JPH1146676A - 高鮮度・高品質の食品流通加工方法 - Google Patents
高鮮度・高品質の食品流通加工方法Info
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- JPH1146676A JPH1146676A JP21907697A JP21907697A JPH1146676A JP H1146676 A JPH1146676 A JP H1146676A JP 21907697 A JP21907697 A JP 21907697A JP 21907697 A JP21907697 A JP 21907697A JP H1146676 A JPH1146676 A JP H1146676A
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Abstract
る。 【解決手段】 生産・収穫・漁獲した畜産物、農産物、
水産物、又はその加工品等の生鮮食品を高鮮度・高品質
に保持させて流通加工する方法であって、当該生鮮食品
を、その生産・収穫・漁獲直後に0℃以下の未凍結温度
まで冷し、次いで、輸送、貯蔵、加工及び/又は保存の
流通加工の過程の一部又は全部を0℃以下の未凍結温度
にて処理することを特徴とする生鮮食品の高鮮度流通加
工方法。 【効果】 生産・収穫・漁獲後の生鮮食品を高鮮度に保
持することを可能にするのみならず、生鮮食品及びその
生鮮加工品の0℃以下の未凍結温度での熟成効果を高
め、さらに品質劣化の原因となる細菌の増殖を抑制し、
高鮮度、高品質、及び安全なる食品の提供を可能にする
格別の効果を有する。
Description
した畜産物、農産物、水産物、又はその加工品等の生鮮
食品をその高鮮度・高品質を十分に保持させて流通加工
する方法に関するものであり、さらに詳しくは、上記生
鮮食品を生産地から消費地に至るまでの、予冷、及びそ
の後の輸送、貯蔵、加工、保存等の流通加工の過程にお
いて、少なくとも予冷及びその後の過程の一部又は全部
を0℃以下の未凍結温度にて処理することにより、その
鮮度及び品質を低下させることなく、流通させることを
可能とする生鮮食品の新規流通加工方法に関するもので
ある。
技術は、生産・加工・流通・販売といった一連の流通加
工システムの中のいわゆる川下領域に位置する、集荷後
の保存、加工、流通、販売を中心に、それぞれの過程に
おける独自の技術として発展してきた経緯がある。ま
た、一般に、生鮮食品については、収穫(農産物)、漁
獲(水産物)、生産(畜産物)直後の環境管理が必ずし
も十分ではないこともあって、多くの場合は、いわゆる
鮮度の低下した、品質の劣る生鮮食品を用いた、保存、
加工、流通、販売となっているのが現状である。このよ
うな情勢の中にあって、本発明者らは、生鮮食品を高鮮
度・高品質に保持させて流通加工する新しいシステムに
ついて種々研究を積み重ねる中で、一連の流通加工シス
テムの過程のいわゆる川上から川下領域に至る過程に一
貫した「0℃以下の未凍結温度」(すなわち「氷温」
(氷温:登録商標))を中核とした高度の温度コントロ
ール流通システムを適用することにより、高鮮度・高品
質な生鮮食品をその鮮度及び品質を安定に保持して、ま
た、食品固有の機能性を低下させることなく、流通加工
させることが可能なシステムを構築できること、を見出
した。さらに、本発明者らは、このような一貫した「0
℃以下の未凍結温度」を中核とした高度の温度コントロ
ール流通加工システムの中でも、特に、生産、収穫、漁
獲、又は加工直後に生鮮食品を0℃以下の未凍結温度で
予冷することが重要であること、そして、その後の流
通、加工、保存の温度管理等がある程度ラフであって
も、また、その後、通常の流通、保存、加工につなげて
も、高鮮度、高品質な生鮮食品の供給が十分可能である
ことを見出し、もって新しい高鮮度・高品質の食品流通
加工方法を確立することに成功し、本発明を完成するに
至った。
