JPH1144506A - 干渉計測定装置 - Google Patents

干渉計測定装置

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JPH1144506A
JPH1144506A JP9203516A JP20351697A JPH1144506A JP H1144506 A JPH1144506 A JP H1144506A JP 9203516 A JP9203516 A JP 9203516A JP 20351697 A JP20351697 A JP 20351697A JP H1144506 A JPH1144506 A JP H1144506A
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interferometer
light
measurement
laser light
optical path
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JP9203516A
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Katsuhiro Kato
勝弘 加藤
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学非線形誤差の影響を低減し、高精度の測
定が可能な干渉計測定装置を提供する。 【解決手段】 レーザ光源4と、レーザ光源4からの投
光を参照光と被測定物1に照射される測定光とに分離す
る干渉計ブロック5A、5Bとを備え、参照光および測
定光の干渉に基づいて測長を行う干渉計測定装置におい
て、レーザ光源4から干渉計ブロック5A、5Bに至る
レーザ光の光路を密閉管20により覆う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、高精度座
標測定機や高精度半導体露光装置等に用いられ、高精度
な測長を行うレーザ干渉計測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】測定精度の向上を図るためには、レーザ
干渉計の光路中の温度、気圧、温度安定性が重要な要素
となる。レーザ干渉計の干渉計ビーム光路中に空気揺ら
ぎが生じると、光路の空気屈折率が変動し、レーザ波長
が変化するため測定精度が低下する。
【0003】例えば、光路中の空気環境が微量変動した
とき、温度ΔT(゜C)、気圧ΔP(hpa)、湿度Δ
H(%)の変動に対してレーザー波長λの相対変化量Δ
λ/λは近似的に次式で表せる。 Δλ/λ=(0.93ΔT+0.27ΔP−0.0098ΔH)×10-6 ・・・(1) このとき、測定寸法Lに対する測定誤差は次式となる。 ΔL=L×(Δλ/λ) ・・・(2)
【0004】したがって、仮に測定寸法L=50mmに
対して測定誤差ΔLを1nm以下とするためにΔλ/λ
が満たすべき条件は式(2)より式(3)のようにな
る。 Δλ/λ≦ΔL/L=1×10-9/50×10-3=2×10-8 ・・・(3) この波長変動率Δλ/λが2×10-8以下となるために
は、例えば、ΔT、ΔPおよびΔHのうちのいずれかひ
とつが変動したと仮定すると、式(1)より ΔT≦0.022゜C、ΔP≦0.074hpa、ΔH
≦2.01% でなければならない。
【0005】高精度座標測定機等では、上述の空気揺ら
ぎによる光路の空気屈折率の変動を計測し、屈折率の変
動に基づく測定誤差を補正しなければならない。現在行
われている補正方法としては、以下のようなものがあ
る。ここで、その特徴および問題点を述べる。 (1)ALCP(Auto Laser Compensation)方式 測定機が置かれている測定環境の気圧、温度、湿度を各
センサーで計測し、レーザー波長を補正する方式であ
る。空気の屈折率をXY軸別々に計算して補正量が求め
られるが、センサーの応答時間に起因する応答の遅れ
や、センサーの測定精度が問題になる。 (2)トラッカー方式 図5に示すように、波長トラッカーを用いてエタロン
