JPH11505565A - スライム制御剤としてのマンナナーゼの使用 - Google Patents

スライム制御剤としてのマンナナーゼの使用

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JPH11505565A JP8534558A JP53455896A JPH11505565A JP H11505565 A JPH11505565 A JP H11505565A JP 8534558 A JP8534558 A JP 8534558A JP 53455896 A JP53455896 A JP 53455896A JP H11505565 A JPH11505565 A JP H11505565A
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ファン・ペー,クリスティン・ローラ・イグナティウス
ファン・スペイブルーク,ミシェル・エム・ペー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、所望によりカルボヒドラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、グリコプロテアーゼからなる群からの少なくとも1つの酵素と組み合わせて、少なくとも1つのマンナナーゼを含む、表面の生物皮膜を防止および/または除去するための組成物、ならびに、表面の生物皮膜を防止および/または除去するための該組成物の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 スライム制御剤としてのマンナナーゼの使用 本発明は、少なくとも1つのマンナナーゼを、所望によりカルボヒドラーゼ、 プロテアーゼ、リパーゼ、グリコプロテアーゼからなる群からの少なくとも1つ の酵素と組み合わせて含有する表面の生物皮膜の防止および/または除去のため の組成物(抗生物皮膜組成物)、ならびに、表面の生物皮膜の防止および/また は除去のための該組成物の使用に関する。 固体表面への微生物の付着は、流体系においては普通のことである。一般に、 この現象は生物付着と呼ばれる。付着生物皮膜の堆積は、(1)大量の流体から表 面への物質の輸送およびその後の付着、(2)生物皮膜内での微生物の代謝、(3)皮 膜表面での流体の剪断応力、(4)表面物質および粗雑性、(5)付着制御方法、が関 与する過程の結果である。 異なる工業過程における生物皮膜形成に関連する問題は、エネルギー損失、材 料品質低下および過程の効率低下である。エネルギー損失は、海運業および流体 分配系における動力消費の増加ならびに冷却塔における熱交換能力の低下を意味 する。固体表面に隣接する生物皮膜層によって引き起こされる材料品質低下は、 腐食および腐敗を意味する。過程の効率低下は、水処理、パルプおよび紙工業な らびに水質データ収集において見られる。 また、生物付着は健康管理にも関係している。これらは、例えば、歯苔の形成 、疾患を引き起こす真核組織への微生物細胞の付着、飲料水の品質、生物皮膜か ら工業用水系への病原生物の放出である。工業用プロセス水または運転水系(例 えば、冷却水系または紙工場の開放もしくは閉鎖水循環系など)は、微生物増殖 に適した条件を供し、その結果として、水保持系の表面に生物皮膜として知られ るスライムを形成させる。特に冷却水系の場合には、これらの生物皮膜堆積は、 熱交換の低下、パイプライン接続部の損傷および系内の腐食を導きうる。このよ うにして過程制御に悪影響が出ることがあり、これが上記工業過程の効率を低下 さ せ、生成物の品質を損なうことがある。これに加えて、生物皮膜またはスライム の堆積は、より高いエネルギー消費を導くのが普通である。生物皮膜形成の増加 によって最も影響を受けるのは、パルプ、紙、板および織物の製造などの工業過 程である。例えば抄紙機の場合、かなり大量の水が、「白水系」と呼ばれる回路 系中を再循環している(一次または二次回路、即ち、白水IまたはII)。分散した パルプを含有するこの白水は、微生物増殖のための理想的な培養培地を構成する 。 工業用の水保持系とは別に、生物皮膜形成は、他の環境における表面において も、例えば健康管理における限外濾過および透析膜においても起こりうる。本発 明の範囲内で酵素組成物を、生物皮膜形成が起こる任意の系において、スライム を防止および除去するために利用することができる。 生物皮膜またはスライムは、細菌、特にグラム陰性細菌、例えばシュードモナ ス(Pseudomonas)、アシネトバクター(Acinetobacter)およびエーロバクター(Aer obacter)に加えて、フラボバクテリウム(Flavobacterium)、デスルホビブリオ(D esulfovibrio)、エシェリキア(Escherichia)、スフェロチルス(Sphaerotilus)、 エンテロバクター(Enterobacter)およびサルシナ(Sarcina)によって形成される 。グラム陰性細菌の細胞壁構造は、スライム形成に特に寄与する因子である。こ の細胞壁は、タンパク質、リポポリサッカリドおよびリポタンパク質からなる外 部膜に加えてアミノ酸およびアセチルアミノ糖からなるペプチドグリカンから構 成される。