JPH11503913A - 流出ポンプ阻害剤 - Google Patents

流出ポンプ阻害剤

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JPH11503913A
JPH11503913A JP8531950A JP53195096A JPH11503913A JP H11503913 A JPH11503913 A JP H11503913A JP 8531950 A JP8531950 A JP 8531950A JP 53195096 A JP53195096 A JP 53195096A JP H11503913 A JPH11503913 A JP H11503913A
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JP8531950A
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English (en)
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チャンバーランド,スザンヌ
ヘッカー,スコット・ジェイ
リー,ヴィン・ジェイ
トライアス,ジョアキム
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マイクロサイド・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 抗生物質を輸出するものを含めた微生物流出ポンプの阻害剤についてスクリーニングする方法を提供する。該スクリーニング方法は、細菌細胞を流出ポンプ阻害剤と接触させた場合の、抗生物質または色素などの化合物の細胞内濃度の増加に基づく。更に、本発明は、このような流出ポンプ阻害剤を含有する薬剤組成物およびそれらの組成物を用いて微生物感染を治療する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 流出ポンプ阻害剤発明の分野 本発明は、抗微生物剤の分野並びに潜在的抗微生物剤の同定および特性決定の 方法に関する。更に詳しくは、本発明は、作用様式が細胞流出ポンプおよび流出 ポンプの調節に関与している抗微生物剤に関する。背景 次の背景材料は、審査中の請求の範囲に対する先行技術であるとは認められな いが、読者の理解を助けるためだけに与えられる。 抗生物質は、この半世紀の間、感染性疾患の治療における有効な手段となって いる。抗生物質療法が開発されてから1980年代の終りまでに、開発された国 々の細菌感染に関してはほぼ完全に抑制された。耐性細菌の出現は、特に、19 80年代終りと1990年代初めの間に、この状況を変化させている。抗生物質 耐性菌株の増加は、大部分の病院および医療施設において特に一般的になってき ている。耐性菌株の増加の結果として、より高い罹病率および死亡率、より長い 入院、並びに治療費の増加がある(B.マレイ(Murray),1994年, New Engl.J.Med.330:1229−1230)。 病院環境での抗生物質の絶え間ない使用は、多数の抗生物質に対して耐性であ る細菌集団を選択してきた。これら集団には、極めて毒性ではないかもしれない が、多数の抗生物質に対して本質的に耐性である日和見病原体が含まれる。この ような細菌は、しばしば、衰弱したまたは免疫無防備状態の患者に感染する。発 生した耐性集団にはまた、抗生物質に対して従来感受性であった周知の病原体で ある細菌種の菌株が含まれる。新たに獲得された耐性は、概して、DNA突然変 異によるかまたは別の微生物から伝達された耐性プラスミド(Rプラスミド)若 しくは耐性付与トランスポゾンによる。自然耐性日和見病原体かまたは抗生物質 耐性病原性細菌のどちらの種類の細菌集団による感染も、現行の抗生物質で治療 するのは難しい。耐性の機序を乗り越えることができる新規抗生物質分子が必要 とされる。 細菌は、抗生物質の作用を克服するためにいくつか異なった機序を発現させて きた。これらの耐性機序は、抗生物質の分子若しくは系列に特異的でありうるし 、または非特異的で且つ無関係の抗生物質に対する耐性に関与しうる。いくつか の耐性機序が、一つの細菌株に存在することができ、そしてそれらの機序は、独 立して作用しうるしまたはそれらは相乗的に作用して、抗生物質または抗生物質 組合わせの作用を克服しうる。特異的機序としては、薬物の分解、酵素修飾によ る薬物の失活および薬物標的の改変がある(B.G.スプラット(Spratt ),Science 264:388(1994))。しかしながら、薬物耐性 のより一般的な機序が存在し、そこにおいて、抗生物質の標的への接近は、抗生 物質の細胞中への輸送を減少させることによって、または細胞から外部培養基へ の薬物の流出を増加させることによって妨げられるかまたは減少する。両機序と も、標的部位での薬物濃度を低下させることができるし、そして他の状況では細 菌細胞を阻害するまたは死滅させると考えられる1種類またはそれ以上の抗生物 質の存在下で細菌を生存可能にすることができる。いくつかの細菌は、両方の機 序を利用して、細胞壁(膜を含む)の低い透過性と抗生物質の活発な流出とを組 合わせている(H.ニカイドー(Nikaido),Science 264: 382−388(1994)))。 いくつかの場合、低い透過性による抗生物質耐性は、細菌膜構造に関係してい る。概して、細菌は、細胞質を囲む膜の構造に基づいて二つの主要な群に分ける ことができる。グラム陽性(G+)細菌は、1種類の膜、細胞膜を有する。これ に対して、グラム陰性(G−)細菌は、2種類の膜、細胞膜および外膜を有する 。これら細菌膜は、タンパク質を含む脂質二重層であり、他の分子と結合しうる 。細菌膜の透過性は、抗生物質に対する感受性/耐性に影響を与える。これは、 細胞膜の外側リーフレットから接近しうる抗生物質の分子標的は少しはあり、例 えば、ペニシリン結合タンパク質があるが、抗生物質の主な標的は細胞質中また は細胞膜の内側リーフレット中にあるためである。したがって、細胞膜中に標的 を有する抗生物質については、グラム陰性細菌の場合、その抗生物質は、最初に 外膜を越える必要があるであろう。細胞質中の標的のためには、抗生物質は、グ ラム陽性細菌において細胞膜を、そしてグラム陰性細菌において外膜および細胞 膜 両方を越える必要があるであろう。両方の膜について、抗生物質は、膜を介して 拡散できるしまたは膜輸送系を用いて越えることができる。 グラム陰性細菌について、外膜の脂質組成は、有意の透過障壁を構成している 。この外膜の外層は、脂質、すなわち、グラム陰性細菌の外膜でしか見出されな いリポ多糖(LPS)を含有する。外膜の脂質層は、準結晶様式で高度に系統化 され且つ極めて低い流動性を有する。外膜の脂質層の低い流動性のために、親油 性抗生物質でさえ、脂質層を介して急速に拡散しないであろう。これは実験的に 示されており、疎水性プローブ分子は、LPSの疎水性部分中に不完全に配分さ れ、そして(細胞膜二重層のような)通常のリン脂質二重層を介する速度の約5 0分の1または100分の1で外膜二重層を越えて透過することが示された。 いくつかの抗生物質は、水で満たされたポーリンチャンネルを介してまたは特 異的輸送系を介して透過しうる。しかしながら、ポーリンチャンネルの多くは、 より大きい抗生物質分子を能率よく拡散させない細い直径チャンネルしか与えな い。更に、多くのポーリンチャンネルは極めて親水性環境であり、そこで、疎水 性分子を能率よく通過させない。したがって、外膜は、小分子のモレキュラーシ ーブとして作用する。これは、部分的に、グラム陰性細菌が、概してグラム陽性 細菌よりも抗生物質に対して感受性が低い理由、およびグラム陰性細菌が、概し て、外膜を越えることができないグリコペプチドなどの大形抗生物質に対してよ り耐性である理由を説明する。 細胞膜はまた、いくつかの抗生物質の拡散障壁を与える。しかしながら、細胞 膜の脂質層の流動性は、グラム陰性細菌の外膜のそれよりも高いので、若干の親 油性を示す薬物は、脂質層を介して透過することができるあろう。親油性環境に おいて極めて低い溶解性を有する、ホスホノマイシンまたはD−シクロセリンな どの他の薬物は、輸送系を用いることによって細胞膜を越えるであろう。この場 合、輸送系が合成されないとしても、細菌は薬剤に対して耐性になるであろう( ペイツ(Peitz)ら,1967年,Biochem.J.6:2561)。 ポーリンの数を減少させることによるかまたはある種のポーリン種の数を減少 させることによる外膜の透過性の減少は、細胞中への抗生物質の低下した侵入速 度のために、広範囲の抗生物質に対する菌株の感受性を低下させることができる 。 る。しかしながら、大部分の抗生物質については、半平衡時間は充分に短く、別 の機序が存在しなければ、抗生物質はその作用を発揮しえない。流出ポンプは、 このような他の機序の一例である。細胞質または周辺細胞質中に一度入った後、 薬物は外部培養基へと戻って輸送されることがある。この輸送は、タンパク質か ら構成される流出ポンプによって媒介される。種々のポンプは、キノロン系を輸 送するNorA系またはテトラサイクリン系を輸送するTetAなどの薬物また は薬物群を特異的に流出できるし、またはそれらは、緑膿菌(Pseudomonas aer uginosa)のある種の流出ポンプのように、いろいろな分子を流出できる。概し て、流出ポンプは細胞質成分を有し、そして分子を細胞内から輸送するのにエネ ルギーを必要とする。いくつかの流出ポンプは、周辺細胞質中に広がる第二細胞 膜タンパク質を有する。緑膿菌の少なくともいくつかの流出ポンプは、外膜中に 位置した第三タンパク質を有する。 流出ポンプは、いくつかの場合、細胞にうまく入る抗生物質分子のかなりの部 分を除去し、それによって極めて低い細胞内抗生物質濃度を維持できるので、そ れらは抗生物質耐性に関与している。例示すると、測定可能な量の流出ポンプを 全く生産しない緑膿菌の実験室由来突然変異菌株799/61は、テトラサイク リンおよびシプロフロキサシンに対して、流出ポンプを合成する親菌株緑膿菌7 99よりも8〜10倍感受性である。更に、緑膿菌流出ポンプの細胞質成分であ るmexAのヌル突然変異体は、抗生物質に対して野生型よりも感受性である。 流出ポンプの生理学的役割は、まだ明確に定義されていない。それらは薬物耐 性に関与しているが、それらは細菌細胞の正常な生理にも関与している。緑膿菌 のmexAオペロン中にコードされた流出ポンプは、培養基の鉄含量によって調 節されることが示されており、それは、シデロホアの受容体の合成と一緒に同時 調節される。シデロホアは、動物の感染の際など、鉄飢餓条件下での細菌成長に 必要とされる分子である。それらは、細胞質中で合成され、そして細菌細胞が鉄 を必要とする時に輸出される。シデロホアは、感染した動物中の鉄を掃去し、そ してその鉄を、必須の微生物過程で用いられるように微生物に戻す。人体を含め た動物体内には本質的に遊離鉄が存在しないので、細菌に感染することによるシ デロホアの生産は、感染の進行に関する重要な毒性因子である。 比較的高い透過性の細胞エンベロープで通常囲まれている微生物でさえ、その エンベロープの透過性を低下させることによって耐性を発現することができる。 薬剤が主として特異的チャンネルを介して障壁を越えて拡散する場合、そのチャ ンネルの突然変異による減少は、耐性に有効な機序でありうる。「非古典的」β −ラクタム化合物イミペネムは、緑膿菌に対して例外的活性を示すが、それは、 主として、この薬剤が、特異的チャンネルOprDを介して拡散するためであり 、その生理的機能は、塩基性アミノ酸の輸送機能であると考えられる。しかしな がら、緑膿菌は、oprDチャンネルを単純に失うことによってイミペネムに対 して耐性になり得たし、そして現在、病院環境から単離された緑膿菌株の大部分 は、この修飾の結果として耐性である。同様に、外膜を介する輸送中に鉄キレー ト化化合物(シデロホア)を模倣するように設計されたβ−ラクタム化合物は、 これらシデロホアの特異的輸送に欠陥がある突然変異体を選択することが知られ ている。 要約すると、上の考察は、細菌細胞中への抗生物質の輸送(能動および受動輸 送両方)に影響を与える細胞性因子が、多数の細菌種の抗生物質耐性の重要な成 分であるということを示している。概要 本発明は、細菌または他の微生物の細胞流出ポンプを阻害する化合物である流 出ポンプ阻害剤を同定するための、化合物のスクリーニング方法を提供する。こ のような流出ポンプは、細胞質から基質分子をエネルギー依存様式で輸出し、そ して輸出された基質分子は、抗細菌剤を含むことができる。このような流出ポン プ阻害剤は、例えば、同時投与された抗微生物剤の輸出を減少させることによっ て、または微生物(例えば、細菌)によって合成されてそれらの成長を可能にす るまたは向上させる化合物の輸出を妨げることによって、微生物感染を治療する のに有用である。このような化合物の輸出を減少させる例は、シデロホアの輸出 を減少させることによって微生物の鉄利用可能性を阻害することである。したが って、本発明は、更に、このような流出ポンプ阻害剤を含む組成物およびそれら 組成物を用いて微生物感染を治療する方法を提供する。その結果、本発明は、抗 微生物剤に対して耐性である多数の病原性微生物に適当である治療方法を開示す する。このような微生物の特に適当な例は、病原性細菌種、緑膿菌であり、これ は、一般的に用いられる抗細菌剤の多くに対して本質的に耐性である。流出ポン プ阻害剤に対するこれらの細菌の暴露は、細胞内部からの抗細菌剤の輸出または シデロホアの輸出をかなり遅くすることができる。したがって、別の抗細菌剤を 流出ポンプ阻害剤と一緒に投与する場合、輸出過程によってほかの状況では極め て低い細胞内濃度で維持されると考えられるその抗細菌剤は、細菌細胞の成長を 阻害する濃度まで蓄積できる。この成長阻害は、用いられた具体的な抗細菌剤に 応じて、静菌かまたは殺細菌活性のためでありうる。緑膿菌は適当な細菌の一例 であるが、他の細菌および微生物種も、種々の抗微生物剤を活発に輸出する同様 の幅広い基質ポンプを有することがあり、したがって、適当な標的でもありうる 。更に、上で示唆されたように、いくつかの細菌種について、流出ポンプ阻害剤 は例えば、病原性に重要な因子の輸送を阻害することによってその細菌の毒性を 低下させることができる。例として緑膿菌を再度用いると、この細菌での流出ポ ンプの阻害は、鉄の取込みを阻害し、それは病原性にとって重要である。細菌の 鉄輸送機序は、シデロホアと称される分子を必要とし、それらは細菌細胞により 合成され且つ流出ポンプを介して輸出される。これらシデロホアは、宿主から掃 去された鉄に対して強固に結合した後、細菌によって取込まれる。この方式で、 細菌代謝に必要な鉄が得られ、そして感染が維持されうる。 したがって、流出ポンプ阻害剤の有用性を例示すると、緑膿菌の流出ポンプを 阻害することは、次の生物学的作用の一つまたはそれ以上を得ることを可能にす る。 1. 緑膿菌株は、シュードモナス感染の治療に用いることができなかった抗 生物質に対して感受性になるか、またはシュードモナスの成長を阻害する抗生物 質に対して一層感受性になるであろう。 2. 緑膿菌株は、シュードモナス感染の治療に現在用いられている抗生物質 に対して一層感受性になるであろう。 3. 緑膿菌の毒性は、鉄の利用可能性が妨げられるので、弱毒化されるであ ろう。 4. ポンプの成分の一つの阻害が致死的でありうる。 これらの作用の内一つでも得ることは、この細菌による感染のための可能な治療 的処置を提供する。更に、前述のように、同様のポンプが他の微生物で見出され る。上の作用のいくつかまたは全部は、それらの微生物でも得ることができ、し たがって、それらもまた、流出ポンプ阻害剤を検出するまたは用いるのに適当な 標的である。このように、「微生物」という用語には、例えば、細菌、真菌、酵 母および原生動物が含まれる。 したがって、第一の態様において、本発明は、非テトラサイクリン特異的流出 ポンプ阻害剤のスクリーニング方法を提供する。該方法は、非テトラサイクリン 特異的流出ポンプを生産する細菌が、該細菌中の非テトラサイクリン特異的流出 ポンプによって通常流出する抗細菌剤の非ゼロ準阻害(subinhibitory)濃度の 存在下で成長する場合のそれらの成長を確認することを含む。流出ポンプは、阻 害されない場合、抗細菌剤の細胞内濃度を低レベルで維持するので、その抗細菌 剤は細胞を阻害しない。しかしながら、抗細菌剤の輸出を有意に遅らせるまたは 停止する化合物も存在する場合、その薬剤は、細胞中により高い濃度まで蓄積し うるので、その抗細菌剤は、より高い細胞内濃度で細胞の成長を阻害できる。 いくつかの好ましい実施態様において、流出ポンプの成分は、緑膿菌mexA /mexB/oprM流出ポンプまたは緑膿菌株K385によって過発現される 流出ポンプまたは緑膿菌株PAO4098Eによって過発現される流出ポンプの 一部分であるポリペプチドと少なくとも50%のアミノ酸配列類似性を有する。 流出ポンプの成分ポリペプチドの記載された配列類似性により、このような流出 ポンプを、緑膿菌型流出ポンプと称する。このようなポンプは、1種類またはそ れ以上の非テトラサイクリン化合物を流出させるであろうが(しかし、テトラサ イクリンも流出させることができる)、それには、例えば、他の種類の抗微生物 剤および毒性因子が含まれうる。特に好ましい実施態様において、流出ポンプは 緑膿菌流出ポンプであり、これは緑膿菌において自然に見出される流出ポンプで ある。いくつかのこのような緑膿菌流出ポンプを上で示した。更に、特に好まし い実施態様において、細菌は緑膿菌、例えば、菌株K385または菌株PAO4 098Eである。 更に、いくつかの好ましい実施態様において、細菌は、緑膿菌、シュードモナ ス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・アシドボ ランス(Pseudomonas acidovorans)、シュードモナス・アルカリジェネス(P seudomonas alcaligenes)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) 、ストレノトロホモナス・マルトフィリア(Strenotrophomonas maltophilia) 、バーコールデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、アエロモナス・ヒ ドロフィリア(Aeromonas hydrophilia)、大腸菌(Escherichia coli)、シ トロバクター・フロインディイ(Citrobacter freundii)、ネズミチフス菌( Salmonella typhimurium)、腸チフス菌(Salmonella typhi)、パラチフス菌 (Salmonella paratyphi)、腸炎菌(Salmonella enteritidis)、志賀赤痢菌(Sh igella dysenteriae)、フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)、ゾンネ赤 痢菌(Shigella sonnei)、エンテロバクター・クロアケエ(Enterobacter cl oacae)、エンテロバクター・アエロジェネス(Enterobacter aerogenes)、肺炎 杆菌(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella ox ytoca)、霊菌(Serratia marcescens)、野兎病菌(Francisella tularensis )、モルガネラ・モルガニイ(Morganella morganii)、プロテウス・ミラビリ ス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、プ ロビデンシア・アルカリファシエンス(Providencia alcalifaciens)、プロビデ ンシア・レットゲリ(Providencia rettgeri)、プロビデンシア・スツアルテ ィイ(Providencia stuartii)、アシネトバクター・カルコアセティクス(Ac inetobacter calcoaceticus)、アシネトバクター・ヘモリティクス(Acinetoba cter haemolyticus)、エルジニア・エンテロコリティカ(Yersinia enterocoliti ca)、ペスト菌(Yersinia pestis)、偽結核エルジニア菌(Yersinia pseudot uberculosis)、エルジニア・インターメディア(Yersinia intermedia)、百 日咳菌(Bordetella pertussis)、パラ百日咳菌(Bordetella parapertussis )、気管支敗血症菌(Bordetella bronchiseptica)、インフルエンザ菌(Haemop hilus influenzae)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、 ヘモフィルス・ヘモリティクス(Haemophilus haemolyticus)、ヘモフィルス ・パラヘモリティクス(Haemophilus parahaemolyticus)、デュクレー菌(Haemo philus ducreyi)、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)、パス ツレラ・ヘモリティカ(Pasteurella haemolytica)、カタル球菌(Branhamel la haemolytica)、カタル球菌(Branhamella catarrhalis)、ヘリコバクター・ ピロリ(Helicobacter pylori)、カンピロバクター・フィータス(Campyloba cter fetus)、カンピロバクター・ジジュニ(Campylobacter jejuni)、カン ピロバクター・コリ(Campylobacter coli)、ボレリア・バーグドルフェリ(B orrelia burgdorferi)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、ビブリオ・パラヘモリテ イクス(Vibrio parahaemolyticus)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionell a pneumophila)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、淋菌(Neisser ia gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、ガードネレラ・バ ジナリス(Gardnerella vaginalis)、バクテロイデス・フラジリス(Bactero ides fragilis)、バクテロイデス・ディスタソニス(Bacteroides distasonis) 、バクテロイデス属(Bacteroides)3452A同族群、バクテロイデス・ブルガ トゥス(Bacteroides vulgatus)、バクテロイデス・オバルス(Bacteroides ovalus)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaom icron)、バクテロイデス・ユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、バク テロイデス・エガーチイ(Bacteroides eggerthii)、バクテロイデス・スプラ ンクニクス(Bacteroides splanchnicus)、クロストリジウム・ディフィシル (Clostridium difficile)、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis) 、鳥型結核菌(Mycobacterium avium)、ミコバクテリウム・イントラセルレア (Mycobacterium intracellulare)、らい菌(Mycobacterium leprae)、ジフ テリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、コリネバクテリウム・ウルセラン ス(Corynebacterium ulcerans)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae )、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)、化 膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、エンテロコッカス・フェカリス(En terococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faeci um)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphyl ococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・サプロフィティクス(Staphylo coccus saprophyticus)、スタフィロコッカス・インターメディウス(Staphyl ococcus intermedius)、スタフィロコッカス・ハイイクス(Staphylococcus h yicus)亜種ハイイクス、スタフィロコッカス・ヘモリティクス(Staphylococc us haemolyticus)、スタフィロコッカス・ホミニス (Staphylococcus hominis)、スタフィロコッカス・サッカロリティクス(St aphylococcus saccharolyticus)のいずれかのような他の細菌種に由来する。 「流出ポンプ」という用語は、細胞の細胞質または周辺細胞質から基質分子を エネルギー依存様式で輸出するタンパク質集合を意味する。したがって、流出ポ ンプは、典型的に、細胞の細胞膜中に(細胞膜の範囲にわたって)位置している であろう。グラム陰性細菌において、ポンプは周辺腔の範囲にわたることができ 、外膜の範囲にわたる流出ポンプの部分も存在しうる。いくつかの流出ポンプに は、緑膿菌mexA/mexB/oprM流出ポンプまたは緑膿菌株K385に よって過発現される流出ポンプまたは緑膿菌株PAO4098Eによって過発現 される流出ポンプの一部分であるポリペプチドと少なくとも50%のアミノ酸配 列類似性を有するポリペプチドが含まれるであろう。流出ポンプの成分ポリペプ チドの記載された配列類似性により、このような流出ポンプを、緑膿菌型流出ポ ンプと称する。 「非テトラサイクリン特異的流出ポンプ」という用語は、(他の抗生物質に相 対して)テトラサイクリンに極めて特異的ではなく、したがって、テトラサイク リン(テトラサイクリン特異的)流出ポンプではない流出ポンプを意味する。