JPH1146460A - 電力貯蔵システム - Google Patents

電力貯蔵システム

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JPH1146460A
JPH1146460A JP10065786A JP6578698A JPH1146460A JP H1146460 A JPH1146460 A JP H1146460A JP 10065786 A JP10065786 A JP 10065786A JP 6578698 A JP6578698 A JP 6578698A JP H1146460 A JPH1146460 A JP H1146460A
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hydrogen
power
fuel
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carbon dioxide
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JP10065786A
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Hakaru Ogawa
川 斗 小
Hideaki Nameki
木 英 明 行
Michio Hori
美知郎 堀
Keiji Murata
田 圭 治 村
Takao Nakagaki
垣 隆 雄 中
Masakuni Sasaki
雅 國 佐々木
Masafumi Fukuda
田 雅 文 福
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Original Assignee
Toshiba Corp
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    • F17CVESSELS FOR CONTAINING OR STORING COMPRESSED, LIQUEFIED OR SOLIDIFIED GASES; FIXED-CAPACITY GAS-HOLDERS; FILLING VESSELS WITH, OR DISCHARGING FROM VESSELS, COMPRESSED, LIQUEFIED, OR SOLIDIFIED GASES
    • F17C11/00Use of gas-solvents or gas-sorbents in vessels
    • F17C11/005Use of gas-solvents or gas-sorbents in vessels for hydrogen
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/32Hydrogen storage

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境に対する負荷を抑えながら需要に見合っ
た電力を供給し、余剰の電力を燃料の形で貯蔵すること
ができなかった。 【解決手段】 発電所1と、水分解装置3、または水分
解装置3から生成する水素から燃料を製造する装置11
と、水素または燃料を利用して発電を行う補助発電装置
6とを有する電力貯蔵システムであって、電力需要の少
ないときには発電所1のエネルギにより水分解装置3を
作動させて生成される水素または燃料を貯蔵し、電力需
要の多いときには発電所1と共にその水素または燃料を
燃料として補助発電装置6を作動させて発電を行うこと
を特徴とする電力貯蔵システムである、ならびに水分解
装置と、燃料生成装置と、発電装置と二酸化炭素分離装
置からなる、物質収支を実質的に閉鎖系とする電力貯蔵
システム、ならびにそのシステムに用いることのでき
る、環境に対して有害な副生成物を生成しない海水分解
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境に対する負荷
の小さい電力貯蔵システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、市場に供給される電力のほとんど
は発電所から供給されている。従来の発電所は、その時
間当たりの発電量が一定であるのが普通である。しか
し、市場での電力需要は一定ではなく、例えば昼間と夜
間では電力需要量が大きく変化している。また、電力は
直接貯蔵することが困難であるため、発電量を需要に応
じて変化させる必要が生じている。しかし、発電所にお
ける、単位時間当たりの発電量を変化させる場合には、
それ相応の効率損失が発生する。最近まで発電の主力で
あった火力発電や、昨今その割合が増加している原子力
発電ではその傾向が顕著である。そしてその効率損失に
伴い、環境に対する負荷も発生することが多い。この環
境に対する負荷は、各種有害ガスの発生などの形であら
われる。
【0003】一方、有害ガスのひとつである二酸化炭素
を回収し、メタノールに還元し、これを燃料として発電
に利用しようとする試みもなされている。このとき、回
収された二酸化炭素をメタノールに還元する水素は、例
えば、海水を逆浸透法などで淡水化した後にイオン交換
樹脂などを用いて脱塩して純水としてから、水素と酸素
に電気分解することにより得ていた。このような方法で
は、塩化第2鉄、次亜塩素酸ソーダ、硫酸、重亜硫酸ソ
ーダ、塩酸、苛性ソーダ、およびその他の環境に影響を
及ぼす物質が必要であった。また、メタノールを燃料と
してエネルギ生産を行おうとする場合には不完全燃焼の
ために、炭素生成および低温燃焼による有害副生成物、
例えばホルムアルデヒド、の生成などの問題が発生しや
すかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような背景から、
環境に対する負荷を抑えながら需要に見合った電力を供
給するシステムが望まれていた。さらには、環境に対す
る負荷の小さい、言い換えると環境に対して有害物質を
放出しない発電システムが望まれていた。そこで本発明
は上記の問題点に鑑みてなされたもので、環境に対する
負荷を抑制しながら需要に見合った電力を供給する電力
貯蔵システムの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要] <要旨>本発明の第一の態様である電力貯蔵システム
は、エネルギを生成する手段から得られるエネルギによ
り水を分解して、水素と酸素とを生成する水分解装置
と、生成された水素を燃料として発電を行う補助発電装
置とを有する電力貯蔵システムであって、電力需要の少
ないときには前記エネルギを生成する手段のエネルギに
より水分解装置を作動させて生成される水素を貯蔵し、
電力需要の多いときには前記エネルギを生成する手段と
共に、その水素を燃料として前記補助発電装置を作動さ
せて発電を行うこと、を特徴とするものである。
【0006】本発明の第二の態様である電力貯蔵システ
ムは、エネルギを生成する手段から得られるエネルギに
より水を分解して、水素と酸素とを生成する水分解装置
と、生成された水素から含水素燃料を製造する燃料製造
装置と、製造された含水素燃料を燃料として発電を行う
補助発電装置とを有する電力貯蔵システムであって、電
力需要の少ないときには前記エネルギを生成する手段の
エネルギにより前記水分解装置および前記燃料製造装置
を作動させて、生成される含水素燃料を貯蔵し、電力需
要の多いときには前記エネルギを生成する手段と共に、
その含水素燃料を燃料として前記補助発電装置を作動さ
せて発電を行うこと、を特徴とするものである。
【0007】本発明の第三の態様である電力貯蔵システ
ムは、ガス化炉と、前記ガス化炉から生成される生成ガ
スから含水素燃料を製造する燃料製造装置と、製造され
た含水素燃料を燃料として発電を行う発電装置とを有す
る電力貯蔵システムであって、電力需要の少ないときに
は前記ガス化炉によって生成される生成ガスから製造さ
れる含水素燃料を貯蔵し、電力需要の多いときにはその
含水素燃料を燃料として前記発電装置を作動させて発電
を行うこと、を特徴とするものである。
【0008】本発明の第四の態様である電力貯蔵システ
ムは、海水を分解する海水分解装置と、前記海水分解装
置によって生成された水素と、二酸化炭素とから第一の
含水素燃料を生成する燃料生成装置と、この第一の含水
素燃料を改質または分解し、生成される第二の含水素燃
料を燃料として発電を行う発電装置と、前記発電装置に
よって生成された二酸化炭素と水とを分離し、この二酸
化炭素を前記燃料装置に供給する二酸化炭素分離装置と
を有すること、を特徴とするものである。
【0009】本発明の水素発生装置は、下記の部材を具
備してなること、を特徴とするものである。 (1)海水を電気分解したときに実質的に塩素を発生せ
ずに酸素を選択的に発生する陽極、(2)陽極室と陰極
室を隔離し、かつ実質的に水素イオンのみを選択的に透
過させる透過部、および(3)水素を発生する陰極。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面を参照しな
がら説明する。 <電力貯蔵システム>まず、本発明の第一の態様のシス
テムを説明すれば、下記の通りである。図1は、本発明
の第一の態様による、電力貯蔵システムの例を示すブロ
ック図である。図1(a)は、電力消費地における電力
需要の少ない場合の電力貯蔵システムを示すものであ
る。発電所1(エネルギを生成する手段)は、通常に発
電所として機能するものであれば、いかなる発電方法に
よるものでもよいが、原子力発電所、水力発電所、石炭
火力発電所、石油火力発電所、天然ガス火力発電所、風
力発電所、地熱発電所、石炭ガス化ガス発電所、ゴミガ
ス化ガス発電所、および残渣油ガス化ガス発電所からな
る群から選ばれるものが選択される。また、後述する本
