JPH1145502A - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数の増大やコスト高を回避しながら、
光記録媒体の偏重心による異常信号を的確に検出するこ
とができる対物レンズ駆動装置を得る。 【解決手段】 光記録媒体を回転駆動する媒体回転駆動
手段、対物レンズを保持したレンズホルダ、回転駆動さ
れる光記録媒体に対しレンズホルダをトラッキング方
向、フォーカシング方向に駆動するトラッキング方向駆
動手段１４およびフォーカシング方向駆動手段１２、回
転駆動される光記録媒体で反射され対物レンズを通過し
た光を受光して再生信号を出力する光検出素子１１を有
し、トラッキング方向駆動手段１４に入力するトラッキ
ング制御信号ｆとフォーカシング方向駆動手段１２に入
力するフォーカシング制御信号ｅがともに所定の値より
も大きいとき、光記録媒体が異常振動を伴って回転して
いるものと判断する判断手段３０を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ＣＤ（コンパクト
・ディスク）、ＤＶＤ（デジタル・バーサタイル・ディ
スク）等の光記録媒体、特にＣＤ−ＲＯＭ（コンパクト
ディスクを利用した読み出し専用メモリ）の再生に適し
た対物レンズ駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＣＤやＤＶＤはもともと音声信号や画像
信号をデジタル情報信号に変換して記録したものである
が、記憶容量が大容量であることから、情報信号の記録
媒体としても利用されている。例えば、すでにＣＤ−Ｒ
ＯＭ、ＣＤ−Ｒ、ＣＤ−ＲＷなどとして利用されてお
り、また、ＤＶＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ−Ｒ、ＤＶＤ−ＲＷ
などとしての展開が予定されている。これらＣＤ−ＲＯ
Ｍ、ＤＶＤ−ＲＯＭなどのドライブ装置は、一般にコン
ピュータに内蔵され、あるいは外付けされるが、情報信
号のサーチ速度、読み出し速度を速めるために、１２倍
速、２０倍速、２４倍速、……、というように光記録媒
体であるディスクの回転速度を速める傾向にある。

【０００３】ところが、ディスクの回転速度を速める
と、比較的低速回転では問題にならなかった偏重心によ
る振動が問題となり始めた。偏重心とはディスクの重心
位置が回転中心からずれていることをいう。偏重心のあ
るディスクを回転駆動すると、ディスクの回転中心から
ずれた位置に重りを取付けて回転駆動するのと同じ状態
となり、振動の原因となる。ディスクは規格化されてお
り、偏重心についても所定の規格内に入っていることが
要求される。しかし、規格から外れたディスクも流通し
ていて、このディスクを回転駆動すると振動を発生す
る。また、規格内の僅かな偏重心であったとしても、今
日のようにディスク回転速度が高速化されると、遠心力
は回転速度の２乗に比例して増大するため、これまでの
低速回転駆動では極微小な振動しか発生していなかった
ものが、高速回転駆動によって大きな振動が発生するよ
うになってきた。大きな振動が発生すると、騒音を発生
し、また、駆動力の損失や摩擦などによって熱を発生す
ると共に、ディスク駆動装置がコンピュータに内蔵され
ていると、その振動が周辺のハードディスクドライブ装
置などに伝わり、ハードディスクドライブ装置などを壊
すおそれがある。

【０００４】そこで、たとえばＣＤ−ＲＯＭドライブ装
置では、振動検出手段を設け、振動レベルが一定以上に
なると回転速度を落とすというような対策をとってい
る。例えば、１２倍速のＣＤ−ＲＯＭドライブ装置であ
れば、速度を４倍速まで落とすというような対策をとっ
ている。

