JPH11385A - 眼内レンズの滅菌方法 - Google Patents

眼内レンズの滅菌方法

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JPH11385A
JPH11385A JP10046685A JP4668598A JPH11385A JP H11385 A JPH11385 A JP H11385A JP 10046685 A JP10046685 A JP 10046685A JP 4668598 A JP4668598 A JP 4668598A JP H11385 A JPH11385 A JP H11385A
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JP
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intraocular lens
electron beam
sterilization
sterilizing
cross
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JP10046685A
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Shinji Ichihara
真治 市原
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Menicon Co Ltd
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    • A61L2/00Methods or apparatus for disinfecting or sterilising materials or objects other than foodstuffs or contact lenses; Accessories therefor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のEOG滅菌やγ線滅菌等に代わる、有
効な眼内レンズの滅菌方法の提供、及び包装容器として
ガス透過性等の特殊なものを使う必要がなく、且つ短時
間による滅菌処理が可能で、滅菌工程を簡便と為し得
る、新たな眼内レンズの滅菌方法の提供。 【解決手段】 架橋重合体にて構成してなる眼内レンズ
を用い、かかる眼内レンズを、電子線は透過するが細菌
は侵入させ得ない収納体内に収容して密封した後、電子
線を照射せしめ、該収納体内の眼内レンズを滅菌処理す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、眼内レンズの滅菌方法に係り、
特に眼内レンズの滅菌処理を短時間にて簡単に行ない得
る方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、白内障等の治療のために、除去
された水晶体に代わって、眼内レンズを眼内に挿入せし
める手術が採用されてきている。そして、そこで用いら
れる眼内レンズは、一般に、眼内にて所望の視力を提供
する光学部と該光学部を眼内の所定位置に保持せしめる
支持部とから構成されているのであるが、また、そのよ
うな眼内レンズとしては、それら光学部と支持部とが単
一材料から一体的に形成されているシングルピース型の
ものと、それら光学部と支持部とが異なる材料から組み
立てられているマルチピース型のものとが提案されてい
る。また、かかる眼内レンズの光学部や支持部の材料と
しては、メチルメタクリレート等のアルキル(メタ)ア
クリレートの単独重合体又は共重合体やシリコーン樹脂
等が採用されているのである。
【0003】ところで、このような眼内レンズは、眼内
に挿入せしめられるものであるところから、所定の重合
体にて構成された後、適当な滅菌処理が施されて、無菌
状態とされている必要があり、このため、従来にあって
は、それの熱に弱い材質を考慮して、通常、エチレンオ
キサイドガス(EOG)を用いた滅菌処理等が採用され
ているのであるが、次のような問題を内在するものであ
った。
【0004】すなわち、滅菌処理後の細菌による汚染を
考慮して、眼内レンズには、滅菌処理に先立って、細菌
の侵入し得ない材料からなる滅菌バッグにて包装され、
そのような包装状態下において、滅菌処理が実施される
必要があるために、EOGを用いた滅菌処理にあって
は、そのようなEOGを透過し得るガス透過性の滅菌バ
ッグにて眼内レンズを包装する必要があるのであるが、
かかるEOGは透過し得るが、細菌は通過させ得ない滅
菌バッグは、極めて限られていると共に、非常に高価で
ある問題があった。また、EOGには、毒性があり、環
境汚染等の問題の原因となることに加えて、滅菌処理後
に残留ガスが残っていると、毒性等の問題を惹起すると
ころから、滅菌処理後の眼内レンズからのガス抜き処理
のために、長時間のエアレーションが必要とされている
