JPH11506059A

JPH11506059A - 金属化されたスキン層を有する延伸ｈｄｐｅフィルム

Info

Publication number: JPH11506059A
Application number: JP8536436A
Authority: JP
Inventors: ベイダー、マイケル・ジェイ; オブライエン、ジェフリー・ジェイムズ; リドル、ケリ・リー
Original assignee: Mobil Oil Corp
Current assignee: ExxonMobil Oil Corp
Priority date: 1995-05-31
Filing date: 1996-03-14
Publication date: 1999-06-02
Also published as: CN1185768A; AU702885B2; KR19990022080A; ES2181878T3; CA2220983A1; EP0828607B1; DE69623011T2; AU5254096A; DE69623011D1; US5725962A; EP0828607A4; EP0828607A1; WO1996038299A1

Abstract

(57)【要約】ａ）本質的にエチレンープロピレン−ブチレン三元共重合体及び低密度ポリエチレンからなる、火炎又はコロナ放電処理された上部スキン層（ａ）；ｂ）高密度ポリエチレンを含有する基材層（ｂ）；およびｃ）エチレンープロピレン−ブチレン三元共重合体、及びシリコーン油及びシリコーン粒状物からなる群から選ばれるアンチブロック成分を含有する下部スキン層（ｃ）；を有する結合強度が高められた、金属化されうる多層フィルム構造。

Description

【発明の詳細な説明】金属化されたスキン層を有する延伸ＨＤＰＥフィルム本発明は熱可塑性フィルムに関し、特に、良好な金属接着性、良好な折れ目性、捩り性、印刷性を有し、且つ金属化層−ポリプロピレン層間に強い結合強度、例えば押出しラミネーション結合強度又は接着結合強度を生じさせうる、金属化され、延伸された高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）のフィルムに関するものである。本発明は、良好な折れ目性、光学的透明性、良好なスリップ性及び金属化に対する良好な受容性を有するフィルムの提供に関するものである。本発明は表皮(スキン)樹脂を共押し出し、フィルムをラミネートし又はＨＤＰＥ基材層の少なくとも一面を、好ましくは両面を被覆することができる高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）のフィルムに関する。そのようなスキン樹脂は、好ましくはヒートシール可能なスキン樹脂であり、これは、本発明の目的においては、ＨＤＰＥ基材層フィルムの変形温度以下の最低シール温度でシールする樹脂である。また、本発明は、ａ）基材層（ｂ）の上部表面に同領域で接着する表面、及び処理された金属化しうる表面を有する、処理された上部スキン層（ａ）、その際該上部スキン層（ａ）は本質的にエチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体及び低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）からなる；ｂ）上部表面及び下部表面を有する、高密度ポリエチレンを含有する基材層( ｂ)；およびｃ）前記基材層（ｂ）の下部表面に接着する表面、及び露出表面を有する下部スキン層（ｃ）、その際該下部スキン層（ｃ）はエチレンープロピレン−ブテン −１三元共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、アイソタクチックポリプロピレン、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、超低密度ポリエチレン（ＶＬＤＰＥ）、線状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）からなる群から選ばれる少なくとも１種の重合体を含有し、該下部スキン層（ｃ）はさらにｉ）粒状の架橋ヒドロカルビル置換ポリシロキサンアンチブロック剤及びii）シリコーン油からなる群から選ばれる成分を含有する；を有する延伸フィルムに関する。さらに、本発明はａ）本質的にエチレン−プロピレン−ブチレン三元共重合体及び低密度ポリエチレンからなる処理された上部スキン層（ａ）；ｂ）高密度ポリエチレンを含有する基材層（ｂ）；およびｃ）エチレンープロピレン−ブチレン三元共重合体、及びシリコーン油及びシリコーン粒状物からなる群から選ばれるアンチブロック成分を含有する下部スキン層（ｃ）；を有する多層フィルムの構造に関する。