発明の第四の態様による発電システムも選択することが
できる。これらのうちで、特に、発電量を変化させるこ
とが困難である原子力発電所、あるいはガス化ガス発電
所を選択した場合に本発明の効果が顕著に現れる。
【0011】発電所1において生成された電力は、電力
消費地2に向けて送電されるが、電力需要が少ない場合
には生成エネルギの余剰が生じる。この余剰の生成エネ
ルギは、電力エネルギの他に、熱エネルギの形態である
こともある。
【0012】本発明の第一の態様において、余剰エネル
ギは水分解装置3に供給される。水の分解は、利用され
る余剰エネルギの形態に応じて、電気分解または熱分解
によって行われる。この分解のために供給される水は、
システムの外部から供給されるものであってもよいが、
分解処理するのに十分な精製が施されていることが好ま
しい。最も好ましいのは、後述する補助発電装置6から
発電の際に生じる水を貯蔵しておき、必要時に用いるこ
とである。これは補助発電装置6が燃料として水素を用
いるために、その燃焼の際に発生する水は不純物が少な
いためである。
【0013】水は水素ガスと酸素ガスに分解される。こ
のうち水素は燃料として利用するために水素貯蔵庫4に
貯蔵するが、必要に応じて酸素も酸素貯蔵庫5に貯蔵さ
れる。貯蔵する場合には、気体状態のままで貯蔵しても
よいが、貯蔵容積の点から液化して貯蔵することが好ま
しい。
【0014】図1(b)は、電力消費地における電力需
要の多い場合の電力貯蔵システムを示すものである。発
電所1(エネルギを生成する手段)において生成された
電力は、電力消費地2に向けて送電されるが、電力需要
が多い場合には生成エネルギの不足が生じる。
【0015】発電所1による発電量の不足は補助発電装
置6により補う。この補助発電装置6は、電力需要が少
ない場合に製造し、貯蔵しておいた水素を用いる。ま
た、必要に応じて、水素と同時に製造された酸素を用い
ることもできる。
【0016】補助発電装置6の種類は、水素を利用して
発電できるものであれば、いかなるものも用いることが
できるが、燃料電池発電、ガスタービン発電、または蒸
気タービン発電のうちの単機発電、2機の複合発電、ま
たは3機の複合発電を行うものが発電効率の点で好まし
い。これらの補助発電装置6は、水素、および必要に応
じて酸素、を利用して発電し、水を放出する。放出され
た水は、必要に応じて回収され、また必要に応じて液化
されて、水貯蔵庫7に貯蔵される。水は常温で容易に液
化できるが、電力需要が少ないときに液化された酸素の
冷熱を用いることもできる。ここで、補助発電装置6
は、発電に際して多量の熱を排出することが多い。この
排熱を排熱回収手段(図示せず)により回収して、利用
することもできる。このような排熱の利用方法として
は、例えば発電所1に設けられる蒸気タービンに供給さ
れる蒸気を加熱することがあげられる。また、発電所の
発電量を一定に保つために、電力の需要に応じて補助発
電装置6の発電量を制御する制御手段(図示せず)を設
けることもできる。
【0017】図2は、本発明の第一の態様による電力貯
蔵システムの好ましい態様の一例を示すものである。図
2(a)は、電力消費地2における電力需要の少ない場
合の電力貯蔵システムを示すものである。発電所1(エ
ネルギを生成する手段)において生成された電力は、電
力消費地2に向けて送電されるが、電力消費地において
電力需要が少ない場合には電気エネルギの余剰が生じ
る。
【0018】図2(a)において、余剰の電気エネルギ
は水を電気分解する水分解装置3に供給される。図2
(a)の例において、この分解のために供給される水
は、水貯蔵庫7から供給される。この水貯蔵庫7には、
後述の水素を燃料とする発電を行ったときに生成された
水が貯蔵されている。また、この際、貯蔵されている水
に不足が生じた場合には、外部から水を供給してもよ
い。水は電気分解により、水素と酸素とに分解される。
図2(a)において、分解された水素と酸素は冷却され
て液化される。このように水素および酸素を液化するこ
とにより貯蔵容積を少なく抑えることが可能である。液
化された水素と酸素とは、それぞれ水素貯蔵庫4、酸素
貯蔵庫5へ貯蔵される。このとき、水貯蔵庫7から供給
される水および外部から供給される水は不純物が少ない
ことが好ましい。
【0019】図2(b)は、電力消費地における電力需
要の多い場合の電力貯蔵システムを示すものである。発
電所1(エネルギを生成する手段)において生成された
電力は、電力消費地2に向けて送電されるが、電力消費
地2において電力需要が多い場合には生成エネルギの不
足が生じる。発電所1による発電量の不足は補助発電装
置6により補う。この補助発電装置6は、電力需要が少
ない場合(図2(a))に製造し、貯蔵しておいた水素
を燃料として用いる。また、必要に応じて、水素と同時
に製造された酸素を用いることもできる。発電は、燃料
電池発電、ガスタービン発電、または蒸気タービン発
電、あるいはこれらの複合発電によることが好ましい。
この発電により生成する水は、酸素貯蔵庫4内の液化酸
素の冷熱によって液化されて水貯蔵庫7に蓄えられ、電
力需要の少ない場合(図2(a))において、水分解装
置3で用いられる。さらに、この電力貯蔵システムは、
制御装置41をさらに具備している。制御装置41は、
発電所1の発電量を一定に保つために、電力消費地2に
おける電力の需要に応じて補助発電装置6の発電量を制
御している。
【0020】図2(c)も、電力消費地における電力需
要の多い場合の電力貯蔵システムを示すものである。こ
の例では、図2(b)の例に加えて、排熱回収装置40
をさらに具備している。この排熱回収装置40により、
補助発電装置6から回収された排熱により、発電所1に
設けられる蒸気タービンに供給される蒸気を加熱するこ
とで、発電所1の発電効率をさらに向上させることがで
きる。
【0021】このように、発電量に余剰が生じるときに
は水を電気分解して、水素および酸素に分解した状態で
電気エネルギを貯蔵し、発電量に不足が生じたときには
水素と酸素とを再び結合させることで電気エネルギを発
生させて発電量を補うことができる。このようなシステ
ムにより、発電所1(エネルギを生成する手段)の発電
量を一定に保ったまま、電力需要の増減に応じて補助発
電装置6と水分解装置3の出力を制御装置41によって
調整することにより、発電所1の発電量変化に伴う環境
への負荷を抑えながら、需要に見合った電力を供給する
ことができる。
【0022】次に、本発明の第二の態様のシステムを説
明する。図3は、本発明の第二の態様による、電力貯蔵
システムを示すブロック図である。図3(a)は、電力
消費地における電力需要の少ない場合の電力貯蔵システ
ムを示すものである。発電所1(エネルギを生成する手
段)は、通常に発電所として機能するものであれば、い
かなる発電方法によるものでもよいが、例えば、原子力
発電所、水力発電所、石炭火力発電所、石油火力発電
所、天然ガス火力発電所、風力発電所、地熱発電所、石
炭ガス化ガス発電所、ゴミガス化ガス発電所、および残
渣油ガス化ガス発電所からなる群から選ばれるものが選
択される。また、後述する本発明の第四の態様による発
電システムも選択することができる。これらのうちで、
特に、発電量を変化させることが困難であり、それによ
る環境への負荷が大きい原子力発電所、およびガス化ガ
ス発電所を選択した場合に本発明の効果が顕著に現れ
る。
【0023】発電所1において生成された電力は、電力
消費地2に向けて送電されるが、電力消費地2における
電力需要が少ない場合には生成エネルギの余剰が生じ
る。この余剰の生成エネルギは、電力エネルギの他に、
熱エネルギの形態であることもある。本発明の第二の態
様において、余剰エネルギは水分解装置3に供給され
る。水の分解は、利用される余剰エネルギの形態に応じ
て、電気分解または熱分解によって行われる。水分解装
置3に供給される水は、システムの外部から供給される
ものであってもよいが、分解処理するための十分な精製
が施されていることが好ましい。
【0024】水は水分解装置3によって水素ガスと酸素
ガスとに分解される。このうち水素は燃料(含水素燃
料)製造のため燃料製造装置11へ送られる。製造され
た燃料は燃料貯蔵庫12に貯蔵される。また、必要に応
じて酸素も貯蔵される。貯蔵する場合には、気体状態の
ままで貯蔵してもよいが、貯蔵容積の点から液化して貯
蔵することが好ましい。このとき、液化のために他の液
化ガス、例えば、後述する補助発電装置6から生成され
る二酸化炭素を液化したもの、の冷熱を用いることもで
きる。また、燃料製造時に発生する熱は、発電所1中の
作動流体の加熱に用いることもできる。
【0025】本発明の第二の態様のシステムは、製造お
よび貯蔵する燃料として、言い換えれば、電気エネルギ
を貯蔵する媒体として、含水素燃料を用いること、およ
びそのために水素から含水素燃料を製造する燃料製造装
置11を有することが本発明の第一の態様のシステムと
異なっている。本発明でいう含水素燃料とは、水素を含
んでなる化合物のことであり、水素と炭素と酸素、また
は窒素からなるものが好ましい。また、分解などの容易
さから分子量が100までの化合物が好ましい。具体的
には、メタン、エタン、プロパン、メタノール、エタノ
ール、アンモニア、ギ酸、ギ酸メチル、酢酸、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、およびジメチルエ
ーテル、が挙げられる。これらの中で、メタノール、メ
タン、アンモニア、ギ酸、ギ酸メチル、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、およびジメチルエーテルが好ましい。こ
れらの含水素燃料は、常温常圧で液体であるか、気体で
あっても水素よりも液化が容易であり、貯蔵に有利であ
る。さらに予め製造された含水素燃料をシステム外部か
