JPH1143066A - 操舵装置 - Google Patents

操舵装置

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JPH1143066A
JPH1143066A JP20173697A JP20173697A JPH1143066A JP H1143066 A JPH1143066 A JP H1143066A JP 20173697 A JP20173697 A JP 20173697A JP 20173697 A JP20173697 A JP 20173697A JP H1143066 A JPH1143066 A JP H1143066A
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steering
steering angle
angle
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Hisahiro Kanetaka
寿裕 金高
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】操舵角センサの検出信号とその中立位置とをも
とに操舵角を検出するようにした場合における、中立位
置の中立位置ずれを容易確実に検出する。 【解決手段】車両が直進走行状態であるとみなすことが
可能なときにおける、操舵角センサ22,23の検出値
に基づき設定される中立位置θC と操舵角センサ22,
23の検出値とに基づき検出される現在の操舵角θ
FUと、ラック軸4とシリンダ4aとのストローク量に応
じた回転角度を検出するラックストロークセンサ16の
検出値に基づく転舵角θFLとに基づいて、これら操舵角
θFU及び転舵角θFLを例えば操舵角等同一の対象物に対
する角度に変換した後の操舵角変換角θ FU′及び転舵角
変換角θFL′の差が所定値ψよりも小さいか否かを判断
し、これらの差が所定値ψよりも大きい場合には、中立
位置θC が真の中立位置よりもずれていると判断し、警
報ランプ15を点灯させてドライバに認識させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ステアリングホ
イールの操舵角情報を制御情報に含んで車両の特性を制
御するようにした操舵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ステアリングホイールの操舵角を
検出する操舵角センサにおいては、例えば、ステアリン
グシャフトの回転角に応じたパルス信号を得て、このパ
ルス信号と所定の中立点情報とをもとに操舵角を検出す
るようにしている。そして、高精度に舵角を検出するた
めに、車両が直進走行状態であるとみなすことが可能な
状態のときに、中立点情報を逐次更新するようにしてい
る。この中立点の更新方法としては、本出願人が先に提
案した特開平2−299978号公報に記載されている
もの等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の中立点情報の更新方法においては、車両が直進走行
状態にあるとみなすことができるときにのみ、操舵角セ
ンサの検出値に基づいて中立点を算出するようにし、こ
の中立点の更新操作を繰り返し行うことにより次第に真
の中立点に収束するようになっている。そのため、真の
中立点が検出されるまでに処理時間を要するという問題
がある。
【0004】一方、例えば、電動機の出力によって操舵
力を補助するようにした電動パワーステアリング装置等
においては、ステアリングシャフトに操舵トルクを検出
するトルクセンサを設け、このトルクセンサの検出値に
基づいて操舵補助力を発生させるようにしている。しか
しながら、このトルクセンサは比較的高価であり、フェ
ールセーフのためにトルクセンサを複数設ける方法等も
考えられているが、これはさらに装置の高価格化を招く
ものであって、より安価に操舵トルクを検出する方法が
望まれていた。
【0005】そこで、この発明は、上記従来の問題点に
着目してなされたものであり、操舵角センサの中立点を
容易確実に検出することができ、且つ、安価に操舵トル
クを検出することの可能な操舵装置を提供することを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る操舵装置は、ステアリングホイール
の操舵角に応じた操舵角検出信号と前記ステアリングホ
イールの中立位置情報とに基づいて前記操舵角を検出す
る操舵角検出手段と、前記ステアリングホイールの操舵
により転舵される転舵輪の転舵角を検出する転舵角検出
手段と、前記操舵角検出手段及び前記転舵角検出手段で
検出した直進走行状態における検出操舵角及び検出転舵
角に基づいて前記中立位置情報の中立位置ずれを検出す
る中立位置ずれ検出手段と、当該中立位置ずれ検出手段
の検出結果に基づいて所定の処理を行う制御手段と、を
備えることを特徴としている。
【0007】この発明によれば、操舵角センサ等から出
力される、ステアリングホイールの操舵角に応じた操舵
角検出信号と、例えば車両が直進走行状態とみなすこと
ができるときの操舵角等のステアリングホイールの中立
位置情報と、に基づいてステアリングホイールの操舵角
が操舵角検出手段により検出される。また、ステアリン
グホイールを操舵することに伴って転舵される転舵輪の
転舵角が転舵角検出手段によって検出される。
【0008】そして、車両が直進走行状態であるとみな
すことのできる時点における、転舵角と操舵角との偏差
に基づいて、操舵角検出手段で用いられる中立位置情報
の中立位置ずれが検出される。つまり、車両が直進走行
状態であるときには、ステアリングホイール及び転舵輪
は中立状態となるはずであるから、例えば検出転舵角を
操舵角に変換した値と検出操舵角とはほぼ一致するはず
