JPH1150152A - コイル長手方向の磁束密度が安定して極めて高い方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

コイル長手方向の磁束密度が安定して極めて高い方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH1150152A
JPH1150152A JP20754697A JP20754697A JPH1150152A JP H1150152 A JPH1150152 A JP H1150152A JP 20754697 A JP20754697 A JP 20754697A JP 20754697 A JP20754697 A JP 20754697A JP H1150152 A JPH1150152 A JP H1150152A
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final
sheet
magnetic flux
flux density
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Ryutaro Kawamata
竜太郎 川又
Takeaki Wakizaka
岳顕 脇坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイル長手方向の磁束密度が安定して極めて
高い方向性電磁鋼板の製造法を提供する。 【解決手段】 重量%で、0.010%≦C≦0.14
%、0.010%≦酸可溶性Al≦0.050%、0.
0030%≦N≦0.0150%を含有し、残部Feお
よび不可避的不純物からなるスラブを、加熱、熱延した
後、1回以上の冷延を行って最終板厚とし、脱炭焼鈍
後、Ac1 変態点以下の温度域で最終焼鈍する方向性電
磁鋼板の製造法であって、仕上熱間圧延を、下記(1)
式を満足する条件で行うとともに、最終冷延率を75%
超とすることを特徴とするコイル長手方向の磁束密度が
安定して極めて高い方向性電磁鋼板の製造方法。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コイル長手方向の磁束
密度が安定して極めて高い方向性電磁鋼板の製造法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は二次再結晶により鋼板
の結晶粒を特定方位に高度に結晶粒を配向させた成品で
あることが特徴であり、圧延面に{110}面、圧延方
向に<100>軸を有するゴス方位を持つ結晶粒により
構成されている。また、方向性電磁鋼板の用途として
は、軟磁性材料として主にトランスその他の電気機器の
鉄心材料に使用されるもので、近年省エネルギー、省資
源への社会的要求がますます厳しくなっている事から、
一方向性電磁鋼板の鉄損低減、磁化特性改善への要求も
厳しくなってきている。このため磁気特性、特に良好な
励磁特性と鉄損特性が求められるようになってきてい
る。
【0003】方向性電磁鋼板の励磁特性を示す指標とし
ては、通常磁束密度B8 (磁場の強さ800A/mにお
ける磁束密度)が用いられている。また鉄損特性を示す
指標としては、W17/50 (50Hzで1.7Tまで磁化
させたときの単位重量あたりの鉄損)等が用いられてい
る。鉄損は渦電流損とヒステリシス損からなり、渦電流
損は鋼板の電気抵抗率、板厚、結晶粒度、磁区の形態、
鋼板表面の皮膜張力等の因子により支配されている。一
方、ヒステリシス損は磁束密度を支配する鋼板の結晶方
位、純度、内部歪等により支配される。
【0004】これらの因子を制御することによる鉄損を
低減させるために、鋼板の電気抵抗を大きくするために
Si含有量を高めることが行われてきた。しかしなが
ら、これに伴い飽和磁束密度が低下するため、これを従
来技術では二次再結晶方位の集積度を上昇させることで
補って高磁束密度方向性電磁鋼板を製造してきた。この
ために、従来技術では二次再結晶を安定して発現させる
とともにその方位集積度を高め、磁束密度を向上させる
因子として、インヒビターの役割が重要である。この目
的のため、従来技術ではMnS、AlN、MnSe等が
インヒビターとして用いられてきている。
【0005】従来の方向性電磁鋼板の製造法は、二次再
結晶方位制御に用いられるインヒビターの種類により大