ら供給することもできる。燃料製造装置11において
は、水分解装置3から供給される水素と二酸化炭素貯蔵
庫8より供給される二酸化炭素を用いて含水素燃料を製
造する。本発明において、この燃料製造装置11で製造
される燃料は、前記の含水素燃料の中で特に限定されな
いが、例えばメタノールを例とした場合について説明す
る。燃料は、燃料製造装置11において下記の式に従い
製造される。 (a−1) CO2 +4H2 →CH4 +2H2 O (a−2) CH4 +1/2O2 →CO+2H2 (a−3) CO+2H2 →2CH3 OH ここで、(a−2)式の酸素は、水分解装置3から供給
されるものである。また、メタノールをメタンを経由せ
ずに、下記の式に従って製造することもできる。 (b−1) CO2 +H2 →CO+H2 O (b−3) CO+2H2 →2CH3 OH また、二酸化炭素と水素から触媒を用いて直接メタノー
ルを製造することも可能である。 (c−1) 3H2 +CO2 →CH3 OH+H2 O 得られたメタノールは、必要に応じて、下記の式に従
い、ジメチルエーテルに変換することも可能である。 2CH3 OH→(CH3 2 O+H2 O なお、含水素燃料の製造にあたっては、後述する含水素
燃料製造方法を用いることが好ましい。このようにし
て、燃料製造装置で製造された含水素燃料は燃料貯蔵庫
12に貯蔵される。
【0026】また、これらの含水素燃料を燃料として用
いることにより、補助発電装置6から二酸化炭素が排出
されることがある。本発明の第二の態様の電力貯蔵シス
テムは、この排出される二酸化炭素を回収する二酸化炭
素分離回収装置をさらに具備してなってもよい。二酸化
炭素を回収する場合には、回収二酸化炭素を燃料の原料
として燃料製造装置11に供給することができる。ま
た、回収二酸化炭素は、液化して貯蔵することができ
る。この二酸化炭素の液化には、前記の液化酸素の冷熱
を用いることができる。液化二酸化炭素を貯蔵する場合
には、その冷熱を、水分解により生成される酸素または
水素、および燃料製造装置11により製造される燃料の
液化および貯蔵に利用することができる。
【0027】図3(b)は、電力消費地における電力需
要の多い場合の電力貯蔵システムを示すものである。発
電所1において生成された電力は、電力消費地2に向け
て送電されるが、電力需要が多い場合には生成エネルギ
の不足が生じる。発電所1による発電量の不足は補助発
電装置6により補う。この補助発電装置6は、電力需要
が少ない場合に製造し、貯蔵しておいた燃料を用いる。
また、必要に応じて、水素と同時に製造された酸素を用
いることもできる。
【0028】補助発電装置6の種類は、燃料を利用して
発電するものであれば、いかなるものも用いることがで
きるが、燃料電池発電、ガスタービン発電または蒸気タ
ービン発電、あるいはこれらの複合発電によることが好
ましい。これらの補助発電装置6は、燃料、および必要
に応じて酸素、を利用して発電し、多くの場合、水と二
酸化炭素とを放出する。放出された水および二酸化炭素
は、それぞれ必要に応じて回収され、また必要に応じて
液化されて、貯蔵される。水は常温で容易に液化できる
が、二酸化炭素の液化および貯蔵には、前記の液化され
た酸素の冷熱を用いることもできる。ここで、補助発電
装置6は、発電に際して熱を排出することが多い。この
排熱により、例えば発電所1に設けられる蒸気タービン
に供給される蒸気を加熱することもできる。また、発電
所1の発電量を一定に保つために、電力消費地2におけ
る電力の需要に応じて補助発電装置6の発電量を制御す
る制御手段を設けることもできる。
【0029】図4は、本発明の第二の態様による電力貯
蔵システムの好ましい態様の一例を示すものである。図
4(a)は、電力消費地における電力需要の少ない場合
の電力貯蔵システムを示すものである。発電所1におい
て生成された電力は、電力消費地2に向けて送電される
が、電力需要が少ない場合には電気エネルギの余剰が生
じる。余剰の電気エネルギは水の水分解装置3に供給さ
れる。この分解のために供給される水は、水の貯蔵庫7
から供給される。この水の貯蔵庫7には、後述の含水素
燃料による発電を行ったときに生じた水が貯蔵されてい
る。また、この際、貯蔵されている水に不足が生じた場
合には、外部から水を供給してもよい。このとき、水貯
蔵庫7から供給される水および外部から供給される水
は、発電効率の向上と長寿命とするために不純物が少な
いことが好ましい。
【0030】水は水分解装置3により、まず水素と酸素
とに分解される。図4(a)において、分解された酸素
は冷却され液化されて酸素貯蔵庫10に貯蔵するされ
る。一方、水素は二酸化炭素貯蔵庫8に貯蔵されている
二酸化炭素とともに燃料製造装置11に供給され、燃料
が製造される。製造された燃料は燃料貯蔵庫12に貯蔵
されるが、このとき、製造される燃料が常温常圧で気体
である場合、液化される。これらの酸素および燃料の液
化には、貯蔵されている液化二酸化炭素の冷熱が利用さ
れる。このように燃料および酸素を液化することにより
貯蔵容積を少なく抑えることが可能である。
【0031】図4(b)は、電力消費地における電力需
要の多い場合の電力貯蔵システムを示すものである。発
電所1において生成された電力は、電力消費地2に向け
て送電されるが、電力需要が多い場合には生成エネルギ
の不足が生じる。発電所1による発電量の不足は補助発
電装置6により補う。この補助発電装置6は、電力需要
が少ない場合(図4(a))に製造し、貯蔵しておいた
燃料を用いる。また、必要に応じて、水を分解すること
により製造した酸素を用いることもできる。発電は、燃
料電池発電、ガスタービン発電、または蒸気タービン発
電、あるいはこれらの複合発電によることが好ましい。
この補助発電装置6により生成される水は水貯蔵庫7に
蓄えられ、電力需要の少ない場合(図4(a))におい
て、水の電気分解に用いられる。このように、発電所1
の発電量に余剰が生じるときには水を電気分解して、水
素および酸素を得て、それを原料として製造された燃料
の状態で電気エネルギを貯蔵し、発電量に不足が生じた
ときには貯蔵された燃料を利用して補助発電装置6によ
って電気エネルギを発生させて発電量を補うことができ
る。また、発電所1の発電量を一定に保つために、電力
の需要に応じて補助発電装置6の発電量を制御する制御
手段41を設けることもできる。図4(c)も、電力消
費地2における電力需要の多い場合の電力貯蔵システム
を示すものである。この例では、図4(b)の例に加え
て、排熱回収装置40をさらに具備している。この排熱
回収装置40により、補助発電装置6から回収された排
熱により、発電所1にもうけられる蒸気タービンの蒸気
を加熱して、発電所1の発電効率をさらに向上させるこ
とができる。
【0032】図5および図6は、本発明の第二の態様に
よる電力貯蔵システムの好ましい、より具体的な態様の
一例を示すものである。図5は、電力消費地における電
力需要の少ない場合の電力貯蔵システムを示すものであ
る。電力需要の少ないときには、原子力発電やガス化ガ
ス発電などの定負荷で運転される発電所1(図中、発電
所は原子炉22、発電機23、蒸気タービン24、復水
器25を有する)から生産された電気エネルギで水の電
気分解を行い、得られた水素からメタノールを合成して
貯蔵する。
【0033】図6は、電力消費地における電力需要の多
い場合の電力貯蔵システムを示すものである。補助発電
装置6は、発電機17、排熱回収ボイラ18、ガスター
ビン19、圧縮機20、燃焼器21とを有する。電力需
要の多いときには、電力需要の少ないときに貯蔵された
メタノールを排熱回収ボイラ18で改質して得られる水
素と、電力需要の少ないときに電気分解により生成した
酸素とを燃焼器21にて燃焼させ、ガスタービン19に
設けられた発電機17によって発電を行う。ガスタービ
ン19の排ガスは排熱回収ボイラ18に送られる。この
排熱を利用して発電所1の蒸気タービン24の作動流体
である蒸気を加熱する。また、ガスタービン19の排ガ
スはその下流のガス分離装置26において二酸化炭素と
水とに分離される。二酸化炭素は液化して一部を貯蔵
し、残りを圧縮機20に送り、加圧後燃焼器21に送
る。このように発電所1と補助発電装置6とを複合発電
として運転する。この複合発電化によって、発電所単体
のときよりも、高温の蒸気を蒸気タービン24に送るこ
とによって、高い出力が得られる。
【0034】図7および図8も、本発明の第二の態様に
よる電力貯蔵システムの好ましい、より具体的な態様の
一例を示すものである。この態様においては、図5およ
び図6に示した例に対して、燃料であるメタノールを排
熱回収ボイラ18によって改質することなく燃焼器21
に直接供給する点が異なる。この様な構成によりガスタ
ービン19への作動流体を増やすことができ、また排熱
回収ボイラ18での熱交換する熱量も増加するため、ガ
スタービン19および蒸気タービン24による発電効率
が向上する。
【0035】図9および図10も、本発明の第二の態様
による電力貯蔵システムの好ましい、より具体的な態様
の一例を示すものである。この態様においては、水の貯
槽から供給される水を排熱回収ボイラ18で水蒸気と
し、この水蒸気の一部を直接燃焼器21に、残部を改質
されたメタノールに混合して燃焼器21に供給する。こ
の結果、ガスタービン19に供給される作動媒体として
水蒸気を増加させ、二酸化炭素を減少させることによっ
て、ガスタービン19の出力を向上させることができ
る。また、圧縮機がなくても作動が可能である。
【0036】図11および図12は、図9および図10
の態様に対して、圧縮機を、設けた態様を示すものであ
る。このような構成により、圧縮機20から二酸化炭素
を、水の貯槽から水蒸気を、それぞれ燃焼器21に供給
することで、燃焼器21の燃焼による過度な熱を吸収
し、ガスタービン19を安定して運転することができ
