JP4317305B2 - 冷延方向の磁気特性変動が小さい一方向性電磁鋼板を得る冷間圧延方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、変圧器や発電機などの電気機器の鉄心材料に用いられる、一方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一方向性電磁鋼板はトランスなどの鉄心に用いられ、圧延方向の磁化特性および鉄損特性が良好でなければならない。このうち磁化特性の良否は、かけられた一定の磁場中で鉄心内に誘起される磁束密度の高低で決まり、磁束密度の高い鋼板を用いると、鉄心を小型化できる。
【0003】
一方、鉄損は、鉄心に所定の交流磁場を与えた場合に熱エネルギーとして消費される電力損失であり、その良否に対しては、磁束密度、板厚、被膜張力、不純物量、比抵抗、結晶粒の大きさ等が影響する。特に、磁束密度が高く板厚が薄いことが、鉄損を小さくするうえで重要である。
近年、製造技術の進歩により、例えば、0.23mmの板厚の鋼板で、磁束密度B8(磁化力800A/mにおける値)が1.92T、鉄損W17/50(50Hzで1.7Tの最大磁化の時の値)が0.85W/kgの如き優れた製品が工業的規模で生産可能となっている。
【0004】
このような優れた磁気特性を有する一方向性電磁鋼板は、鉄の磁化容易軸である<001>方位が鋼板の圧延方向に高度に揃った結晶組織で構成されるものであり、製造工程における最終の仕上げ焼鈍の際に、いわゆるゴス方位と称される(110)〔001〕方位を有する結晶粒を優先的に巨大成長させる2次再結晶と呼ばれる現象を通じて形成される。
【0005】
このゴス方位の2次再結晶粒を十分に成長させるための基本的な要件として、2次再結晶過程において、ゴス方位以外の好ましくない方位を有する結晶粒の成長を抑制するインヒビターの存在と、ゴス方位の2次再結晶粒が優先的に発達しやすい1次再結晶組織の形成が不可欠であることは周知の事実である。
ここに、インヒビターとしては、一般にAlN、MnS、MnSe、Cu2 S等の微細析出物が利用され、さらに、補助的にSn、Sbなどの粒界偏析型の成分が利用される。また、1次再結晶組織においては、結晶粒径とその均一性、ゴス方位粒とゴス方位と対応関係にある方位粒が圧延方向に揃った集合組織の形成が重要である。
【0006】
以上のように、一方向電磁鋼板は、圧延方向に優れた磁気特性を有するので、通常は、圧延方向にスリットしたフープとして供給される。巻鉄心はフープを巻き加工し、形成、焼鈍等の工程を経て製造され、積鉄心はフープを短冊状に剪断し、組み立てられる。材料の代表鉄損はトランスの設計に関与するので、フープの長手方向、すなわち、圧延方向の磁気特性が変動しないことが求められる。
【0007】
磁束密度の高い一方向性電磁鋼板を得る方法は古くから知られており、例えば、特公昭46−23820号公報に開示されているように、インヒビターとしてAlNを用いる方法が広く知られている。この方法は、高温スラブ加熱により、AlNのインヒビター成分を一旦固溶させ、最終の冷間圧延前の焼鈍中にAlNを微細析出させることにより一方向性電磁鋼板を製造するものである。
【0008】
一方、特開昭62−40315号公報には、AlNインヒビターを後工程の窒化処理で作り込み、低温スラブ加熱とする方法が開示されている。この方法は、高温スラブ加熱の設備的デメリットを回避するために開発されたものである。
これらのAlNインヒビターを用いた製造方法においては、適正な1次再結晶組織が伴なわないと高い磁束密度が得られないことは周知である。1次再結晶組織の形成は、冷延条件に大きく影響され、一般に、最終の冷間圧延の圧下率が81〜95%と高いことが必須である。
【0009】