きく3種類に大別される。まず第一に、M.F.Lit
tmannにより特公昭30−3651号公報に開示さ
れた製造法がある。この製造法はインヒビターにMnS
を用い、二回冷延法で製造することが特徴である。次
に、特公昭40−15644号公報に田口、坂倉らによ
り開示された、MnSに加えてAlNをインヒビターと
する製造方法である。このインヒビターにAlNを用い
る方法により、方向性電磁鋼板の磁束密度は1.870
T以上に向上し、磁気特性の改善による省エネルギーに
多大な貢献を果たした。第3に、特公昭51−1346
9号公報に今中等により開示されたMnSとSbもしく
はMnS、MnSeとSbを用い、二回冷延法により製
造する方法である。
【0006】これらの製造法においては本質的あるいは
良好な磁束密度を得るためにはインヒビターの析出制御
を目的として、高温スラブ加熱により一旦インヒビター
を構成する析出物を溶体化し、これを熱延工程あるいは
特公昭46−23820号公報に開示されているように
熱延板焼鈍時に微細に析出させることが必要である。こ
のように従来法では製鋼段階での成分調整と熱延の段階
でほぼ製品の特性が決定されるため、上工程での材質造
り込みの安定性確立が重要な課題であった。
【0007】この目的のために方向性電磁鋼板の熱延工
程においては析出物制御をより安定的に行う観点から、
粗圧延後のシートバーへの保熱カバー使用、ランアウト
テーブル上での冷却制御等の対策により、コイル長手方
向の析出物制御に多大の努力が払われてきた。しかしな
がら依然として方向性電磁鋼板の熱延条件の変動が製品
の磁気特性に与える影響は大きく、熱延条件の安定性、
歩留まりの点で課題を残していた。
【0008】しかしながら近年では、ヨーク材料や、磁
気シールド材料のように、従来のトランス鉄心用途の方
向性電磁鋼板とは異なり、鉄損よりも高磁束密度を重視
する用途の方向性電磁鋼板の要求が高まってきており、
その製造技術の確立が急がれていた。高磁束密度を得る
ためには従来技術で重視されたように方位集積度を上げ
ることの他に、鉄そのものの材料中の含有量を高め、飽
和磁束密度を上げることが有効である。
【0009】本発明者等は、この目的で、これまでに、
特公平7−122093号公報、特開平4−30105
3号公報等でその高磁束密度の方向性電磁鋼板製造法で
開示してきた。しかしながら、これらの製造法よる高磁
束密度方向性電磁鋼板によっても、ヨーク材料等に要求
されるような高磁場での磁束密度に対して、更に高い磁
束密度の要求が需要家から出ているのが現状であり、従
来技術の高磁束密度方向性電磁鋼板の特性を上回る製品
の開発が急がれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような昨
今の市場の要請に応え、コイル長手方向の磁束密度が安
定して極めて高い方向性電磁鋼板の製造法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは以下の通りである。 (1) 重量%で、 0.010% ≦ C ≦0.14%、 0.010% ≦酸可溶性Al≦0.050%、 0.0030%≦ N ≦0.0150% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラ
ブを、加熱、熱延した後、1回以上の冷延を行って最終
板厚とし、脱炭焼鈍後、Ac1 変態点以下の温度域で最
終焼鈍する方向性電磁鋼板の製造法であって、仕上熱間
圧延を、下記(1)式を満足する条件で行うとともに、
最終冷延率を75%超とすることを特徴とするコイル長
手方向の磁束密度が安定して極めて高い方向性電磁鋼板
の製造方法。
【数2】
【0012】(2) スラブを粗圧延して得られたシー
トバーの先端部を先行するシートバーの後端部と接合し
て複数のシートバーを一体とし、この一体とした複数の
シートバーを連続的に仕上熱延に供することを特徴とす
る前記(1)記載のコイル長手方向の磁束密度が安定し
て極めて高い方向性電磁鋼板の製造方法。
【0013】本発明者らは、従来技術での検討の主眼と
されたインヒビター制御技術以外の製造プロセス上の検
討課題として、熱延条件を制御し熱延板の造り込みによ
るコイル長手方向の磁束密度が安定して極めて高い方向
性電磁鋼板の製造法について鋭意検討した結果、仕上熱
延時に仕上圧延時の歪み速度が成品の磁気特性に密接な