のであり、更には、滅菌処理に際して、温度、湿度、ガ
ス濃度等、多くの滅菌条件の管理が必要であることに加
えて、大がかりな滅菌設備が必要とされ、また滅菌後の
無菌試験が必須とされて、そのために、少なくとも14
日間の無菌試験が要請されるために、製品出荷を早くす
ることが出来ない等という問題も内在しており、このた
めに、眼内レンズのコスト高を惹起しているのである。
【0005】また、かかるEOGを用いた眼内レンズの
滅菌処理に代わる方法として、γ線による滅菌処理の手
法も提案されている(「Eur.J.Implant Ref.Surg. 」、
Vol.1 、March 1989、p.55〜57)が、それには、処理時
間として数時間、具体的には約8時間も必要とされ、滅
菌処理に時間がかかることに加えて、レンズ素材と空気
中の酸素或いは該素材中に含まれる酸素とがγ線照射に
て反応して、レンズ材質の劣化が惹起される恐れがあ
り、また、それは、処理時間が長い分だけ劣化の度合い
が大きくなるという問題を内在すると共に、γ線を発生
させる放射性物質を用いるところから、その使用済線源
の廃棄物処理も、大きな問題となることとなる。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かくの如き事情
を背景にして為されたものであって、その解決課題とす
るところは、従来のEOG滅菌やγ線滅菌等に代わる、
有効な眼内レンズの滅菌方法を提供することにあり、ま
た他の課題とするところは、包装容器としてガス透過性
等の特性が要請される特殊なものを使う必要がなく、且
つ短時間による滅菌処理が可能で、また滅菌工程を簡便
と為し得る、新たな眼内レンズの滅菌方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【解決手段】そして、本発明は、そのような課題を解決
するために、架橋重合体にて構成してなる眼内レンズを
用い、かかる眼内レンズを、電子線は透過するが細菌は
侵入させ得ない収納体内に収容して密封した後、電子線
を照射せしめ、該収納体内の眼内レンズを滅菌処理する
ことを特徴とする眼内レンズの滅菌方法を、その要旨と
するものである。
【0008】このような、本発明に従う眼内レンズの滅
菌方法にあっては、電子線照射による滅菌処理を採用し
ていることによって、電子線のエネルギーを利用して、
極めて短時間での滅菌処理が可能となったのであり、ま
たその照射線量のみを管理すればよいところから、滅菌
処理に要する条件が少なく、管理がし易くなることに加
えて、従来の如き無菌試験が不要となる等、滅菌操作を
容易に且つ簡便と為し得ることとなったのである。
【0009】しかも、本発明にあっては、滅菌処理され
る眼内レンズが、架橋重合体にて構成されているところ
から、その三次元橋架け構造の存在によって、電子線の
照射にて重合鎖が切断されても、直ちに、分子量が低下
するようなことが、効果的に抑制乃至は阻止され、以て
電子線照射にて、眼内レンズ自体の強度等の特性が低下
するのが、効果的に阻止され得るのであり、また、滅菌
処理後も、溶媒等に接触せしめられたり、浸漬されたり
しても、膨潤して変形したり、或いは溶解したりするよ
うなことが、有利に回避され得るのである。
【0010】なお、かかる本発明に従う眼内レンズの滅
菌方法にあっては、電子線は、有利には、10〜80k
Gyの線量において照射せしめられ、これによって、よ
り有効な滅菌処理が進行せしめられ得ることとなる。
【0011】また、本発明の好ましい態様の一つによれ
ば、眼内レンズは、紫外線吸収剤を架橋重合体に結合せ
しめた形態において或いは該架橋重合体に混合せしめた
形態において含有している。このような紫外線吸収剤の
含有によって、眼内レンズの紫外線透過特性を天然の水
晶体のそれに近づけて、網膜へのダメージを少なくして
いるのである。
【0012】しかして、一般に、眼内レンズに対して、
特に上記のような紫外線吸収剤を含有する眼内レンズに
対して、本発明を適用した場合にあっては、電子線の照
射によって着色してしまうことがあり、そのために、そ
のような電子線による照射処理の後、熱、光、高周波、
及びそれらの組合せからなる群より選ばれたエネルギー
による処理が、眼内レンズに対して更に施され、これに
よって、眼内レンズにおける着色が効果的に除去せしめ
られることとなる。
【0013】なお、かかる眼内レンズにおける着色の除
去のための熱エネルギーを用いた処理は、望ましくは、
30℃以上、眼内レンズの熱変形温度未満の温度範囲に
おいて、眼内レンズを加熱することにより、行なわれ、
これによって、眼内レンズにおける着色の除去を有利に
実現し得るのである。
【0014】
【発明の実施の形態】ところで、眼内レンズは、よく知
られているように、眼の水晶体と同様に所望の視力を提
供する光学部と、それを眼内において支持する支持部と
から構成されている。その中で、シングルピース型のも
のは、それら光学部と支持部とが単一材料から一体的に
形成されているのであり、またマルチピース型のもの