その他の冷間圧延に関する従来技術は、特公昭54−13846号公報に、強冷延のパス毎に50〜350℃で1分以上のエイジング処理を施す技術が、また、特公昭54−29182号公報に、300〜600℃で1〜30秒の保持を行う技術が開示されている。前者はリバース圧延機を、後者はタンデム圧延機を意図した技術である。タンデム圧延機による高温圧延は、設備的、かつ、操業技術的に困難であり、現在のところは、リバース圧延の加工発熱を利用して高温圧延を行い、圧延途中のリール巻き取り後のエイジング効果を利用している。この方法では、圧延加減速部で充分な高温が得られないため、しばしば圧延方向の磁気特性変動が問題となる。
【0010】
一方、タンデム圧延では、リバース圧延のような高温圧延は難しいため、高い磁束密度は得難いが、生産性が高いことと、圧延方向における磁気特性の安定性が比較的高いということから、採用されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、タンデム圧延により一方向性電磁鋼板を製造するにあたり、圧延方向で磁気特性が変動するという問題に直面した。圧延方向の磁気特性変動は、トランス製造時に、鉄損値の規格外れなどをもたらすため、発生原因の解明と早期解決が品質管理上急務の課題である。
【0012】
本発明は、圧延方向の磁気特性が安定した一方向性電磁鋼板を得る冷間圧延方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、Alを含有する一方向性電磁鋼板のタンデム冷間圧延においては、冷延速度が最終製品の磁気特性に影響を及ぼすことを発見し、冷延速度を一定に制御することにより、冷延方向の磁気特性を極めて安定化させる技術を発明した。
【0014】
すなわち、本発明の要旨は、
(1)質量%でC:0.025〜0.100%、Si:2.5〜4.5%、Mn:0.03〜0.45%、および、Al:0.015〜0.040%を含有する電磁鋼スラブに熱間圧延を施した後、一回または中間焼鈍を介挿する二回以上の冷間圧延により最終板厚の鋼板とし、次いで、この鋼板に、一次再結晶焼鈍を施し、焼鈍分離剤を塗布してコイル状とし、二次再結晶焼鈍を施す一方向性電磁鋼板の製造方法において、最終の冷間圧延を、タンデム冷間圧延機で81%以上の圧下率で行い、かつ、1コイル内における冷間圧延の圧延速度変動を800m/min以下に制御することを特徴とする冷延方向の磁気特性変動が小さい一方向性電磁鋼板を得る冷間圧延方法。
【0015】
(2)1コイル内での冷間圧延の最終スタンド出側の圧延速度を1000m/min以上に制御することを特徴とする上記(1)記載の冷延方向の磁気特性変動が小さい一方向性電磁鋼板を得る冷間圧延方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
初めに、この発明の基礎となった実験とその結果について説明する。
Alと補助的インヒビター成分としてSnを含有する、表1のd)に示す成分からなる電磁鋼スラブを、低温スラブ加熱で1150℃に加熱後熱間圧延し、2.0mm厚の熱延コイルを製造した。
【0017】
この熱延コイルを1100℃で焼鈍した後、5スタンドからなるタンデム圧延機を用いて、圧下率83%で冷間圧延し、0.34mmの板厚の鋼板に仕上げた。
その後、この鋼板に、通常の方法で脱炭焼鈍を施した後、鋼中の窒素量が200ppmになるように窒化焼鈍を施し、次いで、マグネシアを塗布してコイル状に巻き取った。
【0018】
このコイルに、通常の方法で仕上焼鈍を施した後、「リン酸+コロイダルシリカ」の絶縁コーティングを塗布してコーティング焼付・形状矯正焼鈍を行い、製品とした。形状矯正ラインに設置した連続磁性測定器で冷延方向の鉄損を測定した。
冷延方向の鉄損プロフィルを図1に示す。タンデム圧延機による冷間圧延を行っても、冷延方向に鉄損値変動があることが判る。本発明者等は、鉄損値変動の原因を特定するため、各圧延パラメータとの相関を解析したところ、圧延速度との相関が大きいことが判明した。
【0019】
図1中に、第5スタンド出側の冷延方向の通板速度プロフィルを示す。通常部の圧延速度は1400m/minであるが、2個所に減速部がある。1つは、コイル間の溶接部で、その破断を防止するため400m/min以下に減速している。2つ目はコイル中央部で、溶接時間の確保のために700m/minまで減速している。そして、いずれの減速部においても鉄損値が悪化していることが判る。