【０００５】上記振動検出手段の従来例として、加速度
センサなどからなる振動センサをディスクドライブ装置
に取り付けて検出するもの、光ピックアップによって得
られるディスクの再生信号の品質を観測するものがあ
る。後者は、光ピックアップによって再生された信号の
誤り訂正符号を参照し、再生信号の誤りを検出して誤り
の頻度から再生信号の品質を観測するものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記振動センサを用い
た振動検出手段によれば、センサおよび検出回路を設け
る必要があって部品点数が増え、コスト高になる難点が
ある。上記光ピックアップによるディスク再生信号の品
質を観測するものによれば、ディスクドライブ装置がも
ともと有している光ピックアップと回路とを利用するこ
とができるため、部品点数の増大やコスト高を回避する
ことができるが、トラッキング性能、フォーカシング性
能が高い光ピックアップの場合は、偏重心によって比較
的大きな振動を発生するディスクの場合でも、光ピック
アップがトラッキングずれ、フォーカシングずれに迅速
に対応して、ディスクに記録されている信号を誤りなく
再生して再生エラー信号が出力されず、振動の発生を検
出することができないことがある。また、再生信号の誤
りを検出して誤りの頻度から再生信号の品質を観測する
ものであるため、振動の発生をリアルタイムで検出する
ことができないという難点がある。

【０００７】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み
てなされたもので、部品点数の増大やコスト高を回避し
ながら、光記録媒体の偏重心による異常信号を的確に検
出することができる対物レンズ駆動装置を提供すること
を目的とする。

【０００８】また、光記録媒体には、偏重心とは異なる
偏心や光記録媒体面の反りあるいは傾きなどがある。偏
心は回転中心と円を描く記録トラックの上記円の中心と
がずれていることをいう。光記録媒体に偏心があって
も、これを回転駆動すると回転中心位置から記録トラッ
クまでの距離が変動しながら回転するだけで、振動は発
生しない。光ピックアップは、トラッキング制御によ
り、回転中心位置から記録トラックまでの距離の変動に
追随しようとする。また、光記録媒体面に反りあるいは
傾きなどがあっても、これを回転駆動したとき光記録媒
体は反りあるいは傾きを保ったまま回転するだけで、振
動は発生しない。光ピックアップは、フォーカシング制
御により、光記録媒体の記録トラックから対物レンズま
での距離を一定に保とうとする。

【０００９】そこで本発明の他の目的は、光記録媒体の
偏重心による異常信号を、光記録媒体の偏心や光記録媒
体面の反りあるいは傾きなどに基づく異常信号から的確
に区別して検出することができる対物レンズ駆動装置を
提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
光記録媒体を回転駆動する媒体回転駆動手段、対物レン
ズを保持したレンズホルダ、媒体回転駆動手段で回転駆
動される光記録媒体に対しレンズホルダをトラッキング
方向およびフォーカシング方向に駆動するトラッキング
方向駆動手段およびフォーカシング方向駆動手段、媒体
回転駆動手段で回転駆動される光記録媒体で反射され対
物レンズを通過した光を受光して再生信号を出力する光
検出素子を有してなる対物レンズ駆動装置において、ト
ラッキング方向駆動手段の制御信号またはフォーカシン
グ方向駆動手段の制御信号の何れかが所定の値よりも大
きいとき、光記録媒体が異常振動を伴って回転している
ものと判断する判断手段を有していることを特徴とす
る。

【００１１】請求項２記載の発明は、光記録媒体を回転
駆動する媒体回転駆動手段、対物レンズを保持したレン
ズホルダ、媒体回転駆動手段で回転駆動される光記録媒
体に対しレンズホルダをトラッキング方向およびフォー
カシング方向に駆動するトラッキング方向駆動手段およ
びフォーカシング方向駆動手段、媒体回転駆動手段で回
転駆動される光記録媒体で反射され対物レンズを通過し
た光を受光して再生信号を出力する光検出素子を有して
なる対物レンズ駆動装置において、トラッキング方向駆
動手段に入力するトラッキング制御信号とフォーカシン
グ方向駆動手段に入力するフォーカシング制御信号がと
もに所定の値よりも大きいとき、光記録媒体が異常振動
を伴って回転しているものと判断する判断手段を有して
いることを特徴とする。上記判断手段は、請求項３記載
の発明のように、トラッキング制御信号とフォーカシン
グ制御信号を掛け算する掛け算回路を有してなり、この
掛け算の結果から、光記録媒体が異常振動を伴って回転
しているかどうかを判断するようにするとよい。

