【発明の詳細な説明】
セルロース系シート材料
本発明は、分散した疎水性汚染物質の粒子を含む原料物質から製造される、紙
または板紙に例示されるような、セルロース系シート材料に関する。
セルロース系繊維組成物から製造されるシート材料が、少量ではあるが、重要
な比率で、小球または小さな粒子形態のシート材料内に分散する傾向がある疎水
性汚染物質を含むことはしばしば見られる。これらの粒子または小球は通常、紙
製造業において“粘着物質（stickies）”または“ヒッキー(hickies)”と呼ば
れている。シート形成組成物は一般にセルロース系繊維の希釈懸濁液を含み、か
つ、その組成物から製造されるシート材料の明度及び白色度を改良するために添
加される無機充填剤粒子を通常ある比率で含む。疎水性汚染物質の発生率は、セ
ルロース系繊維の原料として使用される混合物が高い比率でリサイクルされた廃
棄紙を含む場合に、特に高いことが多い。また、シート形成プロセス用のセルロ
ース系繊維源として使用されるある種の木材は特に疎水性物質が豊富である。ユ
ウカリプタスはそのような木材の例である。
セルロース系シート材料の表面に良質な印刷画像を形成するために、その少な
くとも一つの表面上に、ある組成物を塗工することによりシート材料を作成する
ことが一般的に有利であり、そのような組成物は塗工された材料に、均一で滑ら
かであり、かつ平らな表面（印刷画像が形成される表面）を与える。典型的な塗
工組成物は、一般に、顔料の水溶性懸濁液（顔料は通常、しかし常にではないが
白色である）及び接着剤を含む。顔料の分散剤もまた一般に必要であり、及び組
成物の流動学的または光学的性質を改質するための他の添加剤を含有していても
よい。紙塗工組成物において最も一般的に使用される顔料としては、天然及び焼
成カオリナイトクレー（kaolinitic clays）、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム
、硫酸バリウム、二酸化チタン及びタルクが挙げられる。
上記に述べた型の塗工組成物を“粘着物質”を含むシート材料の表面に適用す
ると、通常、塗工組成物は粘着物質により湿潤せず、かつ材料の疎水性部分に接
着せず、乾燥後に得られた塗工物は多くの塗工されない汚点を示すことが見られ
る。粘着物質はしばしば暗色であるため、これらは塗工されたシート材料に明ら
かに見える状態で残り、シート材料の外観を見苦しいものにする。
板紙は一般に比較的低質なパルプから製造され、良質の印刷紙に比べ、より暗
い色彩であり、かつきめがより粗いという傾向がある。しかし、包装目的におい
ては、板紙の少なくとも一つの表面上に印刷画像を形成することがしばしば要求
される。板紙はシート形成機械のワイヤメッシュベルト上でセルロース系繊維の
比較的厚くかつ重い層を形成することにより製造されてもよいが、しかし、通常
、薄いシート材料の何層かを張り合わせることにより板紙を製造することが好ま
しい。内部層は比較的低質のセルロース系材料である傾向があり、及びより良質
の材料が外側の層の形成に使用される。しかし、許容される質の印刷画像を形成
するのであれば、通常外側の層に使用されるシート材料さえも塗工する必要があ
る。また、板紙の外側の層に使用されるシート材料さえも粘着物質を含み、粘着
物質は水性塗工組成物を撥水し、結果として塗工物はこれらの場所には接着せず
、塗工表面内に見苦しい汚点を与える。
先行技術においては、粘着物質を含むセルロース系シート材料の被膜の問題は
、(i)該シート材料の適当な表面上に、通常良い品質の紙を含有するホワイトラ
イナー材料を施し、該ライナー材料を被覆する；シート材料の被覆のこのような
方法は費用が高くなる、又は(ii)常法による被覆を施し、最終生成物の品質が、
粘着質により起こる外観上の欠陥により限定されることを許容すること、のいず
れかによって対処している。
本発明により、顔料材料と接着剤の水性懸濁物とを含有する塗料組成物で、１
以上の疎水性夾雑物を含み、肉眼で見ることができる欠陥汚点を含むセルロース
系材料のシートを被覆する方法であって、該汚点が水を含む組成物と接触できる
ように、疎水性及び親水性基を有する湿潤剤を該シートの少なくとも１表面に施
し、そして該表面を該塗料組成物で被覆して、均一でかつ未被覆汚点が実質的に
無い被覆を形成する方法を提供する。
湿潤剤は、好ましくは、水を含む組成物中で該表面に施される。このような組
成物は、該塗料組成物でもよく、又は該塗料組成物が例えば乾燥後に、続いてそ
の上に施される中間層として施される材料でもよい。このような中間層（界面活
性剤とは別に）は、例えば、先行技術において施される中間層の１つでもよく、
例えば、いわゆる洗浄前予備被覆(wash pre-coat)、例えば、バインダー、例え
ば、ラテックス又はスターチを含む組成物、これらは、固形分を５０重量％未満
の量で含む水をベースとする組成物中に、一般的に、粗い顔料材料とともに含ま
れてもよい。
該湿潤剤は、例えば、公知の湿潤剤、例えば、界面活性剤を含むことができる
。
該湿潤剤は、例えば、セルロース系材料のシートに、添加した塗料組成物中に
存在する顔料の乾燥重量を基準として0.2〜２重量％の量で施すことができる。
例えば、処理されるセルロース系材料のシート表面部分の各0.01ｍ2単位に前
記欠陥汚点が少なくとも２つ存在してもよい。例えば、１０cm×２０cmの寸法の
板紙のシートは、その表面に４つ又は５つの汚点を有していてもよい。
前記欠陥汚点は、セルロース系材料のシートの処理された表面の欠陥がない表
面に比べて色が黒い１以上の汚点を含んでもよい。
前記欠陥汚点は、例えば、少なくとも１００μ（１００μｍ）の平均直径を有
する汚点でもよい。該欠陥汚点に含まれる疎水性材料は、例えば、油脂、脂肪酸
又はこれらの混合物を含んでいてもよい。
本発明の方法により処理したセルロース系材料のシートは、紙製品、例えば、
上述したような、公知の方法で製造した紙シート又は板紙等を含んでていもよい
。本発明は、多量（例えば50％〜100 ％）の故紙から誘導されたパルプより製造
された紙製品中において、又はある木材タイプ、例えば、多量の有機溶剤抽出物
を生成し得る熱帯地方若しくは亜熱帯地方由来の木材から誘導されたパルプより
製造された製品中において、粘着物質の存在が通常のものであると知られている
セルロース系材料のシートを被覆するのに特に適するものである。
前記湿潤剤が界面活性剤化合物又は組成物を含む場合、界面活性剤は、アニオ
ン性、カチオン性、非イオン性又は両性タイプのものであってもよい。非イオン
タイプの界面活性剤が好ましい。なぜなら、一般に、それらは、塗料組成物中で
の気泡発生傾向が、他のタイプのものより低いからである。少なくとも８の、よ
り具体的には８〜14の範囲の親水性／親油性バランス（ＨＬＢ）値を有する非イ
オン性界面活性剤が特に有利である。なぜなら、それにより、過剰な洗剤又は溶
剤活性なしに適切な汚点湿潤が得られるからである。
本発明の方法において使用する塗料組成物は、（湿潤剤の他に）、当該技術分
野における当業者に周知の方法の１つにおいて製造することができる公知のペー
パー被覆組成物を含んでいてもよい。
塗料組成物中において使用する顔料材料は、天然若しくは含水性カオリンクレ
ー、又は焼成して化学的に結合した水を蒸発させたカオリンクレーを含んでいて
もよい。あるいは、又は更に、顔料は、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、タルク、サテンホワイト又は二酸化チタンを含んでいてもよい。２以
上の顔料材料の混合物が望ましい場合が多い。顔料を、分散剤を含む水と首尾よ
く最初に混合して、比較的濃厚な懸濁液を形成し、それに、塗料組成物の他の成
分を添加する。適切な分散剤は、それ自体周知であり、かつ水溶性のポリ珪酸塩
、水溶性の縮合リン酸塩、及び水溶性の、ポリ（アクリル酸）、ポリ（メタクリ
