JPH1150565A - 耐火性建造物構成パネル - Google Patents

耐火性建造物構成パネル

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Publication number
JPH1150565A
JPH1150565A JP20918997A JP20918997A JPH1150565A JP H1150565 A JPH1150565 A JP H1150565A JP 20918997 A JP20918997 A JP 20918997A JP 20918997 A JP20918997 A JP 20918997A JP H1150565 A JPH1150565 A JP H1150565A
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JP
Japan
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fire
phosphorus compound
weight
resistant
expansion sheet
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Application number
JP20918997A
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English (en)
Inventor
Hitomi Miura
仁美 三浦
Masaki Tono
正樹 戸野
Bunji Yamaguchi
文治 山口
Kazuyoshi Yamamoto
和芳 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐火性及び施工性に優れた耐火性建造物構成
パネルを提供する。 【解決手段】 不燃性材料からなる2枚の面材の間に樹
脂層又は無機質板からなる芯材を積層した複合ボード
(A)と、上記複合ボード(A)の片面又は両面に設け
た耐火膨張シート(B)とから構成される耐火性建造物
構成パネルであって、上記耐火膨張シート(B)は、3
00℃に加熱した場合において、初期厚み(t)と加熱
後の厚み(t′)との関係がt′/t=1.1〜20で
ある耐火性建造物構成パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天井材、床材、間
仕切り壁等の建築材料に使用される耐火性及び施工性に
優れた耐火性建造物構成パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】建築材料には、耐火性、すなわち、それ
自体が燃えにくく断熱性に優れ、更には火炎を裏面に回
すことがない性質が要求される。耐火性の試験方法とし
ては、表面を1000℃程度に加熱した場合の裏面の温
度を測定する方法があり、建築材料においては、この場
合における裏面の温度が260℃程度よりも低くなるこ
とが要求されている。
【0003】このような耐火性に優れた建築材料として
は、石膏、パーライト、ALC等からなる耐火壁が広く
用いられている。しかしながら、これらのものに充分な
耐火性を発揮させるためには、厚みを増す必要があり、
施工性に問題があった。
【0004】特開昭61−1753号公報には、耐火壁
の周縁に加熱膨張層を付設したものが開示されている。
しかしながら、このものは、耐火壁の収縮による目地部
の隙間発生を抑制することにより火炎が裏面に回るのを
防止することを主目的とするものであり、断熱性に劣る
ものであった。
【0005】特開平6−80909号公報には、セメン
ト、含水無機物等からなる組成物の微粉を吹きつける方
法が開示されている。しかしながら、この方法は、現場
での吹きつけ施工を必要とするため施工性に劣り、ま
た、厚みが均一にならない場合は充分な耐火性を発揮す
ることができなかった。更には、施工する際に微粉が飛
散するために、健康面への影響が大きかった。
【0006】施工性を向上するため、2枚の金属板の間
に、不燃性の無機質材料又は樹脂からなる板をはさみこ
んだ建築パネルも開発されているが、1000℃で加熱
した場合には、裏面温度が基準値260℃よりも高くな
り、耐火性能という点では不充分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、施工性及び耐火性に優れた耐火性建造物構成パネル
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、不燃性材料か
らなる2枚の面材の間に樹脂層又は無機質板からなる芯
材を積層した複合ボード(A)と、上記複合ボード
(A)の片面又は両面に設けた耐火膨張シート(B)と
から構成される耐火性建造物構成パネルであって、上記
耐火膨張シート(B)は、300℃に加熱した場合にお
いて、初期厚み(t)と加熱後の厚み(t′)との関係
が t′/t=1.1〜20 である耐火性建造物構成パネルである。以下に本発明を
詳述する。
【0009】本発明の耐火性建造物構成パネルは、複合
ボード(A)と、その片面又は両面に設けた耐火膨張シ
ート(B)とから構成される。複合ボード(A)の片面
に耐火膨張シート(B)を施工した耐火性建造物構成用
パネルでは、複合ボード(A)側から直火があたった場
合、耐火膨張シート(B)には直火は進入することな
く、耐火膨張シート(B)は、複合ボード(A)から伝
わった熱により膨張することによって断熱性を発現し、
裏面の温度を低い温度に保持できる。また、耐火膨張シ
ート(B)の組成にかかわらず、表面部の複合ボード
(A)の選択により、意匠が限定されることなく、外壁
等の多岐の用途に使用可能である。
【0010】複合ボード(A)の両面に耐火膨張シート
(B)を施工した耐火性建造物構成用パネルでは、どち
らの面から直火があたった場合にも、加熱面と反対側の
耐火膨張シート(B)には直火は進入せず、燃焼により
焼失することがないので、反対側の耐火膨張シート
(B)は、伝わった熱により膨張し、断熱性を発現し、
裏面の温度を低い温度に保持できる。
【0011】上記複合ボード(A)は、不燃性材料から
なる2枚の面材の間に樹脂層又は無機質板からなる芯材
を積層し、一体に成形することにより得られる。上記複
合ボード(A)は、充分な防炎性能、加熱時の形状保持
性、及び、ある程度の耐火性能を有している。上記構成
の複合ボード(A)は、建築材料の壁材、化粧材等とし
て汎用されているものである。金属板単独、又は、金属
板と樹脂層若しくは無機質板との2層構成体に耐火膨張
シートを施工した場合には、加熱時に金属板及び樹脂層
が溶融して、防炎性能を発現しなかったり、金属板及び
樹脂層がひどく変形して、耐火膨張シート(B)の施工
面をも変形させて膨張を妨げ、耐火性能を発揮できない
ことがある。一方、不燃性材料からなる2枚の面材の間
に樹脂層又は無機質板からなる芯材を積層した複合ボー
ド(A)であれば、一方の面から1000℃で1時間加
熱すると、加熱側の面材は溶融して垂れ、更に樹脂層が
溶融しても、裏面側の面材は形状を保持しており、上記
のような欠点がない。
【0012】上記不燃性材料からなる面材としては特に
限定されず、例えば、鉄板、ステンレス板、アルミニウ
ム板、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼鈑、表面処理鋼鈑、チ
タン板、ホーロー鋼鈑、フッ素樹脂塗装鋼鈑、クラッド
鋼鈑、銅板等に代表される金属板、又は、けい酸カルシ
ウム板、炭酸カルシウム板、石膏ボード、パーライトセ
メント板、ロックウール板、スレート板、ALC板、窯
業系板、モルタル、プレキャストコンクリート板、ガラ
スファイバーレインフォーストコンクリート板、セメン
トと木片との複合体等に代表される無機質板が挙げられ
る。本発明においては、上記金属板又は無機質板が複数
枚積層されたものであってもよく、着色や意匠のために
表面処理を施してもよい。上記2枚の面材の組み合わせ
としては特に限定されず、金属板と金属板、金属板と無
機質板、無機質板と金属板、無機質板と無機質板のいず
れも可能である。
【0013】上記面材として無機質板を使用する場合に
は、無機質板の密度は、0.2〜2.5gf/cm3
好ましい。0.2gf/cm3 未満であると、耐熱性が
低下し、火炎が貫通するおそれがあり、2.5gf/c
3 を超えると、施工性に劣る。より好ましくは、0.