は、それら光学部と支持部とが別体の材料から組み立て
られている。そして、光学部は、一般に、正面視におい
て円形形状を呈し、且つ側面視においては、前面及び後
面が共に凸状の両凸レンズ形状、または前面若しくは後
面の一方が凸状で他方が平坦な凸平形状、または前面若
しくは後面の一方が凸状で他方が凹状のメニスカス形状
を呈している。一方、支持部は、例えば、細長いロッド
形状を呈して、光学部における周縁部の互いに対向する
2か所から、それぞれ、外方に湾曲して設けられている
ものもあれば、プレート状の支持部の少なくとも一面の
略中央に光学部が配設された、所謂ボートシェイプ形状
のものもある。
【0015】そして、本発明にあっては、そのような各
種形状の眼内レンズを所定の架橋重合体にて構成するよ
うにしたものが対象とされるのであって、例えば、シン
グルピース型のものでは、光学部及び支持部の全てが、
(メタ)アクリル酸エステルとして表示される、アクリ
ル酸エステルやメタクリル酸エステル等の重合物より得
られる架橋重合体乃至は架橋共重合体から形成されてお
り、また、マルチピース型のものは、光学部及び/又は
支持部が、そのような架橋共重合体や架橋重合体から形
成されているのである。具体的には、光学部が前記した
(メタ)アクリル酸エステルの架橋共重合体から構成さ
れる一方、支持部がポリプロピレンやポリフッ化ビニリ
デン等から構成される場合もあり、また、光学部がポリ
オレフィン系の架橋重合体から構成される一方、支持部
が前記(メタ)アクリル酸エステルの架橋共重合体から
構成されていてもよく、更には、光学部が柔らかい素材
の(メタ)アクリル酸エステルの架橋共重合体からな
り、支持部が固い素材の(メタ)アクリル酸エステルの
架橋共重合体から構成されているようにすることも出来
るのである。
【0016】なお、本発明に従って眼内レンズを構成す
る架橋重合体としては、重合体分子構造内に三次元橋架
け構造が導入された、レンズとして使用される透明で且
つ安定した重合体材料であれば、何れも、使用可能であ
り、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イ
ソプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)
アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチ
ル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)ア
クリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類や、スチ
レン、α−メチルスチレン等のスチレン類の如き、公知
の各種のエチレン系不飽和モノマの中から、単独で或い
はそれらの2種以上を組み合わせて用い、これに、後述
せる如き多官能モノマからなる架橋剤を組み合わせて、
共重合・架橋せしめることにより得られる架橋共重合体
や、ポリプロピレン等のポリオレフィン系重合体を常法
に従って架橋せしめてなるもの等が、用いられることと
なる。ここで、・・・・(メタ)アクリレートなる表現
は、前記(メタ)アクリル酸エステルと同様な意味を有
するものとして用いられており、・・・・アクリレート
と・・・・メタクリレートの二つの化合物を総称するも
のである。
【0017】また、それら架橋重合体の中でも、優れた
光学性能が付与せしめられ得る点において、(メタ)ア
クリル酸エステル、特に(メタ)アクリル酸の低級(C
1 〜C4 )アルキルエステルの1種または2種以上と架
橋剤との共重合によって得られるアクリル系架橋共重合
体が、有利に用いられ、また架橋構造の導入によって、
所定の薬品や溶媒に接触せしめられたり、浸漬されたり
しても、膨潤して変形したり、或いは溶解したりするよ
うなことが、効果的に阻止され得ることとなる。特に、
かかる(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステルとし
て、メチルメタクリレート及び/又はエチルメタクリレ
ートを用いることによって、得られる架橋共重合体材料
の切削・研磨加工が比較的容易に行ない得ると共に、そ
のような材料を光学部に使用した場合には、光学的歪み
の大きさを表す光弾性定数の値が、有利に小さくせしめ
られ得る利点を享受することが出来る。
【0018】さらに、上記の如き不飽和モノマに共重合
せしめられて、重合体分子構造内に三次元橋架け構造を
形成する架橋剤としては、エチレン系不飽和結合を2つ
以上有する、上述の如き(メタ)アクリル酸エステル等
の不飽和モノマと共重合可能な公知の多官能モノマ、例
えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)
アクリレート、4−ビニルベンジル(メタ)アクリレー
ト、3−ビニルベンジル(メタ)アクリレート等があ
り、必要に応じて、それらの1種または2種以上が選択