【００１２】請求項４記載の発明は、光記録媒体を回転
駆動する媒体回転駆動手段、対物レンズを保持したレン
ズホルダ、媒体回転駆動手段で回転駆動される光記録媒
体に対し上記レンズホルダをトラッキング方向およびフ
ォーカシング方向に駆動するトラッキング方向駆動手段
およびフォーカシング方向駆動手段、媒体回転駆動手段
で回転駆動される光記録媒体で反射され対物レンズを通
過した光を受光して再生信号を出力する光検出素子、光
検出素子からの再生信号から再生エラー信号を検出する
再生エラー信号検出手段を有してなる対物レンズ駆動装
置において、トラッキング方向駆動手段に入力するトラ
ッキング制御信号とフォーカシング方向駆動手段に入力
するフォーカシング制御信号および再生エラー信号の頻
度がともに所定の値よりも大きいとき、光記録媒体が異
常振動を伴って回転しているものと判断する判断手段を
有していることを特徴とする。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
にかかる対物レンズ駆動装置の実施の形態について説明
する。図１（ａ）において、符号１は光ピックアップ
を、符号２は光ピックアップサーボ回路を示しており、
これら光ピックアップ１と光ピックアップサーボ回路２
によって対物レンズ駆動装置を構成している。

【００１４】光ピックアップ１自体の構成は周知で、例
えば４分割された受光面Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄを有する光検出
素子１１と、フォーカスアクチュエータ１２と、トラッ
キングエラー検出部１３と、トラッキングアクチュエー
タ１４とを有してなる。上記光検出素子１１は、図示さ
れないスピンドルモータなどからなる媒体回転駆動手段
で回転駆動されるＣＤ、ＤＶＤなどの光記録媒体で反射
され、対物レンズを通過した光を受光して、上記光記録
媒体に記録されている情報信号に応じた再生信号を出力
し、また、４分割受光面の出力から周知のフォーカスエ
ラー信号を出力する。上記フォーカスアクチュエータ１
２は、上記フォーカスエラー信号に基づき、図示されな
い対物レンズを保持したレンズホルダをフォーカシング
方向すなわち光軸方向に駆動するフォーカシング方向駆
動手段をなしていて、図示されないレーザ光源からのレ
ーザ光を光記録媒体の記録トラック上に収束させるフォ
ーカシング制御を行う。上記トラッキングエラー検出部
１３は、周知の３ビーム方式によりトラッキングエラー
を検出するものである。上記４分割の光検出素子１１を
利用してトラッキングエラーを検出してもよく、その場
合は上記トラッキングエラー検出部１３を設ける必要は
ない。上記トラッキングアクチュエータ１４は、上記ト
ラッキングエラー信号に基づき、上記レンズホルダを光
記録媒体の半径方向すなわちトラッキング方向に駆動す
るトラッキング方向駆動手段をなしていて、レーザ光を
所定の記録トラック上に照射させる。