る。また、ガスタービン19に供給される作動流体の量
を増加させることで、ガスタービン19の出力を向上さ
せることができる。また、ガスタービン19から排出さ
れるガスの流量が多いために多量の熱を回収することが
できる。そのため、ガスタービン19の発電効率を向上
させることができる。
【0037】図13および図14も、本発明の第二の態
様による電力貯蔵システムの好ましい、より具体的な態
様の一例を示すものである。この態様においては、ガス
分離装置26によって分離された水を、排熱回収ボイラ
18において水蒸気とし、燃焼器21に供給することを
特徴とする。ガス分離装置26によって分離された二酸
化炭素を燃焼器21に供給せず貯蔵している。このよう
な構成により、ガス分離装置26によって分離された水
を、排熱回収ボイラ18において水蒸気とし、燃焼器2
1に供給することで、ガスタービン19に流入するガス
流量を増加させることができる。そのため、ガスタービ
ン19の発電効率を向上させることができる。また、水
蒸気によって燃焼器21を、発電効率が低下しない適度
な温度に冷却することができる。
【0038】図15および図16は、図13および図1
4に対して圧縮機20が設けられた態様を示すものであ
る。このような構成により、ガスタービン19に流入す
るガス流量を増加させることができる。また、水蒸気に
よって燃焼器21を、発電効率が低下しない適度な温度
に冷却することができる。また、ガスタービン19から
排出されるガスの排熱を利用することによって水蒸気を
生成させることで発電効率を向上させることができる。
【0039】図17も、本発明の第2の態様による電力
貯蔵システムの好ましい、より具体的な例を示すもので
ある。この態様においては、作動媒体として空気を用い
ることが特徴である。この態様においては、燃焼器21
中での燃焼ガスの一部に空気中の酸素を用いることによ
ってコストを低減することができる。
【0040】次に、本発明の第三の態様の電力貯蔵シス
テムを説明する。図18は、本発明の第三の態様によ
る、電力貯蔵システムを示すブロック図である。図18
(a)は電力需要が少ない場合の電力貯蔵システムを示
すものである。ガス化炉13から生成されるガスは、そ
のまま燃料として用いることができる。従って、そのま
ま燃料として発電装置14に供給されて電気エネルギを
得て、電力消費地2に送電することができる。このよう
な用途に利用できるガス化炉は、例えば石炭ガス化炉、
ごみガス化炉、および残渣油ガス化炉などがあるが、こ
れらの中で燃料供給量が安定しているという理由から石
炭ガス化炉が特に好ましい。
【0041】一方、これらのガス化炉からのガスの生成
量は通常、ほぼ一定であり、生成量を変化させることは
運転変更による発電効率低下などの問題によって困難で
あり、また生成量を変化させることができるとしても、
生成ガスの成分に変化が起こり、有害成分発生の原因と
もなり得るため、通常は一定の生成量となるように運転
されている。従って、電力需要が低い場合には、発電装
置14が必要とする生成ガスが少なく、生成ガスの余剰
が生じる。
【0042】ここで生成ガスは、水素、一酸化炭素、二
酸化炭素、およびその他の成分を含んでおり、これらの
成分から貯蔵可能、もしくは貯蔵容易な燃料を製造する
ことができる。このため、電力需要の少ない場合には、
燃料製造装置11において、余剰の生成ガスから燃料
(含水素燃料)を製造して燃料貯蔵庫12に貯蔵する。
製造される燃料は、含水素燃料、例えば、メタノール、
メタン、アンモニア、ギ酸、ギ酸メチル、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、およびジメチルエーテル、が好ましい。
また、製造される燃料が常温常圧で気体の場合、この燃
料気体を液化することが好ましい。これにより、貯蔵容
積を減少させることができる。燃料製造装置11におけ
る燃料製造方法は、前記した含水素燃料のいずれを選択
するかにより異なるが、メタノールを選択した場合を例
にとれば、下記のような式に従い製造される。 (1) CO+H2 O→CO2 + H2 (2) CO2 +Li2 ZrO3 →Li2 CO3 +ZrO2 (3) CO+2H2 →CH3 OH まず、水性シフト反応(1)により水素を発生させる。
この水素生成の反応を進行させるために、(2)の反応
により反応系中の二酸化炭素を減少させる。一方、
(1)による水素と生成ガス中の一酸化炭素とを(3)
式に従い反応させて、メタノールを製造することができ
る。このメタノールから、下記の式に従い、さらにジメ
チルエーテルを製造することもできる。 (4) CH3 OH→1/2(CH3 2 O+H2 O また、前記(1)および(2)の式にあわせ、下記
(5)式によりメタンを製造することもできる。 (5) CO+3H2 →CH4 +H2 O なお、この含水素燃料の製造にあたり、後述の含水素燃
料製造方法を用いることが好ましい。
【0043】図18(b)は電力需要が多い場合の電力
貯蔵システムを示すものである。電力需要の多い場合に
は、発電装置14に供給する燃料として、ガス化炉13
からの生成ガスの他に、電力需要が少ない場合に製造し
て貯蔵しておいた燃料(含水素燃料)を用いて、発電装
置14による電力供給量を上昇させる。
【0044】図19は、本発明の第三の態様において、
電力需要が少ない場合の、好ましい電力貯蔵システムの
一例を示すものである。ガス化炉13で生成されたガス
は、水素分離装置15と燃料製造装置11とに分配され
る。水素分離装置15は、生成ガスから水素を高濃度
で、例えば50〜100モル%で、含有する水素リッチ
ガス、好ましくは水素、を分離する。分離された水素リ
ッチガスは燃料製造装置11に供給され、一方、残りの
部分は、発電装置14に供給され、発電に利用される。
電力需要の少ない場合には、この水素リッチガスの一部
を使用した発電装置14での発電による電気エネルギで
需要がまかなわれる。水素分離装置15において分離さ
れた水素リッチガスは、燃料製造装置11に供給され
る。燃料製造装置11では、ガス化炉からの生成ガス
と、ガス分離装置15からの水素リッチガスとを原料と
して燃料(含水素燃料)を製造する。ここで製造される
燃料は図18(a)において説明したのと同様のもので
ある。また、燃料が常温常圧で気体の場合には、図18
(a)で説明したのと同様に、燃料を液化してもよい。
製造された燃料は、図18(a)と同様に燃料貯蔵庫1
2に貯蔵される。
【0045】また、電力需要が多い場合は、図18
(b)で説明したのと同様に、発電装置14に供給する
燃料として、ガス化炉13からの生成ガスの他に、電力
需要が少ない場合に製造して貯蔵しておいた燃料を使用
して、発電装置14による電力供給量を上昇させる。
【0046】図20も、本発明の第三の態様において、
電力需要が少ない場合の、好ましい電力貯蔵システムの
一例を示すものである。ガス化炉13で生成されたガス
は、発電装置14と燃料製造装置11とに分配される。
発電装置14で得られた電気エネルギは電力消費地2に
送電されるが、ここで余剰の電気エネルギは水分解装置
3に送電される。
【0047】水分解装置3は、発電装置14からの電気
エネルギを利用して、システム外部から供給される水
か、または発電装置14から排出される水を電気分解
し、水素(含水素燃料)を生成する。生成された水素は
燃料製造装置11に供給される。燃料製造装置11で
は、ガス化炉13から供給される生成ガスの一部と水分
解装置3から供給される水素とから燃料を製造し、この
燃料は液化されて燃料貯蔵庫12に貯蔵される。また、
発電装置14からの水と生成ガスとから、ガス化炉の排
熱を利用して水素を生成し、燃料製造装置11へ供給す
ることもできる。水素は、水分解装置3による熱化学的
分解によって生成されなくとも、ガス化炉13からの排
熱を利用した水性シフト反応により生成することもでき
る。
【0048】電力需要が多い場合は、図18(b)で説
明したのと同様に、発電装置14に供給する燃料とし
て、生成ガスの他に、電力需要が少ない場合に製造し、
液化して、貯蔵しておいた燃料を供給してもよい。生成
ガスと貯蔵された燃料とにより発電装置14による発電
によって電力供給量を上昇させることができる。
【0049】この本発明の第三の態様における電力貯蔵
システムは、別の発電所との連携が不要である。言い換
えれば、このシステムそのものを発電所として適用する
ことで、環境への負荷を抑えたまま、電力の需要に応じ
た電力を供給することが可能となる。
【0050】<発電システム>図21(a)、図21
(b)、図22(c)および図22(d)は、本発明の
第四の態様の電力貯蔵システムを示すブロック図であ
る。海水分解装置51は、海水中の水を、電気エネルギ
によって、水素と酸素とに分解する。ここで必要となる
電気エネルギの供給方法は任意であるが、具体的には、
太陽発電、水力発電、火力発電、地熱発電、原子力発
電、風力発電および燃料電池発電などが挙げられる。こ
れらの中で、太陽発電が環境に対する負荷が小さく、特
に好ましい。なお、ここで分解する海水に、後述する燃
料生成装置52、または二酸化炭素分離装置53で生成
される水を混合してもよい。また、分離された水素また
は酸素、特に酸素、は取り扱いと貯蔵が容易であり、そ
の冷熱が利用できるので液化することが好ましい。この
酸素の液化の際には、後述する液化した二酸化炭素の冷
熱を利用することができる。
【0051】海水分解装置51で生成された水素、およ
び、後述の二酸化炭素分離装置53で回収された二酸化
炭素は燃料生成装置52に供給される。燃料生成装置5
2はこれらの水素と二酸化炭素から第一の含水素燃料を
生成する。本発明でいう第一の含水素燃料とは、水素を
含んでなる化合物のことである。第1の含水素燃料は、
水素と炭素と酸素、または窒素からなるものが好まし