し たがって、その用語には、(いろいろな構造特性を有する多数の化合物を流出さ せる)幅広い基質ポンプ、およびテトラサイクリン系以外の(抗生物質を含めた )化合物に極めて特異的であるポンプが含まれる。テトラサイクリン流出ポンプ は、細菌のテトラサイクリンに対する特異的耐性に関与している。(スピア(S peer)ら,1992年,Clin.Microbiol.Rev.5:38 7−399。)言及されたように、これらポンプは、テトラサイクリン系に極め て特異的であり、そしてそれらの存在は、細胞に対して高いテトラサイクリン耐 性を与える。しかしながら、それらは、他の抗生物質に対する耐性を与えない。 テトラサイクリンポンプ成分に関する遺伝子は、グラム陰性細菌でもグラム陽性 細菌でもプラスミド中で見出され、二つの主要な群、tetA(A〜E)並びに tetKおよびtetLに分けることができる。tetA〜Eテトラサイクリン 耐性決定基は、テトラサイクリン特異的ポンプである構造遺伝子tetA、およ びテトラサイクリン系に対する誘導性の耐性を媒介するリプレッサー遺伝子te tR Rを有する。この群に属するテトラサイクリン流出ポンプは、tetA(A)、 tetA(B)、tetA(D)およびtetA(E)と称され、腸内細菌科( Enterobacteriaceae)および他のグラム陰性細菌で見出される。TetKおよ びTetLは、グラム陽性細菌でのテトラサイクリン耐性に関係したポンプであ る。その遺伝子は、翻訳減衰によって調節され且つtetA群と相同ではない。 「スクリーニング方法」という用語の使用は、その方法が、多数の化合物の作 用を、しばしば同時に評価するのに適当であることを示す。本発明において、こ のようなスクリーニングは、流出ポンプを阻害する化合物の能力を確認すること に関する。この場合、「スクリーニング」は、ある方法が1種類または数種類だ けの化合物を評価するのに適している検査とは区別される。 「流出ポンプ阻害剤」は、流出ポンプの正常な基質または抗生物質などの他の 化合物を輸出するその能力を特異的に妨げる化合物である。該阻害剤は、それ自 体の固有の抗微生物(例えば、抗細菌)活性を有していてよいが、適切な活性の 少なくとも有意の部分は、流出ポンプ阻害活性に基づく。本発明において特に興 味深いのは、抗微生物剤を含む幅広い基質範囲を有する流出ポンプの輸出または 活性を阻害する化合物である。「非テトラサイクリン特異的流出ポンプ阻害剤」 という用語は、非テトラサイクリン特異的流出ポンプを阻害する流出ポンプ阻害 剤を意味する。「緑膿菌型流出ポンプ阻害剤」という用語は、緑膿菌型流出ポン プを阻害する流出ポンプ阻害剤を意味する。「緑膿菌流出ポンプ阻害剤」は、緑 膿菌で見出される流出ポンプの輸出活性を阻害する流出ポンプ阻害剤である。 「潜在的」流出ポンプ阻害剤は、流出ポンプ阻害剤としての活性について検査 されるまたはされている化合物を意味し、したがって、「試験化合物」または「 推定上の流出ポンプ阻害剤」である。 細菌または他の微生物の成長に関して本明細書中で用いられるように、「成長」 または「成長する」という用語は、主として、微生物の繁殖、すなわち、寸法の 増加よりもむしろ数の増加を示す。したがって、この用語は、単細胞にも、1種 類またはそれ以上の種類の細胞の集団にも適用しうる。しかしながら、これらの 用語はまた、成長中の1種類または複数の細胞が、進行中の代謝過程を維持して いて、単に細胞***などの繁殖周期中にあるのではないことを意味する。これら の用語は、しかしながら、いくつかの真菌のような多核型の微生物の、存在する 核の数の付随的増加に伴う寸法の増加にも当てはまる。 細菌の(同様に、他の微生物の)細胞成長の場合、「阻害」という用語は、細 菌集団の成長速度が低下することを意味する。このような阻害は、例えば、阻害 剤の存在下若しくは不存在下での液体培地の濁り度の差によって、または阻害剤 の存在下若しくは不存在下での固形培地上の培養物のプラーク寸法の差によって 監視することができる。 細菌での特異的流出ポンプの存在に関して、「過剰生産する」という用語は、 その細菌種の大部分の天然に存在する(通常、非病院変種)単離物で見出される よりもかなり多数の特異的流出ポンプを有するその細菌での存在を意味する。そ の用語は、単に、流出ポンプの多数の成分ポリペプチドの生産を意味するのでは なく、むしろ、細胞の膜中の多数の機能性流出ポンプの存在を意味する。結果と して、流出ポンプを過剰生産する細胞は、流出ポンプを過剰生産しないその細菌 株よりも能率よく基質分子を輸出するであろう。 流出ポンプを過剰生産する細菌株は、したがって、「野生型菌株」とは対照的 である。野生型菌株は、その細菌種の天然の単離物に典型的な量で特異的流出ポ ンプを生産する。しかしながら、更に重要なことに、野生型菌株は、特異的流出 ポンプを過剰生産する関連菌株よりもかなり低い量でその特異的流出ポンプを生 産する。 本明細書中で用いられるように、「抗細菌剤」という用語は、細菌の成長を特 異的に阻害する化合物を意味する。更に一般的に、「抗微生物剤」という用語は 、微生物の成長を特異的に阻害する化合物を意味し、したがって、この用語の説 明は、他の微生物および抗微生物剤にも当てはまる。したがって、その用語には 、天然に存在する抗生物質、並びに合成および半合成化合物が含まれる。このよ うな薬剤は、殺細菌かまたは静菌活性を有することができる。概して、抗細菌剤 が静菌性である場合、それは、その薬剤が細菌の細胞成長を本質的に止める(し かし、細菌を死滅させない)ことを意味し;その薬剤が殺細菌性である場合、そ れは、その薬剤が細菌細胞を死滅させる(しかも、細菌を死滅させる前に成長を 止めることができる)ことを意味する。しかしながら、その用語は、細胞に対し て 概して毒性である化合物から具体的に区別される。抗細菌剤の種類のいくつかの 例は、キノロン系(ジャイレース阻害剤)、アミノグリコシド系、グリコペプチ ド系、スルホンアミド系、マクロライド系、β−ラクタム系およびテトラサイク リン系である。本発明の流出ポンプ阻害剤は、単独で用いられる場合、抗微生物 (例えば、抗細菌)剤でありうるし、および/またはそれらは、別の抗微生物剤 の活性を強化する(他の抗微生物剤に対する微生物の感受性を増加させる)こと ができ、および/またはそれらは、病原体の毒性を低下させることができる。 抗細菌剤の「準阻害濃度」は、ゼロより大であるが、その特定の細菌株の細菌 集団の大部分の細胞を阻害すると考えられる濃度未満の濃度である。(他の微生 物についても同様。)したがって、極めて感受性の細胞の亜集団は阻害されうる が、大部分の細胞の成長は、影響を受けないかまたは部分的にしか低下しないの で、その特定の細菌の集団の成長は、準阻害濃度の特異的抗細菌剤の存在下の適 当な培地中で、好ましくは50%未満、更に好ましくは30%未満、そしてなお 更に好ましくは10%未満まで低下するはずである。しかしながら、下記の実施 例1および3のスクリーニング方法において、準阻害濃度は、流出ポンプの阻害 が成長の阻害および抗細菌剤の失活の誘導をそれぞれ引き起こすことができるよ うに充分に高くなければならない。概して、抗細菌剤(または抗微生物剤)の準 阻害濃度は、最小阻害濃度(MIC)未満の濃度である。 「含む」により、「含む」という語に続くもの全てを包含するが、それに限定 されないことを意味する。したがって、「含む」という用語の使用は、挙げられ た要素は必要とされるまたは必須であること、しかし他の要素は任意であり、存 在してよいしまたはしなくてよいことを示す。「から成る」により、「から成る 」という句に続くもの全てを包含し、しかもそれに限定されることを意味する。 したがって、「から成る」という句は、挙げられた要素は必要とされるまたは必 須であること、および他の要素は存在しなくてよいことを示す。「から本質的に 成る」により、その句の後に挙げられた要素を全て包含し、そして挙げられた要 素の開示で明記された他の活性または作用の妨げにならないかまたはその一因で はない他の要素に限定されることを意味する。したがって、「から本質的に成る 」という句は、挙げられた要素は必要とされるまたは必須であること、しかし他 の 要素は任意であり、それらが挙げられた要素の活性または作用に影響を与えるか 否かに応じて、存在してよいしまたはしなくてよいことを示す。 もう一つの態様において、本発明は、非テトラサイクリン特異的流出ポンプ阻 害剤のスクリーニング方法を提供する。この方法においては、非テトラサイクリ ン特異的流出ポンプを発現する細菌を、試験化合物および第二化合物の存在下の 適当な培地中で培養する。該方法は、第二化合物(抗微生物剤など)の細胞内濃 度が、試験化合物の存在下で上昇するかどうか確認することを含む。第二化合物 は、そのポンプで通常輸出されるものである。第二化合物の細胞内濃度が上昇す るかどうかの確認は、第二化合物の高細胞内濃度によって誘導性の調節配列(プ ロモーター)と転写的に結合されるリポーター遺伝子の発現を検出することを含 む。第二化合物は、細菌にとって準阻害性であり、しかもその化合物を輸出する ポンプが阻害されなければ、リポーター遺伝子の発現を誘導するのに低過ぎる細 胞内濃度をもたらす非ゼロ濃度で培地中に存在する。試験化合物は、リポーター の発現が、その試験化合物の存在下においてその不存在下よりも高い場合、流出 ポンプ阻害剤である。第二化合物は、好ましくは、必然的ではないが、抗細菌剤 である。いくつかの実施態様において、それは、リポーター遺伝子が非必須遺伝 子などの単コピー中に染色体挿入される場合に有用である。 好ましい実施態様において、第二化合物は抗細菌剤である。特定の実施態様に おいて、組換え細菌は、第一の態様について上に挙げられたものを含めた多数の 種のいずれかに由来しうる。 いくつかの好ましい実施態様において、誘導性調節配列からのリポーター遺伝 子の発現は、高濃度のテトラサイクリンによって誘導できる。それらの実施態様 において、調節配列は、tetA調節配列(tetA(A)など)であることが でき、TetRリプレッサー分子を結合できるオペレーター部位を含有するであ ろう。細菌はまた、そのリプレッサーを発現するであろう。テトラサイクリンの 不存在下において(またはテトラサイクリンを極めて低濃度で用いると)、リプ レッサーはオペレーターに対して結合するであろうし、そしてリポーターは発現 されないであろう。したがって、テトラサイクリンが、非テトラサイクリン特異 的流出ポンプを発現する細菌と一緒に培地中に準阻害濃度で存在する場合、テト ラサイクリンの細胞内濃度は、リポーター遺伝子が発現されない(または極めて 低量で発現される)ように充分低い濃度で維持される。流出ポンプの活性を阻害 する化合物(試験化合物)が存在する場合、テトラサイクリンの細胞内濃度は上 昇して、オペレーターからTetTが放出されるであろうし、そしてリポーター は発現されるであろう。リポーター遺伝子および調節配列は、好ましくは、必然 的ではないが、細菌染色体中に単コピーで挿入される。概して、遺伝子は、非必 須遺伝子中に挿入されると考えられる。 特定の実施態様において、流出ポンプは、緑膿菌流出ポンプ、例えば、mex A/mexB/oprM流出ポンプまたは緑膿菌株K385によって過発現され る流出ポンプである。他の特定の実施態様において、流出ポンプは、緑膿菌型流 出ポンプである。具体的な実施態様において、リポーター遺伝子は、β−ガラク トシダーゼ遺伝子、またはいくつかは当業者に周知である容易に検出可能な発現 産物を有する他の遺伝子のように、酵素をコードする。同様に、具体的な実施態 様において、用いられる細胞は緑膿菌株であってよいが、他の実施態様は、具体 的には上の第一の態様で挙げられた細菌を含めた他の細胞を用いてよい。 更に、特定の実施態様において、リポーター遺伝子は、酵素、例えば、β−ガ ラクトシダーゼをコードし;いくつか適当なリポーターが当業者に知られている 。いくつかの場合、リポーターは、比色分析報告を与えることができるが、他の 報告もまた有用である。比色分析報告は、吸光かまたは発光でありうる。したが って、比色分析報告には、独特の吸光特性を有する分子(着色分子)の検出また は発光分子(例えば、蛍光分子)の検出が含まれうる。 抗微生物剤に対して暴露された(細菌を含めた)微生物について、抗微生物剤 の「細胞内濃度」は、細胞の最外膜内部の薬剤濃度である。大部分の微生物種に ついて、その膜は細胞膜であるが、グラム陰性細菌については、周辺腔の薬剤濃 度が有意の細胞内濃度でありうる(例えば、β−ラクタム系について)。グラム 陰性細菌について、抗細菌剤の適切な細胞内濃度は、その抗細菌剤の主標的に対 して接近させる細胞空間での濃度である。 「組換え微生物」という用語は、その微生物において従来見出されなかったD NA構築物または配列を人為的に挿入された、またはその微生物の細胞または染 色体中の異なった位置に挿入された微生物株を意味する。その用語は、天然に存 在する微生物間の接合のような自然の遺伝子交換を含まない。その用語には、具 体的に、組換え細菌が含まれる。大部分の目的のために、挿入されたDNA配列 は安定な挿入であるべきであることが好ましく、すなわち、その配列は、成長が 起こるにつれて一貫して複製され且つ子孫微生物に対して伝達されるべきである 。このような子孫もまた、本明細書中で用いられる「組換え体」である。 遺伝子の「発現」という用語は、ポリペプチド産物を生産する転写および翻訳 の細胞過程を意味する。この場合、その用語は、更に、発現産物が、その特異的 リポーターに適当な手段によって容易に検出可能であるという意味で機能性であ るということを意味する。したがって、酵素リポーターについて、生産物は正常 な酵素活性を示す。 「高濃度」という用語は、細胞内濃度を意味し、化合物、概して抗細菌剤が、 別の化合物、概して試験化合物または流出ポンプ阻害剤の不存在下よりも高い濃 度であることを示す。したがって、スクリーニング方法の説明において、抗細菌 剤の高細胞内濃度は、試験化合物または既知の流出ポンプ阻害剤の不存在下で存 在する濃度よりも高い濃度である。この高濃度は、培地中に存在する濃度より低 くてよいし、これと同じであってよいし、またはより高くてよい。 「単コピー」という用語は、その用語が意味するヌクレオチド配列が、それぞ れの染色体セット中において一つのコピーだけに存在することを示す。これは、 そこでの配列は単一細胞中に1より大のいろいろな数で存在すると考えられ、多 コピープラスミド中のヌクレオチド配列の存在から特異的に区別される。 更に、細胞中に挿入されたヌクレオチド配列に関して、「染色体挿入される」 という用語は、その配列が問題の細胞の染色体に挿入され且つ共有結合している ことを示す。これは、その配列が、染色体の残部と一緒に、正常な細胞複製過程 で複製されるであろうことを意味する。更に、これは、細胞染色体と無関係の細 胞内のプラスミド中に存在するヌクレオチド配列を有することから特異的に区別 される。 「リポーター遺伝子」は、容易に検出できる生産物をコードするヌクレオチド 配列である。いくつかのこのようなリポーターは、生産物の酵素活性によって検 出される酵素である。具体的な例は、β−ガラクトシダーゼ遺伝子である。しか しながら、多数の他のリポーター遺伝子が存在し且つ当業者に知られている。 「調節配列」は、関連したコーディング配列が発現される時によび濃度を制御 するヌクレオチド配列である。遺伝子の発現の場合、「誘導性」は、調節配列か らのコーディング配列の翻訳が、ある種の組の条件の存在下で増加することを意 味する。そこで、抗細菌剤によって誘導性の調節配列の場合には、関連したコー ディグ配列の発現は、抗細菌剤が充分に高濃度まで存在する場合に増加する。こ のような誘導は、具体的には、抑制解除機序を含めた様々な機序によって起こり うるが、そこで、リプレッサー分子は、充分に高い濃度での抗細菌剤の存在によ って失活する。 もう一つの態様において、本発明は、微生物(例えば、細菌)細胞、およびそ の細胞中の流出ポンプ(例えば、非テトラサイクリン特異的流出ポンプ)によっ て輸送される、分光分析手段によって容易に検出可能な色素、発蛍光団または他 の化合物(検出または検出可能化合物)を用いる流出ポンプ阻害剤のスクリーニ ング方法を提供する。その方法は、試験化合物の存在下および不存在下での検出 化合物(例えば、色素または発蛍光団)の細胞内濃度を比較することを含む。検 出化合物の細胞内濃度が、試験化合物の不存在下と比較して、試験化合物の存在 下で増加する場合、これは、試験化合物が特異的流出ポンプ阻害剤であることを 示す。好ましくは、その細胞は流出ポンプを過発現する。 更に好ましくは、色素または発蛍光団の細胞内濃度は直接的に測定されるが、 しかしながら、他の実施態様において、その細胞内濃度は、懸濁培地中の色素ま たは発蛍光団の濃度(細胞外濃度)を測定することによってまたは細胞から抽出 された溶液中の色素または発蛍光団の濃度を測定することによって間接的に決定 される。細胞内色素の直接確認には、いくつかの場合、細胞(例えば、細胞のペ レット中)の色の目視検査によって流出ポンプを定性的に確認することが可能で ある。 多数の種々の色素および発蛍光団が当該技術分野において知られている。これ らには、例えば、ゲンチアンバイオレット、マラカイトグリーン、メチレンブル ー、ベンジルビオローゲン、ブロモチモールブルー、トルイジンブルー、メチレ ンブルー、ローズベンガル、アルシアンブルー、ルテニウムレッド、ファストグ リーン、アニリンブルー、キシレンシアノール、ブロモフェノールブルー、クー マシーブルー、ブロモクレゾールパープル、ブロモクレゾールグリーン、トリパ ンブルーおよびフェノールレッドがある。適当な色素または他の検出化合物は、 当業者に知られている常套法により、特定の色素が、目的の特定の流出ポンプに よってまたは目的の細胞中の流出ポンプによって輸送される(流出する)かどう か確認することによって選択することができる。好ましい実施態様において、色 素はゲンチアンバイオレットまたはマラカイトグリーンである。 もう一つの態様において、本発明は、流出ポンプ阻害剤のスクリーニング方法 であって、組換え微生物細胞を試験化合物と接触させ、そしてその組換え微生物 細胞が試験化合物の存在下で成長するかどうか確認する工程を含む上記方法を提 供する。該組換え微生物は、流出ポンプが阻害された場合に微生物細胞は成長す るが、流出ポンプが阻害されない場合には成長しないように構築される。試験化 合物は、組換え微生物細胞が試験化合物の存在下では成長するが、試験化合物の 不存在下で成長しない場合、流出ポンプ阻害剤である。この方法は、流出ポンプ 阻害剤の正の成長スクリーンである。 特に好ましい実施態様において、本方法は、組換え微生物細胞を、試験化合物 、誘導性剤、および組換え微生物細胞のMICを越える濃度の抗微生物剤と接触 させることを含む。その抗微生物剤は、不活性化因子の誘導の不存在下において 組換え微生物細胞によって流出しないかまたは特異的に不活性化されないし、そ して誘導性剤は、抗微生物剤の不活性化因子をもたらす。更に、特定の実施態様 において、組換え微生物は組換え細菌である。不活性化因子はβ−ラクタマーゼ であることができ、抗細菌剤はそのβ−ラクタマーゼによって開裂可能なβ−ラ クタムでありうる。具体的に、一つの実施態様において、β−ラクタマーゼ遺伝 子は、blaS遺伝子であることができ、β−ラクタムは開裂可能なカルバペネ ムでありうる。blaS遺伝子は同定されており、そして適当な源が、J.デュ フレスン(Dufresne)ら,1988年,Antimicrob.Age nts Chemother.32:819−826 で報告された。更に、特 定の実施態様において、プロモーターはtetAプロモーターであり、そして組 換 え細菌細胞は、そのプロモーターに対して結合するtetR遺伝子から機能性リ プレッサーを生じる。好ましくは、必然的ではないが、そのプロモーターおよび β−ラクタマーゼ遺伝子を、細菌染色体中に単コピーで挿入する。 もう一つの態様において、本発明は、動物の微生物感染、例えば、細菌感染を 治療する方法であって、このような感染を患う動物に対して、流出ポンプ活性を 低下させるのに充分な量の流出ポンプ阻害剤であって、微生物の病原性を低下さ せるものである該阻害剤を投与することによる上記方法を提供する。このような 病原性の低下は、例えば、シデロホアの輸送を阻害することによって細菌の鉄獲 得を妨げることにより得ることができる。病原性はまた、宿主に対して組織損傷 作用を引き起こす微生物生産物を減少させるかまたは除去することによって低下 させることができる。しかしながら、病原性を低下させる他の方法もまた、この 態様の範囲内である。動物は、例えば、ニワトリおよびシチメンチョウであって よく、いくつかの好ましい実施態様においては、哺乳動物である。 いくつかの好ましい実施態様において、微生物感染は細菌によることがあり、 例えば、上の第一の態様で示された細菌種のいずれかでありうる。 関連態様において、本発明は、微生物感染を患う動物を処置する方法であって 該動物に対して、流出ポンプ活性を低下させるのに充分な量の流出ポンプ阻害剤 を投与することによる上記方法を提供する。この態様において、流出ポンプ阻害 剤は、感染に関係した微生物のインビボ生存能力を低下させるものである。イン ビボ生存能力を低下させることにより、感染した動物は、その身体から感染を一 層容易に取除くことができるし、または微生物を死滅させることもできる。特定 の実施態様において、動物は哺乳動物である。更に、特定の実施態様において、 微生物は、具体的には上の第一の態様で挙げられたものを含めた種々の病原性細 菌種からのものに由来しうる。 「インビボ生存能力」という用語は、微生物、例えば、細菌が、動物などの宿 主中で生存するまたは成長する能力を意味する。したがって、微生物のインビボ 生存能力を低下させる流出ポンプ阻害剤は、その微生物の成長を止めることがで きるおよび/または微生物を死滅させることができる。このような流出ポンプ阻 害剤は、したがって、抗微生物剤である。 もう一つの関連態様において、本発明は、哺乳動物の予防的処置方法を包含す る。この方法では、微生物の病原性を低下させる流出ポンプ阻害剤を、微生物感 染、例えば、細菌感染の危険がある哺乳動物に対して投与する。 関連態様において、本発明は、具体的には哺乳動物を含めた動物の微生物感染 を治療する方法であって、このような感染を患う動物を、抗微生物剤およびその 抗微生物剤に対する微生物の感受性を増加させる流出ポンプ阻害剤で処置するこ とによる上記方法を提供する。この方法において、感染に関係した微生物は、よ り少ない量の抗微生物剤を用いて処置することができるし、または流出ポンプ阻 害剤の不存在下で用いられる場合には、治療的に有効でない抗微生物剤で処置す ることができる。したがって、この治療方法は、高投薬量の必要性のために(望 ましくない副作用を引き起こすことがある)または何等かの臨床的に有効な抗微 生物剤の不足のために抗微生物剤を単独で用いて治療するのが難しい微生物株に 関係した感染の治療に特に適している。しかしながら、それはまた、それらの特 定の薬剤の投薬量を減少させる方法として、特定の抗微生物剤に対して感受性で ある微生物に関係した感染を治療するのに適している。これは、副作用の危険を 減らすことができるが、ある特定の抗微生物剤の一貫した高濃度使用から生じる 極めて耐性の微生物についての選択作用を減少させることもできる。特定の実施 態様において、微生物は細菌であり、例えば、上の第一の態様で示された種のい ずれかに由来しうる。更に、特定の実施態様において、種々の抗細菌剤を用いる ことができる。これらには、キノロン系、テトラサイクリン系、グリコペプチド 系、アミノグリコシド系、β−ラクタム系、リファマイシン系、クーメルマイシ ン系、マクロライド系およびクロラムフェニコールが含まれる。特定の実施態様 において、上の種類の抗生物質は、例えば、下記のものでありうる。β−ラクタム系抗生物質 イミペネム、メロペネム、ビアペネム、セファクロール、セファドロキシル、セ ファマンドール、セファトリジン、セファゼドン、セファゾリン、セフィキシム 、セフメノキシム、セフォジジム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォラニ ド、セフォタキシム、セフォチアム、セフピミゾール、セフピラミド、セフポド キシム、セフスロジン、セフタジジム、セフテラム、セフテゾール、セフチブテ ン、 セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフゾナム、セファアセト リル、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロチン、セ ファピリン、セファラジン、セフメタゾール、セフォキシチン、セフォテタン、 アズトレオナム、カルモナム、フロモキセフ、モキサラクタム、アミジノシリン 、アモキシシリン、アムピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、ベンジルペ ニシリン、カルフェシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、メチシリン、 メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ピペラシリン、スル ベニシリン、テモシリン、チカルシリン、セフジトレン、SC004、KY−0 20、セフジニル、セフチブテン、FK−312、S−1090、CP−046 7、BK−218、FK−037、DQ−2556、FK−518、セフォゾプ ラン、ME1228、KP−736、CP−6232、Ro 09−1227、 OPC−20000、LY206763マクロライド系 アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、オレアンドマイシ ン、ロキタマイシン、ロサラマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイ シンキノロン系 アミフロキサシン、シノキサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、フレロ キサシン、フルメキン、ロメフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、 オフロキサシン、レボフロキサシン、オキソリン酸、ペフロキサシン、ロソキサ シン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、スパルフロキサシン、クリナフロ キサシン、PD131628、PD138312、PD140248、Q−35 、AM−1155、NM394、T−3761、ルフロキサシン、OPC−17 116、DU−6859a(サトー(Sato),K.