対照的に、グラム陽性細菌、例えばバシルス(Bacillus)の細胞壁は、 大部分がテイコン酸(teichonic acid)とペプチドグリカンから構成される。 さらに生物皮膜は、真菌および酵母、例えばプルラリア・プルランス(Pullula ria pullulans)、アルテルナリア(Alternaria)種、レンジテス(Lenzytes)、レン チヌス(Lentinus)、ポリポルス(Polyporus)、フォメス(Fomes)、ステリウム(Ste rium)、アスペルギルス(Aspergillus)、フサリウム(Fusarium)、ペニシリウム(P enicillium)、カンジダ(Candida)、サッカロミセス(Saccharomyces)およびバシ ドマイセテス(Basidomycetes)によっても形成される。 生物皮膜は種々の微生物を含むことができる。生物皮膜内に、グラム陰性およ びグラム陽性細菌、真菌ならびに藻類(冷却塔に光を用いるとき)の種を見い出 すことができる。生物皮膜の成長は、不活性表面における有機分子(即ち、脂質 、タンパク質、糖)の濃縮によって開始される。次いで、この層への微生物の引 き付けおよびその後のエキソポリマーによる付着が起こる。次いで、この付着し た微生物は、独立した微小コロニーを形成する。しばらく後に、さらに多くのコ ロニーが互いに成長したときに、真の生物皮膜が形成される。この生物皮膜は、 定常状態に達するまで厚くなる。流体から既存の生物皮膜への微生物の引き付け は、生物皮膜から流動流体への微生物の剪断によって相殺される。 生物皮膜の厚みは、基質濃度に応じて増加する。厚い生物皮膜内の一部の領域 は栄養物を消費し尽くし、その結果として弱い構造になる。これらの弱い点が分 離して、生物マトリックス中に穴を創製する。その後のこれら穴上の流れの作用 がより多くの物質を分離することができ、薄い生物皮膜が残る。生物皮膜がより 厚くなるにつれて、表面近くに嫌気性領域が現れる。この領域において、微生物 は表面を破壊することができる。 一般に、生物皮膜中の微生物は、多量のグリコカリックスと呼ばれる細胞外バ イオポリマーに囲まれている。このグリコカリックスは、「グラム陽性細菌のペ プチドグリカン層の表面またはグラム陰性細菌の外側膜の表面に対して遠位の細 菌表面構造を含むあらゆるポリサッカリド」と定義される。このグリコカリック スは、細胞壁において規則的に配列した糖タンパク質(S-層と呼ばれる)から、 または細胞表面において繊維状ポリサッカリドマトリックス(カプセル)からなる ことができ、溶媒中に部分的に流出することもある。このカプセルを高度に組織 化することができる。ときには、微生物を取巻くポリサッカリドカプセルが細胞 表面に共有結合していないことが観察される。次いで、細胞をペレット化すると 、上清中にグリコカリックスが残る。 グリコカリックスに囲まれた微小コロニーは、両方の娘細胞が同じグリコカリ ックス内に捕捉されるように細胞複製が起こることによって生成する。グリコカ リックスバイオポリマーの分子間結合は、二価陽イオンによって影響を受ける。 EDTAによるこれら陽イオンのキレート形成は、生物皮膜を分離させるのに有 効である。 何人かの研究者が、現在既知の細菌グリコカリックスの機能について全般的な 結論を得ている。グリコカリックスは、 (1)固体表面への、または他の原核もしくは真核細胞への細胞の接着において 、および (2)培地からの有機栄養物の捕捉において、 機能を有しており、 (3)カプセルを十分かつ高度に組織化して粒子を排除し、微生物を環境から保 護することができる。このグリコカリックスを、抗生物質、抗体、バクテリオフ ァージに対する第1の防御壁と考えることができる。 生物皮膜が微生物物質単独からなることはめったにない。無機物、例えばCa CO3、アルミナ、シリカ、鉄、マグネシウム、銅がスライムの一部となること が多い。紙粉砕機においては、多数の物質、例えば繊維、充填剤、ピッチ、ロジ ンサイズ剤などが皮膜中に含まれうる。 細菌スライムの堆積は殺生物剤によって効果的に制御することができるが、こ れら殺生物剤の効果は、運転水中の微生物を死滅させ、こうしてスライム生成を 防止することに基づいている。しかし、生物皮膜生成細菌は、浮遊細菌よりも毒 性物質に対してはるかに耐性が高い。従って、極めて高濃度の殺生物剤が生物皮 膜の除去のために必要になる。この理由は、生物皮膜細胞の成長が遅く、代謝の 活発性が低いため、ならびに、これら細胞がグリコカリックス(これは、毒性物 質を固定化するイオン交換樹脂として作用するだけでなく、疎水性/親水性の障 壁としても作用する)によって保護され、殺生物剤が細胞に到達するのを妨げる ためである。さらに、殺生物剤は、環境に対する多くの懸念を提起し、その毒性 のゆえに取扱い時に大きな問題が生じる。このため、生物皮膜を排除する別の方 法が過去において求められており、酵素が特に注目されていた。 生物皮膜マトリックスは異質の組成を持ちうるが、このマトリックスは主とし てポリサッカリドから構築される。従って、スライム除去の分野での研究は、特 にポリサッカリダーゼ(カルボヒドラーゼ)の研究に集中していた。酵素、特に カルボヒドラーゼを用いてグリコカリックスを分解すること、こうして工業用の 水系においてスライム形成を防止すること、または生物皮膜を除去することは、 当分野では周知である。 