されて使用されることとなる。なお、それらの中でも、
特にエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好適
に用いられることとなる。けだし、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレートは、精製が容易であるため、そ
れを収率よく得ることが出来、それによって、(メタ)
アクリル酸エステルとの間で架橋共重合体が効率的に得
られることとなるからである。また、そのようなエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレートは、(メタ)アク
リル酸の低級アルキルエステルとの共重合性に特に優れ
ているために、そのような(メタ)アクリル酸の低級ア
ルキルエステルが用いられる場合において、より好適に
選択されることとなる。
【0019】そして、上述の如き不飽和モノマと架橋剤
との共重合によって得られる架橋共重合体においては、
架橋剤が必要以上に多量に用いられると、得られる架橋
共重合体が過度に架橋され、脆くなってしまうといった
問題が惹起せしめられ、逆に架橋剤の含有量が少な過ぎ
ると、その架橋度が著しく小さくなってしまい、レンズ
材料、ひいては眼内レンズにおいて、それを構成する重
合体が架橋されていることにより得られる効果が有効に
享受され得なくなる等の問題が生ぜしめられる。そのた
め、それらの問題を回避する上で、かかる架橋共重合体
にあっては、前述の如き所定のエチレン系不飽和モノマ
の1種または2種以上の混合物が70〜99.99重量
%の割合となる量において、また架橋剤が0.01〜3
0重量%の割合となる量で、それぞれ、共重合せしめら
れていることが望ましい。また、より適度な架橋度を得
る上において、前記した(メタ)アクリル酸エステル等
のエチレン系不飽和モノマの1種または2種以上の混合
物の80〜99.9重量%と架橋剤の0.1〜20重量
%とが共重合されていることが望ましい。
【0020】なお、上述の如き架橋重合体、ひいては眼
内レンズには、必要に応じて、紫外線吸収剤や着色剤等
が含有せしめられていても、何等差し支えない。この紫
外線吸収剤や着色剤としては、眼内レンズ用として従来
から用いられているものが、何れも使用され得、例え
ば、架橋重合体との物理的な混合形態において含有せし
められたり、或いは架橋重合体の分子中に化学的に結合
せしめられた形態において、含有せしめられることとな
るが、耐薬品性や耐溶出性等の面から、紫外線吸収剤と
しては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル
基、アリル基、或いはイソプロペニル基等の重合性基を
有するベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系、サル
チル酸誘導体系等の重合性紫外線吸収剤が、また着色剤
としては、上記の如き重合性基を有する、アゾ系、アン
トラキノン系、ニトロ系、及びフタロシアニン系等の重
合性着色剤が、それぞれ、好適に用いられ、それらが、
前述の如き不飽和モノマや架橋剤と共重合せしめられる
のである。而して、そのような紫外線吸収剤や着色剤
が、架橋重合体に対して、従来と同様な配合割合にて、
単に、配合せしめられたり、或いは重合により化学的に
結合せしめられたりすることによって、眼内レンズが挿
入される眼内の網膜が紫外線から効果的に保護され得、
また正常眼に対する色覚の変化が可及的に抑制され得る
のである。
【0021】ところで、上述せる如き架橋重合体を用い
て、目的とする眼内レンズを構成するに際しては、眼内
レンズの形状乃至は構造に従って、公知の各種の眼内レ
ンズの製造手法の何れかが採用され得、例えば、架橋重
合体からなる塊状体から切削・研磨加工にて眼内レンズ
を切り出す方法や、架橋重合体を与えるモノマ混合物を
モールド型内に供給して、重合せしめることによって、
重合と同時に、目的とする形状の眼内レンズを形成する
モールド成形法や、眼内レンズの一方の側をモールド成
形する一方、他方の側を切削・研磨にて所定の形状に整
える形式のセミモールド成形法、更には、スピン・キャ
スト法やスタティック・キャスト法等として知られてい
るキャスト成形法等が、適宜に採用される。
【0022】また、本発明の適用される眼内レンズは、
公知の如何なる形状のものであっても、何等差し支えな
く、公知の各種形状の光学部及び支持部を有する眼内レ
ンズが採用され、また支持部の配設形態や配設個数にあ
っても、公知のものがそのまま採用され得、更に、支持
部の先端は、無接続の自由端とされている他、光学部の
周縁部に再び一体的に接続せしめるようにすることも可
能である。更に、光学部として如何なる光学特性を有す
るものも、有利に採用され得るものであり、例えば、単
焦点の光学特性を有するもの(モノフォーカル)、二焦
点等、複数の焦点領域を有するもの〔バイ(マルチ)フ
ォーカル〕、或いは円周方向の度数が連続的に変化する