ら,1992年,Ant imicrob.Agents Chemother.37:1491−98 で同定された)、DV−7751a(タナカ(Tanaka),M.ら,199 2年,,Antimicrob.Agents Chemother.37:2 212−18 で同定された)テトラサイクリン系 クロルテトラサイクリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、リメサイク リン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイ クリンアミノグリコシド系 アミカシン、アルベカシン、ブチロシン、ジベカシン、フォーティマイシン、ゲ ンタマイシン、カナマイシン、メオマイシン、ネチルマイシン、リボスタマイシ ン、シソマイシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン 、クリンダマイシン、リンコマイシン もう一つの関連態様において、本発明は、哺乳動物の予防的処置方法を包含す る。この方法では、抗微生物剤および流出ポンプ阻害剤を、微生物感染、例えば 、細菌感染の危険がある哺乳動物に対して投与する。 抗微生物剤に対する細菌などの微生物の反応の場合、「感受性」という用語は 、抗微生物剤の存在に対する微生物の敏感さを意味する。そこで、感受性を増加 させることは、微生物が、その微生物細胞を取囲む培養基中においてより低濃度 の抗微生物剤によって阻害されるであろうということを意味する。これは、微生 物が抗微生物剤に対してより感受性であるということと等しい。大部分の場合、 その抗微生物剤の最小阻害濃度(MIC)は減少していたであろう。 本明細書中で用いられるように、「処置すること」という用語は、予防および /または治療目的で薬剤組成物を投与することを意味する。「予防的処置」とい う用語は、まだ感染していないが、特定の感染に対して感受性である、またはさ もなければその危険がある患者を処置することを意味する。「治療的処置」とい う用語は、既に感染を患う患者に対して処置を与えることを意味する。したがっ て、好ましい実施態様において、処置することは、哺乳動物に対する(治療目的 かまたは予防目的の)、治療的有効量の増強剤および抗細菌(または抗微生物) 剤の組合わせの(同時かまたは逐次的)投与である。 「治療的有効量」または「薬学的有効量」とは、微生物感染を引き起こしたま たはその一因となった微生物細胞の正常な代謝のある程度までの阻害を意味する 治療効果を有する、本発明に関して開示されたような流出ポンプ阻害剤の量また は流出ポンプ阻害剤および抗微生物剤の個々の量を意味する。処置として組合わ せで有用である流出ポンプ阻害剤および抗微生物剤の用量は、治療的有効量であ ある。したがって、本明細書中で用いられるように、治療的有効量は、組合わせ で用いられた場合に、臨床試験結果および/またはモデル動物感染実験によって 判定される望ましい治療効果を生じる流出ポンプ阻害剤および抗微生物剤の量を 意味する。特定の実施態様において、流出ポンプ阻害剤および抗微生物剤は予め 決定された比率で混合されるので、治療的有効量は組合わせの量であると考えら れる。この量並びに流出ポンプ阻害剤および抗微生物剤の個々の量は、当業者が 常套法で決定することができ、関与する特定の微生物株並びに用いられる特定の 流出ポンプ阻害剤および抗微生物剤などのいくつかの因子に応じて変化するであ ろう。この量は、更に、患者の身長、体重、性別、年齢および病歴に依存しうる 。予防的処置のために、治療的有効量は、微生物感染が存在した場合に有効であ ると考えられる量である。 治療効果は、1種類またはそれ以上の感染症状をある程度まで緩和し、感染を 治癒させることを含む。「治癒させること」は、活発な感染症状を取除くことを 意味し、感染に関係した微生物の生存できるものの過剰部分の除去を包含する。 しかしながら、感染のいくつかの長期的または永久的作用は、治癒が得られた後 でも存在しうる(広範囲にわたる組織損傷など)。 「微生物感染」という用語は、病原性微生物による宿主哺乳動物への侵入を意 味する。これには、哺乳動物体内または上に通常存在する微生物の過度の成長が 含まれる。更に一般的に、微生物感染は、1種類または複数の微生物集団の存在 が宿主哺乳動物に対して損害を与えている何等かの状況でありうる。したがって 、哺乳動物は、過剰な数の微生物集団が哺乳動物体内若しくは上に存在する場合 、または1種類若しくは複数の微生物集団の存在の影響が哺乳動物の細胞若しく は他の組織に損害を与えている場合に、微生物感染を「患う」。特に、この説明 は、細菌感染に当てはまる。 「投与」または「投与すること」という用語は、哺乳動物に対して一定用量の 抗微生物薬剤組成物を与える方法を意味し、そこでの方法は、例えば、局所、経 口、静脈内、腹腔内または筋肉内である。好ましい投与方法は、種々の因子、例 えば、薬剤組成物の成分、潜在的または実際の細菌感染部位、関与する微生物、 および実際の微生物感染の重症度に応じて変化しうる。 「哺乳動物」という用語は、その通常の生物学的意味で用いられる。したがっ て、それには、具体的に、ヒト、イヌおよびネコが含まれるが、多数の他の種も 含まれる。 もう一つの態様において、本発明は、更に、細胞膜中の膜チャンネルを阻害す る方法であって、該膜チャンネルを膜チャンネル阻害剤と接触させることを含み 、そこにおいて該阻害剤は、該膜チャンネルの流出容量を低下させる上記方法を 特徴とする。具体的な実施態様において、膜チャンネルの少なくとも一つのポリ ペプチドは、mexA/mexB/oprM流出ポンプまたは緑膿菌株K385 によって過発現される流出ポンプのポリペプチドと少なくとも50%のアミノ酸 配列類似性を有する。 本明細書中で用いられるように、「膜チャンネル」という用語は、1種類また はそれ以上の種類の分子の膜を越えた輸送を可能にする細胞の細胞膜中に位置し たタンパク質集合を意味する。このような輸送は、濃度勾配に反応する受動輸送 でありうるかまたは細胞エネルギー源に依存する能動輸送でありうる。 次に、「膜チャンネル阻害剤」は、流出ポンプ阻害剤と同様、細胞膜を越える 分子の輸送を、該当する膜チネルを用いて遅らせるまたは妨げる化合物である。 本発明は、更に、微生物に対する抗微生物剤の抗微生物活性を増強する方法で あって、このような微生物を、細胞中の流出ポンプに対する非テトラサイクリン 特異的流出ポンプ阻害剤および抗細菌剤と接触させる上記方法を特徴とする。つ まり、この方法は、抗微生物剤と非テトラサイクリン特異的流出ポンプ阻害剤と の組み合わせ細胞を処置した場合に流出ポンプを発現する細胞に対して、抗微生 物剤をより有効にする。特定の実施態様において、微生物は、上の第一の態様で 示されたもののいずれかのような細菌であり、抗細菌剤は、例えば、β−ラクタ ム系、グリコペプチド系、アミノグリコシド系、キノロン系、テトラサイクリン 系、リファマイシン系、クーメルマイシン系、マクロライド系およびクロラムフ ェニコールを含めた抗生物質の多数の構造種類から選択することができる。特定 の実施態様において、上の種類の抗生物質は、上記の通りでありうる。 もう一つの態様において、本発明は、哺乳動物の細菌による感染の治療に有効 な薬剤組成物であって、薬学的に許容しうる担体および流出ポンプ阻害剤を含む 上記薬剤組成物を提供する。このような組成物は、存在する別の抗細菌剤を用い ることなく有効な抗細菌剤である流出ポンプ阻害剤を含むことができる。このよ うな組成物は、感染を治療するのに単独で用いることができる。他の組成物にお いて、流出ポンプ阻害剤は、別の抗細菌剤に対する細菌の感受性を増加させるの で、このような組成物は、このような他の抗細菌剤と組合わせて用いられると考 えられる。本発明は、更に、哺乳動物の感染の治療に同様に有効な薬剤組成物で あって、流出ポンプ阻害剤および抗細菌剤を含む上記薬剤組成物を提供する。同 様に、本発明は、抗細菌剤、流出ポンプ阻害剤および担体を含む抗細菌製剤を提 供する。 いくつかの好ましい実施態様において、流出ポンプ阻害剤は、下記の一般構造 1〜4 (式中、 R=アルキル(C1−C4)、フルオロアルキル(C1−C4)、ペルフルオロア ルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハ ロゲン(Br、Cl、FまたはI)、アリール(C6−C10)、一置換アリール (C6−C10)[場合により、アルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4) 、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)、アミノ、 一置換アミノ[場合により、アルキル(C1−C4)で置換される]、二置換アミ ノ[場合により、アルキル(C1−C4)の任意の組合わせで置換される]または ヒ ドロキシルで置換される]、二置換アリール(C6−C10)[アルキル(C1−C4 )、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、 Cl、FまたはI)およびアミノの任意の組合わせ]、2−(または3−)−チ エニル、2−(または3−)−フラニル、または2−(3−または4−)−ピリ ジルであり、 W=H、NH2、一置換アミノ[場合により、アルキル(C1−C4)で置換さ れる]、二置換アミノ[場合により、アルキル(C1−C4)の任意の組合わせで 置換される]、アザ複素環[N−モルホリニル、N−ピペラジニル、N−ピロリ ジニル、N−イミダゾリル、N−ピロリル、N−ピラゾリル、N−トリアゾリル またはN−テトラゾリルなど]、ハロゲン(Br、Cl、F、I)、ヒドロキシ ル、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)であり、 R1=(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa)NRbc、(CH2 nSNHC=(NRa)NRbc、(CH2nC=(NRa)NRbc、(CH2 nN=CNRbcであり(n=2〜4);Ra(RbまたはRc)=H、アルキル (C1−C4)、アリール(C6)、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル[場 合により、アルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1 −C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノで置換される]、 或いは、Ra+Rb=(CH22-3または−CH=CH−であり、 X=アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換ア リール(C6−C10)[場合により、アルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1− C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)また はアミノで置換される]、置換−(CH20-2アリール(C6−C10)[アルキ ル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲ ン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノでのアリール単位上の置換]、2− (または3−)−チエニル、2−(または3−)−フリル、または2−(3−ま たは4-)−ピリジル、ベンゾフラニル[ベンゾフラン環上の任意の位置に]、 ベンゾチエニル[ベンゾチオフェン環上の任意の位置に]である) の一つで示される構造を有する。不斉中心が存在する場合、絶対的立体化学は、 R配置かまたはS配置であることができ、またはラセミ混合物が存在でき、全て 一般構造の説明の範囲内である。 上の一般的説明の範囲内の化合物は、当該化学技術業者に知られている合成化 学方法によって得ることができる。 「担体」または「賦形剤」は、化合物の投与を容易にするのに、例えば、化合 物の溶解度を増加させるのに用いられる化合物または材料である。固形担体には 、例えば、デンプン、ラクトース、リン酸二カルシウム、スクロースおよびカオ リンがある。液状担体には、例えば、滅菌水、食塩水、緩衝液、非イオン性界面 活性剤、並びにピーナツ油およびゴマ油などの食用油がある。更に、当該技術分 野において一般的に用いられるような各種アジュバントが含まれうる。これらの および他のこのような化合物は、文献中で、例えば、Merck Index, メルク・アンド・カンパニー(Merck & Company),ローウェー ,NJ.で記載されている。薬剤組成物中の各種成分の包含についての考察は、 例えば、ギルマン(Gilman)ら(監修)(1990);Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Bas is of Therapeutics,第8版,ペルガモン・プレス(Per gamon Press)で記載されている。 更にもう一つの態様において、本発明は、非テトラサイクリン特異的流出ポン プを発現する細菌の成長を抑制する方法であって、その細菌を、該細菌のMIC 未満の濃度の抗細菌剤の存在下で非テトラサイクリン特異的流出ポンプ阻害剤と 接触させることによる上記方法を提供する。この方法は、例えば、流出ポンプを 有する細菌による細胞培養物の汚染を妨げるまたは取除くのに有用である。しか しながら、それは、このような成長抑制が望まれるいずれの状況にも当てはまる 。 関連態様において、本発明は、細菌の成長を抑制する方法であって、その細菌 を、流出ポンプの成分の発現を減少させる流出ポンプ阻害剤と接触させることを 含む上記方法を提供する。このような阻害剤は、その発現の調節に対して多数の 種々の方式で作用できる。それは、例えば、流出ポンプ成分の発現を妨げるリプ レッサー分子の生産を促進しうる。もう一つの可能な機序は、その阻害剤がリプ レッサー分子の放出を阻止するかどうかである。このようなリプレッサーの例は 、大腸菌中のMarRである(ソアン(Seoane)およびレビ(Levy) , 大腸菌中のMarRである(ソアン(Seoane)およびレビ(Levy), 1994年,Abstr.of the Am.Soc.for Microb iol.Gen.Meeting,ラス・ベガス,NV,Abstr.H−26 )。正の制御因子の例は、枯草菌(Bacillus subtilis)中のBmrRである( アーメド(Ahmed)ら,1994年,J.Biol.Chem.)。 もう一つの関連態様において、本発明は、細菌株の集団を減少させる方法であ って、該集団を、その集団中の細菌で発現された流出ポンプの成分であってその 流出ポンプを発現する細菌の成長に不可欠である該成分を阻害する流出ポンプ阻 害剤と接触させることを含む上記方法を提供する。特定の実施態様において、そ の成分は細胞膜成分である。上で示されたように、このような流出ポンプ阻害剤 は、限定されるわけではないが、必須成分に対して直接的に作用すること、また はその成分の発現を阻害するように作用することを含めた様々な方式で作用でき る。 「集団を減少させること」という用語は、その集団の細菌を死滅させることを 意味する。これは、細菌が成長し且つ増殖することを妨げる静菌剤から区別され る。したがって、この態様の場合、流出ポンプの「必須成分」は、細菌のインビ ボ生存、すなわち、宿主中での生存に不可欠であるものである。 更にもう一つの態様において、本発明は、動物の成長を促進する方法であって 、該動物中の細菌株で発現された流出ポンプを阻害し且つその細菌株の成長を阻 害する流出ポンプ阻害剤を該動物に対して投与することによる上記方法を提供す る。このような成長促進作用は、細菌による減少したエネルギー消費から生じる ことができ、動物に対して利用可能な食物エネルギーを増加させる。この方法は 、例えば、ウシ、ブタ、並びにニワトリおよびシチメンチョウなどの家禽で用い るのに適している。 本発明の他の特徴および利点は、次の好ましい実施態様の説明からおよび請求 の範囲から明らかであろう。図面の簡単な説明 図1は、流出ポンプの3種類の主要な系への分類を示す。 図2は、緑膿菌流出ポンプ、MexA/MexB/OprMの略図であり、3 種類の成分について予想される空間的関係を示す。この図において、MexBは 細胞膜の範囲にわたり、MexAは周辺腔に架橋し、そしてOprMは外膜の範 囲にわたる。右手の図は、試験化合物が流出を阻害する場合(ポンプの成分を阻 害することによるなど)、通常流出される抗生物質(シプロフロキサシンなど) は、細菌の細胞質中に蓄積するであろうということを示す。 図3は、シプロフロキサシンを輸送する流出ポンプを過発現する細菌株、およ びこのようなポンプを生産しない菌株を用いる、実施例1で記載されたスクリー ン(成長阻害スクリーン)からの予想結果を示す。過剰生産性菌株は、MIC下 濃度のシプロフロキサシンを加えた流出ポンプ阻害剤の存在下において、成長を 示さないであろう。 図4は、実施例2で記載されたリポーター法の概略図である。 図5は、実施例3からの正の成長スクリーンの成分およびそれらの関係を示す 。 図6は、緑膿菌の4種類の菌株でのテトラサイクリンの細胞内蓄積を示す。高 感受性菌株799/61は、最高の内部濃度を示した。 図7は、L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドのイン ビトロ特性決定で用いられた緑膿菌の4種類の菌株の流出ポンプ特性を示す。 図8は、図4で確認された緑膿菌の4種類の菌株それぞれについての、L−フ ェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドと、テトラサイクリンお よびシプロフロキサシンそれぞれとの相乗作用を示す。 図9は、L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドのいろ いろな濃度で24時間後の13種類の抗生物質に関する緑膿菌PAO1の感受性 の倍増をグラフで示す。 図10は、L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミド20 μg/mlの存在下および不存在下の13種類の抗生物質に関する緑膿菌株PA O1およびK385の抗生物質感受性(MIC)を示す。 図11は、L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドによ って引き起こされた感受性の倍増を伴う4種類の両性フルオロキノロンの疎水性 度に関し、直接の関係を示す。 図12は、臨床単離物および実験室菌株両方を含めた26種類の緑膿菌株につ いてのシプロフロキサシンに関するMICの減少を示す。 図13〜15は、3種類の緑膿菌株についての時間−死滅実験の結果を示す。 各菌株を、L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミド含有お よび不含のテトラサイクリンおよびシプロフロキサシンに対して、それぞれの抗 生物質の存在下および不存在下で調べた。 図16は、L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドによ るシプロフロキサシンの強化について菌株が試験された種を示し、このような強 化を示した各種からの試験された菌株の部分を示す。 図17は、アクリジンオレンジに対する大腸菌Acr+およびAcr−菌株の 感受性に対するL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドの 作用の比較を示す。 図18は、シプロフロキサシンに対する感受性に対するL−フェニルアラニル −L−アルギニル−β−ナフチルアミドの作用についての、緑膿菌株PAO1と DNAジャイレース突然変異菌株との比較を示す。 図19は、流出ポンプを生産する3種類の緑膿菌株におけるCCCPまたはL −フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドの存在に反応したテ トラサイクリン蓄積の変化を示す。 図20は、緑膿菌株799/61でのテトラサイクリン蓄積に対するCCCP およびL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドの作用の違 いを示す。 図21は、L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドの構 造式を与える。好適な態様の説明 排出ポンプの生理学的役割 細菌は細胞質から外部の培地へ分子を運び出すのに輸送体を利用している。既 知の輸送体のほとんどは、膜を通して拡散できないかまたは非常にゆっくり拡散 する分子の輸送に関連している。外側の培地に輸送される分子には、タンパク質 、ペプチド、カプセル状の多糖類、二糖類、シデロホアおよび薬剤が含まれる。 輸送体は細胞膜を通したおよびグラム陰性細菌の外膜を通した分子の通過を可能 に Nikaido,1994,Science 264:382−388;Din hら,1994,J.Bacteriol.176:3825−3831)。( 図1参照。)ABC(ATP−結合カセット)ファミリーは薬剤および酵素輸送 体を含んでおり、このファミリーはタンパク質の分泌に関与する輸送体を含んで いる。例えば、HlyDは大腸菌におけるヘモリシンの運び出しに関与しており 、緑膿菌アルカリ性プロテアーゼはAprEシステムにより運び出される。哺乳 類細胞で見いだされた多薬剤排出ポンプ(P−1糖タンパク質および黄色ブドウ 球菌のMsrA)はこの群に属している。主促進剤スーパーファミリーにはTe t排出ポンプのような特異的排出ポンプが含まれ、Xy1システムのような外部 培地からの栄養の取り込みに含まれる輸送系に関連している。主促進剤ファミリ ーはエネルギー源としてプロトン駆動力を利用している。第三のファミリー(重 金属耐性/結節因子ファミリー)には、シデロホアの分泌(例えば、緑膿菌のM exA)、リゾビウム メリロチの結節因子の運び出し、緑膿菌のmexポンプ または大腸菌のAcrのような抗生物質の運び出しに含まれる広い基質特異性を 有する排出ポンプを含む輸送体が含まれている。鉄代謝および排出ポンプ 鉄は生物体で最も共通の遷移金属であり、すべての病原性細菌において必須の 栄養素である(WooldridgeおよびWilliams,1993,FE MS Microbiol.Rev .12:325−348)。鉄利用可能性は 感染の確立および進行に決定的な役割を果たしている。人体において細胞外の鉄 は高親和性鉄結合タンパク質であるトランスフェリンおよびラクトフェリンに結 合されている。トランスフェリンおよびラクトフェリンは微生物病原体の鉄利用 可能性を制限することにより感染に対する宿主防御に寄与している。細菌は体内 での生存および複製に鉄を必要とし、鉄を得るために異なった戦略を開発した。 細菌は鉄に高親和性を有する分子を合成して外部培地へ排出し、これらの分子が 鉄をキレートした場合、細胞内へ逆輸送される(WooldridgeおよびW illiams,1993)。これらの分子は一般的にシデロホアと呼ばれ、細 菌感染の進行に必要とされている。シデロホアの合成およびその排出および取り 込みに関連する系は外部培地の鉄利用可能性に厳しく制御されている。二つの主 なシデロホアが緑膿菌により合成されている(ピオベルジンおよびピオケリン) 。両方のシデロホアともトランスフェリン結合鉄を除くことができる(Sriy osachatiおよびCox,1986,Infect.& Imm.52: 885−891;C.Wolz,1994,Infect.& Imm.62: 4021−4027)。ピオベルジンはより有効な鉄捕捉剤であり、ピオケリン より高い鉄親和性を有している;それはトランスフェリン鉄複合体から鉄を有効 的に除去できる。ピオベルジンは大きな(約1.5kDa)水溶性分子である。 それは膜の脂質層を通して拡散できず、細胞膜を通過するには輸送系を必要とす る。シデロホア取り込み系は文献に記載されているが(Gensbergおよび Smith,1992,J.Gen.Microbiol.138:2381− 2387)、分泌経路の同一性が推論されているだけである。シデロホアはその 巨大な大きさおよび親水性のため外および内膜を通過できず、細菌によるシデロ ホアの分泌には排出ポンプが必要とされるので、シデロホアの運び出しには排出 ポンプが関与している。緑膿菌において、mexAB、oprMオペロンの発現 は培地の鉄含量により制御され、および主シデロホアピオベルジン成分の産生お よび取り込みにより同時制御されている(Pooleら、1993a)。緑膿菌 の感染には鉄輸送が必須であるので(P.Sokol,1987,Infect .& Imm .55:2021−2025;B.Haas,1991,Infe ct.& Imm .59:3997−4000;WoodsおよびIglews ki,1982,Infect.& Imm.35:461−464)、ポンプ の阻害は細菌の鉄代謝を妨害し、それにより毒性が減じられる。薬剤耐性機構としての能動排出 有害な作因の能動的なポンプでの排出または膜透過排出により生じる耐性は1 980年頃から科学者の興味を引きつけ始め、その時点でS.B.Levyおよ び共同研究者は大腸菌のプラスミド−コード化テトラサイクリン耐性がエネルギ ー依存性排出に基づいていることを示した。このことのすぐ後で黄色ブドウ球菌 のプラスミド−コード化カドミウム耐性もまた排出機構に基づいていることが示 された。 能動排出が多くの薬剤に対する多くの生物体の耐性に主要な役割を果たしてい ることがますます認識されてきている;透過性の減少を含むものとしてNeuに より挙げられた三つの臨床に関連した耐性機構の中で、二つ(多分三つすべて) は主として排出によるものである。(i)1987年にNealおよびChat erにより、ストレプトミセス コエリコロールがメチルエノマイシンを産生す ることによりメチルエノマイシンから自身を保護することが示されたことに始ま り、多くの抗生物質排出遺伝子が抗生物質産生ストレプトミセス種で同定されて いる。そのいくつかはMFファミリーに、他はABCファミリーに属している。 (ii)もともとは透過性を減少させるためであると考えられていた黄色ブドウ 球菌における新規の型のプラスミド仲介マクロライド耐性は能動排出を含んでい ることが示された。(iii)クロラムフェニコール耐性の最も共通の機構は薬 剤の酵素的アセチル化が含まれている。また、トランスポゾンTn1696から のcmLA遺伝子がMFファミリーの能動排出輸送体であるらしいことから、始 めはクロラムフェニコールの流入の減少によると考えられていた”クロラムフェ ニコール耐性の非酵素的機構”も能動的排出によることが示された。さらに、イ ンフルエンザ菌は相同的染色体遺伝子を含んでおり、この(および多分多くの他 の)種の非酵素的耐性のいくつかは能動排出のせいのようである。