【００１５】前記光ピックアップサーボ回路２は、フォ
ーカスエラー信号とトラッキングエラー信号を増幅して
フォーカス制御電圧ａとトラッキング制御電圧ｃを出力
するプリアンプ２１と、サーボイコライザ２２と、フォ
ーカシングドライバ２４と、サーボイコライザ２３と、
トラッキングドライバ２５とを有してなる。上記フォー
カス制御電圧ａは、サーボイコライザ２２を介してフォ
ーカシングドライバ２４に入力され、フォーカシングド
ライバ２４からはフォーカシングドライブ電圧ｂが出力
される。上記トラッキング制御電圧ｃは、サーボイコラ
イザ２３を介してトラッキングドライバ２５に入力さ
れ、トラッキングドライバ２５からはトラッキングドラ
イブ電圧ｄが出力される。上記フォーカシングドライブ
電圧ｂは前記フォーカスアクチュエータ１２に入力され
る。フォーカスアクチュエータ１２はフォーカシングド
ライブ電圧ｂにより対物レンズを保持したレンズホルダ
を光軸方向に駆動してフォーカシング制御を行う。上記
トラッキングドライブ電圧ｄは前記トラッキングアクチ
ュエータ１４に入力される。トラッキングアクチュエー
タ１４はトラッキングドライブ電圧ｄにより上記レンズ
ホルダを光記録媒体の半径方向に駆動してトラッキング
制御を行う。

【００１６】以上説明した光ピックアップ１自体および
光ピックアップサーボ回路２自体は従来の対物レンズ駆
動装置に用いられているものと変わりはない。本発明の
特徴は、フォーカス制御電圧ａまたはフォーカシングド
ライブ電圧ｂなどを含むフォーカシングアクチュエータ
の制御信号（以下「フォーカシング制御信号」とい
う）、または、トラッキング制御電圧ｃまたはトラッキ
ングドライブ電圧ｄなどを含むトラッキングアクチュエ
ータの制御信号（以下「トラッキング制御信号」とい
う）を観測することにより、光記録媒体が異常振動を伴
って回転しているかどうかを判断する判断手段を有する
点にある。すなわち、光記録媒体の回転によりその偏重
心による振動が発生すると、フォーカシングがずれてフ
ォーカシング制御信号が大きくなり、または、トラッキ
ングがずれてトラッキング制御信号が大きくなるので、
フォーカシング制御信号またはトラッキング制御信号を
観測することによって、光記録媒体が異常振動を伴って
回転しているものと判断するのである。

【００１７】上記判断手段の具体例として、トラッキン
グアクチュエータの制御信号またはフォーカシングアク
チュエータの制御信号の何れかが所定の値よりも大きい
とき、光記録媒体が異常振動を伴って回転しているもの
と判断するようにしてもよい。こうすることによって、
光記録媒体が偏重心を原因として回転時に振動を生じた
場合にこれを検出することが可能であり、かつ、対物レ
ンズ駆動装置としてもともと有している光ピックアップ
１、光ピックアップサーボ回路２を利用し、これに構成
を付加することなく振動を検出することが可能であり、
低コストで所期の目的を達成することができる。

【００１８】しかしながら、上記の例では、まだ改良す
べき点がある。すなわち、フォーカシング制御信号が所
定の値よりも大きいと判断されたとき、光記録媒体の偏
重心による振動を原因としてフォーカシング制御信号が
所定の値よりも大きくなった場合のほかに、光記録媒体
の反りや傾きなどによってもフォーカシング制御信号が
所定の値よりも大きくなり、振動によるものか、または
光記録媒体の反りや傾きなどによるものか区別がつかな
い場合があるからである。また、トラッキング制御信号
が所定の値よりも大きいと判断されたとき、光記録媒体
の偏重心による振動を原因としてフォーカシング制御信
号が所定の値よりも大きくなった場合のほかに、光記録
媒体の偏心すなわち回転中心と記録トラックの円の中心
との位置ずれによるものか区別がつかない場合があるか
らである。換言すれば、偏重心による振動が発生しなく
ても、光記録媒体の反りや傾き、偏心などがあった場合
に、偏重心による振動が発生したものと誤って判断し、
その結果、光記録媒体の回転速度を低下させる必要がな
いにもかかわらず、回転速度を低下させてしまうことが
あるからである。

