JPH1147830A - 金属帯板の圧延装置、及び金属帯板の巻取り方法 - Google Patents

金属帯板の圧延装置、及び金属帯板の巻取り方法

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JPH1147830A
JPH1147830A JP21545497A JP21545497A JPH1147830A JP H1147830 A JPH1147830 A JP H1147830A JP 21545497 A JP21545497 A JP 21545497A JP 21545497 A JP21545497 A JP 21545497A JP H1147830 A JPH1147830 A JP H1147830A
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winding
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coil
support roll
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Yoshikatsu Nohara
由勝 野原
Kazumoto Tsukagoshi
一基 塚越
Yoshihiro Fujii
芳弘 藤井
Toshiki Tsuruta
俊樹 鶴田
Shuji Nagasaki
修司 長崎
Tetsuo Inoue
哲雄 井上
Takashi Hiranaga
孝志 平永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属帯板を巻取る際に、フラッタリングやエ
アー巻き込みを有効に防止しえなかった。 【解決手段】 2台の巻取リール2,3を交互に巻取り
・巻戻して圧延機5に金属帯板4を通板して極薄の金属
帯板4を製造する圧延装置1であり、デフレクタロール
7を通過した金属帯板4を背面パスで通板させて一定の
押圧力で接触するサポートロール8と、巻取リール2,
3に巻き取られる帯板コイル4aの巻取り点Mを一定の
押圧力で押さえるタッチロール9とを備え、サポートロ
ール8およびタッチロール9を別個のアーム10,11
上に配置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2台の巻取リール
間に圧延機を配置し、これら巻取リールを交互に巻取り
・巻戻して金属帯板を圧延機に通板させる金属帯板の圧
延装置、及び金属帯板の巻取り方法に関する。
【0002】
【従来の技術】極薄の金属帯板の圧延は、2台の巻取リ
ールを交互に巻取り・巻戻して圧延機を行き来するよう
に金属帯板を通板し、この金属帯板の圧下を繰り返して
肉厚を減少させることにより行われている。このように
して製造された極薄の金属帯板は、例えばキーボードの
スイッチ用皿バネ素材やメタル担体用素材として採用さ
れている。
【0003】図12は、従来の金属箔圧延装置を示す概
略図である。図示するように、極薄の金属帯板の圧延に
は、例えばゼンジミアミル等の多段圧延機101が採用
され、このゼンジミアミル101は、2台の巻取リール
102,103の間に配置されている。すなわち、これ
ら2台の巻取リール102,103を交互に巻取り・巻
戻してゼンジミアミル101を行き来するように金属帯
板を通板することにより、この金属帯板の圧下を繰り返
して肉厚を減少させて、極薄の金属帯板104の圧延が
行われる。そして、ゼンジミアミル101の出口側にお
いて、図示しない油供給装置から圧延油が給油されてい
る。
【0004】ゼンジミアミル101と各巻取リール10
2,103との間には、金属帯板104の巻取り方向前
方側から後方側へ向けて順に、金属帯板104の油切り
を行うスクイジングロール105と、金属帯板104の
通板方向を変化させるデフレクタロール106とが配置
されている。
【0005】この種の金属帯板の圧延に関する技術とし
て、特公昭54−30938号公報(以下、「引用例
1」という。)には、「ステンレス鋼帯の調質圧延方法
及び装置」に係る発明が報告されている。この発明の要
旨は、「鋼帯をその鋼帯の降伏応力の0.32〜0.6
5倍の圧延張力を加えながら調質圧延機によりドライス
キャンパスし、ドライスキンパス後の鋼帯の表面にデフ
レクターロールと巻取リールとの間で移動可能なロール
により定圧の押圧力を加える。」ことにあり、具体的に
はデフレクターロールと巻取リールとの間で鋼帯の表面
に皺防止ロールを押圧しており、この発明によれば、鋼