トーリック面であるもの等が、何れも好適に採用され得
るのであり、また光学部の表面形状においても、凸形状
の他、平面形状や凹面形状、或いはその他各種の形状が
採用され得るものである。
【0023】そして、本発明にあっては、かくの如き架
橋重合体にて構成されてなる眼内レンズを用い、それに
対して電子線を照射せしめることによって、その滅菌処
理を施すものであるが、そのような滅菌処理に際して
は、その後の眼内レンズの汚染を考慮して、眼内レンズ
は、所定の滅菌バッグのような収納体内に収容・密封さ
れ、そしてその状態下において、電子線照射が施される
こととなる。
【0024】このような電子線照射に際して、眼内レン
ズを収容する収納体は、電子線は透過するが細菌は侵入
(通過)させ得ないものであれば、如何なる材質のもの
も使用可能であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
カーボネート等の高分子材料からなる材質が好適に用い
られることとなるが、またガラス、陶器、金属等の材質
にあっても、その厚さが薄ければ、電子線の透過は可能
であるところから、そのような材質から構成される収納
体も採用可能である。なお、収納体の形状としては、眼
内レンズの1つ若しくはその複数を収容することの出来
る、公知の各種の密封可能な構造、例えば袋状容器や箱
型容器等の形状のものが、何れも、用いられ得るもので
ある。また、眼内レンズを通常のレンズケースに収容し
た後、更に、そのレンズケースを所定の収納体内に収容
して、密封する構造を採用することも可能である。
【0025】このように、本発明にあっては、眼内レン
ズの収容される収納体として、通常の袋状や箱型状の密
封容器、例えばビニール袋等が、そのまま、使用可能と
なるのであり、従来のEOG滅菌処理等において要求さ
れる、ガス透過性の特定の密封材料からなる容器を用い
る必要がないところから、その包装に要する費用も、著
しく低減せしめられ得ることとなるのである。
【0026】ところで、本発明にあっては、上述の如
く、所定の収納体内に収容された眼内レンズの滅菌処理
を、そのような収容状態下において、電子線照射にて行
なうものであり、その照射された電子線は、眼内レンズ
を包囲する収納体の壁部を容易に透過して、内部の眼内
レンズに至り、そこで所期の滅菌作用を発揮することと
なるのである。従って、従来のEOG滅菌の如く、環境
汚染の原因となることは全くなく、またガス漏れ事故も
発生することがないことに加えて、滅菌条件が照射量の
みの一つの項目の管理で済むところから、その滅菌管理
が極めて容易となるのであり、更には、滅菌後におい
て、材料の内部に残留するEOGを少なくするためのエ
アレーションも全く必要でない等、滅菌工程の簡略化も
有利に実現され得るのである。
【0027】特に、このような電子線照射によって、眼
内レンズを構成する架橋重合体、中でも(メタ)アクリ
ル酸エステルを主成分とするアクリル系架橋共重合体中
に残存する未重合モノマが減少し、例えば、照射前には
0.8%程度であった未重合モノマ量が、照射後には
0.2%まで低下することとなる特徴がある。これは、
眼内レンズが眼内に半永久的に挿入、固定されるもので
あるだけに、極めて有効なものである。
【0028】なお、かかる電子線照射が、電子線加速器
によって高エネルギーに加速した電子(粒子線)を照射
することであることは、よく知られているところであ
り、またそのような電子を加速して、高い運動エネルギ
ーの電子線を作る装置である電子加速器が、代表的には
静電型と線型に分類されて、科学研究用、工業用、医療
用等に広く用いられているが、本発明にあっては、その
ような公知の電子加速器を用いて、眼内レンズの滅菌が
行なわれることとなるのである。
【0029】そして、本発明にあっては、そのような電
子線照射において、電子線の加速電圧は、一般に500
KV以上、より好ましくは1000KV以上とされるこ
ととなる。けだし、加速電圧が500KV未満では、電
子線の材料内部への実質的な浸透距離が約1000g/
2 (密度1g/cm3 として1mmに相当)未満と短
いため、最大1.5mm程度の厚みをもつ眼内レンズの
中心部までは到達せず、従って滅菌の目的を充分に達成
することが困難となるからである。特に、レンズケース
や適当な箱体内に眼内レンズを収容せしめ、更にそれを
所定の収納体内に封入した状態にて、滅菌する場合に
は、浸透距離が約3000g/m2 以上となる1000
KV以上の加速電圧が、好ましいのである。なお、その
ような電子線の材料に対する浸透距離は、眼内レンズ及
び収納体が滅菌され得る程度以上において、適宜に選定
されることとなる。
【0030】また、滅菌のための電子線の照射時間とし
ては、一般に10秒以下、数秒程度で充分であり、この
照射時間が短いことによって、短時間による滅菌処理を
可能ならしめ、製品の出荷を早くすることが出来ると共
に、材質劣化が少ない特徴を発揮するものであるが、特
に、本発明にあっては、眼内レンズの材質として架橋重