3〜2.2gf/cm3 である。
【0014】上記芯材を構成する無機質板としては特に
限定されず、例えば、けい酸カルシウム板、炭酸カルシ
ウム板、石膏ボード、パーライトセメント板、ロックウ
ール板、スレート板、ALC板、窯業系板モルタル、プ
レキャストコンクリート板、セメントと木片との複合体
等が挙げられる。
【0015】上記芯材を構成する樹脂層としては特に限
定されず、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレ
ン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(1−)ブテ
ン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系
樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブ
テン、ポリクロロプレン、ポリブタジエン、ポリイソブ
チレン、ニトリルゴム等が挙げられる。上記樹脂層は、
充填剤、可塑剤、着色剤、散化防止剤、発泡剤、難燃剤
等の各種添加剤を加えて成形してもよい。
【0016】上記芯材は、発泡体層及び/又は緩衝材層
からなるものであってもよい。上記発泡体層としては特
に限定されず、例えば、フェノール、ウレタン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、スチレン系等の発泡樹脂層、
又は、無機系の発泡体層等が挙げられる。発泡体中に
は、ガラス繊維や無機充填剤等の添加剤が混合されてい
てもよい。上記緩衝材層としては特に限定されず、例え
ば、上記発泡樹脂系緩衝材の他に、ガラスウール、セラ
ミックブランケット、ロックウール、各種繊維マット、
不織布等が挙げられる。上記2枚の面材の間の芯材とし
ては、更に、面材との固定化のための粘着層等が施され
てもよく、上記無機質板や樹脂層が複層となっていても
よい。
【0017】上記複合ボード(A)の厚みは、1〜10
0mmが好ましい。1mm未満であると、耐火性建造物
構成パネルとして充分な力学的強度を得られず、100
mmを超えると施工性が低下する。より好ましくは2〜
50mmである。
【0018】本発明において、上記耐火膨張シート
(B)は、300℃で1時間加熱した場合において、初
期厚み(t)と加熱後の厚み(t′)との関係が t′/t=1.1〜20 である。1.1未満であると、充分な断熱性を発揮せ
ず、20を超えると、膨張した形状を維持できず、上記
複合ボード(A)から剥離する。好ましくは、 t′/t=1.5〜15 であり、より好ましくは2以上である。
【0019】本発明の耐火性建造物構成パネルは、2枚
の複合ボード(A)と、その2枚の複合ボード(A)の
間に設けられた耐火膨張シート(B)とから構成される
ものであってもよい。2枚の複合ボード(A)の間に耐
火膨張シート(B)を施工して得られる耐火性建造物構
成パネルは、どちら側から直火が当たった場合にも、耐
火膨張シート(B)には直火は進入することなく、耐火
膨張シート(B)は複合ボード(A)から伝わった熱に
より膨張する。これによって、断熱性を発揮し、裏面の
温度を低い温度に保持できる。膨張後も裏面は不燃性材
料であるため、表面形状が変化せず、形状が保持され
る。また、耐火膨張シート(B)の組成にかかわらず、
表面部の上記複合ボード(A)の選択により、両表面と
も意匠を損なうことなく、外壁等の多岐の用途に使用可
能である。
【0020】本発明の耐火性建造物構成パネルは、複合
ボード(A)、複合ボード(A)の片面又は両面に設け
た耐火膨張シート(B)、及び、耐火膨張シート(B)
の複合ボード(A)と接していない面に更に設けた、耐
火膨張シート(B)の膨張を妨げずに前記耐火膨張シー
ト(B)の形状を保持することができる部材(C)の層
とから構成されるものであってもよい。上記耐火膨張シ
ート(B)の上記複合ボード(A)と接していない面
に、更に、耐火膨張シート(B)の膨張を妨げずに耐火
膨張シート(B)の形状を保持することができる部材
(C)の層を設けると、加熱時及び加熱後の形状保持性
が向上する点で好ましい。
【0021】上記部材(C)としては、260℃におい
て耐火膨張シート(B)の形状を保持することができる
ものであれば特に限定されず、例えば、セラミックファ
イバーからなるブランケット及びシート、ガラス繊維
布、不織布;鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属
板、金属網又は金属ラス;紙等が挙げられる。なかで
も、上記耐火膨張シート(B)が膨張する際に網の目を
抜けて膨張することが可能であるため、金属網が好まし
い。耐火膨張シート(B)が膨張する際に、膨張ととも
に追従が可能となるため、セラミックシートも好まし
い。上記部材(C)を設けた後、更にその層上に、上記
耐火膨張シート(B)の層を設けることにより、上記部
材(C)が上記耐火膨張シート(B)の層内に存在する
ようにしてもよい。
【0022】上記部材(C)の厚みは、部位(C)の機
能である膨張を妨げずに形状保持を行える程度であれば
よく、好ましくは、上記耐火膨張シート(B)の初期厚
み(t)の0.05〜10倍である。0.05倍未満で
あると、上記耐火膨張シート(B)の形状を充分に保持
することができず、10倍を超えると、上記耐火膨張シ
ート(B)の膨張を妨げ、耐火性が低下する。
【0023】本発明における耐火膨張シート(B)は、
熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン化合物及び無機
充填剤を含有する樹脂組成物からなるものであることが
好ましい。上記樹脂組成物としては、熱可塑性樹脂及び
/又はゴム物質、リン化合物、中和処理された熱膨張性
黒鉛及び無機充填剤を含有する樹脂組成物(以下、「樹
脂組成物1」ともいう。)が挙げられる。
【0024】上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質とし
ては特に限定されず、例えば、ポリプロピレン系樹脂、
ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ
(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエー
テル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム
(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ポリブタ
ジエンゴム(1,2−BR)、スチレン−ブタジエンゴ
ム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴ
ム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロ
ピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロスルホン化ポ
リエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM、AN
M)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、多加
硫ゴム(T)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(F
KM、FZ)、ウレタンゴム(U)等が挙げられる。
【0025】クロロプレン系樹脂、塩素化ブチル系樹脂
等のハロゲン化された樹脂は、それ自体難燃性が高く、
熱による脱ハロゲン化反応により、架橋が起こり、加熱
後の残渣の強度が向上する点において好ましい。上記熱
可塑性樹脂及び/又はゴム物質として例示したものは、
非常に柔軟でゴム的性質を持っていることから、上記無
機充填剤を高充填することが可能であり、得られる耐火
膨張シート(B)が柔軟でフレキシブルなものとなる。
より柔軟でフレキシブルな耐火膨張シート(B)を得る
ためには、非加硫ゴムやポリエチレン系樹脂が好適に用
いられる。
【0026】上記ポリエチレン系樹脂としては例えば、
エチレン単独重合体、エチレンを主成分とした共重合
体、これらの混合物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メ
タクリレート共重合体等が挙げられる。上記エチレンを
主成分とする共重合体としては例えば、エチレン部を主
成分とするエチレンと他のαオレフィンとの共重合体等
が挙げられ、上記αオレフィンとしては例えば、1−ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1
−ブテン、1−ペンテン等が挙げられる。上記エチレン
単独重合体、及び、上記エチレンと他のαオレフィンと
の共重合体としては、チーグラー・ナッタ触媒、バナジ
ウム触媒、4価の遷移金属を含むメタロセン化合物等を
重合触媒として用い、重合されるポリエチレン系樹脂が
好ましい。
【0027】上記メタロセン化合物に含まれる4価の遷
移金属としては特に限定されず、例えば、チタン、ジル
コニウム、ハフニウム、ニッケル、パラジウム、白金等
が挙げられる。上記メタロセン化合物は、上記4価の遷
移金属に、1つ又はそれ以上のシクロペンタジエニル環
およびその類縁体がリガンドとして存在する化合物を言
う。上記4価の遷移金属を含むメタロセン化合物を重合
触媒とする重合反応により得られたポリエチレン樹脂と
しては例えば、ダウケミカル社製「CGCT」「アフィ
ニティー」「エンゲージ」、エクソンケミカル社製「E
XACT」等の市販品が挙げられる。上記熱可塑性樹脂
及び/又はゴム物質は、単独で用いても、2種以上を併
用してもよい。樹脂の溶融粘度、柔軟性、粘着性等の調
整のため、2種以上の樹脂をブレンドしたものをベース
樹脂として用いてもよい。
【0028】上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質に
は、更に、本発明における耐火膨張シート(B)の耐火
性能を阻害しない範囲で、架橋や変性が施されてもよ
い。上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質の架橋や変性
を行う時期については特に限定されず、予め架橋、変性
した熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質を用いてもよく、
後述のリン化合物や無機充填剤等の他の成分を配合する
際同時に架橋や変性してもよいし、又は、熱可塑性樹脂
及び/又はゴム物質に他の成分を配合した後に架橋や変
性してもよく、いずれの段階で行ってもよい。上記熱可
塑性樹脂及び/又はゴム物質の架橋方法については特に
限定されず、熱可塑性樹脂又はゴム物質について通常行
われる架橋方法、例えば、各種架橋剤、過酸化物等を使
用する架橋、電子線照射による架橋方法等が挙げられ
る。また、非加硫ゴムに関しては、リン化合物、中和処
理された熱膨張性黒鉛、無機充填剤、その他の添加剤を
配合した後に加硫してもよい。
【0029】上記リン化合物としては特に限定されず、
例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレ
ジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホ
スフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金
属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記一般式(1)で
表される化合物等が挙げられる。これらのうち、耐火性
の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム類、及
び、下記一般式(1)で表される化合物が好ましく、性
能、安全性、費用等の点においてポリリン酸アンモニウ
ム類がより好ましい。
【0030】
【化1】
【0031】式中、R1 及びR3 は、水素、炭素数1〜
16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素
数6〜16のアリール基を表す。R2 は、水酸基、炭素
数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素
数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、
炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16の
アリールオキシ基を表す。
【0032】上記赤リンは、少量の添加で難燃効果が向
上する。上記赤リンとしては、市販の赤リンを用いるこ
とができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安
全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティング
したもの等が好適に用いられる。
【0033】上記ポリリン酸アンモニウム類としては特
に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラ
ミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取
扱性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いら
れる。市販品としては、例えば、ヘキスト社製「AP4
22」、「AP462」、住友化学社製「スミセーフ
P」、チッソ社製「テラージュC60」等が挙げられ
る。
【0034】上記一般式(1)で表される化合物として
は特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチル
ホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチ
ルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン
酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホ
ン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチル
ホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニル
ホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホ
スフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホ
スフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフ
ィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホ
スフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン
酸等が挙げられる。なかでも、t−ブチルホスホン酸
は、高価ではあるが、高難燃性の点においては好まし
い。上記リン化合物は、単独で用いても、2種以上を併
用してもよい。
【0035】上記中和処理された熱膨張性黒鉛とは、従
来公知の物質である熱膨張性黒鉛を中和処理したもので
ある。上記熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱
分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、
濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素
酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸
化水素等の強酸化剤とで処理することにより生成するグ
ラファイト層間化合物であり、炭素の層状構造を維持し
たままの結晶化合物である。
【0036】上述のように酸処理して得られた熱膨張性
黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和すること
により、上記中和処理された熱膨張性黒鉛とする。上記
脂肪族低級アミンとしては特に限定されず、例えば、モ
ノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げ
られる。上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属
化合物としては特に限定されず、例えば、カリウム、ナ
トリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水
酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げら
れる。上記中和処理された熱膨張性黒鉛の市販品として
は、例えば、日本化成社製「CA−60S」、GREP
−EG(東ソー社製)等が挙げられる。
【0037】上記中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度
は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メ
ッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所定
の耐火断熱層が得られず、粒度が20メッシュより大き
くなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、
熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質と混練する際に分散性
が悪くなり、物性の低下が避けられない。
【0038】上記無機充填剤としては特に限定されず、
例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチ
モン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイド
ロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭
酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸
カルシウム、石膏繊維、けい酸カルシウム等のカルシウ
ム塩;シリカ、珪藻土、ドーンナイト、硫酸バリウム、
タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナ
イト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサ
イト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒
化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化けい素、カーボンブ
ラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉
末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム
「MOS」(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミ
ニウムボレート、硫化モリブデン、炭化けい素、ステン
レス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フラ
イアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。なかでも、含水
無機物及び金属炭酸塩が好ましい。
【0039】水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム
等の含水無機物は、加熱時の脱水反応によって生成した
水のために吸熱が起こり、温度上昇が低減されて高い耐
熱性が得られる点、及び、加熱残渣として酸化物が残存
し、これが骨材となって働くことで残渣強度が向上する
点で特に好ましい。水酸化マグネシウムと水酸化アルミ
ニウムは、脱水効果を発揮する温度領域が異なるため、
併用すると脱水効果を発揮する温度領域が広がり、より
効果的な温度上昇抑制効果が得られることから、併用す