帯に皺が発生するのを防止することができるというもの
である。
【0006】また、特開平1−245917号公報(以
下、「引用例2」という。)には、「箔帯の巻取り方
法」に係る発明が報告されている。この発明の要旨は、
「圧延した箔帯の巻取り方法において、巻取った箔巻コ
イルと巻取られる箔帯との接合部又は接合部の上流側近
傍を押付けロールで圧接しつつ巻き取る。」ことにあ
り、具体的には箔巻取コイルの表面に押付けロールを押
圧しており、この発明によれば、0.1mm以下の圧延
箔の製造において最も大きな障害であった巻取り時の縦
皺を簡単な手段で完全に防止することができ、これによ
り製品歩留りを著しく向上させることができるというも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、引用例1の
「ステンレス鋼帯の調質圧延方法及び装置」に係る発明
および引用例2の「箔帯の巻取り方法」に係る発明にあ
っては、鋼帯または箔帯に皺が発生するのを防止するこ
とを主眼としており、巻取リールにコイルを巻き取るに
際して、高速通板によるフラッタリング(振動)の発
生、およびコイルへのエアー巻き込みなどについては何
ら考慮されていなかった。したがって、巻取リールの巻
取速度を速くして高速通板すると、デフレクタロールと
巻取リールとの間で金属帯板にフラッタリングが発生し
たり、さらにエアーを巻き込んでコイルの巻きズレが生
じていた。
【0008】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、サポートロールとタッチロールを組み
合わせることにより、巻取リールの巻取速度を速くして
高速通板しても金属帯板にフラッタリングが発生するの
を防止することができ、さらにコイルへのエアー巻き込
みを防止してコイルの巻きズレを抑制することができる
金属帯板の圧延装置、および金属帯板の巻取り方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明に係
る金属帯板の圧延装置によれば、2台の巻取リールを交
互に巻取り・巻戻して圧延機に金属帯板を通板すること
により圧下を繰り返して極薄の金属帯板を製造する装置
であり、各巻取リールの手前に金属帯板の通板方向を変
化させるデフレクタロールを配置した金属帯板の圧延装
置において、上記デフレクタロールを通過した金属帯板
を背面パスで通板させて一定の押圧力で接触するサポー
トロールと、巻取リールに巻き取られる帯板コイルの巻
取り点を一定の押圧力で押さえるタッチロールとを備
え、これらサポートロールおよびタッチロールを別個の
アーム上に配置しているものである。
【0010】好ましくは、上記サポートロールおよびタ
ッチロールに、駆動手段が備えられているものである。
【0011】一方、本発明に係る金属帯板の巻取り方法
によれば、巻取リールに圧延機で圧下した極薄の金属帯
板を巻き取るに際して、金属帯板に適当な張力を付与し
デフレクタロールにより通板方向を変化させる金属帯板
の巻取り方法において、上記デフレクタロールを通過し
た金属帯板をサポートロールの背面パスで一定の押圧力
で接触するように通板させるとともに、巻取リールに巻
き取られる帯板コイルの巻取り点をタッチロールにより
一定の押圧力で押さえ、コイルの巻太りに応じて別個の
アーム上に配置したサポートロールおよびタッチロール
を後退させるようにしたものである。
【0012】好ましくは、上記サポートロールおよびタ
ッチロールをライン速度と同期させて駆動するようにし
たものである。
【0013】また好ましくは、上記コイルの巻太りによ
るタッチロールの後退位置を少なくとも1台のリミット
スイッチにより検出し、その検出値に基づいてサポート
ロールを軸支したアームを後退制御するようにしたもの
である。
【0014】さらに好ましくは、上記コイルの巻太りに
よるタッチロールの接近を第1のリミットスイッチが検
出し、第2のリミットスイッチが先の検出位置に到達す
るまでサポートロールを軸支したアームを後退させて、
コイルとサポートロールとが干渉しないように制御する
ようにしたものである。
【0015】本発明によれば、デフレクタロールを通過
した金属帯板を背面パスでサポートロールに通板させ、
サポートロールを金属帯板に一定の押圧力で接触させて
いるので、デフレクタロールをスリップさせることな
く、金属帯板に皺が発生するのを防止することができ
る。また、巻取リールに巻き取られる帯板コイルの巻取
り点をタッチロールにより一定の押圧力で押さえている
ので、コイルへのエアー巻き込みを防止してコイルの巻