ル酸）及び関連エチレン列不飽和酸の塩、並びにこれらの種のブレンド及びコポ
リマーを含む。分散剤の使用量は、顔料材料の乾燥重量をベースとして、0.05〜
１重量％の範囲内であってもよい。
塗料組成物中において使用する接着剤は、例えば、スターチ若しくはスターチ
の種々の誘導体の１つ等の炭水化物タイプの接着剤、例えば、カゼイン等のタン
パク質タイプの接着剤、又は、例えば、スチレンブタジエンゴム若しくは種々の
アクリル酸ポリマーのラテックス等のラテックスタイプの接着剤を含み得る。こ
れらのタイプの接着剤２以上の混合物を使用してもよい。一般に、接着剤の使用
量は、組成物の顔料材料の乾燥重量をベースとして、約４〜20重量％の範囲内で
ある。他の公知の任意の付加的な添加剤を組成物に含ませてもよい。
都合のよいことに、界面活性剤を塗料組成物に使用する場合、界面活性剤は他
の成分を全て添加した後に該組成物に添加するが、該組成物を製造する初期の段
階で界面活性剤を添加することもまた可能である。
塗料組成物を塗布した後、塗布したセルロース系材料シートを、公知方法、例
えば、赤外線加熱及び／又は温風中での蒸発乾燥により乾燥することができる。
塗布した塗料組成物の厚さは、塗料組成物の組成、塗布する基材、及び欠陥点
（例えば、斑点の暗さ）の性質に依存する。当該分野で周知の方法により、塗布
するセルロース系材料シートに塗料組成物を添加することができる。１層以上塗
布してもよい。これらのうち１層以上は、上記の中間下塗りの１層である。選択
的に、又は加えて、最終的には塗料組成物を多層に塗布することができる。例え
ば、最初の塗布層を施して乾燥し、次いで２番目の塗布層を施して乾燥すること
ができる。全体として、施される塗料組成物の量は、塗料組成物を乾燥した後の
単位面積当たりの重量が、少なくとも５ｇ／ｍ2（１平方メートルあたりのグラ
ム数）、望ましくは10ｇ／ｍ2であることができる。
本発明の第二の観点により、第一の観点の方法により製造した、塗布したセル
ロース系材料シートを提供する。
有益なことに、本発明により、上述したような疎水性材料又は“粘着物質”を
含有する欠陥点を含むセルロース系材料シートを塗布する問題点を、上述したよ
うな高価なペーパーライナーをさらに使わずに解決することができる。
特定の目的のために界面活性剤を含有する紙用塗料組成物は、先行技術におけ
る文献に既に記載されている。例えば、1987コーティング会議のTAPPI プロシー
ディング、107〜115ページのJ.F.Lafaye，J.P.Maume，G.Gervason and P.Piette
による論文、“界面活性剤によるコーティングの質及びオフセット印刷適性に関
する２、３の解釈(Some aspects of coating with surfactants upon quality a
nd offset printability)”は、このタイプの特定の組成物を使用する実験につ
いて記載している。しかしながら、“粘着物質”又は疎水性材料を含有する欠陥
点を含むセルロース系材料シートを塗布する問題点を解決するために、界面活性
剤と塗料組成物とを組み合わせて使用すること、及びそこからもたらされる利点
については、先行技術においては示唆されていない。
ここで本発明の態様を、添付の図面を参照して実施例の方法により示す。添付
の図面は、本発明の処理の効果を示す３枚の板紙の表面を示す。
本発明を次の実施例により説明する。実施例１
塗料組成物を次の一般的配合により調製した。
前記含水カオリンは、粒子の80重量％が２μmよりも小さい等球形直径を有す
るような粒度分布のイングリッシュカオリンクレーであった。このクレーを該乾
燥クレー68重量％、乾燥クレーの重量を基準としてポリアクリル酸ナトリウム分
散剤0.3重量％、及び乾燥クレーの重量を基準として水酸化ナトリウム0.08重量
％を含む水性懸濁液の形態で組成物に加えた。
前記焼成クレーは、粒子の90重量％が２μm よりも小さい等価球形直径を有す
るような粒子サイズ分布の微細カオリン（米国、Geogia産出）を焼成することに
より製造した。このクレーを、該乾燥焼成クレー49重量％、及び乾燥焼成クレー
の重量を基準としてポリアクリル酸ナトリウム分散剤0.1重量％を含む水性懸濁
液の形態で組成物に加えた。
この２種のクレー懸濁液を、乾燥焼成クレー10重量部に対し、乾燥含水クレー
90重量部の割合で実験室ミキサーで混合した。次いで、カルボキシル化スチレン
−ブタジエンコポリマー50重量％を含む前記ラテックス接着剤を混合クレー懸濁
液に混合した。次いで、ナトリウムカルボキシメチルセルロースを、10重量％の
水溶液の形態で攪拌された混合物に加えた。次いで、十分な量の10重量％水酸化
ナトリウム溶液を加え、pH を8.5 とした。最後に攪拌しながら界面活性剤を混
合した。
次の界面活性剤を使用した。
アニオン系：
Ａ１− ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
Ａ２− ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム（AEROSOL OT 商標）
カチオン系：
Aml − 1-ヒドロキシエチル-2- ヘプタデセニルイミダゾリン
（REWOPON IMOA 商標）
Cl − 塩化ポリプロポキシルジエチルメチルアンモニウム
（EMCOL CC9 商標）
ノニオン系：
N1 - N3 式 R(OCH2CH2)nOHのアルコールエトキシレート
各組成物を十分な量の水で希釈し、ブルックフィールド粘度計を用いて測定し
、低剪断粘度となるようにした（350 mPa.s.のスピンドルNo．３を用い100rpmで
測定）。Aml を除く全ての界面活性剤を含む組成物について、組成物の固形分含
有量を51重量％とした。界面活性剤Aml は組成物を濃厚化する。この場合、固形
分含有量を41重量％に減らし、所望の低剪断粘度を得た。
これらの組成物を、各10×20cmの板紙のシート上に、No.10 巻線コーティング
バーを用いて被覆した。各組成物を１０枚の小シート上に被覆した。これらの板
紙の色はライトブラウンであり、かつ各板紙は粘着性があるために起こる４又は
５個までの目に付きやすい汚点を有していた。乾燥後、テストシート上の被覆の
平均重量は10ｇ／ｍ2であった。
それぞれの組成物を用いた場合、該被覆が、粘着性の領域を含めて板紙のすべ
ての表面に良く接着しており、欠陥汚点はコーティングにより隠されていた。
比較を行うために、板紙のシートをさらに、界面活性剤を含まない他はこれま
でに記載したのと正確に同じ方法で調製した組成物で、被覆した。乾燥後、この
被覆シートでは、該被覆は粘着性の領域で板紙の表面に接着せず、汚点は目立っ
たままであった。
添付された図面は、１非被覆ブラウン板紙、２界面活性剤を含まない組成物で
被覆された板紙及び３界面活性剤N3を含む組成物で被覆された表面の写真画像を
示す。気付くであろうが、非被覆板紙及び被覆板紙２では暗い汚点が目立つが、
被覆板紙３では目立つ汚点はない。実施例２
塗料組成物を上述のように界面活性剤Ａ２及びＮ３を含むように調製した。こ
の場合、被覆する前に完全な組成物を、ブルックフィールド粘度計でスピンドル
No.5 を使用して測定した時にその低剪断粘度を1600mPa.s にするために十分な
水で希釈した。その組成物を、英国特許明細書第1032536 号に記載されている型
の実験室用紙塗工機を使用して400m／分の速度で、ブレートの角度４５°及び14
.0g/m2の塗布重量を与えるように調整したブレードの偏向で、実施例１に記載さ
れているのと同じ明るい褐色の板紙上へ塗布した。
比較として、正確に同じ方法で調整し、但し界面活性剤を含まない組成物を、
同じ態様で基準の板紙上に塗布した。
界面活性剤を含む組成物で塗布された板紙の試料は、可視のスポットがなく板