(ファブリ−ペロー干渉計)を基準長にして空気の屈折
率を随時追跡し、環境の変化を光学的にモニターする方
式である(HP社 Product Note 5527A2 P.27)。レー
ザー波長を直接測定するので、誤差要因が少なく応答性
も良い。ただし、干渉計光路と離れた場所の屈折率を測
定しているのが問題点である。また、図4のトラッカー
1個の構成であるとXY軸とも同じ補正値にせざるを得
ない。 (3)三角密閉管方式 三角密閉管座標測定器で干渉計の光路を三角密閉管で覆
い、事実上光路中の空気揺らぎをなしとする方式である
(特開平5−71912号公報)。XYをそれぞれ自動
的に補正するが、三角密閉管の駆動の煩雑さがある。
【0006】高精度の再現性を得るためには測定環境の
制御が不可欠であり、制御の容易性の順序から温度ある
いは湿度が制御されている。現在の高精度座標測定機で
は、高精度チャンバーにより測定環境が制御され、チャ
ンバー内の温度は±1/100゜C、湿度は0.4%以
内でコントロールされている。このような測定環境下で
は測定誤差量自体が微量に抑えられている。レーザー波
長λの相対的変化量Δλ/λを近似式より求め、測定誤
差寸法L=50mmに対しての測定誤差ΔLを求める
と、ΔT=±1/100゜Cに対しては、ΔL=0.9
3nm、ΔH=0.4に対してはΔL=0.19nmと
なる。
【0007】実際の湿度計による湿度測定では、ΔH=
0.4に対してΔL=0.019nmとなり湿度変動に
よるレーザー波長変動によるレーザー波長λの相対的変
化量は無視できる程度のものであることが分かる。問題
となるのは、±1/100゜Cの温度変動および気圧変
動に伴う誤差である。高精度チャンバーであっても温度
制御能力は±1/100゜Cが限界である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】高精度座標測定機では
慣例として次のような条件で座標測定の再現性を評価す
る。すなわち、49個の十字マスクパターンが7×7に
配列したパターンを用い、各十字パターンの中心の49
の座標を30回繰返し測定し、その座標値のずれを3σ
で表し評価する。測定時間は測定方式にもよるが3時間
半程度の時間がかかる。
【0009】上述の高精度チャンバーで制御された測定
環境において、上述の(1)、(2)および(3)の波
長補正方式で座標再現性を評価した。その結果3方式に
有意差は見られず、2.0〜2.7nm程度の座標再現
性精度が得られた。しかし、良好な再現性データが得ら
れるのは、上記の3方式共通で1回の測定サイクル(3
時間半)での気圧変化が通常0〜1.5hpa以内の時
に限られる。例えば、冬場の高気圧、低気圧の通過時な
どは、3時間半の間で3〜5hpa気圧が変動し、この
ような場合には3.0〜4.5nm程度に精度が悪化す
る傾向がある。従来、このような現象は波長補正がうま
く行われていないことに起因すると考えられていた。
【0010】原因調査の結果、この測定精度の悪化は波
長補正に起因するのではなく、図3に示す光学的非線形
誤差(HP社 Prodct Note 5527A2 p.5に記述)が原因
となっていることが解った。レーザーの漏れ光、および
偏光部材PBSの消光比に比例して発生する漏れ光(戻
り光も含む)が原因である。図3に示すように、光学的
非線形誤差は光路長の変化に伴って誤差量が周期的に変
動するという特徴をもっている。干渉計構成によりその
変化量は異なるが、レーザ光を2往復させる、いわゆる
ダブルパス干渉計の構成の場合における解析の結果を図
4に示す。ダブルパス干渉計では、非線形誤差の周期は
λ/8(79.1nm)であり、この誤差量はΔE=25γ
1/2 nmで見積もられる(γは偏光ビームスプリッター
の消光比)。
【0011】P偏光(水平偏光)の消光比は1/250
0までは下げられるが、PBSの薄膜の特性の関係でこ
れ以上は消光比を小さくすることは困難である。消光比
はγ=1/2500で見積もると、誤差量ΔE=0.5
nmとなり、座標再現性精度に影響を与えるレベルであ
る。気圧変化で見積もると測定寸法L=50mmに対し