である。したがって、これらが一致しないときには、中
立位置ずれが生じているとして検出される。
【0009】よって、例えば操舵角検出手段で用いられ
る中立位置情報つまり中立位置が検出操舵角に基づいて
逐次更新されて真の中立位置に収束するような場合に
は、中立位置が真の中立位置に収束するまでに時間を要
し、中立位置がずれているかどうかを検出するまでの時
間を要するが、例えば検出転舵角に基づく操舵角と検出
操舵角とが一致するか否かを比較することにより、容易
に中立位置ずれが検出される。
【0010】また、請求項2に係る操舵装置は、ステア
リングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記ステアリングホイールにより転舵される転舵輪の転
舵角を検出する転舵角検出手段と、前記操舵角検出手段
の検出操舵角と前記転舵角検出手段の検出転舵角とに基
づいて車両の操舵系の操舵トルクを検出するトルク検出
手段と、当該トルク検出手段のトルク検出値に基づいて
所定の処理を行うトルク制御手段と、を備えることを特
徴としている。
【0011】この発明によれば、ステアリングホイール
の操舵角が操舵角検出手段により検出され、ステアリン
グホイールの操舵に応じて転舵される転舵輪の転舵角が
転舵角検出手段により検出される。そして、検出操舵角
と検出転舵角とに基づいて車両の操舵系の操舵トルクが
検出される。つまり、ステアリングホイールの操舵角と
転舵輪の転舵角との差はステアリングホイールと転舵輪
とを連結するステアリングシャフト等の操舵系のねじれ
量に比例するから、操舵角と転舵角との差に基づいて操
舵系の操舵トルクが検出されることになる。よって、従
来の操舵トルクセンサ等を用いなくても、操舵角検出手
段と転舵角検出手段を設けることによって操舵系の操舵
トルクを検出することが可能となる。
【0012】さらに、請求項3に係る操舵装置は、前記
制御手段は、前記トルク検出手段及びトルク制御手段を
備え、当該トルク制御手段は前記トルク検出値に応じた
操舵補助力を発生させるトルク制御手段であって、前記
中立位置ずれ検出手段で前記中立位置ずれを検出したと
き、前記検出転舵角の所定時間当たりの変位量に基づき
前記操舵トルクを推定すると共に前記検出転舵角の所定
時間当たりの変位量に基づき前記操舵トルクを推定し、
推定したトルク推定値のうち何れか小さい方に基づいて
前記操舵補助力を発生させるようにしたことを特徴とし
ている。
【0013】この発明によれば、検出操舵角及び検出転
舵角に基づいて中立位置ずれ検出手段により、操舵角検
出手段の中立位置ずれが検出され、また、トルク検出手
段により、検出操舵角及び検出転舵角に基づいて操舵系
の操舵トルクが検出され、この検出した操舵トルクに応
じて、トルク制御手段によって操舵補助力が発生され
る。このとき、中立位置ずれ検出手段によって中立位置
ずれが検出されると、トルク制御手段によって、操舵角
検出手段で検出し所定の記憶領域に保持している前回の
検出操舵角と今回の検出操舵角との差、つまり所定時間
当たりの変位量に基づいて操舵トルクが推定され、同様
に、転舵角検出手段で検出し所定の記憶領域に保持して
いる前回の検出転舵角と今回の検出転舵角との差から操
舵トルクが推定される。そして、これら検出操舵角に基
づき推定したトルク推定値と検出転舵角に基づいて推定
したトルク推定値とのうち、何れか小さい方に応じた操
舵補助力が発生される。
【0014】よって、中立位置ずれが検出された場合、
検出操舵角には中立位置ずれによるずれ分が含まれるた
め、この検出操舵角に基づいて操舵トルクを求めた場合
この操舵トルクには中立位置ずれによるずれ分が含まれ
ることになるが、検出操舵角の変位量には中立位置ずれ
によるずれ分が含まれないから、この変位量に基づき推
定された操舵トルクには中立位置ずれによるずれ分が含
まれない。そして、このとき、検出操舵角の変位量に基
づくトルク推定値と、検出転舵角の変位量に基づくトル
ク推定値とのうち、何れか小さい方に基づいて操舵補助
力が発生されるから、中立位置ずれのずれ分の影響を受
けることなく操舵補助力が発生されると共に、より安全
性が向上されることになる。
【0015】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る操舵装置によれ
ば、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検
出手段と、ステアリングホイールにより転舵される転舵
輪の転舵角を検出する転舵角検出手段とを設け、これら
検出手段の、車両が直進走行状態であるときの各検出値
に基づいて中立位置ずれを検出するようにしたから、操
舵角検出手段の中立位置ずれを容易確実に検出すること
ができる。
【0016】また、本発明の請求項2に係る操舵装置に
よれば、操舵角検出手段で検出したステアリングホイー
ルの操舵角と転舵角検出手段で検出したステアリングホ
イールにより転舵される転舵輪の転舵角とに基づいて操
舵系の操舵トルクを検出するようにしたから、トルクセ
ンサ等を設ける必要がなく、より安価に操舵トルクの検
出を行うことができる。
【0017】さらに、本発明の請求項3に係る操舵装置
によれば、操舵トルクに応じた操舵補助力を発生させる
トルク制御手段では、中立位置ずれ検出手段で中立位置
ずれを検出したときには、検出操舵角の変位量に基づく
トルク推定値と検出転舵角の変位量に基づくトルク推定
値との何れか小さい方に基づいて操舵補助力を発生させ
るようにしたから、中立位置ずれによるずれ分の影響を
含む操舵トルクに基づいて操舵補助力が発生されること
を回避することができると共に、より安全性を向上させ
ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。この実施の形態は、本発明におけ
