JPH1141978A - 電動機を駆動する半導体電力変換器の零相電流の抑制方法 - Google Patents

電動機を駆動する半導体電力変換器の零相電流の抑制方法

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JPH1141978A
JPH1141978A JP9195420A JP19542097A JPH1141978A JP H1141978 A JPH1141978 A JP H1141978A JP 9195420 A JP9195420 A JP 9195420A JP 19542097 A JP19542097 A JP 19542097A JP H1141978 A JPH1141978 A JP H1141978A
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stator
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Shigenori Kinoshita
繁則 木下
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体電力変換器による電動機駆動系における
零相電流を抑制し、且つ、電動機駆動系全体としての所
要装置の小形低廉化を図る。 【解決手段】半導体電力変換器の出力端と電動機固定子
巻線32間を接続する電動機入力線33の各相巻線33
a,33b,33cを、それぞれ、対応相の固定子巻線
32a1,32b2,32c3に接続する前に、電動機
の固定子鉄心30に設けた巻線溝31の対応する各巻線
溝31c1,31a1,31b1を通して少なくとも1
回以上前記固定子鉄心に捲回し、前記各相入力線の固定
子鉄心捲回部を以て鉄心入りリアクトルとして機能さ
せ、同時に、前記固定子鉄心30を共通とする前記の3
相入力線33a,33b,33cにより3相回路におけ
る零相リアクトルを形成させ、これにより、前記電動機
駆動系における零相電流の抑制と共に零相リアクトルの
別途設置を不要となす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動機を駆動す
る半導体電力変換器の動作特性に起因して発生する零相
電流の抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、先ず半導体電力変換器による電動
機駆動系の構成とこの半導体電力変換器の動作特性に起
因する零相電流の発生模様とを、インバータによる交流
電動機駆動システムを例として説明する。なお、後記す
る各図面において同一機能の構成要素に対しては同一の
表示符号を付している。
【0003】先ず、図9はインバータによる交流電動機
駆動系の構成を示す主回路ブロック図であり、図示の1
は直流電源であり一般に電池或いは交流電源を整流して
得た電源が用いられる。また、2はインバータ、3は3
相の交流電動機である。また、図10はインバータ2の
主回路構成を示すインバータ回路図であり、半導体スイ
ッチとしてトランジスタを用いた3相インバータを示す
ものである。
【0004】図10において21,22,23はそれぞ
れ3相インバータの1相分の半導体スイッチアームであ
り、それぞれ同一の回路構成をなす。また、TRU とT
Lとは半導体スイッチとしてのトランジスタでありそ
れぞれダイオードDU とDLとが逆並列に接続されてい
る。ここに、インバータ2は直流入力に対して21〜2
3のスイッチアームを所定の順序にてスイッチング制御
し所要の3相交流出力を得るものであり、直流電源電圧
がほぼ一定の場合にはVVVF制御(可変電圧,可変周
波数制御)され、また、直流電源電圧が可変の場合には
VF制御(可変周波数制御)される。
【0005】次に、図11はインバータの出力電圧波形
図であり、インバータ出力交流電圧の1相分の波形(線
間電圧)を示すものであり、図(a)はPWM制御の場
合、図(b)は非PWM制御の場合を示すものであり、
何れの場合も電圧波形は直流電源電圧Vd を尖頭値とす
るパルス状をなしている。上記の如きインバータの半導
体スイッチは電気絶縁物を介して冷却フィン様の冷却体
に取り付けられ、また、電動機固定子鉄心に巻かれて前
記インバータからの交流給電を受ける電動機固定子巻線
は電気絶縁物を介して前記固定子鉄心に接している。
【0006】図12は前記の半導体スイッチと電動機固
定子巻線についての電気絶縁状態図であり、図(a)に
おいて、200は半導体の導電部、201は電気的な絶
縁物、202はインバータフレームである。また、図