ることが好ましい。炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属
炭酸塩は、上記リン化合物としてポリリン酸アンモニウ
ムを使用した場合、ポリリン酸アンモニウムとの反応で
膨張を促すと考えられる。また、有効な骨材として働
き、燃焼後に形状保持性の高い残渣を形成する。一般的
に、無機充填剤は、骨材的な働きをすることから、残渣
強度の向上や熱容量の増大に寄与すると考えられる。上
記無機充填剤は、単独で用いても、2種以上を併用して
もよい。
【0040】上記無機充填剤の粒径としては、0.5〜
100μmのものが使用できる。上記無機充填剤は、添
加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するた
め粒径の小さいものが好ましいが、0.5μm未満では
二次凝集が起こり、分散性が悪くなる。上記無機充填剤
の添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組
成物粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きく
することで樹脂組成物の粘度を低下させることができる
点から、上記範囲のなかでも粒径の大きいものが好まし
い。粒径が100μmを超えると、成形体の表面性、樹
脂組成物の力学的物性が低下する。より好ましくは、約
1〜50μmである。上記無機充填剤としては、例え
ば、水酸化アルミニウムである粒径1μmの「H−42
M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「H−31」
(昭和電工社製)、及び、炭酸カルシウムである粒径
1.8μmの「ホワイトンSB赤」(白石カルシウム社
製)、粒径8μmの「BF300」(白石カルシウム社
製)等が挙げられる。また、粒径の大きい無機充填剤と
粒径の小さいものを組み合わせて使用することがより好
ましく、組み合わせることによって、さらに高充填化が
可能となる。
【0041】上記リン化合物、上記中和処理された熱膨
張性黒鉛、及び、上記無機充填剤の配合量は、上記熱可
塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して、合
計量で50〜900重量部が好ましい。50重量部未満
であると、加熱後の残渣量が不充分となり、充分な耐火
性が得られず、900重量部を超えると、機械的物性の
低下が大きく、使用に耐えない。
【0042】上記リン化合物及び上記中和処理された熱
膨張性黒鉛の配合量としては、上記熱可塑性樹脂及び/
又はゴム物質100重量部に対して、合計量で20〜3
00重量部がより好ましく、20〜200重量部がさら
に好ましい。上記無機充填剤の配合量としては、上記熱
可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して、
50〜500重量部がより好ましく、60〜300重量
部がさらに好ましい。上記無機充填剤と上記リン化合物
との重量比は、約1:1が特に好ましい。
【0043】上記中和処理された熱膨張性黒鉛と上記リ
ン化合物との重量比〔(中和処理された熱膨張性黒鉛)
/(リン化合物)〕は、0.01〜9が好ましい。中和
処理された熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比を、
0.01〜9とすることによって、燃焼残渣の形状保持
性と高い耐火性能を得ることができる。中和処理された
熱膨張性黒鉛の配合比率が多すぎると、燃焼時に膨張し
た黒鉛が飛散し、充分な膨張断熱層が得られない。一
方、リン化合物の配合比率が多すぎると、断熱層の形成
が充分ではなくなるので、充分な断熱効果が得られな
い。
【0044】上記中和処理された熱膨張性黒鉛とリン化
合物との重量比〔(中和処理された熱膨張性黒鉛)/
(リン化合物)〕が、0.01〜9の上記範囲内におい
ても、中和処理された熱膨張性黒鉛の配合比率が多い
と、高い膨張倍率は得られるが形状保持性が充分ではな
くなる。この場合、燃焼時の形状保持性の観点から、中
和処理された熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比は、
0.01〜2が好ましい。より好ましくは、1/60〜
1/3であり、更に好ましくは、1/40〜1/5であ
る。上記中和処理された熱膨張性黒鉛の配合量が10重
量部以下のときは、形状保持性が比較的良好で、加熱残
渣が崩れ落ちることがない。
【0045】上記樹脂組成物1の耐火性能は、必ずしも
明らかではないが、以下のように発現するものと考えら
れる。即ち、中和処理された熱膨張性黒鉛は、加熱によ
り膨張して断熱層を形成し、熱の伝達を阻止する。無機
充填剤は、その際熱容量の増大に寄与する。リン化合物
は、膨張断熱層の形状保持能力を有する。
【0046】本発明における樹脂組成物としては、熱可
塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン化合物、水酸基含有
炭化水素化合物及び無機充填剤を含有してなる樹脂組成
物(「樹脂組成物2」ともいう。)を挙げることができ
る。上記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、並びに、上
記リン化合物としては特に限定されず、例えば、上記樹
脂組成物1で例示したものを挙げることができる。
【0047】上記無機充填剤としては特に限定されず、
例えば、上記樹脂組成物1で例示したものを挙げること
ができる。樹脂組成物2においては、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム等の
金属炭酸塩、石膏等のカルシウム塩等が、膨張倍率が大
きく好ましい。水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム等の含水無機物は、樹脂組成物2においては、膨張倍
率が小さくなる傾向がある。
【0048】上記水酸基含有炭化水素化合物としては、
分子中に水酸基を含有する炭化水素化合物であれば特に
限定されないが、炭素数1〜50であるものが好まし
く、なかでも、分子中に水酸基を2つ以上有する多価ア
ルコールが好ましい。但し、デンプンのような重合体に
関しては、モノマーユニット中の炭素数がこの範囲内に
あるものをいう。
【0049】上記分子中に水酸基を2つ以上有する多価
アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、モノペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール、トリペンタエリスリトール、ネオペンタエ
リスリトール、ソルビトール、イノシトール、マンニト
ール、グルコース、フルクトース、デンプン、セルロー
ス等が挙げられる。上記水酸基含有炭化水素化合物は、
単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよ
い。
【0050】上記水酸基含有炭化水素化合物としては、
分子中に少なくとも2つの水酸基を有し、分子中の水酸
基数と炭素数との比〔(水酸基数)/(炭素数)〕が、
0.2〜2.0であるものが好ましく、より好ましく
は、ペンタエリスリトール類、ソルビトール、マンニト
ール等に代表されるような、〔(水酸基数)/(炭素
数)〕が、0.7〜1.5のものである。なかでも、ペ
ンタエリスリトール類は、水酸基含有率が高いため炭化
促進効果が高く、最も好ましいものである。
【0051】上記分子中の水酸基数と炭素数との比
〔(水酸基数)/(炭素数)〕が0.2〜2.0の範囲
にある水酸基含有炭化水素化合物は、燃焼時に脱水縮合
して効果的に炭化層を形成する。上記比〔(水酸基数)
/(炭素数)〕が0.2未満であると、燃焼時には脱水
縮合よりも炭素鎖の分解が起こり易くなるため、充分な
炭化層を形成することができず、2.0を超えると、炭
化層の形成には差し支えないが、耐水性が大幅に低下す
る。耐水性が低下すると、成形直後の耐火膨張シート
(B)を水冷する際に、上記水酸基含有炭化水素化合物
が溶出したり、成形体の保管中の湿度によって、上記水
酸基含有炭化水素化合物がブリードアウトする等の問題
点がある。
【0052】上記リン化合物、水酸基含有炭化水素化合
物及び無機充填剤の配合量としては、熱可塑性樹脂及び
/又はゴム物質100重量部に対して、その3成分の合
計量が50〜900重量部となるように配合することが
好ましい。上記3成分の合計量が50重量部未満である
と、加熱後の残渣量が不充分となり、耐火断熱層を形成
することができず、900重量部を超えると、耐火膨張
シート(B)の機械的物性が低下する。より好ましく
は、100〜700重量部であり、更に好ましくは、2
00〜500重量部である。
【0053】上記水酸基含有炭化水素化合物と上記リン
化合物との重量比〔(水酸基含有炭化水素化合物)/
(リン化合物)〕は、より高い耐火性能と残渣の形状保
持性を発揮する観点から、0.05〜20が好ましい。
上記重量比が0.05未満であると、発泡断熱層が脆く
なるため使用に耐えられなくなり、20を超えると、発
泡膨張せず、充分な耐火性能が得られない。より好まし
くは、0.3〜10であり、更に好ましくは、0.4〜
5である。
【0054】上記無機充填剤と上記リン化合物との重量
比〔(無機充填剤)/(リン化合物)〕は、耐火性能と
残渣の形状保持性を向上させる観点から、0.01〜5
0が好ましく、より好ましくは0.3〜15であり、更
に好ましくは0.5〜7である。上記重量比が0.01
未満であると、発泡断熱層が脆くなる。リン化合物は無
機充填剤のバインダー的役割を果たしているので、上記
重量比が50を超えると、リン化合物がバインダーとし
て機能せず、成形が困難となるだけでなく、加熱時の発
泡膨張が不充分となるため、充分な耐火性能が得られな
い。
【0055】上記樹脂組成物2においては、リン化合
物、水酸基含有炭化水素化合物及び無機充填剤とを組み
合わせることによって、充分な耐熱性を有し、かつ、燃
焼後の残渣を強固なものにし、形状保持を図るものであ
る。水酸基含有炭化水素化合物と無機充填剤に対するリ
ン化合物の配合割合が大きすぎると、燃焼時に大きく膨
張するため、断熱層が脆くなり、材料を垂直において燃