きズレを抑制することができる。さらに、サポートロー
ルとタッチロールを組み合わせているので、巻取リール
の巻取速度を速くして高速通板しても、金属帯板にフラ
ッタリングが発生するのを防止することができる。
【0016】また、コイルの巻太りによるタッチロール
の後退に応じて、タッチロールと別個のアーム上に配置
したサポートロールを後退させるようにしたので、サポ
ートロールおよびタッチロールの押圧力を一定に維持す
ることができ、コイルが巻太っても、コイルとサポート
ロールとが干渉することはない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明
に係る金属帯板の圧延装置の一実施形態を示す概略図で
ある。図示するように、本実施形態の金属帯板の圧延装
置1には、2台の巻取リール2,3が、例えば8m程度
の間隔を隔てて配置されており、これら巻取リール2,
3間の中央部には、金属帯板4の圧延を行う圧延機5が
配置されている。本実施形態では、圧延機5として、例
えばゼンジミアミル等の多段圧延機を採用する。このゼ
ンジミアミル5は、例えば圧延速度が300mpm、最
大圧延荷重が60t、ワークロール径がφ30mm、中
間ロール径がφ70mm、バックアップロール径がφ1
60mmに設定されている。
【0018】すなわち、これら2台の巻取リール2,3
を交互に巻取り・巻戻して、ゼンジミアミル5を行き来
するように金属帯板を通板して、この金属帯板の肉厚を
減少させることにより、極薄の金属帯板4の圧延を行う
ものである。なお、ゼンジミアミル5の出口側には、圧
延油を上方から散布して金属帯板4の表裏面に油膜を形
成する油供給装置(図示せず)が備えられている。
【0019】また、ゼンジミアミル5と各巻取リール
2,3との間には、各巻取リール2,3の巻取り方向
(圧延方向)の前方側から後方側へ向けて順に、金属帯
板4上の圧延油を油切り除去するスクイジングロール6
と、金属帯板4の通板方向を変化させるデフレクタロー
ル7とが配置されている。さらに、スクイジングロール
6とデフレクタロール7の間には、図示しない板厚計や
形状制御ロール等が必要に応じて配置されている。な
お、本実施形態では、油切り装置として、上面2段、下
面1段のロールを金属帯板4の表裏面に接触させて油を
絞り採るスクイズロール6を採用しているが、これに限
るものではなく、例えばスクイズロールのロール段数を
変更したり、空気を吹き付けて油切りを行うエアーワイ
パーや、ゴムを接触させて油切りを行うゴムワイパー等
を採用してもよい。
【0020】そして、図2に示すように、各デフレクタ
ロール7から各巻取ロール2,3へ至るそれぞれの通板
経路には、サポートロール8が配置されている。各サポ
ートロール8は、金属帯板4を背面パスで通板させると
ともに、その上方から一定の押圧力で接触するように成
っている。また、巻取リール2,3には金属帯板4が帯
板コイル4aとして巻き取られるが、このコイル4aの
巻取り部には、その巻取り点Mを一定の押圧力で押さえ
るタッチロール9が配置されている。
【0021】図3および図4に示すように、サポートロ
ール8およびタッチロール9は、それぞれ別個のアーム
10,11上に配置されている。外側に位置するアーム
11は、巻取リール2,3に臨んでカギ状に屈曲してお
り、その下端部には巻取リール2,3に臨むようにタッ
チロール9が軸支されており、又、その上端部には固定
フレーム12に支承された回転軸13が取り付けられ、
アーム11はこの回転軸13を支点として回動移動する
ように成っている。また、内側に位置するアーム10
は、アーム11の中間部まで略直状に延びており、その
下端部には巻取リール2,3に臨むようにサポートロー
ル8が軸支され、又、その上端部は上記回転軸13に軸
支されており、アーム10もこの回転軸13を支点とし
て回動移動するように成っている。アーム10,11の
背面側には、各アーム10,11を回動操作するため、
図示しない進退装置が取り付けられている。
【0022】本実施形態では、進退装置として、例えば
油圧式のシリンダ装置を採用するが、これに限るもので
はなく、アーム10,11を回動操作することができ、
サポートロール8またはタッチロール9に一定の押圧力
を付与することができれば、他の機械式または電気式の
アクチュエータを採用してもよい。ここで、サポートロ
ール8の押圧力は、金属帯板4への皺やフラッタリング
の発生を防止することができる程度の圧力に設定され
る。また、タッチロール9の押圧力は、ロール疵や金属
帯板4の形状不良(クラウンやテーパー等の不良)によ
