JPH1139634A - 磁気ディスク及びその製造方法 - Google Patents

磁気ディスク及びその製造方法

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JPH1139634A
JPH1139634A JP18961797A JP18961797A JPH1139634A JP H1139634 A JPH1139634 A JP H1139634A JP 18961797 A JP18961797 A JP 18961797A JP 18961797 A JP18961797 A JP 18961797A JP H1139634 A JPH1139634 A JP H1139634A
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JP
Japan
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film
magnetic
magnetic disk
substrate
resin substrate
Prior art date
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JP18961797A
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English (en)
Inventor
Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Nobuyuki Inaba
信幸 稲葉
Kyo Akagi
協 赤城
Yoshitsugu Koiso
良嗣 小礒
Masaaki Futamoto
正昭 二本
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Hitachi Ltd
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂基板上に形成される磁性膜の異常成長を
抑制し、安定した記録再生を行うことのできる高信頼性
の磁気ディスクを提供する。 【解決手段】 樹脂基板1上に金属の薄膜2、配向性制
御膜3、磁性膜4、保護膜5の順に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大量の情報を迅速
かつ正確に格納するための情報記録媒体にかかり、特
に、高性能でかつ高信頼性を有する磁気ディスクの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にはめざま
しいものがあり、各種形態の情報を統合したマルチメデ
ィアが急速に普及してきている。これを支える情報記録
装置の1つに磁気ディスク装置がある。磁気ディスク装
置は、記録密度を向上させつつ小型化が図られている。
それと並行して、装置の低価格化が急速に進められてい
る。
【0003】現在の磁気ディスク用の基板には、表面に
NiPを形成したAl基板やガラス基板が用いられてい
る。しかし、将来の低価格の磁気ディスク用の基板材料
としては樹脂が有望である。樹脂基板は成型性に優れ、
予めピットなどの凹凸を形成しておき、その上に磁性膜
を形成すると、基板の凹凸付近に磁場の不均一な部分が
生じる。この基板上の凹凸をあらかじめ一定のパターン
で形成しておき、これを検出することにより、位置決め
信号に代表される各種の信号を得ることができる。
【0004】従来は、完成した磁気ディスクに、一枚一
枚サーボトラックライターを用いて位置決め信号を記録
しており、この位置決め信号の記録工程がディスク装置
を量産する際の障害となる場合があった。しかし、基板
として樹脂基板を用い、予め基板に凹凸を形成しておく
ことにより、この課題を解決することができる。
【0005】ここで、磁気ディスクの高密度化を達成す
るためには、(1)磁気ディスクと磁気ヘッドとの距離
をつめること、(2)媒体の保磁力を増大させること、
(3)信号処理方法を工夫することなどが必須の技術で
ある。前記した凹凸を有する樹脂基板を用いる場合、先
の高密度化技術の中の、(1)の項目に対しては不利で
あった。これは、このような基板上に媒体を形成する
と、基板上の凹凸を反映して、媒体表面に凹凸を生じる
ために、ヘッド−媒体間の距離を一定間隔以下にするに
は限界があるためである。
【0006】これに加えて、ガラス基板やAl基板と樹
脂基板とでは、基板の有する表面エネルギーが異なる。
その結果、樹脂基板上に形成される磁性膜が、エピタキ
シャル成長しないで、異常成長した結果、表面の凹凸を
助長する場合があった。このような成長がディスクの所
々で生じると、磁気ヘッドと磁性膜の間の距離を長くし
なければならない。もし、高密度記録再生のために磁気
ディスクと磁気ヘッドとの距離をつめると、ヘッドクラ
ッシュを生じてしまい、安定して記録再生を行うことが
できない。なお、磁性膜の結晶性を制御して形成する従