てΔP=5.86hpaで位相が回転してしまう。3時
間半で5.86hpa変化する状況は低気圧、高気圧通
過時に起こり無視できない。
【0012】また、3時間半の間に3〜5hpa気圧が
変化する場合は、干渉計光路の温度が±1/100゜C
にチャンバーで温度制御がされているが、その間、温度
がジグザグに上下動する。これはチャンバーが温度制御
を行っているためであると推測できるが、温度が上限に
変動すると気圧も上下に変動するから、このような温度
変動も座標再現性精度を低下させるため、この意味でも
気圧変動を抑制する必要がある。
【0013】本発明の目的は、光学非線形誤差の影響を
低減し、高精度の測定が可能な干渉計測定装置を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図1
〜図5に対応づけて説明すると、請求項1に記載の発明
は、レーザ光源4と、レーザ光源4からの投光を参照光
L1および被測定物1に照射される測定光L2に分離す
る干渉計ブロック5Aとを備え、参照光L1および測定
光L2の干渉に基づいて測長を行う干渉計測定装置に適
用される。そして、レーザ光源4から干渉計ブロック5
Aに至るレーザ光の光路を密閉する密閉容器20を備え
ることにより上述の目的が達成される。請求項2に記載
の発明は、請求項1に記載の干渉計測定装置において、
干渉計ブロック5Aで分離された参照光L1および測定
光L2の光路を密閉する密閉容器7A、8A、9Aを備
えるものである。請求項3に記載の発明は、請求項1に
記載の干渉計測定装置において、環境の変動に基づく測
定誤差を補正するための波長トラッカー103を備える
ものである。請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか1項に記載の干渉計測定装置において、干渉計
ブロック5Aと被測定物1との間で測定光L2を2往復
させるダブルパス方式を採用したものである。請求項5
に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の
干渉計測定装置において、レーザ光の波長変動比率をΔ
λ/λ=2×10-8以下とすることにより光学非線形誤
差を抑制したものである。請求項6に記載の発明は、請
求項1〜5のいずれか一項に記載の干渉計測定装置にお
いて、第1および/または第2の密閉容器20、7A、
8A、9A、7B、8B、9Bにはレーザ光が入射ある
いは出射するための窓7a、8a、9aをさらに有し、
窓7a、8a、9aには、屈折率と温度とが負の相関関
係を有する硝材が用いられる。請求項7に記載の発明
は、請求項6に記載の干渉計測定装置において、硝材は
その主成分として少なくとも金属フッ化物と金属酸化物
とを含有する異常部分分散ガラスとしたものである。
【0015】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0016】
【発明の実施の形態】
−第1の実施の形態− 以下、図1〜図4を用いて本発明によるレーザ干渉計測
定装置の第1の実施の形態について説明する。第1の実
施の形態は本発明のレーザ干渉計測定装置を高精度座標
測定機に適用したものである。
【0017】図1および図2において、1は互いに直交
するXY平面内を移動可能に設けられた移動ステージ、
2は移動ステージ1上に固定された厚ガラスウエハー、
3は移動ステージ1の上方に固定され、ウエハー2上の
パターンを捉えるための対物レンズである。図1のII
−II断面を示す図2を参照して説明すると、移動ステ
ージ1はステージモータ11AによってX軸方向に、ス
テージモータ11Aとは別のモータ(不図示)によって
Y軸方向に、それぞれ駆動される。
【0018】図1および図2において、4は互いにわず
かに周波数の異なる2波長の、その振動方向が互いに直
交する直線偏光光を射出するレーザ光源、41はレーザ
光源4から照射されたレーザ光を2方向に分岐するビー
ムスプリッタ、5Aはビームスプリッタ41で折り曲げ
られたレーザ光を測定光と参照光とに分離するととも
