JPH1148599A - 複写防止印刷物及びその作製方法 - Google Patents

複写防止印刷物及びその作製方法

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JPH1148599A
JPH1148599A JP22295997A JP22295997A JPH1148599A JP H1148599 A JPH1148599 A JP H1148599A JP 22295997 A JP22295997 A JP 22295997A JP 22295997 A JP22295997 A JP 22295997A JP H1148599 A JPH1148599 A JP H1148599A
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誠二 丸山
Kunihiko Ukai
邦彦 鵜飼
Naoko Fujisawa
直子 藤澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造防止策を施した印刷物において、カラー
複写機を利用して複写した場合に、複写機自体の機能が
著しく向上しても、確実に偽造を防止し、真偽判別が容
易である複写防止印刷物及びその作製方法を提供する。 【解決手段】 基材上に形成された第一、第二及び第三
の印刷画像部からなる印刷物であって、第一の印刷画像
部は、第二の印刷画像部をカラー複写したときの色に等
色する色をなすように形成し、第二の印刷画像部と第三
の印刷画像部は等色関係にあり、組み合わされて任意の
特定画像を表示するようにした印刷物であって、第二の
印刷画像部は、任意の特定画像の一部を有色の印刷イン
キで下層を形成し、該下層に完全に重畳するように、下
層と同一の画像を透明性を有する下層とは異なる色相の
有色の印刷インキで印刷して上層を形成する二層構造と
しており、カラー複写することによって第三の印刷画像
部のみが残存する構成としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀行券、パスポー
ト、有価証券、身分証明書、カード、通行券、貴重印刷
物または重要書類などの偽造防止及び改ざん防止等が要
求される印刷物をデジタルカラー複写機を利用して複写
した場合に、任意の特定画像の一部が残存した画像に、
或いは、任意の有意味画像が別の新たな有意味画像に変
化することで、明らかに複写物であることが目視によっ
て容易に判別できる複写防止効果を有する複写防止印刷
物及びその作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、カラー複写機を用いた複写に
よる偽造を防止する印刷物として、例えば、同色の背景
及び潜像の一方を万線で他方を網点で、または、一方を
微細な網点で他方を粗い網点で構成し、潜像の上面には
コピーで再現されない程度の薄色透明性インキで装飾模
様を重ね印刷することで、潜像を装飾模様によって隠蔽
し、該潜像は肉眼では識別されにくいが、複写機に掛け
ると薄色のインキで印刷されている装飾模様は複写され
ず、二つの強調された網点の再現差によって、潜像が明
瞭に認められる、特公昭64−5835号公報(名称
「複写防止に適する印刷物」)がある。これは従来から
用いられている網点の大小の組み合わせ、網点と万線の
組み合わせに、地紋や彩紋等の装飾模様をコピーで再現
されない程度の薄色の透明性インキで重ね刷りをしてお
り、従来から使われている技術のカムフラージュのひと
つである。
【0003】また、表面の分光反射率が少なくとも40
%以上の基材で、基材上に有色インキ層により可視情報
が形成され、可視情報の少なくとも一部に重畳して白色
層を形成することにより分光反射率を高めることによっ
て、複写時における複写機光源による反射光量を増加し
て、基材上に形成された有色インキ層から得られる三原
色成分のある特定の色分解成分の影響を受けて、カラー
複写機の感光体に認識され難くすることで色再現が忠実
に行われない効果と、前記可視情報である印刷画像を網