る操舵装置を、操舵系に生じる操舵トルクに応じた操舵
補助力を発生させるようにした電動パワーステアリング
装置に適用したものであって、図1はその一例を示す概
略構成図である。
【0019】図1に示すように、ステアリングホイール
1は、ステアリングシャフト2の上端部に連結され、こ
のステアリングシャフト2は図示しない固定部に支持さ
れて下方に延長され、その下端部にピニオン3が装着さ
れている。
【0020】このピニオン3は、車両幅方向に水平に延
長するラック軸4に噛合して、ステアリングギヤを構成
し、ステアリングホイール1からステアリングシャフト
2回りの回転運動が、ラック軸4の直進運動(並進運
動)に変換される。
【0021】そして、水平に延在するラック軸4の両端
部は、それぞれタイロッド5を介してナックル及び転舵
輪6FL,6FRに接続され、ラック軸4が水平方向移
動(並進運動)することで転舵輪6FL,6FRが転舵
される。なお、前記ステアリングホイール1,ステアリ
ングシャフト2,ピニオン3,ラック軸4によって、操
舵系を構成している。
【0022】また、ステアリングシャフト2におけるピ
ニオン3の上部には、減速機を構成するリングギア7が
同軸に固定され、このリングギア7に操舵補助モータ8
の駆動軸8aに連結されたリングギヤ9が噛合され、操
舵補助モータ8が後述するコントロールユニット10か
ら出力されるデューティ制御されたパルス電流によって
必要なアシストトルクを発生するように制御される。
【0023】さらに、ステアリングシャフト2には、そ
の下端部とピニオン3の上端部とを連結する図示しない
トーションバーが設けられ、また、ステアリングシャフ
ト2の上部にはステアリングホイール1の回転角すなわ
ち操舵角を検出する操舵角検出機構20が取り付けられ
ている。
【0024】この操舵角検出機構20は、図2に示すよ
うに、ステアリングシャフト2に固定された円板状のセ
ンサディスク21と、このセンサディスク21に対向し
て配設された第1の操舵角センサ22,第2の操舵角セ
ンサ23及び中立位置センサ24とで構成されている。
【0025】ここで、センサディスク21には、その外
周側の同心円上に全周にわたって数度間隔で操舵角検出
用透孔21aが穿設されていると共に、その内側に同心
的に例えば20°程度の範囲で中立位置検出用透孔21
bが穿設されている。
【0026】また、第1及び第2の操舵角センサ22,
23と中立位置センサ24とは、それぞれセンサディス
ク21を挟んで対向する発光ダイオード及びフォトレジ
スタを有するフォトインタラプタで構成され、このうち
第1及び第2の操舵角センサ22,23は、センサディ
スク21の操舵角検出用透孔21aに対向する任意の位
置に透孔21aの幅の半分のピッチで並設され、中立位
置センサ24は、ステアリングホイール1が直進状態を
表す中立位置にあるときに中立位置検出用透孔21bの
円周方向の略中心位置に配設されている。
【0027】また、図1に示すように、車両には車速を
検出する車速センサ12が搭載されていて、この車速セ
ンサ12によって、車両前後方向の車速が検出され、こ
の車速の大きさに応じた電圧信号である車速検出値Vが
後述されるコントロールユニット10に供給される。さ
らに、操舵補助モータ8には、電流検出器14が取り付
けられており、この電流検出器14で操舵補助モータ8
に流れる実電流値が検出され、その大きさに応じた電流
信号からなる実電流検出値iF が、コントロールユニッ
ト10に供給される。
【0028】また、車両の運転席近傍,より具体的に
は、例えばインストゥルメントパネルには、操舵角検出
機構20の各検出信号に基づきコントロールユニット7
で認識している中立位置θC が異常であることを運転者
に視認してもらうための警報ランプ15が設けられてい
る。
【0029】さらに、前記ラック軸4にはこのラック軸
4のストローク量を検出するラックストロークセンサ1
6が設けられている。このラックストロークセンサ16
は、図3に示すように、ラック軸4を摺動自在に支持す
るシリンダ4aに固定された略L字状の固定ブラケット
16aと、ラック軸4に固定された可動ブラケット16
bと、これら固定ブラケット16a及び可動ブラケット
16bにその両端が支持される回動部材16cと、この
回動部材16cの回転角度を検出する例えばポテンショ
メータ等で構成される回転センサ16dとから構成され
ている。
【0030】前記固定ブラケット16aは、そのL字状
の一辺がラック軸4と平行になるようにその一端がシリ
ンダ4aに固定され、その他端には、回動部材16cの
一端が回動自在に支持されている。そして、この支持点
を回動中心として回動部材16cが回動することに伴っ
て、回動中心における回動部材16cの回転角度が、回
転センサ16dによって検出されるようになっている。
この回転センサ16dの出力は、ストローク検出値θS
としてコントロールユニット10に供給されるようにな
っている。また、回動部材16cの固定ブラケット16
a側の支持点と反対側には、回動部材16cの長手方向
と平行な長穴16c1 が形成されている。
【0031】前記可動ブラケット16bは、略L字状に
屈折した板面で形成され、一方の面には、ラック軸4の
曲面と嵌合する嵌合部16b1 が形成され、この嵌合部
16b1 とラック軸4とが嵌合して固定されている。ま
た、他方の面には、前記回動部材16cに形成された長
穴16c1 と嵌合する突起部16b2 が形成され、可動
ブラケット16b上に回動部材16cが配置されて回動
部材16cの長穴16c1 と突起部16b2 とが嵌合さ
れたとき、回動部材16cがほぼ水平となるように形成
されている。
【0032】そして、シリンダ4aに支持されたラック
軸4が伸縮することによって、ラック軸4が移動するに
つれて可動ブラケット16bが移動し、これに応じて突
起部16b2 が長穴16c1 を案内として移動しこれに