さらに、本発明はａ）基材層（ｂ）の上部表面に接着する内部表面、及び金属化される外部処理表面を有する上部スキン層（ａ）、その際該上部スキン層（ａ）は本質的にエチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体及び低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）からなる；ｂ）上部表面及び下部表面を有する、高密度ポリエチレンを含有する基材層（ｂ）；およびｃ）前記基材層（ｂ）の下部表面に接着する内部表面、及び外部表面を有する下部スキン層（ｃ）、その際該下部スキン層（ｃ）はエチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、アイソタクチックポリプロピレン、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、超低密度ポリエチレン（ＶＬＤＰＥ）、線状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）からなる群から選ばれる少なくとも１種の重合体を含有し、さらに該下部スキン層（ｃ）はｉ）粒状の架橋ヒドロカルビル置換ポリシロキサンアンチブロッキング剤及びii）シリコーン油を含有する；を有する金属化された延伸重合体フィルムに関する。さらに、本発明は、金属化され、処理されたエチレン−プロピレン−ブチレン三元共重合体含有スキン層を有し、それにより、処理及び金属化する前に該スキンに低密度ポリエチレンを与えることにより該スキン層−ポリエチレン層間の結合強度の改良が得られる、延伸高密度ポリエチレンに関するものであり、本発明の他の面は、ａ）基材層（ｂ）の上部表面に同領域で接着する内部表面、及び金属化される外部処理表面を有する上部スキン層（ａ）、その際該上部スキン層（ａ）は本質的にエチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体からなる；ｂ）上部表面及び下部表面を有する、高密度ポリエチレンを含有する基材層（ｂ）；およびｃ）前記基材層（ｂ）の下部表面に接着する内部表面、及び外部表面を有する下部スキン層（ｃ）、その際該下部スキン層（ｃ）はエチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体を含有する；を有し、それにより、該上部層（ａ）の全重量当たり５〜２５重量％の低密度ポリエチレンを含有する上部スキン層を与えることによりポリプロピレンへの、金属化された上部層（ａ）の結合強度が増大される；金属化された延伸重合体フィルムに関する。もう一つ面においては、本発明は、ｉ）基材層（ｂ）の上部表面に接着する表面を有する、本質的にエチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体及び低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）からなる、上部スキン層（ａ）、および高密度ポリエチレンを含有する該基材層（ｂ）を有する多層フィルムを共押出し、； ii）前記スキン層（ａ）の露出表面をコロナ放電又は火炎処理により処理し； iii）処理されたスキン層（ａ）を金属化し、および、場合により、 iv）前記金属化され、処理されたスキン層（ａ）の金属化表面をポリプロピレン層に結合させる；ことを包含する多層フィルムの製造法に関する。基材層基材層（ｂ）は、大部分が、即ち全基材層の少なくとも５０重量％が、少なくとも０．９６の密度を有する高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）から造られたアンバランス二軸延伸フィルム基材層である。本発明フィルムの基材層の製造に適した高密度ポリエチレン樹脂については、米国特許第4,870,122号明細書（その全体がここに参考として合体される）に記載されている。基材層フィルムは専ら単一のＨＤＰＥ樹脂、ＨＤＰＥ樹脂の混合物、又は少量の他の手法の重合体を含有するＨＤＰＥの混合物で構成することができる。これらの高密度ポリエチレンは、典型的には０．５〜１０、通常は０．７〜２のメルトインデックスを有する。ＨＤＰＥ樹脂の混合物は、押出機トルクを減少させることにより押出機における良好な加工性を与える。