点の粗密によって形成し、カラー複写機の再現性の特徴
を利用した網点の再現性の差による効果を組み合わせ
た、特開平7−68981号公報(名称「偽造防止印刷
物」)がある。この偽造防止印刷物は白色層等を利用し
て反射率を高めることによって複写物の色変化を利用し
ているため、複写物の色変化は可視領域における分光反
射率曲線で見ると色の性質を示す分光反射率のピークの
位置はオリジナル印刷物と同じ波長域であり、従来から
の公知の網点の粗密を組み合わせることで偽造防止効果
を向上させている。
【0004】いずれにしても、現在ではカラー複写機の
デジタル化が進み、カラー複写機の解像度の向上や色補
正機能の付設等によって、複写機自体の機能の向上が著
しくなってきているので、上記のような偽造防止を施し
た印刷物では、カラーコピーに対する牽制機能が低下
し、十分な偽造防止効果が得られず、よりいっそうのカ
ラー複写機を用いた複写に対する偽造及び複写防止策が
望まれていた。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】以上詳述したよう
に、従来の偽造防止策を施した印刷物においては、現在
のカラー複写機を用いた複写に対して、網点、線画、万
線等のサイズ及び構成模様のピッチ等の制約を有してお
り、また複写機自体の解像度等の機能が向上しているた
めに、カラー複写機による偽造を確実に防止することが
困難であった。
【0006】また、有色インキ層の反射率の差を利用し
た複写防止技術においては、網点の粗密を組み合わせる
ことなく、色再現性の差だけで複写防止効果を有するよ
うな、より高度な複写防止技術が要求されていた。
【0007】本発明は、これら従来の複写機を用いた複
写に対する、偽造防止印刷物が有していた不都合な面を
解消し、複写機の高性能化に伴う広範囲にわたる色調整
を行っても、第二の印刷画像部を形成する有色印刷層と
微細な着色顔料からなる透明性を有する印刷インキによ
る印刷層との二層構造による光学的な相互作用によっ
て、単純な一層構造の印刷では得ることのできなかった
複写機に対する特殊な光学効果を、二層構造の印刷画像
を形成することで実現し、オリジナルの印刷物と複写物
との色相の差を顕著にすることによって、任意の画像の
構成因子の形状及びピッチ等に制約を受けることなく、
カラー複写機による偽造を確実に防止することができる
複写防止印刷物とその作製方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、本発明は、紙、フィルム等の基材上に形成された
第一、第二及び第三の印刷画像部からなる印刷物であっ
て、前記第二の印刷画像部と前記第三の印刷画像部とは
等色関係をなし、組み合わされて任意の特定画像を表示
するように形成し、前記第一の印刷画像部は、前記第二
の印刷画像部をカラー複写したときの色に等色する色を
なして構成される印刷物であって、前記第二の印刷画像
部は、任意の特定画像の一部を有色の印刷インキで下層
を形成し、該下層に完全に重畳するように、下層と同一
の画像を透明性を有する有色の印刷インキで上層を形成
した二層構造であり、カラー複写することにより、前記
第三の印刷画像部のみが残存することを特徴とする複写
防止印刷物、及びこの複写防止印刷物を作製する方法で
ある。
【0009】前記構成において、残存する画像は、警告
パターンを表示することを特徴とする複写防止印刷物、
及びこの複写防止印刷物を作製する方法である。
【0010】また、本発明は、紙、フィルム等の基材上
に形成された第一、第二及び第三の印刷画像部からなる
印刷物であって、前記第一の印刷画像部は任意の特定画
像を表示し、かつ、前記第二の印刷画像部をカラー複写
したときの色に等色する色をなすように形成し、前記第
二の印刷画像部と前記第三の印刷画像部は等色関係に形
成した印刷物であって、前記第二の印刷画像部は、任意
の特定画像を有色の印刷インキで下層を形成し、該下層
に完全に重畳するように、下層と同一の画像を透明性を
有する有色の印刷インキで上層を形成した二層構造であ
り、カラー複写することにより、等色関係にある前記第