(iv)スタ フィロコッカス属における四級アンモニウム防腐薬に対するプラスミド−コード 化耐性はMF型のQasA−QacB輸送体およびSmr型のQacC輸送体を 通した排出を含むことが示された。これらのタンパク質はまたいくつかの塩基性 色素も排出する。(v)ノルフロキサシン(フルオロキノロン)の能動排出は最 初に野生型大腸菌で発見された。類似の能動排出過程に関与する遺伝子(nor A)は後に黄色ブドウ球菌の耐性突然変異体の染色体から配列決定され、MFフ ァミリーの排出輸送体をコードしていることが示された。NorAは種々のフル オロキノロンを排出する。排出ポンプの同定 細胞中の排出ポンプの存在は、脱エネルギー化された細胞がエネルギーを与え た細胞よりも物質をより多く蓄積する場合に検出できる。(S.B.Levy, 1992,Antimicrob.Agent Chemother.36:6 95−703。)脱エネルギー化とはエネルギー依存性排出ポンプがエネルギー を利用できないようにすることである。このことは例えば、エネルギーを与えら れた膜を脱分極し、プロトン駆動力(PMF)を除くことにより達成される。多 くの同定された排出ポンプがPMFにより駆動されるので適した方法である。濃 度の相違は細胞中の物質の蓄積により直接的に決定でき、もしくは、物質を蓄積 した細胞をその物質を含まない培地におき、細胞からの流出の速度または培地に 蓄積される速度がエネルギー存在下および不在下で測定できる。異なった排出系 には例えば、シアナイド、2,4−ジニトロフェノール(dnp)およびカルボ ニルシアナイド m−クロロフェニルヒドラゾン(cccp)のような種々のエ ネルギー阻害薬が使用できる。いくつかの排出ポンプでは、膜タンパク質を有す る裏返した小胞を用いて排出活性が研究できる(S.B.Levy,1992) もしくは、排出ポンプは細胞中の物質の蓄積を低めるその活性で同定される。 薬剤耐性に含まれる排出ポンプは、それらが抗生物質に対する耐性を与えること で同定できる。細菌の多剤耐性に含まれる排出ポンプは通常広い範囲の抗生物質 に対して中程度のレベルの耐性を与える。耐性の特異的機構は特異的排出ポンプ を含んでおり、一つの抗生物質または構造的に相関する抗生物質の群に対するよ り高いレベルの耐性を与える。多数の非相関抗生物質に対して低いレベルの耐性 を示す株は抗生物質の能動的な運び出しに含まれるポンプを発現するようである 。与えられた株の抗生物質耐性に排出ポンプが含まれているかどうかを同定する ため、排出ポンプにより運び出されると疑われる抗生物質を用いて蓄積実験が実 施されなければならない。ゲル電気泳動を用いたタンパク質の過剰発現またはタ ンパク質パターン中の新しいバンドの出現の同定のため、細胞膜タンパク質の電 気泳動におけるタンパク質パターンを研究しなければならない。グラム陰性菌で は外膜タンパク質もまた研究しなければならない。排出ポンプはほとんどの細菌 に共通して存在するため、野生型の抗生物質感受性の基礎レベルは天然に存在す る排出ポンプによるものであろう。そのような株での蓄積実験はポンプの存在を 示すことができる。ポンプを過剰発現する突然変異体は抗生物質含有培地を用い て単離できる。これらの突然変異体は抗生物質に対してより耐性であろうし、抗 生物質を低レベルでしか蓄積しない。また、それらは細胞膜および/または外膜 にタンパク質を過剰発現できるであろう。同様に、抗生物質に高感受性である突 然 変異体が単離でき、上記のように研究された。これらの突然変異体は抗生物質を より高いレベルで蓄積し、膜中のタンパク質の発現は低かった。緑膿菌での抗生 物質蓄積の例として、四つの異なった緑膿菌株でテトラサイクリン蓄積が測定さ れた:1)排出ポンプを基礎レベルで産生する野生型株PAO1、2)&3)P AO1から誘導され二つの異なった排出ポンプを過剰発現する株PAO4098 EおよびK385、および4)株799/61、測定可能な量の排出ポンプを産 生せず、抗生物質に対して高感受性の株。テトラサイクリン蓄積の基礎レベルは これらの株により産生された排出ポンプの量に比例した。株799/61は野生 型PAO1より多くのテトラサイクリンを蓄積し、二つの過剰産生株はより低い 量のテトラサイクリンしか蓄積しなかった(図6参照)。細菌における多薬剤排出系 広範囲の薬剤を取り扱うことができる細菌排出系(哺乳類におけるmdr系を 思い出させる)が発見されてからこの分野の著しい進展があった。QacA、S mr、QacEまたはMyrCのような系は四級アミン化合物ならびに塩基性色 素を排出し、しばしば多薬剤排出系と称される。しかしながら、これらの系は少 なくとも物理的に類似しており、陽性荷電を有する両親媒性分子である。対照的 に、枯草菌のローダミン−6G−耐性突然変異体で発見されたBmr輸送体はロ ーダミン−6Gおよびエチジウムブロミド、抗生物質ピューロマイシン(塩基性 )およびネトロプシン(強塩基性)、および有機カチオン、テトラフェニルホス ホニウムのようなカチオン性色素だけでなく、クロラムフェニコール(非荷電) の能動排出も触媒する。それについては後になって、ほとんどが中性pHでは双 性イオンとして存在すべきフルオロキノロンを排出することが示された。黄色ブ ドウ球菌のNorAはBmr相同体であることが判明し、実際カチオン性色素、 ピューロマイシンおよびクロラムフェニコール(化学構造だけでなく物理的性質 も相関していない溶質)を排出することが示された。 別の多薬剤排出系は脱共役剤、カルボニルシアナイド m−クロロフェニルヒ ドラゾン(CCCP)に対する大腸菌突然変異体で同定された。この輸送体(E mrB)もまた酢酸フェニル水銀、ナリジキシン酸(弱酸)およびチオラクロマ イシン(非荷電)のような非相関化合物を排出する。 外膜透過性を増加させることにより薬剤高感受性を生み出すと考えられていた 大腸菌K12のscrA突然変異は多薬剤排出複合体、AcrAEを不活性化し ていることが示された。野生型acrA+株において、アクリフラビンの定常状 態での蓄積は非常に低い。細胞膜を横切った内部陰性ポテンシャルに応答して細 胞質でカチオン性色素が濃縮されなければならないため、このことはアクリフラ ビンは非常に能動的に排出されなければならないことを示している。acrA突 然変異体においては、定常状態の蓄積は少なくとも5倍増加しておりAcrAE 排出系がこの色素の押し出しに関与していることを示している。多くの研究にも 関わらずacrA突然変異体の外膜に欠陥が発見されず、それらの外膜透過性は 少なくとも一つのプローブに対しては正常であることが示されているという長い 間不思議であったことがこのことで解決された。AcrAE系の基質範囲は非常 に広く、ノボビオシン、エリスロマイシン(マクロライド)、フスジン酸、マイ トマイシンCおよびテトラサイクリンのような親水性抗生物質ならびにドデシル 硫酸ナトリウム(SDS)を含んでいる。 大腸菌の染色体遺伝子クラスターでの変化(marRAB)もまたフルオロキ ノロン、クロラムフェニコール、テトラサイクリンおよびβ−ラクタムを含む広 い範囲の抗生物質に対する有意の耐性を生み出す。(少なくともフルオロキノロ ンおよびテトラサイクリンへの耐性は排出を含んでいるようである。)しかしな がら、MarAは多くの過程へ影響する制御タンパク質であり、このタンパク質 により影響されるポンプの性質および数は現在のところ未知である。 ごく最近、多くの種類の抗生物質に対する緑膿菌の既知の固有の耐性は、排出 系によるものと同じくらいその低透過性外膜によるものであることが示された。 緑膿菌の臨床単離物は、Rプラスミドを含んでいなくても抗菌剤に対する”固有 の”耐性の広範囲に異なったレベルを示している。さらに、β−ラクタム、クロ ラムフェニコール、テトラサイクリンおよびフルオロキノロンのような異なった 薬剤に対する耐性レベルの間でよい相関が存在する。固有の耐性の異なったレベ ルはすなわち外膜透過性の相違に対応することにより起こされていると考えられ る。しかしながら、実験はこの仮説を排除した。種々の薬剤の蓄積が試験された 場合、緑膿菌の野生型株でさえもテトラサイクリン、クロラムフェニコールおよ びノルフロキサシンを非常に有効に排出し、この活性は株の固有の耐性レベルと 相関した。 この排出系の遺伝子同一性がK.Pooleおよび共同研究者の研究により示 唆された。(Pooleら、1993a,Mol.Microbiol.10: 529−544、およびPooleら、1993b,J.Bacteriol. 175:7363−7372。)これらの文献は全文のまま参照文献として本明 細書において援用される。緑膿菌におけるFe3+取り込みの研究において、シデ ロホアピオベルジンの排出に機能すると信じられるオペロン、mexA−mex B−oprMがクローン化された。(ORFCの産物、上記Pooleらの文献 ではOprKとして同定され、現在OprMとして同定され(Pooleら、未 公表情報)、ここではそのように参照される。)mexBはRNDファミリー輸 送体の典型的な配列を有する。このオペロンが挿入突然変異発生により不活性化 された場合、緑膿菌株はクロラムフェニコールおよびテトラサイクリンの両方に 対してほとんど大腸菌同様に感受性になる。このことは、この種が一般に薬剤耐 性表現系を示すのはこの単一の排出系が主たる理由であることを示唆している。 能動排出はいくつかの緑膿菌のβ−ラクタム耐性に役割を果たしてもいるよう である。緑膿菌は染色体にコードされた誘導可能なβ−ラクタマーゼを産生し、 この酵素および外膜障壁間の相乗作用が、この酵素の強力な誘導剤として働くい くつかの化合物への耐性を説明している。しかしながら、高い固有の耐性を有す る株もまた、多くのβ−ラクタマーゼを誘導せず、酵素的加水分解に対して極め て安定な化合物に対して高度に耐性である。さらに、これらの株ではβ−ラクタ ム作用の標的またはβ−ラクタマーゼのレベルまたは性質が変化していない。こ れらの結果はβ−ラクタム耐性が能動排出によっても起こされていることを示唆 している。しかしながら、他の疎水性薬剤と異なりいくつかのβ−ラクタムは細 胞膜障壁を通過できず、およびそれらの標的は細胞膜の周縁細胞質部位上に存在 する。ここで哺乳類mdrタンパク質は明らかに脂質二重層を通過する間に基質 を捕らえることを思い出すと有益である。二重層浸透不可能なβ−ラクタムにつ いての観察結果はこの考えを強力に支持している。 緑膿菌排出系の明かな広い基質特異性は幾分驚くことではあるが、そのような 広い特異性は従来から知られている。例えば、哺乳類mdrポンプはドキソルビ シンのような塩基性化合物だけではなく、タキソールのような中性化合物および ミトラマイシンのような弱酸性化合物もまた押し出している。実際、哺乳類md rポンプは基質類似体として働くであろうセファロスポリンにより阻害される。排出系および外膜障壁 排出輸送体は細胞膜中に位置しており、グラム陰性細菌では薬剤は周縁細胞質 内へくみ出されると推定される(図2参照)。もしそうであるなら、抗菌剤は外 膜障壁の存在のため簡単には細胞から離れることは不可能であろうため、付加的 因子なしで排出がこれらの細菌をより耐性にする事はありそうもない。この障壁 を克服する一つの方法は、グラム陰性細胞においてMFおよびRNDファミリー の両方の多くの排出輸送体と一緒に生じる補助タンパク質の存在により示唆され た。それらは同様に橋として働き、基質(タンパク質)を直接的に外部培地内へ 押し出すのを助けるHlyD、LktD、CyaD、AprE、およびCvaA を含むグラム陰性細菌中のタンパク質の群に関連しているため、これらのタンパ ク質は細胞質輸送体と外膜チャンネルを”橋渡し”すると考えられており、薬剤 を周縁細胞質内へというよりもむしろ周囲の培地内へ直接的に押し出すことがで きる(図2)。すなわち、補助タンパク質は外膜中のいくつかのチャンネルタン パク質(例えば、TolC)と複合体を形成するようである。このモデルは最近 緑膿菌のmexA−mexB−oprM系の発見により支持された。この仮定さ れたオペロンは補助タンパク質MexAのみでなく外膜タンパク質OprMもま たコードしており、この遺伝子構成は三つのタンパク質が外部培地への連続的チ ャンネル開口を作るようである複合体を形成することを示唆している(図2)。 実際OprRは、ボルダテラ ペルツシスおよびエルウィニア クリサンテミに おいて各々細胞溶解素およびプロテアーゼBおよびCを培地内へ直接運び出すこ とで機能する細胞質タンパク質の輸送体、周縁補助タンパク質および外部膜チャ ンネルを含む三成分運び出し複合体の形成に含まれているらしい外膜タンパク質 CyaEおよびPrtFと配列相同性を示している。さらに、OprMの不活性 化は多くの薬剤に対しての高感受性を導き、MexAの不活性化と全く同じであ る。補助タンパク質を含んでいない系がどのようにして薬剤を培地内へ効率よく 押し出すのかは未だに解っていない。しかしながら、OprMおよび緑膿菌によ り過剰発現される50−kDaタンパク質のような外膜タンパク質を発現するよ うな細菌に対して、外膜は本明細書に記載されたような排出ポンプ阻害剤の別の 標的を提供する。 説明したように外膜単独での低透過性では臨床的に有意なレベルでの耐性を生 み出さず、そのような高レベルの耐性には第二の貢献するものが必要とされるで あろう。多くの系において、能動排出系はこの第二の因子が存在するようである 。しかし、このことは外膜障壁が重要でないことを意味しているわけではない。 薬剤の細胞内濃度は流入および排出間の平衡の結果であるので、低透過性外膜を 通した種々の薬剤の遅い流入は、緑膿菌のような生物体での耐性において排出を 特に有効な機構にするようである。たとえ高透過性外膜を有する生物体(大腸菌 のような)が同じような効率の排出機構を有していたとしても、薬剤が外膜を通 した浸透を遅くさせる大きさまたは構造を有していない限り耐性レベルを有意に は生み出さないであろう。 これに関連して、marRABクラスターでの大腸菌突然変異体が、大腸菌の 二つの非特異的ポーリン間により大きなチャンネルを産生し、それによりほとん どの抗生物質の挿入に主たる役割を果たすOmpFポーリン量の産生が少なくな ることは重要である。そのように流入が減少すると、能動排出はより高い耐性を 生み出すことができる。グラム陰性細菌のいくつかのプラスミド−コード化排出 輸送体もまた同様の機構を使用する。OmpFポーリンの合成を抑制するRプラ スミドは1978年には報告されている。インフルエンザ菌での非酵素的クロラ ムフェニコール耐性のための遺伝子(CmlA排出輸送体の相同体に最も似てい る、上記参照)はこの生物体の主ポーリンの合成を抑制する。クローン化Cml A遺伝子は大腸菌において主ポーリンの合成を抑制する。非酵素的クロラムフェ ニコール耐性を有する腸チフス菌の臨床単離物は多分OmpFを含むトランスポ ゾンを有しているであろう。外膜透過性を減少させるいくつかのプラスミド−ま たはトランスポゾン排出遺伝子のこの能力は狭い範囲の耐性決定基のみならば観 察されている。もしそのような活性が広い基質プロフィールの排出輸送体と組み 合わされるようになるならば、大きな健康管理問題を創り出すであろう。 排出輸送体の発現の増加(しばしばOmpFポーリン合成の抑制を伴う)は遺 伝子変化なしでも起こるであろう。従って、クロラムフェニコールおよびテトラ サイクリンはMarA制御タンパク質の転写を増加させ、それにより排出輸送体 の合成を増加させるであろう。興味あることに、酸化ストレス(病原性細菌は宿 主組織中で暴露される)はOmpF抑制を起こすことが知られており、多分排出 が増加した結果としていくつかの薬剤に対する耐性が増加する。同様に、微生物 による侵襲に応答して植物組織中で産生されるサリチレートはPmpFポーリン の合成を抑制することが知られており、大腸菌を過渡的にクロラムフェニコール 、テトラサイクリン、キノロンおよびアンピシリンに対してより耐性にする。こ の薬剤範囲は再び排出系が含まれていることを暗示している。 抗生物質耐性の特異的機構がより重要であると考えられていたため、より有効 な抗生物質を産生する努力として通常、共通に存在する抗生物質不活性化酵素の 潜在的基質としてそれらを不活性にするために抗生物質分子上の特定の基を修飾 していた。より一般的な耐性機構の存在はこの戦略の再評価を余儀なくさせる。 これらの機構は臨床的に有意な耐性を生み出す:重要な日和見病原体、緑膿菌で 観察される広範囲の抗生物質への固有な耐性は、実際、多薬剤排出輸送体および 効果的な透過性障壁の組み合わせによるものであり、排出輸送体の発現の増加は 、カルベニシリン耐性レベルの増加を示すイギリス諸島からのほとんどの臨床試 料における耐性の最も可能性のある原因である。多薬剤排出系のいくつかはほと んどの両親和性化合物をポンプで排出するので、この型の機構を克服できる化合 物を生産するのが製薬工業の主たる挑戦になるであろう。明らかに、これらの輸 送体の基質結合過程に関するより多くの情報が必要とされている。別の可能性の ある方法は薬剤の自発的流入を促進させることであろう−例えば、迅速な流入に より排出が平衡化できるように薬剤を十分に親油性にすることにより。実際、テ トラサイクリンおよびフルオロキノロンのより親油性誘導体は、これらの薬剤を ポンプで排出するグラム陰性細菌の耐性株に対してより活性である。しかしなが ら、グラム陰性細菌において、より親油性の薬剤はポーリンチャンネルの横断が 遅くなるであろうし、親油性の増加は薬剤の効力を増加させないであろう。シデロホア関連緑膿菌排出ポンプ 前に説明したように、多薬剤排出ポンプが緑膿菌には存在する。この細菌は多 くの抗生物質薬剤に固有の耐性を示す臨床的に重要な病原体である。さらに、一 般にこの生物体に対して強力な抗菌活性を示す薬剤への(例えば、カルベペネム およびフルオロキノロン)耐性増加の問題はますます頻繁に生じている。加えて 、化学的に関連のない抗生物質への交差耐性がフルオロキノロン耐性に随伴する 。交差耐性を示すフルオロキノロン耐性株のインビトロ研究は、耐性が外膜透過 性の変化により生じる薬剤蓄積の減少に帰着できることを示した。いくつかの例 において、この結論はこれらの突然変異体の新規外膜タンパク質の同定に由来し ている。 緑膿菌K385中の50−kDa外膜タンパク質の産生は、2,2’−ジピリ ジルならびに多数の抗菌剤への感受性の低下を随伴した。(K385は2,2’ −ジピリジル(0.5mM)を含有する鉄欠損最少培地で増殖できる緑膿菌のシ デロホア欠損突然変異体である。)(Pooleら、1993a)以前に記載さ れているノルフロキサシン耐性緑膿菌nfxBおよびnfxC株もまた各々54 −および50−kDa外膜タンパク質の産生が付随したいくつかの抗菌剤への感 受性の減少を示した。しかしながら、nfxC突然変異体と異なり、K385お よびnfxB突然変異体はOprDレベルの減少は示さなかった。非キノロン抗 生物質への交差耐性を示す緑膿菌のシプロフロキサシン耐性突然変異体もまた5 4kDaの新規外膜タンパク質を発現した。最後に、49kDaと推定された新 規外膜タンパク質(OprM)がメロペネム、またはロメフロキサシンまたはオ フロキサシンおよびセフスロジンの組み合わせで選択された緑膿菌の多抗生物質 耐性突然変異体で同定された。上記の突然変異体の耐性表現型のいくつかの微妙 な相違にかかわらず、すべてのもので同定された外膜タンパク質は同一であろう 。もしそうであれば、nfxBnfxC、OprM−産生およびシプロフロキ サシン耐性突然変異体で耐性を導く薬剤蓄積の減少は、OprM(すなわち、O RFC生成物)およびいくつかの細菌外膜排出タンパク質間に相同性があるとす ると外膜透過性の変化によるものではなく、もともと示唆されているように抗生 物質排出によるものであろう。興味あることに、大腸菌におけるキノロン耐性お よび多抗生物質耐性もまた、部分的に排出機能に帰着していた。 OprMに加え、ORFA−ORFB−oprM(ORFC)オペロンは細胞 膜中に存在すると予想される二つのタンパク質(40および108kDa)をコ ードしている。ORFAB生成物および細胞膜排出タンパク質間の相同性にかん がみると、ORFAB生成物は抗生物質耐性において細胞膜を横断する抗菌剤の 排出に機能しているようである。この理由から、ORFABはmexAB(多排 出)と称される。 ORFABC(mexAmexBoprM)オペロンは鉄により制御され ており、実際、OprMはある種の鉄制限条件下で誘導可能であった。鉄欠損B M2最少培地での増殖においてタンパク質誘導が観察されなかったのは多分BM 2のリン酸成分のかなりの鉄夾雑(他の最少培地よりも培地中の鉄欠損を悪くし た)のためである。このことは、かなりのOprM(および従ってORFABC [mexAmexBoprM])発現はより厳密な鉄制限を必要とすること を示唆している。例えば、OprMは鉄夾雑の程度がより少ない鉄欠損HEPE S緩衝化最少培地での増殖の間に容易に誘導される。確かに、この培地でのシデ ロホア収量は鉄欠損BM2最少培地より3から4倍高く、より低い鉄含量と一致 している。同様に、利用可能な鉄を還元すると期待される鉄キレート剤2,2’ −ジピリジル存在下での増殖ではOprMの誘導が生じた。Zn2+はシデロホア およびその受容体を含む緑膿菌の鉄制御構成物の発現を促進することが知られて いるので、Zn2+によるOprM誘導の観察もまたこのタンパク質の鉄制御と一 致している。シデロホア産生に対するZn2+の同様な効果がシュードモナス ルオレセンス およびアゾトバクター ビネランジイで注目された。後者の例では 、Zn2+促進シデロホア産生が、Zn2+による鉄還元酵素の阻害により生じる細 胞質第一鉄レベルの減少に帰着できる。 ORFABC(mexAmexBoprM)の鉄制御に加えて、このオペ ロンはピオベルジン産生および取り込みの成分によっても共制御され、ピオベル ジン分泌に機能していることが示唆されている。ORFABC(mexAme xBoprM)生成物および多数の細菌の運び出しタンパク質間で観察された 相同性は確かにそのような結論と一致している。さらに、ORFABC(mex mexBoprM)排出系の基質としてもくろまれた抗生物質は構造的に は極めて異なってはいるが、それらはいくつかの共通の特色(芳香族環)を保持 しており、ほとんどが鉄を含む陽イオンを結合する能力を示している。この点で 、それらはピオベルジンのカテコール含有発色団と似ている。このことは、OR FABC(mexAmexBoprM)依存性薬剤耐性はある種の抗菌剤お よびORFABC(mexAmexBoprM)排出系の真の基質であろう ピオベルジン間の類似性の結果であることを示唆している。明らかに、ORFA BC(mexAmexBoprM)生成物は非常に広い基質特異性を示し、 ピオベルジンだけでなくその代謝物もこの排出系の天然の基質である。従って、 ORFABC(mexAmexBoprM)は始めからピオベルジン分泌だ けでなく、リサイクルされたピオベルジンおよびその過程から生じる代謝物の分 泌にも機能しているであろう。 鉄輸送の広い基質特異性の優先が、大腸菌鉄制御外膜タンパク質Fiuおよび Cir(伝えられる所によれば、シデロホア エンテロバクシンの加水分解生成 物の取り込みに関与している)の研究で発見された。これらのタンパク質はまた 、カテコール置換β−ラクタムを含む鉄キレート化残基含有抗生物質の取り込み を容易にしている。 ORFAB(mexABC)生成物およびタンパク質AcrAおよびAcrB 間の著しく高い相同性は強く共通の機能を示唆している。AcrAおよびAcr Bはアクリフラビンおよび他の抗菌剤への耐性に関与する推定の排出タンパク質 であるが、アクリフラビンはこれらのタンパク質の通常の細胞基質ではありそう もない。しかしながら、ピオベルジン同様、大腸菌シデロホア エンテロバクシ ンがカテコール含有分子であることに注目するのは興味深い。従って、AcrA およびAcrBはエンテロバクシンおよび/またはその代謝物の分泌に機能して いるのであろう。以前に同定されたORFAB(mexABC)生成物およびE nCD(AcrABとも相同性が高い)間の相同性は、大腸菌はエンテロバクシ ン排出のための複数の系を有するであろうことを示唆している。β−ラクタム関連緑膿菌排出ポンプ 前に議論したmexAB−oprMポンプに加え、別の緑膿菌排出ポンプがβ −ラクタムへの耐性に関与している。B−ラクタムの作用部位は細胞膜の外側表 面上にあり、従ってβ−ラクタムはその作用を発揮するのに細胞質へ入る必要が ないため、β−ラクタム耐性における重要な因子としての能動排出は驚くべきこ とである。さらに、多くのβ−ラクタム上のカルボキシル基の存在はそれらが細 胞膜を横断して容易に拡散できないことを意味している。しかしながら、耐性は 外膜の透過性の減少またはβ−ラクタマーゼレベルの変化によるものではないこ とが示された(Liら、1994,Antimicrob.Agents Ch emother .38:1742−1752)。 高い耐性の緑膿菌において、一つの外膜タンパク質とともに、細胞膜タンパク 質である二つのタンパク質が高度に発現されることが実験で示された。これらの タンパク質の発現レベルは、耐性が高くない関連する株よりも著しく高かった。 加えて、高感受性突然変異体株、k799/61は能動排出系が欠けているらし い(本質的にテトラサイクリンおよびクロラムフェニコールをポンプで排出でき ない)ことが示された。このことは、高い耐性株の三つの過剰発現タンパク質は 緑膿菌における排出ポンプ系の成分であることを暗示している。この仕事のため の典型的な材料および方法はLiら、Antimicrob.Agents C hemother .38:1732−1741(1994)およびLiら、An timicrob.Agents Chemother .38:1742−17 52(1994)に記載されている。これらの文献の全部が本明細書において援 用される。 これらのタンパク質のアミノ酸配列は当業者には既知の技術により容易に決定 できる。例えば、タンパク質の各々は、この排出ポンプを高レベルで産生すると 同定された株から単離および精製できる。これらの精製されたタンパク質の各々 のアミノ酸配列は次に標準アミノ酸配列決定技術を用いて決定できる。これらの 各々をコードするヌクレオチド配列は同様に多くの異なった技術により容易に決 定できる。一つの方法において、タンパク質の一部のアミノ酸配列がオリゴヌク レオチドプローブの縮重した組へ変換され(好適には低いコード縮重の配列を用 いて)、その各々は約8から20のヌクレオチドを有するであろう。そのような プローブの縮重組が次にポリペプチドの完全なコード配列を探査するのに使用さ れる。一度そのようにして同定されたら、コード配列は通常の組換え技術により 操作でき、与えられたポリペプチドの遺伝子としての同一性を確かめるために配 列決定できる。別の方法では、排出ポンプ欠損株中の失われたまたは欠陥のある 排出成分に対応するコード配列が同定でき、再び単離および配列決定される。