(b)において、30は電動機固定子鉄心、31は巻線
溝、32は導体320と巻線絶縁物321とから構成さ
れた電動機固定子巻線であり、図示の如く前記の巻線絶
縁物は巻線溝内にあって固定子鉄心30に接している。
【0007】なお、電動機とその駆動用インバータとが
同じ架台に取り付けられる場合にはこの架台は金属で構
成されるのが一般的であり、従って、導体であるインバ
ータフレームと電動機固定子鉄心とは電気的に接続され
た状態となる。ここに、前記の各絶縁物はその両面を導
体に挟まれて電気的にはコンデンサとして機能するもの
となり、図11に例示するパルス状のインバータ出力電
圧を受けて3相交流回路における零相電流発生の原因を
なすものとなる。
【0008】図13はインバータによる交流電動機駆動
系における零相電流の通電経路図であり、図示の200
aと200bとはインバータにおける前記の如き各絶縁
物がその両面を挟む導体と共に形成する等価的なコンデ
ンサであり、200aは前記各半導体スイッチアームに
おける下側アーム素子の導電部とインバータフレーム間
に形成される等価的なコンデンサを示し、同様に、20
0bは前記各スイッチアームにおける上側アーム素子に
より形成される等価的なコンデンサを示す。
【0009】また、300は前記の固定子巻線32にお
いて巻線絶縁物321を挟んで導体320と固定子鉄心
30との間に形成される等価的なコンデンサを示す。な
お、前記等価コンデンサ200a,200b,300は
各々その一方の端子がインバータフレームと電動機固定
子鉄心とを介して電気的に接続され接地状態となされて
いる。
【0010】以下、図13に従いインバータによる交流
電動機駆動時の零相電流の発生模様を説明する。その3
相出力の線間電圧が図11に示すパルス状電圧となる3
相インバータの交流出力線導体のインバータフレームに
対する電位は、半導体スイッチアームにおける上側半導
体スイッチTRU のオン時には直流電源の正極側と同電
位となり、下側半導体スイッチTRL のオン時には同直
流電源の負極側と同電位となり、前記両スイッチT
U ,TRL のオン,オフに従い前記直流電源の正負両
極電位間を急激に変動する。
【0011】なお、前記の固定子巻線導体の固定子鉄心
に対する電位はインバータ交流出力線導体のインバータ
フレームに対する電位と同一となる。また、前述の如
く、インバータの交流出力線導体とインバータフレーム
間と、前記の固定子巻線導体と固定子鉄心間には前記の
如く電気絶縁物が介在しており、これらの電気絶縁物が
それぞれ等価的にコンデンサを形成している。
【0012】従って、インバータ交流出力線導体のイン
バータフレームに対する電位と前記の固定子巻線導体の
固定子鉄心に対する電位とが図11に示すパルス状電圧
の如く急激に変化すると、この電位変化に対応して前記
各部絶縁物に変位電流が発生する。図13にIO にて図
示する前記の変位電流は前記各等価コンデンサを通過し
点線にて図示する経路を流れる。即ち、前記固定子鉄心
を通り電動機フレームに流れ、更に取り付け架台を通っ
てインバータフレームに戻る経路で流れる。
【0013】ここに、前記の変位電流IO は、その3組
の半導体スイッチアームを介し3相インバータにより形
成される3相の全ての相に発生し、何れも3相交流回路
から大地に流入/流出する接地電流をなす。この3相各
相電流はその合成和が零とならない,いわゆる零相電流
を形成するものとなる。前記零相電流の周波数は前記の
各部絶縁物における電位変動の周波数成分と同じ周波数
となり、一般に100kHz以上の高周波となる。
【0014】次に、インバータによる交流電動機駆動シ
ステムを例とする半導体電力変換器による電動機駆動系
に関し、前記零相電流に起因する問題点について説明す
る。前記の如く100kHz以上の高周波となる零相電
流が前記の電動機フレーム、取り付け架台、インバータ
フレーム等を流れる事により電磁波が発生する。この電
磁波の発生によって付近の電子機器や通信機器にノイズ
障害を惹起し、ラジオ等は受信不能に至る事がある。
【0015】前記の如き零相電流に対する従来の抑制方
法としては、図14に示す回路構成によるものが知られ
ている。図14は、インバータによる交流電動機駆動シ
ステムの主回路ブロック図であり、前述の図9において
零相リアクトル4を加えたものである。即ち、発生の予
想される零相電流の値を所定の値まで減衰させるに必要
な値のリアクタンス値を有するリアクトルを前記のイン
バータと交流電動機間の電動機入力線に直列に挿入した
ものである。
【0016】ここに、零相リアクトル4は貫通形の鉄心