来の方法としては、特開昭63−187414号公報が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】樹脂を基板に用いて磁
気ディスクを作製する場合、形成した磁気記録媒体の有
する内部応力により基板表面に凹凸が生じる場合があ
り、こうして作製された磁気ディスクを磁気ディスク装
置に組み込んでリード/ライトを行うとヘッドクラッシ
ュを生じる場合があった。樹脂基板上に形成した磁性膜
の結晶性は、ガラス基板や表面にNiP層を形成したA
l基板上に形成した磁性膜より劣化していた。この原因
は、磁性膜の成長とともに(膜表面に向かうにつれて)
粒子サイズが大きくなり、かつ、成長速度が不均一にな
るため、成長が早い部分では表面が凸になり、逆に遅い
部分では表面が凹になるためと考えられる。また、これ
と同時に、樹脂基板の表面も磁気記録媒体の内部応力に
より、ミクロンサイズ以下の周期の凹凸を生じる。
【0008】さらに、これとは別に、磁気記録膜成膜前
から、成型条件により樹脂基板表面に数十から数百ミク
ロン以上の周期の凹凸を生じている場合がある。この基
板上に磁気記録膜を成膜して得た磁気ディスクを磁気デ
ィスク装置にセットして動作させると、磁気記録膜の形
成過程で生じた凹凸や基板の凹凸により、ヘッドクラッ
シュを生じる場合があった。磁気ディスクの記録密度を
向上させるためには磁気ヘッドと磁気ディスクとの距離
を短くすることが有効であるが、媒体表面に凹凸が存在
していると、ヘッドクラッシュを回避しなければならな
いために、磁気ヘッドと磁気ディスクの距離を短くする
ことができない。また、磁気ディスクの表面に凹凸があ
ると、磁気ヘッドが安定に浮上できないため、記録や再
生に際してノイズやエラーが増大する。
【0009】さらに、磁性膜を形成する場合、磁性膜形
成面に凹凸が存在していると、磁性膜が結晶成長する際
に異常成長を起こすために、媒体表面の凹凸がさらに助
長される場合もある。樹脂基板では基板表面を鏡面仕上
げすることが困難で、基板作製の面からは凹凸の除去に
は限界があるとともに、基板表面の凹凸を完全に除去し
ようとすると量産性の障害になる。
【0010】このように、樹脂基板上に磁気記録媒体を
形成すると、薄膜が異常成長をするので、性能の劣化や
信頼性の低下をきたすという問題がある。上記の公知例
では、樹脂基板に固有のこのような問題点について、開
示されていなかった。
【0011】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたもので、樹脂基板上に形成される磁性膜
の異常成長を抑制し、安定した記録再生を行うことので
きる高信頼性磁気ディスク及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。また、本発明は、表面(磁気ヘッド
の接触面)の平坦性に優れた磁気ディスクを提供するこ
とにより、媒体とヘッド間の距離(ヘッド浮上量)を短
くしてもヘッドクラッシュやサーマルアスペリティを生
じることのない、高密度記録が可能な高性能な磁気ディ
スク装置を提供することをも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、樹脂基板上に金属の薄膜をコーティ
ングした後に、磁気記録膜を形成する。ここで用いる金
属薄膜は、結晶構造がbccあるいはhcpである金属
元素により形成する。具体的には、この金属のコーティ
ング用の金属元素として、Ti,Ta,Zr,Nb,
W,Moのうちより選ばれる少なくとも1種類の元素を
用いる。この金属のコーティング膜は、金属薄膜の組織
が微粒子もしくは非晶質に近い構造であることが好まし
い。
【0013】こうして、本発明によると、樹脂基板上に
少なくとも、金属の薄膜と、配向性制御膜と、磁気記録
膜と、保護膜とが、この順序で形成されていることを特
徴とする磁気ディスクが得られる。
【0014】金属のコーティング膜を樹脂基板表面に形
成することにより、磁気記録膜の結晶成長を制御でき、
形成される結晶粒子のサイズ及び磁気記録媒体の表面の
凹凸を制御できる。その結果、磁気ディスクの表面の凹
凸を、膜面に垂直方向に5nmp−p以下、膜面に平行
方向に周期1μm以上に抑制することが可能となる。こ
れにより、磁気ヘッドがディスク上を安定して飛行する
ことができる。
【0015】このように、磁気記録媒体を平坦化できる
のは、金属コーティング膜を形成した後に磁気記録膜を
作製すると、磁性膜の結晶成長を制御できるからであ
る。配向性制御膜を介して磁気記録膜を形成すると、膜
構造の制御性をさらに向上させることができる。
【0016】この効果は、金属コーティング膜を形成す
ることで、その表面エネルギーがガラス基板あるいは表
面にNiP層を形成したAl基板の表面エネルギーと同
等になるために得られる。したがって、樹脂基板上に表
面エネルギーを制御するための膜を設けた後に、金属コ
ーティング膜を形成し、その上に磁気記録膜を形成する
と、磁気記録膜の制御性がさらに向上する。樹脂基板の
表面エネルギーを制御するための制御膜としては、無機