焼させた後も崩れない程度に充分に強固な燃焼残渣が得
られなくなる。上記無機充填剤の配合量が多すぎたり、
粒径が小さいと、吸油量が大きくなって、発泡時のマト
リックス粘度が大きくなるために、発泡が抑制され、断
熱効果が充分ではなくなる。無機充填剤の配合量が少な
いと、粘度が低すぎて発泡せずに流れてしまう。
【0056】上記樹脂組成物2の耐火性能は、必ずしも
明らかではないが、以下のように発現するものと考えら
れる。即ち、加熱によりリン化合物は脱水、発泡すると
共に、炭化触媒としても作用する。水酸基含有炭化水素
化合物はリン化合物の触媒作用を受けて炭化層を形成
し、形状保持性の優れた断熱層を形成する。無機充填剤
は骨材的役割を果たし、炭化層をより強固なものとす
る。
【0057】更に、本発明における樹脂組成物として
は、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン化合物、中
和処理された熱膨張性黒鉛、水酸基含有炭化水素化合物
及び無機充填剤を含有してなる樹脂組成物(「樹脂組成
物3」ともいう。)を挙げることができる。上記熱可塑
性樹脂及び/又はゴム物質、上記リン化合物、上記中和
処理された熱膨張性黒鉛、及び、上記無機充填剤として
は特に限定されず、例えば、上記樹脂組成物1で例示し
たものを挙げることができる。なかでも、上記無機充填
剤としては含水無機物が好ましい。上記水酸基含有炭化
水素化合物としては特に限定されず、例えば、上記樹脂
組成物2で例示したものを挙げることができる。
【0058】上記リン化合物、上記中和処理された熱膨
張性黒鉛、上記水酸基含有炭化水素化合物及び上記無機
充填剤の配合割合としては、上記熱可塑性樹脂及び/又
はゴム物質100重量部に対して、それらの合計量が5
0〜900重量部であることが好ましい。上記3成分の
合計量が50重量部未満であると、加熱後の残渣量が不
充分となり、耐火断熱層を形成することができず、90
0重量部を超えると、耐火膨張シート(B)の機械的物
性が低下する。より好ましくは、100〜700重量部
であり、更に好ましくは、200〜500重量部であ
る。
【0059】上記中和処理された熱膨張性黒鉛と上記リ
ン化合物との重量比〔(中和処理された熱膨張性黒鉛)
/(リン化合物)〕は、0.01〜9であることが好ま
しい。上記中和処理された熱膨張性黒鉛とリン化合物と
の重量比を、0.01〜9とすることによって、燃焼残
渣の形状保持性と高い耐火性能を得ることができる。中
和処理された熱膨張性黒鉛の配合比率が多すぎると、燃
焼時に膨張した黒鉛が飛散し、充分な膨張断熱層が得ら
れない。一方、リン化合物の配合比率が多すぎると、断
熱層の形成が充分ではないために、充分な断熱効果が得
られない。
【0060】燃焼時の形状保持性という点からは、上記
中和処理された熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比
は、0.01〜5であることがより好ましい。耐火樹脂
組成物自体が難燃性であっても、形状保持性が不充分で
あると脆くなった残渣が崩れ落ち、火炎を貫通させてし
まう可能性もあるため、適用される用途において形状保
持性が必要であるか否かによって、中和処理された熱膨
張性黒鉛の配合比率を選択することができる。更に好ま
しくは、上記範囲は、0.01〜2である。
【0061】上記水酸基含有炭化水素化合物と上記リン
化合物との重量比〔(水酸基含有炭化水素化合物)/
(リン化合物)〕は、より高い耐火性能と残渣の形状保
持性を発揮する観点から、0.05〜20であることが
好ましい。重量比が0.05未満であると、発泡焼成層
が脆くなるため使用に耐えられなくなり、20を超える
と、発泡膨張せず、充分な耐火性能が得られない。より
好ましくは、0.3〜10であり、更に好ましくは、
0.4〜5である。
【0062】上記無機充填剤と上記リン化合物との重量
比〔(無機充填剤)/(リン化合物)〕は、耐火性能と
残渣の形状保持性を向上させる観点から、0.01〜5
0が好ましく、より好ましくは0.3〜15であり、更
に好ましくは0.5〜7である。重量比が0.01未満
であると、発泡焼成層が脆くなる。リン化合物は無機充
填剤のバインダー的役割を果たしているので、上記重量
比が50を超えると、リン化合物がバインダーとして機
能せず、成形が困難となるだけでなく、加熱時の発泡膨
張が不充分となるため、充分な耐火性能が得られない。
【0063】上記樹脂組成物3の耐火性能は、必ずしも
明らかではないが、以下のように発現するものと考えら
れる。即ち、加熱によりリン化合物は脱水、発泡すると
共に、炭化触媒としても作用する。水酸基含有炭化水素
化合物はリン化合物の触媒作用を受けて炭化層を形成
し、形状保持性の優れた断熱層を形成する。無機充填剤
は骨材的役割を果たし、炭化層をより強固なものとす
る。中和処理された熱膨張性黒鉛は、その際に膨張して
断熱層を形成し、熱の伝達を阻止するためにより有効に
作用する。
【0064】更に、本発明における樹脂組成物として
は、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン化合物、及
び、金属炭酸塩を含有してなる樹脂組成物(「樹脂組成
物4」ともいう。)を挙げることができる。上記熱可塑
性樹脂及び/又はゴム物質としては特に限定されず、例
えば、上記樹脂組成物1で例示したものを挙げることが
できる。上記リン化合物としては、加熱条件下でリン酸
を発生するリン化合物であれば特に限定されず、例え
ば、上記樹脂組成物1で例示したものを挙げることがで
きる。上記加熱条件は、空気中における200℃での加
熱をいい、上記発生するリン酸には亜リン酸及び次亜リ
ン酸を含む。
【0065】上記金属炭酸塩としては特に限定されず、
アルカリ金属、アルカリ土類金属又は周期律表IIb族
金属の炭酸塩が挙げられ、炭酸カルシウム、炭酸ストロ
ンチウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウ
ム等が例示できる。なかでも、炭酸カルシウム、炭酸ス
トロンチウム及び炭酸亜鉛が好ましい。
【0066】上記樹脂組成物4は、更に、含水無機物及
び/又はカルシウム塩を含有してもよい。上記含水無機
物としては特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト等が挙げ
られる。上記カルシウム塩としては特に限定されず、例
えば、硫酸カルシウム、石膏、二リン酸カルシウム等が
挙げられる。
【0067】上記リン化合物及び金属炭酸塩の合計量と
しては、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部
に対して、50〜900重量部を配合することが好まし
い。含水無機物及び/又はカルシウム塩を含有する場合
は、上記リン化合物、金属炭酸塩並びに含水無機物及び
/又はカルシウム塩の合計量としては、熱可塑性樹脂及
び/又はゴム物質100重量部に対して、50〜900
重量部を配合することが好ましい。50重量部未満であ
ると、加熱後の残渣量が不充分となり、耐火断熱層を形
成することができず、900重量部を超えると、耐火膨
張シート(B)の機械的物性が低下する。上記含水無機
物及び/又はカルシウム塩を含有する場合は、含水無機
物及び/又はカルシウム塩の合計量としては、上記金属
炭酸塩100重量部に対して、1〜70重量部を配合す
ることが好ましい。70重量部を超えると、良好な形状
保持性が発揮できない。
【0068】上記金属炭酸塩と上記リン化合物との重量
比(金属炭酸塩:リン化合物)は、6:4〜4:6が好
ましい。上記金属炭酸塩とリン化合物との重量比を6:
4〜4:6とすることによって、発泡膨張し、かつ、強
固な皮膜を形成することができる。上記金属炭酸塩が多
すぎると、充分な膨張倍率が得られず、上記リン化合物
が多すぎると、破断強度が低下し、耐火膨張シート
(B)の機械的物性が低下する。上記含水無機物及び/
又はカルシウム塩を含有する場合は、上記リン化合物に
対する上記金属炭酸塩並びに上記含水無機物及び/又は
カルシウム塩の合計量との重量比(金属炭酸塩並びに含
水無機物及び/又はカルシウム塩の合計量:リン化合
物)は、6:4〜4:6が好ましい。
【0069】上記樹脂組成物4の耐火性能は、必ずしも
明らかではないが、以下のように発現するものと考えら
れる。即ち、加熱時にリン化合物より発生するポリリン
酸と炭酸塩との化学反応により、脱炭酸、脱アンモニア
反応が促進する。リン化合物はポリリン酸を発生させる
とともに、発泡皮膜のバインダーとして働く。金属炭酸
塩は骨材的役割を果たす。含水無機物及び/又はカルシ
ウム塩は、上記金属炭酸塩と同様に骨材的役割を果たす
と考えられる。
【0070】更に、本発明における樹脂組成物として
は、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質、リン化合物、中
和処理された熱膨張性黒鉛、含水無機物、及び、金属炭
酸塩を含有してなる樹脂組成物(「樹脂組成物5」とも
いう。)を挙げることができる。上記熱可塑性樹脂及び
/又はゴム物質、リン化合物、及び、中和処理された熱
膨張性黒鉛としては特に限定されず、例えば、上記樹脂
組成物1で例示したものを挙げることができる。上記含
水無機物、及び、金属炭酸塩としては特に限定されず、
例えば、上記樹脂組成物4で例示したものを挙げること
ができる。
【0071】上記樹脂組成物5においては、上記熱可塑
性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して、リン
化合物及び上記中和処理された熱膨張性黒鉛の合計量を
20〜300重量部、上記金属炭酸塩を10〜500重
量部、及び、上記含水無機物を10〜500重量部配合
することが好ましい。上記中和処理された熱膨張性黒鉛
と上記リン化合物との重量比(中和処理された熱膨張性
黒鉛/リン化合物)は、0.01〜9であるものが好ま
しい。上記樹脂組成物5は、上記樹脂組成物1中の無機
充填剤として、含水無機物及び金属炭酸塩を含有し、そ
れらの配合量を規定することによって、形状保持性、難
燃性及び耐火性を更に向上することができる点に特徴が
ある。
【0072】上記耐火膨張シート(B)は、25℃での
初期のかさ密度が0.8〜2.0g/cm3 であるもの
が好ましい。25℃での初期のかさ密度を0.8〜2.