紙の表面全体の良好な適用範囲を示した。一方、界面活性を含まない組成物で塗
布された板紙の試料の場合は、その被覆が、粘着位置で板紙の表面に付着せず、
黒い汚点が明らかに目に見えた。実施例３
先の２つの実施例は、単一の塗料顔料としてカオリンクレーを含む塗料組成物
に係るものである。この更なる実施例は、上記クレーの部分を炭酸カルシウムで
置換した塗料組成物を使用することの効果を示すものである。その組成物は下記
の一般的な処方に従って調製された。
成 分 重量部
含水カオリンクレー ５０
炭酸カルシウム ５０
ラテックス接着剤（ポリマー固形分） １２
カルボキシメチルセルロースナトリウム １.５
界面活性剤 １
含水クレーは、粒子の８０重量％が２μm よりも小さい同等の球形の直径を有
するような粒度分布を持つイングリッシュカオリンクレーであった。このクレー
は、６８重量％の乾燥クレー、該乾燥クレーの重量に基づいて0.3重量％のポリ
アクリレートナトリウム分散剤、及び乾燥クレーの重量に基づいて0.8重量％の
水酸化ナトリウムを含む水性懸濁液の形態で組成物に導入された。
炭酸カルシウムは、粒子の９０％が、２μｍより小さな等価球直径(equivalen
tspherical diameter)を有する様な粒度分布寸法を有した。この炭酸塩は、75重
量％の乾燥炭酸カルシウム及び、乾燥炭酸カルシウムの重量当たり、0.6重量％
のナトリウムポリアクリレート分散剤を含む水性懸濁液の形態で、組成物中に導
入された。
２つの顔料懸濁液は、実験室混合機で、乾燥含水粘土５０重量部／炭酸カルシ
ウム５０重量部の割合でブレンドされた。次いで、５０重量％のカルボキシル化
スチレン−ブタジエンコポリマーを含むラテックス接着剤を、ブレンドした懸濁
液中に混合した。次いで、ナトリウムカルボキシメチルセルロースを、攪拌され
ている混合物に、１０重量％の水溶液の形で添加した。次いで、ｐＨを8.5まで
上げる為に、水酸化ナトリウムの１０重量％溶液の充分量を添加した。最後に、
界面活性剤を、攪拌しながら混合した。
実施例１の様に、組成物を、充分な水で希釈し、ブルックフィールド粘度計を
使用して(スピンドル番号３番で、１００ｒｐｍで)測定して、３５０ｍＰａ．ｓ
の低剪断粘度とした。界面活性剤を含む組成物の固形分含有量は１０重量％であ
った。
組成物を、明るい褐色の板紙のシート上に、実施例１と同様の方法を正確に使
用して塗布した。比較として、同じ方法で調製した組成物であって、界面活性剤
を含まない組成物を、同じ方法で基体板紙上に塗布した。
界面活性剤を含む組成物で塗布した板紙の試料は、目に見える斑点もなく、板
紙の全表面の良好な適用範囲を示した。これに対して、界面活性剤を含まない組
成物で塗布した板紙の試料の場合は、塗膜が、粘着部分で板紙の表面に接着せず
、暗い斑点が、未だ、明らかに認められた。DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION Cellulosic Sheet Material The present invention relates to cellulosic sheet materials, such as exemplified by paper or paperboard, made from raw materials containing dispersed hydrophobic contaminant particles. Sheet materials made from cellulosic fiber compositions are often found to contain, in small but significant proportions, hydrophobic contaminants that tend to disperse within the sheet material in the form of globules or small particles. . These particles or globules are commonly referred to in the paper industry as "stickies" or "hickies". The sheet-forming composition generally comprises a dilute suspension of cellulosic fibers, and usually comprises a proportion of inorganic filler particles added to improve the brightness and whiteness of the sheet material produced from the composition. Including. The incidence of hydrophobic contaminants is often particularly high when the mixture used as the raw material for the cellulosic fibers contains a high percentage of recycled waste paper. Also, certain woods used as cellulosic fiber sources for the sheet forming process are particularly rich in hydrophobic substances. Eucalyptus is an example of such a wood. In order to form a good quality printed image on the surface of the cellulosic sheet material, it is generally advantageous to make the sheet material by applying a composition on at least one surface thereof, A good composition gives the coated material a uniform, smooth and flat surface (the surface on which the printed image is formed). A typical coating composition generally comprises an aqueous suspension of a pigment (the pigment is usually, but not always, white) and an adhesive. A pigment dispersant is also generally required, and may contain other additives for modifying the rheological or optical properties of the composition. The pigments most commonly used in paper coating compositions include natural and calcined kaolinitic clays, calcium carbonate, calcium sulfate, barium sulfate, titanium dioxide and talc. When a coating composition of the type described above is applied to the surface of a sheet material containing an "adhesive", the coating