影響を及ぼすことを見出し、これを一定の範囲内の変動
に押さえることでコイル長手方向の磁気特性が安定し、
かつ磁束密度の高い方向性電磁鋼板を製造することが可
能であることを見出した。
【0014】また、さらにこのような仕上圧延中の歪み
速度の変動を抑制するために、粗圧延後のシートバーを
先行するシートバーに接合し、2本以上のシートバーを
連続して仕上熱延に供することが好ましいことも見いだ
した。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
まず、成分について説明する。Cはその含有量が0.0
10%未満になると二次再結晶が不安定となり、磁束密
度が著しく低下するので0.010%以上とする。一
方、0.14%を超えると、脱炭焼鈍に要する時間が長
くなりすぎ、不経済であるので0.14%以下とする。
【0016】酸可溶性AlはNと化合してインヒビター
であるAlNを形成する。その含有量が0.010%未
満であるとインヒビター析出量が不足し二次再結晶が不
安定となるので0.010%以上とする。一方、その含
有量が0.050%超となると析出状態が粗大化し、イ
ンヒビター効果が損なわれ磁束密度が低下するので、
0.050%以下とする。
【0017】Nは0.0030%以上0.0150%以
下にする必要がある。0.0150%を超えるとブリス
ターと呼ばれる鋼板表面の膨れが発生するとともに、一
次再結晶組織の調整が困難となるので0.0150%以
下とする。一方、N含有量が0.0030%未満である
と、インヒビターであるAlNの形成が不足し二次再結
晶の発現が困難になるのでN含有量は0.0030%以
上とする。
【0018】次に、本発明のプロセスについて説明す
る。本発明の電磁鋼スラブは、転炉または電気炉等の溶
解炉で鋼を溶製し、必要に応じて真空脱ガス処理し、次
いで連続鋳造により、あるいは造塊後分塊圧延すること
によって得られる。その後、熱間圧延に先立ちスラブ加
熱が行われる。本発明のプロセスにおいては、スラブの
加熱温度は適切に制御して主要インヒビターであるAl
Nを鋼中に再固溶させることが肝要である。このスラブ
を熱延して所定の厚みの熱延板とする。
【0019】仕上熱延時の歪速度の変動がコイル長手方
向の成品磁気特性に与える影響を調査するため下記の様
な実験を行った。表1に示す成分の鋼を溶製し、連鋳機
により200mm厚みのスラブとした。次にこれを粗圧延
により板厚70mmのシートバーとし、その後コイル状に
巻き取った。巻取り実施時のシートバーの温度は100
0℃であった。
【0020】
【表1】
【0021】その後このシートバーを巻きほどいて先行
するシートバーに押圧力を加え溶接し、粗圧延を連続し
て仕上げ熱延を行い、途中歪速度を変更して得られた成
品板の磁気特性と歪速度との関係を調べた。
【0022】熱延終了温度は900℃とし、2.50mm
に仕上げ、仕上熱延最終スタンド通過後、冷却し、55
0℃で巻き取った。なお、この仕上圧延の最終スタンド
の最大歪速度は370s-1とした。
【0023】得られた熱延板に825℃2分の熱延板焼
鈍を施し、その後酸洗し冷延率84.0%の圧延により
0.40mmまで冷延し、次いで830℃5分の脱炭焼鈍
を湿水素雰囲気中で実施した。その後890℃×10時
間の仕上焼鈍を行った。得られた製品からエプスタイン
試料を切り出し、歪取り焼鈍を施した後、磁界強度10
000A/mでの磁束密度の値を測定した。仕上げ熱延
中の最終スタンドの歪速度の変動と製品磁束密度の関係
について図1に示す。
【0024】図1によれば、歪速度の変動を下記式
(1)の範囲内、すなわち最大歪速度に対する歪速度の
変動量を25%以内にすることにより、磁束密度の変動
が抑制されていることが分かる。さらに、歪速度の変動
を下記式(2)の範囲内、すなわち最大歪速度に対する
歪速度の変動量を20%以内にすることにより、磁束密
度の変動をより小さい範囲に抑制できることが分かる。
【数3】
【数4】
【0025】以上のように、仕上熱延における歪速度の
変動量を一定範囲内することで、鋼板の磁束密度の変動
を抑制できる。したがって、粗圧延後のシートバーの仕
上熱延において、歪速度の変動量を一定範囲内とすれ
ば、コイル長手方向の製品の磁気特性を安定させること
が可能である。
【0026】仕上熱間圧延の歪速度を制御する方法とし
ては、タンデムスタンドの各圧下率配分を調整し、同時