に、反射により戻った測定光と参照光とを混合する干渉
計ブロック部、6Aは干渉計ブロック部5Aから射出さ
れる測定光および参照光を受光するレシーバー、5Bは
ビームスプリッタ41を透過したレーザ光を測定光と参
照光とに分離するとともに、反射により戻った測定光と
参照光とを混合する干渉計ブロック部、6Bは干渉計ブ
ロック部5Bから射出される測定光および参照光を受光
するレシーバーである。
【0019】干渉計ブロック部5Aはミラー51A、コ
ーナーキューブ52A、偏光ビームスプリッタ53A、
1/2λ板54A’および4枚の1/4λ板54Aを、
干渉計ブロック部5Bはミラー51B、コーナーキュー
ブ52B、偏光ビームスプリッタ53B、1/2λ板5
4B’および4枚の1/4λ板54Bを、それぞれ備え
る。
【0020】図1および図2において、7Aは干渉計ブ
ロック部5Aから射出される測定光L1および参照光L
2の光路を覆う固定密閉容器、8Aは参照光L1の光路
を覆う固定密閉容器である。9Aは測定光L2の光路を
覆う三角密閉容器であり、図1に示すXY平面内のP方
向(X軸と45度の角度をもって交わる方向)に移動可
能とされている。また、7Bは干渉計ブロック部5Bか
ら射出される測定光および参照光の光路を覆う固定密閉
容器、8Bは参照光の光路を覆う固定密閉容器である。
9Bは測定光の光路を覆う三角密閉容器であり、XY平
面内のP方向に移動可能とされている。
【0021】図1の符号20はレーザ光の光路を密閉す
る密閉管である。密閉管20は、熱膨張係数の小さな、
例えばスーパーインバー(熱膨張係数0.5〜1.0p
pm程度の合金)により形成することができる。また、
レーザ光源からの送光ビームを密閉管20内に向けて透
過させるための部分、干渉計ブロック部5Aから固定密
閉容器7Aへ、あるいは干渉計ブロック部5Bから固定
密閉容器7Bへのビーム光の光路部分については、温度
変化に基づく光路長変化の小さい、例えば異常部分分散
ガラス(EDガラス)等の材料を用いた窓が気密的に取
付けられている。ビーム光はこれらの窓を透過する。
【0022】異常部分分散ガラスはどの波長領域でも同
一の屈折率が得られるように設計され、通常、色收差を
取り除くために使用されるガラスであり、金属酸化物お
よび金属フッ化物を主成分とする。そして通常は金属フ
ッ化物を金属酸化物よりも多く含有する。異常部分分散
ガラスには高温時において屈折率が温度と負の相関をも
つという特性があり、この特性を利用することにより温
度変動による光路長変化を打ち消すことができる。この
結果、温度変化に対する光路長変化量を低減させること
ができる。今、光路長変化率が1.1×10-6 /゜C
の異常部分分散ガラスを用いたガラス窓の厚みが8mm
であり、ガラス窓の温度が0.02゜C変化したとする
と、ガラス窓による光路長変化は、
【数1】(8×106 nm)×(1.1×10-6 /゜
C)×0.02゜C=0.18nm となり、測定精度の点で現状では許容できる範囲であ
る。これに対し、光路長変化率が8.0×10-6 /゜
Cの石英ガラスを使用した場合、ガラス窓による同一条
件下での光路長変化は、
【数2】(8×106 nm)×(8.0×10-6 /゜
C)×0.02゜C=1.3nm となり、測定精度的に許容できないことが判る。
【0023】次に、第1の実施の形態の装置の動作につ
いて説明する。レーザ光源4から射出されたレーザ光は
ビームスプリッタ41で二分され、2波長のレーザ光を
含む一方の光線は干渉計ブロック5Aに向けて、他方の
光線は干渉計ブロック5Bに向けて進む。
【0024】干渉計ブロック5Aでは2波長(振動数f
1のs偏光と振動数f2のp偏光)のレーザ光が分離さ
れ、振動数f1のs偏光のレーザ光は参照光L1(図
2)として対物レンズ3のミラー3Aに向けて、振動数
2のp偏光のレーザ光は測定光L2(図2)として移
動ステージ1のミラー1Aに向けて、それぞれ射出され
る。参照光L1は干渉計ブロック5Aとミラー3Aとの
間を、測定光L2は干渉計ブロック5Aとミラー1Aと
の間を、それぞれ2往復して干渉計ブロック5Aに戻る