い。また、分解などの容易さから分子量が100までの
化合物が好ましい。具体的には、メタン、エタン、プロ
パン、メタノール、エタノール、アンモニア、ギ酸、ギ
酸メチル、酢酸、シクロペンタン、シクロヘキサン、ベ
ンゼン、ジメチルエーテル、およびその他が挙げられ
る。これらの中で、メタノール、メタン、アンモニア、
ギ酸、ギ酸メチル、シクロヘキサン、ベンゼン、および
ジメチルエーテルが好ましい。これらの中で、取り扱い
性の点からメタノールが特に好ましい。
【0052】このようにして燃料生成装置52で生成さ
れた燃料は、水を含んでいる。図21(b)に示すよう
に本発明のシステムは、必要に応じて、この燃料と水と
を分離する燃料分離装置55をさらに具備してもよい。
また、ここで分離された水は、水素および酸素の供給源
として、直接電気分解してもよく、また海水分解装置5
1に供給される海水に混合して、海水分解装置51に供
給することもできる。
【0053】燃料生成装置52で生成された燃料は、必
要に応じて水を分離したあと、発電装置54に供給され
る。発電装置54では、供給された燃料が改質または分
解されて第二の含水素燃料に変換される。変換された第
二の含水素燃料に含まれる水素は、海水分解装置51に
よって生成された酸素が供給され、反応して水となり、
その反応エネルギが電気エネルギとして取り出される。
また、水素は、海水分解装置51から直接供給されても
よい。
【0054】発電装置54において生成された水と二酸
化炭素とは、二酸化炭素分離装置53で分離され、分離
された二酸化炭素は燃料生成装置52に供給される。こ
のとき、図22(a)に示すように、発電装置54にお
いて生成された水を、さらなる水分解装置58に供給
し、水分解により得られた水素を燃料生成装置52へ、
酸素を発電装置54へ、それぞれ供給することもでき
る。また、図22(b)に示すように、海水分解装置5
1で得られた酸素、または二酸化炭素分離装置53で分
離された二酸化炭素は、取り扱いおよび貯蔵を容易とす
るために液化されて、酸素貯蔵庫59、または二酸化炭
素貯蔵庫57にそれぞれ貯蔵することもできる。またそ
の冷熱が利用できるので液化されることが好ましい。こ
のとき、液化した酸素または二酸化炭素の冷熱を利用す
ることができる。
【0055】図23は、第一の含水素燃料としてメタノ
ールを用いた場合の本発明の電力貯蔵システムの一例を
示す、より具体的なブロック図である。まず、海水分解
装置51において、水が水素と酸素とに分解される。分
解された酸素は発電装置54へ、水素は燃料生成装置5
2、および必要に応じて発電装置54へ、それぞれ供給
される。燃料生成装置52においては、海水分解装置5
1から供給された水素と、二酸化炭素分離装置53から
供給された二酸化炭素により、含水素燃料(図中にはメ
タノールの合成例が示してある)が製造される。製造さ
れた含水素燃料は発電装置54へと供給される。発電装
置54は、海水分解装置51から供給された酸素、およ
び必要に応じて水素、と、燃料生成装置52から供給さ
れた含水素燃料により発電を行う。その結果、水および
二酸化炭素が発生するが、これらは二酸化炭素分離装置
53に供給されて分離され、水は排水として系外に排出
され、二酸化炭素は燃料生成装置52に供給される。な
お、このシステムの運転にあたり、二酸化炭素(または
燃料)が最初に必要となるが、天然ガス田でメタンと同
時に産出する二酸化炭素を燃料生成装置に用いることが
好ましい。このような二酸化炭素は、従来、わずかな量
が回収されて化成品合成に用いられる程度しか活用され
ておらず、より有効に利用することができる。または従
来の火力発電所から回収された二酸化炭素を用いてもよ
い。
【0056】図24は、本発明の第四の態様の一例であ
る、天然ガスを利用した電力貯蔵システムを示すブロッ
ク図である。このシステムにおいては、最初に天然ガス
がシステムに導入される。導入された天然ガスは天然ガ
ス分離装置61でメタンと二酸化炭素に分離され、メタ
ンはメタン液化装置62に、二酸化炭素はメタン合成装
置63に供給される。メタン液化装置62で液化された
メタンは発電装置64に供給され、発電によって電気エ
ネルギが取り出される。発電装置64では、水と二酸化
炭素が生成され、これらは二酸化炭素分離装置65に供
給される。二酸化炭素分離装置65で、水と二酸化炭素
は分離され、二酸化炭素はメタン合成装置63(すなわ
ち燃料生成装置)に供給される。合成されたメタンはメ
タン液化装置62に供給され、サイクルが形成される。
一方、メタン合成装置63で生成された水素は水分解装
置66へ供給される。水分解装置64で水の分解により
得られた水素はメタン合成装置63へ供給され、メタン
の合成に使用される。
【0057】このように、本発明の第四の態様による電
力貯蔵システムにおいて、二酸化炭素(これは即ち燃料
の炭素源である)は実質閉鎖系の中にあり、二酸化炭素
を排出することはない。これにより環境に対する負荷を
低減することができる。
【0058】<海水分解装置>なお、本発明の第四の態
様による電力貯蔵システムにおいて、水または海水を分
解する際、電気分解装置を用いることができる。
【0059】海水を電気分解して水素を生成する装置の
例を図25〜27に示す。図25に示された装置は、海
水を淡水化してから電気分解する装置である。この装置
は、海水を淡水化するための装置として、淡水化装置2
51、純水装置252、ならびに陽極254を具備した
陽極室253と、陰極256を具備した陰極室257と
が陽イオン交換膜255(透過部)で隔てられており、
陽極254と陰極256とが外部回路258により接続
されている。
【0060】海水は、まず淡水化装置251中で、例え
ば逆浸透法で、淡水化され、次いで純水装置252中
で、例えばイオン交換樹脂処理により、純水化される。
純粋化された水は陽極室253に導入され、ここで水は
陽極では酸素が発生し、一方、水素イオンは陽イオン交
換膜255を通過して、陰極で水素が発生する。図26
および27に示された装置は、海水(塩水)を直接電気
分解する装置である。これらの装置は陽極室253と陰
極室257とがイオン交換膜261または隔膜271で
隔てられており、図26の装置は海水が陽極室から排水
として放出されるのに対して、図27の装置は海水が隔
膜271を通過して陰極室257から放出される点で異
なっている。これらはいずれも陽極で塩素が発生するも
のであり、工業的に塩素および水酸化ナトリウムを生成
させる装置として用いられているものである。
【0061】これらの装置は、いずれも本発明の電力貯
蔵システムに用いることのできるものであるが、本発明
のシステムにおいては塩素または水酸化ナトリウムが生
成しない方が都合がよい。本発明においては、環境に対
する負荷を低減することがひとつの目的であるため、こ
れらの装置を本発明の電力貯蔵システムに適用するため
には、塩素または水酸化ナトリウムが生成する場合には
これらを除去することが必要となり、または海水を淡水
化することが必要となるためである。
【0062】そこで、本発明の電力貯蔵システムに適用
するには、次の水素発生装置を用いることが好ましい。
【0063】このような海水(または水)を分解して水
素を発生させる装置281の模式図を図28(a)およ
び図28(b)に示す。
【0064】図28(a)の装置は、海水導入層(すな
わち陽極室)253、陽極254、電解質膜282、陰
極256、および生成水素層(すなわち陰極室)257
からなる。この陽極254および陰極256は多孔質の
ものであり、また電解質膜282は水素イオン選択透過
性の固体高分子電解質膜である。電極の素材としては、
例えば二酸化マンガンを用いることができる。
【0065】海水導入層253に導入された海水中の水
は、陽極254で水酸イオンと水素イオンとに分解され
る。生成した水酸イオンは陽極254中で電子を外部回
路258に放出し、酸素と水とに分解して、海水導入層
253を経て装置外に排出される。陽極254中で発生
した水素イオンは、水素イオン選択透過性の固体電解質
膜282を透過して陰極256に到達し、陰極257で
外部回路258から供給される電子と反応して水素を生
成する。この水素は生成水素層257を経て装置外の燃
料生成装置に供給される。
【0066】図28(b)の装置は、海水導入層25
3、陽極(図示せず)、陽イオン交換膜255、陰極
(図示せず)、生成水素層257からなる。陽極および
陰極は図28(a)に示したものと同様のものが用いる
ことができる。この装置においては、生成水素層に水溶
性の金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、が溶解し
た水が導入される。
【0067】海水導入層253に導入された海水中の水
は陽極で水酸イオンと水素イオンとに分解される。この
海水導入層253中には、海水に起因するナトリウムイ
オンと塩化物イオンも存在する。一方、生成水素層25
7中には、金属イオンが存在する。
【0068】この装置を外部回路258と接続すること
により、生成水素層257中の金属イオン(図中ではナ
トリウムイオン)は、陽イオン交換膜を通過して海水導
入層253に移動し、そこで塩化物イオン、および水酸
イオンと反応して、次亜塩素酸ナトリウムを生成する。
一方、生成水素層257では、水素イオンが外部回路2
58から供給される電子と反応して水素を生成する。
【0069】図28(b)の装置では、塩化物イオンが
有害な塩素ガスの形態でなく、有害性の低い次亜塩素酸
ナトリウムとして排出される点で好ましい。これらよう
な海水分解装置281を用いれば、海水から水素を直接
取り出すことができ、本発明の発電システムに有利であ
る。
【0070】本発明の電力貯蔵システムに用いる電気分
解装置(水素発生装置)は上記のようなものを用いるこ
とができるが、特に好ましいのは、本発明の水素発生装