に圧延速度を調節することや、シートバーの厚み、仕上
熱延における熱延板の板厚を適切に採るなどの方法によ
り本発明の実施が可能となる。また、スタンドのロール
径を変更することによっても歪速度を調整することが可
能である。
【0027】また、コイル長手方向の製品の磁気特性を
さらに安定させる観点からは、スラブを粗圧延して得ら
れたシートバーの先端部を先行するシートバーの後端部
と接合して複数のシートバーを一体とし、一体とした複
数のシートバーを連続的に仕上熱延に供することが好ま
しい。仕上熱延の噛み込み時及び尻抜け時の圧延安定性
の確保のために、仕上熱延最終スタンドの歪速度を一定
以内に制御することは困難であるが、上記のようにシー
トバーを接続して連続的に仕上熱延を施せば、歪速度制
御が容易となるためである。
【0028】先行シートバーと後行シートバーを接合す
る方法としては、先行シートバーの後端部と後行シート
バーの先端とを突き合わせ、突合せ部を溶接する方法
や、突合せ部に押圧力を加えて圧接する方法や、突合せ
部を溶接した後に圧接する方法等がある。また、突合せ
部に押圧力を加えつつ溶接するようにしてもよい。な
お、突合せ部を溶接する方法としては、例えばレーザ溶
接法、誘導加熱による方法等があげられる。
【0029】なお、歪速度の計算は下記の式によって行
う。ここで、rは圧下率%/100、nはロールの回転
数(rpm)、Rは圧延ロール半径(mm)、H0 は圧延
前の板厚(mm)である。 歪速度=(2πn/(60r0.5 ))(R/H0 0.5 ln
(1/(1−r))
【0030】接合前のシートバーは圧延を連続的に実行
するためにコイル上に巻き取って待機しても良い。この
際、巻き取ったシートバーは外面部分の温度低下を抑制
するために保熱カバーに装入して保温や加熱を行っても
良い。また、シートバーを直接コイルボックス内に巻取
り保熱しても良い。巻き取ったシートバーの保持時間に
ついては特に規定しないが、本成分系の方向性電磁鋼板
の場合は、巻き取ったシートバーの保持時間が過度に長
くなるとインヒビターが粗大析出し、仕上焼鈍時の二次
再結晶が不安定になるので、180秒以内であることが
好ましい。生産性と製品の磁気特性のかねあいからさら
に好ましいシートバー巻取り時間は、30秒以上120
秒以内である。そして、巻き取ったシートバーのディレ
イ中の仕上熱延停止を避け、仕上熱延の生産性を確保す
るために、シートバーのコイルボックスを複数設置し、
順次巻取ったシートバーを格納しディレイを行い、ディ
レイ終了後また順次これを巻きほどいて仕上げ熱延に供
することが好ましい。
【0031】式(1)、式(2)の規定が製品長手方向
の磁気特性を安定させることについてその詳細な理由は
定かでないが、仕上圧延中の歪み速度の変化が熱延鋼板
中のAlNの析出状態に影響を与え、鋼板長手方向全体
にわたって二次再結晶粒の核となる方位選択性が向上す
ることがその原因ではないかと推測される。
【0032】熱延以降の行程については、析出物制御を
目的として熱延板焼鈍を行っても良い。酸洗後、1回若
しくは中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延により最終板
厚とする。
【0033】本発明では、高磁束密度を得るために最終
冷延の圧下率は75%超とする。75%以下では本発明
が目的とする超高磁束密度が得られないので、最終冷延
率は75%超と定める。
【0034】次に湿水素雰囲気などの雰囲気中で脱炭焼
鈍をする。次いで焼鈍分離材を塗布し仕上げ焼鈍を行
い、二次再結晶および引き続いて純化を行う。本発明の
鋼はαγ変態を有するため、良好な二次再結晶方位を維
持するために仕上げ焼鈍温度はαγ変態点以下で行う。
二次再結晶完了後の純化焼鈍は水素雰囲気中で実施す
る。
【0035】
【実施例】
[実施例1]表2の成分を含有し、残部Feおよび不可
避的不純物からなるスラブを加熱後、粗圧延機により7
0mm厚のシートバーとした。その後、このシートバーを
仕上圧延機により2.50mmの厚みの熱延板とした。
【0036】
【表2】
【0037】その際、仕上げ熱延中の歪み速度の変動を
抑制するために、粗圧延後のシートバーを先行するシー
トバーに接合し、連続して仕上げ熱延を行った。中間の
シートバーの仕上熱間圧延最終スタンドの最大歪速度を
360s-1とし、かつ、圧延時の最終スタンドの歪み速