に3相インバータ各相の3本の交流出力線を一括して貫
通させた構造をもち、交流各相出力線の一括化により3
相各相電流の合成和としての零相電流を変成し、この零
相電流による磁束の経路として前記の貫通形の鉄心を設
けて零相リアクトルを形成させたものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前記の如く、電動機を
駆動する半導体電力変換器の零相電流を抑制する従来の
方法は、零相電流抑制用の零相リアクトルを別途用意す
るものであった。また、通常は、前記零相リアクトルを
インバータ装置内に収納していた。しかしながら、前記
零相リアクトルはそのリアクタンスにおいて電動機固定
子巻線やインバータの浮遊容量に比較して十分に大であ
る事を要するために、リアクトルとして大きくなってイ
ンバータ装置内でかなりのスペースを占めるようにな
り、インバータ装置の大形化と高価格化を招いていた。
【0018】上記に鑑みこの発明は、半導体電力変換器
による電動機駆動システムにおける零相電流抑制用のリ
アクトルとして、等価的な零相リアクトルの形成により
前記従来の独立設置形リアクトルの削除を可能とし、半
導体電力変換器による電動機駆動系全体としはての小形
化と低廉化とを図り得る電動機を駆動する半導体電力変
換器の零相電流の抑制方法の提供を目的とするものであ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の電動機を駆動する半導体電力変換器の零
相電流の抑制方法において、 1)請求項1の発明は、電動機固定子鉄心の円周方向に
磁束が発生するように、電動機固定子巻線と電動機駆動
用の半導体電力変換器の出力端との間を接続する電動機
入力線を前記固定子鉄心の巻線溝を通して少なくとも1
回以上この固定子鉄心に捲回し、この入力線捲回部を前
記の電動機入力線に流入する零相電流に対しその抑制用
の鉄心入りリアクトルとして機能させるものとする。
【0020】2)請求項2の発明は、請求項1記載の電
動機を駆動する半導体電力変換器の零相電流の抑制方法
において、前記電動機入力線を前記電動機固定子鉄心の
複数の巻線溝を通して捲回するものとする。 3)請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の電
動機を駆動する半導体電力変換器の零相電流の抑制方法
において、その固定子鉄心捲回部を含む前記の電動機入
力線をシールド線とし、このシールド線のシールド導体
部を前記半導体電力変換器の匡体に接続するものとす
る。
【0021】4)請求項4の発明は、請求項1乃至請求
項3記載の電動機を駆動する半導体電力変換器の零相電
流の抑制方法において、前記の固定子鉄心捲回部におけ
る鉄心外径側を形成する電動機入力線を前記固定子鉄心
の外径側に形成した巻線溝に収納するものとする。 5)請求項5の発明は、請求項4記載の電動機を駆動す
る半導体電力変換器の零相電流の抑制方法において、前
記固定子鉄心捲回部の鉄心外径側の電動機入力線を収納
する前記の固定子鉄心外径側巻線溝に代えて、前記固定
子鉄心を固定する電動機固定子枠に形成した巻線溝を用
いるものとする。
【0022】上記の如くこの発明は、半導体電力変換器
によって駆動される電動機の固定子鉄心自体を零相電流
抑制用リアクトルの鉄心として利用し、電動機固定子巻
線と半導体電力変換器の出力端とを接続する電動機入力
線の3相分を共に前記固定子鉄心に捲回する事により、
零相電流の変成とこの零相電流に対するリアクトルの形
成を図る事をその骨子とするものであり、リアクトル用
鉄心としては極めて大きい容量の鉄心利用を可能として
リアクタンス選定上の裕度の増大を図り、零相電流の大
幅な低減を可能とするものである。
【0023】更にまた、請求項4或いは請求項5による
如く、電動機固定子鉄心の外径側或いは電動機固定子枠
に形成した巻線溝を設ける事により、特に全閉形電動機
の如く固定子鉄心と固定子枠間に通風用空間を持たない
電動機に就いて、固定子鉄心に捲回する電動機入力線の
配線空間の確保が可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施例を図1〜図
8に従い説明する。なお、これら各図においては前述の
図9〜図14に示すものと同一機能の構成要素に対して
は同一の表示符号を付している。先ず、図1は請求項1
に従うこの発明の第1の実施例を示すものであり、巻線
装備状態の電動機固定子の斜視図である。
【0025】図1において、33は電動機3の固定子巻
線32とインバータ2の如き電動機駆動用の半導体電力