・漁獲した畜産物、農産物、水産物、又はその加工品等
の生鮮食品をその高鮮度・高品質を十分に保持して流通
加工する方法を提供することを目的とする。また、本発
明は、上記流通加工方法で得られる高鮮度・高品質の生
鮮食品及びその加工品を提供することを目的とする。
明は、以下の方法を提供するものである。 (1)生産・収穫・漁獲した畜産物、農産物、水産物、
又びその加工品等の生鮮食品を高鮮度・高品質に保持さ
せて流通加工する方法であって、当該生鮮食品を、その
生産・収穫・漁獲直後に0℃以下の未凍結温度まで冷
し、次いで、輸送、貯蔵、加工及び/又は保存の流通加
工の過程の一部又は全部を0℃以下の未凍結温度にて処
理することを特徴とする生鮮食品の高鮮度流通加工方
法。 (2)漁獲した鮮魚を0℃以下の未凍結温度まで予冷
し、次いで、輸送、貯蔵、加工及び/又は保存の流通加
工の過程の一部又は全部を0℃以下の未凍結温度にて処
理する前記(1)記載の高鮮度流通加工方法。 (3)漁獲した活魚を氷結点以下に冷却した海水を用い
て、魚体温が0℃付近になるまで予冷して、瞬時に静止
状態(冬眠状態)とし、次いで、0℃以下の未凍結温度
又は冷蔵条件下で輸送する前記(1)記載の高鮮度流通
加工方法。 (4)前記生鮮食品を、一次加工後、直ちに0℃以下の
未凍結温度まで予冷し、次いで、輸送、貯蔵、加工及び
/又は保存の過程の一部又は全部を0℃以下の未凍結温
度又は冷蔵条件下にて処理する前記(1)記載の高鮮度
流通加工方法。 (5)生鮮食品を、生産・収穫・漁獲後、直ちに0℃以
下の未凍結温度まで予冷した後、冷凍し、次いで、輸
送、解凍、加工、及び/又は保存の過程の一部又は全部
を0℃以下の未凍結温度にて処理する前記(1)記載の
高鮮度流通加工方法。 (6)前記(1)ないし(5)の工程で得られる高鮮度
生鮮食品を原材料として、それを0℃以下の未凍結温度
にて二次加工することを特徴とする食品の製造方法。
に説明する。本発明では、生産・収穫・漁獲した畜産
物、農産物、水産物、又はその加工品等のいわゆる生鮮
食品であれば、その種類を問わず対象とされる。その代
表的なものとしては、後記するもの及び実施例に記載し
たものが例示される。本発明は、上記生鮮食品の生産・
収穫・漁獲、貯蔵、輸送、加工及び/又は保存の一連の
流通加工の過程中、当該生鮮食品を、その生産・収穫・
漁獲直後に0℃以下の未凍結温度、すなわち「氷温」
(氷温:登録商標)まで予冷し、次いで、その後の貯
蔵、輸送、加工及び/又は保存の過程の一部又は全部を
0℃以下の未凍結温度にて処理することを特徴としてい
る。上記予冷は、生産・収穫・漁獲と略同時的に行うこ
とが最も好ましいが、実際上は、生産・収穫・漁獲の直
後に行うことであってもよい。また、本発明は、前記生
鮮食品を、一次加工後、直ちに0℃以下の未凍結温度ま
で予冷し、次いで、輸送、貯蔵、加工及び/又は保存の
過程の一部又は全部を0℃以下の未凍結温度又は冷蔵条
件下にて処理することを特徴としている。ここで、予冷
手段としては、リキッドアイス(ゼリー状不定形の氷の
微粒子及び冷却水の混合物)、ゲルアイス(ゲル担体に
担持させた氷)、過冷却水(氷結点以下の未凍結水)、
海水氷等が好適なものとして例示されるが、これに限ら
ず、同効の機能、作用を有するものであれば同様に使用
することができる。
度で食品の組織が当該温度に至るまで行うことが必要と
される。例えば、鮮魚のサバ(氷結点;約−1.8℃、
生鮮重量;800〜900g)の場合、予め海水氷にて
魚体温が約3℃になるまで冷却した後、−2.0℃まで
冷却した海水を用いて、魚体温が−1.0℃になるまで
約1時間程度冷却する方法が例示される。また、活魚の
ヒラメ(氷結点;約−1.5℃、魚体重量;900〜1
000g)の場合、−2.0℃まで冷却した海水を用い
て、魚体温が0℃付近になるまで冷却し、瞬時に静止状
態(所要時間約20分で冬眠状態になる)とする方法が
例示される。また、農産物の白ネギ(氷結点;約−1.
3℃)の場合、収穫後の白ネギを直ちに予冷庫(−1.