一の印刷画像部と一体化し、別の新たな有意味画像を形
成することを特徴とする複写防止印刷物、及びこの複写
防止印刷物を作製する方法である。
【0011】また、特に効果の高い前記第二の印刷画像
部の構成は、下層を黄色系の印刷インキで形成し、上層
を透明性を有する青色系の印刷インキで形成した二層構
造であることを特徴とする複写防止印刷物、及びこの複
写防止印刷物を作製する方法である。
【0012】なお、前記任意の特定画像は文字、記号、
顔像またはその他有意味情報であることを特徴とする複
写防止印刷物、及びこの複写防止印刷物を作製する方法
である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の複写防止印刷物は、印刷
基材上に、第一、第二及び第三の印刷画像部を形成する
ことにより得られる印刷物であって、前記第一の印刷画
像部は、前記第二の印刷画像部をカラー複写したときの
色に等色する色をなして構成され、前記第二の印刷画像
部と前記第三の印刷画像部とは等色関係をなし、組み合
わされて任意の特定画像を表示するようにした印刷物で
あって、前記第二の印刷画像部は、任意の特定画像の一
部を有色の印刷インキで印刷して下層を形成し、該下層
に完全に重畳するように、下層と同一の画像を透明性を
有する有色の印刷インキで印刷して上層を形成した二層
構造としているので、カラー複写することにより、前記
特定画像を構成していた第二の印刷画像部が前記第三の
印刷画像部と等色関係をなす色に変化し、前記第三の印
刷画像部のみが残存することによって複写防止の手段と
している。
【0014】また、前記第一の印刷画像部は任意の特定
画像を表示し、かつ、前記第二の印刷画像部をカラー複
写したときの色に等色する色をなすように形成し、前記
第二の印刷画像部と前記第三の印刷画像部は等色関係に
ある背景を形成した印刷物であって、前記第二の印刷画
像部は、任意の画像を有色の印刷インキで印刷して下層
を形成し、該下層に完全に重畳するように、下層と同一
の画像を透明性を有する有色の印刷インキで印刷して上
層を形成した二層構造としており、カラー複写すること
により、前記第一の印刷画像部があらかじめ表示してい
る特定画像と組み合わされて一体化することにより、別
の新たな有意味画像を形成することによって複写防止の
手段としている。
【0015】すなわち、カラー複写機の発光部から照射
される照明光の一部は、二層構造を形成する印刷画像層
の上層の透明性を有する有色の印刷インキ層を透過し
て、下層を形成する上層と異なる色相の有色の印刷イン
キあるいはそれに類似する色相のインキ層に到達した後
反射することによって、目視では視認が難しかった隠蔽
されていた下層の印刷画像層の情報が強調されて複写さ
れ、あらかじめ視認されていた任意の印刷画像部と等色
若しくはほぼ等色となり、目視では確認できなかった新
しい画像が得られる。
【0016】図1は、オリジナル印刷物の二層構造を有
する画像部、すなわち第二の印刷画像部、前記二層構造
を有する印刷画像部の表示色に等色若しくはほぼ等色し
た通常の暗緑色インキで形成される画像部、すなわち第
三の印刷画像部及び前記二層構造を有する印刷画像部を
複写した場合に得られる色と等色若しくはほぼ等色した
褐色系の印刷画像層、すなわち第一の印刷画像部の分光
反射率曲線を示したものである。
【0017】また、図2は、本発明による複写防止印刷
物をカラー複写機で複写した複写物の前記第一、第二及
び第三の印刷画像部の分光反射率曲線を示したものであ
る。
【0018】人間の目で最も比視感度の高い500〜6
00nmの波長領域で、前記二層構造を有する印刷画像
部と前記二層構造の印刷画像部に等色若しくはほぼ等色
した画像部は、同色相の色の分光反射率曲線を示してお
り、人の目ではほぼ等色に感じられるが、前記二層構造
を有する印刷画像部を複写したときに得られる色と等色
若しくはほぼ等色した褐色系の印刷画像部の分光反射率
は、他の2つの画像の分光反射率より高い反射率を示
し、人の目には異なった色相として感じられる。
【0019】一方、本発明による複写防止印刷物をカラ
ー複写機で複写した複写物においては、人間の目で最も