composition typically does not wet the adhesive and adhere to the hydrophobic portions of the material, The coating obtained after drying is seen to show many uncoated stains. Since the tacky substances are often dark, they remain visible in the coated sheet material, making the appearance of the sheet material unsightly. Paperboard is generally made from relatively poor quality pulp and tends to be darker in color and grainier than good quality printing paper. However, for packaging purposes, it is often required to form a printed image on at least one surface of the paperboard. Paperboard may be made by forming a relatively thick and heavy layer of cellulosic fibers on a wire mesh belt of a sheet forming machine, but usually, paperboard is obtained by laminating several layers of thin sheet material. It is preferred to produce The inner layer tends to be a relatively poor quality cellulosic material, and better quality materials are used to form the outer layer. However, even with the sheet material normally used for the outer layers, it is necessary to apply a print image of acceptable quality. Also, even the sheet material used for the outer layers of the paperboard contains an adhesive, which will repel the aqueous coating composition, with the result that the coating will not adhere to these locations, Gives unsightly stains on the surface. In the prior art, the problem of coating a cellulosic sheet material containing an adhesive is that (i) applying a white liner material, usually containing good quality paper, on a suitable surface of the sheet material, and applying the liner material. Coating; Such methods of coating sheet material are costly, or (ii) apply a conventional coating to ensure that the quality of the final product is limited by cosmetic defects caused by stickiness. Tolerating, either. According to the present invention, a coating composition containing a pigment material and an aqueous suspension of an adhesive coats a sheet of a cellulosic material containing one or more hydrophobic contaminants and having a macroscopically defective stain. Applying a wetting agent having hydrophobic and hydrophilic groups to at least one surface of the sheet so that the stain can contact the composition containing water, and coating the surface with the coating composition. Thus, a method for forming a coating that is uniform and substantially free of uncoated stains is provided. The wetting agent is preferably applied to the surface in a composition comprising water. Such a composition may be the coating composition, or may be a material to which the coating composition is applied, for example, after drying, followed by an intermediate layer applied thereon. Such an intermediate layer (apart from the surfactant) may be, for example, one of the intermediate layers applied in the prior art, for example, a so-called wash pre-coat, for example a binder, for example a binder. , Latex or starch compositions, which may be included, generally with coarse pigmentary materials, in water-based compositions containing less than 50% solids by weight. The wetting agent can include, for example, a known wetting agent, for example, a surfactant. The wetting agent can be applied, for example, to a sheet of cellulosic material in an amount of 0.2 to 2% by weight, based on the dry weight of the pigment present in the added coating composition. For example, at least two defect spots may be present