度が最大歪速度の80%を下回らないように仕上圧延を
行った。パススケジュールは圧延中一定とし、熱延最終
スタンドの圧下率は20%とした。歪速度が本発明の範
囲内に入るように、圧延速度を制御して仕上熱間圧延を
行った。
【0038】比較材は粗圧延後のシートバーを単独で仕
上げ熱延に供した。この際、パススケジュールは圧延中
一定としたが、シートバーの咬み込みを安定させるた
め、仕上圧延開始時には最終スタンドの歪速度が234
-1とし、その後加速して定常状態では360s-1で仕
上げ熱延を行い、シートバー最後端部分の歪速度は28
1s-1とした。
【0039】得られた熱延板に825℃2分の熱延板焼
鈍を施し、その後酸洗し冷延率84.0%の圧延により
0.40mmまで冷延し、次いで830℃5分の脱炭焼鈍
を湿水素雰囲気中で実施した。その後890℃×10時
間の仕上焼鈍を行った。
【0040】エプスタイン試料は一本のシートバーの先
端部にあたる製品コイルの端部から100mの場所で採
取したものをT試料、製品コイル長手方向中心部で測定
したものをM試料、熱延終端側から100mの場所で採
取したものをB試料とし、本発明例では中間のシートバ
ーより、比較例では1本のシートバーの各部より採取し
た。切り出したエプスタイン試料に歪取り焼鈍を施した
後、磁界強度10000A/mでの磁束密度の値B100
を測定した。
【0041】各試料の磁束密度測定結果と、試料採取位
置での熱延最終スタンドの歪み速度の最大値に対する比
を併せて表3に示す。表3より、仕上熱延時の歪み速度
の変動を抑制した事により、コイル長手方向の磁気特性
の変動の少ない方向性電磁鋼板を得る事が可能であるこ
とがわかる。
【0042】
【表3】
【0043】[実施例2]表4の成分を含有し、残部F
eおよび不可避的不純物からなるスラブを加熱後、粗圧
延機により70mm厚のシートバーとした。その後、この
シートバーを仕上圧延機により2.50mmの厚みの熱延
板とした。本実施例では本発明例、比較例とも単独のシ
ートバーで仕上圧延を行い、シートバーの接合による連
続仕上げ熱延は実施しなかった。
【0044】
【表4】
【0045】その際、本発明例として仕上げ熱延中の歪
み速度の変動を、式(1)に従って抑制しながらシート
バーの仕上げ熱延を行った。仕上げ熱延の最終スタンド
での最大歪速度は375s-1とした。パススケジュール
は圧延中一定とした。
【0046】比較材は本発明例とパススケジュールを同
一とし、かつ仕上げ熱延中一定としたが、シートバーの
咬み込みを安定させるため、仕上圧延開始時には最終ス
タンドの歪速度を255s-1とし、その後加速して定常
状態では375s-1で仕上げ熱延を行い、シートバー最
後端部分の歪速度は296s-1とした。熱延仕上げ温度
はいずれも900℃とし、水冷して550℃で巻き取っ
た。
【0047】得られた熱延板に825℃2分の熱延板焼
鈍を施し、その後酸洗し冷延率84.0%の圧延により
0.40mmまで冷延し、次いで830℃5分の脱炭焼鈍
を湿水素雰囲気中で実施した。その後890℃×10時
間の仕上焼鈍を行った。
【0048】これからエプスタイン試料を切り出して磁
気特性を測定した。エプスタイン試料は一本のシートバ
ーの先端部にあたるコイルの端部から100mの場所で
採取したものをT試料、コイル長手方向中心部で測定し
たものをM試料、熱延終端側から100mの場所で採取
したものをB試料とし、本発明例では中間のシートバー
より、比較例では1本のシートバーの各部より採取し
た。
【0049】各試料の磁束密度測定結果と、試料採取位
置での熱延最終スタンドの歪速度の最大値に対する比を
併せて表5に示す。この様に仕上熱延時の歪み速度の変
動を抑制したことにより、コイル長手方向の磁気特性の
変動の少ない方向性電磁鋼板を得ることが可能である。
【0050】
【表5】
【0051】[実施例3]表6の成分を含有し、残部F
eおよび不可避的不純物からなるスラブを加熱後、粗圧
延機により70mm厚のシートバーとした。その後、この
シートバーを仕上圧延機により3.00mmの厚みの熱延
板とした。
【0052】
【表6】
【0053】その際、仕上げ熱延中の歪み速度の変動を
抑制するために、粗圧延後のシートバーを先行するシー
トバーに接合し、連続して仕上げ熱延を行った。中間の
シートバーの最大歪速度は仕上げ熱延最終スタンドで3
80s-1とし、かつ、式(2)を満たすように圧延時の