ように構成されている(図1参照)。参照光L1および
測定光L2を2往復させる、いわゆるダブルパス干渉計
構造を採用することにより、ステージ1の移動量に対し
て光路長の変動幅が4倍(シングルパスでは、この値が
2倍となる)となるので、シングルパスでの測定に比較
して測定の分解能が向上する。
【0025】図1および図2に示すように、参照光L1
は固定密閉容器7Aおよび固定密閉容器8Aの内部を通
過し、測定光L2は固定密閉容器7Aおよび三角密閉容
器9Aの内部を通過する。三角密閉容器9Aは移動ステ
ージ1のX軸方向への移動に合せてP方向に移動するよ
う構成され、三角密閉容器9Aとミラー1Aとの間隔が
常に小さく維持される。図2において、7aは固定密閉
容器7Aの窓材、8aは固定密閉容器8Aの窓材、9a
は三角密閉容器9Aの窓材であり、温度変化による光路
長変化が小さな材質が選択されている。図2に示すよう
に、窓材9aは固定密閉容器7Aと固定密閉容器8Aと
の間に向けて上方に突設されているが、これは、参照光
L1と測定光L2とが窓材9aを通過するように構成す
ることにより、窓材9aの屈折率変動に起因する測定光
L1と参照光L2との光路長差を打ち消すためである。
【0026】干渉計ブロック5Aとミラー3Aとの間、
および干渉計ブロック5Aとミラー1Aとの間を2往復
し干渉計ブロック5Aに戻った参照光および測定光は、
いずれもレシーバ6Aに入射する。参照光および測定光
はレシーバ6Aで互いに干渉してビート信号(うなり信
号)を発生させる。このビート信号は所定の参照ビート
信号と電気的に比較され、その位相差が検出される。そ
してその位相差に基づいて参照光L1の光路長と測定光
L2の光路長との差が計測でき、移動ステージ1のX座
標が算出される。
【0027】Y座標の算出は上述したX座標の算出と同
一原理に基づく。すなわち、ビームスプリッタ41を経
由して干渉計ブロック5Bに入射したレーザ光は干渉計
ブロック5Aに入射したレーザ光と同様に参照光と測定
光とに分離される。参照光は干渉計ブロック5Bと対物
レンズ3のミラー3Bとの間を2往復し、測定光は干渉
計ブロック5Bと移動ステージ1のミラー1Bとの間を
2往復する。参照光は固定密閉容器7Bおよび固定密閉
容器8Bの内部を、測定光は固定密閉容器7Bおよび三
角密閉容器9Bの内部を通過する。三角密閉容器9Bは
移動ステージ1のY軸方向の移動に合せてP方向に移動
するように構成されている。
【0028】干渉計ブロック5Bに戻った参照光および
測定光はレシーバ6Bに入射して互いに干渉しビート信
号を発生させる。このビート信号と所定の参照ビート信
号との位相差に基づいて参照光および測定光の光路差が
計測でき、移動ステージ1のY座標が算出される。
【0029】本実施の形態では、レーザ光源4から干渉
計ブロック5Aあるいは干渉計ブロック5Bに至るまで
の光路全体を密閉管20により覆い、密閉管20内部の
気圧を安定化している。上述のように密閉管20は剛性
の高い金属材料(合金)により形成されているので、通
常の気圧変動では殆ど変形することはなく、密閉管20
内部の気圧はほぼ一定に保たれる。また、温度を制御す
る際に発生する温度変動を受けることもない。このた
め、密閉管20内部の光路長の変動を極めて小さく抑え
ることができる。
【0030】また、干渉計ブロック5Aあるいは干渉計
ブロック5Bから射出される参照光および測定光の光路
についてもその大部分が密閉容器7A、8A、9Aある
いは密閉容器7B、8B、9Bの内部に位置するので、
この光路部分についても光路長の変動を極めて小さく抑
制できる。
【0031】このように、本実施の形態ではレーザ光の
光路を密閉管20および密閉容器7A〜9A、密閉容器
7B〜9Bによって密閉し、光路部分の気圧変動を抑え
ているので、空気の屈折率変化に起因する測定誤差の発
生を極めて小さなものとすることができる。
【0032】本実施の形態では、参照光および測定光の
相対的な光路差の変動に起因する通常の誤差のほかに、
光学的非線形に起因する誤差についてもその抑制を図る
ことができる。この点について、以下に説明する。