0℃に設定)にて予冷する方法が例示される。また、畜
産物の畜肉牛(氷結点;約−2.5℃)の場合、屠殺、
解体後、直ちに空冷にて0℃以下の未凍結温度(例え
ば、−1.0℃)まで冷却し、予冷する方法が例示され
る。この場合、上記温度の冷却水により急速冷却する方
法も有効である。同様に、生鮮食品を一次加工、例え
ば、果実、野菜、魚などのカット加工(カット野菜、魚
の切身などの加工)後、直ちに同様に冷却し、予冷する
方法が例示される。また、冷凍食品の場合は、例えば、
アジ(氷結点;約−1.6℃、生鮮重量;200〜30
0g)を漁獲直後に−2.0℃まで冷却した海水を用い
て、魚体温が−1.0℃になるまで所要時間約1時間に
て冷却し、予冷し、これを−55℃ストッカーにて凍結
する方法が例示される。冷凍食品の解凍は、例えば、約
−1.0℃で解凍する方法を基本とする。また、水産
物、畜産物等の冷凍状態の原材料を用いて高品質流通加
工を行う場合においても、0℃以下の未凍結温度領域に
おける解凍、流通加工は著効を奏する。
生鮮食品を0℃以下の未凍結温度で二次加工することに
より適宜の高鮮度・高品質の加工食品とすることが可能
である。特に、上記方法は、上記温度条件における熟
成、乾燥、発酵、濃縮等の加工品の製造方法として有用
である。
リ、乾燥ワカメ、乾燥コンブ、魚卵加工品(メンタイ
コ、タラコ、筋子、イクラ、トビッコ、キャビアな
ど)、つくだ煮類(魚、ノリ、甲殻類、エビ類、貝類な
ど)、スルメ、鰹節等の流通加工においてもそれらの高
品質化を可能にする方法として有用である。また、この
方法は、漬物、果汁類(果汁、ジャム、ペースト、ピュ
ーレなど)、干し柿、干しイモ、押し花、ドライフラワ
ー、惣菜類、練りゴマ、いりゴマなどのゴマ製品類、ピ
ーナッツ加工品、コーヒー、緑茶、紅茶、とちゅう茶、
ウーロン茶などの茶類、さらには穀類を活用した加工食
品(パン類、ラーメン、うどん、そば、素麺等麺類、せ
んべい、もち、アズキあん類、豆腐、納豆、高野豆腐、
揚物など)、ビール、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキ
ー、ブランディーなどの酒類、酢、醤油、味噌などの調
味料類等の流通加工においてもそれらの高品質化を可能
にする方法として有効である。
て、他に、ハム、ソーセージ類、ロースト肉類、生肉の
たたき、水産練り製品、カレー、シチュー類、おでん等
の煮物などが例示されるが、これらに限定されるもので
はない。また、これらの0℃以下の未凍結温度での予冷
処理に続いてさらに同様の温度で貯蔵、保存することに
より、食品の味覚、風味がまろやか、マイルドになり、
品質(うま味、甘味、歯ごたえなど)の向上化(熟成
化)が可能となる。
の、流通加工の過程、すなわち、その後の輸送、貯蔵、
加工及び/又は保存の過程は、その一部又は全部を0℃
以下の未凍結温度又は冷蔵条件下にて処理することが重
要であり、これにより、高鮮度・高品質を保持した製品
とすることができる。この場合、例えば、その流通加工
の過程の期間が長時間にわたる場合には、冷蔵だけで
は、高鮮度、高品質の維持は難しくなるので、なるべ
く、上記0℃以下の未凍結温度で処理することが望まし
い。後記する実施例に示されるように、上記一連の流通
加工の過程を、同様に0℃以下の未凍結温度とすること
が望ましいが、少なくともその一部の過程に当該温度条
件を適用することで、従来製品にない格別の効果が得ら
れる。
説明するが、本発明は当該実施例によって何ら限定され
るものではない。 実施例1 (1)鮮魚 1)試験方法 供試材料としては、高知県土佐清水にて漁獲された清水
サバ(氷結点;−1.8℃、生鮮重量;800〜900
g)を、予め海水氷にて魚体温が約3℃になるまで冷却
したものを用いた。まず、「0℃以下の未凍結温度」で
の予冷は、冷却チラーにより、−2.0℃まで冷却した
海水を用いて、予め冷却された清水サバの魚体温が−
1.0℃になるまでさらに冷却した(所要時間1時