化合物の誘電体からなる膜を用いることができる。具体
的には、窒化シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウ
ム、酸化クロム、窒化チタン、窒化タンタルのうちから
選ばれる少なくとも1種類の材料層を用いればよい。
【0017】こうして、本発明によると、樹脂基板上に
少なくとも、無機化合物の誘電体からなる表面エネルギ
ー制御膜と、金属の薄膜と、配向性制御膜と、磁気記録
膜と、保護膜とが、この順序で形成されていることを特
徴とする磁気ディスクが得られる。
【0018】あるいは、樹脂基板の表面にエポキシ系樹
脂、紫外線硬化型樹脂、ポリイミド系樹脂等の樹脂から
なる膜を設けた後に、金属コーティング膜を形成し、そ
の上に磁気記録膜を形成してもよい。金属コーティング
膜や表面エネルギー制御膜は、樹脂基板から滲出してく
る腐食成分が磁気記録媒体中に拡散するのを防ぐ役割も
果たす。
【0019】前述したように、表面を金属コーティング
した樹脂基板上に形成する磁気記録媒体は、配向性制御
膜、磁性膜、保護膜の3つの部分からなり、この順序で
樹脂基板上に形成したものであることが好ましい。
【0020】配向性制御膜としては、Crを主体とする
合金を用い、Crに固溶し、かつ、Crとイオン半径の
異なる金属元素を添加した合金膜を用いることができ
る。添加する元素は、Ti,Ta,Mo,W,Al,
V,Zr,Nb,Ni,Mnのうちより選ばれる少なく
とも1種類の元素とすることができる。この配向性制御
膜を2層構造とし、段階的に格子面間隔を変化させ、最
も磁気記録膜に近い層の格子面間隔が磁性膜の格子面間
隔に最も近い値となるように合金組成を制御してもよ
い。この場合、第1層目はCr、第2層目をCr合金と
してもよい。配向性制御膜を1層とするか2層とするか
は、用いる磁性膜の組成や材料により決定される。制御
の結果、格子面間隔の差が、10%以内であるように制
御すればよい。
【0021】磁気記録用の磁性膜は、Coを主体とし、
これに、Ta,Pt,Cr,Ti,Ni,Nbのうちよ
り選ばれる少なくとも2種類あるいは3種類の元素を含
み、さらに優位には、磁性膜がX線的に結晶質である膜
であることが好ましい。あるいは、Co単体あるいは、
CoにTa,Pt,Cr,Ti,Ni,Nbのうちより
選ばれる少なくとも2種類あるいは3種類の元素を含ん
だ合金に、窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化シリ
コン、酸化アルミニウム、窒化チタンのうちより選ばれ
る少なくとも1種類の化合物を分散させるか、または、
窒化シリコン、窒化アルミニウム、酸化シリコン、酸化
アルミニウム、窒化チタンのうちより選ばれる少なくと
も1種類の化合物の中に、Co単体あるいはCoにT
a,Pt,Cr,Ti,Ni,Nbのうちより選ばれる
少なくとも2種類あるいは3種類の元素を含んだ合金を
分散させた磁性膜を用いてもよい。
【0022】保護膜としては、C,WC,TiC,Ta
C,NbCのうちより選ばれる少なくとも1種類の化合
物を用いることが好ましい。保護膜の作製は、窒素含有
雰囲気で行ってもよい。これにより、膜を構成する粒子
が微細化するので、薄くしても保護性能の高い膜が得ら
れる。
【0023】樹脂基板上にこれらの膜を形成する際に
は、樹脂基板の軟化温度以下の温度で成膜しなければな
らないことは言うまでもない。また、上記の磁気記録媒
体の中で、特に、磁気記録用の磁性膜を作製するのに、
成膜時に、磁気ディスク用の樹脂基板に対して、バイア
ス電圧を印加して作製することが好ましい。このように
して作製した磁気ディスクを、磁気ディスク駆動手段、
磁気ヘッド、磁気ヘッド駆動手段、信号処理回路等から
なる磁気ディスク装置に組み込むことで、高性能かつ高
信頼性の磁気ディスク装置を得ることができる。
【0024】樹脂基板上に磁気記録媒体の作製を行うス
パッタリング法としては、マイクロ波、高周波、あるい
は、直流のうちより選ばれる少なくとも1種類のエネル
ギーにより、放電ガスを加速することが好ましい。用い
る放電ガスは、Ar,He,Kr,Xe,Neのうちよ
り選ばれる少なくとも1種類のガスとすることができ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て具体的に説明する。 〔実施例1〕図1に断面模式図を示す磁気ディスクを作
製した。磁気ディスク用の樹脂基板1として、アモルフ
ァスポリオレフィン(APO)基板を用いた。ディスク
基板1のサイズは直径3.5インチであり、基板表面は
平坦である。APO基板1上には、金属コーティング膜
2、配向性制御膜3、磁性膜4、保護膜5がそれぞれス
パッタ法によって積層して成膜されている。
【0026】次に、磁気ディスクの作製方法について説
明する。成膜に先立って、APO基板1を70℃で1時
間、真空中でベーキングした。これは、樹脂基板中に含
まれている水分や空気を除去することにより、基板上に
形成される膜の諸特性を安定化するためである。