比視感度の高い500〜600nmの波長領域で、前記
二層構造を有する印刷画像部と前記二層構造の印刷画像
部を複写したときに得られる色と等色若しくはほぼ等色
した褐色系の印刷画像部の分光反射率は、同色相の分光
反射率曲線を示しており、人の目ではほぼ等色に感じら
れるが、前記二層構造の印刷画像部の表示色に等色若し
くはほぼ等色した通常の暗緑色インキで形成される画像
部の分光反射率は、他の2つの画像の分光反射率より低
い反射率を示し、人の目には異なった色相と感じられ
る。
【0020】すなわち、本発明による3種類の印刷画像
部を組み合わせた複写防止印刷物は、カラー複写するこ
とで、1組の同じ色相の組み合わせが、異なった組の同
じ色相の組み合わせになることで、オリジナル印刷物と
複写物との画像の差が容易に視認されるので複写防止に
対する有効性がある。
【0021】本発明に用いる二層構造をなす印刷画像部
の下層及び上層のインキの色は必要に応じて任意設定が
可能であるが、本発明において特に効果的な複写防止用
インキとしての組み合わせは、下層のインキとしては、
通常の黄色系インキであり、上層のインキとしては、下
層のインキと補色関係にある微粒子顔料で構成される青
色系インキである。
【0022】また、本発明で用いている任意の特定画像
とは、網点、万線、ベタまたはその他の画線構成素子が
適用されるが、本発明による効果は画線構成素子の形態
に制約されることはない。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例の図面に基づいて詳細
に説明する。
【0024】(実施例1)図3は、本発明による複写防
止印刷物の作製方法の一実施例を示す図である。まず、
基材用紙(1)上に、東洋インキ株式会社製のUVキュ
アタイプのフラッシュドライカルトンPシリーズの黄色
オフセットインキで、階調を有する人の顔像の一部分と
なるように、「×」印を任意の網点形状、線数及び面積
率を有する模様で印刷して下層の印刷画像層(2)と
し、次に、前記下層の印刷画像層(2)の上に、下記の
表に示す配合割合の無機顔料からなる透明性を有する青
色系印刷インキで、前記下層を形成する画像と全く同じ
画像を、前記下層の印刷画像層に完全に重畳するように
印刷して上層の印刷画像層(3)を形成し、二層構造と
した第二の印刷画像部(4)を形成する。
【0025】次に前記第二の印刷画像部(4)の画像と
組み合わされて、階調を有する人の顔像となるように、
前記第二の印刷画像部(4)と違和感のない連続的な網
点形状、線数及び面積率を有する画像を、前記第二の印
刷画像部の表示色に等色若しくはほぼ等色した暗緑色の
印刷インキで印刷して第三の印刷画像部(5)を形成
し、更に、前記第二の印刷画像部(4)と前記第三の印
刷画像部(5)で構成される、人の顔像のポジ画像以外
の余白部分と、前記第二及び第三の印刷画像部以外の背
景部分を、前記第二の印刷画像部(4)をカラー複写し
たときの表示色と等色若しくはほぼ等色した褐色系の印
刷インキで印刷を行い第一の印刷画像部(6)を形成す
ることで、本発明による複写防止印刷物(7)の構成と
しているので、作製されたオリジナルの印刷物(7)で
は、人の顔像が顕著に視認される。
【0026】 (表) 超微粒子複合酸化物顔料ダイピロキサイド TMカラー#3410〔大日精化工業(株)製〕 30重量部 アクリレートモノマー及びオリゴマー樹脂 70重量部 重合禁止剤(メチルハイドロキノン) 0.1重量部(外割) 紫外線重合開始剤 3重量部(外割)
【0027】図4は、前記構成とした本発明の複写防止
印刷物(7)を、市販のカラー複写機によって複写物を
作製したときの画像の変化を示したものである。本発明
による複写防止印刷物(7)を市販のカラー複写機によ
って複写物を作製する場合、カラー複写機に付設されて
いる色補正機能を操作して濃度調整を行っても、オリジ
ナル印刷物で人の顔像の一部を構成していた前記第二の
印刷画像部(4)を形成している画像は、下層の印刷画
像層(2)に印刷された黄色系のインキの影響を受けて
黄色味を帯びて複写され、第三の印刷画像部(5)と色