工業的なスライムまたは生物皮膜の組成に関する異なる見方にそれぞれ基づい て、上記目的に対していくつかの方法が既に示唆されている。 第1の方法は、スライム中に分泌されたポリサッカリドに対しては活性ではな いが、細胞壁中のポリサッカリドに対して活性である分解酵素を用いるものであ る。即ち、これらの酵素は細胞壁を破壊し、細菌を死滅させる。例えば、DE 37 41 583には、細胞壁中の1,3-グルコース結合に対して分解酵素活性を有するプ ロテアーゼとグルカナーゼからなる混合物の使用が開示されている。しかし、細 菌細胞を保護するスライム層が、それら酵素の細胞壁への到達を妨げることがあ る。 第2の方法は、工業的なスライムが、1種類の細菌種によって産生される単一 のポリサッカリド型からなると考えるものである。例えば、US 3,824,184および US 3,773,623には、多種多様の細菌によって産生され、レバンを分解するレバン ヒドロラーゼの使用が開示されている。しかし、レバンは、スクロースにより増 殖する細菌によって産生されるにすぎない。紙粉砕機または冷却系に関しては、 スクロースが有意量で存在する可能性は低く、従ってレバンは生物皮膜の重要成 分ではないであろう。 CA 1,274,442およびWO 90/02794は、主としてシュードモナス種によって産生 されるアルギネートを分解する酵素アルギン酸リアーゼの使用を開示している。 さらに、工業的なスライムは、常に、工業的立地に依存して変化しうる異なる微 生物からなる集団によって産生される。それぞれの微生物はそれ自身の典型的な エキソポリサッカリド(EPS)を産生するので、工業的なスライムが単一のポリ サッカリドからなることは決してないであろう。 US 4,055,467には、冷却塔における生物皮膜形成を防止するためのペントサナ ーゼ-ヘキソサナーゼの使用が開示されている。 第3の方法は、多数の異なるヘテロポリサッカリドが工業的スライム中に存在 しているという事実から出発する。これらのポリサッカリドが、主として、非常 に複雑な配列にあるグルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、ラムノ ース、リボース、グルコサミン、ガラクトサミン、マンヌロン酸、ガラクツロン 酸およびグルクロン酸からなることが当分野で周知である[ケンネ(L.Kenne)ら、 「ポリサッカリド」、アスピナル(G.Aspinall)編、Vol.II(1982)、アカデミック ・プレス(Academic Press);サザーランド(I.W.Sutherland)、「原核細胞の表面 炭水化物」中、アカデミック・プレス、ロンドン(1977)、27-96]。さらに、移し い他の糖成分が、比較的少量で存在している。 従って、工業的スライムにある種の効果を有するためには、多数の異なる酵素 活性を組合せるべきと考えられた。しかし、スライムのモノサッカリド組成の知 識は、生物皮膜の除去を成功させる酵素混合物を規定するには十分ではない。上 で述べたモノサッカリドは、多くの異なる方法で結合することができる。例えば 、グルコースは、α-1,2、α-1,3、α-1,4、α-1,6、β-1,2、β-1, 3、β-1,4またはβ-1,6結合することができる。これらのそれぞれに対して 、別の酵素活性を添加してスライムに影響を及ぼすことができる。また、隣接す るモノサッカリドおよびその配列またはそれぞれのサッカリド上の置換基が、あ る種のカルボヒドラーゼの活性にとって非常に重要である。 さらに、単一のカルボヒドラーゼ(EPSのブロックを構成する主サッカリド の1つに対して、多数の可能な活性の1つを有する)あるいは数種類のカルボヒ ドラーゼの混合物であっても、ヘテロポリサッカリドのこの複雑な混合物に対し ては効果を持たないか、または非常に限定された効果しか持たないと予想される のが普通であろう。しかし、やや複雑な混合物がヘテロポリサッカリドの分解に 対して陽性効果を示すことが当分野でわかっている。US 5,071,765およびEP-A-0 388 115は、β-およびα-1,4-結合したグルコースおよび細胞外タンパク質を それぞれ攻撃するセルラーゼ、α-アミラーゼおよびプロテアーゼの混合物の使 用に関する。 US 5,238,572には、ガラクトシダーゼ、ガラクツロニダーゼ、ラムノシダーゼ 、キシロシダーゼ、フコシダーゼ、アラビノシダーゼおよびα-グルコシダーゼ からなる群から選択される酵素の組合せが開示されている。 生物皮膜形成を防止するための第4の方法は、スライム形成の最初の段階、即 ち、細菌の付着を制御することである。EP-A-0 425 017には、微生物がその一部 において、II型エンドグリコシダーゼと反応する結合によって表面に結合されて いることが開示されている。この種類の酵素(エンド-β-N-アセチルグルコサミ ニダーゼ、エンド-α-N-アセチルガラクトサミニダーゼおよびエンド-β-N-ア セチルガラクトシダーゼ)は、糖タンパク質中に見い出される特異的な内部グリ コシド結合を切断することができる。これら酵素の一部が分解性でもあることが 知られている。 生物皮膜除去または生物皮膜防止のために多数の異なる酵素法が当分野で提案 されているが、これらは多数の酵素の組合せを必要とするか、または1種類のみ もしくは数種類の酵素を使用する限り、これらは限定された作用範囲しか持って いなかった。