こ れらの方法は例であり、他の方法もまた有効に使用でき、また特別な状況では好 適であろう。排出ポンプ必須遺伝子 排出ポンプは緑膿菌細胞において必須なものであろう。ポンプの細胞質成分の 阻害は細胞にとって致死的であろうというすばらしい状況的証拠がすでに存在す る。ヌルmexB突然変異体を育てるただ一つの方法は、ピオベルジン産生が欠 損した株または鉄欠損培地で増殖できず、およびそこなわれた鉄代謝を有する株 を使用することである。もしmexB突然変異体が実際に致死的であるならば、 排出ポンプの細胞質成分の阻害剤は殺菌性であろう。排出ポンプの阻害 本発明は病原性細菌中の排出ポンプ、特に多基質排出ポンプが存在することを 示しており、排出ポンプ阻害剤を発見するための化合物スクリーニング法に使用 できる。用語が示唆しているように、および要約で説明したように、そのような 阻害剤は細胞質から抗菌剤を運び出す排出ポンプの能力を減少させる。本発明は そのようなスクリーニング法を多薬剤排出ポンプ、特にmexA/mexB/o prのような緑膿菌排出ポンプおよび株K385およびPAO4098E中で過 剰発現されるポンプを有する細菌のために計画できる。 一つの方法は細菌細胞から抗菌剤の運び出しを遅くする排出ポンプ阻害剤の能 力に基づいている。排出ポンプを含む細菌を抗菌剤存在下で増殖させた場合、排 出ポンプは抗菌剤を運び出すことができ、抗菌剤は有意に細胞増殖を阻害するに は非常に低い濃度である。しかしながら、排出ポンプ阻害剤も排出ポンプの活性 を有意に阻害するのに十分高い濃度で存在した場合、抗菌剤の細胞内濃度を高め ることを可能にする。増殖を阻害する抗菌剤の能力は二つの関連した細菌株を用 いることにより示すことができ、その一つは排出ポンプを高レベルで産生するが 、他方は産生しない。従って、使用される抗菌剤の濃度は高レベルの排出ポンプ を産生しない株の増殖を阻害するには十分であるが、高レベルで排出ポンプを産 生 する株の増殖が有意に阻害されないように十分に低く設定される。次に、高レベ ル排出ポンプ株の増殖を阻害する化合物が推定排出阻害剤として同定される。増 殖阻害が排出ポンプ阻害によるものであることはさらに、同じ株の増殖を推定排 出ポンプ阻害剤の存在下、しかし抗菌剤なしで比較することにより示すことがで きる。推定阻害剤および抗菌剤両方の存在下での増殖が、推定阻害剤のみが存在 する場合の増殖よりも有意に悪かったならば、増殖阻害は少なくともかなりの部 分排出ポンプ阻害によるものであろう。このスクリーニングのある実施態様にお いて、排出ポンプを過剰発現する細菌株が使用するのが有用である。抗菌剤の準 阻害濃度がその細菌の野生型株の増殖阻害には十分高いのは当然である。 緑膿菌にあるような広範囲の基質の排出ポンプ阻害剤をスクリーニングするた めの別の方法は、その発現が抗菌剤(または不活性類似体)のような化合物の適 切な高濃度により誘導可能な制御配列により調節されるレポーター配列の使用に 基づいている。この方法において、誘導可能な制御配列を有するレポーター遺伝 子は細菌染色体の非必須遺伝子中に単一コピーとして挿入される。従って、レポ ーター遺伝子構築挿入物を含む細菌を、排出ポンプ阻害物および抗菌剤存在下( いくつかの追加の因子不在下では増殖を有意に阻害しないであろう濃度で)で増 殖させた場合、抗菌剤の細胞内濃度は上昇するであろう。抗菌剤の細胞内濃度の 上昇は、前記の方法で記載したように運び出し速度の減少によるものである。し かしながら、抗菌剤が増殖阻害細胞内濃度に到達できる前に、濃度の増加はレポ ーター遺伝子の発現を誘導する。その発現の検出は排出ポンプが阻害されている こと、すなわち、スクリーニングされている化合物が排出ポンプ阻害剤であるこ とを暗示している。 この方法のための一つの計画ではレポーター遺伝子の発現がテトラサイクリン の存在により誘導される既知の制御機構を使用している。この機構において、テ トラサイクリンはtetRレプレッサー分子へ強く結合し、tetRオペレータ ー部位へのtetRの結合を妨害している。tetRオペレーター部位へtet Rが結合することなく、そのオペレーターの下流のレポーター遺伝子をコードす る配列が転写され、続いて翻訳されて産物が検出される。(Kirschら、 .Antibiotics 44:210−217(1991))。前に説明し た ように、tetR遺伝子を含む構築物、tetR制御配列およびレポーター遺伝 子をコードする配列は緑膿菌の非必須遺伝子に挿入される。これらの組換え体細 胞は前記のように排出ポンプ阻害剤活性についての化合物のスクリーニングに使 用できる。 前記の方法はRothsteinら、Antimicrob.Agents Chemother .37:1624−1629、に記載されている仕事とは対 照的である。その報告は、新規テトラサイクリンを同定するための技術に関連し て、プラスミド上のtetR遺伝子を有する大腸菌でのテトラサイクリン特異性 ポンプの阻害剤のスクリーニングを記載している。 第三のスクリーニングは排出ポンプ阻害を報告するものとして細胞中の排出ポ ンプにより輸送された化合物の分光学的検出(検出可能な化合物)を使用してい る。この方法においては、そのような排出ポンプを有する細胞を検出可能な化合 物と接触させる。排出ポンプ阻害剤不在下では、検出可能化合物の細胞内濃度は 、排出ポンプの排出作用を阻害する化合物存在下での検出可能化合物の細胞内濃 度と比較して低いレベルに維持されているであろう。従って、試験化合物存在下 で検出可能化合物の細胞内濃度の増加が検出されたなら、このことは試験化合物 がポンプの排出作用を阻害しており、従って排出ポンプ阻害剤であろうことを示 している。もしくは、検出化合物の細胞外濃度(懸濁培地中の濃度)を決定でき る。細胞内濃度は続いて計算でき、細胞外濃度は直接使用できる。阻害剤不在下 と比較すると、より少ない色素または蛍光団が細胞内に蓄積されるであろうので 、色素または蛍光団の細胞外濃度は排出ポンプ阻害剤存在下では低くなるであろ う。 第四のスクリーニングは排出ポンプ阻害を報告するものとして正の増殖を使用 している。このスクリーニングは排出ポンプの阻害に応答した抗生物質の不活性 化剤の誘導に基づいている。微生物を抗生物質の阻害濃度存在下で増殖させる。 排出ポンプにより運び出されていた化合物の上昇した細胞内濃度によりその抗生 物質の不活性化剤は誘導可能である。もし化合物を運び出している排出ポンプが 阻害されたら(例えば試験化合物により)不活性化剤が発現され(または活性化 され)、以前から阻害していた抗生物質の細胞内濃度を減少させる。この結果検 出可能な増殖が起こる。 このスクリーニングの一つの態様ではテトラサイクリン感受性tetRプロモ ーターが上記第二のスクリーニングに使用される。しかしながら、そのプロモー ターはtetRプロモーターが誘導された場合にのみ増殖を可能にする遺伝子と 結合されている。そのような遺伝子の例はblaS遺伝子であり、それはストレ ノトロホモナス マルトフィリアキサントモナス マルトフィリア)のL−1 β−ラクタマーゼをコードする。この遺伝子の産物はこのスクリーニングに必要 とされる正の選択を提供する。この融合物は遺伝子安定性を提供するために染色 体内へ置かれるであろう。L−1 β−ラクタマーゼは緑膿菌に導入された場合 完全に機能的であり、カルバペネムは緑膿菌の排出ポンプによっては分泌されな い。シュードモナスの染色体性β−ラクタマーゼはカルバペネムを加水分解でき ない(J.Trias,1989,Antimicrob.Agents Ch emother .33:1201−1206)。 スクリーニング株は低テトラサイクリン濃度、試験化合物およびカルバペネム 存在下で増殖されるであろう。もし排出ポンプが阻害されたら、テトラサイクリ ンの細胞内濃度が増加し、tetRプロモーターおよび従ってblaSの発現が 誘導される。L−1 β−ラクタマーゼがカルバペネムを加水分解し、細胞が増 殖するであろう。もしポンプが阻害されなければ、テトラサイクリンの細胞内濃 度は上昇せず、細胞はL−1 β−ラクタマーゼを合成しないであろうし、カル バペネム存在下で増殖しないであろう。 この型のスクリーニングはまた単純に培地中のカルバペネム濃度を変化させる ことによりその要求を滴定する能力を提供し、種々の阻害能力を有する化合物の 高度に融通性のある系を提供している。排出ポンプの阻害はイミペネム耐性の変 化を妨害すべきではなく(なぜならこの基質は排出ポンプにより認識されない) 、およびもしポンプが阻害されたら、相違が生じるべきではない。作用機構−ポンプの制御 排出ポンプ阻害剤はポンプの正常機能、ポンプの正常発現または両方の組み合 わせを阻害することにより排出ポンプを阻害できた。ポンプの制御の研究のため 、膜中のポンプの存在がモニターされるであろう。例えばそれは標準電気泳動技 術を使用することによりモニターでき、ここでポンプ成分に対応するバンドは通 常 のタンパク質染色技術(クーマシーブルーまたは銀染色)または排出ポンプ成分 に対する抗体を用いた標準ウェスタン分析により可視化できる。例えば、排出ポ ンプの成分をコードする遺伝子配列から得られたプローブを使用することにより 、遺伝子からの既知の配列を使用する標準ノーザン分析により、または排出ポン プの制御下にレポーター遺伝子を置き、レポーター遺伝子によりコードされてい るタンパク質の活性を測定することにより阻害の作用機構は転写レベルでさらに 研究されるであろう。化合物スクリーニング源および副構造探索法の説明 本発明の方法は排出ポンプ阻害剤として活性である可能性を種々の源に対して スクリーニングするのに適しておりまた有用である。最初のスクリーニングは化 合物の多様なライブラリーを用いて実施されたが、本方法は他の化合物ライブラ リーにも適している。そのようなライブラリーとは天然物ライブラリー、コンビ ナトリアルライブラリーまたは他の小さな分子ライブラリーであろう。加えて、 市販品の化合物も試験でき、この試験は同定された排出ポンプ阻害剤の市販品と して入手可能な類似体に特に適している。 市販品からの同定された構造を有する化合物は、最初にスクリーニングされる 化合物を好適な特性を有するものに制限することにより排出ポンプ活性を効果的 にスクリーニングできる。例えば、排出ポンプを阻害できる構造に高められてい るであろうスクリーニングのためのサブライブラリー作ることを最初に努力する 。この努力の戦略とは哺乳類排出ポンプの阻害剤に共通して観察される構造特性 を含む市販品として入手可能な化合物を得ることである。この努力をはかどらせ るため、Available Chemicals Directoryデータ ベース(MDL Information Systems,Inc.)の2D 構造探索を実施するためのISISコンピュータープログラム(MDL Inf ormation Systems,Inc.)が使用された。このデータベー スは約175,000の市販品として入手可能な化学化合物についての構造およ び発注情報を含んでいる。他の公的でアクセス可能な化学データベースも同様に 使用された。ヒット化合物の一般的説明 本発明のスクリーニング法を用いて排出ポンプ阻害剤として同定された化合物 の例はL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドである。こ の化合物のいくつかのインビトロでの特性付けは下記実施例7に記載されている 。 この化合物は下記構造1−4により表される一般式を有するものと見なすこと ができる: 式中、 R=アルキル(C1−C4)、フルオロアルキル(C1−C4)、パーフルオロアル キル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロ ゲン(Br、Cl、FまたはI)、アリール(C6−C10)、一置換アリール( C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキ ルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)、アミノ、一置換ア ミノ[随意にアルキル(C1−C4)で置換されている]、二置換アミノ[随意に アルキル(C1−C4)の任意の組み合わせで置換されている]またはヒドロキシ ルで置換されている]、二置換アリール(C6−C10)[アルキル(C1−C4) 、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl 、FまたはI)およびアミノの任意の組み合わせ]、2−(または3−)−チエ ニル、2−(または3−)−フラニル、2−(3−または4−)−ピリジル、W =H、NH2、一置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)で置換されている] 、二置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)の任意に組み合わせで置換され ている]、アザ複素環[N−モルホリニル、N−ピペラジニル、N−ピロリジニ ル、N−イミダゾリル、N−ピロリル、N−ピラゾリル、N−トリアゾリルまた はN−テトラゾリルのような]、ハロゲン(Br、Cl、F、I)、ヒドロキシ ル、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、 R1=(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa)NRbc、(CH2n SNHC=(NRa)NRbc、(CH2nC=(NRa)NRbc、(CH2n N=CNRbc、(n=2−4);Ra(RbまたはRc)=H、アルキル(C1− C4)、アリール(C6)、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル[随意にアル キル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロ ゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノで置換されている]、もしくはRa +Rb=(CH22-3または−CH=CH−、 X=アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換アリ ール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、 アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノ で置換されている]、置換−(CH20-2アリール(C6−C10)[アリール構 成単位上でアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1 −C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノの置換]、2−( または3−)−チエニル、2−(または3−)−フリル、2−(3−または4− )−ピリジル、ベンゾフラニル[ベンゾフラン環の任意の位置で]、ベンゾチエ ニル[ベンゾチオフェン環の任意の位置で]。 ここには不整中心が存在するが、絶対的な立体化学はRまたはDコンフィギュレ ーションのどちらでもよく、またはラセミ体混合物でもよく、すべて一般構造式 に含まれている。 L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドは排出ポンプ阻 害剤であるが、促進された生理学的プロフィールおよび排出阻害活性を有する関 連化合物を見いだす試みが望まれている。一般に、より良い医薬的特性を有する 関連化合物を同定するための通常の方法は、最初の化合物の多数の類似体(各々 はお互いに決められた構造相違を有する)を製造または入手することである。こ れらの類似体は、次にそれらが活性を保持しているかどうかを決定するために試 験され、分解耐性、血清結合、粗い毒性および溶解性のような因子に関して特性 付ける。そのような分析の結果に基づいて、特異的構造特性または置換基と活性 のレベルおよび意図される使用(例えば治療化合物として)に関する他の因子を 関連させ予備的構造活性関係(SAR)が決定できる。この情報は次に、改良さ れた特性の組み合わせを有する化合物を発見するためのさらなる製造および類似 体の試験を方向付けるために使用できる。L−フェニルアラニル−L−アルギニ ル−β−ナフチルアミドについては、上記一般構造を参照すると、類似体を製造 する合理的な最初の方法は血清中でより安定な化合物を探索するためWが修飾さ れた類似体の組を製造することであろう。従って、前に指摘したようにそのよう な類似体の組が活性でスクリーニングされ、改良された医薬的特性が分析される であろう。医薬組成物および投与様式 排出ポンプ阻害剤である特定の化合物は、それ自体で、または抗菌剤と組み合 わせて、または適した担体または賦形剤と混合された医薬組成物として投与でき る。排出ポンプ阻害剤と抗微生物剤との組み合わせは少なくとも二つの異なった 型で可能である。一つでは、混合物中で排出ポンプ阻害剤の一定量を抗微生物剤 の一定量と混合される、例えば、溶液または粉末混合物。そのような混合物中で は、阻害剤および抗微生物剤の相対量は特定の組み合わせおよび期待される処置 に適当なように変化される。第二の型の組み合わせにおいて、阻害剤および抗微 生物剤は、結合された分子が細胞内で切断されるような様式で共有結合により連 結できる。しかしながら、用語”組み合わせて”とは、阻害剤および別の抗微生 物剤の連続的投与を含む他の可能性も意味することができる。さらに、排出ポン プ阻害剤および/または別の抗微生物剤はプロドラッグ形でも投与される、すな わち、化合物は細胞内で修飾されて機能的な形になるような形で投与される。問 題とする障害を示す患者の治療には、これらの薬剤の治療的に有効な量が投与さ れる。治療的有効量とは、徴候の改善または患者の生存率の延長が得られる、お よび微生物感染を除去する化合物の量を意味している。 そのような化合物の毒性および治療効力は細胞培養または実験動物での標準薬 学的方法により決定できる、例えば、LD50(集団の50%に致死的な用量)お よびED50(集団の50%に治療的に有効な用量)を決定するため。毒性的およ び治療的効果間の用量比は治療指数であり、比LD50/ED50で表すことができ る。大きな治療指数を示す化合物が好適である。これらの細胞培養および動物研 究から得られたデータはヒトにおける使用のための用量範囲の処方に使用できる 。そのような化合物の投薬量は好適にはほとんどまたは全く毒性のないED50を 含む循環濃度の範囲内にあるであろう。投薬量は用いられた剤形および利用され た投与経路に依存してこの範囲内で変化するであろう。排出ポンプ阻害剤の治療 的血清濃度は0.1−100μg/mlであるべきことが好適である。 本発明の方法で使用された化合物に対して、治療的有効用量は最初に細胞培養 アッセイから算出することができる。例えば、細胞培養で決定されたようなIC50 を含む循環血漿濃度範囲を達成するように動物モデルで用量を処方できる。そ のような情報はヒトでの有用な用量をより正確に決定するための使用される。例 えば、血漿中のレベルがHPLCにより測定される。 特に好適な態様において、医薬組成物中の排出阻害剤は前記の一般構造により 示されるような構造を有している。 正確な処方、投与経路および用量は患者の状態を考えて個々の医者により選択 できる。(例えば、Finglら,THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS,1975,1章,p.1を参照 されたい)。関与する医者は、どのようにまたは何時、毒性または器官機能障害 のために投与を終結、中断または調節するかを知っているであろうことを指摘し なければならない。逆に、関与する医者はもし臨床的応答が適切でなければ(毒 性を除外して)より高いレベルへ治療を調節することも知っているであろう。例 えば、病態の重度は一部、標準予後評価法により評価されるであろう。さらに、 用量および多分服用頻度は年齢、体重および個々の患者の応答にも依存して変化 するであろう。 処理されている特定の感染に依存して、そのような薬剤が処方され、全身にま たは局所的に投与される。処方および投与の技術はRemington’s P harmaceutical Science ,18版,Mack Publi shing Co.,Easton,PA(1990)に見ることができる。適 した経路には経口、直腸内、経皮、膣内、経粘膜または腸内投与;筋肉内、皮下 、骨髄内注射ならびに若干の名前を挙げると包膜内、直接脳室内、静脈内、腹腔 内、鼻孔内または眼球内を含む非経口送達が含まれる。 注射では、本発明の薬剤は水性溶液、好適にはハンクス溶液、リンガー溶液ま たは生理的食塩水のような生理的に一致する緩衝液で処方される。そのような経 粘膜投与では、浸透されるべき関門に適した浸透剤が処方で使用される。そのよ うな浸透剤は本分野では一般的に知られている。 全身投与に適した調剤で、本発明の実施のために本明細書で開示された化合物 を処方するための医薬として受容可能な担体の使用は本発明の範囲内である。適 切な担体の選択および適した製造法により、本発明の組成物は、特に溶液として 処方されたものは静脈内注射のように非経口で投与されるであろう。本化合物は 本分野ではよく知られている医薬として受容可能な担体を用いて経口投与に適し た剤形へ容易に処方できる。そのような担体は処置される患者の経口消化のため 、本発明の化合物を錠剤、丸剤、カプセル剤、水剤、ゲル剤、シロップ剤、スラ リー剤、懸濁剤などとして処方するのを可能にする。 本発明での使用に適した医薬組成物は、活性成分が意図される目的を達成する のに有効な量が含まれている組成物である。有効量の決定は(特に本明細書に提 供されている詳細な開示を考慮にいれて)当業者の能力による。活性成分に加え 、これらの医薬組成物は医薬で使用できる製剤内への活性成分の加工を容易にす る賦形剤および補助剤を含む適した医薬として受容可能な担体を含んでいてもよ い。経口投与のために処方される製剤は錠剤、糖衣錠、カプセルまたは水剤であ ろう。本発明の医薬組成物はよく知られた様式、例えば、通常の混合、溶解、顆 粒化、糖衣作製、空中浮揚、乳化、カプセル化、捕捉または凍結乾燥法の手段に より製造される。 非経口投与のための医薬処方には水溶性形の活性化合物の水性溶液が含まれる 。さらに、活性化合物の懸濁液を適当な油性注射懸濁液として調製してもよい。 適した親油性溶媒または媒体にはセサミ油のような脂肪油、オレイン酸エチルま たはトリグリセライドのような合成脂肪酸エステル類またはリポソームが含まれ る。水性注射懸濁剤はカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールま たは デキストランのような懸濁液の粘度を増加させる物質を含んでいてもよい。随意 に、本懸濁剤は適した安定化剤または高濃度溶液調製を可能にするために化合物 の溶解性を増加させる試薬を含んでいてもよい。 経口使用のための医薬製剤は活性化合物を固形賦形剤と混合させ、随意に、得 られる混合物を粉砕し、必要ならば適した補助剤を加えた後に顆粒の混合物を加 工して錠剤または糖衣剤芯を得る。適した賦形剤は特にラクトース、スクロース 、マンニトールまたはソルビトールを含む糖類のような増量剤;例えば、トウモ ロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、芋澱粉、ゼラチン、トラガカントゴム、メチル セルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、カルボキシメチルセルロ ースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン(PVP)のようなセルロ ース製品である。必要に応じ、架橋ポリビニルピロリデン、寒天またはアルギン 酸またはアルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸塩を加えてもよい。 糖衣錠芯は適当な被覆をして提供される。この目的には、随意にアラビアゴム 、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル、ポリエチレングリコールお よび/または二酸化チタニウム、ラッカー溶液および有機溶媒または溶媒混合物 を含む濃縮糖溶液が使用されるであろう。活性化合物用量の異なった組み合わせ を同定または特徴付けるため錠剤または糖衣錠被覆へ染料または色素を加えても よい。 経口で使用できる医薬製剤にはゼラチンで作製されたプッシュ−フィットカプ セル、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールのような可塑剤 から作製された、軟封入カプセルが含まれる。プッシュ−フィットカプセルはラ クトースのような増量剤、澱粉のような結合剤および/またはタルク、ステアリ ン酸マグネシウムのような潤滑剤および随意に安定化剤と混合された活性成分を 含むことができる。軟カプセルにおいては、活性成分は脂肪油、液体パラフィン または液体ポリエチレングリコールのような適した液体に溶解または懸濁されて いるであろう。さらに、安定化剤を加えてもよい。実施例 実施例1:排出ポンプ阻害物スクリーニング−増殖阻害スクリーニング 本アッセイは抗菌剤の作用の効力を高めるであろう分子のスクリーニングに基 づいている。二つの緑膿菌株がスクリーニングに使用された。株K385、排出 ポンプを過剰発現し、K.Pooleにより単離された多薬剤耐性突然変異体、 および株K613、感受性oprM::Hg突然変異体(Pooleら、199 3a;Pooleら、1993b)。試験されるべき未知の分子は培地に含まれ ており、培地に株K385が接種された。もし試験分子が排出ポンプを阻害した ら、抗菌剤の作用が高められ増殖を阻害するであろう。それらの固有の阻害活性 を試験するために、化合物は抗菌剤不在下でも試験された。スクリーニング 株K385の新しい接種物はミューラー−ヒントンブロス中、35℃で一夜増 殖させ、同一の培地で1/50に希釈した。約60分インキュベートすると培養 液は600nmで0.2−0.3のODに達し、それは新しいミューラー−ヒン トンブロスで1/50に希釈した。20μg/mlの試験化合物および0.5μ g/mlのシプロフロキサシンを含むミューラー−ヒントンをウェル当たり50 μl含むマイクロタイタープレートに50μlの希釈培養物を接種した。同量の ミューラー−ヒントンブロスおよび試験化合物を含むがシプロフロキサシンを含 んでいないマイクロタイタープレートの第二の組に50μlの希釈培養物を接種 した。増殖開始条件は10μg/mlの試験化合物および0.25μg/mlの シプロフロキサシンを含む100μlのミューラー−ヒントンブロスであった。 プレートは35℃のインキュベーターに置かれ、20時間インキュベートされた 。