置である、次のものを具備してなるものである。 (1)海水を電気分解したときに実質的に塩素を発生せ
ずに酸素を選択的に発生する陽極、(2)陽極室と陰極
室を隔離し、かつ実質的に水素イオンのみを選択的に透
過させる透過部、および(3)水素を発生する陰極。
【0071】まず、本発明の水素発生装置に用いること
のできる陽極は、海水を電気分解したときに実質的に塩
素を発生せずに酸素を選択的に発生するものである。こ
のような電極は、酸素発生電極とも呼ばれ、二酸化マン
ガン系触媒を含んでなる電極が代表的なものである。そ
して、海水を電気分解したときに実質的に塩素を発生し
ない電極とは、海水相当の食塩水を電気分解したとき
に、発生する酸素と塩素のモル比が酸素90%以上、好
ましくは酸素99%以上、のものをいう。
【0072】陽極基体には、水素発生装置の運転条件下
で電解質中へ溶出しないものが好ましく、具体的にはチ
タン、白金メッキチタン、およびその他が用いられる。
しかし、これらの基体単体では、塩素の発生を防ぐこと
が困難なので、通常、触媒を組み合わせたものが用いら
れる。触媒には二酸化マンガンを含んでなるものが用い
られることが多く、具体的には基体、例えばチタン、に
酸化マンガンを主に酸化タングステンまたは酸化モリブ
デンを混入した導電性被覆を施したもの(特開平9−2
56181号公報)、基体の表面に酸化ルテニウムまた
は酸化イリジウムの被覆を施し、その上に酸化マンガン
の被覆を施したもの(特公平7−53516号公報)、
およびその他に記載されているものから選択することが
できる。特に、チタン多孔体に二酸化イリジウム層を熱
分解により形成させ、さらに二酸化マンガンを含有する
酸化物を電着したものを用いることが好ましい。このよ
うな陽極に酸化物粉末、例えば電解二酸化マンガン、と
イオン交換膜溶液の混合物を塗布して陽極触媒層とし
て、後述する膜の支持体とすることも、陽極と膜との接
触抵抗を低減させることができるので好ましい。
【0073】陽極室と陰極室を隔離し、かつ実質的に水
素イオンのみを透過させる膜(透過部)は、水素イオン
選択透過膜とも呼ばれる。このような膜は、例えば陽イ
オン交換膜と陰イオン交換膜をラミネートする、陽イオ
ン交換膜の片面に陰イオン交換体の膜を形成させる、陰
イオン交換膜の片面に陽イオン交換体の膜を形成させ
る、およびその他の方法で製造することができる。
【0074】陰極には水素を発生させることのできるも
のであれば任意のものを用いることができるが、水素発
生装置の運転条件下で電解質中へ溶出しないものが好ま
しい。具体的にはチタン、白金黒、白金メッキチタン、
パラジウム、パラジウム合金、およびその他が用いられ
る。これらのうち、パラジウムまたはパラジウム合金の
薄膜は、陰極として用いると陰極室への水の滲み出しを
防ぐことができるので好ましい。
【0075】これらの電極および膜を具備してなる海水
分解装置を図29および30に示す。図29には、陽極
室253、塩素を実質的に発生しない陽極291、水素
イオン選択透過膜292、水素発生電極293、および
陰極室257を具備してなる水素発生装置が示されてい
る。基本的な水素発生のメカニズムは前記した図28の
装置と同様であるが、陽極室に生じる水素イオン以外の
イオンは水素イオン選択透過膜292により陽極室に閉
じこめられ、陽極からは酸素のみが生成する。一方、陽
極室253で発生した水素イオンは水素イオン選択透過
膜292を通過して陰極室257で水素となる。
【0076】図29に示した水海水分解装置は、水素イ
オン選択透過膜を具備したものであるが、この装置で実
際に海水を電気分解すると、塩化ナトリウム以外の成分
に起因する成分、例えばマグネシウムイオン、カルシウ
ムイオン、硫酸イオン、およびその他が存在するために
水素イオン選択透過膜の劣化が進行しやすい。これを防
ぐために、水素イオン選択透過膜292の陽極側に一価
陽イオン選択透過膜を設けることが好ましい。この一価
陽イオン選択透過膜を具備してなる水素発生装置を図3
0に示す。図30の装置では、海水中に含まれる一価陽
イオン以外のイオンは一価陽イオン選択透過膜301に
より水素イオン選択透過膜292に到達することができ
ないため、水素イオン選択透過膜292の機能を長期間
保持することができる。
【0077】これらの装置を用いれば、環境に対して負
荷の大きい塩素や水酸化ナトリウムなどの塩基性物質が
発生させずに海水を電気分解して水素を得ることができ
る。
【0078】<含水素燃料製造装置>本発明の電力貯蔵
システムにおいては、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、
または酸素を原料として、含水素燃料が製造される。そ
の合成反応の反応式は前記したとおりであるが、一般的
には、100〜300℃、30〜100気圧の条件下
で、気体状態の原料を触媒を含んだ懸濁液と接触させる
ことにより反応させるものである。その反応を行う装置
として、図31および図32に示すものを用いることが
できる。
【0079】図31において、反応器71の上部に設け
られた噴霧部72から、触媒を含んだ懸濁液75を噴霧
する。一方、反応器71の下部76から原料ガス、具体
的には、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、および酸素か
らなる群から選ばれる少なくとも2種類の混合ガス、を
供給する。噴霧された触媒液75は、原料ガスと接触
し、化学反応によって含水素燃料ガスを生成する。生成
した含水素燃料ガスは反応器71の上部から抜き出され
る。
【0080】一方、反応器71の下部に堆積した触媒液
は循環ポンプ73により噴霧部72に再び送られる。こ
の触媒液75は反応熱により温度が高くなっているが、
ポンプにより循環させられる途中、熱交換機74により
冷却される。冷却剤としては、安価で取り扱いが容易な
水を用いる。また、図32の装置は、触媒液75の噴霧
部72が反応器71の下部に設けられており、触媒液7
5が吹き上げるように噴霧される。このように噴霧を行
うことで、噴霧された液滴の反応器71中での滞留時間
があげることができ、触媒量を減少させることができ
る。
【0081】このような装置を用いることで、触媒を含
んだ懸濁液75と原料ガスとの接触面積を増大させるこ
とができる。また、効率よい熱交換により、反応熱によ
る温度上昇をおさえることが可能である。図26に記載
した反応器71を用いて、実際に試験を行ったところ、
250℃/100気圧の条件で、水素3、二酸化炭素1
の割合で混合した原料ガスを空間速度5000/hで供
給したとき、20%の二酸化炭素が転換された。このと
き、反応器71内の温度分布は10℃以内であった。ま
た、図31に記載した反応器71を用いた場合には、触
媒量を30%減少させても図32に記載された反応器と
同様の転換率が達成された。
【0082】なお、原料ガスは反応器71中の触媒液と
接触して化学反応すればよく、原料ガスを反応器71中
に供給する供給部は、反応器71の下部に貯まった触媒
液75中に設けられもよい。
【0083】本発明の第五の態様である電力貯蔵システ
ムの実施態様は図33〜35に示すとおりである。
【0084】図33の実施態様では、石炭を太陽熱ガス
化炉331内に太陽エネルギを、例えば太陽光を集光す
ることで取り込み、発生する熱によって吸熱反応である
下記の反応(6)および(7)によりガス化させる。 (6)C+H2O→CO+H2 (7)CO+CO2→2CO
【0085】また、太陽熱改質器332でメタンを太陽
エネルギにより発生する熱を利用して吸熱反応である下
記反応(8)〜(10)により改質させる。 (8)CH4+H2O→CO+3H2 (9)CH4+2H2O→CO2+4H2 (10)CH4+CO2→2CO+2H2
【0086】太陽熱ガス化炉331から得られたガス化
ガス(生成ガス)および太陽熱改質器332から得られ
た改質ガス(生成ガス)を燃料製造装置333の供給す
る。燃料製造装置333に供給された生成ガスは下記の
反応(11)〜(15)により含水素燃料に変換され
る。 (11)CO+2H2→ CH3OH (12)CO2+3H2→CH3OH+H2O (13)3CO+3H2→(CH32O+CO2 (14)2CO+4H2→(CH32O+H2O (15)2CO2+6H2→(CH32O+3H2
【0087】このとき太陽熱が合成された含水素燃料の
化学エネルギの一部として固定(変換)される。燃料製
造装置333で合成された含水素燃料は発電装置334
で燃料として使用されてエネルギが取り出される。
【0088】なお、太陽熱ガス化炉331および/また
は太陽熱改質器332と燃料製造装置333との間に生
成ガスの貯蔵設備を設けてもよい。また発電装置334
で含水素燃料を改質または分解してから発電に用いても
よい。また、発電装置334から二酸化炭素または水を
回収して再利用してもよい。
【0089】本実施態様により太陽エネルギを化学エネ
ルギとして固定した合成燃料が得られる。この結果、直
接メタンまたは石炭を発電に用いるよりも発電時の二酸
化炭素の排出量を低減させることができる。
【0090】図34の実施態様では、石炭が太陽熱ガス
化炉331で太陽熱により吸熱反応である下記の反応
(16)〜(18)によりガス化される。 (16)C+H2O→CO+H2 (17)CO+CO2→2CO (18)CO2+H2→CO+H2O また太陽熱水素製造装置335で水素を製造する。
【0091】太陽熱ガス化炉331から得られたガス化
ガス(生成ガス)および太陽熱水素製造装置335から
得られた水素を燃料製造装置333に供給する。燃料製
造装置333に供給されたガスは下記の反応(19)〜
(23)により含水素燃料に変換される。 (19)CO+2H2→ CH3OH (20)CO2+3H2→CH3OH+H2O (21)3CO+3H2→(CH32O+CO2 (22)2CO+4H2→(CH32O+H2O (23)2CO2+6H2→(CH32O+3H2