in each 0.01 m 2 unit of the sheet surface portion of the cellulosic material to be treated. For example, a paperboard sheet measuring 10 cm × 20 cm may have four or five stains on its surface. The defect stain may include one or more stains that are darker in color than the defect-free surface of the treated surface of the sheet of cellulosic material. The defective blot may be, for example, a blot having an average diameter of at least 100 μm (100 μm). The hydrophobic material contained in the defective stain may include, for example, fats and oils, fatty acids, or a mixture thereof. The sheet of cellulosic material treated according to the method of the present invention may comprise a paper product, for example, a paper sheet or paperboard made by known methods, as described above. The invention can be used in paper products made from pulp derived from large amounts (e.g., 50% to 100%) of waste paper, or in certain wood types, e.g., tropical or subtropical regions that can produce large amounts of organic solvent extracts. It is particularly suitable for coating sheets of cellulosic material in which the presence of stickies is known to be normal in products made from pulp derived from locally derived wood. When the wetting agent comprises a surfactant compound or composition, the surfactant may be of the anionic, cationic, nonionic or amphoteric type. Nonionic surfactants are preferred. Because, in general, they have a lower tendency to foam in coating compositions than other types. Non-ionic surfactants having a hydrophilic / lipophilic balance (HLB) value of at least 8, more particularly in the range of 8 to 14, are particularly advantageous. Because it provides adequate spot wetting without excessive detergent or solvent activity. The coating composition used in the method of the present invention may comprise (in addition to the wetting agent) a known paper coating composition that can be prepared in one of the ways well known to those skilled in the art. Good. The pigmentary material used in the coating composition may include natural or hydrous kaolin clay or kaolin clay that has been calcined to evaporate chemically bound water. Alternatively or additionally, the pigment may include calcium carbonate, calcium sulfate, barium sulfate, talc, satin white or titanium dioxide. Often a mixture of two or more pigment materials is desired. The pigment is first successfully mixed with the water containing the dispersant to form a relatively thick suspension to which the other components of the coating composition are added. Suitable dispersants are known per se and are water-soluble polysilicates, water-soluble condensed phosphates, and water-soluble poly (acrylic acid), poly (methacrylic acid) and related ethylenically unsaturated. Includes acid salts, as well as blends and copolymers of these species. The amount of dispersant used may be in the range of 0.05 to 1% by weight, based on the dry weight of the pigment material. The adhesive used in the coating composition may be, for example, a carbohydrate-type adhesive such as starch or one of various derivatives of starch, for example a protein-type adhesive such as casein, or, for example, styrene-butadiene rubber or Latex-type adhesives, such as various acrylic acid polymer latexes, may be included. Mixtures of two or more of these types of adhesives may be used. Generally, the amount of adhesive used is in the range of about 4-20% by