増殖はプレートリーダー(Thermomax マイクロリーダー、Mole cular Devices)を用いて600nmで測定された。以下の対照が 含まれている、非接種ミューラー−ヒントンブロス、0.25μg/mlのシプ ロフロキサシンを含むおよびシプロフロキサシンを含まないミューラー−ヒント ンブロス中で増殖させた株K385、0.25μg/mlのシプロフロキサシン を含むおよびシプロフロキサシンを含まないミューラー−ヒントンブロス中で増 殖させた株K613。非接種ミューラー−ヒントンブロスは増殖のベースライン を確立するために使用された。シプロフロキサシン存在下での試験化合物は二重 に実施された。10μg/mlのL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β− ナフチルアミドの添加はシプロフロキサシンの作用を高め、0.25μg/ml の シプロフロキサシンを含む株K386の増殖と比較して増殖はOD600で測定 すると99%阻害された。シプロフロキサシン不在下での10μg/mlのL− フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドによる増殖阻害は1% であった。 同様のスクリーニングが、K385と異なった排出ポンプを過剰発現する株P AO4098Eで実施できる。このスクリーニングにおいて効力増強のために試 験されるシプロフロキサシン濃度は0.25μg/mlのかわりに0.2μg/ mlである。 もし試験分子が排出ポンプを阻害するとしたら、シプロフロキサシン細胞内濃 度は増加するであろうし、細胞増殖は阻害されるであろう。シプロフロキサシン の作用を増強する化合物が同定され、さらに評価された。 上記好適な実施態様で説明したように、類似のスクリーニングが排出ポンプを 発現する他の種、およびこれらのポンプにより運び出される他の抗生物質を用い て実行できる。実施例2:第二のスクリーニング−テトラサイクリンの細胞内濃度の測定 より特異的スクリーニングはレポーター遺伝子の発現を調節するtetR制御 ドメインの使用に基づいている。tetRはよく知られた制御系であり、テトラ サイクリンの濃度を感じ、細胞中でテトラサイクリンの濃度が増加した場合Te tAの合成を誘導する。もし排出ポンプが阻害されたとすると、テトラサイクリ ンの細胞内濃度が増加するであろうし、TetA制御下のタンパク質が誘導され るであろう。 tetRおよび制御ドメインはクローン化されており、tetA−lacZ遺 伝子融合物はTetR制御下に置かれた。この構築物は緑膿菌の非必須染色体遺 伝子中に挿入され、この株の使用に基づいたスクリーニングが組み立てられるで あろう。この構築物はRothsteinらにより発表されたものと異なってい る、i)遺伝子融合物はtetAの異なった場所で作製された、ii)テトラサ イクリン特異的ポンプの阻害剤を発見するために設計されたというよりは多基質 排出ポンプの阻害剤を発見するために設計された、およびiii)構築物はプラ スミドの代わりに染色体へ挿入されるであろう。 株PAO1がスクリーニングに使用されるであろう。それは上記の構築物を非 必須遺伝子に含んでいるであろう。PAO1は亜阻害濃度のテトラサイクリン、 β−ガラクトシダーゼの基質を含む培地中で増殖されるであろう。試験される化 合物は株の接種の前にまたは培養物を増殖した後に培地に加えるであろう。もし 試験化合物が排出ポンプを阻害するとしたら、テトラサイクリンの細胞内濃度が 増加するであろうし、LacZが合成されるであろう。LacZの存在はβ−ガ ラクトシダーゼの基質により検出されるであろう。実施例3:第三のスクリーニング−色原体性試薬の蓄積 特異的スクリーニングは非増殖緑膿菌および他の細菌における色原体性または 蛍光性試薬(または他の検出可能な化合物)の取り込みに基づいている。(以後 この実施例は染料のみを示すであろう。)排出ポンプの一つまたはそれ以上の型 の阻害により染料の蓄積が増加する。従って、もし排出ポンプが阻害されたら、 染料の細胞内濃度が増加するであろうし、それは分光学的に測定可能であり、ま たはいくつかの場合視覚的検査により評価できる。 緑膿菌株PAM1001がスクリーニングの例で使用されるであろうが、同一 または他の排出ポンプを過剰発現している他の緑膿菌株、または問題とする排出 ポンプ(例えば、他の非テトラサイクリン特異的排出ポンプ)を有する他の細菌 種も同様に用いることができる。PAM1001は標準培地で増殖され、細胞を 遠心分離により採取する。細胞はエッペンドルフ遠心管に移し、最適の光学密度 になるまで適当な緩衝液で希釈する。染料および試験される化合物はインキュベ ーション前にある期間室温で培地に加える。懸濁液を遠心分離して細胞ペレット を分光学的に分析するか(手段A)またはペレット中の細胞から染料を抽出し、 染料の量を分光光度的または蛍光光度的に測定する(手段C)。前に説明したよ うに、もしくは懸濁培地中の染料の濃度が決定できる(手段B)。この場合、も し細胞がより多くの量の染料を蓄積すれば、染料の量すなわち上清の吸光度は減 少するであろう。これらの三つの手段の方法の例は以下に説明される。 細胞調製:ミューラー−ヒントン寒天プレートがPAM1001の凍結保存物 での画線により接種され、35℃で一夜インキュベートされた。2−4のコロニ ーを採取し、2mlのミューラー−ヒントンブロスを含むチューブの接種に使用 し、回転シェーカー(200−250rpm)中35℃で一夜インキュベートし た。一夜培養物は250mlのエーレンマイヤーフラスコ中、40mlの同一の 培地で1:100に希釈し、上記と同一の増殖条件下、中間指数増殖期(Per kin Elmer Lamda Bio Spectrophotomete rを用いて600nmでODが1に等しくなるまで)まで増殖させる。室温にて 低速での遠心分離(4000gで20分)で細胞を集め、0.2%のグルコース を含む40mlの0.05Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.9)で一度洗浄し 、同一の緩衝液で再懸濁する(最初の容量と1:10で)。この方法で調製した 細胞を三つの手段の各々で使用した。 手段A−細胞の色の変化: 上記と同一の緩衝液を含むエッペンドルフチュー ブ(1.5ml)中、600nmで1ODまで細胞を希釈する。ゲンチアンバイ オレット(1μg/ml最終濃度)および適当な濃度の試験化合物を加えて総量 で1mlとした。細胞懸濁液は室温で5分間インキュベートし、エッペンドルフ 遠心管中、14,000rpmで2分間遠心分離した。もし排出ポンプが阻害さ れていると細胞ペレットは紫色になる。排出ポンプ阻害剤L−フェニルアラニル −L−アルギニル−β−ナフチルアミドが40μg/ml加えられた場合、ゲン チアンバイオレットおよびL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチ ルアミドに暴露された細胞懸濁液のペレットは紫に変わり、一方ゲンチアンバイ オレットおよびL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドに 暴露されなかった細胞懸濁液のペレットは変色しなかった。 手段B−上清の吸光度の変化: 上記と同一の緩衝液を含むエッペンドルフチ ューブ(1.5ml)中、600nmで0.5ODまで細胞を希釈する。ゲンチ アンバイオレット(8μg/ml最終濃度)およびL−フェニルアラニル−L− アルギニル−β−ナフチルアミドを加えて総量で1mlとした。細胞懸濁液は室 温で5分間インキュベートし、エッペンドルフ遠心管中、14,000rpmで 2分間遠心分離した。上清を集め吸光度を590nmで測定した。この手段の結 果の例が次に示されている: ゲンチアンバイオレット(8μg/ml最終濃度)および排出ポンプ阻害剤L− フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドに暴露された細胞の上 清の吸光度(100%=細胞を含まない緩衝液中のゲンチアンバイオレットの吸 光度) 手段C−細胞ペレットからの染料の抽出: 上記と同一の緩衝液を含むエッペ ンドルフチューブ(1.5ml)中、600nmで0.5ODまで細胞を希釈す る。ゲンチアンバイオレット(16μg/ml最終濃度)および100μg/m lのL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドを加えて総量 で0.5mlとした。細胞懸濁液は室温で5分間インキュベートし、エッペンド ルフ遠心管中、14,000rpmで2分間遠心分離した。細胞は一度洗浄して 20μlの緩衝液に再懸濁し;400μlの1−プロパノールを加え、10分間 インキュベートして遠心分離した。上清を集めゲンチアンバイオレットレベルを 590nmで分光光度的に測定した。結果の例は次に示されている: 排出ポンプ阻害剤L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミド 存在および不在下でのゲンチアンバイオレットの%蓄積(100%=細胞なし) 試験化合物として既知の排出ポンプ阻害剤を用いたスクリーニングの手段の例 として上に示された結果は染料蓄積スクリーニング法はさらなる排出ポンプ阻害 剤の同定に有用であることを示している。実施例4:第四のスクリーニング−正の増殖スクリーニング このアッセイは正の増殖スクリーニングである;すなわち、排出ポンプ阻害剤 の存在が細菌細胞の増殖により示される。本アッセイは誘導可能な制御領域の調 節下にあるβ−ラクタタマーゼ遺伝子を利用する。このスクリーニングのためにtetR 遺伝子、tetAプロモーターおよびblaS遺伝子が緑膿菌株PAO 1の染色体の非必須領域に挿入された。blaS遺伝子はキサントモナス マル トフィリア からのL−1 β−ラクタタマーゼをコードしている;カルバペネム はこのβ−ラクタタマーゼの有効な基質である。基質として有効にカルバペネム を利用できるβ−ラクタタマーゼを株PAO1は産生できず、およびさらにカル バペネムは緑膿菌の排出ポンプにより輸送されない。基質として有効にカルバペ ネムを利用できるβ−ラクタタマーゼ不在下では、緑膿菌外膜の低透過性はカル バペネムの高濃度を克服できず、細菌の増殖を阻害するであろう。従って、もしblaS 遺伝子の発現が誘導されなければ、カルバペネムの存在のためシュード モナス 細胞は死ぬであろう。しかしながら、もし、加えてテトラサイクリンが培 地中に非常に低濃度で存在し、排出阻害剤がテトラサイクリンを輸送する排出ポ ンプを阻害するのに有効な濃度で存在すれば、テトラサイクリンの細胞内濃度が 上昇するであろうし、それによりカルバペネムを加水分解するであろうblaS 遺伝子の発現を誘導し、細菌の増殖を可能にする。 このアッセイはさらに、弱い排出ポンプ阻害剤の活性の滴定を可能にする。こ の滴定は培地中のカルバペネムの種々の濃度を利用することにより達成できる。blaS 遺伝子の発現を完全には誘導しない不十分な阻害剤では高濃度のカルバ ペネムで正の細胞増殖を与えないが(誘導される少量のβ−ラクタタマーゼでは 十分なカルバペネムは加水分解されないので)、一方、低カルバペネム濃度では カルバペネムを加水分解するのに十分なβ−ラクタタマーゼが存在するであろう から、細胞の増殖が可能である。従って、このアッセイは弱いならびに強い排出 ポンプ阻害剤の検出法を提供する。実施例5:標的の評価 病原発生における排出ポンプの影響を算定するため、PAO1中の排出ポンプ 成分をコードしているmexAおよびoprKを入手した。株は遺伝子置換の標 準法を用いて構築した。mexBのヌル突然変異体は多分この突然変異体は致死 的であるため手に入れることはできなかった。mexAおよびoprKヌル突然 変異体は抗生物質に対してより感受性であり、好中球減少マウス中の突然変異体 の毒性を試験する動物モデルとして使用されるであろう。実施例6:ヒット化合物の評価 一つまたはそれ以上の上記のスクリーニング法(増殖阻害、レポーター誘導ま たは正の増殖スクリーニング)でのスクリーニングに基づいて排出ポンプ阻害剤 として同定された化合物は、相関しない抗生物質、ノルフロキサシンおよびテト ラサイクリンに対する緑膿菌の感受性を促進する能力が試験された。続いて、テ トラサイクリン、フルオロキノロン、β−ラクタムおよびアミノグルコシドのよ うな範囲の抗生物質を用いてこれらの化合物の効力を増進効果が決定される。排 出ポンプ阻害剤化合物の抗菌活性もまた試験されるであろう。 さらに、化合物は他のポンプ(例えば、MexC−MexD−OprL系、N orA、TetA、MDR)の阻害に対しても試験されるであろう。同定された 化合物はまた分子レベルで、排出ポンプを阻害するそれらの能力も試験されるで あろう。実施例7:ヒット化合物の同定−L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β− ナフチルアミド 化合物L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドが実施例 1に記載した増殖阻害スクリーニングを用いて排出ポンプ阻害剤として同定され た。スクリーニングは構造および治療的使用に対して期待された安定性に基づい て前もって選択された化合物の群に対して実施された。この化合物の構造は図2 1に示されている。この同定に続いて、この化合物は実施例7に記載したインビ トロ特性付けにかけられた。 実施例8:ヒット化合物の同定−L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β− ナフチルアミド A.ポンプの存在を同定するためのL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β −ナフチルアミドの使用 L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドはこの生成物に より阻害されるポンプの存在を同定するために使用できる。同定はL−フェニル アラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドにより阻害されたポンプにより 排出される抗生物質の効力増強に基づくか、またはポンプの基質(例えばタンパ ク質)の分泌のモニタリングによる。 B.インビトロ概要 L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドはテトラサイク リンおよびシプロフロキサシン両方に対する緑膿菌野生型PAO1株感受性なら びに二つの排出ポンプ過剰産生株K385およびPAO4098Eの感受性を増 加させた(図7&8)。チェッカー盤アッセイを用い、L−フェニルアラニル− L−アルギニル−β−ナフチルアミドおよびテトラサイクリンまたはシプロフロ キサシンの組み合わせはこれらの三つの株に対して明かな相乗作用も示した。L −フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドはポンプ欠損突然変 異体K799/61のテトラサイクリンおよびシプロフロキサシンに対する感受 性には何の影響も与えなかった(図8)。L−フェニルアラニル−L−アルギニ ル−β−ナフチルアミドはまた高い濃度では(32μg/ml)固有の抗菌活性 を示し、緑膿菌の四つの株に対するMICは表2に示されている。両方の排出ポ ンプ過剰産生株は野生株またはポンプ欠損突然変異体よりもL−フェニルアラニ ル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドに対する感受性がより低かったことに 注目するのが重要である(図8)。 緑膿菌PAO1およびK385を用いて、L−フェニルアラニル−L−アルギ ニル−β−ナフチルアミドは緑膿菌で特異的に排出されることが示されている種 々の抗生物質(テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ピペラシリン、セフ タジダイムおよびシプロフロキサシンおよびノルフロキサシンを含む七つのフル オロキノロン)の活性を増強する能力も有しているが、しかしながら、緑膿菌の MDR/ピオベルジン排出ポンプの基質ではないイミペネムおよびゲンタマイシ ンのような薬剤のMICはL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチ ルアミド存在下でも変化しなかったことが示された。 緑膿菌PAO1に対して試験された各々の抗生物質感受性の増加倍数が図9に グラフで示されており、MICは図10に与えられている。四つの両性フルオロ キノロンの相対疎水性とL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチル アミドにより起こされた緑膿菌PAO1およびK385に対するMICの減少の 間に直接的相関も確立された(図11)。 L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドは試験された限 り(n=26)すべての実験室株および緑膿菌の臨床単離物に対しシプロフロキ サシンMICを減少させた。この株の集団は18の臨床単離物および8つの実験 室株を表している。ブロス微量希釈法を用いて、シプロフロキサシンおよびシプ ロフロキサシンおよびL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルア ミドの組み合わせに対するこの株の集団の感受性が試験された。この株の集団に 対するシプロフロキサシンのMIC90は2μg/mlであり、L−フェニルア ラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドの添加(20μg/mlの最終濃 度で)はそれを0.125μg/mlに低下させた(図12)。 L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドおよび亜阻害濃 度のテトラサイクリンまたはシプロフロキサシンの組み合わせによる時間−死亡 研究が三つの緑膿菌株PAO1、K385およびPAO4098Eで実施された 。20μg/mlの最終濃度でのL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β− ナフチルアミドの添加はこれら三つの株に対するテトラサイクリンの静菌活性を 完全に回復させることが示された。また、20μg/mlのL−フェニルアラニ ル−L−アルギニル−β−ナフチルアミド存在下、試験されたすべての株に対し て0.2μg/mlの低さの濃度まで殺菌性であった(図13−15)。 シプロフロキサシンに対するほとんどのエンテロバクテリア属およびシュード モナス種の感受性はL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミ ドにより増加できることも示された。黄色ブドウ球菌の一つの臨床単離物でL− フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドによりシプロフロキサ シンは効力増強されそのMICは16μg/mlから4μg/mlに減少した( 図16)。 L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドの効果は、H. Nikaidoの実験室でのトランスポゾン突然変異発生により得られた大腸菌 のAcrABポンプ欠損突然変異体でも研究された。L−フェニルアラニル−L −アルギニル−B−ナフチルアミドは親株HN817(Acr陽性表現型を有す る大腸菌K12)のアクリジンオレンジに対する感受性を増加させることが示さ れた。AcrABポンプ欠損株、HN818は親株よりもアクリジンオレンジに 対してより感受性であったが、その感受性のレベルはL−フェニルアラニル−L −アルギニル−β−ナフチルアミドにより影響されなかった(図17)。 L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドは既知のDNA ジャイレース突然変異を有する緑膿菌株(PAO236 NalA)に対するシ プロフロキサシンの効力増加を示した。抗微生物剤に対するグラム陰性細菌の総 体の感受性は、外膜透過性(排出を含む)および薬剤に対する標的の親和性両方 のの総体的寄与により決定される。もしNalA中でキノロンの排出が影響され るとしたら、増殖の阻害を起こすのに必要なキノロンの見掛けの濃度が減少する であろうし、薬剤に対する感受性の増加を生じる(図18)。 テトラサイクリン蓄積アッセイが緑膿菌における排出ポンプの活性を測定する ために組み立てられた。アッセイは細菌中の[3H]テトラサイクリンの蓄積を 測定し、緑膿菌中のテトラサイクリンを測定するために最適化された。テトラサ イクリン蓄積は四つの異なった緑膿菌株で測定された:1)排出ポンプの基礎レ ベルを産生する野生型株PAO1、2)PAO1から誘導され二つの異なった排 出ポンプの過剰産生株である株PAO4098EおよびK385、3)株799 /61、測定可能な量の排出ポンプを産生せず、および抗生物質に対して高感受 性である。 排出ポンプを合成している細菌(PAO1、PAO4098EまたはK385 )の細胞懸濁液へのL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミ ドの添加は排出ポンプの正常の機能を阻害し、1mMまたは0.1mMのL−フ ェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドでテトラサイクリン蓄積 が劇的に増加した。同様な様式の阻害がCCCP(エネルギー源として排出ポン プにより使用されるプロトン濃度勾配を破壊するプロトン導体)を細胞懸濁液に 加えた場合に起こった(図19)。 排出ポンプを産生しない株、株799/61でテトラサイクリン蓄積が測定さ れた場合、L−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドの添加 はテトラサイクリン蓄積の定常状態レベルを変化させなかった。プロトン導体C CCPの添加は799/61におけるテトラサイクリン蓄積を低下させた。新し いテトラサイクリン定常状態平衡にはCCCPが細胞懸濁液に添加され、膜の両 側のpHが平衡化された場合に到達した。プロトン濃度勾配を妨害しない排出ポ ンプの特異的阻害剤で期待されるように、細胞懸濁液へのL−フェニルアラニル −L−アルギニル−β−ナフチルアミドの添加はCCCP存在下でのテトラサイ クリン蓄積の定常状態レベルを変化させなかった(図20)。 これらの結果は明らかにL−フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチ ルアミドが緑膿菌中の排出ポンプの機能を阻害していることを示している。L− フェニルアラニル−L−アルギニル−β−ナフチルアミドはプロトン濃度勾配を 妨害せず、脱共役剤としては振る舞わなかった。実施例9:ヒット化合物のインビボ評価 細菌排出ポンプの阻害剤は最初にインビトロで特性付けられる。ポンプの有効 な阻害を示したものおよび抗生物質との相乗的活性を示したものがインビボでの 評価に選択された。効力試験は標準法を使用して行われるであろう。予備的試験 はマウス敗血症を用いて行われる(M.G.Bergeron,1978,Sc and.J.Infect.Dis.Suppl .14:189−206;S. D.Davis,1975,Antimicrob.Agents Chemo ther .8:50−53)。このモデルにおいては致死量を超える細菌がげっ し類の攻撃に使用される。処置時間および抗生物質の用量のどちらかまたは両方 を変化させて処置が開始される。これらの実験において、抗生物質および排出ポ ンプ阻害剤用量の両方を変化させる。抗生物質単独に対し、効力増強剤(排出ポ ンプ阻害剤)および抗生物質の組み合わせによる致死的感染からの保護の有意な 増加により陽性結果が示される。 使用される第二の効力モデルはマウス軟組織感染モデルである(Vogelm anら、1988,J.Infect.Dis.157:287−298)。こ のモデルにおいては、麻酔したマウスの後大腿に適当な力価の細菌を感染させる 。マウスは好中球減少症であるか(−4、−2および0日に125mg/kgの シクロホスホアミドで処理する)または免疫適格である。感染量は通常動物当た り105−106コロニー形成単位である。排出ポンプ阻害剤および/または抗生 物 質の組み合わせでの処理に続いて感染させるか、または感染前に処理する。大腿 筋内の細菌の増殖(または死)が時間でモニターされる。効果的組み合わせは抗 生物質単独よりも非常に大きな活性を示す。活性はマウス組織中での試験細菌の 増殖速度の減少として定義される。 排出ポンプ阻害剤の有効性を算定するために有用な別のモデルは拡散チェンバ ーモデルである(Malouinら,1990,Infect.Immun.5 8:1247−1253;Dayら,J.Infect.2:39−51;Ke llyら,1989,Infect.Immun.57:344−350)。こ のモデルにおいて、げっし類はそれらの腹腔に手術的におかれた拡散チェンバー を有する。チェンバーはポリプロピレン円筒から成り、円筒末端は半透過性膜で 被覆されている。腹腔液のチェンバー内へのまたはからの拡散により微生物に栄 養が供給される。抗生物質/排出ポンプ阻害剤の存在および不在下での細菌の増 殖が抗生物質単独と比較される。組み合わせおよび抗生物質単独の用量範囲変化 が抗生物質/組み合わせの有効性を算定するために行われた。 排出ポンプ阻害剤/抗生物質組み合わせの説得力のある試験として有用な第三 のモデルは心内膜炎モデルである(J.SantoroおよびM.E.Levi nson,1978,Infect.Immun 19:915−918)。ラ ットおよびウサギがこのモデルでの使用に有用である。排出阻害剤および抗生物 質の組み合わせの有用性が抗生物質単独と比較される。終点は通常、処置の終了 時点で心臓組織増殖物中に残っている生きている細胞である。 提供された感染動物の例は制限のためにあるものではなく、他のモデルも特異 的感染微生物に適当なものとして利用できる。特に、いくつかの状況においては 動物モデルの代わりに細胞に基づいた感染モデルが使用されるであろう。 本明細書に記載した態様は発明を制限することを意味してはいない。当業者は 本発明が多数の細菌株および種、または他の細胞型を用いて実施できることを理 解するであろう。 他の態様は以下の請求の範囲内に含まれている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘッカー,スコット・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州95032, ロス・ガトス,イングルウッド・アベニュ ー 16387 (72)発明者 リー,ヴィン・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94024, ロス・アルトス,カーヴォ・コート 1335 (72)発明者 トライアス,ジョアキム アメリカ合衆国カリフォルニア州94401, サン・マテオ,ターナー・テラス 407, ナンバー 305