よって回動部材16cを回動させることにより、この回
動部材16cの回転角度が回転センサ16dによって検
出されるようになっている。
【0033】前記コントロールユニット10は、図4に
示すように、車速センサ12からの車速検出値V,電流
検出器14からの実電流検出値iF ,ラックストローク
センサ16からのストローク検出値θS ,操舵角検出機
構20の操舵角センサ22,23の操舵角検出信号
1 ,P2 ,中立位置センサ24の検出信号PN を入力
し、且つ操舵補助モータ8の回転方向と回転速度とを制
御するためのモータ制御信号及び警報ランプ15の点灯
制御を行うランプ制御信号を出力するマイクロコンピュ
ータ42と、このマイクロコンピュータ42から出力さ
れるランプ制御信号が供給されこれに応じて警報ランプ
15を点灯/消灯制御するランプ駆動回路43と、モー
タ制御信号が供給されこれに基づいて操舵補助モータ8
の回転方向と回転速度とを制御する前輪用駆動回路44
と、を備えている。
【0034】ここで、マイクロコンピュータ42は、少
なくとも、F/V変換機能やA/D変換機能を備えた入
力側インタフェース回路42a,マイクロプロセッサユ
ニット等からなる演算処理装置(CPU)42b,RA
M,ROM等からなる記憶装置42c及び出力側インタ
フェース回路42dを有する。
【0035】そして、前記入力側インタフェース回路4
2aには、車速センサ12からの車速検出値V,電流検
出器14からの実電流検出値iF ,ラックストロークセ
ンサ16からのストローク検出値θS ,操舵角検出機構
20の操舵角センサ22,23の操舵角検出信号P1
2 ,中立位置センサ24の検出信号PN ,回転角計測
回路41からの現在モータ回転角θMRが入力される。ま
た、出力側インタフェース回路42dからは、警報ラン
プ15を制御するためのランプ駆動回路43へのランプ
制御信号SL ,操舵補助モータ8を駆動制御するための
前輪用駆動回路44へのモータ制御信号SF が出力され
る。
【0036】そして、前記演算処理装置42bは、操舵
角センサ22及び23からの2つの操舵角検出信号
1 ,P2 に基づいて操舵方向及び操舵角θFUを検出す
ると共に、中立位置センサ24の検出信号PN に基づい
て中立位置θC を検出する。そして、検出した中立位置
θC が正常であるか否かを、車両が直進走行状態である
時のラックストロークセンサ16のストローク検出値θ
S と、操舵角θFUとをもとに判定し、判定の結果異常と
みなされる場合には、警報ランプ15を点灯させるラン
プ制御信号SL をランプ駆動回路43に出力する。
【0037】また、演算処理装置42bは、操舵角セン
サ22,23からの操舵角検出信号P1 ,P2 に基づい
て検出した操舵角θFU及びラックストロークセンサ16
のストローク検出値θS に基づいてステアリングホイー
ル1及びピニオン3間に作用する操舵トルクに応じた必
要なアシストトルクTを検出し、検出したアシストトル
クTに基づいた操舵補助力を発生するように、操舵補助
モータ8の回転方向及びその駆動量に応じて操舵補助モ
ータ8をデューティ制御するデューティ制御用パルス信
号等からなるモータ制御信号SF を形成しこれを出力側
インタフェース回路42dを介して前輪用駆動回路44
に出力する。
【0038】さらに、記憶装置42cには、予め演算処
理装置42bの演算処理に必要な制御マップ,演算式,
プログラム等が記憶されていると共に、演算処理装置4
2bの演算過程で必要な演算結果を逐次記憶する。
【0039】前記前輪用駆動回路44は、例えば4個の
MOSFET等のスイッチング素子を2個ずつ直列に接
続して2組の直列回路を構成し、これら直列回路のそれ
ぞれのスイッチング素子間に操舵補助モータ8が接続さ
れ、いわゆるHブリッジ回路に構成されている。そし
て、各スイッチング素子が、マイクロコンピュータ42
の出力側インタフェース回路42dから出力される回転
方向を特定する信号及びデューティ制御用電流信号等に
基づいて作動することによって、操舵補助モータ8の回
転方向及びその駆動量が制御されるようになっている。
また、Hブリッジ回路には、電流検出器14が接続され
ている。
【0040】次に、上記実施の形態の動作をマイクロコ
ンピュータ42の演算処理装置42bで実行される処理
の処理手順を示すフローチャートに基づいて説明する。
図5は、中立位置ずれ検出処理の処理手順を示すフロー
チャートであって、コントロールユニット10では、こ
の中立位置ずれ検出処理を所定時間(例えば10mse
c)毎に実行している。
【0041】この中立位置ずれ検出処理では、まずステ
ップS1で、予め設定した所定の判定条件が成立してい
るか否かを判定する。この判定条件は、転舵中はトーシ
ョンバーの捩じれにより、中立位置が正常であっても操
舵角と転舵角との間に相対角が生じるため、誤った判断
が行われることを回避するために、車両が直進走行状態
であって転舵輪6FL,6FRが中立状態であるとみな
すことができるかどうかを判断するためのものである。
この判定条件としては、中立位置センサ24の検出信号
N が“1”であること、つまりステアリングホイール
1が直進走行状態を表す略中立位置にあること,車速検
出値Vが所定の車速VN (例えば20km/h)以上で
あること,後述の操舵角検出処理において算出し所定の
記憶領域に格納している操舵角θFUの変化が所定角度
(例えば10°)以内であること,連続走行距離が所定
距離H(例えば12.5m)以上であること等がある。
【0042】そして、これら判定条件を全て満足すると
き、車両が直進走行状態であると判断し、ステップS2
に移行して中立判定処理を行う。一方、判定条件を全て
満足しない場合には、そのまま処理を終了する。
【0043】前記中立判定処理では、操舵角検出信号P
1 ,P2 に基づく操舵角θFUと、ラックストロークセン