【0020】
さらに圧延速度の影響を調査するため、3つのパターンで圧延速度を変更して、鉄損値変動との関係を調査した。圧延パターンは、a)コイル中央部圧延速度600m/min狙い、b)コイル全圧延速度800m/min一定、c)コイル中央圧延速度1000m/min狙い、である。上記圧延パターンa)、b)およびc)における結果を、それぞれ、図2、図3および図4に示す。
【0021】
コイル内で大きな圧延速度変動のあったa)(図2)、および、c)(図4)では、冷延速度減速部で鉄損が悪化し、速度が遅い方が鉄損悪化が大きいことが判る。一方、コイル先、後の減速部以外は冷延速度が安定していたb)(図3)では、鉄損変動もまた極めて小さいことが判る。
一方向性電磁鋼板の磁気特性の良否は、インヒビターと一次再結晶組織に影響される。本発明の場合はインヒビターを変えていないから、冷延速度が、一次再結晶組織の変化を介して磁気特性に影響を及ぼしたものと推定される。
【0022】
そこで、各圧延速度に対応する部位から一次再結晶サンプルを採取し、結晶粒径を解析した。平均結晶粒径は断面金相組織を画像処理解析して求めた。その結果を図5に示す。この図から、圧延速度の低下にともない結晶粒径は小さくなる傾向にあることが判る。
二次再結晶は一次再結晶粒界の曲率を駆動力とするので、結晶粒径が小さいほうが駆動力が大きい。そして、駆動力が大きすぎると、ゴス方位以外の結晶も二次再結晶しやすくなり、相対的にゴス方位集積度が低下すると考えられる。
【0023】
すなわち、圧延速度がコイル内で変動すると、一次再結晶粒径がコイル内で変動し、結果として、ゴス方位集積度が変動して、鉄損が変動するものと考えられる。
圧延速度の増加にともない一次再結晶粒径が大きくなるメカニズムについては、現在のところ特定できていないが、表面粗度、エミシビティー等の変化による一次再結晶温度の変化は認められなかったことから、歪み速度の増加にともない冷延後の歪み蓄積エネルギーが低下し、結晶粒径が大きくなると考えられる。
【0024】
以上は、AlNインヒビターを用いた低温スラブ加熱法における結果であるが、本発明者らは、実施例で示すように、MnS、AlN+MnS(MnSe)インヒビターおよびSn、Sbを補助的に添加した高温スラブ加熱法についても同様に調査した。その結果、AlNをインヒビターとして含む成分系については、いずれも、鉄損変動の圧延速度依存性が確認された。この原因については明確でないが、次のように考えられる。
【0025】
AlNは、MnSより熱的に安定なインヒビターであるから、仕上げ焼鈍におけるより高温の狭い温度範囲で弱体化する。一次再結晶駆動力の大きさは二次再結晶温度に影響するので、これにより、二次再結晶温度をインヒビターが弱体化する温度範囲に制御することが、ゴス方位集積度向上に有利であると考えられる。したがって、AlNインヒビターを含む成分系は、磁気特性の一次再結晶粒径依存性が大きいと考えられる。
【0026】
次に、本発明における一方向性電磁鋼板の鋼素材を溶製する際の化学成分範囲の限定理由及び好適成分範囲について説明する。
Cは、組織制御のために重要な元素であり、0.025%以上は必要である。しかし、多過ぎると、脱炭が困難となるので、上限を0.100%とする。
Siは、あまり少ないと電気抵抗が小さくなって良好な鉄損特性が得られず、一方、多過ぎると冷間圧延が困難になるので、Siの成分範囲は、2.5%以上4.5%以下とする。
【0027】
Mnは、組織制御のためと、インヒビター成分として重要である。両者の観点から下限は0.03%とし、一方、多過ぎると高温スラブ加熱を前提とすると溶体化が困難となるので、上限を0.45%とする。
S、Seは、上記Mnと結合してインヒビターとして作用するMnS、MnSeを形成する。それ故、S、Seの成分範囲は、単独もしくは合計で0.01%以上0.04%以下が好適である。なお、MnS、MnSeを微細に析出させるためには高温スラブ加熱が必要であるが、一方、後工程窒化法を用いた低温スラブ加熱法においては、微細なMnS、MnSeは不必要であるから、S、Seは合計で0.01%以下が望ましい。