【0027】ベーキングしたAPO基板1上に、金属コ
ーティング膜2として、チタン膜をスパッタ法により作
製した。ターゲットに純Tiを、放電ガスにArガスを
使用した。投入DC電力密度は1000W/150mm
φ、放電ガス圧力は2mTorrである。膜厚は、10
nmである。この膜の結晶構造をX線回折法により調べ
たところ、2Θ=44°付近に非常にブロードなピーク
が観測されただけであり、X線的に非晶質であった。
【0028】金属コーティング膜2上に、磁性膜の配向
性制御膜3として、Cr80Ti20合金膜を75nmの膜
厚に形成した。配向性制御膜3は、ターゲットにCr80
Ti20合金を、放電ガスに純Arガスを使用して、スパ
ッタ法により形成した。スパッタの条件は、投入DC電
力密度が1000W/150mmφ、放電ガス圧力が3
0mTorrである。
【0029】その上に、磁気記録用の磁性膜4としてC
69Cr19Pt12合金膜を20nmの膜厚に形成した。
ここで、スパッタ中は基板をAPO樹脂の軟化温度以下
の温度である80℃に加熱した。磁性膜の成膜に当たっ
ては、ターゲットにCo69Cr19Pt12合金を、放電ガ
スに純Arガスを使用し、スパッタの条件は配向性制御
膜3の成膜時と同じにした。
【0030】磁性膜4のX線回折プロファイルを測定し
たところ、図2に示すようにCrの(110)が強く配
向していることがわかった。一方、APO樹脂基板1上
に金属コーティング膜2を形成しないと、図2に比較例
として示すように、Crの(110)のピークがブロー
ドであり、しかも、ピーク強度も弱いので、結晶配向性
が悪いことがわかる。このように、樹脂基板1上に金属
コーティング膜2を形成してから配向性制御膜3及び磁
性膜4を形成すると、CrTi合金及び磁性膜の配向性
を大きく向上させることができる。
【0031】さらに、磁性膜4の結晶粒子の粒径分布の
標準偏差σは、金属コーティング膜2があると5以下に
なるが、金属コーティング膜がない場合には15以上と
大きくなる。そのため、樹脂基板1に金属コーティング
膜2を形成し、その上に配向性制御膜3及び磁性膜4を
形成することにより、磁気ディスクの再生信号における
ノイズの低減に効果がある。
【0032】最後に、保護膜5として、カーボン膜を1
0nmの膜厚に形成した。スパッタの条件は、投入DC
電力密度が1000W/150mmφ、放電ガス圧力が
30mTorrである。ここでは、スパッタガスにAr
を使用したが、窒素を含むガスを用いてもよい。その場
合には、粒子が微細化するために、得られる膜が緻密化
し、保護性能を向上させることができる。
【0033】このようにして作製した磁気ディスク上に
潤滑剤を塗布した後に、磁性膜の磁気特性及び磁気ディ
スクとしての特性を評価した。作製した磁性膜の磁気特
性は、保磁力が2.5kOe、Isvが2.5×10
-16emu、M−Hヒステリシスにおけるヒステリシス
の角型性の指標のSが0.8、S†が0.9であり、良
好な磁気特性を有していた。また、X線回折によると、
Coの(101)面が強く配向していることがわかる。
一方、金属コーティング膜2の無い磁気記録媒体では、
保磁力が1.5kOeと著しく小さく、配向性もCoの
(101)面の優先配向性が金属コーティング膜2を有
するディスクより低下していた。
【0034】作製した磁気ディスクのS/Nを評価した
ところ、38dBであった。このS/Nは、記録面密度
3GB/inch2に相当する信号を記録した場合のも
のである。このディスクの欠陥レートを測定したとこ
ろ、信号処理を行わない場合の値で、2×10-7以下で
あった。これに対して、金属コーティング膜を形成しな
いで作製したディスクの欠陥レートは6×10-6と1桁
以上大きかった。磁気ディスクの断面をSEM観察した
ところ、このように記録できない部分には微小な異物が
付着していた。
【0035】金属コーティング膜を設けないで作製した
磁気ディスクと金属コーティング膜を設けた磁気ディス
クとの間には、記録、再生特性に違いが見られた。特
に、ノイズレベルが、金属コーティング膜を設けない場
合には、設けた場合より3dB高かった。これは、磁気
ヘッドが安定して浮上できないためである。
【0036】そこで、磁気ヘッドの浮上量を30nmに
してディスクを回転させたところ、本発明による磁気デ
ィスクは3600rpmで1000時間以上回転させて
もヘッドクラッシュを生じることなく、安定に記録再生
を行うことができた。これに対して、金属コーティング
膜を形成しないで作製した比較用の磁気ディスクでは、
5〜20時間でヘッドクラッシュが発生した。この原因
をSEMによる断面観察で調べたところ、比較用の磁気
ディスクは表面に凹凸ができており、この凹凸のために
クラッシュが生じたと考えられる。
【0037】図3は、磁気ディスク断面の結晶組織を示
すSEM写真と、その説明のための模式図である。図3
(a)は樹脂基板の上に金属コーティング膜を設けた本
発明による磁気ディスクの断面を表し、図3(b)は金
属コーティング膜を設けない比較例の磁気ディスクの断