サ16の検出信号θS に基づいて検出し所定の記憶領域
に格納している転舵角θFLとをもとに、例えば転舵角θ
FLをステアリングホイール1の回転角度に変換する等を
行って操舵角θFUに基づく操舵角変換角θFU′と転舵角
θFLに基づく転舵角変換角θFL′とに変換し、これら変
換角の差が予め設定した所定値ψよりも大きいか否か、
つまり、|θFU′−θFL′|>ψであるか否かを判定す
る。
【0044】前記所定値ψは、操舵角検出機構20の各
検出値に基づきコントロールユニット10で認識してい
る中立位置θC とラックストロークセンサ16の検出信
号に基づく中立位置とのずれ量との許容誤差を表す。そ
して、操舵角変換角θFU′及び転舵角変換角θFL′の差
が所定値ψよりも大きい場合、つまり、|θFU′−
θ FL′|>ψであるときには、中立位置ずれが生じてい
るものと判断する。逆に、|θFU′−θFL′|≦ψであ
るときには、中立位置ずれが生じていないと判断する。
【0045】そして、ステップS2の中立判定処理で、
中立位置ずれが生じていると判定した場合には(ステッ
プS3)、ステップS4に移行し、警報ランプ15を点
灯させるためのランプ制御信号SL をランプ駆動回路4
3に出力すると共に、判定結果を所定の記憶領域に格納
し処理を終了する。
【0046】一方、中立判定処理(ステップS2)にお
いて、中立ずれが生じていないと判定した場合には、判
定結果を所定の記憶領域に格納した後処理を終了する。
次に、図6は、操舵補助制御処理の処理手順を示すフロ
ーチャートであって、コントロールユニット10では、
この操舵補助制御処理を所定時間(例えば5msec)
毎に実行している。
【0047】まず、所定の記憶領域に格納されている操
舵角センサ22,23の操舵角検出信号に基づく操舵角
θFUと、ラックストロークセンサ16で検出されたスト
ローク検出値θS に基づく転舵角θFLと、車速センサ1
2からの車速検出値Vと、を読み込む(ステップS1
1)。
【0048】次いで、所定の記憶領域に格納している、
前述の中立位置ずれ検出処理による検出の結果が中立位
置ずれが生じているか否かを判定する(ステップS1
2)。そして、中立位置ずれが生じていない場合には、
ステップS13に移行し、例えば転舵角θFLをステアリ
ングシャフト2回りの角度に変換した後、次式(1)に
基づいて、アシストトルクTを算出する。
【0049】 T=K×(θFU−θFL)×α ……(1) なお、式中のKはステアリングシャフト2に設けられた
トーションバーの剛性を表す定数である。また、αは比
例係数である。なお、この比例係数αは、定数でもよ
く、また、例えば図7に示すように、車速Vの増加と共
に比例係数αも増加するように設定してもよい。
【0050】一方、ステップS12で、中立位置ずれ検
出処理において中立位置ずれが生じていることが検出さ
れている場合には、ステップS16に移行し、ステップ
S11の処理で読み込んだ操舵角θFU(N)と転舵角θ
FL(N)と、前回操舵補助制御処理実行時に所定の記憶
領域に格納している前回の操舵角θFU(N−1)と転舵
角θFL(N−1)とをもとに、次式(2)に基づき操舵
角θFUの変位量からトルク推定値TFUを推定し、同様
に、次式(3)に基づき転舵角θFLの変位量からトルク
推定値TFLとを求める。そして、次式(4)に示すよう
に、求めたトルク推定値TFU及びTFLのうち、何れか絶
対値の小さい方を、今回のアシストトルクTとして設定
する。なお、式(4)中のMIN( )は、( )内の
絶対値の何れか小さい方を選択することを表す。
【0051】 TFU=K×(θFU(N)−θFU(N−1))×α ……(2) TFL=K×(θFL(N)−θFL(N−1))×α ……(3) T=MIN(TFU,TFL) ……(4) そして、ステップS13又はステップS16で、アシス
トトルクTが設定されると、ステップS18に移行し、
算出したアシストトルクTに応じて補助駆動モータ8へ
供給すべき目標電流値i* を、例えば図8に示す制御マ
ップから、アシストトルクTと、車速Vとに基づいて設
定する。この制御マップは例えばアシストトルクTが大
きくなるほど、目標電流値i* も大きくしてアシストト
ルクTに応じた操舵補助力を発生させ、また、車速Vが
大きくなるほど目標電流値i* を小さくして適度な操舵
補助力を発生させるようにしている。
【0052】次いで、ステップS19に移行し、電流検
出器14からの実電流検出値iF を読み込み、次いでス
テップS20で、次式(5)の演算を行って、デューテ
ィ比Dを算出設定する。
【0053】 D=M(i* −iF ) ……(5) ここで、Mは制御ゲインであって、目標電流値i* と実
電流検出値iF との許容誤差範囲例えば数A程度を見込
んで、十数〜数十程度の値に設定される。
【0054】次いで、ステップS21に移行して、例え
ばアシストトルクTが零を含む正値であるか否かを判定
することによって、左切り状態であるか否かを判定し、
左切り状態である場合には、ステップS22に移行し
て、操舵補助モータ8を左切り方向に回転させる方向信
号を形成すると共に、ステップS20で算出されたデュ
ーティ比Dの左切りデューティ制御用電流パルス信号を
形成しこれらをモータ制御信号SF として、前輪用駆動
回路44に出力する。そして処理を終了する。
【0055】一方、右切り状態であるときには、ステッ
プS23に移行して、操舵補助モータ8を右切り方向に
回転させる方向信号を形成すると共に、ステップS20
で算出されたデューティ比Dの右切りデューティ制御用
電流パルス信号を形成しこれらをモータ制御信号SF
して前輪用駆動回路44に出力する。そして処理を終了
する。
【0056】次に、図9は、操舵角読み込み処理の処理
手順を示すフローチャートであって、コントロールユニ
ット10では、この操舵角読み込み処理を所定時間(例