の差が顕著になり、更に、前記第一の印刷画像部(6)
である背景部の色に等色することで、前記第三の印刷画
像部を形成している人の顔像の一部のみが視認される複
製物(8)が得られる。言い換えれば、前記第二の印刷
画像部で形成されていた「×」印が、人の顔像の中に認
識されるようになる。
【0028】すなわち、本発明による複写防止印刷物を
市販のカラー複写機により複写して得られる複写物は、
オリジナル印刷物と比較した場合に、画像の一部の色変
化によって真偽が判別できると共に、複写により人の顔
像を形成していた一部が消失し、「×」印が顔像の中に
視認され、警告パターンを与えることで、正規の識別情
報を付与したオリジナル印刷物であるか否かを容易に判
別する手段としている。このことは、本発明が、画像の
構成要素である網点、画線、万線等のサイズまたは構成
模様及びピッチ等に制約されることのない、色の変化を
利用しているため、複写機を用いた複写による偽造及び
変造を確実に防止できる。
【0029】図5は本発明による複写防止印刷物(7)
を構成する印刷物のI−I方向の概略断面図を示したも
のである。
【0030】(実施例2)図6は本発明による複写防止
印刷物の作製方法の他の一実施例を示す図である。ま
ず、基材用紙(9)上に、東洋インキ株式会社製のUV
キュアタイプのフラッシュドライカルトンPシリーズの
黄色オフセットインキで、デザイン化した「写」という
文字画像の一部を印刷して下層の印刷画像層(10a、
10b、10c)とし、次に、前記下層の印刷画像層
(10a、10b、10c)の上に、上記表に示す配合
割合の無機顔料からなる透明性を有する青色系印刷イン
キで、前記下層を形成する画像と全く同じ画像を、前記
下層を形成する画像層に完全に重畳するように印刷して
上層の印刷画像層(11a、11b、11c)を形成し
て二層構造とした第二の印刷画像部(12a、12b、
12c)を形成する。
【0031】次に、前記第二の印刷画像部(12a、1
2b、12c)の画像と組み合わされて、デザイン化し
た「写」という文字画像になるように、デザイン化した
「正」という文字画像(13)を、前記第二の印刷画像
部(12a、12b、12c)がカラー複写されたとき
の色に等色若しくはほぼ等色した褐色系の印刷インキで
印刷して第一の印刷画像部(13)を形成し、更に、前
記第二の印刷画像部(12a、12b、12c)の画像
と、前記第一の印刷画像部(13)の画像で構成される
デザイン化した「写」という文字画像以外の余白部分
に、前記デザイン化した「写」という文字画像をカムフ
ラージュする画像(14)を、前記第二の印刷画像部
(12a、12b、12c)の表示色と等色若しくはほ
ぼ等色した暗緑色の印刷インキで印刷を行い第三の印刷
画像部(14)を形成することで、本発明による複写防
止印刷物(15)の構成としているので、作成されたオ
リジナルの印刷物(15)では、デザイン化した「正」
という文字画像が顕著に視認される。
【0032】図7は、前記構成とした本発明の複写防止
印刷物(15)を、市販のカラー複写機によって複写物
(16)を作製したときの画像の変化を示したものであ
る。本発明による複写防止印刷物(15)を市販のカラ
ー複写機によって複写物を作製する場合、カラー複写機
に付設されている色補正機能を操作して濃度調整を行っ
ても、オリジナル印刷物でデザイン化した「写」という
文字画像の一部を構成していた前記第二の印刷画像部
(12a、12b、12c)である画像は、下層の印刷
画像層(10a、10b、10c)に印刷された黄色系
のインキの影響を受けて黄色味を帯びて複写され、前記
第二の印刷画像部(12a、12b、12c)に等色若
しくはほぼ等色であった第三の印刷画像部(14)との
色の差が顕著になり、更に、前記第一の印刷画像部(1
3)であるデザイン化した「正」という文字画像の色に
等色することで、前記第一及び第二の印刷画像部が組み
合わされて、デザイン化した「写」という文字画像が視
認される複写物(16)が得られる。
【0033】すなわち、本発明による複写防止印刷物を
市販のカラー複写機により複写して得られる複写物は、