面を表す。樹脂基板1上に金属コーティング膜2を設け
てから配向性制御膜3及び磁性膜4を形成すると、図3
(a)に示すように基板1と垂直方向に磁性膜4の柱状
組織が成長しており、基板と平行方向への成長は見られ
ない。すなわち、結晶粒子サイズが膜厚により変化して
いない。
【0038】一方、樹脂基板1上に金属コーティング膜
を設けない場合、図3(b)の比較例に示すように、基
板1と平行方向への成長が見られ、粒子サイズが磁性膜
厚や配向性制御膜の膜厚により変化する。その結果、粒
径分布の幅が大きくなり、遷移領域の磁区形状が乱れる
ため、この膜を用いて記録再生を行うとノイズレベルが
大きく増大すると考えられる。
【0039】また、金属コーティング膜2の表面エネル
ギーを濡れ角で評価したところ、金属コーティング膜2
の濡れ角はガラス表面の濡れ角と同じであった。ガラス
とAPOとでは濡れ角が異なっているために、従来のガ
ラス基板に対しては良好に成膜できた配向性制御膜や磁
性膜でも、APO基板上に直接成膜すると異常成長する
部分が生じることがある。実際、APO基板上に直接磁
性膜等を成膜して磁気ディスクを作製したところ、基板
表面に凹凸が存在していない平坦な領域上で垂直方向に
平均で50nmp−pの凹凸が存在しており、その水平
方向の周期も約100nmであった。この凹凸を有する
ディスクに潤滑剤を塗布して、磁気ディスク装置として
組み立てて動作させたところ、動作とほぼ同時にヘッド
クラッシュを生じ、記録や再生ができなくなった。
【0040】このような現象は、ガラス基板を用いた場
合には見られないものである。このように、APO基板
を用いて金属コーティング膜を設けることなく、直接磁
気記録膜を作製した場合のみに磁性膜に異常成長が生じ
るのは、樹脂基板の表面エネルギーがガラス基板の場合
と異なるためである。本発明によると、表面エネルギー
がガラス基板と同じである金属コーティング膜上に配向
制御膜や磁性膜を設けたため、樹脂基板を用いても異常
成長を抑制でき、表面が平坦な磁性膜を形成できたもの
と考えられる。
【0041】この金属コーティング膜2には、配向性制
御膜や磁性膜の異常成長の抑制作用に加えて、導電性が
あるので帯電防止作用がある。これは、スパッタのフレ
ークの吸着防止に効果がある。加えて、金属コーティン
グ膜2には、基板を介して侵入してくる水や、その水が
キャリアとなって運んでくる樹脂基板1中に残留してい
る重合開始剤等の腐食成分を遮断する効果もある。
【0042】基板上に金属コーティング膜を形成するこ
とは、樹脂基板の他にガラスのような導電性を有してい
ない基板に対しても有効であり、特に帯電しやすい樹脂
基板に対して最も効果が大きい。
【0043】ここでは、樹脂基板の表面をTiでコーテ
ィングした例について説明した。しかし、Ti以外に
も、Ta,Zr,Nb,W,Moなどのbccやhcp
などの結晶構造を有する金属によって樹脂表面をコーテ
ィングしても同様の効果が得られる。
【0044】〔実施例2〕図4に断面構造を模式的に示
す磁気ディスクを作製した。磁気ディスク用の樹脂基板
1として、APO基板を用いた。ディスク基板1のサイ
ズは、直径3.5インチであり、基板表面は平坦であ
る。基板1上に、金属コーティング膜2、第1及び第2
の配向性制御膜6,7、磁性膜4、保護膜5がそれぞれ
スパッタ法によって積層して成膜されている。
【0045】次に、磁気ディスクの製造方法について説
明する。成膜に先立って、基板1を70℃で1時間、真
空中でベーキングした。これは、樹脂基板中に含まれる
水分や空気を除去することにより、基板上に形成される
膜の諸特性を安定化するためである。
【0046】ベーキングしたAPO基板1上に、金属コ
ーティング膜2として、ジルコニウム膜をスパッタ法に
より作製した。ターゲットに純Zrを、放電ガスにAr
ガスを使用した。投入DC電力密度は1000W/15
0mmφ、放電ガス圧力は2mTorrである。膜厚
は、10nmである。この膜の結晶構造をX線回折法に
より調べたところ、2Θ=44°付近に非常にブロード
なピークが観測されただけであり、X線的に非晶質であ
った。
【0047】金属コーティング膜2上に、磁性膜4の第
1の配向性制御膜6として、Cr膜をスパッタ法により
50nmの膜厚に形成した。ターゲットはCr、スパッ
タガスはArである。また、スパッタの条件は、投入D
C電力密度が1000W/150mmφ、放電ガス圧力
が30mTorrである。次に、第2の配向性制御膜7
として、Cr80Ti20合金膜をスパッタ法により25n
mの膜厚に形成した。ターゲットにCr80Ti20合金
を、放電ガスに純Arガスを使用した。スパッタの条件
は、投入DC電力密度が1000W/150mmφ、放
電ガス圧力が30mTorrである。
【0048】その上に、磁気記録用の磁性膜4としてC
69Cr19Ta12合金膜を20nmの膜厚に形成した。
ここで、スパッタ中は基板をAPO樹脂の軟化温度以下
の温度である80℃に加熱した。ターゲットにはCo69
Cr19Ta12合金を、放電ガスには純Arガスを使用し