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 非テトラサイクリン特異的排出ポンプ阻害剤のスクリーニング法であ って、準阻害濃度の抗菌剤存在下、潜在的非テトラサイクリン特異的排出ポンプ 阻害剤が細菌の増殖を阻害するか否かを決定することを含み、 ここで該細菌は非テトラサイクリン特異的排出ポンプを産生することを特徴とす る方法。 2. 該細菌が該非テトラサイクリン特異的排出ポンプを過剰発現する請求 項第1項に記載の方法。 3. さらに、該排出ポンプを過剰発現する該細菌の増殖と該排出ポンプを 過剰発現しない第二の細菌の増殖と比較することを含み、 ここで、該排出ポンプを過剰発現する該細菌の増殖が該第二の細菌の増殖よりも 顕著な程度で阻害される場合には該試験化合物は非テトラサイクリン特異的排出 ポンプ阻害剤である、請求項第2項に記載の方法。 4. 非テトラサイクリン特異的排出ポンプ阻害剤のスクリーニング法であ って、 試験化合物の存在および不在下、非テトラサイクリン特異的排出ポンプを有する 細菌細胞を該排出ポンプにより輸送される色素または蛍光団と接触させ;そして 該試験化合物の該存在および不在下、該色素または蛍光団の細胞内濃度を比較 することを含み、 ここで、該試験化合物不在下と比較して該試験化合物存在下での該色素または 蛍光団の細胞内濃度の増加は該試験化合物が非テトラサイクリン特異的排出ポン プ阻害剤であることの指標であることを特徴とする方法。 5. 該色素がゲンチアンバイオレットおよびマラカイトグリーンから選択 される請求項第4項に記載の方法。 6. 該比較が懸濁培地中の該色素の濃度の変化を決定することを含む請求 項第4項に記載の方法。 7. 非テトラサイクリン特異的排出ポンプ阻害剤のスクリーニング法であ って、試験化合物および準阻害濃度の第二の化合物存在下、非テトラサイクリン 特異的排出ポンプを発現している組換え体細菌中で該第二の化合物の細胞内濃度 が上昇するか否かを決定することを含み、 ここで、該決定は該第二の化合物の上昇した濃度により誘導可能な調節配列に より制御されているレポーター遺伝子の発現を検出することを含み、かつ ここで、該試験化合物存在下でのレポーター遺伝子の発現のレベルがその不在 下よりも高い場合には該試験化合物は非テトラサイクリン特異的排出ポンプ阻害 剤である、ことを特徴とする方法。 8. 該第二の化合物が抗菌剤である請求項第7項に記載の方法。 9. 該調節配列がテトラサイクリンの上昇した濃度により誘導可能である 請求項第8項に記載の方法。 10. 該調節配列がTetRを結合するオペレーター部位を含むtetA調 節配列である請求項第9項に記載の方法。 11. 該レポーター遺伝子が酵素を発現する請求項第7項に記載の方法。 12. 該レポーター遺伝子がβ−ガラクトシダーゼ遺伝子である請求項第1 1項に記載の方法。 13. 該レポーター遺伝子が比色による報告を提供する請求項第7項に記載 の方法。 14. 排出ポンプ阻害剤の試験法であって、 a)排出ポンプを発現している組換え体微生物細胞を試験化合物と接触させ、そ して b)該試験化合物存在下、該組換え体微生物細胞が増殖するか否かを決定する、 の各工程を含み、 ここで、該微生物細胞は、排出ポンプが阻害される場合には、排出ポンプが阻 害されていない場合よりもより顕著な増殖を示すであろうし、 ここで、該組換え体微生物細胞が該試験化合物存在下で該試験化合物不在下よ りも顕著な増殖を示す場合には該試験化合物は排出ポンプ阻害剤である、 ことを特徴とする方法。 15. 該組換え体微生物細胞を試験化合物、誘導剤および該組換え体微生物 細胞の非誘導MICより高い濃度の抗微生物剤と接触させることを含み、 さらに、該試験化合物の存在下、該誘導剤の細胞内濃度が上昇するか否かを決 定することを含み、 ここで、該誘導剤の上昇した細胞内濃度は該抗微生物剤の不活性化剤を誘導す る、請求項第14項に記載の方法。 16. 該組換え体微生物細胞が組換え体細菌細胞であり、該抗微生物剤が抗 菌剤である請求項第15項に記載の方法。 17. 該組換え体細菌が、該誘導剤の上昇した細胞内濃度により誘導可能な プロモーターを含み、該抗菌剤の不活性化剤をコードする配列と転写的に連結さ れている人工的に挿入されたDNA構築物を含み、 ここで、該誘導剤の該上昇した細胞内濃度は該抗菌剤の不活性化剤をコードす る該配列の発現を誘導する、請求項第16項に記載の方法。 18. 該誘導剤がβ−ラクタマーゼ遺伝子の発現を誘導し、該抗菌剤がβ− ラクタムである、請求項第17項に記載の方法。 19. 該誘導剤がテトラサイクリンであり、該β−ラクタマーゼ遺伝子が laS 遺伝子であり、および該β−ラクタムがカルバペネムである、請求項第1 8項に記載の方法。 20. 該プロモーターがtetAプロモーターであり、および該組換え体細 菌細胞がtetR遺伝子を発現する、請求項第17または19項に記載の方法。 21. 該β−ラクタマーゼ遺伝子が染色体に挿入されている請求項第18ま たは19項に記載の方法。 22. 該排出ポンプが緑膿菌型排出ポンプである請求項第1−21項のいず れかに記載の方法。 23. 該排出ポンプが緑膿菌排出ポンプである請求項第22項に記載の方法 。 24. 該細菌が緑膿菌である請求項第23項に記載の方法。 25. 該緑膿菌が株K385またはPAO4098Eである請求項第24項 に記載の方法。 26. 少なくとも一つの該細菌が緑膿菌、シュードモナス フルオレッセン ス、シュードモナス アシドボランス、シュードモナス アルカリゲネス、シュ ードモナス プチダ、ステノトロホモナス マルトフィリア、ブルクホルデリア セパシア、アエロモナス ヒドロフィア、大腸菌、シトロバクター フロインデ ィイ、鼠チフス菌、腸チフス菌、パラチフス菌、腸炎菌、志賀赤痢菌、フレクス ナー菌、ソネ赤痢菌、エンテロバクター クロアカエ、エンテロバクター エロ ゲネス、肺炎杆菌、クレブシエラ オキシトカ、霊菌、野兎病菌、モルガネラ モルガニイ、ミラビリス変形菌、尋常変形菌、プロビデンシア アルカリファシ エンス、プロビデンシア レットゲリ、プロビデンシア スチュアルティイ、ア シネトバクター カルコアセチカス、アシネトバクター ヘモリチカス、エンテ ロコリチカ菌、ペスト菌、偽結核エルシニア菌、エルシニア インターメディア 、百日咳菌、パラ百日咳菌、気管支敗血症菌、インフルエンザ菌、パラインフル エンザ菌、ヘモフィルス ヘモリチカス、ヘモフィルス パラヘモリチカス、ヘ モフィルス デュクレイ、動物パスツレラ症病原菌、パスツレラ ヘモリチカ、 カタル球菌、ヘリコバクター ピロリ、カンピロバクター フィタス、カンピロ バクター ジェジュニ、カンピロバクター コリ、ボレリア ブルグドルフェリ 、ビブリオコレラ、腸炎ビブリオ、レジオネラ ニューモフィラ、リステリア菌 、淋菌、髄膜炎菌、ガードネラ バジナリス、バクテロイデス フラジリス、バ クテロイデス ディスタソニス、バクテロイデス 3452A 相同群、バクテ ロイデス ブルガタス、バクテロイデス オバータス、バクテロイデス シータ イオタロミクロン、バクテロイデス ユニフォルミス、バクテロイデス エガー シイ、バクテロイデス スプランクニカス、ストロリジウム ディフィシレ、ヒ ト結核菌、トリ結核菌、マイコバクテリウム イントラセルラーレ、ライ菌、ジ フテリア菌、コリネバクテリウム ウルセランス、肺炎球菌、ストレプトコッカ スアガラクチエ、化膿連鎖球菌、エンテロコッカス ファーカリス、エンテロコ ッカス ファシウム、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、スタフィロコッカス サプロフィチカス、スタフィロコッカス インターメジウス、スタフィロコッカ スヒイカス亜種ヒイカス、スタフィロコッカス ヘモリチカス、スタフィロコッ カス ホミニス、スタフィロコッカス サッカロリチカスから成る群より選択さ れる請求項第1−21項のいずれかに記載の方法。 27. 該排出ポンプがmexA/mexB/oprMおよび緑膿菌株K38 5により過剰発現される排出ポンプから成る群より選択される請求項第1−21 項のいずれかに記載の方法。 28. 該組換え体細菌が緑膿菌株、株K385または株PAO4098Eに 由来する請求項第14−21項のいずれかに記載の方法。 29. 動物において微生物感染を処置する方法であって、該感染を患う動物 に排出ポンプ活性を減少させるのに十分な量の排出ポンプ阻害剤を投与すること を含み、 ここで、該排出ポンプ阻害剤は該動物中の微生物の病原性またはインビボ生存 能力を減少させることを特徴とする方法。 30. 動物において微生物感染を処置する方法であって、該感染を患う動物 に抗微生物剤および排出ポンプ活性を減少させるのに十分な量の排出ポンプ阻害 剤を投与することを含み、 ここで、該排出ポンプ阻害剤は該抗微生物剤に対する該微生物の感受性を高め ることを特徴とする方法。 31. 動物の予防的処置法であって、微生物感染の危険性のある動物に排出 ポンプ阻害剤を投与することを含み、 ここで該排出ポンプ阻害剤は該動物中の微生物の病原性を減少させることを特 徴とする方法。 32. 動物の予防的処置法であって、微生物感染の危険性のある動物に抗微 生物剤および排出ポンプ阻害剤を投与することを含み、 ここで該排出ポンプは該抗微生物剤に対する微生物の感受性を増加させること を特徴とする方法。 33. 該動物が哺乳類である請求項第29−32項のいずれかに記載の方法 。 34. 該微生物感染が細菌を含む請求項第29−32項のいずれかに記載の 方法。 35. 微生物に対する抗微生物剤の抗微生物活性を増強する方法であって、 該微生物を抗微生物剤および該微生物中で排出ポンプを阻害するのに有効な量の 非テトラサイクリン特異的排出ポンプ阻害剤と接触させることを含む方法。 36. 該微生物が細菌である請求項第35項に記載の方法。 37. 該細菌感染が緑膿菌、シュードモナス フルオレッセンス、シュード モナス アシドボランス、シュードモナス アルカリゲネス、シュードモナス プチダ、ステノトロホモナス マルトフィリア、ブルクホルデリア セパシア、 アエロモナス ヒドロフィア、大腸菌、シトロバクター フロインディイ、鼠チ フス菌、腸チフス菌、パラチフス菌、腸炎菌、志賀赤痢菌、フレクスナー菌、ソ ネ赤痢菌、エンテロバクター クロアカエ、エンテロバクター エロゲネス、肺 炎杆菌、クレブシエラ オキシトカ、霊菌、野兎病菌、モルガネラ モルガニイ 、ミラビリス変形菌、尋常変形菌、プロビデンシア アルカリファシエンス、プ ロビデンシア レットゲリ、プロビデンシア スチュアルティイ、アシネトバク ター カルコアセチカス、アシネトバクター ヘモリチカス、エンテロコリチカ 菌、ペスト菌、偽結核エルシニア菌、エルシニア インターメディア、百日咳菌 、パラ百日咳菌、気管支敗血症菌、インフルエンザ菌、パラインフルエンザ菌、 ヘモフィルス ヘモリチカス、ヘモフィルス パラヘモリチカス、ヘモフィルス デュクレイ、動物パスツレラ症病原菌、パスツレラ ヘモリチカ、カタル球菌 、ヘリコバクター ピロリ、カンピロバクター フィタス、カンピロバクター ジェジュニ、カンピロバクター コリ、ボレリア ブルグドルフェリ、ビブリオ コレラ、腸炎ビブリオ、レジオネラ ニューモフィラ、リステリア菌、淋菌、髄 膜炎菌、ガードネラ バジナリス、バクテロイデス フラジリス、バクテロイデ ス ディスタソニス、バクテロイデス 3452A 相同群、バクテロイデス ブルガタス、バクテロイデス オバータス、バクテロイデス シータイオタロミ クロン、バクテロイデス ユニフォルミス、バクテロイデス エガーシイ、バク テロイデス スプランクニカス、ストロリジウム ディフィシレ、ヒト結核菌、 トリ結核菌、マイコバクテリウム イントラセルラーレ、ライ菌、ジフテリア菌 、コリネバクテリウム ウルセランス、肺炎球菌、ストレプトコッカス アガラ クチエ、化膿連鎖球菌、エンテロコッカス ファーカリス、エンテロコッカス ファシウム、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、スタフィロコッカス サプロフ ィチカス、スタフィロコッカス インターメジウス、スタフィロコッカス ヒイ カス亜種ヒイカス、スタフィロコッカス ヘモリチカス、スタフィロコッカス ホミニス、スタフィロコッカス サッカロリチカスから成る群より選択される細 菌を含む請求項第34または36項に記載の方法。 38. 該排出ポンプ阻害剤が非テトラサイクリン特異性排出ポンプ阻害剤で ある請求項第34または36項に記載の方法。 39. 該排出ポンプ阻害剤が緑膿菌型排出ポンプ阻害剤である請求項第34 または36項に記載の方法。 40. 該微生物感染が細菌感染でありおよび該抗微生物剤が抗菌剤である請 求項第30および32−39項のいずれかに記載の方法。 41. 該抗菌剤がキノロンである請求項第40項に記載の方法。 42. 該抗菌剤がテトラサイクリンである請求項第40項に記載の方法。 43. 該抗菌剤がβ−ラクタムである請求項第40項に記載の方法。 44. 該抗菌剤がクーメルマイシンである請求項第40項に記載の方法。 45. 該抗菌剤がクロラムフェニコールである請求項第40項に記載の方法 。 46. 該抗菌剤がグリコペプチドである請求項第40項に記載の方法。 47. 該抗菌剤がアミノグリコシドである請求項第40項に記載の方法。2 48. 該抗菌剤がマクロライドである請求項第40項に記載の方法。 49. 該抗菌剤がリファマイシンである請求項第40項に記載の方法。 50. 微生物細胞膜中の膜チャンネル機能を阻害する方法であって、膜チャ ンネルを膜チャンネル阻害剤と接触させることを含み、 ここで該阻害剤は該膜チャンネルの排出能力を減少させることを特徴とする方 法。 51. 膜チャンネルの一つのポリペプチドがmexAmexBoprM 排出ポンプまたは緑膿菌K385により過剰発現される排出ポンプのポリペプチ ドと少なくとも50%のアミノ酸配列類似性を有する、請求項第50項に記載の 方法。 52. 微生物による動物の感染の処置に有効な医薬組成物であって、排出ポ ンプ阻害剤を含む組成物。 53. 細菌による動物の処置に有効である請求項第52項に記載の医薬組成 物。 54. 微生物による動物の感染の処置に有効である請求項第52項に記載の 医薬組成物。 55. 排出ポンプ活性を減少させるのに十分な量を投与した場合に微生物に よる動物の感染の処置に有効な医薬組成物であって、排出ポンプ阻害剤および抗 微生物剤を含む組成物。 56. 該組成物が微生物による哺乳類の感染の処置に有効であり、ここで該 微生物は細菌である、請求項第55項に記載の医薬組成物。 57. 細菌による動物の感染の処置に有効であり、ここで該抗微生物剤は抗 菌剤である、請求項第56項に記載の医薬組成物。 58. 排出ポンプ活性を減少させるのに十分な量で抗微生物剤と一緒に投与 された場合に微生物による動物の感染の処置に有効な医薬組成物であって、医薬 として受容可能な担体および排出ポンプ阻害剤を含む組成物。 59. 細菌による動物の感染の処置に有効であり、ここで該抗微生物剤は抗 菌剤である、請求項第58項に記載の医薬組成物。 60. 微生物による哺乳類の感染の処置に有効であり、ここで該微生物は細 菌である、請求項第59項に記載の医薬組成物。 61. 該排出ポンプ阻害剤が構造1−4: [式中、 Rは、アルキル(C1−C4)、フルオロアルキル(C1−C4)、パーフルオロア ルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハ ロゲン(Br、Cl、FまたはI)、アリール(C6−C10)、一置換アリー ル(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、ア ルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)、アミノ、一置 換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)で置換されている]、二置換アミノ[随 意にアルキル(C1−C4)の任意の組み合わせで置換されている]またはヒドロ キシルで置換されている]、二置換アリール(C6−C10)[随意にアルキル( C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン( Br、Cl、FまたはI)およびアミノの任意の組み合わせで置換されている] 、2−(または3−)−チエニル、2−(または3−)−フラニル、または2− (3−または4−)−ピリジルであり; Wは、H、NH2、一置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)で置換されてい る]、二置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)の任意に組み合わせで置換さ れている]、アザヘテロ環[N−モルホリニル、N−ピペラジニル、N−ピロリ ジニル、N−イミダゾリル、N−ピロリル、N−ピラゾリル、N−トリアゾリル またはN−テトラゾリルのような]、ハロゲン(Br、Cl、F、I)、ヒドロ キシル、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)であり; R1は、(CH2nNRab、(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa )NRbc、(CH2nSNHC=(NRa)NRbc、(CH2nC=(NRa )NRbc、(CH2nN=CNRbc、(n=2−4)であり;Ra(Rbまた はRc)は、H、アルキル(C1−C4)、アリール(C6)、置換アリール、ベン ジル、置換ベンジル[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、 アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノ で置換されている]であるか、またはRa+Rbは(CH22-3または−CH=C H−であり; Xは、アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換ア リール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4) 、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミ ノで置換されている]、置換−(CH20-2アリール(C6−C10)[アリール 構成単位上にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ( C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノの置換]、2 −(または3−)−チエニル、2−(または3−)−フリル、2−(3−または 4−)−ピリジル、ベンゾフラニル[ベンゾフラン環の任意の位置で]、ベンゾ チエニル[ベンゾチオフェン環の任意の位置で]であり;および ここには不整中心が存在するが、絶対的な立体化学はRまたはSコンフィギュレ ーションのいずれでもよく、またはラセミ体混合物でもよい] のいずれかを有する請求項第52、55または58項に記載の医薬組成物:。 62. 該排出ポンプ阻害剤が構造1: [式中、 Rは、アルキル(C1−C4)、フルオロアルキル(C1−C4)、パーフルオロア ルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハ ロゲン(Br、Cl、FまたはI)、アリール(C6−C10)、一置換アリール (C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アル キルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)、アミノ、一置換 アミノ[随意にアルキル(C1−C4)で置換されている]、二置換アミノ[随意 にアルキル(C1−C4)の任意の組み合わせで置換されている]またはヒドロキ シルで置換されている]、二置換アリール(C6−C10)[随意にアルキル(C1 −C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(B r、Cl、FまたはI)およびアミノの任意の組み合わせで置換されている]、 2−(または3−)−チエニル、2−(または3−)−フラニル、または2−( 3−または4−)−ピリジルであり; Wは、H、NH2、一置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)で置換されてい る]、二置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)の任意に組み合わせで置換さ れている]、アザヘテロ環[N−モルホリニル、N−ピペラジニル、N−ピロリ ジニル、N−イミダゾリル、N−ピロリル、N−ピラゾリル、N−トリアゾリル またはN−テトラゾリルのような]、ハロゲン(Br、Cl、F、I)、ヒドロ キシル、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)であり; R1は、(CH2nNRab、(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa )NRbc、(CH2nSNHC=(NRa)NRbc、(CH2nC=(NRa )NRbc、(CH2nN=CNRbc、(n=2−4)であり;Ra( RbまたはRc)は、H、アルキル(C1−C4)、アリール(C6)、置換アリー ル、ベンジル、置換ベンジル[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1 −C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)ま たはアミノで置換されている]であるか、またはRa+Rbは(CH22-3または −CH=CH−であり; Xは、アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換ア リール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4) 、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミ ノで置換されている]、置換−(CH20-2アリール(C6−C10)[アリール 構成単位上にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ( C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノの置換]、2− (または3−)−チエニル、2−(または3−)−フリル、2−(3−または4 −)−ピリジル、ベンゾフラニル[ベンゾフラン環の任意の位置で]、ベンゾチ エニル[ベンゾチオフェン環の任意の位置で]であり;および ここには不整中心が存在するが、絶対的な立体化学はRまたはSコンフィギュレ ーションのいずれでもよく、またはラセミ体混合物でもよい] を有する請求項第61項に記載の医薬組成物。 63. Rは、アルキル(C1−C4)、フルオロアルキル(C1−C4)、パー フルオロアルキル(C1−C4)、アリール(C6−C10)、一置換アリール(C6 −C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチ オ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)、アミノ、一置換アミノ [随意にアルキル(C1−C4)で置換されている]、二置換アミノ[随意にアル キル(C1−C4)の任意の組み合わせで置換されている]またはヒドロキシルで 置換されている]、二置換アリール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4 )、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、C l、FまたはI)およびアミノの任意の組み合わせで置換されている]、2−( または3−)−チエニル、2−(または3−)−フラニル、または2−(3−ま たは4−)−ピリジルであり; Wは、H、NH2、一置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)で置換されてい る]、二置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)の任意に組み合わせで置換さ れている]、アザ複素環[N−モルホリニル、N−ピペラジニル、N−ピロリジ ニル、N−イミダゾリル、N−ピロリル、N−ピラゾリル、N−トリアゾリルま たはN−テトラゾリルのような]、ハロゲン(Br、Cl、F、I)、ヒドロキ シル、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)であり; R1は、(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa)NRbc、(CH2 nSNHC=(NRa)NRbc、(CH2nC=(NRa)NRbc、(CH2 nN=CNRbc、(n=2−4)であり;Ra(RbまたはRc)は、H、アル キル(C1−C4)、アリール(C6)、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル [随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1 −C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノで置換されている ]であるか、またはRa+Rbは(CH22-3または−CH=CH−であり; Xは、アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換ア リール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4) 、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミ ノで置換されている]、置換−(CH20-2アリール(C6−C10)[アリール 構成単位上にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ( C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノの置換]、2− (または3−)−チエニル、2−(または3−)−フリル、2−(3−または4 −)−ピリジル、ベンゾフラニル[ベンゾフラン環の任意の位置で]、ベンゾチ エニル[ベンゾチオフェン環の任意の位置で]であり;および ここには不整中心が存在するが、絶対的な立体化学はRまたはSコンフィギュレ ーションのいずれでもよく、またはラセミ体混合物でもよい; である請求項第62項に記載の医薬組成物。 