ＨＤＰＥ樹脂のブレンド物により造られたフィルムは、竪、成形、横及びシール（vertical,form,fill and seal）（ＶＦＦＳ）機における操作中に、フィルムがＴＤ方向に避ける傾向が現れるフィルムのスプリット性を減少させる。ＨＤＰＥ重合体のブレンド物は２種又はそれ以上の重合体を含有することができ、それらの全ては０．９６又はそれより大きな密度を有するものである。ＨＤＰＥ重合体のブレンド物は、０．５〜６のメルトインデックを有するＨＤＰＥの大部分、及び且つ異なるメルトインデックスを有する１種以上の重合体を含有することが有利である。三元ブレンド物が特に望ましいことが分かった。適当な三元ブレンド物は、一般には、０．９６以上の密度及び０．５より大きく、約１．０までのメルトインデックスを有するＨＤＰＥ５０〜９８重量％、好ましくは８４〜９６重量％；０．９６以上の密度及び０．１〜０．５のメルトインデックスを有するＨＤＰＥ１〜２５重量％、好ましくは３〜８重量％；および０．９６以上の密度及び２より大きく８までののメルトインデックスを有するＨＤＰＥ１〜２５重量％、好ましくは３〜８重量％；を含有する。少量成分である第２及び第３のＨＤＰＥ重合体は等量で存在させることが好ましい。本発明の目的に適したＨＤＰＥ樹脂としては、Fina BDM 94-25および Oxychem M 6211がある。上部スキン層本発明によれば、金属化前の上部スキン層は、エチレンープロピレン−ブテン −１三元共重合体及び低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、超低密度ポリエチレン（ＶＬＤＰＥ）、及び線状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）を含有する。エチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体及び低密度ポリエチレンのブレンド物は３〜３０重量％、好ましくは５〜２５重量％の低密度ポリエチレンを含有する。適当な三元ブレンド物は３〜５重量％のエチレン及び３〜６重量％のブテン− １を含有するものを包含する。このような三元ブレンド物はチッソ７７００シリーズの商品名でチッソ社から入手可能である。他の適当なエチレンープロピレン −ブテン−１三元共重合体は０．５〜３重量％のエチレン及び１３〜２０重量％のブチレンを含有するものを包含する。このような三元共重合体は商品名チッソ 7800シリーズとして、チッソ社から入手可能である。上部スキン層に加えれれる低密度ポリエチレンは線状の低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）又は非線状のポリエチレンであることができる。これらの重合体は典型的には、１〜１２のメルトインデックスを有する。線状の物質は高々０．９４、通常は０．９０〜０．９４の範囲の密度、例えば０．９１８又は０．９２１の密度を有することができるが、低密度ポリエチレンは、１〜１０のメルトインデックスを有し、０．８８〜０．９３の密度を有すべきである。線状低密度ポリエチレンはエチレンと他の高級成分、例えばヘキセン−１又はオクテン−１から得ることができる。金属化処理への受容性を高めるために、上部スキン層（ａ）の外部表面は、表面エネルギーを高めるためのコロナ放電又は火炎処理のような公知且つ慣用の手法で処理される。このような処理はフィルムの延伸後に行うことが好ましい。下部スキン層下部スキン層（ｃ）はランダムエチレン−プロピレンム共重合体を含有する。これはエチレンと１種以上の共単量体から得ることができる。これらのランダム共重合体のプロピレン含量は、典型的には、エチレン及び他の共単量体、例えばブチレンのバランスにより、７０〜８５重量％、より通常は７５〜８５重量％である。このタイプの適当な共重合体はエチレンとプロピレンのランダム共重合体、又はエチレン、プロピレン及びブテン−１ランダム三元共重合であり、特に上部スキン層（ａ）に使用されるタイプの三元共重合体である。このタイプの好ましい共重合体としては下記のものがある：２〜１０重量％のランダムエチレン、例えば３〜７重量％のエチレンを含有するエチレン−プロピレン共重合体；１〜５重量％のランダムエチレン、１０〜２５重量％のランダムブチレンを含有するエチレン、プロピレン及びブテン−１ランダム三元共重合体。この共重合体におけるランダムエチレン及びブチレン成分の量は典型的には、エチレン及びブチレン合計で１０〜２５％の範囲である。このタイプの典型的な三元共重合体としては、１〜５％のエチレン及び１０〜２５％のブチレンを有するものがある。これらの共重合体は典型的には、５〜１０の範囲のメルトフローレート、０．９の密度及び１１５℃〜１３０℃の範囲の融点を有する。