【0092】このとき太陽エネルギが合成された含水素
燃料の化学エネルギの一部として固定(変換)される。
燃料製造装置333で合成された含水素燃料は発電装置
334で燃料として使用され、エネルギが取り出され
る。
【0093】なお、太陽熱ガス化炉331および/また
は太陽熱水素製造装置335と燃料製造装置333との
間に生成ガスの貯蔵設備を設けてもよい。さらに、燃料
製造装置333と発電装置334との間に燃料貯蔵設備
を設けてもよい。また発電装置334で含水素燃料を改
質または分解してから発電に用いてもよい。太陽熱改質
器332を併用してもよい。また、発電装置334から
二酸化炭素または水を回収して再利用してもよい。
【0094】本実施態様により太陽エネルギを化学エネ
ルギとして固定した合成燃料が得られる。この結果、直
接石炭を発電に用いるよりも発電時の二酸化炭素の排出
量を低減させることができる。さらに太陽エネルギで得
られた水素を用いることにより燃料合成時の二酸化炭素
の放出も無くすことができる。
【0095】図35の実施態様では、太陽熱水素製造装
置335から太陽エネルギにより発生する熱による分解
反応で得られた水素と、二酸化炭素分離装置336から
回収された二酸化炭素とを燃料製造装置333に供給す
る。燃料製造装置333に供給されたガスは、下記の反
応(24)〜(28)により含水素燃料に変換される。 (24)CO+2H2→ CH3OH (25)CO2+3H2→CH3OH+H2O (26)3CO+3H2→(CH32O+CO2 (27)2CO+4H2→(CH32O+H2O (28)2CO2+6H2→(CH32O+3H2
【0096】このとき太陽エネルギが合成された含水素
燃料の化学エネルギの一部として固定される。燃料製造
装置333で合成された含水素燃料は発電装置334で
燃料として使用されエネルギが取り出される。発電装置
334からの排出ガスは二酸化炭素分離装置336に供
給され、二酸化炭素が分離される。ここで二酸化炭素分
離は、少なくとも二酸化炭素が分離できればよく、例え
ば膜分離、化学吸着、物理吸着、酸素燃焼、気水分離、
または二酸化炭素冷凍液化のいずれか、またはそれらの
組合せであっても構わない。
【0097】なお、太陽熱水素製造装置335と燃料製
造装置333との間に生成水素の貯蔵設備を設けてもよ
い。さらに、燃料製造装置333と発電装置334との
間に燃料貯蔵設備を設けてもよい。また発電装置334
で含水素燃料を改質または分解してから発電に用いても
よい。また、二酸化炭素分離装置336で水を回収して
太陽熱水素製造装置に供給してもよい。
【0098】本実施態様により太陽エネルギを化学エネ
ルギとして固定した合成燃料が得られる。かつ、二酸化
炭素は循環して再使用されるので環境への二酸化炭素の
放出も無くすことができる。
【0099】なお、電力消費地における電力需要が少な
いときであっても、発電所の発電量が多くて余剰電力が
あるときは、余剰電力を用いて、例えば水分解装置を作
動させて水素または含水素燃料を生成し、貯蔵すること
はもちろんのこと、電力消費地における電力需要が多い
ときであっても、発電所の発電量が多くて余剰電力があ
るときには、その余剰電力を用いて、例えば水分解装置
を作動させて水素または含水素燃料を生成し、貯蔵する
ことができる。
【0100】また、電力消費地における電力需要が多い
ときであって、発電所の発電量が少なくて余剰電力がな
い、あるいはすくないときには、例えば補助発電装置を
作動させて電力を生成し、電力消費地に供給することは
もちろんのこと、電力消費地における電力需要が少ない
ときであっても、発電所の発電量が少なくて余剰電力が
ない、あるいはすくないときは、例えば補助発電装置を
作動させて電力を生成し、電力消費地に供給することが
できる。
【0101】なお、エネルギを生成する手段によって生
成されるエネルギは、水分解装置や補助発電装置などを
動作させることができれば、鉄工所などの各種工場内で
使用されるエネルギであっても、各種工場内で生成され
るエネルギであっても構わない。その際には、工場内の
エネルギは、工場内において余剰エネルギであっても、
なくてもよい。
【0102】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、環境に対する負荷、例えば二酸化炭素の放出、を抑
えながら需要に見合った電力を供給することができ、ま
た、余剰の電力を燃料の形で貯蔵することができる。ま
た、本発明の海水分解装置装置によれば、環境に有害な
副生成物を生成しないで水素を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の態様による電力貯蔵システムの
ブロック図。
【図2】本発明の第一の態様による電力貯蔵システムの
ブロック図。
【図3】本発明の第二の態様による電力貯蔵システムの
ブロック図。
【図4】本発明の第二の態様による電力貯蔵システムの
ブロック図。
【図5】本発明の第二の態様による電力貯蔵システム
(電力需要の少ない場合)のブロック図。
【図6】本発明の第二の態様による電力貯蔵システム
(電力需要の多い場合)のブロック図。
【図7】本発明の第二の態様による電力貯蔵システム
(電力需要の少ない場合)のブロック図。
【図8】本発明の第二の態様による電力貯蔵システム
(電力需要の多い場合)のブロック図。
【図9】本発明の第二の態様による電力貯蔵システム
(電力需要の少ない場合)のブロック図。
【図10】本発明の第二の態様による電力貯蔵システム
(電力需要の多い場合)のブロック図。
【図11】本発明の第二の態様による電力貯蔵システム
(電力需要の少ない場合)のブロック図。
【図12】本発明の第二の態様による電力貯蔵システム
(電力需要の多い場合)のブロック図。
【図13】本発明の第二の態様による電力貯蔵システム
(電力需要の少ない場合)のブロック図。
【図14】本発明の第二の態様による電力貯蔵システム
(電力需要の多い場合)のブロック図。
【図15】本発明の第二の態様による電力貯蔵システム
(電力需要の少ない場合)のブロック図。
【図16】本発明の第二の態様による電力貯蔵システム
(電力需要の多い場合)のブロック図。
【図17】本発明の第二の態様による電力貯蔵システム
のブロック図。
【図18】本発明の第三の態様による電力貯蔵システム
のブロック図。
【図19】本発明の第三の態様による電力貯蔵システム
のブロック図。
【図20】本発明の第三の態様による電力貯蔵システム
のブロック図。
【図21】本発明の第四の態様による二酸化炭素循環型
発電システムのブロック図。
【図22】本発明の第四の態様による二酸化炭素循環型
発電システムのブロック図。
【図23】本発明の第四の態様による二酸化炭素循環型
発電システムのブロック図。
【図24】本発明の第四の態様による二酸化炭素循環型
発電システムのブロック図。
【図25】本発明の第四の態様による二酸化炭素循環型
発電システムに用いることのできる海水分解装置の模式
図。
【図26】本発明の第四の態様による二酸化炭素循環型
発電システムに用いることのできる海水分解装置の模式
図。
【図27】本発明の第四の態様による二酸化炭素循環型
発電システムに用いることのできる海水分解装置の模式
図。
【図28】本発明の海水分解装置の模式図。
【図29】本発明の海水分解装置の模式図。
【図30】本発明の第四の態様による二酸化炭素循環型
発電システムに用いることのできる海水分解装置の模式
図。
【図31】本発明の第二、第三または第四の態様に用い
ることのできる、含水素燃料製造装置の模式図。
【図32】本発明の第二、第三または第四の態様に用い
ることのできる、含水素燃料製造装置の模式図。
【図33】本発明の第五の態様による電力貯蔵システム
システムのブロック図。
【図34】本発明の第五の態様による電力貯蔵システム
システムのブロック図。
【図35】本発明の第五の態様による電力貯蔵システム
システムのブロック図。
【符号の説明】
1 発電所(エネルギを生成する手段) 3 水分解装置 6 補助発電装置 11 燃料製造装置 13 ガス化炉 14 発電装置 253 陽極室 254 陽極 255 イオン交換膜 256 陰極 257 陰極室 282 電解質膜 291 酸素発生電極 292 水素イオン選択透過膜 293 水素発生電極 301 一価陽イオン選択透過膜 331 太陽熱ガス化炉 332 太陽熱改質器 333 燃料製造装置 334 発電装置 335 太陽熱水素製造装置 336 二酸化炭素分離装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村 田 圭 治 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中 垣 隆 雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 佐々木 雅 國 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 福 田 雅 文 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エネルギを生成する手段から得られるエネ
    ルギにより水を分解して、水素と酸素とを生成する水分
    解装置と、 生成された水素を燃料として発電を行う補助発電装置と
    を有する電力貯蔵システムであって、電力需要の少ない
    ときには前記エネルギを生成する手段のエネルギにより
    水分解装置を作動させて生成される水素を貯蔵し、電力
    需要の多いときには前記エネルギを生成する手段と共
    に、その水素を燃料として前記補助発電装置を作動させ
    て発電を行うことを特徴とする電力貯蔵システム。
  2. 【請求項2】エネルギを生成する手段から得られるエネ