0g/cm3 の範囲内とすることによって、上記耐火膨
張シート(B)に要求される断熱性、耐火性等の物性を
損なわず、しかも、作業性に優れたものとすることがで
きる。25℃における初期のかさ密度が、0.8g/c
3 未満であると、樹脂組成物中に充分な量の膨張剤、
炭化剤、不燃性充填剤等を添加することができず、加熱
後の膨張倍率、残渣量が不充分となり、耐火断熱層を形
成することができない。25℃における初期のかさ密度
が、2.0g/cm3 を超えると、上記耐火膨張シート
(B)の重量が大きくなりすぎるために、大面積の耐火
膨張シート(B)の張り付け作業等における作業性が低
下する。より好ましくは、1.0〜1.8g/cm3
ある。
【0073】上記耐火膨張シート(B)は、500℃で
1時間加熱したときのかさ密度が0.05〜0.5g/
cm3 であるものが好ましい。500℃で1時間加熱し
たときのかさ密度が、0.05g/cm3 未満である
と、隙間が多すぎるため、膨張時の崩れにより耐火断熱
層を層として形成することができなくなり、0.5g/
cm3 を超えると、膨張倍率が不充分となり、耐火性能
を充分に発揮することができず、耐火断熱層を形成する
ことができなくなる。より好ましくは、0.1〜0.3
g/cm3 である。
【0074】本発明において、上記耐火膨張シート
(B)の初期厚みは、0.5〜40mmが好ましい。
0.5mm未満であると、膨張しても充分な断熱性を発
揮せず、40mmを超えると、重量が重くなり、施工性
に問題が生じる。さらに好ましくは、1〜15mmであ
る。本明細書において、初期厚みとは、25℃における
加熱膨張前の耐火膨張シート(B)の厚み(mm)をい
う。
【0075】上記耐火膨張シート(B)は、50kW/
cm2 の加熱条件下で30分間体積膨張させた後の熱伝
導率が、0.01〜0.3kcal/m・h・℃である
ことが好ましい。50kW/cm2 の加熱条件下で30
分間体積膨張させた後の熱伝導率が、0.3kcal/
m・h・℃を超えると、断熱性能が不充分であるため充
分な耐火性能を発揮することができず、0.01kca
l/m・h・℃未満であるものは、有機物及び無機物の
混合物では作ることができない。
【0076】上記耐火膨張シート(B)は、DSCによ
り、10℃/分で600℃まで昇温した場合の総吸熱量
が、100J/g以上であることが好ましい。100J
/g以上であると、温度上昇が遅くなり、断熱性能がよ
り良好となる。
【0077】本発明においては、上記耐火膨張シート
(B)は、粘着性を有するものであることが好ましい。
粘着性を有するとは、上記複合ボード(A)に仮止め固
定が可能となるような性質を有することを意味し、広く
粘着性及び/又は接着性を有することをいう。上記耐火
膨張シート(B)が粘着性を有するものとすることによ
り、上記複合ボード(A)に簡便に設置することがで
き、施工性が向上する。上記耐火膨張シート(B)に粘
着性を付与するためには、例えば、上記熱可塑性樹脂及
び/又はゴム物質に粘着付与剤を添加することにより行
うことができる。上記粘着付与剤としては特に限定され
ず、例えば、粘着付与樹脂、可塑剤、油脂類、高分子低
重合物等が挙げられる。
【0078】上記粘着付与樹脂としては特に限定され
ず、例えば、ロジン、ロジン誘導体、ダンマル、コーパ
ル、クマロン、インデン樹脂、ポリテルペン、非反応性
フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油系炭化水素樹
脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0079】上記可塑剤は、単独では上記耐火膨張シー
ト(B)に粘着性を付与することは難しいが、上記粘着
付与樹脂と併用することにより粘着性をより向上させる
ことができる。上記可塑剤としては特に限定されず、例
えば、フタル酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ア
ジピン酸エステル系可塑剤、サバチン酸エステル系可塑
剤、リシノール酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可
塑剤、エポキシ系可塑剤、塩化パラフィン等が挙げられ
る。上記油脂類は、上記可塑剤と同様の作用を有し、可
塑性付与と粘着調整剤の目的で用いることができる。上
記油脂類としては特に限定されず、例えば、動物性油
脂、植物性油脂、鉱物油、シリコーン油等が挙げられ
る。
【0080】上記高分子低重合物は、粘着性付与以外に
耐寒性向上、流動調整の目的で用いることができる。上
記高分子低重合物としては特に限定されず、例えば、天
然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエン
ゴム(BR)、1,2−ポリブタジエンゴム(1,2−
BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロ
プレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチル
ゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、
EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CS
M)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロルヒ
ドリンゴム(CO、ECO)、多加硫ゴム(T)、シリ
コーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM,FZ)、ウレ
タンゴム(U)等の低重合体等が挙げられる。
【0081】本発明においては、上記樹脂組成物に、上
記樹脂組成物の物性を損なわない範囲で、難燃剤、酸化
防止剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、
滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂等が添加されてもよ
い。上記樹脂組成物は、上記各成分を単軸押出機、二軸
押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、二本
ロール等公知の混練装置を用いて溶融混練することによ
り得ることができる。上記樹脂組成物は、例えば、プレ
ス成型、押出し成型、カレンダー成型等の従来公知の方
法により、上記耐火膨張シート(B)に成型することが
できる。上記耐火膨張シート(B)は、一層からなるも
のでもよく、組成が異なった耐火膨張シートを複層して
なるものであってもよい。本発明の耐火性建造物構成パ
ネルは、例えば、天井材、床材、間仕切り壁等の内壁、
外壁等の建築材料として好適に用いることができる。本
発明の耐火性建造物構成パネルの施工方法は、適用され
る目的に応じて、複合ボード(A)の片面又は両面に上
記耐火膨張シート(B)を設置、又は、2枚の複合ボー
ド(A)の間に耐火膨張シート(B)を設置することに
より行うことができる。
【0082】上記設置の方法としては特に限定されず、
例えば、クギ、ビス、ボルト等によって固定する方法等
を採用することができる。また、上記耐火膨張シート
(B)として粘着性を有するものを用いることにより、
クギ、ビス、ボルト等による固定方法を実施することな
く、上記耐火膨張シート(B)を上記複合ボード(A)
に固定することができ、一人でも簡便に施工することが
可能となる。外壁等として用いる場合は、上記耐火膨張
シート(B)は片面のみに設置し、間仕切り壁等として
用いる場合は、両面に設置することが好ましい。
【0083】本発明においては、複合ボード(A)と耐
火膨張シート(B)との間に、他の機能層、例えば、発
泡体層、緩衝層、吸音層、接着層等を設けたものであっ
てもよい。上記耐火膨張シート(B)の複合ボード
(A)と接していない面に、上記部材(C)を設置する
こともできる。上記部材(C)の設置の方法としては特
に限定されず、例えば、クギ、ビス、ボルト等によって
固定する方法等を採用することができる。上記耐火膨張
シート(B)に部材(C)を設置した上に、更に、耐火
膨張シート(B)を設置することもできる。本発明の耐
火性建造物構成パネルの施工方法は、工場等における製
造工程において実施してもよく、また、既存の複合ボー
ドを施工した壁に対して適用することにより、既存の壁
に耐火処理を施すこともできる。
【0084】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図を
用いて説明する。2枚の面材1及び2の間に、芯材3を
積層し、一体に成形した複合ボード(A)の概略を図1
に示す。
【0085】2枚の面材1及び2の間に芯材3を積層し
一体に成形した複合ボード(A)の片面に、耐火膨張シ
ート(B)4を設けた耐火性建造物構成パネルの概略を
図2に示す。
【0086】2枚の面材1及び2の間に芯材3を積層し
一体に成形した複合ボード(A)の両面に、耐火膨張シ
ート(B)4を設けた耐火性建造物構成パネルの概略を
図3に示す。
【0087】耐火膨張シート(B)4の両面に、2枚の
面材1及び2の間に芯材3を積層し一体に成形した複合
ボード(A)を設けた耐火性建造物構成パネルの概略を
図4に示す。
【0088】2枚の面材1及び2の間に芯材3を積層し
一体に成形した複合ボード(A)の片面に、耐火膨張シ
ート(B)4、及び、部材(C)5を設けた耐火性建造
物構成パネルの概略を図5に示す。耐火膨張シート
(B)4、及び、部材(C)5は、複合ボード(A)に
対して、ともに共通のクギ6により固定されている。耐
火膨張シート(B)4として粘着性を有するものを用い
ることにより、耐火膨張シート(B)4を一時的に複合
ボード(A)に固定することができるので、その後に行
う部材(C)5の設置及びクギ6による固定が行いやす
くなり、施工性を向上させることができる。予め耐火膨
張シート(B)に部材(C)が積層されたものを用いて
施工することも可能である。
【0089】2枚の面材1及び2の間に芯材3を積層し