weight, based on the dry weight of the pigmentary material of the composition. Any other known additional additives may be included in the composition. Conveniently, when a surfactant is used in the coating composition, the surfactant is added to the composition after all other components have been added, but the surfactant is added at an early stage in the manufacture of the composition. It is also possible to add agents. After applying the coating composition, the applied cellulose-based material sheet can be dried by a known method, for example, infrared heating and / or evaporation and drying in warm air. The thickness of the applied coating composition depends on the composition of the coating composition, the substrate to be applied, and the nature of the defect points (eg, dark spots). The coating composition can be added to the cellulosic material sheet to be applied by a method well known in the art. One or more layers may be applied. One or more of these layers is the above-described intermediate undercoat layer. Alternatively or additionally, the coating composition can ultimately be applied in multiple layers. For example, a first coating layer can be applied and dried, and then a second coating layer can be applied and dried. Overall, the amount of coating composition applied is such that the weight per unit area after drying of the coating composition is at least 5 g / m 2 (grams per square meter), preferably 10 g / m 2 . be able to. According to a second aspect of the present invention, there is provided an applied cellulosic material sheet produced by the method of the first aspect. Beneficially, the present invention addresses the problem of applying cellulosic material sheets containing defects containing hydrophobic materials or "stickies" as described above, using an expensive paper liner as described above. Can be solved without the need. Paper coating compositions containing surfactants for specific purposes have already been described in the literature in the prior art. For example, TAPPI Proceedings of the 1987 Coatings Conference, a paper by JFLafaye, JP Maume, G. Gervason and P. Piette on pages 107-115, "Some aspects of surfactant coating quality and offset printability. "of coating with surfactants upon quality and offset printability)" describes experiments using specific compositions of this type. However, in order to solve the problem of applying a cellulosic material sheet containing defects containing "stickies" or hydrophobic materials, the use of a combination of a surfactant and a coating composition, and The resulting benefits are not suggested in the prior art. Embodiments of the present invention will now be illustrated by way of example with reference to the accompanying drawings. The accompanying drawings show the surfaces of three paperboards that show the effect of the treatment of the present invention. The present invention will be described by the following examples. Example 1 A coating composition was prepared according to the following general formulation. The hydrous kaolin was an English kaolin clay with a particle size distribution such that 80% by weight of the particles had a spherical diameter of less than 2 μm. The clay is in the form of an aqueous suspension containing 68% by weight of the dry clay, 0.3% by weight of sodium polyacrylate dispersant based on the weight of the dry clay, and 0.08% by weight of sodium hydroxide based on the