えば10msec)毎に実行している。
【0057】この操舵角読み込み処理では、まず、第1
及び第2の操舵角センサ22及び23の操舵角検出パル
ス信号P1 ,P2 を読み込み(ステップS51)、次い
で、ステップS52に移行して、操舵角検出信号P1
論理値“0”であるか否かを判定し、論理値“0”であ
るときにはステップS53に移行する。
【0058】このステップS53では、所定の記憶領域
に記憶されている操舵角検出信号P 1 の前回値が論理値
“1”であるか否かを判定し、論理値“0”であるとき
には状態変化が生じていないものと判断して後述のステ
ップS56に移行し、論理値“1”であるときには、信
号立ち下がりの状態変化が生じたものと判断してステッ
プS54に移行する。
【0059】このステップS54では、操舵角検出信号
2 が論理値“1”であるか否かを判定し、論理値
“1”であるときには左旋回状態であると判断してステ
ップS55に移行し、所定の記憶領域に形成した操舵角
検出値θD を表すカウンタのカウント値を“1”だけカ
ウントアップし、次いで、ステップS56に移行して操
舵角検出パルス信号P1 の状態を所定の記憶領域に形成
した前回値記憶領域に更新記憶して処理を終了する。
【0060】また、ステップS53の判定結果が、前回
値が論理値“0”であるとき及びステップS54の判定
結果が操舵角検出信号P2 が論理値“0”であるときに
は直接ステップS56に移行する。
【0061】一方、前記ステップS52の判定結果が操
作角検出信号P1 が論理値“1”であるときには、ステ
ップS57に移行して、前回値が論理値“0”であるか
否かを判定し、論理値“1”であるときには直接前記ス
テップS56に移行し、論理値“0”であるときには信
号立ち上がり時であると判断してステップS58に移行
する。
【0062】このステップS58では、操舵角検出パル
ス信号P2 が論理値“1”であるか否かを判定し、これ
が論理値“0”であるときには直接ステップS56に移
行し、論理値“1”であるときには右旋回状態であると
判断してステップS59に移行し、前記カウンタのカウ
ント値を“1”だけカウントダウンしてからステップS
56に移行する。
【0063】次に、図10は、操舵角検出処理の処理手
順を示すフローチャートであって、コントロールユニッ
ト10では、この操舵角検出処理を所定時間(例えば1
0msec)毎に実行している。
【0064】この操舵角検出処理では、まず、ステップ
S61で前記の割り込み周期において演算され予め所定
の記憶領域に記憶されている疑似中立位置としての移動
平均値θCA及び本来の中立位置の値θC を読み出し、次
いで、ステップS62に移行して前記操舵角読み込み処
理で設定された操舵角θD を読み込む。
【0065】次いで、ステップS63に移行して、次式
(6)の演算を行って移動平均値θ CAを算出し、これを
所定の移動平均値記憶領域に更新記憶する。 θCA=θCA−(θC /100)+(θD /100) ……(6) このステップS63の演算は100個の操舵角の移動平
均を求めることに相当する。
【0066】次いで、ステップS64に移行して、中立
位置センサ24の中立位置検出信号PN が“1”である
か否かを判定し、中立位置検出信号PN が論理値“1”
であるときには、ステアリングホイール1が直進走行状
態を表す略中立位置にあって、前記ステップS63で算
出した移動平均値θCAが中立位置を表していると判断し
て、ステップS65に移行して移動平均値θCAを中立位
置θC として所定記憶領域に更新記憶してからステップ
S66に移行する。
【0067】一方、ステップS64の判定結果が、中立
位置信号PN が論理値“0”であるときにはステアリン
グホイール1が中立位置にはないものと判断して所定記
憶領域に記憶されている中立位置を更新することなく直
接ステップS66に移行する。
【0068】ステップS66では、ステップS63で算
出した移動平均値θCA及びステップS62で読み出した
操舵角θD から中立位置記憶領域に記憶されている中立
位置θを減算した値を操舵角θFUとして所定の操舵角記
憶領域に更新記憶して処理を終了する。ここで、操舵角
θFUは値が正であれば右切り、負であれば左切りである
ことを示す。
【0069】したがって、今、直進走行状態に応じた中
立位置θC が設定されている状態であり、ステアリング
ホイール1を中立位置とした非操舵状態で車両が直進走
行しているものとする。
【0070】このとき、操舵角検出信号P1 及びP2
変化しないから、操舵角読み込み処理で検出される操舵
角検出値θD は中立位置θC と略等しい状態を維持す
る。そして、操舵角検出値θD と中立位置θC とが略等
しいことから操舵角検出処理のステップS63で算出さ
れる移動平均値θCAが変化せず、さらに、中立位置セン
サ24の中立位置検出信号PN が論理値“1”となって
いるので、移動平均値θ CAが中立位置θC として設定さ
れ、操舵角検出値θD から中立位置θC を減算した操舵
角θFUは略零となる。
【0071】この直進走行状態からステアリングホイー
ル1を右切りして右旋回状態に移行すると、操舵角セン
サ22及び23から位相差を有する操舵角検出信号P1
及びP2 が出力され、操舵角検出信号P1 の立ち下がり
状態変化が検出され且つ操舵角検出信号P2 が論理値
“1”であるときに、カウンタのカウント値がカウント
アップされて、操舵角検出値θD がインクリメントさ
れ、これに応じて操舵角検出処理で算出される操舵角θ
FUが右切りを表すように正方向に増加される。
【0072】また、直進走行状態からステアリングホイ
ール1を左切りして左旋回状態に移行した場合には、操
舵角検出信号P1 に立ち上がりの状態変化が検出され、
操舵角検出信号P2 が論理値“1”であるときに、カウ
ンタのカウント値がカウントダウンされて、操舵角検出