る巻き乱れや皺の発生を防止することができる程度の圧
力に設定される。
【0023】また、サポートロール8およびタッチロー
ル9には、図示しない駆動手段が備えられている。この
駆動手段は、モータ等の駆動装置でサポートロール8お
よびタッチロール9を直接駆動または間接駆動させるこ
とにより、これらをライン速度に同期させて駆動させる
ものである。本実施形態では、サポートロール8とタッ
チロール9とを個別の駆動装置により駆動させている
が、これに限るものではなく、同一の駆動装置により間
接駆動させるようにしてもよい。サポートロール8およ
びタッチロール9をライン速度と同期させて駆動させる
ことにより、これらのロール8,9で通板中の金属帯板
4を押圧したときに、金属帯板4にスリップ疵や板破断
等が発生するのを防止することができる。
【0024】さらに、タッチロール9を配置したアーム
11の中間部には、少なくとも1台のリミットスイッチ
が設けられ、このリミットスイッチによりコイル4aの
巻太りによるタッチロール9の後退位置を検出し、その
検出値に基づいてサポートロール8を軸支したアーム1
0を後退制御するように成っている。具体的には、アー
ム11の中間部には、第1のリミットスイッチ14と第
2のリミットスイッチ15とが設けられており、コイル
4aの巻太りによるタッチロール9の接近を第1のリミ
ットスイッチ14が検出し、第2のリミットスイッチ1
5が先の検出位置に到達するまでサポートロール8を軸
支したアーム10を後退させて、コイル4aとサポート
ロール8とが干渉しないように制御するように成ってい
る。
【0025】そして、図5に示すように、コイル4aの
巻太りに応じて、アーム11備えられた進退手段を縮長
することにより、タッチロール9は、巻取リール2,3
の軸芯とデフレクタロール7の板接触点とを結ぶ直線L
を直径とする円弧Rの軌道上を後退移動するように成っ
ている。なお、図5において、16は巻取リール2,3
のサポートフレームであり、このサポートフレーム16
の基端部は回転軸17によって軸支されており、その先
端部には巻取リール2,3が軸支されている。また、図
5においては、サポートロール8を省略図示している。
【0026】次に、以上のように構成された金属帯板の
圧延装置1を用いて実施する本発明に係る金属帯板の巻
取り方法を説明する。すなわち、本実施形態の巻取り方
法は、図1および図2に示したように、巻取リール2,
3にゼンジミアミル5で圧下した極薄の金属帯板4を交
互に巻き取るに際して、金属帯板4に適当な張力を付与
しデフレクタロール7により通板方向を変化させた金属
帯板4を、サポートロール8に背面パスで通板させると
ともに、一定の押圧力で接触させる。さらに、このサポ
ートロール8の接触とともに、巻取リール2,3に巻き
取られる帯板コイル4aの巻取り点Mをタッチロール9
により一定の押圧力で押さえている。
【0027】デフレクタロール7を通過した金属帯板4
をサポートロールに背面パスで押圧接触させるのは、デ
フレクタロール7をスリップさせることなく、金属帯板
4に皺が発生するのを防止するためである。一方、巻取
リール2,3の巻取り点Mをタッチロール9により押圧
するのは、コイル4aへのエアー巻き込みを防止してコ
イル4aの巻きズレを抑制するためである。
【0028】このように巻取リール2,3の巻取り作業
をタッチロール9で補助するだけでなく、サポートロー
ル8を併用するのは、巻取リール2,3の巻取り速度を
速くして高速通板する場合に、金属帯板4のフラッタリ
ングを極めて有効に防止することができるからであり、
これらサポートロール8およびタッチロール9の機能を
組み合わせて初めて高速圧延に対応することができる。
図6は、サポートロールとタッチロールを併用した場合
のフラッタリング防止効果を示す説明図である。図示す
るように、サポートロールを設けない場合や、サポート
ロールのみを設けた場合には、板振動幅がコイル巻乱れ
限界を大きく越えてしまうのに対して、サポートロール
とタッチロールを併用した場合は、巻取速度を高速にし
ても板振動幅がコイル巻乱れ限界を下回っていることが
判る。
【0029】図7は、サポートロールの有無による金属
帯板の破断状況を示す説明図である。図示するように、
サポートロールを設けない場合は、巻取速度を高速にす
ると金属帯板が板破してしまうが、サポートロールを設
けている場合には、巻取速度を高速にしても金属帯板は
破断しないことが判る。すなわち、サポートロールとタ
ッチロールを併用すれば、金属帯板4のフラッタリング
を確実に防止することができるものである。
【0030】また、コイル4aの巻太りに応じて、コイ