一体に成形した複合ボード(A)の両面に、耐火膨張シ
ート(B)4、及び、部材(C)5を設けた耐火性建造
物構成パネルの概略を図6に示す。耐火膨張シート
(B)4、及び、部材(C)5は、上記複合ボード
(A)に対してともに共通のクギ6により固定されてい
る。このような構造においては、耐火膨張シート(B)
4が直火に触れることがないように、部材(C)5とし
てセラミックシート等の炎が貫通しないものを用いるこ
とが好ましい。
【0090】2枚の面材1及び2の間に芯材3を積層し
一体に成形した複合ボード(A)の片面に、機能層7、
及び、耐火膨張シート(B)4を設けた耐火性建造物構
成パネルの概略を図7に示す。
【0091】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0092】尚、表1〜5及び7〜9中に示される、メ
タロセンポリエチレンとしてはEG8200(ダウ社
製)、ブチルゴムとしては実施例1〜12及び13、並
びに、比較例3〜13ではブチル065(エクソン社
製)、実施例32においてはブチルゴム#065を20
重量部及びブチルゴム#268を22重量部の混合物、
その他ではムーニー粘度(100℃)47、不飽和度
2.0のイソブチレン・イソプレンゴム、ポリブテンと
しては実施例32ではポリブテン#300R(出光石油
化学社製)、その他では100R(出光石油化学社
製)、クロロプレンとしてはスカイブレンB−11(東
ソー社製)、塩素化ブチルとしてはムーニー粘度(12
5℃)38、塩素化度1.2%のもの(エクソンケミカ
ル社製)、液状クロロプレンとしてはHO50(電気化
学社製)、水添石油樹脂としてはエスコレッツ#532
0(エクソン社製)、ポリリン酸アンモニウムとしては
AP422(ヘキスト社製)、赤リンとしては実施例1
〜12及び比較例1〜11ではノーバレッド120(燐
化学工業社製)、その他ではヘキスト社製のもの、熱膨
張性黒鉛としてはGREP―EG(東ソー社製)、水酸
化アルミニウムとしては実施例32及び33ではH−3
1(昭和電工社製)、その他ではH42M(昭和電工社
製)、水酸化マグネシウムとしてはキスマ5B(協和化
学社製)、ペンタエリスリトールとしては実施例1〜1
2及び比較例1〜11ではヘキスト社製のもの、その他
では三井東圧化学工業社製のもの、ジペンタエリスリト
ールとしては広栄化学社製のもの、デンプンとしてはコ
ーンスターチ(日本食品加工社製)、炭酸亜鉛としては
堺化学社製のもの、炭酸カルシウムとしては実施例1〜
12、27、28及び31並びに比較例1〜11、17
及び19においてはホワイトンSB赤(1.8μm、白
石カルシウム社製)、実施例25、26及び30並びに
比較例18においてはホワイトンBF200(8μm、
白石カルシウム社製)、実施例32及び23においては
ホワイトンBF300(白石カルシウム社製)、その他
ではホワイトンSB(白石カルシウム)、炭酸ストロン
チウムとしては堺化学社製のもの、石膏としてはサンエ
ス石コウ社製のB級石膏、ポリビニルアルコール(PV
A)としてはポバールPVA−117S(クラレ社
製)、ガラス繊維としては繊維径13μm、長さ6mm
のものを用いた。芯材3として使用した無機質板として
はセラミックウールボードを用い、ポリエチレン系樹脂
としてはCG8200(ダウケミカル社製)を用いた。
面材として使用したアルミ板としてはJIS H 40
00 A 1050P、ALC板としては旭化成社製の
ものを用いた。部材(C)としては大信鉱業社製メタル
ラス、セラミックファイバーシートとしてはニチアス社
製のものを用いた。なお、表中において、「−」は、測
定試験又は評価試験を行わなかったことを示す。
【0093】実施例1〜33表1〜5に示した各種配合
組成に従って、二軸押出機にて混練、押出を行い、耐火
膨張シート(B)を得た。表1〜5に示した面材及び芯
材からなる複合ボード(A)に、得られた耐火膨張シー
ト(B)及び部材(C)を、表1〜5に示した構成に従
って積層し、ビスで固定して評価サンプルを作製した。
得られた耐火膨張シート(B)について、膨張倍率、か
さ密度、熱伝導率及び総吸熱量を下記方法により測定
し、耐火膨張シート(B)の粘着性、並びに、得られた
評価サンプルの耐火性、形状保持性及び使用用途可能性
を下記方法により評価した。結果を表1〜5に示した。
【0094】測定方法 (1)膨張倍率 長さ40mm、幅40mmの耐火膨張シート(B)を常
温のホットプレート上に設置し、ホットプレートを10
分で300℃まで上昇させ、1時間保温した。室温まで
温度を下げてから、材料の厚みを測定し、膨張倍率(=
加熱後の厚み/初期厚み)を算出した。
【0095】 (2)かさ密度 長さ10cm、幅10cm、初期厚み0.3cmの試験
片を水平に設置した状態でコーンカロリーメーター(C
ONE2A、アトラス社製)を用いて、500℃で1時
間加熱した後、試験片残渣の厚み変化及び重量変化を測
定し、加熱前後のかさ密度を以下の計算式で算出した。
加熱前のかさ密度(g/cm3 )=加熱前の重量/(1
0×10×初期厚み(cm))加熱後のかさ密度(g/
cm3 )=加熱後の重量/(10×10×加熱後の厚み
(cm))
【0096】(3)熱伝導率 長さ10cm、幅10cm、厚さ0.30cmの試験片
を、コーンカロリーメーター(CONE2A、アトラス
社製)を用いて、50kW/cm2 の照射熱量を30分
間与えて燃焼させた後、試験片残渣の熱伝導率をJIS
A 1412の平板熱流計法に基づいて測定した。
【0097】(4)総吸熱量 10mgの試験片を示差熱走査計(セイコー電子工業社
製、DSC220)を用いて、常温から10℃/分で6
00℃まで昇温した場合の総吸熱量を求めた。
【0098】評価方法 (1)耐火性 耐火性の評価は、図11に示すようにして耐火炉にて行
った。JIS A 1304に準拠して、炉内温度を1
時間で925℃まで昇温した後、裏面温度を測定し、裏
面温度が260℃以下のものを○、260℃を超えるも
のを×とした。
【0099】(2)加熱時の形状保持性 コーンカロリメーター(CONE2A、アトラス社製)
を用いて、照射熱量80kWh/m2 (縦方向)で行っ
た。評価サンプル長さ100mm、幅100mmに上記
熱量を1時間与えて、複合ボードと耐火膨張シートとの
界面の様子、耐火膨張シートの熱の伝達による垂れ具合
を観察した。界面が剥離せず、断熱性を低下させるほど
のシートの垂れがないものを○、界面剥離等の異常が見
られたものを×とした。
【0100】(3)加熱後の形状保持性 (1)の耐火性試験において、燃焼後のサンプルが崩落
せず、形状保持しているものを○、していないものを×
とした。
【0101】(4)粘着性 耐火膨張シート(B)をJIS Z023 7に基づい
てボールタック試験を行ったとき、傾斜角度30度にお
いて1/16のボールが停止するものを○、停止しなか
ったものを×とした。
【0102】 (5)加熱方向の制限 パネルの両面どちら側から加熱しても良好な断熱性と形
状保持性を発揮できるものを無、片側のみ加熱(直火照
射)が許されるものを有とした。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】
【表4】
【0107】
【表5】
【0108】実施例34〜39 ブチルゴムとしてブチル065(エクソン社製)50重
量部、ポリブテンとしてポリブテン100R(出光石油
化学社製)42重量部、水添石油樹脂としてエスコレッ
ツ5320(エクソン社製)8重量部、熱膨張性黒鉛と
してC−60S(日本化成社製)20重量部、ポリリン
酸アンモニウムとしてAP422(ヘキスト社製)80
重量部、及び、水酸化アルミニウムとしてH42M(昭
和電工社製)100重量部を用いて、実施例1〜33と
同様に耐火膨張シート(B)を得た。得られた耐火膨張
シート(B)を用い、表6に示した構成に従って、評価
サンプルを作成し、評価した。結果を表6に示した。面
材として使用したサス板としてはJIS G 4305
SUS304、複合体としてはセメントと木片との複
合体(積水化学社製シンセライト)、石膏ボードとして
は吉野石膏を用いた。芯材及び機能層として使用したポ
リエチレン発泡体としては積水化学社製シンセライト、
ウレタン発泡体としてはイワノック社製のもの、ロック
ウール板としてはニチアス社製のものを用いた。部材
(C)として使用した金網は大信鉱業社製メタルラスを
用いた。実施例39においては、厚み10mmのポリエ
チレン系樹脂と厚み24mmのウレタン発泡体を積層し
たものを複合ボード(A)の芯材とし、更に芯材のポリ
エチレン系樹脂側に面材1を、ウレタン発泡体側に面材
2を積層して複合ボード(A)を作成した。
【0109】
【表6】
【0110】比較例1〜17 表7〜9に示した各種組成に従って、実施例1〜33と
同様にして評価サンプルを作成し、評価した。結果を表
7〜9に示した。但し、比較例4及び7の評価サンプル
は、図8のように、面材1及び芯材3からなる2層構造
体の上に、耐火膨張シート(B)4を設けた耐火性建造
物構成パネルとした。比較例5及び8の評価サンプル
は、図9のように、面材1の上に耐火膨張シート(B)
4を設けた耐火性建造物構成パネルとした。比較例6及
び9の評価サンプルは、図10のように、面材1及び芯
材3からなる2層構造体の上に耐火膨張シート(B)
4、及び、部材(C)5を設けた耐火性建造物構成パネ
ルとした。その結果、比較例4、6、7及び9では、面
材1のアルミ板が溶融し、芯材が発火し、耐火性を発現
できなかった。比較例5及び8では、面材1のアルミ板
が溶融して、耐火性を発現できなかった。比較例11
は、加熱時に壁材の破壊が生じた。比較例12は、無機
充填剤の配合量が多いため、耐火膨張シート(B)の作
成ができなかった。比較例13及び14は、液状樹脂単
独のため耐火膨張シート(B)の作成ができなかった。
【0111】
【表7】
【0112】
【表8】
【0113】
【表9】
【0114】
【発明の効果】本発明の耐火性建造物構成パネルは、上
述の構成からなるので、厚みを増すことなく優れた耐火