さらに、これらの方法は、スライムの除去または制御は別にして、 水保持系の表面への細菌付着を防止し、付着した細菌の分離にも効果のある組成 物を提供することができなかった。 従って、本発明の課題は、広い作用範囲を有する酵素または酵素組成物を提供 することである。好ましくは、この組成物は、細菌の付着を防止し、かつ、系の 表面に既に付着している細菌を分離しうるものであるべきである。特に、1種類 の酵素のみまたは非常に少ない種類の酵素の単純な混合物をそれぞれ含有する製 剤を提供すべきである。この組成物はどのような殺生物剤をも含有しないのが有 利である。この酵素または酵素群は、当技術分野で既知の酵素または酵素混合物 よりも少ない量の酵素の使用を可能にする活性を有しているべきである。 即ち、本発明の目的は、通常の殺生物剤の欠点を回避するが、それらの効果を 達成するかまたは越える、水保持系の表面の生物皮膜を除去するためおよびスラ イム形成を避けるための組成物または方法を利用可能にすることである。 本発明によれば、この課題は、少なくとも1つのマンナナーゼを含有する組成 物(抗生物皮膜組成物)により解決される。 本発明の範囲内で、単一のマンナナーゼを利用するか、または別法によれば、 このマンナナーゼは数種類のマンナナーゼを含む組成物の形態にある。 本発明によれば、驚くべきことに、少なくとも1つのマンナナーゼを含有する 組成物が広い活性を持ち、異なる種類の多数の微生物に対して活性であることが 見い出された。 特にこの酵素組成物は、単一のマンナナーゼ、もっとも好ましくは、1,4− β−D−マンナン−マンノヒドロラーゼを含有する。これは、例えばノボ・ノル ディスク(Novo Nordisk)によって提供されているガマナーゼ(GamanaseR)のよ うな、マンナン、ガラクトマンナン、およびグルコマンナン中のβ(1,4)結 合をランダムに加水分解する。 本発明の範囲では、「マンナナーゼ」はマンノヒドロラーゼに関する。これに は、マンナンマンノヒドロラーゼ(すなわち、エンドマンナナーゼ)ならびにマ ンノシドマンノヒドロラーゼ(すなわち、エキソマンナナーゼ)が含まれる。こ の用語は、さらにα、β、1,2、1,3、1,4、1,6、L、Dのような全ての可能な特 異性を含むマンノヒドロラーゼを包含する。これは、少なくとも1つのマンノー ス糖残基が関与する結合において全てのマンノース含有ポリサッカリドを開裂す る本発明の目的に対してマンナナーゼが有用であることを意味する(例えば、EC 3.2.1.24、EC 3.2.1.25 など)。この例は、ガマナーゼ、ガラクトマンナナー ゼおよびプリマルコ(Primalco)マンナナーゼであり、これらは全て市販のマン ナナーゼである。 本発明の好ましい態様によれば、少なくとも1つのマンナナーゼ、およびカル ボヒドラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼおよびグリコプロテアーゼからなる群か らの少なくとも1つの酵素を含有する酵素組成物が利用可能になる。 好ましい態様において、酵素組成物は少なくとも4・102マンナナーゼ U/kg 、例えば4・103U/kgを含んでいてよい。好ましくは、組成物中のマンナナーゼ は、少なくとも4・104U/kg、より好ましくは4・105U/kgおよびもっとも好ま しくは4・106U/kgの活性を持つ。 本発明に従い、好ましくはマンナナーゼと組み合わせるカルボヒドラーゼは、 グルカナーゼ、エンドグリコシダーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ 、フコシダーゼ、ラムノシダーゼ、グルコアミラーゼ、レバナーゼなどである。 本発明に従い、好ましくはマンナナーゼと組み合わせるプロテアーゼは、セリ ンプロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、システインプロテアーゼなどである。 本発明に従い、好ましくはマンナナーゼと組み合わせるリパーゼは、カルボキ シル−エステルヒドロラーゼ、アリール−エステルヒドロラーゼ、グリセロール −エステルヒドロラーゼなどである。 本発明に従い、好ましくはマンナナーゼと組み合わせるグリコプロテアーゼは 、エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼD、エンドグリコシダーゼS、 N−グリコシダーゼFおよびエンドグリコシダーゼHであり、これらは全てベー リンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)社によって供給されている。 マンナナーゼを上記の群からの少なくとも1つの別の酵素と組み合せるときに は、好ましくは少なくとも1つのプロテアーゼ、すなわち広範囲のペプチド結合 を加水分解するアルカリプロテアーゼ[例えば、エスペラーゼ(EsperaseR)]を 用いるのが有利である。この組成物中の2つの酵素の比は、1/99〜99/1 (マンナナーゼ/アルカリプロテアーゼ)に変化してよい。 本発明の1つの態様によれば、この組成物はさらに、少なくとも1つの酵素安 定剤、生物分散剤、殺生物剤、および/または界面活性剤を含む。