間)。また、漁港から貯蔵倉庫までの輸送は、「0℃以
下の未凍結温度」での輸送(−1.0℃設定)、冷蔵輸
送(+5.0℃設定)にて比較検討を行った(所要時間
2時間)。さらに、貯蔵倉庫内での貯蔵は、「0℃以下
の未凍結温度」での貯蔵(−1.3℃設定)、冷蔵(+
5.0℃設定)にて比較検討した(所要時間55時
間)。その後の、市場、あるいは加工工場までの輸送
は、「0℃以下の未凍結温度」での輸送(−1.0℃設
定)、冷蔵輸送(+5.0℃設定)にて比較検討した
(所要時間2時間)。尚、各種分析(鮮度;K値、うま
味;IMP(イノシン酸)量)、官能検査(5:非常に
良い、4:良い、3:やや悪い、2:悪い、1:非常に
悪い;パネラー15人の平均値)は、漁獲後60時間目
の試料を用いて行った。
以下の未凍結温度」での輸送→「0℃以下の未凍結温
度」での貯蔵→「0℃以下の未凍結温度」での輸送
(「0℃以下の未凍結温度」での加工) 漁獲→予冷なし→「0℃以下の未凍結温度」での輸
送→「0℃以下の未凍結温度」での貯蔵→「0℃以下の
未凍結温度」での輸送(「0℃以下の未凍結温度」での
加工) 漁獲→予冷なし→冷蔵輸送→「0℃以下の未凍結温
度」での貯蔵→「0℃以下の未凍結温度」での輸送
(「0℃以下の未凍結温度」での加工) 漁獲→予冷なし→冷蔵輸送→冷蔵貯蔵→「0℃以下
の未凍結温度」での輸送(「0℃以下の未凍結温度」で
の加工) 漁獲→予冷なし→冷蔵輸送→冷蔵貯蔵→冷蔵輸送
(加工) 漁獲→「0℃以下の未凍結温度」での予冷→冷蔵輸
送→「0℃以下の未凍結温度」での貯蔵→冷蔵輸送
ら、生鮮食品の流通システムにおいて、単に、「0℃以
下の未凍結温度」庫を導入するだけでは、高い鮮度を保
持することは不可能であり、予冷、輸送など一貫した
「0℃以下の未凍結温度」管理により、長期間の鮮度保
持、うま味の維持向上が可能になることが判明した。
尚、漁獲後48時間以内に清水サバの流通を行う場合に
は、「0℃以下の未凍結温度」での予冷のみ行い、その
後の輸送、貯蔵は全て冷蔵にて管理してもK値は15〜
20%であり、漁獲後の鮮度を高く保持できることが明
らかとなった。その他、ヒラメ、カレイ、マグロ、ハマ
チ、シャケ、サンマ、アジ、タイ、トビウオ、キス、カ
ツオ、ブリ、ニシン、サヨリなどの海水魚、アユ、ヤマ
メ、ウナギなどの淡水魚、カキ、赤貝、シジミ、アサ
リ、サザエ、ハマグリ、バイなどの貝類、伊勢エビ、ロ
ブスター、車エビ、芝エビなどのエビ類、タコ、イカ
類、あるいは魚卵においても同様な試験結果が得られ、
汎用性の高いシステムであることが分かった。ただし、
これらの鮮魚介類の流通システムは、同様に考えれば良
いが、品種、漁獲時期、生鮮魚介類の氷結点などにより
処理条件、貯蔵温度条件は適宜調整していくことが重要
である。
℃、生鮮重量;900〜1000g)に「0℃以下の未
凍結温度」での予冷(フライディング処理;冷却チラー
により、−2.0℃まで冷却した海水を用い、魚体温が
0℃付近になるまで冷却)を施し、瞬時に冬眠状態とし
た(瞬間冬眠処理;所要時間20分/ただし、処理前の
ヒラメ魚体温が高い場合は30分〜1時間を要する)。
また、瞬間冬眠処理後の輸送は、「0℃以下の未凍結温
度」での輸送(遠赤外線照射下−1.0℃設定)、冷蔵
輸送1(+2.0〜3.0℃設定)、冷蔵輸送2(+
5.0〜10.0)にて比較検討を行った。尚、輸送形
態はポリエチレン密封包装(酸素封入)とし、また、
「0℃以下の未凍結温度」での輸送及び冷蔵輸送におい
ては、適宜昇温処理を施した。生死判定の結果を下記に
示す。
眠処理後の保存性について検討した結果、流通条件によ
り生存性が異なることが判明した。瞬間冬眠処理後の
「0℃以下の未凍結温度」での流通により、20時間経
過時点でも9割以上のものが生存しているが、「0℃以
下の未凍結温度」での流通が困難である場合、フライデ
ィング技術によるヒラメの瞬間冬眠処理さえ行えば、+
2.0〜3.0のラフな冷蔵温度管理により40時間経
過しても8割の生存が可能である。その他、ヒラメ、カ