【0028】
本発明では、特に、酸可溶Alをインヒビター成分として含有させることが、高磁束密度を得るために不可欠であり、一定量以上のAl添加を必要とするが、多過ぎると溶体化のための仕上げ焼鈍時間が長くなり、生産性を悪化させるので、酸可溶Alの成分範囲は0.015%以上0.040%以下とする。
Nは、高温スラブ加熱を前提とするとする場合は、最終の冷間圧延前の焼鈍においてAlNを形成する必要があるので、0.003%以上0.020%以下の範囲で含有させる必要がある。なお、低温スラブ加熱法においては、一次再結晶後に窒化法を用いてAlNを形成させるので、溶製段階でNを含有させる必要はない。
【0029】
以上の他、磁気特性の向上のために、さらに、Sn、Sb、Cr、P、Cu、Bi、Mo、B、V、Ge等のインヒビター補強成分を、適宜、公知の範囲で添加することができる。
次に、製造工程における条件について説明する。
本発明において、鋼素材の製造には公知の製法を適用する。製造されたインゴットまたはスラブを必要に応じて再生し、サイズを合わせた後加熱し、熱間圧延する。スラブ加熱温度は使用するインヒビター等に応じ、1100℃〜1450℃の範囲にする。熱間圧延後の鋼帯は、1回冷間圧延法、または、中間焼鈍を介する複数回冷間圧延法によって最終板厚とする。
【0030】
なお、冷間圧延の前に、公知の条件で熱延板焼鈍を実施してもよい。高温スラブ加熱を前提とする場合は、熱間圧延で不十分なAlNの微細析出を確保するうえで重要である。低温スラブ加熱を前提とする場合は、インヒビター制御の観点からは特に必要ない。さらに、炭化物や固溶Cの制御のため、焼鈍後に急冷、冷却過程での加工歪付加、炭化物析出のための保定等の方法を併用しても、本発明の効果を損なうものでない。
【0031】
その後、鋼板は最終の冷間圧延に供されるが、この時、高磁束密度を得るためには、従来より公知のように、80%から95%の範囲の圧下率で冷間圧延することが必要である。圧下率が80%より少ないと、高磁束密度が得られず、一方、95%を超えると2次再結晶が困難になる。また、その圧延速度は、最終パスの出側において、1000m/min以上であることが、既に述べたように、磁気特性に対して好ましい。
【0032】
また、この圧延において、従来より公知の時効処理や、温間圧延を施すこと等の方法を併用しても、本発明の効果を損なうものでない。特に、高温スラブ加熱の場合、固溶C、Nの固着効果以外に、線状細粒発生防止の観点から有効であることが知られている。この時の時効温度は、300℃から600℃の範囲が有利である。
【0033】
本発明の特徴は、リバース圧延機を用いる方向性電磁鋼板の製造方法において、コイル全長にわたって、できる限り一定の圧延速度で圧延することで、圧延方向の鉄損変動を小さくすることにある。そこで、圧延速度変動の範囲を限定するため、圧延速度変動(1コイル中の最大圧延速度との差、△V)と鉄損変動(1コイル中の鉄損最良値との差、△W17/50)の関係を解析した。その結果を図6に示す。
【0034】
図6に示すように、△Vと△W17/50はほぼ線形関係にあり、△Vが800m/minで0.05W/kg(△W17/50)の変動をもたらし、また、△Vが400m/minで0.02W/kgの変動をもたらす。そこで、本発明は、圧延方向の圧延速度変動を800m/min以内に制御することを要件とした。なお、上記圧延速度変動は、400m/min以内に制御することが好ましい。
【0035】
タンデム圧延においては、生産性の観点から圧延速度を高めるが、一般には、溶接作業やチャタリング等のために減速がともなうことになる。そこで、生産性を損なわずにできる限り圧延速度を一定に制御する技術が、特願平10−10344号で提案されている。