    ルギにより水を分解して、水素と酸素とを生成する水分
    解装置と、 生成された水素から含水素燃料を製造する燃料製造装置
    と、 製造された含水素燃料を燃料として発電を行う補助発電
    装置とを有する電力貯蔵システムであって、電力需要の
    少ないときには前記エネルギを生成する手段のエネルギ
    により前記水分解装置および前記燃料製造装置を作動さ
    せて、生成される含水素燃料を貯蔵し、電力需要の多い
    ときには前記エネルギを生成する手段と共に、その含水
    素燃料を燃料として前記補助発電装置を作動させて発電
    を行うことを特徴とする電力貯蔵システム。
  3. 【請求項3】ガス化炉と、 前記ガス化炉から生成される生成ガスから含水素燃料を
    製造する燃料製造装置と、 製造された含水素燃料を燃料として発電を行う発電装置
    とを有する電力貯蔵システムであって、電力需要の少な
    いときには前記ガス化炉によって生成される生成ガスか
    ら製造される含水素燃料を貯蔵し、電力需要の多いとき
    にはその含水素燃料を燃料として前記発電装置を作動さ
    せて発電を行うことを特徴とする電力貯蔵システム。
  4. 【請求項4】水分解により生成された水素または酸素の
    うち少なくともどちらか一方を液化する装置と、液化さ
    れた酸素または水素を貯蔵する貯蔵庫とを具備すること
    を特徴とする、請求項1に記載の電力貯蔵システム。
  5. 【請求項5】水分解により生成された酸素、または前記
    燃料製造装置により製造された含水素燃料のうち少なく
    ともどちらか一方を液化する装置と、液化された酸素ま
    たは含水素燃料を貯蔵する貯蔵庫とを具備することを特
    徴とする、請求項2に記載の電力貯蔵システム。
  6. 【請求項6】前記補助発電装置から排出される水を前記
    水分解装置に供給することを特徴とする、請求項1に記
    載の電力貯蔵システム。
  7. 【請求項7】前記補助発電装置から排出される水を前記
    水分解装置に供給することを特徴とする、請求項2に記
    載の電力貯蔵システム。
  8. 【請求項8】前記エネルギを生成する手段からの発電量
    を一定に保ち、電力の需要に応じて前記補助発電装置の
    発電出力を制御する制御装置を有することを特徴とす
    る、請求項1に記載の電力貯蔵システム。
  9. 【請求項9】前記エネルギを生成する手段からの発電量
    を一定に保ち、電力の需要に応じて前記補助発電装置の
    発電出力を制御する制御装置を有することを特徴とす
    る、請求項2に記載の電力貯蔵システム。
  10. 【請求項10】前記補助発電装置から排出される二酸化
    炭素および水から、二酸化炭素を分離し回収する装置を
    具備することを特徴とする、請求項2に記載の電力貯蔵
    システム。
  11. 【請求項11】分離回収された二酸化炭素を液化する装
    置と、液化された二酸化炭素を貯蔵する貯蔵庫とを具備
    することを特徴とする請求項10に記載の電力貯蔵シス
    テム。
  12. 【請求項12】分離回収された二酸化炭素を前記燃料製
    造装置に供給することを特徴とする請求項10に記載の
    電力貯蔵システム。
  13. 【請求項13】前記補助発電装置から排出される排熱を
    もって、前記エネルギを生成する手段の作動流体の加熱
    を行う排熱回収装置を具備することを特徴とする請求項
    1に記載の電力貯蔵システム。
  14. 【請求項14】前記補助発電装置から排出される排熱を
    もって、前記エネルギを生成する手段の作動流体の加熱
    を行う排熱回収装置を具備することを特徴とする請求項
    2に記載の電力貯蔵システム。
  15. 【請求項15】製造された含水素燃料を液化する装置
    と、液化された含水素燃料を貯蔵する貯蔵庫とを具備す
    ることを特徴とする請求項3に記載の電力貯蔵システ
    ム。
  16. 【請求項16】前記ガス化炉で生成された生成ガスから
    水素を分離する水素分離装置を具備し、分離された水素
    を前記燃料製造装置に供給することを特徴とする請求項
    3に記載の電力貯蔵システム。
  17. 【請求項17】前記発電装置から排出される水を電気分
    解し、分解して生成される水素を前記燃料製造装置に供
    給する水分解装置を具備することを特徴とする、請求項
    3に記載の電力貯蔵システム。
  18. 【請求項18】海水を分解する海水分解装置と、 前記海水分解装置によって生成された水素と、二酸化炭
    素とから第一の含水素燃料を生成する燃料生成装置と、 この第一の含水素燃料を改質または分解して生成される
    第二の含水素燃料を燃料として発電を行う発電装置と、 前記発電装置によって生成された二酸化炭素と水とを分
    離し、この二酸化炭素を前記燃料生成装置に供給する二
    酸化炭素分離装置とを有することを特徴とする電力貯蔵
    システム。
  19. 【請求項19】前記二酸化炭素分離装置で分離された水
    を水素および酸素に分解し、この水素を前記燃料生成装
    置に、この酸素を前記発電装置に、供給することを特徴
    とする請求項18に記載の電力貯蔵システム。
  20. 【請求項20】前記燃料生成装置から生成された第一の
    含水素燃料と水とを分離する燃料分離装置を具備するこ
    とを特徴とする請求項18に記載の電力貯蔵システム。
  21. 【請求項21】前記燃料生成装置により生成された第一
    の含水素燃料が貯蔵される貯蔵庫を具備することを特徴
    とする、請求項18に記載の電力貯蔵システム。
  22. 【請求項22】前記海水分解装置で得られた酸素を液化
    する装置と、液化された酸素を貯蔵する貯蔵庫とを具備
    することを特徴とする請求項18に記載の電力貯蔵シス
    テム。
  23. 【請求項23】前記二酸化炭素分離装置で分離された二
    酸化炭素を液化する装置と、液化された二酸化炭素を貯
    蔵する貯蔵庫とを具備することを特徴とする、請求項1
    8に記載の電力貯蔵システム。
  24. 【請求項24】下記の部材を具備してなることを特徴と
    する海水分解装置。 (1)海水を電気分解したときに実質的に塩素を発生せ
    ずに酸素を選択的に発生する陽極、(2)陽極室と陰極
    室を隔離し、かつ実質的に水素イオンのみを選択的に透
    過させる透過部、および(3)水素を発生する陰極。
  25. 【請求項25】水素イオンのみを選択的に透過させる透
    過部の陽極側に、実質的に一価陽イオンのみを透過させ
    る膜をさらに具備してなる、請求項24に記載の海水分
    解装置。
  26. 【請求項26】太陽熱で含炭素化合物をガス化させる太
    陽熱ガス化炉と、 前記太陽熱ガス化炉で生成させたガス化ガスから含水素
    燃料を生成させる燃料製造装置と、 前記含水素燃料を燃料として発電を行う発電装置と、を
    有することを特徴とする電力貯蔵システム。
  27. 【請求項27】太陽熱で含水素化合物を改質させる太陽
    熱改質器と、 前記太陽熱改質器で生成させた改質ガスから含水素燃料
    を生成させる燃料製造装置と、 前記含水素燃料を燃料として発電を行う発電装置と、を
    有することを特徴とする電力貯蔵システム。
  28. 【請求項28】太陽熱で含炭素化合物をガス化させる太
    陽熱ガス化炉と、 太陽熱で含水素化合物を改質させる太陽熱改質器と、 前記太陽熱ガス化炉で生成させたガス化ガスおよび前記
    太陽熱改質器で生成させた改質ガスから含水素燃料を生
    成させる燃料製造装置と、 前記含水素燃料を燃料として発電を行う発電装置と、を
    有することを特徴とする電力貯蔵システム。
  29. 【請求項29】太陽熱で水から水素を製造する太陽熱水
    素製造装置を具備し、前記太陽熱水素製造装置で生成さ
    せた水素を前記燃料製造装置に供給する、請求項26〜
    28のいずれか1項に記載の電力貯蔵システム。
  30. 【請求項30】前記発電装置によって生成された二酸化
    炭素を分離する二酸化炭素分離装置をさらに有する、請
    求項26〜29のいずれか1項に記載の電力貯蔵システ
    ム。
  31. 【請求項31】前記二酸化炭素分離装置で分離された二
    酸化炭素を前記太陽熱ガス化炉または前記太陽熱改質器
    または前記燃料製造装置に供給する、請求項30に記載
    の電力貯蔵システム。
  32. 【請求項32】太陽熱で水から水素を製造する太陽熱水
    素製造装置と、 前記太陽熱水素製造装置によって生成された水素と、二
    酸化炭素とから含水素燃料を生成させる燃料製造装置
    と、 前記含水素燃料を燃料として発電を行う発電装置と、 前記発電装置によって生成された二酸化炭素を分離し、
    この二酸化炭素を前記燃料製造装置に供給する二酸化炭
    素分離装置と、を有することを特徴とする電力貯蔵シス
    テム。
  33. 【請求項33】前記二酸化炭素分離装置で分離された水
    を前記太陽熱水素製造装置に供給する、請求項32に記
    載の電力貯蔵システム。
  34. 【請求項34】前記発電装置で前記含水素燃料を改質ま
    たは分解してから発電を行う、請求項29から33のい
    ずれか1項に記載の電力貯蔵システム。
  35. 【請求項35】前記太陽熱水素製造装置で生成された酸
    素を前記発電装置に供給する、請求項29〜34のいず
    れか1項に記載の電力貯蔵システム。
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