レイ、タイ、フグ、コチ等の海水魚、コイ、フナ、ウナ
ギ、ニジマスなどの淡水魚、カキ、赤貝、シジミ、アサ
リ、サザエ、ハマグリ、バイなどの貝類、伊勢エビ、ロ
ブスター、車エビ、芝エビなどのエビ類、タコ、イカ
類、ウニ等においても同様な試験結果が得られた。
は、安来市にて収穫された白ネギ(氷結点;−1.3
℃)を用いて試験を行った。収穫後の白ネギを「0℃以
下の未凍結温度」予冷庫(−1.0℃設定)にて予冷を
行った。また、その後の貯蔵は、「0℃以下の未凍結温
度」での貯蔵(−0.8℃設定)、冷蔵(+5.0℃)
とし、比較検討した。さらに、その後の、市場、あるい
は加工工場までの輸送は、「0℃以下の未凍結温度」で
の輸送(−0.8℃設定)、冷蔵輸送(+5.0℃設
定)にて比較検討した。尚、各種分析(ビタミンC含
量、糖度)、鮮度と味覚に関する官能検査(5:非常に
良い、4:良い、3:やや悪い、2:悪い、1:非常に
悪い;パネラー15人の平均値)は、収穫後7日後の試
料を用いて行った。
以下の未凍結温度」での貯蔵→「0℃以下の未凍結温
度」での輸送(「0℃以下の未凍結温度」での加工) 収穫→予冷なし→「0℃以下の未凍結温度」での貯
蔵→「0℃以下の未凍結温度」での輸送(「0℃以下の
未凍結温度」での加工) 収穫→予冷なし→冷蔵貯蔵→「0℃以下の未凍結温
度」での輸送(「0℃以下の未凍結温度」での加工) 収穫→予冷なし→冷蔵貯蔵→冷蔵輸送(加工) 収穫→「0℃以下の未凍結温度」での予冷→冷蔵貯
蔵→冷蔵輸送
度」庫による貯蔵、あるいは「0℃以下の未凍結温度」
コンテナによる輸送を単独で行うのではなく、一貫した
「0℃以下の未凍結温度」管理システムにより、高鮮
度、高品質の白ネギの提供が可能であることが判明し
た。また、白ネギ以外の農産物、青ネギ、ホウレンソ
ウ、ブロッコリー、レタス、キャベツ、サラダ菜、セロ
リ、アスパラガス、サヤインゲン、ジャガイモ、タケノ
コ、マツタケ、エノキダケ、ダイコン、カブ、ニンニ
ク、アシタバなどの野菜類、イチゴ、メロン、スイカ、
カキ、ナシ、リンゴ、モモ、ブドウなど果実類、日本
茶、トチュウ茶、ウーロン茶、紅茶など茶葉類、および
バラ、カーネーション、キク、リンドウ、カスミソウな
どの花卉類、ツツジ、シキミ、ブナなどの樹木類、米、
麦、ダイズ、アズキ、ゴマなどの穀類、コーヒー豆、落
花生、ビーナッツ、銀杏などの豆類、種実類等において
も同様な試験結果が得られ、汎用性の高いシステムであ
ることが分かった。さらには、カット果実、野菜類(パ
パイア、リンゴ、ナシ、カキ、スイカ、ウリ、メロン、
ナガイモ、キャベツ、レタス、トマト、ハクサイ、タケ
類、シュンギク、タマネギ、ネギ、モヤシ、カイワレダ
イコン、ニンジン、キュウリ、セロリなど)にも有効で
あり、鮮度落ちの著しいこれらのカット農産物の鮮度を
著しく高く保持することも可能である。
しては、米子市産米を用いて試験を行った。収穫後の米
(籾あるいは玄米状態)を「0℃以下の未凍結温度」庫
(0℃設定)及び低温庫(13℃設定)にて予冷及び6
カ月間貯蔵を行った。この貯蔵米を、さらに「0℃以下
の未凍結温度」熟成庫(−5.0℃)にて10日間熟成
を行い、精米処理を行った。精米時の環境温度は、「0
℃以下の未凍結温度」(−2.0℃)と常温(+19
℃)とし、食味計にて食味値を測定するとともに、得ら
れた精白米を炊飯し、各炊飯米の品質を官能検査(色、
光沢、弾力性、かおり、味覚の5段階評価の平均)にて
比較検討した。
「0℃以下の未凍結温度」での熟成→「0℃以下の未凍
結温度」での精米→炊飯 収穫→「0℃以下の未凍結温度」での予冷・貯蔵→
「0℃以下の未凍結温度」での熟成→常温精米→炊飯 収穫→「0℃以下の未凍結温度」での予冷・貯蔵→
熟成なし→「0℃以下の未凍結温度」での精米→炊飯 収穫→低温保管→「0℃以下の未凍結温度」での熟
成→「0℃以下の未凍結温度」での精米→炊飯 収穫→「0℃以下の未凍結温度」での予冷・貯蔵→