【００１９】そこで、前記判断手段を、トラッキングア
クチュエータ１４に入力するトラッキング制御信号とフ
ォーカシングアクチュエータ１５に入力するフォーカシ
ング制御信号がともに所定の値よりも大きいとき、光記
録媒体が異常振動を伴って回転しているものと判断する
ように構成するとよい。図示の実施の形態は、このよう
に構成したものの例である。図１（ｂ）に示すように、
判断手段３０は、掛け算回路３１、絶対値回路３２、実
効値演算回路３３を有してなる。掛け算回路３１にはフ
ォーカシング制御信号ｅとトラッキング制御信号ｆが入
力され、これらの信号ｅ、ｆが掛け算される。フォーカ
シング制御信号ｅは前述のようにフォーカス制御電圧ａ
またはフォーカシングドライブ電圧ｂなどであり、トラ
ッキング制御信号ｆはトラッキング制御電圧ｃまたはト
ラッキングドライブ電圧ｄなどである。掛け算回路３１
による掛け算の結果は絶対値回路３２により絶対値に変
換され、実効値演算回路３３によって実効値が演算され
る。この実効値が振動レベル判定回路に入力され、上記
実効値が所定の値よりも大きい場合は振動が発生してい
るものと判断され、ディスクドライブ装置の場合は記録
媒体の回転速度を低下させる。

【００２０】このように、図示の実施の形態では、トラ
ッキングアクチュエータ１４に入力するトラッキング制
御信号ｆとフォーカシングアクチュエータ１２に入力す
るフォーカシング制御信号ｅがともに所定の値よりも大
きいとき、光記録媒体が異常振動を伴って回転している
ものと判断するように構成したため、光記録媒体の反り
や傾きなどによってフォーカシング制御信号ｅのみが所
定の値よりも大きくなった場合、また、光記録媒体の偏
心によってトラッキング制御信号ｆのみが所定の値より
も大きくなった場合は、光記録媒体が異常振動を伴って
回転しているものとは判断されず、光記録媒体の偏重心
による振動の発生を、光記録媒体の反りや傾きなどによ
るフォーカシングエラー、および光記録媒体の偏心によ
るトラッキングエラーから的確に区別して検出すること
ができる。従って、光記録媒体の偏重心による振動が発
生した場合にのみ光記録媒体の回転駆動速度を低下させ
ることができ、回転駆動速度を低下させる必要のない単
なるフォーカシングエラー、およびトラッキングエラー
の場合は高速回転を維持させることができる。また、ト
ラッキング制御信号ｆおよびフォーカシング制御信号ｅ
はリアルタイムで出力されるため、これらの信号を掛け
算してリアルタイムに振動の発生を検出することができ
る。

【００２１】光記録媒体の偏重心による振動の発生をさ
らに的確に検出して信頼性を高めるために、判断手段
を、トラッキング方向駆動手段に入力するトラッキング
制御信号とフォーカシング方向駆動手段に入力するフォ
ーカシング制御信号に加えて再生エラー信号の頻度がと
もに所定の値よりも大きいとき、光記録媒体が異常振動
を伴って回転しているものと判断するように構成すると
よい。こうすれば、トラッキング制御信号ｆとフォーカ
シング制御信号ｅがともに所定の値よりも大きく、これ
に、再生エラー信号の頻度も加味してこれが所定の値よ
り大きいとき初めて光記録媒体が異常振動を伴って回転
しているものと判断するため、より的確に光記録媒体の
偏重心による振動の発生を検出することができる。再生
エラー信号検出手段は、ディスクドライブ装置がもとも
と有しているので、新たに回路を付加する必要はない。

【００２２】なお、図１（ｂ）に示す実効値演算回路３
３は、これをピークホールド回路に代替してもよい。図
１（ｂ）に示す判断手段はアナログ回路で構成されてい
るが、デジタル回路で構成してもよい。例えば、アナロ
グ信号であるフォーカシング制御信号ｅおよびトラッキ
ング制御信号ｆを、適宜の検出レベルに設定した信号レ
ベル判定器（コンパレータなど）によってデジタル信号
に変換し、ロジック回路によりそれぞれの信号ｅ，ｆの
アンドをとり、その結果で光記録媒体の偏重心による振
動の発生を検出するようにしてもよい。