最終スタンドの歪み速度が最大歪速度の80%を下回ら
ないように仕上圧延を行った。パススケジュールは圧延
中一定とし、熱延最終スタンドで圧下率20%で圧延を
行った。
【0054】得られた熱延板に825℃2分の熱延板焼
鈍を施し、その後酸洗し一回の冷延を施し、最終板厚に
し、次いで脱炭焼鈍を湿水素雰囲気中で実施した。その
後890℃×10時間の仕上焼鈍を行った。
【0055】エプスタイン試料は連続して圧延した中間
の一本のシートバーの製品コイル長手方向中心部で採取
し、切り出したエプスタイン試料に歪取り焼鈍を施した
後、磁界強度10000A/mでの磁束密度の値B100
を測定した。
【0056】最終冷延率と仕上焼鈍後の磁気特性との関
係を表7に示す。表7より、最終冷延率が75%超の範
囲において高磁場での磁束密度B100 の値が2.10T
以上と高くなっていることがわかる。
【0057】
【表7】
【0058】[実施例4]表8の成分を含有し、残部F
eおよび不可避的不純物からなるスラブを加熱後、粗圧
延機により60mm厚のシートバーとした。その後、この
シートバーを仕上圧延機により1.80mmの厚みの熱延
板とした。
【0059】
【表8】
【0060】その際、仕上げ熱延中の歪み速度の変動を
抑制するために、粗圧延後のシートバーを先行するシー
トバーに接合し、連続して仕上げ熱延を行った。中間の
シートバーの最大歪速度は仕上げ熱延最終スタンドで3
80s-1とし、かつ、式(2)を満たすように圧延時の
最終スタンドの歪み速度が最大歪速度の80%を下回ら
ないように仕上圧延を行った。パススケジュールは圧延
中一定とし、熱延最終スタンドで圧下率20%で圧延を
行った。
【0061】得られた熱延板に825℃2分の熱延板焼
鈍を施し、その後酸洗し一回の冷延を施し、最終板厚に
し、次いで脱炭焼鈍を湿水素雰囲気中で実施した。その
後890℃×10時間の仕上焼鈍を行った。
【0062】エプスタイン試料は連続して圧延した中間
の一本のシートバーの製品コイル長手方向中心部で採取
し、切り出したエプスタイン試料に歪取り焼鈍を施した
後、磁界強度10000A/mでの磁束密度の値B100
を測定した。
【0063】最終冷延率と仕上焼鈍後の磁気特性との関
係を表9に示す。表9より、最終冷延率が75%超の範
囲において高磁場での磁束密度B100 の値が2.10T
以上と高くなっていることがわかる。
【0064】
【表9】
【0065】
【発明の効果】このように本発明によれば、コイル長手
方向の磁束密度が安定して極めて高い方向性電磁鋼板を
製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕上熱延時の最終スタンドにおける最大歪み速
度に対するそれぞれの圧延位置での歪み速度の比と、製
品の磁束密度の関係を示すものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 0.010% ≦ C ≦0.14%、 0.010% ≦酸可溶性Al≦0.050%、 0.0030%≦ N ≦0.0150% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラ
    ブを、加熱、熱延した後、1回以上の冷延を行って最終
    板厚とし、脱炭焼鈍後、Ac1 変態点以下の温度域で最
    終焼鈍する方向性電磁鋼板の製造法であって、仕上熱間
    圧延を、下記(1)式を満足する条件で行うとともに、
    最終冷延率を75%超とすることを特徴とするコイル長
    手方向の磁束密度が安定して極めて高い方向性電磁鋼板
    の製造方法。 【数1】
  2. 【請求項2】 スラブを粗圧延して得られたシートバー
    の先端部を先行するシートバーの後端部と接合して複数
    のシートバーを一体とし、この一体とした複数のシート
    バーを連続的に仕上熱延に供することを特徴とする請求
    項1記載のコイル長手方向の磁束密度が安定して極めて
    高い方向性電磁鋼板の製造方法。
JP20754697A 1997-08-01 1997-08-01 コイル長手方向の磁束密度が安定して極めて高い方向性電磁鋼板の製造方法 Withdrawn JPH1150152A (ja)

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