値θD がデクリメントされ、これに応じて操舵角検出処
理で算出される操舵角θFUが左切りを表すように負方向
に増加される。
【0073】そして、車両が直進走行し、中立位置ずれ
検出処理における所定の判定条件を満足する状態、具体
的には、中立位置センサ24の検出信号PN が“1”で
あり、車速検出値Vが所定の車速VN (例えば20km
/h)以上であり、操舵角θ FUの変化が所定角度(例え
ば10°)以内であり、連続走行距離が所定距離H(例
えば12.5m)以上となると、中立位置ずれ検出処理
において、ステップS2の中立判定処理が実行される。
つまり、操舵角θFUと、ラックストロークセンサ16の
検出信号θS に基づいて検出し所定の記憶領域に格納し
ている転舵角θ FLとに基づく操舵角変換角θFU′と転舵
角変換角θFL′との差が所定値ψよりも大きいか否かが
判断される。
【0074】このとき、本来直進走行している場合には
操舵角変換角θFU′と転舵角変換角θFL′とはほぼ一致
するはずであるから、|θFU′−θFL′|≦ψである場
合には、中立位置ずれが生じていないとして判断され
る。一方、|θFU′−θFL′|>ψである場合には、中
立位置ずれが生じていることになり、コントロールユニ
ット10で認識している中立位置θC が真の中立位置と
ずれていると判断される。これによって、警報ランプ1
5が点灯されて、ドライバに中立位置ずれが生じている
ことが通知される。
【0075】また、図6に示す操舵補助制御処理が実行
されたとき、中立位置ずれが生じていない場合には、操
舵角θFUとラックストロークセンサ16の検出信号θS
に基づく転舵角θFLとの差、つまり、ステアリングシャ
フト2の上端部側と、ピニオン3側とのねじれ量に基づ
いてアシストトルクTが検出される。そして、このアシ
ストトルクTを発生し得る目標電流値i* が設定され、
この目標電流値i* と実電流値iF とに基づいてデュー
ティ比が設定される。そして、操舵補助モータ8の回転
方向とデューティ比に応じたパルス信号とからなるモー
タ制御信号SFが出力される。そして、このモータ制御
信号SF に基づいて、前輪用駆動回路44のHブリッジ
回路を構成する各スイッチング素子が作動し、これに応
じて操舵補助モータ8が駆動されて、アシストトルクT
に応じた操舵補助力が発生されることになる。
【0076】一方、例えば直進走行状態となって、中立
位置ずれ検出処理が実行されたときに、操舵角と転舵角
とが|θFU′−θFL′|>ψとなり、中立位置ずれが生
じたことを検出した場合には、所定の記憶領域に格納し
た前回操舵補助制御処理実行時の操舵角θFU(N−1)
及び転舵角θFL(N−1)と今回読み込んだ操舵角θ FU
(N)及び転舵角θFL(N)から、前記(2)及び
(3)式に基づいてトルク推定値TFU及びTFLが算出さ
れ、算出されたトルク推定値TFU及びTFLのうち、絶対
値がより小さい方のトルク推定値に基づいて目標電流値
* が設定され、これに基づいて操舵補助モータ8が回
転駆動される。
【0077】したがって、中立位置θC に中立位置ずれ
が生じている場合、これに基づき算出された誤った操舵
角θFUに基づいて操舵補助制御処理が実行されると、中
立位置のずれ状況によってはドライバが予期しない操舵
補助力が発生される場合があり、操縦安定性を損なう可
能性がでてくるが、中立位置ずれが生じたことを検出し
た場合には、操舵角θFUの変位量から操舵トルクを推定
するようにしたから、中立位置ずれが生じている場合で
も、推定したトルク推定値TFUに中立位置ずれによるず
れ分が含まれることを回避することができる。また、こ
の推定したトルク推定値TFUと、同様に転舵角θFLの変
位量から推定したトルク推定値TFLとを比較し、何れか
小さい方のトルクに基づいて操舵補助力を発生させるよ
うにしているから、より安全性を向上させることができ
る。
【0078】また、操舵角検出処理において設定される
中立位置θC は、移動平均値θCAに基づいて設定される
ようになっているため、例えば車両が駐車している状態
から、イグニッションスイッチをオン状態として発進し
た場合等には、中立位置θCは、直進走行状態であると
きにしか更新されないため、中立位置θC が真の中立位
置に収束するまでに時間を要することになり、真の中立
位置θcであるのか否かの正確な判断を行うことができ
ない。
【0079】しかしながら、上記実施の形態によれば、
ラックストロークセンサ16を設け、この転舵角θFL
操舵角θFUとを比較することによって、中立位置ずれを
検出するようにしているから、的確に中立位置ずれの検
出を行うことができる。よって、誤った操舵角θFUに基
づいて操舵補助制御処理が実行されることを回避するこ
とができ、車両の操縦安定性の低下を回避することがで
きる。
【0080】また、ラックストロークセンサ16を設
け、操舵角θFU及び転舵角θFLの差に基づいてアシスト
トルクTを検出することができ、また操舵トルクを検出
することができるから、トルクセンサを設ける必要がな
い。よって、高価なトルクセンサを設けることなく、ア
シストトルクTを検出することができ、コスト削減を図
ることができる。
【0081】また、すでに、操舵角検出機構が設けられ
ているような場合には、新たにラックストロークセンサ
を設けるだけで、低コストで操舵トルクを検出すること
が可能に変更することができ、また、確実に中立位置ず
れを検出可能に変更することができる。
【0082】また、操舵角検出機構20の中立位置セン
サ24では、初期設定時の状態における中立位置を基準
として中立位置を検出するようにしているため、例え
ば、サスペンションブッシュ等の経時劣化等によりステ
アリングギアが中立位置ずれを起こした場合、或いはタ
イヤが偏磨耗した場合等による物理的な中立位置ずれが