合体が採用されているところから、そのような電子線照
射による材質劣化が、更に効果的に抑制され得ることと
なり、滅菌処理による眼内レンズの物性の劣化を有利に
回避し得たのである。
【0031】さらに、本発明に従う電子線滅菌に際し
て、電子線の滅菌線量としては、一般に10〜80kG
y、主として15〜70kGy程度が採用されることと
なる。なお、10kGyよりも少ない線量となると、滅
菌が不充分となるのであり、また80kGyを超えるよ
うな線量となると、材料が劣化する危険があり、また変
色が著しくなる等の問題が発生する危険がある。
【0032】特に、かかる本発明に従う電子線照射によ
る滅菌処理にあっては、従来のEOG滅菌処理の如く、
濃度、温度、湿度、時間、圧力等の多項目の厳しい管理
は要求されず、単に、照射線量のみを測定、制御すれば
よいところから、従来のEOG滅菌処理の場合の如く、
無菌試験が不要となるのであり、これによって、製品出
荷を早めることが出来ると共に、結果的にコスト低減に
も大きく寄与し得ることとなったのである。
【0033】ところで、眼内レンズの構成材料には、先
に述べたように、所望の特性を付与すべく、紫外線吸収
剤等の成分が含有せしめられることとなるが、そのよう
な紫外線吸収剤等を含む材質の眼内レンズに対して、電
子線が照射された場合、それによって眼内レンズが着色
してしまうことがある。例えば、紫外線吸収剤は、電子
線等によりエネルギーを与えられると、比較的容易に励
起状態、即ち、発色(着色)した状態になり易いからで
ある。具体的には、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収
剤は黄色に、またベンゾフェノン系の紫外線吸収剤はピ
ンク色に、それぞれ、着色するようになる。
【0034】このような紫外線吸収剤等の励起により生
じたレンズの着色は、時間の経過により、元の色に自然
に戻ることとなるが、有利には、電子線照射の後、熱、
光、高周波、及びそれらの組合せからなる群より選ばれ
たエネルギーによる処理からなる色戻し処理を、眼内レ
ンズに対して更に施すことが望ましく、これによって、
電子線照射による着色を速やかに無くして、元の色によ
り早く戻すことが出来るのである。
【0035】なお、そのような色戻し処理において、熱
エネルギーを用いた処理は、有利には、30℃以上、眼
内レンズ(とりわけ、光学部より細い部分を有する支持
部)の熱変形温度未満の温度範囲において、好ましく
は、かかる熱変形温度よりも10℃程度低い温度以下の
温度範囲において、所定の収納体に収容された眼内レン
ズを加熱せしめることにより、行なわれることとなる。
ここで、熱変形温度とは、一般的には眼内レンズに熱変
形が惹起される温度のことを意味するが、具体的には、
その温度にて眼内レンズを8時間放置したとき、レンズ
の光学的性質において0.5ディオプター以上の屈折力
変化若しくは10%以上の解像力変化が生じるか、或い
はレンズ形状において、眼内レンズのサジッタ(Sagitt
a )が0.05mm以上変化する温度のことを指すもの
とする。そして、そのような熱処理温度が高過ぎると、
眼内レンズ、特に支持部が変形してしまうという問題を
惹起するのであり、また熱処理温度が低過ぎると、その
ような熱処理による効果が充分に得られなくなるか、或
いは処理に時間がかかり過ぎてしまうという問題があ
り、そのために、下限温度としては、大略30℃或いは
それ以上が実用的であり、好ましくは40℃以上、より
好ましくは50℃以上が採用されることとなるのであ
る。更に、処理時間としても、長過ぎると経済的でなく
なり、また短いと処理する効果が充分に得られないとこ
ろから、4時間〜2週間程度が採用されることとなる。
【0036】また、かかる熱エネルギーを用いた処理の
他にも、太陽光等の自然光、更には人工の光線等の光エ
ネルギーを用いた処理や、マイクロ波等の高周波エネル
ギーを用いた処理、更にはそれら3つのエネルギーを相
互に組み合わせてなる複合処理も、同様に色戻し処理と
して採用することが出来、そしてその際に用いられる光
や高周波の波長、また光や高周波の強さ、更には処理時
間等は、所期の目的を達成し得る範囲内において適宜に
選定され、また組合せによる場合にあっては、各エネル
ギー処理における条件を、何れも満たす範囲内におい
て、それぞれの条件が採用されることとなる。
【0037】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0038】実施例 1 先ず、アルキルメタクリレートの一つであるメチルメタ
クリレート:97重量%と、架橋剤としてのエチレング
リコールジメタクリレート:3重量%とを配合して、モ
ノマ配合物を調製し、更に、その得られたモノマ配合物
に対して、0.005重量%の割合において、重合開始
剤である2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)を添加、混合して、重合性混合物を得た。そ