た。スパッタの条件は、配向性制御膜6,7の成膜時と
同じであり、配向性制御膜6,7から磁性膜4まで同一
条件で作製した。本実施例では、磁性膜にCoCrTa
系を用いたので2層の配向性制御膜を用いた。
【0049】磁性膜4のX線回折プロファイルを測定し
たところ、先の実施例と同様に、Crの(110)が強
く配向していることがわかった。金属コーティング膜2
を形成しないと、Crの(110)のピークがブロード
であり、結晶配向性が悪かった。このように、樹脂基板
上1に金属コーティング膜2を形成してから配向性制御
膜6,7及び磁性膜4を形成すると、Cr及びCrTi
合金及び磁性膜の配向性を大きく向上させることができ
る。
【0050】磁性膜4の結晶粒子の粒径分布の標準偏差
σは、金属コーティング膜2があると5以下になるが、
金属コーティング膜がない場合には15以上と大きくな
って磁気ディスクからの再生信号におけるノイズを増大
させることがわかる。最後に、保護膜5として、カーボ
ン膜を10nmの膜厚に形成した。スパッタの条件は、
投入DC電力密度が1000W/150mmφ、放電ガ
ス圧力が30mTorrである。
【0051】このようにして作製した磁気ディスク上に
潤滑剤を塗布した後に、磁性膜の磁気特性及び磁気ディ
スクとしての特性を評価した。磁性膜の磁気特性は、保
磁力が2.5kOe、Isvが2.5×10-16em
u、M−Hヒステリシスにおけるヒステリシスの角型性
の指標のSが0.8、S†が0.9であり、良好な磁気
特性を有していた。また、X線回折によると、Coの
(101)面が強く配向していた。一方、金属コーティ
ング膜2の無い磁気記録媒体では、保磁力が1.5kO
eと著しく小さく、配向性もCoの(101)面の優先
配向性が金属コーティング膜を有するディスクより低下
していた。
【0052】作製した磁気ディスクのS/Nを評価した
ところ、38dBであった。このS/Nは、記録面密度
3GB/inch2に相当する信号を記録した場合のも
のである。ノイズレベルは、金属コーティング膜を設け
ることによって設けない場合より3dB低くなった。こ
のディスクの欠陥レートを測定したところ、信号処理を
行わない場合の値で、2×10-7以下であった。また、
磁気ヘッドの浮上量を30nmにしてディスクを回転さ
せたところ、3600rpmで1000時間以上回転さ
せてもヘッドクラッシュを生じることなく、安定に記録
再生を行うことができた。
【0053】本実施例の磁気ディスクの断面をSEM観
察したところ、図3(a)に示したと同様に、基板1と
垂直方向に磁性膜4の柱状組織が成長しており、基板と
平行方向への成長は見られなかった。すなわち、結晶粒
子サイズが膜厚により変化しないことが確認できた。ま
た、金属コーティング膜2の表面エネルギーを濡れ角で
評価したところ、ガラス表面と同じであった。
【0054】ここでは、樹脂基板の表面をZrでコーテ
ィングした場合の例について説明したが、Zr以外に
も、Ta,Ti,Nb,W,Moなどのbccやhcp
などの結晶構造を有する金属によって樹脂基板表面をコ
ーティングしても同様の効果が得られる。
【0055】〔実施例3〕図5に断面構造を模式的に示
す磁気ディスクを作製した。磁気ディスク用の樹脂基板
1として、APO基板を用いた。基板1のサイズは直径
3.5インチであり、基板表面は平坦である。APO基
板1上には、表面エネルギー制御膜8、金属コーティン
グ膜2、配向性制御膜3、磁性膜4、保護膜5がそれぞ
れスパッタ法によって成膜されている。本実施例では、
スパッタ法としてマイクロ波を用いたECRスパッタ法
を採用した。これは、ECRスパッタ法を用いると平坦
な膜が得られるからである。特に、基板上に形成する第
1層目をECRスパッタ法で形成すると、基板表面の凹
凸状態によらずに平坦な膜が得られる。
【0056】磁気ディスクの作製方法について説明す
る。成膜に先立って、APO基板1を70℃で3時間、
真空中でベーキングした。その後、APO基板1上に、
表面エネルギー制御膜8として、窒化シリコン膜を作製
した。ターゲットに窒化シリコンを、放電ガスに純Ar
ガスをそれぞれ使用した。投入マイクロ波(周波数:
2.45GHz)の電力は1kW、放電ガス圧力は10
mTorrである。窒化シリコン膜の膜厚は、30nm
である。この膜の結晶構造をX線回折法により調べたと
ころ、2Θ=44°付近に非常にブロードなピークが観
測されただけであり、X線的に非晶質であった。
【0057】これに引き続き、金属コーティング膜2と
して、Ti膜を10nmの膜厚に形成した。ターゲット
にTiを、放電ガスに純Arガスを使用した。また、ス
パッタの条件は、投入DC電力密度が1000W/15
0mmφ、放電ガス圧力が30mTorrである。次
に、磁性膜の配向性制御膜3として、Cr80Ti20合金
膜を100nmの膜厚に形成した。ターゲットにCr80
Ti20合金を、放電ガスに純Arガスを使用した。投入
マイクロ波電力密度は1000W/150mmφ、放電
ガス圧力は30mTorrである。
【0058】その上に、磁気記録用の磁性膜4としてC