変換器の出力端との間を接続する電動機入力線であり、
図示の如く、電動機3の固定子鉄心30の捲回部をも含
め固定子巻線32との接続部迄を電動機入力線33とし
ている。なお、図示の固定子巻線32と電動機入力線3
3とのそれぞれに付しているa,b,cは3相交流中の
各相識別用の添字であり、例えば33aは3相中のa相
の電動機入力線である事を示す。
【0026】以下a相の電動機入力線33aを例として
配線状態をみると、外部より固定子鉄心30に至った電
動機入力線33aは、他相の固定子巻線32b1と32
c1と共に巻線溝31c1を通り、この巻線溝を通過し
た後は固定子鉄心30の外径側(電動機固定子枠側)を
通って戻り、ここで巻線溝31a1を通る固定子巻線3
2a1に接続される。
【0027】即ち、電動機入力線33aは固定子巻線3
2a1に接続される迄に固定子鉄心30を1度捲回した
事になる。なお、固定子巻線32a1は巻線溝31a1
を通過した後は巻線溝31b1等の各巻線溝を通過して
通常の固定子巻線として配線される。同様に、電動機入
力線33bは、他相の固定子巻線32a1と32c2と
共に巻線溝31a1を通り、この巻線溝を通過した後は
固定子鉄心30の外径側を通って戻り、固定子鉄心30
を1度捲回した後にここで巻線溝31b1を通る固定子
巻線32b2に接続される。
【0028】同様に、電動機入力線33cは、他相の固
定子巻線32a2と32b2と共に巻線溝31b1を通
り、この巻線溝を通過した後は固定子鉄心30の外径側
を通って戻り、固定子鉄心30を1度捲回した後に、こ
こで他の巻線溝を通る固定子巻線32c3に接続され
る。また、図2は図1に示す本発明の内容を3相回路に
おけるa相を例に等価表示した単線接続図であり、図示
の如く電動機入力線33aは固定子鉄心30を1回巻い
た構成をなし、前記入力線33の捲回部が鉄心入りの単
相等価リアクトルとして機能する。図示の3Aは図1に
示す本発明の処置をなした電動機である。
【0029】なお、他のb,c両相についても同様の等
価リアクトルを考える事が出来る。また、図3は図1に
示す本発明の内容を3相回路全相につき等価表示した3
線接続図であり、図示の如く3相の電動機入力線33
a,33b,33cは固定子鉄心33をそれぞれ1回巻
いた構成をなし、同一鉄心に3相の入力線を一括して捲
回することにより零相電流の変成がなされるために、前
記3相の入力線捲回部は零相電流に対する鉄心入りの等
価リアクトルとして機能するものとなる。
【0030】次に、図4は図1に示すこの発明の第1の
実施例を補足するものであり、巻線装備状態の電動機固
定子の断面図である。因みに、前記図1に示すこの発明
の第1の実施例においては、固定子鉄心の外側を戻る電
動機入力線の配置空間が問題となる。即ち、通常の全閉
形電動機では固定子の外側は円形をなし、且つ、電動機
固定子枠に直接嵌合されているために前記入力線の戻り
線の通過空間が得られない。更に、固定子鉄心において
電動機入力線を固定子巻線と共に収納する巻線溝は固定
子巻線のみを収納する巻線溝に比して大となり、その近
辺の磁路が狭くなる。
【0031】図4に示す電動機固定子の断面構成は、上
記各問題の解決策の一つをなすものであり、電動機固定
子鉄心を多角形となし、これによる鉄心と固定子枠間の
空間を前記入力線の戻り線用に供するものである。図示
の場合は、固定子鉄心を変形の四角形となし、四隅に得
られる空間を前記戻り線用に供するものである。次に、
図5は請求項2に従うこの発明の第2の実施例を示すも
のであり、巻線装備状態の電動機固定子の斜視図であ
る。
【0032】ここに、3相各相の電動機入力線33a,
33b,33cそれぞれについて、固定子鉄心30の捲
回部において前記入力線の導体分割を行って複数の巻線
溝に一様に分散配置し、固定子鉄心30の外径側の捲回
戻り部においては前記の分割導体を再度一本化する如く
電動機入力線の固定子鉄心捲回部の形成を行うものであ
る。
【0033】図5では、前記入力線33aを鉄心捲回部
において33a1〜33a4の4本の導体に分割して各
巻線溝への一様な分散配置をした場合を例示しており、
他の入力線33b,33cについても同様である。因み
に、前記の図1に示す実施例は、固定子鉄心捲回部にお
ける電動機入力線の配置が固定子鉄心における全ての巻
線溝に均一に分配されたものではない場合のものであ
り、従って入力線捲回部に配置される巻線溝の巻線数は
固定子巻線のみが配置される巻線溝の巻線数に比べて多
くなり、また、巻線溝自体も大きくなる。前記固定子鉄
心における巻線溝の大きさと巻線数との不均一な分布は
電動機諸定数の不均一化を来し電動機特性に悪影響を来