ル4aとの干渉を防止すべく、別個のアーム10,11
上に装備したサポートロール8およびタッチロール9を
後退させる。この後退操作は、各アーム10,11に装
備された進退装置を縮長してアーム10,11を後方へ
回動移動させることにより行うが、具体的には図8に示
すように行う。図示するように、アーム11に設けた第
1のリミットスイッチ14がコイル4aの巻太りによる
タッチロール9の後退位置を検出し(ST1)、その検
出値に基づいてサポートロール8を軸支したアーム10
を後退させるように進退装置に指令し(ST2)、第2
のリミットスイッチ15が先の検出位置に到達して、タ
ッチロール9との適正関係位置までサポートロール8を
後退させて(ST3)、コイル4aとサポートロール8
とが干渉しないように制御する。
【0031】このようにタッチロール9とともにサポー
トロール8を後退させる際に、巻取リール2,3の巻取
速度を減速させる。これは、巻取速度を減速させない
と、タッチロール9のみの接触効果が働き、サポートロ
ール8の接触効果が期待できなくなるからである。図9
に示すように、タッチロールの接触効果のみが働くと、
板振動幅が許容値を越えてしまうので、例えばAの巻取
速度においてサポートロールおよびタッチロールを干渉
防止のため後退させるときは、Bの範囲まで巻取速度を
減速して巻き取ることが好ましい。
【0032】また、図10に示すように、アーム10,
11の自重をバランスさせるためには、コイル4aの巻
太りによる進退装置の推力を制御する必要がある。アー
ム自重をP、アームの見かけの長さの変動をLとする
と、モーメント=P×Lで表される。進退装置への角度
変動が大きい場合には、油圧力を制御して角度変動を最
小限に抑制したり、スプリング等で調整することが好ま
しい。
【0033】かくして本実施形態によれば、デフレクタ
ロール7を通過した金属帯板4を、背面パスでサポート
ロール8に通板させるとともに、一定の押圧力で接触さ
せているので、デフレクタロール7をスリップさせるこ
となく、金属帯板4に皺が発生するのを防止することが
できる。
【0034】また、巻取リール2,3に巻き取られる帯
板コイル4aの巻取り点Mをタッチロール9により一定
の押圧力で押さえているので、コイル4aへのエアー巻
き込みを防止してコイル4aの巻きズレを抑制すること
ができる。これは、図11に示すように、ポジション1
では、エアー巻き込みが発生し、コイル4aの端面に先
に接触するので、フラッタリングの防止効果が少なく、
又、ポジション3では、コイル4aの端面に接触するポ
イントよりも先に接触するため、巻取方向と逆方向への
曲げ応力が掛かり、金属帯板に腰折れが生じたり、タッ
チロールが浮き上がったり、巻きズレ防止効果が減少す
るが、ポジション2では、巻取り点Mを押さえるため、
エアー巻き込みおよびフラッタリングを有効に防止でき
るからである。
【0035】さらに、サポートロール8とタッチロール
9とを併用しているので、巻取リール2,3の巻取速度
を速くして高速通板しても、金属帯板4にフラッタリン
グが発生するのを有効に防止することができる。そし
て、サポートロール8およびタッチロール9をライン速
度と同期させて駆動することにより、これらのロール
8,9で通板中の金属帯板4を押圧したときに、金属帯
板4にスリップ疵や板破断等が発生するのを防止するこ
とができるものである。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、デ
フレクタロールを通過した金属帯板を、サポートロール
に背面パスで通板させるとともに、一定の押圧力で接触
させるので、デフレクタロールをスリップさせることな
く、金属帯板に皺が発生するのを防止することができ、
帯板コイルの巻取り部をタッチロールにより一定の押圧
力で押さえているので、コイルへのエアー巻き込みを防
止してコイルの巻きズレを抑制することができる。ま
た、サポートロールとタッチロールとを併用したので、
高速通板を行ってもフラッタリングの発生を防止するこ
とができ、さらに、これらのロール8,9をライン速度
と同期させて駆動することにより、通板中の金属帯板4
にスリップ疵や板破断等が発生するのを防止することが
できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属帯板の圧延装置の一実施形態
を示す概略図である。
【図2】本実施形態の圧延装置における要部を示す概略
図である。
【図3】本実施形態におけるデフレクタロール、サポー
トロールおよびタッチロールの構造を示す正面図であ