して、この得られた重合性混合物を内径:18mmの試
験管内に収容し、密栓した後、35℃×5日間、40℃
×1日間、45℃×1日間、50〜90℃×1日間、及
び100〜130℃×1日間の順に段階的に加熱せしめ
ることにより、メチルメタクリレートとエチレングリコ
ールジメタクリレートとを共重合、架橋させて、目的と
する架橋共重合体を得た。
【0039】次いで、かかる得られた架橋共重合体を試
験管より取り出し、それを乾燥器内に入れて、130℃
の温度で8時間保持した後、徐冷することにより、歪取
りを施した。その後、かかる架橋共重合体を旋盤にて切
削し、15.5mmφ×3mmの円柱状のピースに加工
した。更に、このピースを用いて、従来と同様にして切
削、研磨することにより、光学部径:6.0mm、光学
部中心厚み:0.80mm、房水中換算パワー:+20
Dのシングルピース型眼内レンズの複数枚を得た。
【0040】そして、このようにして得られた複数枚の
眼内レンズを、それぞれ、スチレン−ブタジエン共重合
体材質の通常のレンズケースに入れ、更にそれをポリエ
チレン製密封バッグに収容して、密封した後、電子線照
射装置:ダイナミトロン(米国:RDI社製、5Me
V)を用いて、加速電圧:5000KV、線量:25k
Gyにおいて、電子線を照射することにより、それぞ
れ、滅菌処理を施した。
【0041】このようにして滅菌処理された複数枚の眼
内レンズの中より、任意の3枚を取り出し、第十二改正
日本薬局方の無菌試験法に従って、無菌試験を実施した
ところ、全て無菌のレンズであることを認めた。また、
かかる密封バッグより、滅菌処理レンズを取り出して観
察したところ、滅菌処理前と同様に、無色透明であっ
た。更に、かかる滅菌処理された眼内レンズを粉砕し、
テトラヒドロフラン中に1週間浸漬したところ、滅菌前
と同様に、全く溶解が認められず、その分子量を測定す
ることが出来なかった。これは、滅菌処理によっても、
眼内レンズを構成する架橋共重合体の架橋構造が保持さ
れ、依然として高い分子量のものであることを示してい
るものと認められた。
【0042】比較例 1 エチレングリコールジメタクリレートを使用せずに、メ
チルメタクリレートを100重量%とすること以外は、
実施例1と同様にして重合せしめ、非架橋の重合体(ポ
リメチルメタクリレート)を得た後、実施例1と同様に
して、歪取り、ピース加工、切削、研磨による眼内レン
ズの作製を行ない、更には実施例1と同様にして眼内レ
ンズに対する電子線照射による滅菌処理を施した。
【0043】このようにして滅菌処理された眼内レンズ
について、無菌試験を実施例1と同様にして実施したと
ころ、全て無菌となっていることを認め、また眼内レン
ズの目視による観察においても、滅菌処理前と同様、無
色透明であることを認めた。また、この滅菌処理の施さ
れた眼内レンズをテトラヒドラフラン中に浸漬したとこ
ろ、滅菌処理前と同様に溶解し、そしてその溶液を用い
て、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィにて分子
量を測定したところ、滅菌処理前の数平均分子量:20
0万に対して、滅菌処理後の数平均分子量は20万とな
り、電子線照射による滅菌処理にて、非架橋重合体(ポ
リメチルメタクリレート)には、その重合鎖の切断が惹
起されて、著しく分子量が低下することが確認された。
【0044】実施例 2 実施例1のモノマ配合物に対して、紫外線吸収剤:2−
〔2′−ヒドロキシ−5′−(2″−メタクリロイルオ
キシエトキシ)−3′−ターシャリブチルフェニル〕−
5−メチル−2H−ベンゾトリアゾールを、更に、0.
18重量%添加した以外は、実施例1と同様にして重合
を行ない、目的とする架橋共重合体を得た。
【0045】次いで、この得られた架橋共重合体を用
い、実施例1と同様にして、歪取り、ピース加工、更に
は切削、研磨による眼内レンズの作製を行なった後、そ
の作製された眼内レンズについて、実施例1と同様にし
て電子線照射による滅菌処理を実施した。
【0046】そして、このように滅菌処理された眼内レ
ンズについて、実施例1と同様にして、無菌試験を実施
したところ、全て無菌であることを認め、またそのよう
な眼内レンズを目視にて観察したところ、滅菌前と比較
し、黄色く着色していることを認めた。更に、かかる滅
菌処理された眼内レンズを、テトラヒドロフラン中に浸
漬したところ、滅菌処理前と同様に溶解しないことを認
めた。
【0047】また、このような電子線照射により黄色く
着色した眼内レンズを、1か月間室温状態で放置したも
のでは、その着色の減少は認められなかったが、50℃
の温度において10日間保存したものにあっては、黄色
が消え、無色に戻っていることを認めた。
【0048】実施例 3 メチルメタクリレートをエチルメタクリレートに変更し
た以外は、実施例1と同様にして重合を行ない、目的と
する架橋共重合体を得た。そして、この得られた架橋共
重合体について、歪取り、ピース加工、更には切削、研
磨により、同様な眼内レンズを作製した。