下部スキン層（ｃ）はエチレン、プロピレン及びブテン−１三元共重合体を含有することが好ましい。特に好ましい態様においては、下部スキン層は、上部スキン層（ａ）について上記したのと同じ範囲で、該三元共重合体及び低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）を含有する。実際は、下部スキン層樹脂重合体成分は上部スキン層に使用したものと同じものであることができる。好ましい態様においては、本発明のフィルムは、エチレン、プロピレン及びブテン−１三元共重合体と密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）の混合物を含有する上部スキン層（ａ）及び下部スキン層（ｃ）の両層を有する。例えば、上部スキン層及び下部スキン層は８５〜９５重量％、言わば９０重量％のエチレン、プロピレン及びブテン−１三元共重合体及び５〜１５重量％、言わば１０重量％の低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）を含有することができる。しかしながら、処理された上部スキン層と異なり、金属化しえない下部スキン層は、またアンチブロック添加剤を含有することができる。アンチブロック添加剤は金属化性を妨害するので、上部スキン層（ａ）には加えないか、または極少量存在させる。フィルムと合体する前、例えば押出し前に、下部スキン層（ｃ）はアンチブロッキング効果量のアンチブロッキング剤、例えばシリカ、クレイ、タルク、ガラスなどと配合することができ、これらはほぼ球状粒子の形態で与えることが好ましい。これらの粒子の大部分は、例えば９０重量％程度以上は、その表面積の大部分が、例えばその１０〜７０％が層（ａ）の露出表面を越えて広がっているようなサイズであるようである。好ましい態様においてはアンチブロッキング剤は粒状の架橋ドロカルビル置換ポリシロキサンアンチブロッキング剤を包含する。特に好ましい架橋ドロカルビル置換ポリシロキサンとしては、ポリモノアルキルシロキサンがある。０．５〜２０．０ミクロンの平均粒度を有し且つシロキサンの三次元構造を有するという特徴のある、不溶融性のポリモノアルキルシロキサンが最も好ましい。このようは物質は世界的には、東芝シリコーン社から及び米国ではゼネラルエレクトリック社から入手可能であり，商品名 Tospearl で市販されている。類似の適当な物質の他の市販品としては、例えば信越 X521186があることも知られている。さらに、このような物質は、不溶融性架橋オルガノシロキサン樹脂粉末として、米国特許第4,769,418号に記載されている。粒状の架橋ヒドロカルビル置換ポリシロキサンアンチブロッキング剤の有効量は上部層（ａ）が造られる樹脂の使用量当たり、１００〜５０００ｐｐｍ、好ましくは１０００〜３０００ｐｐｍ、言わば２５００〜３０００ｐｐｍの範囲であるこができる。一態様においては、下部スキン層（ｃ）はシリコーン油を含有する。シリコーン油は３５０〜１００，０００センチストークの粘度を有することが有利であり、特に好ましいのは１０，０００〜３０，０００センチストークの粘度を有するものである。適当なシリコーン油の例としては、ポリジアルキルシロキサン、ポリアルキルフェニルシロキサン、オレフィン変性シロキサン油、オレフィン／− ポリエーテル−変性シリコーン油、エポキシ変性シリコーン油及びアルコール変性シリコーン油、好ましくはアルキル基中に１〜４の炭素原子を有するポリジアルキルシロキサン、特にポリジメチルシロキサンである。上記のもののうち、ポリジアルキルシロキサン、特にポリジメチルシロキサンが本発明での使用に好ましい。シリコーン油は、一般に分散液又は懸濁液の形態で下部スキン層（ｃ）に加えることができ、その際シリコーンは別々の微小球として、しばしば１〜２ミクロンの平均サイズで、スキン層の露出表面内に又は上に存在する。シリコーン油は、一般に層（ｃ）の露出面に実質的に均一の分布されており、露出面が相互に接触した後に油の一部が層（ａ）に移行する場合に、例えばラミネートフィルムが巻き取りコイルに巻き取られた場合に、層（ｃ）及び層（ａ）の露出面への摩擦係数を減少させる働きをする。ポリジメチルシロキサン又は他のシリコーン油は下部層（ｃ）の０．１５〜１．５重量％存在させることができる。勿論、シリコーン油の幾らかは層（ｃ）の露出面に存在するであろう。選ばれる量は、いずれにしても、少なくとも６０℃ までで、０．４以下、好ましくは０．２５〜０．３の層（ａ）と層（ｃ）の摩擦係数を与える（ついでシリコーン油の微小球が層（ｃ）へ移行する）のに十分な量であるべきである。