性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における複合ボード(A)の形態を示す
断面概略図である。
【図2】本発明の耐火性建造物構成パネルの第一の実施
の形態を示す断面概略図である。
【図3】本発明の耐火性建造物構成パネルの第二の実施
の形態を示す断面概略図である。
【図4】本発明の耐火性建造物構成パネルの第三の実施
の形態を示す断面概略図である。
【図5】本発明の耐火性建造物構成パネルの第四の実施
の形態を示す断面概略図である。
【図6】本発明の耐火性建造物構成パネルの第五の実施
の形態を示す断面概略図である。
【図7】本発明の耐火性建造物構成パネルの第六の実施
の形態を示す断面概略図である。
【図8】本発明の耐火性建造物構成パネルとの第一の比
較の形態を示す断面概略図である。
【図9】本発明の耐火性建造物構成パネルとの第二の比
較の形態を示す断面概略図である。
【図10】本発明の耐火性建造物構成パネルとの第三の
比較の形態を示す断面概略図である。
【図11】耐火性の評価方法を説明するための断面概略
図である。
【符号の説明】
1 表面材 2 裏面材 3 芯材 4 耐火膨張シート(B) 5 部材(C) 6 クギ 7 機能層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 和芳 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不燃性材料からなる2枚の面材の間に樹
    脂層又は無機質板からなる芯材を積層した複合ボード
    (A)と、前記複合ボード(A)の片面又は両面に設け
    た耐火膨張シート(B)とから構成される耐火性建造物
    構成パネルであって、前記耐火膨張シート(B)は、3
    00℃に加熱した場合において、初期厚み(t)と加熱
    後の厚み(t′)との関係が t′/t=1.1〜20 であることを特徴とする耐火性建造物構成パネル。
  2. 【請求項2】 不燃性材料からなる2枚の面材の間に樹
    脂層又は無機質板からなる芯材を積層した2枚の複合ボ
    ード(A)と、前記2枚の複合ボード(A)の間に設け
    られた耐火膨張シート(B)とから構成される耐火性建
    造物構成パネルであって、前記耐火膨張シート(B)
    は、300℃に加熱した場合において、初期厚み(t)
    と加熱後の厚み(t′)との関係が t′/t=1.1〜20 であることを特徴とする耐火性建造物構成パネル。
  3. 【請求項3】 不燃性材料からなる2枚の面材の間に樹
    脂層又は無機質板からなる芯材を積層した複合ボード
    (A)、前記複合ボード(A)の片面又は両面に設けた
    耐火膨張シート(B)、及び、前記耐火膨張シート
    (B)の複合ボード(A)と接していない面に更に設け
    た、前記耐火膨張シート(B)の膨張を妨げずに前記耐
    火膨張シート(B)の形状を保持することができる部材
    (C)の層とから構成される耐火性建造物構成パネルで
    あって、前記耐火膨張シート(B)は、300℃に加熱
    した場合において、初期厚み(t)と加熱後の厚み
    (t′)との関係が t′/t=1.1〜20 であることを特徴とする耐火性建造物構成パネル。
  4. 【請求項4】 芯材は、発泡体層及び/又は緩衝材層か
    らなるものである請求項1、2又は3記載の耐火性建造
    物構成パネル。
  5. 【請求項5】 耐火膨張シート(B)は、熱可塑性樹脂
    及び/又はゴム物質、リン化合物及び無機充填剤を含有
    する樹脂組成物からなるものである請求項1、2、3又
    は4記載の耐火性建造物構成パネル。
  6. 【請求項6】 樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び/又は
    ゴム物質、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛及
    び無機充填剤を含有するものであって、前記熱可塑性樹
    脂及び/又はゴム物質100重量部に対して、前記リン
    化合物、前記中和処理された熱膨張性黒鉛及び前記無機
    充填剤の合計量を50〜900重量部配合してなり、前
    記中和処理された熱膨張性黒鉛と前記リン化合物との重
    量比(中和処理された熱膨張性黒鉛/リン化合物)が、
    0.01〜9である請求項5記載の耐火性建造物構成パ
    ネル。
  7. 【請求項7】 樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び/又は
    ゴム物質、リン化合物、水酸基含有炭化水素化合物及び
    無機充填剤を含有するものであって、前記熱可塑性樹脂
    及び/又はゴム物質100重量部に対して、前記リン化
    合物、前記水酸基含有炭化水素化合物及び前記無機充填
    剤の合計量を50〜900重量部配合してなり、前記水
    酸基含有炭化水素化合物と前記リン化合物との重量比
    (水酸基含有炭化水素化合物/リン化合物)が、0.0
    5〜20である請求項5記載の耐火性建造物構成パネ
    ル。
  8. 【請求項8】 樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び/又は
    ゴム物質、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、
    水酸基含有炭化水素化合物及び無機充填剤を含有するも
    のであって、前記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質10
    0重量部に対して、前記リン化合物、前記中和処理され
    た熱膨張性黒鉛、前記水酸基含有炭化水素化合物及び前
    記無機充填剤の合計量を50〜900重量部配合してな
    り、前記中和処理された熱膨張性黒鉛と前記リン化合物
    との重量比(中和処理された熱膨張性黒鉛/リン化合
    物)が、0.01〜9であり、前記水酸基含有炭化水素
    化合物と前記リン化合物との重量比(水酸基含有炭化水
    素化合物/リン化合物)が、0.05〜20である請求
    項5記載の耐火性建造物構成パネル。
  9. 【請求項9】 樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び/又は
    ゴム物質、リン化合物及び金属炭酸塩を含有するもので
    あって、前記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重
    量部に対して、前記リン化合物及び前記金属炭酸塩の合
    計量を50〜900重量部配合してなり、前記金属炭酸
    塩と前記リン化合物との重量比(金属炭酸塩:リン化合
    物)が、6:4〜4:6である請求項5記載の耐火性建
    造物構成パネル。
  10. 【請求項10】 樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び/又
    はゴム物質、リン化合物及び金属炭酸塩を含有し、更
    に、含水無機物及び/又はカルシウム塩を含むものであ
    って、前記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量
    部に対して、前記リン化合物、前記金属炭酸塩並びに前
    記含水無機物及び/又はカルシウム塩の合計量を50〜
    900重量部、前記金属炭酸塩100重量部に対して、
    前記含水無機物及び/又はカルシウム塩の合計量を1〜
    70重量部配合してなり、前記リン化合物に対する前記
    金属炭酸塩並びに前記含水無機物及び/又はカルシウム
    塩の合計量との重量比(金属炭酸塩並びに含水無機物及
    び/又はカルシウム塩の合計量:リン化合物)が、6:
    4〜4:6である請求項5記載の耐火性建造物構成パネ
    ル。
  11. 【請求項11】 樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び/又
    はゴム物質、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒
    鉛、含水無機物及び金属炭酸塩を含有するものであっ
    て、前記熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部
    に対して、前記リン化合物及び前記中和処理された熱膨
    張性黒鉛の合計量を20〜300重量部、前記金属炭酸
    塩を10〜500重量部、及び、前記含水無機物を10
    〜500重量部配合してなり、前記中和処理された熱膨
    張性黒鉛と前記リン化合物との重量比(中和処理された
    熱膨張性黒鉛/リン化合物)が、0.01〜9である請
    求項5記載の耐火性建造物構成パネル。
  12. 【請求項12】 耐火膨張シート(B)は、25℃での
    初期のかさ密度が0.8〜2.0g/cm3 であって、
    かつ、500℃で1時間加熱したときのかさ密度が0.
    05〜0.5g/cm3 である請求項1、2、3、4、
    5、6、7、8、9、10又は11記載の耐火性建造物
    構成パネル。
  13. 【請求項13】 耐火膨張シート(B)の初期厚みは、
    0.5〜40mmである請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9、10、11又は12記載の耐火性建造
    物構成パネル。
  14. 【請求項14】 耐火膨張シート(B)は、粘着性を有
    するものである請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12又は13記載の耐火性建造物
    構成パネル。
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