す恐れがある。この問題の解決を図るものとして請求項
2に従う図5の方法を提供するものである。
【0034】次に、図6は請求項3に従うこの発明の第
3の実施例を示す3線接続図であって、その固定子鉄心
捲回部を含む各相の電動機入力線34a,34b,34
cをシールド線となし、且つ各入力線のシールド導体部
を半導体電力変換器の匡体、例えば、前記インバータの
フレーム202に接続するものである。前記の如きシー
ルド導体部の配線により、シールド線内部の絶縁物を通
過する変位電流即ち零相電流はシールド導体を介してイ
ンバータに戻るために、一般に金属で構成される電動機
とその駆動用インバータ共通の取り付けフレームに零相
電流が通電する事は回避され、この零相電流による電磁
障害は発生しない。
【0035】次に、図7は請求項4に従うこの発明の第
4の実施例を示すものであり、電動機固定子枠に装着状
態にある固定子鉄心の断面図である。図7において、3
1Aは固定子鉄心30の外径側に設置した電動機入力線
33収納用の巻線溝であり、31は固定子鉄心30の内
径側に設けられている通常の巻線溝であり固定子巻線3
2を単独で或いは電動機入力線33をも含めて収納する
ものである。また、35は電動機固定子枠(フレーム)
である。
【0036】因みに、請求項4に従うこの発明は、前述
の図4の場合と同様に、固定子鉄心の外側を戻る電動機
入力線の配置空間の確保のためになされたものであ。次
に、図8は請求項5に従うこの発明の第5の実施例を示
すものであり、電動機固定子枠に装着状態にある固定子
鉄心の断面図である。図8において、31Bは電動機固
定子枠35の内径側に設置した電動機入力線33収納用
の巻線溝であり、巻線溝31は図7の場合と同様であ
る。
【0037】なお、請求項5に従うこの発明も、請求項
4に従う前項の発明と同様に固定子鉄心の外側を戻る電
動機入力線の配置空間の確保のためになされたもので
あ。
【0038】
【発明の効果】この発明によれば、電動機を駆動する半
導体電力変換器の零相電流の抑制方法において、請求項
1の如く、電動機固定子鉄心の円周方向に磁束が発生す
るように、電動機固定子巻線と前記半導体電力変換器の
出力端との間を接続する電動機入力線を前記固定子鉄心
の巻線溝を通して少なくとも1回以上この固定子鉄心に
捲回し、この巻線捲回部を前記入力線に流入する零相電
流に対してその抑制用の鉄心入りリアクトルとして機能
させる事により、半導体電力変換器による電動機駆動シ
ステムでの零相電流抑制用のリアクトルとして等価的な
零相リアクトルを得て従来の独立設置形リアクトルの削
除を可能とし、前記の電動機駆動系全体としての装置の
小形化と低廉化とを図る事が可能となり、また、リアク
トル用鉄心としては極めて大容量の固定子鉄心の利用が
可能となるためにリアクタンス選定上の裕度が増大し、
零相電流の大幅な低減が可能となる。
【0039】また、請求項2の如く、前記の請求項1に
よる零相電流の抑制方法において、前記の電動機入力線
を電動機固定子鉄心の複数の巻線溝を通して捲回するこ
とにより、固定子鉄心上の巻線溝に配分される巻線数と
巻線溝自体の寸法との均一化による電動機諸定数の均一
化を図る事が出来、電動機諸特性の悪化を回避する事が
できる。
【0040】また、請求項3の如く、前記の請求項1又
は請求項2による零相電流抑制方法において、その固定
子鉄心捲回部を含む前記の電動機入力線をシールド線と
し、このシールド線のシールド導体部を前記半導体電力
変換器の匡体に接続する事により、電動機とその駆動用
の半導体電力変換器間の零相電流を前記シールド導体部
に限定して通電させ、これら電動機と電力変換器の取り
付けフレームへの前記零相電流の通電を回避しこの零相
電流による電磁障害の発生を防止する事が可能となる。
【0041】また、請求項4の如く、前記の請求項1乃
至請求項3による零相電流抑制方法において、固定子鉄
心捲回部における鉄心外径側を形成する電動機入力線を
収納する如く、前記固定子鉄心の外径側に巻線溝を設け
る事により、全閉形電動機の場合においても、前記固定
子鉄心の外側を戻る電動機入力線の配置空間の確保が可
能となる。
【0042】また、請求項5の如く、請求項4による零
相電流抑制方法において、固定子鉄心捲回部の鉄心外径
側の電動機入力線を収納する前記の固定子鉄心外径側巻
線溝に代えて、前記固定子鉄心を固定する電動機固定子
枠に巻線溝を設ける事により、前記固定子鉄心の外側を
戻る電動機入力線の配置空間の確保が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す電動機固定子の