延伸フィルムの延伸の適当な程度は所望の物性並びに良好なＷＶＴＲ及び折れ目特性に寄与する。例えば、１．４〜４ミルの厚さのフィルムは０．２／ミル未満の許容しうるＷＶＴＲ（g-mil/100 in²/24 hr^-1atm）を有するが、インフレーションＨＤＰＥフィルムでは、同じＷＶＴＲを達成させるためには、幾分厚い厚み（１．５倍又はそれ以上厚い）が必要である。ＷＶＴＲ減少の利益はＨＤＰＥの融点以下での延伸のより得られる改良のためである。０．９５７又はそれ以上の密度を有する、より密度の高いＨＤＰＥ樹脂はキャスト押出しにより薄いフィルムを直接製造することができるが、カーリング、均一性、平滑性及び高いＷＶＴＲの問題が障害として残る。従って、性質の最高のバランスを有する０．８〜１．５ミルの薄いＨＤＰＥフィルム、特にＶＦＦＳ用のフィルムは、延伸により所望の厚さに薄くされた１２〜２０ミルのキャスト厚さを有するフィルムから製造された延伸フィルムにより得られる。最終フィルム厚さは典型的には、２．５ミル以下であろう。ＨＤＰＥ基材フィルムは、スキンが機械方向（ＭＤ）で１：１から２：１の度合い（degree）、通常は１．１５：１から１．５０：１に、及び横断方向（ＴＤ）で６：１から１２：１の度合いが適用される前又は後のいずれかで延伸される。フィルムは改良された折れ目性、およびたとえ全厚さが０．０２５〜０．５ｍｍ（１又は２ミル）未満に薄くされた場合でも、キャスト及びインフレーションＨＤＰＥフィルムよりもかなり良好な物性を示す。下記するようにスキン層を設けた場合、フィルムは特に包装用の使用、殊に乾燥食物用に適している。このフィルムは竪、横及びシール（ＶＦＦＳ）を含む種々の包装装置、高速水平スラグラッピング、並びにツイストホールディング機に使用することができる。スキン層は慣用の手法で、例えば機械方向延伸及び横方向延伸操作の直前及び直後に被覆又は共押出しすることにより、ＨＤＰＥに適用することができる。一般には、本発明のフィルムのスキン層は全フィルムの５０重量％未満、好ましくは１５重量％未満、いわば１０重量％である。フィルムは慣用の手法で製造且つ延伸することができる。スキン層がＨＤＰＥフィルムの一面又は両面に存在する場合は、標準キャストロール及び水浴系を使用して、キャスト押出しが一般に達成される。通常の手法においては、フィルムがその延伸温度に加熱され、最初に２セットのニップロール間でＭＤ延伸され、ついで所望の延伸比率に等しい量で最初よりも速い速度で、回転される。ついで、フィルムは加熱により延伸され、そしてテンターフレーム中で横ストレッチされる。典型的には、ＭＤ延伸は６０〜１２０ ℃で、ＴＤ延伸は１２０〜１６０℃で制御される。スキン層及び／又は基材層は、酸化及び熱分解を最小にするために安定剤、並びに、静的還元、加工容易性、インク受容性など（これらに限定されないが）を含む他の機能を達成するための他の添加剤を含有することができる。ＬＤＰＥを上部スキン層（ａ）の三元共重合体に添加することにより、三元共重合体単独を含有する上部スキン層（ａ）と比べて、金属化における金属とスキンの接着が改良される。得られた金属化フィルムも、特にポリプロピレンフィルムとの、接着及び押出ラミネーションの両方において、優れた結合強度を示す。さらに、金属化のための基材フィルムの所望の性質は、該フィルムが金属化並びに光学的透明化及び金属の均一化の場合、優れた酸素ガスバリヤー性を発揮するということである。また、該フィルムは金属化延伸フィルムの他の所望の性質、例えば良好な水蒸気バリヤー性を保持している。ＬＤＰＥ含有上部スキン層は一般には気化した物質、即ち気化した金属のみならず、他の気化した物質、例えばガラス、プラズマなどへの結合に適するものと思われる。本発明を以下の非限定的実施例により説明するが、特記しないかぎり、全ての部は重量基準である。実施例１（比較例）全フィルム厚みの９０％からなる基材層ＨＤＰＥ（テキサス，ヒューストンの Oxychemsから得たM-6211）；エチレン−プロピレン−ブテン−１三元共重合体（チッソ社の7510又は7563）からなる、全フィルム厚みの５％の基材層の一面の上部スキン層この上部スキン層はコロナ放電により処理されている；および全フィルム厚みの５％の基材層のもう一方の面の下部スキン層で、その樹脂成分は約９０％のエチレン−プロピレン−ブテン−１三元共重合体(チッソ社の788 0)のブレンド物であり、さらに下部スキン層はTospearl SR-344（ＧＥから入手可能）3300ppmを含有する；を共押出することにより、１．１５ミルの最終厚みを有する三層延伸フィルムを製造した。フィルムを標準キャストロール系中で製造し、ついで１１５℃で機械方向（ＭＤ）に１．