【0033】干渉計ブロック5Aおよび干渉計ブロック
5Bの内部では、参照光および測定光として用いられる
2波長の、その振動方向が互いに直交する直線偏光レー
ザ光がそれぞれ同一の雰囲気内の光路をとる。したがっ
て参照光および測定光の相対的な光路長差の変動のみを
考慮し、光学的非線形誤差については考慮しないという
条件の下では、その領域の光路長変動を抑制することは
意味をもたない。すなわち、その領域では参照光および
測定光の光路の両者に等しく屈折率変動の影響が及ぶの
で、その効果がキャンセルされるはずである。
【0034】しかし、一般に、レーザ干渉計ではレーザ
光源からのレーザの漏れ光、偏光ビームスプリッタ等の
偏光部材の漏れ光(戻り光を含む)に起因する光学的非
線形誤差が発生し、参照光および測定光が同時に同一の
光路長変動を受ける場合であっても光学的非線形誤差が
発生することが知られている。そして、本実施の形態の
ように、干渉計ブロック5Aあるいは干渉計ブロック5
Bにおいて分離された参照光および測定光の光路を密閉
容器で覆い、その光路長変動を極めて小さく抑制してい
るような場合には、このような光学非線形誤差を無視す
ることができず、光学非線形誤差の抑制により計測精度
をさらに向上させることができる。
【0035】本実施の形態では、レーザ光源4からの漏
れ光および偏光ビームスプリッタ53A,53Bの漏れ
光が存在する。このため、偏光ビームスプリッタ53A
からの漏れ光がレシーバ6Aに、偏光ビームスプリッタ
53Bからの漏れ光がレシーバ6Bに、それぞれ入射す
る。また、偏光ビームスプリッタ53Aからの戻り光お
よび偏光ビームスプリッタ53Bからの戻り光が、それ
ぞれレーザ光源4に逆向きに入射する。レーザ発振はレ
ーザ光源4への戻り光に敏感に反応するため、戻り光の
変動はレーザ光に複雑な影響を及ぼす。しかし、本実施
の形態では密閉管20および密閉容器7A〜9A,7B
〜9Bによってレーザ光の光路の大部分を密閉してお
り、光路部分の気圧の変動を抑制している。このため光
路長変動は図4の横軸方向について殆ど変化しない範囲
に収まり、図4の縦軸方向の変動、すなわち光学非線形
誤差が極く小さな値となる。第1の実施の形態では、移
動ステージ1の座標の測定再現精度として2nm(3
σ)未満の値を達成することができる。
【0036】密閉管20およびガラス製の窓は剛性が高
く、通常の測定環境では気圧変動による密閉管20の変
形を無視することができる。しかし、例えば短時間のう
ちに台風が接近、通過し、気圧変動幅が50hpa以上
あるような場合には、密閉管20が変形して密閉管20
内の気圧が変動する可能性がある。この場合、密閉管2
0内部の気圧変動に基づいて計測値を補正することも原
理的には可能であるが、実際には密閉管20内の気圧を
見積もることは困難である。このため、外部の気圧変動
に応じて計測値がどのように変動するのか、予め所定の
長さについての計測を行い、その計測データに基づいて
得た補正式によって補正すればよい。
【0037】−第2の実施の形態− 以下、図5を用いて本発明によるレーザ干渉計測定装置
の第2の実施の形態について説明する。
【0038】図5において、101はわずかに周波数の
異なる2波長の、その振動方向が互いに直交する直線偏
光光を射出するレーザ光源、102はレーザ光源101
から射出されたレーザ光を二分するビームスプリッタ、
103はビームスプリッタ102により折り曲げられた
ビーム光を受ける波長トラッカー、104は波長トラッ
カー103から射出された参照光および測定光による干
渉光を受光するレシーバ、105はビームスプリッタ1
02を透過したビーム光を二分するビームスプリッタで
ある。
【0039】106Aはビームスプリッタ105により
折り曲げられたビーム光を受ける干渉計ブロック、10
7Aは干渉計ブロック106Aから射出された参照光お
よび測定光による干渉光を受光するレシーバ、106B
はビームスプリッタ105を透過したビーム光を受ける
干渉計ブロック、107Bは干渉計ブロック106Bか
ら射出された参照光および測定光による干渉光を受光す