斜視図
【図2】図1に対応する等価表示の単線接続図
【図3】図1に対応する等価表示の3線接続図
【図4】図1を補足する電動機固定子の断面図
【図5】この発明の第2の実施例を示す電動機固定子の
斜視図
【図6】この発明の第3の実施例を示す3線接続図
【図7】この発明の第4の実施例を示す固定子鉄心の断
面図
【図8】この発明の第5の実施例を示す固定子鉄心の断
面図
【図9】インバータによる交流電動機駆動系の主回路ブ
ロック図
【図10】インバータ回路図
【図11】インバータの出力電圧波形図
【図12】半導体スイッチと電動機固定子巻線について
の電気絶縁状態図
【図13】零相電流の通電経路図
【図14】従来技術の実施例を示す電動機駆動システム
の主回路ブロック図
【符号の説明】
1 直流電源 2 インバータ 3 電動機 3A 電動機 4 零相リアクトル 21〜23 半導体スイッチアーム 30 固定子鉄心 31 巻線溝 31A 巻線溝 31B 巻線溝 32 固定子巻線 33 電動機入力線 34 シールド線 35 固定子枠 TR トランジスタ D ダイオード

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動機固定子鉄心の円周方向に磁束が発生
    するように、電動機固定子巻線と電動機駆動用の半導体
    電力変換器の出力端との間を接続する電動機入力線を前
    記固定子鉄心の巻線溝を通して少なくとも1回以上この
    固定子鉄心に捲回し、この入力線捲回部を前記の電動機
    入力線に流入する零相電流に対しその抑制用の鉄心入り
    リアクトルとして機能させる事を特徴とする電動機を駆
    動する半導体電力変換器の零相電流の抑制方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電動機を駆動する半導体電
    力変換器の零相電流の抑制方法において、前記電動機入
    力線を前記電動機固定子鉄心の複数の巻線溝を通して捲
    回するようにした事を特徴とする電動機を駆動する半導
    体電力変換器の零相電流の抑制方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載の電動機を駆動
    する半導体電力変換器の零相電流の抑制方法において、
    その固定子鉄心捲回部を含む前記電動機入力線をシール
    ド線とし、このシールド線のシールド導体部を前記半導
    体電力変換器の匡体に接続した事を特徴とする電動機を
    駆動する半導体電力変換器の零相電流の抑制方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3記載の電動機を駆動
    する半導体電力変換器の零相電流の抑制方法において、
    前記の固定子鉄心捲回部における鉄心外径側を形成する
    電動機入力線を前記固定子鉄心の外径側に形成した巻線
    溝に収納した事を特徴とする電動機を駆動する半導体電
    力変換器の零相電流の抑制方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の電動機を駆動する半導体電
    力変換器の零相電流の抑制方法において、前記固定子鉄
    心捲回部の鉄心外径側の電動機入力線を収納する前記の
    固定子鉄心外径側巻線溝に代えて、前記固定子鉄心を固
    定する電動機固定子枠に形成した巻線溝を用いた事を特
    徴とする電動機を駆動する半導体電力変換器の零相電流
    の抑制方法。
JP9195420A 1997-07-22 1997-07-22 電動機を駆動する半導体電力変換器の零相電流の抑制方法 Withdrawn JPH1141978A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103117166A (zh) * 2013-03-12 2013-05-22 株洲南车奇宏散热技术有限公司 制作空心环形电抗器的绝缘定位棒及其电抗器制造方法
JP2015216801A (ja) * 2014-05-13 2015-12-03 三菱電機株式会社 電動機駆動装置

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CN103117166B (zh) * 2013-03-12 2015-11-04 株洲南车奇宏散热技术有限公司 制作空心环形电抗器的绝缘定位棒及其电抗器制造方法
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