最終の冷間圧延後の鋼板には、脱脂処理が施された後、脱炭と一次再結晶を兼ねた焼鈍が施される。低温スラブ加熱法の場合は、この後、一次再結晶から二次再結晶の間に窒化処理を行い、AlNインヒビターを形成させることが重要である。窒化処理の条件は公知の条件でよく、焼鈍温度を650〜850℃とすることが、窒化にとって有利である。良好な二次再結晶粒を安定して発達させるには、窒化増量として80ppm以上、好ましくは110ppm以上必要である。
【0036】
次で、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、コイル状に巻かれて最終仕上げ焼鈍に供され、焼鈍後に絶縁コーティングが施される。その後さらに、レーザー、プラズマ、機械的方法、エッチング、その他の手法によって磁区細分化処理を施すことも可能であることは言うまでもない。
【0037】
【実施例】
表1に示す成分を含有する電磁鋼スラブを製造し、熱間圧延し、熱延鋼帯を製造した。スラブ加熱は、表2に示すように、a)、b)およびc)が1350〜1400℃の高温スラブ加熱、d)およびe)が1150〜1270℃の低温スラブ加熱である。
【0038】
上記熱延鋼帯を、表2および表3に示す中間板厚と最終板厚の条件で冷間圧延した。a)およびc)は、中間焼鈍を挟む2回冷延法で、b)およびe)は、熱延板焼鈍後の1回冷延法で、また、d)は熱延後の1回冷延法で冷間圧延した。最終の冷間圧延は、タンデム圧延とし、圧下率は表2に示すように58〜89%とした。タンデム圧延は、表3に示すようにいくつかのパターンで圧延速度範囲を変更した。
【0039】
冷延鋼帯には、引き続き脱炭焼鈍を行い、低温スラブ加熱材d)およびe)については、脱炭焼鈍の後に、表2に示す窒化増量の窒化処理を行い、インヒビターを補強した。
その後、通常の方法でマグネシアを塗布してコイル状に巻き取り、仕上げ焼鈍、絶縁コーティング、形状矯正・焼付焼鈍を行った。製品鋼帯の鉄損(W17/50)を連続的に測定し、標準偏差を求めた。
【0040】
表3に示すように、Alを含有する成分系において、圧延速度変動ΔVを800m/min以下に制御することにより、ΔW17/50で0.05W/kg以下の鉄損変動が小さい製品が得られている。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、Alを含有する一方向性電磁鋼板において、冷延方向の磁気特性変動が小さい一方向性電磁鋼板を製造することができる。そして、本発明の一方向性電磁鋼板は、磁気特性変動が小さいが故、トランスの鉄心などの素材として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷延方向の圧延速度と鉄損値の関係を示す図である。
【図2】コイル中央部600m/minにおける冷延方向の圧延速度と鉄損値の関係を示す図である。
【図3】コイル全圧延速度800m/min一定における冷延方向の圧延速度と鉄損値の関係を示す図である。
【図4】コイル中央圧延速度1000m/min狙いにおける冷延方向の圧延速度と鉄損値の関係を示す図である。
【図5】圧延速度と一次再結晶平均粒径の関係を示す図である。
【図6】圧延速度変動と鉄損変動の関係を示す図である。
Claims (2)
- 質量%で、C:0.025〜0.100%、Si:2.5〜4.5%、Mn:0.03〜0.45%、および、Al:0.015〜0.040%を含有する電磁鋼スラブに熱間圧延を施した後、一回または中間焼鈍を介挿する二回以上の冷間圧延により最終板厚の鋼板とし、次いで、この鋼板に、一次再結晶焼鈍を施し、焼鈍分離剤を塗布してコイル状とし、二次再結晶焼鈍を施す一方向性電磁鋼板の製造方法において、最終の冷間圧延を、タンデム冷間圧延機で81%以上の圧下率で行い、かつ、1コイル内における冷間圧延の圧延速度変動を800m/min以下に制御することを特徴とする冷延方向の磁気特性変動が小さい一方向性電磁鋼板を得る冷間圧延方法。
- 1コイル内の冷間圧延の最終スタンド出側の圧延速度を1000m/min以上に制御することを特徴とする請求項1記載の冷延方向の磁気特性変動が小さい一方向性電磁鋼板を得る冷間圧延方法。
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