生じた場合等、中立位置センサ24自体が中立位置ずれ
を生じた場合、操舵角検出機構20からの検出信号のみ
に基づいてはその中立位置ずれを検出することができな
いため、この誤った中立位置を基準として中立位置θC
の設定を行うことになり操舵角の検出精度が低下するこ
とになるが、上記実施の形態によれば、操舵角と転舵角
とを比較することにより中立位置ずれを検出するように
しているから、これら物理的な中立位置ずれである場合
でもこれを早期に検出することができ、これらに伴う悪
影響を早期に回避することができる。
【0083】また、上記実施の形態においては、ラック
ストロークセンサ16では、回動部材16cの回動角度
をポテンショメータ等によって検出するようにしている
ため、ラックストロークセンサ16の占有面積をより小
さくすることができる。
【0084】なお、上記実施の形態においては、ラック
ストロークセンサを、図3に示すように、回動部材16
cの固定ブラケット16d側を回動中心として回動自在
に支持するようにした場合について説明したが、可動ブ
ラケット16b側を回動中心として支持するようにして
もよい。
【0085】また、回動部材16cの回動角度を検出す
るようにしているが、例えば、ラック軸4とシリンダ4
aとにわたって、スライド式のポテンショメータを設
け、これによって、ラック軸4の移動量を検出するよう
にしてもよい。また、転舵角検出手段としては、ラック
ストロークセンサに限るものではなく、転舵角を検出す
ることができれば、どのようなセンサを用いてもよい。
【0086】さらに、上記実施の形態においては、
(1)式にしたがってアシストトルクTを算出するよう
にした場合について説明したが、操舵角θFUと転舵角θ
FLに基づいて操舵トルクを算出するようにしてもよい。
【0087】なお、図10の操舵角検出処理が操舵角検
出手段に対応し、ラックストロークセンサ16が転舵角
検出手段に対応し、図5の中立位置ずれ検出処理が中立
位置ずれ検出手段に対応し、前記(1)式にしたがって
アシストトルクTを算出する処理がトルク検出手段に対
応し、図6のステップS18〜S23の処理がトルク制
御手段に対応している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における操舵装置を適用した電動パワー
ステアリング装置の概略構成図である。
【図2】操舵角検出機構の一例を示す構成図である。
【図3】ラックストロークセンサの一例を示す構成図で
ある。
【図4】コントロールユニットの一例を示すブロック図
である。
【図5】中立位置ずれ検出処理の処理手順の一例を示す
フローチャートである。
【図6】操舵補助制御処理の処理手順の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図7】アシストトルク算出時の比例係数αの設定方法
の一例を示す制御マップである。
【図8】目標電流値とアシストトルクと車速との相対関
係を表す制御マップである。
【図9】操舵角読み込み処理の処理手順の一例を示すフ
ローチャートである。
【図10】操舵角検出処理の処理手順の一例を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリングシャフト 3 ピニオン 4 ラック軸 8 操舵補助モータ 10 コントロールユニット 12 車速センサ 15 警報ランプ 16 ラックストロークセンサ 20 操舵角検出機構 22,23 操舵角センサ 24 中立位置センサ 44 前輪用駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B62D 101:00 113:00 119:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールの操舵角に応じた
    操舵角検出信号と前記ステアリングホイールの中立位置
    情報とに基づいて前記操舵角を検出する操舵角検出手段
    と、前記ステアリングホイールの操舵により転舵される
    転舵輪の転舵角を検出する転舵角検出手段と、前記操舵
    角検出手段及び前記転舵角検出手段で検出した直進走行
    状態における検出操舵角及び検出転舵角に基づいて前記
    中立位置情報の中立位置ずれを検出する中立位置ずれ検
    出手段と、当該中立位置ずれ検出手段の検出結果に基づ
    いて所定の処理を行う制御手段と、を備えることを特徴
    とする操舵装置。
  2. 【請求項2】 ステアリングホイールの操舵角を検出す
    る操舵角検出手段と、前記ステアリングホイールにより
    転舵される転舵輪の転舵角を検出する転舵角検出手段
    と、前記操舵角検出手段の検出操舵角と前記転舵角検出
    手段の検出転舵角とに基づいて車両の操舵系の操舵トル
    クを検出するトルク検出手段と、当該トルク検出手段の
    トルク検出値に基づいて所定の処理を行うトルク制御手
    段と、を備えることを特徴とする操舵装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記トルク検出手段及
    びトルク制御手段を備え、当該トルク制御手段は前記ト
    ルク検出値に応じた操舵補助力を発生させるトルク制御
    手段であって、前記中立位置ずれ検出手段で前記中立位
    置ずれを検出したとき、前記検出転舵角の所定時間当た
    りの変位量に基づき前記操舵トルクを推定すると共に前
    記検出転舵角の所定時間当たりの変位量に基づき前記操
    舵トルクを推定し、推定したトルク推定値のうち何れか
    小さい方に基づいて前記操舵補助力を発生させるように
    したことを特徴とする請求項1記載の操舵装置。
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