weight of the dry clay. Added to the composition. The calcined clay was prepared by calcining fine kaolin (from Geogia, USA) with a particle size distribution such that 90% by weight of the particles had an equivalent spherical diameter of less than 2 μm. This clay was added to the composition in the form of an aqueous suspension containing 49% by weight of the dry calcined clay and 0.1% by weight of the sodium polyacrylate dispersant, based on the weight of the dry calcined clay. The two clay suspensions were mixed in a laboratory mixer at a ratio of 90 parts by weight of dry hydrous clay to 10 parts by weight of dry calcined clay. The latex adhesive containing 50% by weight of the carboxylated styrene-butadiene copolymer was then mixed with the mixed clay suspension. Then sodium carboxymethylcellulose was added to the stirred mixture in the form of a 10% by weight aqueous solution. Then, a sufficient amount of a 10% by weight sodium hydroxide solution was added to adjust the pH to 8.5. Finally, the surfactant was mixed with stirring. The following surfactants were used: Anionic system: A1-sodium dodecylbenzenesulfonate A2-sodium dioctylsulfosuccinate (AEROSOL OT trademark) Cationic system: Aml-1-hydroxyethyl-2-heptadecenyl imidazoline (REWOPON IMOA trademark) Cl-polypropoxyl diethyl chloride Methyl ammonium (EMCOL CC9 trademark) Nonionic: N1-N3 Formula R (OCH 2 CH 2 ) n OH alcohol ethoxylate Each composition was diluted with a sufficient amount of water and measured using a Brookfield viscometer to achieve a low shear viscosity (measured at 100 rpm using a 350 mPa.s. spindle No. 3). For all surfactant-containing compositions except Aml, the solids content of the composition was 51% by weight. The surfactant Aml thickens the composition. In this case, the solids content was reduced to 41% by weight and the desired low shear viscosity was obtained. These compositions were coated on a 10 × 20 cm paperboard sheet using a No. 10 wire wound coating bar. Each composition was coated on 10 small sheets. The paperboard was light brown in color and each paperboard had up to 4 or 5 noticeable stains caused by the tackiness. After drying, the average weight of the coating on the test sheet was 10 g / m 2 . With each composition, the coating adhered well to all surfaces of the paperboard, including the tacky areas, and the defective stains were hidden by the coating. For comparison, a sheet of paperboard was further coated with a composition prepared in exactly the same manner as described above, but without the surfactant. After drying, in this coated sheet, the coating did not adhere to the paperboard surface in the tacky areas and the stain remained prominent. The accompanying drawings show photographic images of 1 uncoated brown paperboard, 2 paperboard coated with a composition without surfactant, and 3 a surface coated with a composition containing surfactant N3. As will be noticed, dark spots are noticeable on uncoated paperboard and coated paperboard 2, but not on coated paperboard 3. Example 2 A coating composition was prepared to include surfactants A2 and N3 as described above. In this case, before coating, the complete composition was diluted with sufficient water to bring its low shear viscosity to 1600 mPa.s when measured using a Brookfield viscometer using spindle No. 5. The composition was applied at a speed of 400 m / min using a laboratory paper coater of the type described in British