２倍に、１１０〜１６０℃で横方向（ＴＤ）に９．０倍に延伸した。ついでフィルムを４２〜４５ダイン／ｃｍの表面エネルギーにコロナ処理し、ついで２．３±０．２の光学濃度にアルミニウムで金属化した。ついでフィルムを延伸ポリプロピレンフィルム 70 SPW-L（Mobil Chemical Co ．から入手可能）にラミネートし、その接着及び押出結合強度を Sutter試験機で測定した。押出結合強度は１３．８g/cm（３５g/inch）であった。接着結合強度は３９．４g/cm（１００g/inch）であった。実施例２ Mobil Chemical Co．から入手可能な５重量％の低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）を両スキン層に用いた樹脂と配合したこと以外は実施例１と同様にして、０．０３ｍｍ（１．１５ミル）の最終厚みを有する三層二軸延伸フィルムを製造した。押出結合強度は４５．３g/cm（１１５g/inch）と十分に改良され、金属接着においても十分な改良を直接示していた。ＬＤＰＥの添加は高いレベルの表面エネルギー処理を許容し且つ維持するフィルムの能力を改良する。接着結合強度は実施例１のもの以上の、１２４g/cm（３１５g/inch）に増加した。実施例３ Mobil Chemical Co．から入手可能な２５重量％の低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）を両スキン層に用いた樹脂と配合したこと以外は実施例１と同様にして、０．０３ｍｍ（１．１５ミル）の最終厚みを有する三層延伸フィルムを製造した。押出結合強度は１３０ g/cm（３３０ g/inch）と十分に改良された。接着結合強度は実施例１のもの以上の、１０８g/cm（２７５g/inch）に増加した。また、粘度により測定したフィルムの溶融強度がＬＤＰＥ含有スキンについて改良され、押出処理中にダイからキャストロールへの付加的な溶融強度により加工性が改良された。フィルム外観は、ＴＤヘイズバンドのように、欠陥がない、より均一なものであった。実施例４共押出する前に、Tospearl SR-334を下部スキン層に用いなかった以外は実施例２と同様にして、０．０３ｍｍ（１．１５ミル）の最終厚みを有する三層二軸延伸フィルムを製造した。実施例５実施例２及び４のフィルムを、ＡＳＴＭＤ１８９４−７８の手法により処理且つ未処理両層についての動的摩擦係数値ついて試験した。その結果を下表に示す。上記の実施例に基づいて、粒状のシリコーンの添加は摩擦係数を０．７５から０．３０へ減少させた。低摩擦係数は、幾つかの用途において、この金属化ＯＨＤの機械適用性を最もよく改良する。なお、このアンチブロック剤は、金属化の後に巻き取られた場合、金属化表面をスクラッチしなかった。従って、未処理スキン配合物にこの添加剤を加えることによる、バリヤー性におけるマイナス効果は認められなかった。

Claims

【特許請求の範囲】１．ａ）本質的にエチレンープロピレン−ブチレン三元共重合体及び低密度ポリエチレンからなる、処理された上部スキン層（ａ）；ｂ）高密度ポリエチレンを含有する基材層(ｂ)；およびｃ）エチレンープロピレン−ブチレン三元共重合体、およびシリコーン油及びシリコーン粒状物からなる群から選ばれるアンチブロック成分を含有する下部スキン層（ｃ）；を有する多層フィルム構造。２．前記上部スキン層及び前記下部スキン層が３〜３０重量％の低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）を含有し、且つ前記アンチブロック成分がシリコーン粒状物である請求項１記載の多層フィルム構造。３．ａ）基材層（ｂ）の上部表面に接着する内部表面、及び金属化される外部処理表面を有する上部スキン層（ａ）、その際該上部スキン層（ａ）は本質的にエチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体及び低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）からなる；ｂ）上部表面及び下部表面を有する、高密度ポリエチレンを含有する基材層( ｂ)；およびｃ）前記基材層（ｂ）の下部表面に接着する内部表面、及び外部表面を有する下部スキン層（ｃ）、その際該下部スキン層（ｃ）はエチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、アイソタクチックポリプロピレン、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、超低密度ポリエチレン（ＶＬＤＰＥ）、線状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）からなる群から選ばれる少なくとも１種の重合体を含有する；を有する金属化された延伸重合体フィルム。