ドイツ特許出 願 44 45 070.2において開示されているような生物皮膜除去特性を有するグリコ ール成分、特にジエチレングリコールまたはプロピレングリコールが、さらに別 の好ましい添加剤である。 さらに、これらの添加剤は、カルボヒドラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、グ リコプロテアーゼからなる群からの少なくとも1つの追加の酵素と組み合わせる ことが可能である。 プロピレングリコール、その他のポリオール、糖、糖アルコールまたはホウ酸 のような安定剤は、微生物分解から酵素を守り、酵素の不可逆的な変性および酸 化を防止する。 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジメチルアンモニウムクロ リドまたはエトキシ−プロポキシブロックポリマーのような生物分散剤は、生物 皮膜、水および/または受容表面の表面エネルギーを変えることにより、微生物 を死滅させずにスライム構築の防止または生物皮膜の除去を助ける。 殺生物剤は、工業水導管に存在する微生物を死滅させる成分である。その例は 以下の通りである:イソチアゾリノン、メチレンビスチオシアネート、ジメチル ジチオカルバメートナトリウム、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリ ド、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチ レンジクロリド]、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、1,3− ブロモ−ニトロ−2−プロパンジオール、ジチオール、過酸(例えば、HOCl 、H22、過酢酸)。 系への殺生物剤の添加を必要とすることなく、水保持系表面の生物皮膜の除去 および/または防止に適する組成物を提供することが本発明の目的であるが、す でに厚いスライム層が表面に存在する場合には、殺生物剤の使用が必要となるこ ともある。この場合、少なくとも1つの殺生物剤と、所望によるカルボヒドラー ゼ、プロテアーゼ、リパーゼおよびグリコプロテアーゼからなる群からの少なく とも1つの別の酵素と、マンナナーゼとの組み合わせが、生物皮膜除去において 非常に効果的であることが示された。しかし、本発明の酵素組成物は、殺生物剤 を含まずに使用するのが好ましく、かつこの効果は、殺生物剤単独の使用と同等 である(即ち、活性は良好であるが、殺生物剤とは対照的に本発明の組成物は無 毒性および生分解性である)。 本発明の範囲内でこの組成物は、少なくとも1つのマンナナーゼ(精製物また は粗製物)を、所望により他の酵素および/または添加剤(酵素安定剤、生物分 散剤、殺生物剤および/または界面活性剤)と組み合わせて、好ましくは適当な 担体物質と共に含有する。 本発明の組成物は、水保持系への添加に適する任意の形態であってよい(例え ば、液体または乾燥の形態)。乾燥状態では、この組成物は粉末または錠剤の形 態であってよく、これを凍結乾燥により調製することができる。 本発明の組成物は、精製酵素を、所望により上に示した成分と組み合わせて含 有するのが好ましいが、この酵素は、粗製の形態で存在することもできる。例え ばマンナナーゼおよびカルボヒドラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、グリコプロ テアーゼからなる群からの少なくとも1つの酵素を発現する微生物からの培養上 清を使用することが可能である。 本発明の1つの態様において、マンナナーゼを含む本組成物を、0.1〜10 00U/L、好ましくは1〜200U/L、および最も好ましくは1〜50U/ Lのマンナナーゼ濃度を与える量で水保持系に添加する。1単位(U)は、30 ℃およびpH7で30分間に、0.2%マンナン溶液の粘度を50%低下させる のに必要な酵素量として定義する。処理しようとする系が上記定義とは異なるp Hおよび温度条件を有するときには、最適の生物皮膜処理を得るために、酵素活 性量を修正する必要があろう。 1,4−β−D−マンナン−マンノヒドロラーゼのようなマンナナーゼおよび アルカリプロテアーゼの組み合わせが好ましく、生物皮膜除去および生物皮膜形 成防止に対して相乗作用が得られる。 所望により他の酵素または添加剤と組合せてマンナナーゼを含む本発明の組成 物は、水保持系の異なる位置に、または単一の位置に添加することができる。マ ンナナーゼを含む組成物をある位置に添加し、別の酵素および/または生物分散 剤、殺生物剤および/または界面活性剤のような追加の添加剤を別のまたは他の 数ヵ所で添加することも可能である。本発明によれば、液体または乾燥形態(上 記を参照)にある上記の単一組成物の添加が最も好ましい。 本発明により驚くべきことに、マンナナーゼ(即ち、単一のカルボヒドラーゼ )を含む組成物を、大量の微生物付着の制御に、さらに水保持系表面の生物皮膜 の除去に対しても使用しうることがわかった。マンノースのホモポリマーに対し て活性であるこの単一のカルボヒドラーゼが、上述のように非常に多くの異なる ヘテロポリサッカリドからなるEPSに対して高い活性を発揮するということは 、全く予想外のことであった。 従って本発明の利点は、特に、生物付着過程のごく初期の妨害が既に起こり、 マンナナーゼが細菌付着を防止するという点にある。