64. Rは、アルキル(C1−C4)、フルオロアルキル(C1−C4)、アリ ール(C6−C10)、一置換アリール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4 )、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、アミノ、一置換アミ ノ[随意にアルキル(C1−C4)で置換されている]、二置換アミノ[随意にア ルキル(C1−C4)の任意の組み合わせで置換されている]で置換されている ]、2−(または3−)−チエニル、2−(または3−)−フラニル、または2 −(3−または4−)−ピリジルであり; Wは、H、NH2、一置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)で置換されてい る]、二置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)の任意に組み合わせで置換さ れている]、アザ複素環[N−モルホリニル、N−ピペラジニル、N−ピロリジ ニル、N−イミダゾリル、N−ピロリル、N−ピラゾリル、N−トリアゾリルま たはN−テトラゾリルのような]であり; R1は、(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa)NRbc、(CH2 nC=(NRa)NRbc、(CH2nN=CNRbc、(n=2−4)であり ;Ra(RbまたはRc)は、H、アルキル(C1−C4)、アリール(C6)である か、またはRa+Rbは(CH22-3または−CH=CH−であり; Xは、アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換ア リール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4) 、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミ ノで置換されている]、置換−(CH20-2アリール(C6−C10)[アリール 構成単位上にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ( C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノの置換]、2− (または3−)−チエニル、2−(または3−)−フリル、または2−(3−ま たは4−)−ピリジルであり;および ここには不整中心が存在するが、絶対的な立体化学はRまたはSコンフィギュレ ーションのいずれでもよく、またはラセミ体混合物でもよい;である請求項第6 3項に記載の医薬組成物。 65. 該排出ポンプ阻害物が構造2: [式中、 Rは、アリール(C6−C10)、一置換アリール(C6−C10)[随意にアルキル (C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン (Br、Cl、FまたはI)、アミノ、一置換アミノ[随意にアルキル(C1− C4)で置換されている]、二置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)の任意 の組み合わせで置換されている]またはヒドロキシルで置換されている]、2 (または3−チエニル、2−(または3−)−フラニル、または2−(3−また は4−)−ピリジルであり; R1は、(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa)NRbc、(CH2 nSNHC=(NRa)NRbc、(CH2nC=(NRa)NRbc、(CH2 nN=CNRbc、(n=2−4)であり;Ra(RbまたはRc)は、H、アル キル(C1−C4)、アリール(C6)、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル [随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1 −C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノで置換されている ]であるか、またはRa+Rbは(CH22-3または−CH=CH−であり; Xは、アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換ア リール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4) 、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミ ノで置換されている]、置換−(CH20-2アリール(C6−C10)[アリール 構成単位上にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ( C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノの置換]、2− (または3−)−チエニル、2−(または3−)−フリル、2−(3−または4 −)−ピリジル、ベンゾフラニル[ベンゾフラン環の任意の位置で]、ベンゾチ エニル[ベンゾチオフェン環の任意の位置で]であり;および ここには不整中心が存在するが、絶対的な立体化学はRまたはSコンフィギュレ ーションのいずれでもよく、またはラセミ体混合物でもよい] を有する請求項第61項に記載の医薬組成物。 66.Rは、アリール(C6−C10)、一置換アリール(C6−C10)[随意に アルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、 ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)、アミノ、一置換アミノ[随意にアルキル (C1−C4)で置換されている]、二置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4) の任意の組み合わせで置換されている]またはヒドロキシルで置換されている] 、2(または3−チエニル、2−(または3−)−フラニル、または2−(3− または4−)−ピリジルであり; R1は、(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa)NRbc、(CH2nSNHC=(NRa)NRbc、(CH2nC=(NRa)NRbc、(CH2nN=CNRbc、(n=2−4)であり;Ra(RbまたはRc)は、H、ア ルキル(C1−C4)、アリール(C6)、置換アリール、ベンジル、置換ベンジ ル[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1 −C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノで置換されている ]であるか、またはRa+Rbは(CH22-3または−CH=CH−であり; Xは、アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換ア リール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4) 、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミ ノで置換されている]、置換−(CH20-2アリール(C6−C10)[アリール 構成単位上にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ( C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノの置換]、2− (または3−)−チエニル、2−(または3−)−フリル、2−(3−または4 −)−ピリジル、ベンゾフラニル[ベンゾフラン環の任意の位置で]、ベンゾチ エニル[ベンゾチオフェン環の任意の位置で]であり;および ここには不整中心が存在するが、絶対的な立体化学はRまたはSコンフィギュレ ーションのいずれでもよく、またはラセミ体混合物でもよい; である請求項第65項に記載の医薬組成物。 67.Rは、アリール(C6−C10)、一置換アリール(C6−C10)[随意に アルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、 アミノ、一置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)で置換されている]、二置 換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)の任意の組み合わせで置換されている] またはヒドロキシルで置換されている]、2(または3−チエニル、2−(また は3−)−フラニル、または2−(3−または4−)−ピリジルであり; R1は、(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa)NRbc、(CH2 nC=(NRa)NRbc、(CH2nN=CNRbc、(n=2−4)であり ;Ra(RbまたはRc)は、H、アルキル(C1−C4)、アリール(C6)である か、またはRa+Rbは(CH22-3または−CH=CH−であり; Xは、アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換 アリール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4 )、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはア ミノで置換されている]、置換−(CH20-2アリール(C6−C10)[アリー ル構成単位上にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ (C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノの置換]、2 −(または3−)−チエニル、2−(または3−)−フリル、2−(3−または 4−)−ピリジルであり;および ここには不整中心が存在するが、絶対的な立体化学はRまたはSコンフィギュレ ーションのいずれでもよく、またはラセミ体混合物でもよい; である請求項第66項に記載の医薬組成物。 68. 該排出ポンプ阻害剤が構造3: [式中、 Rは、アルキル(C1−C4)、アリール(C6−C10)、一置換アリール(C6− C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ (C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)、アミノ、一置換アミノ[ 随意にアルキル(C1−C4)で置換されている]、二置換アミノ[随意にアルキ ル(C1−C4)の任意の組み合わせで置換されている]で置換されている]、二 置換アリール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1− C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)およ びアミノの任意の組み合わせで置換されている]、2−(または3−)−チエニ ル、2−(または3−)−フラニル、または2−(3−または4−)−ピリジル であり; Wは、H、NH2、一置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)で置換されてい る]、二置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)の任意に組み合わせで置換さ れている]、アザ複素環[N−モルホリニル、N−ピペラジニル、N−ピロリジ ニル、N−イミダゾリル、N−ピロリル、N−ピラゾリル、N−トリアゾリルま たはN−テトラゾリルのような]であり; R1は、(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa)NRbc、(CH2 nC=(NRa)NRbc、(CH2nN=CNRbc、(n=2−4)であ り;Ra(RbまたはRc)は、H、アルキル(C1−C4)、アリール(C6)、置 換アリール、ベンジル、置換ベンジル[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキ シ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、Fまたは I)で置換されている]であるか、またはRa+Rbは(CH22-3または−CH =CH−であり; Xは、アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換ア リール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4) 、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミ ノで置換されている]、置換−(CH20-2アリール(C6−C10)[アリール 構成単位上にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ( C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノの置換]、2− (または3−)−チエニル、2−(または3−)−フリル、2−(3−または4 −)−ピリジルであり;および ここには不整中心が存在するが、絶対的な立体化学はRまたはSコンフィギュレ ーションのいずれでもよく、またはラセミ体混合物でもよい] を有する請求項第61項に記載の医薬組成物。 69.Rは、アルキル(C1−C4)、アリール(C6−C10)、一置換アリー ル(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、ア ルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)、アミノで置換 されている]、二置換アリール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、 アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、 FまたはI)およびアミノの任意の組み合わせで置換されている]、2−(また は3−)−チエニル、2−(または3−)−フラニル、または2−(3−または 4−)−ピリジルであり; Wは、H、NH2、一置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)で置換されてい る]、二置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)の任意に組み合わせで置換さ れている]、アザ複素環[N−モルホリニル、N−ピペラジニル、N−ピロリジ ニル、N−イミダゾリル、N−ピロリル、N−ピラゾリル、N−トリアゾリルま たはN−テトラゾリルのような]であり; R1は、(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa)NRbc、(CH2 nC=(NRa)NRbc、(CH2nN=CNRbc、(n=2−4)であり ;Ra(RbまたはRc)は、H、アルキル(C1−C4)、アリール(C6)、置換 アリール、ベンジル、置換ベンジル[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ (C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)で置換されている]であるか、または Ra+Rbは(CH22-3または−CH=CH−であり; Xは、アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換ア リール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4) 、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミ ノで置換されている]、置換−(CH20-2アリール(C6−C10)[アリール 構成単位上にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ( C1−C4)の置換]、2−(または3−)−チエニル、2−(または3−)−フ リル、または2−(3−または4−)−ピリジルであり;および ここには不整中心が存在するが、絶対的な立体化学はRまたはSコンフィギュレ ーションのいずれでもよく、またはラセミ体混合物でもよい; である請求項第68項に記載の医薬組成物。 70. Rは、アルキル(C1−C4)、アリール(C6−C10)、2−(また は3−)−チエニル、2−(または3−)−フラニル、2−(3−または4−) −ピリジルであり; Wは、H、NH2、一置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)で置換されてい る]、二置換アミノ[随意にアルキル(C1−C4)の任意に組み合わせで置換さ れている]、アザ複素環[N−モルホリニル、N−ピペラジニル、N−ピロリジ ニル、N−イミダゾリル、N−ピロリル、N−ピラゾリル、N−トリアゾリルの ような]であり; R1は、(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa)NRbc、(CH2 nC=(NRa)NRbc、(CH2nN=CNRbc、(n=2−4)であり ;Ra(RbまたはRc)は、H、アルキル(C1−C4)、アリール(C6)、置換 アリール、ベンジルであるか、またはRa+Rbは(CH22-3または−CH=C H−であり; Xは、アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換ア リール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4) 、アルキルチオ(C1−C4)で置換されている]、2−(または3−)−チエニ ル、2−(または3−)−フリル、2−(3−または4−)−ピリジルであり; および ここには不整中心が存在するが、絶対的な立体化学はRまたはSコンフィギュレ ーションのいずれでもよく、またはラセミ体混合物でもよい; である請求項第69項に記載の医薬組成物。 71. 該排出ポンプ阻害剤が構造4: [式中、 Rは、アルキル(C1−C4)、アリール(C6−C10)、一置換アリール(C6− C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ (C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)、アミノ、一置換アミノ[ 随意にアルキル(C1−C4)で置換されている]、二置換アミノ[随意にアルキ ル(C1−C4)の任意の組み合わせで置換されている]で置換されている]、二 置換アリール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1− C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)およ びアミノの任意の組み合わせで置換されている]、2−(または3−)−チエニ ル、2−(または3−)−フラニル、または2−(3−または4−)−ピリジル であり; R1は、(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa)NRbc、(CH2 nC=(NRa)NRbc、(CH2nN=CNRbc、(n=2−4)であり ;Ra(RbまたはRc)は、H、アルキル(C1−C4)、アリール(C6)、置換 アリール、ベンジル、置換ベンジル[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ (C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI )で置換されている]であるか、またはRa+Rbは(CH22-3または−CH= CH−であり; Xは、アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換ア リール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4 )、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはア ミノで置換されている]、置換−(CH20-2アリール(C6−C10)[アリー ル構成単位上にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ (C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミノの置換]、2 −(または3−)−チエニル、2−(または3−)−フリル、2−(3−または 4−)−ピリジルであり:および ここには不整中心が存在するが、絶対的な立体化学はRまたはSコンフィギュレ ーションのいずれでもよく、またはラセミ体混合物でもよい] を有する請求項第61項に記載の医薬組成物。 72.Rは、アルキル(C1−C4)、アリール(C6−C10)、一置換アリー ル(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、ア ルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)、アミノで置換 されている]、二置換アリール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、 アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、 FまたはI)およびアミノの任意の組み合わせで置換されている]、2−(また は3−)−チエニル、2−(または3−)−フラニル、または2−(3−または 4−)−ピリジルであり; R1は、(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa)NRbc、(CH2 nC=(NRa)NRbc、(CH2nN=CNRbc、(n=2−4)であり ;Ra(RbまたはRc)は、H、アルキル(C1−C4)、アリール(C6)、置換 アリール、ベンジル、置換ベンジル[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ (C1−C4)、アルキルチオ(C1−C4)で置換されている]であるか、または Ra+Rbは(CH22-3または−CH=CH−であり; Xは、アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換ア リール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4) 、アルキルチオ(C1−C4)、ハロゲン(Br、Cl、FまたはI)またはアミ ノで置換されている]、置換−(CH20-2アリール(C6−C10)[アリール 構成単位上にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4)、アルキルチオ( C1−C4)アミノの置換]、2−(または3−)−チエニル、2−(または3 −)−フリル、2−(3−または4−)−ピリジルであり;および ここには不整中心が存在するが、絶対的な立体化学はRまたはSコンフィギュレ ーションのいずれでもよく、またはラセミ体混合物でもよい; である請求項第71項に記載の医薬組成物。 73. Rは、アルキル(C1−C4)、アリール(C6−C10)、2−(また は3−)−チエニル、2−(または3−)−フラニル、または2−(3−または 4−)−ピリジルであり; R1は、(CH2nNRbc、(CH2nNHC=(NRa)NRbc、(CH2 nC=(NRa)NRbc、(CH2nN=CNRbc、(n=2−4)であり ;Ra(RbまたはRc)は、H、アルキル(C1−C4)、アリール(C6)、置換 アリール、ベンジルであるか、またはRa+Rbは(CH22-3または−CH=C H−であり; Xは、アリール(C6−C10)、−(CH20-2アリール(C6−C10)、置換ア リール(C6−C10)[随意にアルキル(C1−C4)、アルコキシ(C1−C4) 、アルキルチオ(C1−C4)で置換されている]、2−(または3−)−チエニ ル、2−(または3−)−フリル、または2−(3−または4−)−ピリジルで あり;および ここには不整中心が存在するが、絶対的な立体化学はRまたはSコンフィギュレ ーションのいずれでもよく、またはラセミ体混合物でもよい; である請求項第72項に記載の医薬組成物。 74. 抗菌剤、排出ポンプ阻害剤および医薬として受容可能な担体を含む抗 菌配合物。 75. 非テトラサイクリン特異的排出ポンプを発現している細菌の増殖を抑 制する方法であって、該細菌のMICより低い濃度の抗菌剤の存在下、該細菌を 非テトラサイクリン特異的排出ポンプ阻害剤と接触させることを含む方法。 76.細菌の増殖を抑制する方法であって、該細菌を排出ポンプ阻害剤と接触 させることを含み、ここで該阻害剤は該細菌で通常発現される排出ポンプの成分 の発現を減少させることを特徴とする方法。 77. 細菌株の集団を減少させる方法であって、該集団を排出ポンプ阻害剤 と接触させることを含み、 ここで、該阻害剤は該排出ポンプを発現している細菌の増殖に必須な、該細胞 集団中で発現される排出ポンプの成分を阻害することを特徴とする方法。 78. 該必須成分が排出ポンプの細胞膜成分である請求項第77項に記載の 方法。 79. 動物の成長を促進する方法であって、該動物に排出ポンプ阻害剤を投 与することを含み、 ここで該排出ポンプ阻害剤は該動物中の細菌株で発現される排出ポンプを阻害 し、かつ 該排出ポンプ阻害剤は該動物中の細菌株の増殖を減少させる、ことを特徴とす る方法。
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