るレシーバ、110はXY平面内を移動可能に設けられ
た移動ステージである。
【0040】以上のように構成された第2の実施の形態
のレーザ干渉計測定装置の動作について、次に説明す
る。
【0041】レーザ光源101から射出された2波長
(振動数f1のs偏光と振動数f2のp偏光)のレーザ光
の一部が干渉計ブロック106Aに入射すると、振動数
1のs偏光レーザ光は測定光L3として移動ステージ
110のミラー110Aに向けて射出され、振動数f2
のp偏光波長のレーザ光は参照光として干渉計ブロック
106A内の参照面(不図示)に向けて射出される。ミ
ラー110Aで反射された測定光L3および参照面で反
射された参照光はレシーバ107Aに向けて射出され、
レシーバ107Aでは測定光L3と参照光とが干渉し合
ってビート信号が発生する。このビート信号を所定の参
照ビート信号と電気的に比較することにより両者の位相
差が検出され、その位相差に基づいて参照光の光路長と
測定光L3の光路長との差が計測でき、移動ステージ1
のX座標が算出される。
【0042】干渉計ブロック106Bに入射したビーム
光は同様に測定光L4と参照光とに分離される。上述と
同一の原理によって、両者のビート信号を介して移動ス
テージ1のY座標を算出することができる。
【0043】図5に示すように、空調ファン108Aは
干渉計ブロック106Aから射出される測定光L3の光
路に向けて、空調ファン108Bは干渉計ブロック10
6Bから射出される測定光L4の光路に向けて、それぞ
れ送風を行い、測定光L3,L4の光路部分の環境のゆ
らぎを減少させる。
【0044】レーザ光源101から射出された2波長の
レーザ光の一部が波長トラッカー103に入射すると、
レーザ光の一部は測定光として波長トラッカー103内
のエタロン(不図示)に向けて射出され、レーザ光の他
の部分は参照光として波長トラッカー103内の参照面
(不図示)に向けて射出される。干渉計は高分解能イン
ターフェロメータで、その内部において測定光と参照光
とは互いに共通の光路を経る。したがって測定光と参照
光とに対して等しく屈折率変動の影響が及ぶので、測定
に際しての温度ドリフトがなくなる。波長トラッカー1
03は、エタロン長を絶対基準長として空気の屈折率変
化を随時測定する。この時、補正値を計算して環境の変
化によるレーザ測定値の変動を補正する。
【0045】このように、波長トラッカーを用いること
によりリアルタイムで空気の屈折率を追跡することがで
きるので、この計測値に基づいて移動ステージ1のXY
座標を補正することにより、環境の変動に起因する測定
誤差をキャンセルすることができる。
【0046】図5に示すように、第2の実施の形態で
は、レーザ光源101から干渉計ブロック106A、1
06Bに至る光路と、干渉計ブロック106A、106
B自体を密閉管120により密閉するようにしている。
レーザ光源101からのレーザ光が入射する部分、干渉
計ブロック106Aおよび干渉計ブロック106Bから
の測定光L3,L4が射出する部分には、第1の実施の
形態と同様、ガラス材の窓が気密的に取付けられてい
る。
【0047】第2の実施の形態では、密閉管120を設
けることにより、密閉管120の内部の圧力変動を抑制
することができ、密閉管120内の光路長の変化を極め
て小さなものとすることができる。したがって、第1の
実施の形態と同様、光学非線形誤差の影響を低減するこ
とができる。
【0048】測定分解能を向上させるため、第1の実施
の形態と同様に測定光を2往復させる、いわゆるダブル
パス方式を採用してもよい。
【0049】以上の発明の実施の形態と請求項との対応
において、密閉管20が第1の密閉容器を、密閉容器7
A、7B、8A、8Bおよび三角密閉容器8A、8Bが
第2の密閉容器を窓材7a、8a、9aが窓をそれぞれ
構成する。
【0050】
【発明の効果】本発明による干渉計測定装置によれば、
レーザ光源から干渉計ブロックに至るレーザ光の光路を
密閉する密閉管および密閉容器を備えるので、この光路
部分の気圧変化を抑制することができ、光学非線形誤差