69Cr19Pt12合金膜を20nmの膜厚に形成した。
ターゲットにCo69Cr19Pt12合金を、放電ガスに純
Arガスを使用した。スパッタの条件は、配向性制御膜
3の成膜時と同じである。スパッタ中は基板を軟化温度
以下の温度である80℃に加熱した。この膜のX線回折
プロファイルを測定したところ、先の実施例と同様に、
Crの(110)が強く配向していることがわかった。
表面エネルギー制御膜8及び金属コーティング膜2を形
成していないと、Crの(110)のピークがブロード
で、ピーク強度も弱く、結晶配向性が悪いことがわか
る。
【0059】このように、表面エネルギー制御膜及び金
属コーティング膜を樹脂基板上に形成すると、CrTi
合金及び磁性膜の配向性を大きく向上させることができ
る。なお、表面エネルギー制御膜8を設けることで、金
属コーティング膜2だけの場合よりCrTi合金及び磁
性膜の配向性をさらに向上させることができる。磁性膜
4の結晶粒子の粒径分布の標準偏差σは、表面エネルギ
ー制御膜8及び金属コーティング膜2を用いると5以下
になるが、用いない場合は15以上と大きくなった。
【0060】最後に、保護膜5として、カーボン膜を1
0nmの膜厚に形成した。スパッタの条件は、投入マイ
クロ波電力密度1000W/150mmφ、放電ガス圧
力30mTorrである。
【0061】このようにして作製した磁気ディスク上に
潤滑剤を塗布した後に、磁性膜の磁気特性及び磁気ディ
スクとしての特性を評価した。磁性膜の磁気特性は、保
磁力が2.5kOe、熱安定性を表す指標であるIsv
が2.5×10-16emu、角形比の指標であるSが
0.8、S†が0.9であり、良好であった。X線回折
によると、Coの(101)面が強く配向していた。こ
の磁気ディスクのS/Nを評価したところ、38dBで
あった。また、表面エネルギー制御膜8及び金属コーテ
ィング膜2の無い磁気ディスクでは、保磁力が1.5k
Oeと著しく小さかった。
【0062】上記の磁気ディスクを実施例1と同様のデ
ィスクドライブにセットして評価したところ、磁気ヘッ
ドの浮上量を35nmまで低下させてもヘッドクラッシ
ュを生じること無く1000時間以上安定に記録再生で
き、実施例1の場合とほぼ同様の結果を得ることができ
た。
【0063】この例は、金属コーティング膜2の膜厚が
10nmの場合であるが、この膜厚を3nm、5nm、
20nm、55nmと変化させた磁気ディスクを作製し
た。その結果、膜厚3nm、5nm及び20nmの場合
は、金属コーティング膜を設けない場合と大きな違いは
見られなかった。一方、膜厚を55nmとした場合に
は、金属コーティング膜を設けない場合よりも表面凹凸
が大きくなった。そして、ディスクの記録再生試験を行
ったところ、10時間程度でヘッドクラッシュし、記録
再生できなくなった。
【0064】ここでは、表面エネルギー制御膜として窒
化シリコン膜を用いた例について説明したが、窒化シリ
コンに代えて窒化アルミニウム、酸化シリコン、酸化ア
ルミニウム、窒化チタン、酸化クロムのうちより選ばれ
る少なくとも1種類の化合物を用いても同様の効果が得
られる。また、これらの誘電体膜にTiをはじめTa,
Mo,W,Al,V,Zr,Nb,Ni,Mnのうちよ
り選ばれる少なくとも1種類の元素を添加してもよい。
これらの金属元素を添加すると、導電率を容易に増大さ
せることができると同時に、磁気記録媒体の保護性能を
向上させることができる。その結果、基板の帯電を抑制
できると同時に、腐食成分の捕獲効果が増大する。
【0065】本実施例では、磁性膜及び保護膜をECR
スパッタ法により作製したが、磁性膜を形成した時点で
十分な平坦性が確保できているので、保護膜はRFやD
Cスパッタ法により作製しても良い。
【0066】
【発明の効果】本発明によると、樹脂基板を用いた磁気
ディスクの表面凹凸を抑制できるので、ヘッドクラッシ
ュやサーマルアスペリティを抑制でき、磁気ディスクの
信頼性を大きく向上させることができる。また、磁性膜
の結晶粒子の粒径分布を制御できるので、S/N向上、
特にノイズを低減することができる。さらに、樹脂基板
の帯電を防止でき、静電気による異物の付着を抑制でき
る。その結果、ディスクに記録できない欠陥領域の低減
やヘッドクラッシュの発生を抑制できる。そして、樹脂
基板を用いながら磁気ヘッドの浮上量をガラスやAlの
基板等と同様の40nm以下とすることができるので、
高密度磁気記録が可能な磁気ディスクを安価に供給でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気ディスクの一例の断面構造を
示す模式図。
【図2】磁気記録媒体の構造を示すX線回折プロファイ
ルの図。
【図3】磁気記録媒体の断面結晶組織を示す模式図。
【図4】本発明による磁気ディスクの他の例の断面構造
を示す模式図。
【図5】本発明による磁気ディスクの他の例の断面構造
を示す模式図。
【符号の説明】
1…樹脂基板、2…金属コーティング膜、3…配向性制
御膜、4…磁性膜、5…保護膜、6…第1の配向性制御