熟成なし→常温精米→炊飯 収穫→低温保管→熟成なし→「0℃以下の未凍結温
度」での精米→炊飯 収穫→低温保管→「0℃以下の未凍結温度」での熟
成→常温精米→炊飯 収穫→低温保管→熟成なし→常温精米→炊飯
以下の未凍結温度まで冷却し、次いで、その後の流通加
工の全過程の一部又は全部を0℃以下の未凍結温度にて
処理することにより、食味値的に米の品質を高度化する
ことが判明した。さらに、得られた炊飯米は、味覚的に
は甘味が増し、ツヤ、透明感、弾力性に優れ、炊飯米の
冷却に伴う老化が抑制されることが明らかとなった。ま
た、他の穀類(麦、ダイズ、アズキ、ゴマなど)におい
ても上記の米と同様な結果を示した。
は、鳥取県産肉牛(氷結点−2.5℃)を用い、屠殺、
解体後、直ちに空冷にて適宜0℃以下の未凍結温度まで
冷却させる処理(下記試験結果は、−1.0℃とした)
を「0℃以下の未凍結温度」での予冷とした(所要時間
7時間)。ただし、場合によっては、冷却水による急速
冷却法も有効である。また、屠殺・解体工場から貯蔵倉
庫までの輸送は、「0℃以下の未凍結温度」での輸送
(−1.5℃設定)、冷蔵輸送(+5.0℃設定)にて
比較検討を行った(所要時間2時間)。さらに、貯蔵倉
庫内での貯蔵は、「0℃以下の未凍結温度」での貯蔵
(−1.5℃設定)、冷蔵(+5.0℃)にて比較検討
した(所要時間約14日間)。その後の、市場、あるい
は加工工場までの輸送は、「0℃以下の未凍結温度」で
の輸送(−1.5℃設定)、冷蔵輸送(+5.0℃設
定)にて比較検討した(所要時間2時間)。尚、各種分
析(目減り率、メト化率、揮発性塩基窒素<以後VBN
と略す>)、官能検査(5:非常に良い、4:良い、
3:やや悪い、2:悪い、1:非常に悪い;パネラー1
5人の平均値)は、屠殺後14日後の試料を用いて行っ
た。
以下の未凍結温度」での輸送→「0℃以下の未凍結温
度」での貯蔵→「0℃以下の未凍結温度」での輸送
(「0℃以下の未凍結温度」での加工) 屠殺→予冷なし→「0℃以下の未凍結温度」での輸
送→「0℃以下の未凍結温度」での貯蔵→「0℃以下の
未凍結温度」での輸送(「0℃以下の未凍結温度」での
加工) 屠殺→予冷なし→冷蔵輸送→「0℃以下の未凍結温
度」での貯蔵→「0℃以下の未凍結温度」での輸送
(「0℃以下の未凍結温度」での加工) 屠殺→予冷なし→冷蔵輸送→冷蔵貯蔵→「0℃以下
の未凍結温度」での輸送(「0℃以下の未凍結温度」で
の加工) 屠殺→予冷なし→冷蔵輸送→冷蔵貯蔵→冷蔵輸送
(加工) 屠殺→「0℃以下の未凍結温度」での予冷→冷蔵輸
送→「0℃以下の未凍結温度」での貯蔵→冷蔵輸送
結温度」での処理の品質に及ぼす影響を調べたところ、
生産直後に「0℃以下の未凍結温度」で処理した、鮮度
が高い肉を原材料として「0℃以下の未凍結温度」で流
通加工させたものの方が、鮮度、品質の保持効果が著し
く高いことが判った。このことは、表4の試験区と試
験区あるいはとの成分分析、官能検査の結果の比較
から明確であり、また、遊離アミノ酸分析より、グルタ
ミン酸、アスパラギン酸の相対含量が試験区において
著しく高く、高鮮度、高品質下での熟成が促進されたこ
とを示していた。よって、本方法は、畜肉原料の品質の
高度化はもとより、これらの肉類を使用したハム、ソー
セージ類、ビーフジャーキーなどの肉加工食品の品質の
高度化をも可能とするものである。尚、14日以内の短
期流通の場合には、「0℃以下の未凍結温度」での予冷
のみ行い、その後の輸送、貯蔵は全て冷蔵にて管理して
も、目減り率、メト化率を低く維持し、鮮度、品質を高
く保持できることが明らかとなった。また、本方法によ
れば、牛肉のみならず、豚肉、鶏肉、羊肉、鹿肉、猪肉
あるいは卵、牛乳など畜産物一般及び後記する水産物に
おいても同様な効果が得られ、本方法は、汎用性の高い
システムであることが分かった。
類、あるいは一部の農産物に適応可能な技術であるが、
ここでは、供試材料として、山陰沖にて漁獲されたアジ
(氷結点;−1.6℃、生鮮重量;200〜300g)
を用いた。まず、「0℃以下の未凍結温度」での予冷