【００２３】本発明にかかる対物レンズ駆動装置は、光
記録媒体のドライブ装置に設け、光記録媒体の偏重心に
より発生する振動の値が所定の値以上であると判断した
場合は、前述のように回転駆動装置の回転速度を低下さ
せる。本発明にかかる対物レンズ駆動装置はまた、光記
録媒体の製造工程で光記録媒体の検査装置として用いる
こともできる。すなわち、製造した光記録媒体を媒体回
転駆動手段で所定の速度で回転駆動し、そのときに発生
する振動の値が所定の値以上であるかどうかを判定し、
これによって光記録媒体の良否を判定するのである。

【００２４】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、光記録媒
体を回転駆動する媒体回転駆動手段、対物レンズを保持
したレンズホルダ、媒体回転駆動手段で回転駆動される
光記録媒体に対しレンズホルダをトラッキング方向およ
びフォーカシング方向に駆動するトラッキング方向駆動
手段およびフォーカシング方向駆動手段、媒体回転駆動
手段で回転駆動される光記録媒体で反射され対物レンズ
を通過した光を受光して再生信号を出力する光検出素子
を有してなる対物レンズ駆動装置において、トラッキン
グ方向駆動手段の制御信号またはフォーカシング方向駆
動手段の制御信号の何れかが所定の値よりも大きいと
き、光記録媒体が異常振動を伴って回転しているものと
判断する判断手段を有しているため、対物レンズ駆動装
置としてもともと有している光ピックアップや光ピック
アップサーボ回路を利用し、これに構成を付加すること
なく光記録媒体が偏重心を原因として回転時に振動を生
じた場合にこれを検出することが可能であり、振動検出
可能な対物レンズ駆動装置を低コストで得ることができ
る。また、フォーカシング制御信号およびトラッキング
制御信号はリアルタイムで出力されるため、これらフォ
ーカシング制御信号またはトラッキング制御信号によっ
て、振動の発生をリアルタイムで検出することができる
利点もある。

【００２５】請求項２および３記載の発明によれば、上
記媒体回転駆動手段、レンズホルダ、トラッキング方向
駆動手段およびフォーカシング方向駆動手段、光検出素
子を有してなる対物レンズ駆動装置において、トラッキ
ング方向駆動手段に入力するトラッキング制御信号とフ
ォーカシング方向駆動手段に入力するフォーカシング制
御信号がともに所定の値よりも大きいとき、光記録媒体
が異常振動を伴って回転しているものと判断する判断手
段を有しているため、光記録媒体の偏重心による振動の
発生を、光記録媒体の反りや傾きなどによるフォーカシ
ングエラー、および光記録媒体の偏心によるトラッキン
グエラーから的確に区別して検出することができ、振動
検出の信頼性を高めることができる。また、トラッキン
グ制御信号およびフォーカシング制御信号はリアルタイ
ムで出力されるため、これらの信号を掛け算してリアル
タイムに振動の発生を検出することができる。

【００２６】請求項４記載の発明によれば、上記媒体回
転駆動手段、レンズホルダ、トラッキング方向駆動手段
およびフォーカシング方向駆動手段、光検出素子を有
し、かつ、光検出素子からの再生信号から再生エラー信
号を検出する再生エラー信号検出手段を有してなる対物
レンズ駆動装置において、トラッキング方向駆動手段に
入力するトラッキング制御信号とフォーカシング方向駆
動手段に入力するフォーカシング制御信号および再生エ
ラー信号の頻度がともに所定の値よりも大きいとき、光
記録媒体が異常振動を伴って回転しているものと判断す
る判断手段を有しているため、トラッキング制御信号と
フォーカシング制御信号がともに所定の値よりも大き
く、これに、再生エラー信号の頻度も加味してこれが所
定の値より大きいとき初めて光記録媒体が異常振動を伴
って回転しているものと判断することになり、より的確
に光記録媒体の偏重心による振動の発生を検出すること
ができる。再生エラー信号検出手段は、ディスクドライ
ブ装置がもともと有しているので、新たに回路を付加す
る必要はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる対物レンズ駆動装置の実施の形
態を示す（ａ）は光ピックアップおよびそのサーボ回路
のブロック図、（ｂ）は振動発生判断手段のブロック図
である。