【0049】そして、この得られた眼内レンズについ
て、実施例1と同様にして電子線照射による滅菌処理を
施した。
【0050】かくして、滅菌処理された眼内レンズにつ
いて、実施例1と同様にして無菌試験を実施したとこ
ろ、全て無菌であり、また眼内レンズの目視観察におい
ても、滅菌前と同様、無色、透明であることを認めた。
更に、かかる滅菌処理済み眼内レンズを、テトラヒドロ
フラン中に浸漬したところ、滅菌処理前と同様に溶解し
ないことを認めた。
【0051】実施例 4 実施例1のモノマ配合物に対して、紫外線吸収剤:2−
〔2′−ヒドロキシ−5′−(2″−メタクリロイルオ
キシエトキシ)−3′−ターシャルブチルフェニル〕−
5−メチル−2H−ベンゾトリアゾールの0.18重量
%と、着色剤:1−フェニルアゾ−3−メタクリロイル
オキシ−2−ナフタレノールの0.0016重量%と、
1−(4−クロル−2−スルホフェニル)−3−メチル
−4−〔パラ−(パラトリル−スルホノキシ)−フェニ
ルアゾ〕−5−ピラゾロンのナトリウム塩の0.015
重量%とを、更に添加した以外は、実施例1と同様にし
て重合せしめ、目的とする着色架橋共重合体を得た。
【0052】次いで、この得られた着色架橋共重合体を
用い、実施例1と同様にして、それに歪取り、ピース加
工を施し、更に切削、研磨により、同様な眼内レンズを
作製した。
【0053】そして、この得られた眼内レンズを、実施
例1と同様にして電子線照射し、滅菌処理を施した。
【0054】このようにして滅菌処理された眼内レンズ
について、実施例1と同様にして無菌試験を実施したと
ころ、全て無菌であり、また眼内レンズの目視観察にお
いては、滅菌前に比較して、より濃く着色していること
を認めた。更に、この滅菌処理済み眼内レンズを、実施
例1と同様にしてテトラヒドロフラン中に浸漬したとこ
ろ、滅菌処理前と同様に溶解しないことを認めた。
【0055】また、かかる滅菌処理された眼内レンズに
ついて、それを1か月室温に放置したものにあっては、
退色は認められなかったが、50℃の温度で10日間保
存したものにあっては、滅菌処理による濃色が解消さ
れ、元の色に戻っていることを認めた。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う眼内レンズの滅菌方法によれば、従来のEOG滅
菌手法等とは異なり、滅菌処理時間自体が極めて短く、
また、エアレーションや無菌試験も全く不要となるので
あり、全体的に滅菌工程を比較的短時間と為し得て、製
品の出荷を早くすることが出来る特徴を発揮するもので
ある。
【0057】しかも、本発明に従う眼内レンズの滅菌方
法にあっては、眼内レンズを収容する収納体には、ガス
透過性等の特殊な材質のものを用いる必要が全くなく、
通常のビニール袋等の密封容器を、そのまま用いること
が出来ると共に、毒性ガスの残留や環境汚染等の問題が
全く惹起され得ず、更に、照射線量のみを管理すればよ
いところから、滅菌処理に要する条件が少なく、その管
理が容易であるという利点も、享受することが出来るの
であり、そこに、本発明の大きな技術的意義を見出すこ
とが出来るのである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋重合体にて構成してなる眼内レンズ
    を用い、かかる眼内レンズを、電子線は透過するが細菌
    は侵入させ得ない収納体内に収容して密封した後、電子
    線を照射せしめ、該収納体内の眼内レンズを滅菌処理す
    ることを特徴とする眼内レンズの滅菌方法。
  2. 【請求項2】 前記架橋重合体が、アクリル酸エステル
    及びメタクリル酸エステルのうちの少なくとも一つと、
    多官能モノマからなる架橋剤との共重合によって得られ
    るアクリル系架橋共重合体である請求項1に記載の眼内
    レンズの滅菌方法。
  3. 【請求項3】 前記電子線が、10〜80kGyの線量
    において照射せしめられる請求項1または請求項2に記
    載の眼内レンズの滅菌方法。
  4. 【請求項4】 前記眼内レンズが、紫外線吸収剤を前記
    架橋重合体に結合された形態において或いは該架橋重合
    体との混合形態において含有している請求項1乃至請求
    項3の何れかに記載の眼内レンズの滅菌方法。
  5. 【請求項5】 前記電子線照射の後、熱、光、高周波、
    及びそれらの組合せからなる群より選ばれたエネルギー
    による処理が、前記眼内レンズに対して更に施される請
    求項1乃至請求項4の何れかに記載の眼内レンズの滅菌
    方法。
  6. 【請求項6】 前記熱エネルギーを用いた処理が、30
    ℃以上、前記眼内レンズの熱変形温度未満の温度範囲に
    おいて、かかる眼内レンズを加熱することにより、行な
    われる請求項5記載の眼内レンズの滅菌方法。
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