４．前記下部スキン層（ｃ）が、エチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体及び低密度ポリエチレン、およびｉ）粒状シリコーン及びii）シリコーン油からなる群から選ばれるアンチブロック成分のアンチブロック有効量を含有する請求項３記載のフィルム。５．前記上部スキン層及び前記下部スキン層が、５〜２５重量％の低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）を含有し且つ前記アンチブロック剤がシリコーン粒状物である請求項４記載のフィルム。６．ａ）基材層（ｂ）の上部表面に接着する内部表面、及び金属化されうる外部処理表面を有する処理された上部スキン層（ａ）、その際該上部スキン層（ａ）は本質的にエチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体及び低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）からなる；ｂ）上部表面及び下部表面を有する、高密度ポリエチレンを含有する基材層（ｂ）；およびｃ）前記基材層（ｂ）の下部表面に接着する内部表面、及び外部表面を有する下部スキン層（ｃ）、その際該下部スキン層（ｃ）はエチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、アイソタクチックポリプロピレン、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、超低密度ポリエチレン（ＶＬＤＰＥ）、線状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）からなる群から選ばれる少なくとも１種の重合体を含有し、さらに該下部スキン層（ｃ）はｉ）シリコーン粒状物及びii）シリコーン油からなる群から選ばれるアンチブロック成分を含有する；を有する延伸重合体フィルムに関する。７．前記下部スキン層（ｃ）が、エチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体及び低密度ポリエチレン、および架橋ヒドロカルビル置換ポリシロキサンのアンチブロック有効量を含有する請求項６記載のフィルム。８．前記上部スキン層及び前記下部スキン層が、５〜２５重量％の低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）を含有する請求項４記載のフィルム。９．ａ）基材層（ｂ）の上部表面に同領域で接着する内部表面、及び金属化される外部処理表面を有する上部スキン層（ａ）、その際該上部スキン層（ａ）は本質的にエチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体からなる；ｂ）上部表面及び下部表面を有する、高密度ポリエチレンを含有する基材層（ｂ）；およびｃ）前記基材層（ｂ）の下部表面に接着する内部表面、及び外部表面を有する下部スキン層（ｃ）、その際該下部スキン層（ｃ）はエチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体を含有する；を有し、それにより、該上部層（ａ）の全重量当たり５〜２５重量％の低密度ポリエチレンを含有する上部スキン層を与えることによりポリプロピレンへの、金属化された上部層（ａ）の結合強度が増大される；金属化された延伸重合体フィルム。１０．前記下部スキン層（ｃ）がさらに低密度ポリエチレン及び架橋ヒドロカルビル置換ポリシロキサンのアンチブロック有効量を含有する請求項９記載のフィルム。１１．ｉ）ａ）基材層（ｂ）の上部表面に接着する表面を有する、本質的にエチレンープロピレン−ブテン−１三元共重合体及び低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）からなる、上部スキン層（ａ）、およびｂ）高密度ポリエチレンを含有する該基材層（ｂ）を有する多層フィルムを共押出し、； ii）前記スキン層（ａ）の露出表面をコロナ放電又は火炎処理により処理し； iii）処理されたスキン層（ａ）を金属化し、および、場合により、 iv）前記金属化され、処理されたスキン層（ａ）の金属化表面をポリプロピレン層に結合させる；ことを包含する多層フィルムの製造法。