【符号の説明】

１ 光ピックアップ ２ 光ピックアップサーボ回路 １１ 光検出素子 １２ フォーカシング方向駆動手段 １４ トラッキング方向駆動手段 ３０ 判断手段 ３１ 掛け算回路

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光記録媒体を回転駆動する媒体回転駆動
   手段と、対物レンズを保持したレンズホルダと、上記媒
   体回転駆動手段で回転駆動される光記録媒体に対し上記
   レンズホルダをトラッキング方向およびフォーカシング
   方向に駆動するトラッキング方向駆動手段およびフォー
   カシング方向駆動手段と、上記媒体回転駆動手段で回転
   駆動される光記録媒体で反射され上記対物レンズを通過
   した光を受光して再生信号を出力する光検出素子とを有
   してなる対物レンズ駆動装置において、 上記トラッキング方向駆動手段の制御信号またはフォー
   カシング方向駆動手段の制御信号の何れかが所定の値よ
   りも大きいとき、光記録媒体が異常振動を伴って回転し
   ているものと判断する判断手段を有していることを特徴
   とする対物レンズ駆動装置。
2. 【請求項２】 光記録媒体を回転駆動する媒体回転駆動
   手段と、対物レンズを保持したレンズホルダと、上記媒
   体回転駆動手段で回転駆動される光記録媒体に対し上記
   レンズホルダをトラッキング方向およびフォーカシング
   方向に駆動するトラッキング方向駆動手段およびフォー
   カシング方向駆動手段と、上記媒体回転駆動手段で回転
   駆動される光記録媒体で反射され上記対物レンズを通過
   した光を受光して再生信号を出力する光検出素子とを有
   してなる対物レンズ駆動装置において、 上記トラッキング方向駆動手段に入力するトラッキング
   制御信号とフォーカシング方向駆動手段に入力するフォ
   ーカシング制御信号がともに所定の値よりも大きいと
   き、光記録媒体が異常振動を伴って回転しているものと
   判断する判断手段を有していることを特徴とする対物レ
   ンズ駆動装置。
3. 【請求項３】 判断手段は、トラッキング制御信号とフ
   ォーカシング制御信号を掛け算する掛け算回路を有して
   なり、この掛け算の結果から、光記録媒体が異常振動を
   伴って回転しているかどうかを判断する請求項２記載の
   対物レンズ駆動装置。
4. 【請求項４】 光記録媒体を回転駆動する媒体回転駆動
   手段と、対物レンズを保持したレンズホルダと、上記媒
   体回転駆動手段で回転駆動される光記録媒体に対し上記
   レンズホルダをトラッキング方向およびフォーカシング
   方向に駆動するトラッキング方向駆動手段およびフォー
   カシング方向駆動手段と、上記媒体回転駆動手段で回転
   駆動される光記録媒体で反射され上記対物レンズを通過
   した光を受光して再生信号を出力する光検出素子と、こ
   の光検出素子からの再生信号から再生エラー信号を検出
   する再生エラー信号検出手段とを有してなる対物レンズ
   駆動装置において、 上記トラッキング方向駆動手段に入力するトラッキング
   制御信号とフォーカシング方向駆動手段に入力するフォ
   ーカシング制御信号および再生エラー信号の頻度がとも
   に所定の値よりも大きいとき、光記録媒体が異常振動を
   伴って回転しているものと判断する判断手段を有してい
   ることを特徴とする対物レンズ駆動装置。