対照的に、他のカルボヒド ラーゼは、基質(EPS)が表面付着した細菌により既に形成されている部分か らのみ、その活性を発揮するのが普通である。加えて、マンナナーゼは、水保持 系表面から生物皮膜を除去することができる。 マンナナーゼが細菌の付着を防止するという事実は特に驚くべきことである。 その理由は、微生物付着におけるEPSの役割が、当分野の論文において数名の 著者により疑問視されているからである。この背景においては、カルボヒドラー ゼは付着過程それ自体には影響を持たないと予想すべきであった。 本発明によればさらに驚くべきことに、スライム除去および生物皮膜形成の防 止に関する相乗効果がマンナナーゼとプロテアーゼを組み合わせることによって 達成されることがわかった。 本発明の組成物は、あらゆる水保持系(即ち、生物皮膜を産生する微生物を含 む開放または閉鎖系の工業用プロセス水系)における生物皮膜除去およびスライ ム防止に適している。本発明の組成物の使用は、紙工場における開放または閉鎖 水回路、特に白水保持回路、または冷却回路に特に適している。さらに、工業用 冷却水塔、水貯蔵タンク、水分配系、パルプおよび紙粉砕水ならびに限外濾過お よび透析膜および健康管理における生物皮膜除去に適している。 以下に実施例を挙げて本発明を説明する。 実施例1 ガマナーゼ(GamanaseR)1.5Lのマンナナーゼ活性の測定 1単位(U)を、pH7および30℃で30分間に、0.2%マンナン溶液の粘 度を50%低下させるのに必要な酵素量と定義する。温度、pH、イオン強度お よび塩組成が以下の実施例の条件から外れた条件下においては、同量の酵素の活 性は、上記定義の標準条件のもとで測定した活性とは異なることもある。 以下は、可能なマンナン供給源である(これら実施例は、本発明を限定するこ となく説明するものである): ・コンニャク・グルコマンナン(Konjac glucomannan) ・イナゴ豆ガム(Locust Bean gum) ・グアールガム(Guar gum) ・キサンタンガム ・シュードモナス・ディミニュータ(Pseudomonas diminuta)NCTC 8545株 からのLPS ・ロドトルーラ・グルチニス(Rhodotorula glutinis)の細胞外マンナン ・パン酵母マンナン 具体的にイナゴ豆ガムの場合において、検定は以下のように行った。 イナゴ豆ガムの保存溶液を、トリス緩衝液(50mM、pH7)中で調製した。検 定における基質濃度は、2000ppmであった。酵素保存溶液を、安定化緩衝液( 1/100のCaCl252.5gおよび1.21g/Lのトリス、pH7)中で調製し た。酵素保存溶液(1ml)を基質(9ml)に添加した。 それぞれの酵素保存溶液の一部を、15分間の煮沸により変性させた。検定は 試験管内で行い、30℃で30分間インキュベートした。酵素加水分解を15分 間の煮沸により停止させた。粘度は、ウッベローデ粘度計を用いて30℃で測定 した。粘度低下率(%)を、水の粘度および不活性化酵素を含む試料の粘度を考慮 に入れて算出した。この結果は図1に見ることができる。 実施例2 ガマナーゼ1.5Lによるガラススライドへの微生物付着の防止 付着試験は、フレッチャー(M.Fletcher)[J.Gen.Microbiology 94(1976),400- 404]の記載のように行った。結果は表1に見ることができる。 ガマナーゼ1.5L(25ppm)は、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudom onas fluorescens:野外スライム中に存在することが知られている)の付着を、 対照と比べて61%に劇的に低下させる。さらに、プロテアーゼとマンナナーゼ の間の相乗作用を観察することができる。ガマナーゼ(12.5ppm)とエスペラー ゼ(12.5ppm)の組み合わせは、細菌の付着をほぼ完全に防止する。 実施例3 ガマナーゼ1.5Lによる生物皮膜の除去 ステンレススチール部分を有する管を含む生物付着反応器に、紙粉砕機スライ ム試料から単離した問題となる生物であるシュードモナス・フルオレッセンスお よびCDC A−5サブグループBを接種した。生物付着反応器の操作条件は表 2に見ることができる。70時間の運転時間の後、十分量の生物皮膜がステンレ ススチール部分内に形成された。これらの部分を系から取出し、外側を滅菌PB Sですすぎ、この切片を大きなペトリ皿に付着させた。一定濃度の酵素配合物を 含む滅菌PBSを加えた。各酵素濃度に対して、熱不活性化した対照が存在した 。ペトリ皿を40℃および50rpmで3または24時間の間インキュベートした 。インキュベートの後、各部分をすすぎ、乾燥し、そして、活性酵素で処理した 部分上の生物皮膜の重量を不活性化対照で処理したものと比較した。これら実験 の1つの結果を表3に示す。これらは、比較的低濃度の酵素のみが陽性の結果を 与えることを示した。これは、ガラススライドを用いた付着検定においても見ら れた。25ppmのガマナーゼは、生物皮膜の25%を除去した。 実施例4 「スポット試験」:固体培地上でのEPS産生に対するガマナーゼ 1.5Lの効果 この実験に対して、紙粉砕機スライムから単離した次の異なる細菌を用いた: クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)血清型67、シュードモ ナス・パウシモビリス(Pseudomonas paucimobilis)およびCDC A−5サブグ ループB。