誘発される、請求項1に 記載の方法。 4.前記ラテックス凝固剤組成物が、ブタンジオールジグリシダールエーテルお よびペンタエリトリトールトリグリシダールエーテルからなる群から選択される スクリーニング試薬を取り込む、請求項1に記載の方法。 5.前記滲出した抗原性成分が、以下のさらなる工程により前記次のスクリーニ ング試薬で化学的に処理される、請求項3に記載の方法: 前記物品形成マンドレル上の前記滲出したゲル化したラテックスエマルジョン を、該次のスクリーニング試薬を有効濃度で含む処理バス中に、穏やかな温度お よびpH条件で、該次のスクリーニング試薬を該滲出した抗原性成分と反応させる に十分な時間含浸する工程;および 処理されたゲルをリンスして、未反応のスクリーニング試薬および他の可溶性 成分を除去する工程。 6.前記次のスクリーニング試薬の前記有効濃度が、0.1重量%〜10%重量%の範囲 である、請求項5に記載の方法。 7.前記処理バスの前記温度が、20℃〜100℃の範囲である、請求項5に記載の 方法。 8.前記処理バスの前記温度が、30℃〜35℃の範囲である、請求項7に記載の方 法。 9.前記処理バスの前記pHが、9〜12の範囲である、請求項5に記載の方法。 10.前記十分な時間が、1分〜30分の範囲である、請求項5に記載の方法。 11.前記時間が、5分である、請求項10に記載の方法。 12.前記次のスクリーニング試薬が、多官能性試薬である、請求項2に記載の 方法。 13.前記多官能性試薬が、ジエポキシ、ジアルデヒド、ジエン、ジイソシアネ ート、およびビスマレイミドからなる群から選択される二官能性試薬である、請 求項12に記載の方法。 14.前記次のスクリーニング試薬が、エチレングリコールジグリシダールエー テル、1,4-ブタンジオールジグリシダールエーテル、グルタルジアルデヒド、お よびジビニルスルホンからなる群から選択される二官能性試薬である、請求項2 に記載の方法。 15.前記滲出した抗原性成分の前記次のスクリーニング試薬での化学的処理に 先立って、前記ゲル化したラテックスエマルジョンを硬化するさらなる工程をさ らに含む、請求項2に記載の方法。 16.前記滲出した残留抗原性成分の少なくとも1つの標的抗原性領域を同定す るさらなる工程;および 前記次のスクリーニング試薬の疎水性/親水性の特性を、該少なくとも1つの 標的抗原性領域の疎水性/親水性の特性に調和させるさらなる工程; をさらに含む、請求項2に記載の方法。 17.前記次のスクリーニング試薬が、疎水性/親水性の特性を示し、該特性が 穏やかな疎水性および穏やかな親水性の両方である、請求項16に記載の方法。 18.前記次のスクリーニング試薬が、エチレングリコールジグリシダールエー テルである、請求項16に記載の方法。 19.少なくとも1つの表面変性剤を、前記化学的に処理された滲出した残留抗 原性成分にグラフトするさらなる工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。 20.前記少なくとも1つの表面変性剤が、抗酸化化合物、抗オゾネート化合物 、抗菌化合物、抗血栓形成化合物、および親水性化合物からなる群から選択され る、請求項19に記載の方法 21.通常の物理的、機械的および化学的性質を有し、そして両表面の少なくと も一部が低減されたアレルゲン性を示す、対向する内側および外側の表面を有す る、天然ゴムラテックス物品であって、以下の工程により生産される、物品: スクリーニング試薬を取り込んだラテックス凝固剤組成物でコートされた物品 形成マンドレルを、抗原性成分を含む天然ゴムラテックスエマルジョン中に浸漬 して、該ラテックスエマルジョンが該マンドレル上で凝固するにつれて該スクリ ーニング試薬と接触するようになる該抗原性成分を直接隔離する工程;および 残留抗原性成分の、該物品の対向する外側表面の上または近位への滲出を誘発 する工程。 22.手袋を含む、請求項21に記載の天然ゴムラテックス物品。 23.コンドームを含む、請求項21に記載の天然ゴムラテックス物品。 24.膨張性バルーンを含む、請求項21に記載の天然ゴムラテックス物品。 25.前記物品がさらに、前記誘発工程の後に、 前記滲出した残留抗原性成分を次のスクリーニング試薬で化学的に処理して、 該滲出した残留抗原性成分を隔離する工程; により生産される、請求項21に記載の天然ゴムラテックス物品。
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