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の干渉計測定装置を示す斜視
図。
【図2】第1の実施の形態の干渉計測定装置を示す断面
図(図1のII−II断面図)。
【図3】光学非線形誤差を説明する図。
【図4】ダブルパス干渉計構造における光学非線形誤差
の解析結果を示す図。
【図5】第2の実施の形態の干渉計測定装置の光学配置
を示す図。
【符号の説明】
4 レーザ光源 5A、5B 干渉計ブロック 7A、7B 密閉容器 7a 窓材 8A、8B 密閉容器 8a 窓材 9A、9B 三角密閉容器 9a 窓材 20 密閉管 54A、54B λ/4板 54A’、54B’ λ/2板 103 波長トラッカー 120 密閉管 L1 参照光 L2 測定光

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源と、前記レーザ光源からの投
    光を参照光および被測定物に照射される測定光に分離す
    る干渉計ブロックとを備え、前記参照光および前記測定
    光の干渉に基づいて測長を行う干渉計測定装置におい
    て、 前記レーザ光源から前記干渉計ブロックに至るレーザ光
    の光路を密閉する第1の密閉容器を備えることを特徴と
    する干渉計測定装置。
  2. 【請求項2】 前記干渉計ブロックで分離された前記参
    照光および前記測定光の光路を密閉する第2の密閉容器
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の干渉計測定
    装置。
  3. 【請求項3】 環境の変動に基づく測定誤差を補正する
    ための波長トラッカーを備えることを特徴とする請求項
    1に記載の干渉計測定装置。
  4. 【請求項4】 前記干渉計ブロックと前記被測定物との
    間で前記測定光を2往復させるダブルパス方式を採用し
    たことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の干渉計測定装置。
  5. 【請求項5】 レーザ光の波長変動比率をΔλ/λ=2
    ×10-8以下とすることにより光学非線形誤差を抑制し
    たことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の干渉計測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の干
    渉計測定装置において、 前記第1および/または第2の密閉容器には前記レーザ
    光が入射あるいは出射するための窓を有し、 前記窓には、屈折率と温度とが負の相関関係を有する硝
    材が用いられることを特徴とする干渉計測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の干渉計測定装置におい
    て、 前記硝材はその主成分として少なくとも金属フッ化物と
    金属酸化物とを含有する異常部分分散ガラスであること
    を特徴とする干渉計測定装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010118524A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Nikon Corp 露光装置及び露光方法
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US9804510B2 (en) 2013-01-17 2017-10-31 Canon Kabushiki Kaisha Interferometer system, lithography apparatus, and article manufacturing method
CN112097667A (zh) * 2020-10-12 2020-12-18 北京卫星环境工程研究所 一种用于压差形变测量的纳米级干涉测量方法

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