膜、7…第2の配向性制御膜、8…表面エネルギー制御
膜膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤城 協 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 小礒 良嗣 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 二本 正昭 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂基板上に少なくとも、金属の薄膜
    と、配向性制御膜と、磁気記録膜と、保護膜とが、この
    順序で形成されていることを特徴とする磁気ディスク。
  2. 【請求項2】 樹脂基板上に少なくとも、無機化合物の
    誘電体からなる表面エネルギー制御膜と、金属の薄膜
    と、配向性制御膜と、磁気記録膜と、保護膜とが、この
    順序で形成されていることを特徴とする磁気ディスク。
  3. 【請求項3】 前記表面エネルギー制御膜は、窒化シリ
    コン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化クロム、
    窒化チタン、窒化タンタルのうちから選ばれる少なくと
    も1種類の材料からなることを特徴とする請求項2記載
    の磁気ディスク。
  4. 【請求項4】 前記金属の薄膜は、結晶構造がbcc又
    はhcpである金属元素からなることを特徴とする請求
    項1、2又は3記載の磁気ディスク。
  5. 【請求項5】 前記金属の薄膜は、Ti,Ta,Zr,
    Nb,W,Moのうちより選ばれる少なくとも1種類の
    元素からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載
    の磁気ディスク。
  6. 【請求項6】 前記金属の薄膜の組織が微粒子もしくは
    非晶質に近い構造であることを特徴とする請求項1、2
    又は3記載の磁気ディスク。
  7. 【請求項7】 表面凹凸が、膜面に垂直方向に5nmp
    −p以下、膜面方向の周期が1μm以上であることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の磁気ディス
    ク。
  8. 【請求項8】 少なくとも樹脂基板と磁気記録膜とを備
    える磁気ディスクの製造方法において、樹脂基板上に金
    属の薄膜を形成した後に、磁気記録膜を形成することを
    特徴とする磁気ディスクの製造方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも樹脂基板と磁気記録膜とを備
    える磁気ディスクの製造方法において、樹脂基板の表面
    エネルギーをガラス基板あるいは表面にNiP層を形成
    したAl基板の表面エネルギーと同等の値になるように
    制御するための表面エネルギー制御膜を設けた後、金属
    の薄膜を形成し、そののち磁気記録膜を形成することを
    特徴とする磁気ディスクの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の磁気ディスクの製造方
    法において、前記表面エネルギー制御膜として、窒化シ
    リコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化クロ
    ム、窒化チタン、窒化タンタルのうちから選ばれる少な
    くとも1種類の材料層を用いることを特徴とする磁気デ
    ィスクの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記金属として、結晶構造がbcc又
    はhcpである金属元素を用いることを特徴とする請求
    項8、9又は10記載の磁気ディスクの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記金属として、Ti,Ta,Zr,
    Nb,W,Moのうちより選ばれる少なくとも1種類の
    元素を用いることを特徴とする請求項8、9又は10記
    載の磁気ディスクの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100374793B1 (ko) * 2001-01-03 2003-03-04 삼성전자주식회사 수직 자기 기록 매체
US7115191B2 (en) 2001-03-05 2006-10-03 Anelva Corporation Magnetic recording disk, magnetic recording disk manufacturing method and magnetic recording disk manufacturing system

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