これらの菌株を固体培地に接種し、EPS産生を刺激する。穴を寒天 中に開け、そこに酵素を加えた。表4は、試験した異なる市販酵素の全体を示す ものである。 1組の実験に対しては、細菌の増殖前に酵素を添加した。穴周辺の透明領域は 、寒天中への酵素の拡散によるEPS形成阻害を示す。このことは、ガマナーゼ 1.5L(酵素10)を使用したときには、3種の細菌株全てについてこの通りで あっ た。結果を表5にまとめる。 第2の組に対しては、細菌を増殖させ、かつEPSを産生させた後に、酵素を 穴に添加した。穴周辺の透明領域の出現は、酵素によるEPSの分解を示す。こ のことは、ガマナーゼ1.5Lを用いたときには、ここでも3種の細菌全てにつ いてこの通りであったが、シュードモナス・パウシモビリスに対してはその程度 がより大きかった。結果を表6に示す。 上記実験は、マンナナーゼがEPSの防止および分解(即ち、水保持系表面の 細菌付着防止および生物皮膜除去)の両方に適することを示す。加えて、他の酵 素を越えるマンナナーゼの優れた効果を示す。 実施例5 市販配合物ガマナーゼ1.5Lの殺生物活性の評価 この試験の目的は、陽性の阻害および除去の結果が、この酵素配合物中に含ま れる保存剤または分解酵素活性によるものではなかったかどうかを調べることで あった。 接種物として、±107CFU/mlのシュードモナス・フルオレッセンス(CF U/mlは、1mlあたりのコロニー形成単位を意味する)を用いた。この接種物は 、この生物の一晩培養物を8000rpmおよび4℃で5分間遠心することによっ て調製した。ペレットをリン酸緩衝食塩水で2回洗浄し、再懸濁し、必要な細胞 密度まで希釈した。添加した酵素配合物の濃度は100〜12.5rpmの範囲であ った。また、それぞれの酵素濃度に対して、熱不活性化対照を試験した。インキ ュベートは40℃およびpH7で2時間であった(リン酸緩衝食塩水)。t=0、 1および2時間のときに試料を採取した。この結果を表7に示す。酵素の殺生物 活性をこれから結論づけることはできない。 実施例6 野外スライム試料から単離したEPSの酵素加水分解およびHPL C−PAD(パルス電流滴定検知を伴う高速イオン交換クロマトグラフィー)によ る分析 EPSを、アセトン沈殿を用いて野外スライム試料から単離した。このEPS を、異なる市販酵素を用いて加水分解した。加水分解混合物をHPLC−PAD で分析し、EPSおよび酵素のブランクと比較した。EPSから遊離したモノサ ッカリドの濃度を算出した。クロマトグラムのオリゴサッカリド領域に出現した ピ ークを面積で表す。結果は表8に見ることができる。他の酵素と比較すると、1 ,4−β−D−マンナン−マンノヒドロラーゼは、EPSの加水分解において極 めて良好な結果を与える。 実施例7 1.付着検定 ガマナーゼ[ノボ・ノルディスク(Novo Nordisk)]および精製ガラクトマンナナ ーゼ[フルカ・ケミカルズ(Fluka Chemicals)]を、細菌の例としてシュードモナ ス・プチダ(Pseudomonas putida)を用いる付着検定において評価した。 2.マンナナーゼ処理による生物付着の阻害 マンナナーゼの存在下または非存在下に生物皮膜を形成させた。生物皮膜の重 量を、時間の関数として測定した。結果を表2に示す。マンナナーゼのモデルと して、プリマルコ・リミテッド,バイオテック(Primalco Ltd.,Biotec)から入 手できるプリマルコ(Primalco)マンナナーゼM−100を用いた。マンナナーゼ 処理は、生物皮膜形成の75%阻害を与えた。 3.別のスポット試験 a)マンナナーゼの適用後に観察される細菌層における透明領域が本明細書の 表5に示した細菌に限定されるか否かを評価するために、ガマナーゼ1.5Lを 一連の別の細菌株上にスポットした。 紙粉砕機スライムから単離した細菌を用いて、透明領域が観察された(表9を 参照)。観察される効果が、細菌株の小さな選択に限定されないことは明白であ る。表10をも参照。 b)多数の細菌において透明領域を創製する能力について、2つのマンナナー ゼを比較した(表10を参照)。ほとんどの細菌において、マンナナーゼの存在は 透明領域を生じた。一部の場合において、2つのマンナナーゼの間に差異が観察 されるが、これらは相補的な挙動を示す。 表および図の簡単な説明 表1:ガラススライドへのシュードモナス・フルオレッセンスの付着に対する ガンマナーゼ1.5Lおよびエスペラーゼの効果 表2:生物付着試験ユニットの操作条件 表3:ガマナーゼ1.5Lを用いた生物皮膜の除去実験 表4:「スポット試験」において評価した市販酵素の活性 表5:市販酵素によるEPS形成の阻害 表6:EPSに対する市販酵素の分解活性 表7:ガマナーゼ1.5Lを用いた死滅試験 表8:紙粉砕機スライムから単離したEPSからのモノサッカリドの遊離(H PLCで検出) 表9:ガマナーゼ1.5Lを用いたスポット試験 表10:多数のランダムに選択した細菌に対する2つの異なるマンナナーゼの透 明領域効果 図1:ガラクトマンナナーゼによるイナゴ豆ガムの粘度低下 図2:マンナナーゼ処理による生物付着の阻害