は、冷却チラーにより、−2.0℃まで冷却した海水を
用い、アジの魚体温が−1.0℃になるまで冷却した
(所要時間1時間)。冷凍方法は、−55℃ストッカー
にて凍結処理を行った(所要時間2週間)。また、解凍
は、−1.0℃にて解凍する「0℃以下の未凍結温度」
での解凍を基本とし、従来法は流水解凍法により、比較
検討した。さらに、解凍後の貯蔵倉庫内での貯蔵(熟
成)は、「0℃以下の未凍結温度」での貯蔵(−1.0
℃設定)、冷蔵(+5.0℃設定)にて比較検討した
(所要時間48時間)。その後の、市場、あるいは加工
工場までの輸送は、「0℃以下の未凍結温度」での輸送
(−1.0℃設定)、冷蔵輸送(+5.0℃設定)にて
比較検討した(所要時間2時間)。尚、各種分析(鮮
度;K値、うま味;IMP(イノシン酸)量)、官能検
査(5:非常に良い、4:良い、3:やや悪い、2:悪
い、1:非常に悪い;パネラー15人の平均値)は、解
凍後60時間目の試料を用いて行った。
冷凍保存→「0℃以下の未凍結温度」での解凍→「0℃
以下の未凍結温度」での熟成→「0℃以下の未凍結温
度」での輸送(「0℃以下の未凍結温度」での加工) 漁獲・屠殺→予冷なし→冷凍保存→「0℃以下の未
凍結温度」での解凍→「0℃以下の未凍結温度」での熟
成→「0℃以下の未凍結温度」での輸送(「0℃以下の
未凍結温度」での加工) 漁獲・屠殺→予冷なし→冷凍保存→流水解凍→「0
℃以下の未凍結温度」での熟成→「0℃以下の未凍結温
度」での輸送(「0℃以下の未凍結温度」での加工) 漁獲・屠殺→予冷なし→冷凍保存→流水解凍→冷蔵
保管→「0℃以下の未凍結温度」での輸送(「0℃以下
の未凍結温度」での加工) 漁獲・屠殺→予冷なし→冷凍保存→流水解凍→冷蔵
保管→冷蔵輸送(加工) 漁獲・屠殺→「0℃以下の未凍結温度」での予冷→
冷凍保存→流水解凍→「0℃以下の未凍結温度」での熟
成→冷蔵輸送 漁獲・屠殺→予冷なし→冷凍保存→「0℃以下の未
凍結温度」での解凍→「0℃以下の未凍結温度」での熟
成→冷蔵輸送
の品質を維持、向上させるためには、冷凍処理前、すな
わち漁獲、あるいは屠殺直後すみやかに「0℃以下の未
凍結温度」での予冷処理をすることが有効であり、その
後の温度管理など流通がラフであっても、高品質を保
持、あるいは品質向上を可能にする。
得られた、高鮮度、高品質な原材料を用いて「0℃以下
の未凍結温度」での加工(熟成、乾燥、発酵、濃縮な
ど)を行うと、とれたて、もぎたての鮮度を生かし、さ
らにうま味を向上させた製品に仕上げることができる。
例えば、水産物の場合、これらの原材料を用いて、練り
製品、干物、漬け魚を試作したところ、テクスチャー、
色調的に優れた、魚臭のしない、天然のうま味を保持し
た抜群の加工品が製造できることも判明した。代表的な
加工品として、カレイを漁獲し、サバと同様な処理(実
施例1参照)を施した各原材料を用いてカレイの一夜干
しを試作し(24時間、−1.0℃設定)、官能検査
(5:非常に良い、4:良い、3:やや悪い、2:悪
い、1:非常に悪い;パネラー15人の平均値)を行っ
た結果を表7に示す。
より得られる高鮮度、高品質の原材料を使用することに
より、従来技術による加工においても、より優れた加工
品となるが、加工工程をさらに「0℃以下の未凍結温
度」の領域で行うことにより(「0℃以下の未凍結温
度」での加工)、著しく高レベルの品質を有する食品と
することができる。また、一般生菌数は、14日目にお
いて、試験区で103 〜104 以下と低く抑えられて
いたが、試験区及びでは、105 〜106 であり、
また、試験区及びでは、108 以上と著しく高く、
本方法は、細菌の増殖抑制効果を有する安全な食品の加
工方法として有用であることが判明した。
度」での流通加工システム さらに、上記の「0℃以下の未凍結温度」での流通加工
システムは、一次加工食品にも適応可能である。例え
ば、カット果実、野菜、魚の切身、たたきなどの一次加
工を施した食品の加工直後に、必要により包材を使用