オリジナル印刷物と比較した場合に、画像の一部の色変
化によって真偽が判別できると共に、複写をすることに
より潜像化されていたデザイン化した「写」という文字
画像が視認され、警告パターンを与えることで、正規の
識別情報を付与したオリジナル印刷物であるか否かを容
易に判別する手段としている。このことは、本発明が、
画像の構成要素である網点、画線、万線等のサイズまた
は構成模様及びピッチ等に制約されることなく、色の変
化を利用しているため、複写機を用いた複写による偽造
及び変造を確実に防止できる。
【0034】図8は、本発明による複写防止印刷物(1
5)を構成する印刷物のI−I方向の概略断面図を示し
たものである。
【0035】以上、本発明の複写防止印刷物の実施例に
ついて説明してきたが、本発明は上述した実施例に限定
されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種
々の変化が可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によって得
られる印刷物を、カラー複写機を用いて複写をすること
によって偽造物及び変造物を作製しようとしても、本発
明の複写防止印刷物の複写物は、オリジナル印刷物を一
見しただけでは視認が困難な隠蔽された画像情報が複写
され現出することにより、任意の有意味情報が視認化さ
れる、或いは、視認されていた有意味情報の一部が消失
し別の有意味情報として複写されることで、容易に目視
で複写物であることが判別できる。
【0037】更に、本発明の技術は、二層の印刷画像層
からなる光学的効果に依存し、パターンの形状、線の
幅、網点の線数及びピッチ等に制約されることなく、カ
ラー複写機に掛けたときに初めて任意の画像情報を隠蔽
したり、開示したりする印刷物であるので、画像部の色
変化または警告画像等の現出により複写物であることが
容易に判別される。また、現在市販されている解像度及
び色補正機能の向上した複写機のいかなる機種を用いて
も完全な複写防止効果を得ることができる。
【図の簡単な説明】
【図1】 本発明の複写防止印刷物の第一、第二及び第
三の印刷画像部の分光反射率曲線を示す。
【図2】 本発明のカラー複写物の第一、第二及び第三
の印刷画像部の分光反射率曲線を示す。
【図3】 実施例1の本発明による複写防止印刷物の作
製方法を示す図。
【図4】 実施例1を市販のカラー複写機で複写物を作
製したときの変化を示す図。
【図5】 実施例1におけるI−I方向の概略断面図を
示す。
【図6】 実施例2の本発明による複写防止印刷物の作
製方法を示す図。
【図7】 実施例2を市販のカラー複写機で複写物を作
製したときの変化を示す図。
【図8】 実施例2におけるI−I方向の概略断面図を
示す。
【符号の説明】
1、9 基材用紙 2 実施例1の第二の印刷画像部の下層 3 実施例1の第二の印刷画像部の上層 4 実施例1の第二の印刷画像部 5 実施例1の第三の印刷画像部 6 実施例1の第一の印刷画像部 7 本発明による複写防止印刷物の実施例1の印
刷物 8、16 複写物 10 実施例2の第二の印刷画像部の下層 11 実施例2の第二の印刷画像部の上層 12 実施例2の第二の印刷画像部 13 実施例2の第一の印刷画像部 14 実施例2の第三の印刷画像部 15 本発明による複写防止印刷物の実施例2の
印刷物

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に形成された第一、第二及び第三
    の印刷画像部からなる印刷物であって、前記第一の印刷
    画像部は、前記第二の印刷画像部をカラー複写したとき
    の色に等色する色をなすように形成し、前記第二の印刷
    画像部と前記第三の印刷画像部とは等色関係をなし、組
    み合わされて任意の特定画像を表示するようにした印刷
    物であって、前記第二の印刷画像部は、任意の特定画像
    の一部を有色の印刷インキで下層を形成し、該下層に完
    全に重畳するように、下層と同一の画像を透明性を有す
    る有色の印刷インキで上層を形成した二層構造であり、