Patent Specification No. 1032536 at a blade angle of 45 ° and 14.0 g / m 2 . Coating was performed on the same light brown paperboard as described in Example 1, with the deflection of the blade adjusted to give weight. As a comparison, a composition prepared in exactly the same way, but without the surfactant, was applied in the same manner to a reference paperboard. Samples of paperboard coated with the composition containing the surfactant showed good coverage over the entire surface of the paperboard without visible spots. On the other hand, in the case of the paperboard sample coated with the composition without surfactant, the coating did not adhere to the paperboard surface at the sticky position and black stains were clearly visible. Example 3 The previous two examples relate to a paint composition containing kaolin clay as a single paint pigment. This further example illustrates the effect of using a coating composition in which the clay portion was replaced with calcium carbonate. The composition was prepared according to the following general recipe. Component by weight Hydrous kaolin clay 50 Calcium carbonate 50 Latex adhesive (polymer solids) 12 Sodium carboxymethyl cellulose 1.5 Surfactant It was an English kaolin clay having such a particle size distribution. The clay is an aqueous suspension comprising 68% by weight of dry clay, 0.3% by weight of sodium polyacrylate dispersant based on the weight of the dry clay, and 0.8% by weight of sodium hydroxide based on the weight of the dry clay. Was introduced into the composition. The calcium carbonate had a particle size distribution such that 90% of the particles had an equivalent spherical diameter of less than 2 μm. This carbonate was introduced into the composition in the form of an aqueous suspension containing 75% by weight of dry calcium carbonate and 0.6% by weight of sodium polyacrylate dispersant per weight of dry calcium carbonate. The two pigment suspensions were blended in a laboratory mixer at a ratio of 50 parts by weight of dry hydrated clay / 50 parts by weight of calcium carbonate. A latex adhesive comprising 50% by weight of the carboxylated styrene-butadiene copolymer was then mixed into the blended suspension. Sodium carboxymethylcellulose was then added to the stirred mixture in the form of a 10% by weight aqueous solution. A sufficient amount of a 10% by weight solution of sodium hydroxide was then added to raise the pH to 8.5. Finally, the surfactant was mixed with stirring. As in Example 1, the composition was diluted with sufficient water and measured using a Brookfield viscometer (Spindle No. 3, at 100 rpm) to give 350 mPa.s. s low shear viscosity. The solids content of the composition containing the surfactant was 10% by weight. The composition was applied onto a sheet of light brown paperboard using exactly the same method as in Example 1. As a comparison, a composition prepared in the same way, but without surfactant, was applied to the substrate paperboard in the same way. A sample of the paperboard coated with the composition containing the surfactant showed good coverage of the entire surface of the paperboard without visible spots. In contrast, in the case of the paperboard sample coated with the composition containing no surfactant, the coating did not adhere to the paperboard surface at the tacky areas and dark spots were still clearly visible.
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