し、予冷剤、過冷却水等により「0℃以下の未凍結温
度」での予冷処理を行い、その後の低温流通(「0℃以
下の未凍結温度」あるいは0℃近辺の冷蔵)につなげる
ことにより、従来の製造、流通よりも著しく優位な鮮
度、品質を付与することができること、一般生菌数のレ
ベルを低く抑えることができること、等の格別の効果が
得られることが分った。
工方法は、生産・収穫・漁獲後の生鮮食品を高鮮度に保
持することを可能にするのみならず、生鮮食品及びその
生鮮加工品の0℃以下の未凍結温度での熟成効果を高
め、さらに品質劣化の原因となる細菌の増殖を抑制し、
高鮮度、高品質、及び安全なる食品の提供を可能にする
格別の効果を有する。
Claims (6)
- 【請求項1】 生産・収穫・漁獲した畜産物、農産物、
水産物、又はその加工品等の生鮮食品を高鮮度・高品質
に保持させて流通加工する方法であって、当該生鮮食品
を、その生産・収穫・漁獲直後に0℃以下の未凍結温度
まで冷し、次いで、輸送、貯蔵、加工及び/又は保存の
流通加工の過程の一部又は全部を0℃以下の未凍結温度
にて処理することを特徴とする生鮮食品の高鮮度流通加
工方法。 - 【請求項2】 漁獲した鮮魚を0℃以下の未凍結温度ま
で予冷し、次いで、輸送、貯蔵、加工及び/又は保存の
流通加工の過程の一部又は全部を0℃以下の未凍結温度
にて処理する請求項1記載の高鮮度流通加工方法。 - 【請求項3】 漁獲した活魚を氷結点以下に冷却した海
水を用いて、魚体温が0℃付近になるまで予冷して、瞬
時に静止状態(冬眠状態)とし、次いで、0℃以下の未
凍結温度又は冷蔵条件下で輸送する請求項1記載の高鮮
度流通加工方法。 - 【請求項4】 前記生鮮食品を、一次加工後、直ちに0
℃以下の未凍結温度まで予冷し、次いで、輸送、貯蔵、
加工及び/又は保存の過程の一部又は全部を0℃以下の
未凍結温度又は冷蔵条件下にて処理する請求項1記載の
高鮮度流通加工方法。 - 【請求項5】 生鮮食品を、生産・収穫・漁獲後、直ち
に0℃以下の未凍結温度まで予冷した後、冷凍し、次い
で、輸送、解凍、加工、及び/又は保存の過程の一部又
は全部を0℃以下の未凍結温度にて処理する請求項1記
載の高鮮度流通加工方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし5の工程で得られる高鮮
度生鮮食品を原材料として、それを0℃以下の未凍結温
度にて二次加工することを特徴とする食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21907697A JPH1146676A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 高鮮度・高品質の食品流通加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21907697A JPH1146676A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 高鮮度・高品質の食品流通加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1146676A true JPH1146676A (ja) | 1999-02-23 |
Family
ID=16729893
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21907697A Pending JPH1146676A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 高鮮度・高品質の食品流通加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1146676A (ja) |
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