    カラー複写することにより、前記第三の印刷画像部のみ
    が残存することを特徴とする複写防止印刷物。
  2. 【請求項2】 前記残存する画像は、警告パターンを表
    示することを特徴とする前記請求項1記載の複写防止印
    刷物。
  3. 【請求項3】 基材上に形成された第一、第二及び第三
    の印刷画像部からなる印刷物であって、前記第一の印刷
    画像部は任意の特定画像を表示し、かつ、前記第二の印
    刷画像部をカラー複写したときの色に等色する色をなす
    ように形成し、前記第二の印刷画像部と前記第三の印刷
    画像部は等色関係にある印刷物であって、前記第二の印
    刷画像部は、任意の特定画像を有色の印刷インキで下層
    を形成し、該下層に完全に重畳するように、下層と同一
    の画像を透明性を有する有色の印刷インキで上層を形成
    した二層構造であり、カラー複写することにより、等色
    関係にある前記第一の印刷画像部と一体化し、別の新た
    な有意味画像を形成することを特徴とする複写防止印刷
    物。
  4. 【請求項4】 前記第二の印刷画像部は、下層を黄色系
    の印刷インキで、上層を透明性を有する青色系の印刷イ
    ンキで形成する二層構造であることを特徴とする前記請
    求項1、2または3記載の複写防止印刷物。
  5. 【請求項5】 前記任意の特定画像が、文字、記号、顔
    像またはその他有意味情報であることを特徴とする請求
    項1、2、3または4記載の複写防止印刷物。
  6. 【請求項6】 基材上に形成された第一、第二及び第三
    の印刷画像部からなる印刷物であって、前記第一の印刷
    画像部は、前記第二の印刷画像部をカラー複写したとき
    の色に等色する色をなすように形成し、前記第二の印刷
    画像部と前記第三の印刷画像部とは等色関係をなし、組
    み合わされて任意の特定画像を表示するようにした印刷
    物であって、前記第二の印刷画像部は、任意の特定画像
    の一部を有色の印刷インキで下層を形成し、該下層に完
    全に重畳するように、下層に同一の画像を透明性を有す
    る有色の印刷インキで上層を形成した二層構造であり、
    カラー複写することにより、前記第三の印刷画像部のみ
    が残存する構成としたことを特徴とする複写防止印刷物
    の作製方法。
  7. 【請求項7】 前記残存する画像は、警告パターンを表
    示することを特徴とする前記請求項6記載の複写防止印
    刷物の作製方法。
  8. 【請求項8】 基材上に形成された第一、第二及び第三
    の印刷画像部からなる印刷物であって、前記第一の印刷
    画像部は任意の特定画像を表示し、かつ、前記第二の印
    刷画像部をカラー複写したときの色に等色する色をなす
    ように形成し、前記第二の印刷画像部と前記第三の印刷
    画像部は等色関係にある印刷物であって、前記第二の印
    刷画像部は、任意の特定画像を有色の印刷インキで下層
    を形成し、該下層に完全に重畳するように、下層と同一
    の画像を透明性を有する有色の印刷インキで上層を形成
    した二層構造であり、カラー複写することにより、等色
    関係にある前記第一の印刷画像部と一体化し、別の新た
    な有意味画像を形成する構成としたことを特徴とする複
    写防止印刷物の作製方法。
  9. 【請求項9】 前記第二の印刷画像部は、下層を黄色系
    の印刷インキで、上層を透明性を有する青色系の印刷イ
    ンキで形成する二層構造としたことを特徴とする前記請
    求項5または6記載の複写防止印刷物の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記任意の特定画像が、文字、記号、
    顔像またはその他有意味情報であることを特徴とする請
    求項5、6または7記載の複写防止印刷物の作製方法。
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