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年7月14日 【補正内容】 請求の範囲 1.少なくとも1つのマンナナーゼを含み、ニゲラナーゼ、α-マンナナーゼ およびプルラナーゼを含まないことを特徴とする、表面の生物皮膜を防止および /または除去するための組成物。 2.少なくとも1,4-β-D-マンナン-マンノヒドロラーゼを含むことを特徴 とする請求項1に記載の組成物。 3.プロテアーゼ、リパーゼおよびグリコプロテアーゼからなる群から選択さ れる少なくとも1つの酵素をさらに含むこと特徴とする請求項1または2に記載 の組成物。 4.少なくとも1つのプロテアーゼを含むことを特徴とする請求項3に記載の 組成物。 5.プロテアーゼがアルカリプロテアーゼであることを特徴とする請求項4に 記載の組成物。 6.少なくとも1つのマンナナーゼ、ならびに、プロテアーゼ、リパーゼおよ びグリコプロテアーゼからなる群から選択される少なくとも1つの別の酵素を含 むことを特徴とする、表面の生物皮膜を防止および/または除去するための組成 物。 7.少なくとも1つのプロテアーゼを含むことを特徴とする請求項6に記載の 組成物。 8.プロテアーゼがアルカリプロテアーゼであることを特徴とする請求項7に 記載の組成物。 9.少なくとも1つの酵素安定剤、生物分散剤、殺生物剤および/または界面 活性剤を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。 10.液体形態にあることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の組成物 。 11.乾燥形態にあることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の組成物 。 12.水保持系表面の生物皮膜を防止および/または除去するための、請求項1 〜11のいずれかに記載の組成物の使用。 13.水保持系が開放または閉鎖の工業用プロセス水系であることを特徴とする 請求項12に記載の使用。 14.工業用プロセス水系が紙工場における開放または閉鎖の水回路であること を特徴とする請求項13に記載の使用。 15.表面が限外濾過または透析膜であることを特徴とする請求項12に記載の使 用。 16.組成物を、0.1〜1000単位/Lのマンナナーゼ濃度を与える量で水 に添加することを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載の使用。 17.組成物を、1〜200単位/Lのマンナナーゼ濃度を与える量で水に添加 することを特徴とする請求項16に記載の使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ファン・スペイブルーク,ミシェル・エ ム・ペー ベルギー、ベー−9000ヘント、ラボストラ ート38番 (72)発明者 ファン・プール,ヨーゼフ ベルギー、ベー−2140ボルゲルホウト、ヘ ルムストラート141/2番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.少なくとも1つのマンナナーゼを含むことを特徴とする、表面の生物皮膜 を防止および/または除去するための組成物。 2.1,4-β-D-マンナン-マンノヒドロラーゼを含むことを特徴とする請求 項1に記載の組成物。 3.カルボヒドラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼおよびグリコプロテアーゼか らなる群から選択される少なくとも1つの酵素をさらに含むこと特徴とする請求 項1または2に記載の組成物。 4.少なくとも1つのプロテアーゼを含むことを特徴とする請求項3に記載の 組成物。 5.プロテアーゼがアルカリプロテアーゼであることを特徴とする請求項4に 記載の組成物。 6.少なくとも1つの酵素安定剤、生物分散剤、殺生物剤および/または界面 活性剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。 7.液体形態にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の組成物 。 8.乾燥形態にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の組成物 。 9.水保持系表面の生物皮膜を防止および/または除去するための、請求項1 〜8のいずれかに記載の組成物の使用。 10.水保持系が開放または閉鎖の工業用プロセス水系であることを特徴とする 請求項9に記載の使用。 11.工業用プロセス水系が紙工場における開放または閉鎖の水回路であること を特徴とする請求項10に記載の使用。 12.表面が限外濾過または透析膜であることを特徴とする請求項9に記載の使 用。 13.組成物を、0.1〜1000単位/Lのマンナナーゼ濃度を与える量で水 に添加することを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の使用。 14.組成物を、1〜200単位/Lのマンナナーゼ濃度を与える量で水に添加 することを特徴とする請求項13に記載の使用。
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