る。
【図4】本実施形態における別個のアーム上に配置した
サポートロールおよびタッチロールの構造を示す側面図
である。
【図5】本実施形態におけるタッチロールの移動軌道を
示す概略図である。
【図6】本実施形態において、サポートロールとタッチ
ロールを併用した場合のフラッタリング防止効果を示す
概念説明図である。
【図7】本実施形態において、サポートロールの有無に
よる巻ズレ発生(金属帯板の破断)状況を示す説明図で
ある。
【図8】本実施形態において、サポートロールの位置制
御方法を示す説明図である。
【図9】本実施形態において、サポートロールを後退さ
せる際の巻取速度の減速方法を示す説明図である。
【図10】本実施形態において、進退装置の推力の制御
方法を示す説明図である。
【図11】本実施形態において、タッチロールの最適ポ
ジションを示す説明図である。
【図12】従来の金属帯板の圧延装置を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 圧延装置 2,3 巻取リール 4 金属帯板 4a コイル 5 圧延機 7 デフレクタロール 8 サポートロール 9 タッチロール 10,11 アーム 14,15 リミットスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C21D 9/68 C21D 9/68 (72)発明者 鶴田 俊樹 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 (72)発明者 長崎 修司 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 (72)発明者 井上 哲雄 兵庫県神戸市東灘区住吉宮町6丁目12−19 (72)発明者 平永 孝志 兵庫県神戸市垂水区福田3丁目4−23− 405

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2台の巻取リールを交互に巻取り・巻戻
    して圧延機に金属帯板を通板することにより圧下を繰り
    返して極薄の金属帯板を製造する装置であり、各巻取リ
    ールの手前に金属帯板の通板方向を変化させるデフレク
    タロールを配置した金属帯板の圧延装置において、 上記デフレクタロールを通過した金属帯板を背面パスで
    通板させて一定の押圧力で接触するサポートロールと、
    巻取リールに巻き取られる帯板コイルの巻取り点を一定
    の押圧力で押さえるタッチロールとを備え、これらサポ
    ートロールおよびタッチロールを別個のアーム上に配置
    していることを特徴とする金属帯板の圧延装置。
  2. 【請求項2】 前記サポートロールおよびタッチロール
    に、駆動手段が備えられている請求項1に記載の金属帯
    板の圧延装置。
  3. 【請求項3】 巻取リールに圧延機で圧下した極薄の金
    属帯板を巻き取るに際して、金属帯板に適当な張力を付
    与しデフレクタロールにより通板方向を変化させる金属
    帯板の巻取り方法において、 上記デフレクタロールを通過した金属帯板をサポートロ
    ールの背面パスで一定の押圧力で接触するように通板さ
    せるとともに、巻取リールに巻き取られる帯板コイルの
    巻取り点をタッチロールにより一定の押圧力で押さえ、
    コイルの巻太りに応じて別個のアーム上に配置したサポ
    ートロールおよびタッチロールを後退させるようにした
    ことを特徴とする金属帯板の巻取り方法。
  4. 【請求項4】 前記サポートロールおよびタッチロール
    をライン速度と同期させて駆動するようにした請求項3
    に記載の金属帯板の巻取り方法。
  5. 【請求項5】 前記コイルの巻太りによるタッチロール
    の後退位置を少なくとも1台のリミットスイッチにより
    検出し、その検出値に基づいてサポートロールを軸支し
    たアームを後退制御するようにした請求項3または請求
    項4に記載の金属帯板の巻取り方法。
  6. 【請求項6】 前記コイルの巻太りによるタッチロール
    の接近を第1のリミットスイッチが検出し、第2のリミ
    ットスイッチが先の検出位置に到達するまでサポートロ
    ールを軸支したアームを後退させて、コイルとサポート
    ロールとが干渉しないように制御するようにした請求項
    5に記載の金属帯板の巻取り方法。
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