JPH11352084A - がいし汚損検出装置 - Google Patents

がいし汚損検出装置

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JPH11352084A
JPH11352084A JP15934598A JP15934598A JPH11352084A JP H11352084 A JPH11352084 A JP H11352084A JP 15934598 A JP15934598 A JP 15934598A JP 15934598 A JP15934598 A JP 15934598A JP H11352084 A JPH11352084 A JP H11352084A
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insulator
rain
rainwater
conductivity
detection
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JP15934598A
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Inventor
Hirokazu Takei
弘和 武井
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パイロットがいしを用いることなくがいしの汚
損の程度を検出することができるがいし汚損検出装置を
提供する。 【解決手段】高圧電線2を支持するがいし1の表面を伝
わって流れ落ちる雨水を集める雨水受け4と、雨水受け
4が受け入れた雨水を集める第1の集雨容器6とを備え
た第1の集雨装置と、がいしに触れていない雨水を集め
る雨水受け4´と、雨水受け4´が受け入れた雨水を集
める第2の集雨容器6´とを備えた第2の集雨装置とを
設ける。第1の集雨容器6内の水の導電度と第2の集雨
容器6´内の水の導電度とを検出して、両導電度の差か
らがいしの汚損の程度を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電所や変電所等
において、高電圧が印加される導体を支持するために用
いるがいしの汚損状態を検出するがいし汚損検出装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】発電所や変電所等において、高電圧が印
加される導体を支持するために用いられるがいしは、台
風や季節風などにより運ばれる塩分により汚損される
と、その耐電圧性能が低下してフラッシオーバを生じ、
地絡事故の発生を招く。そのため、がいしの汚損状態が
重汚損状態になったときにはその表面を洗浄して、がい
しの絶縁耐力を回復させる必要がある。
【0003】がいしの汚損状態を検出する検出装置とし
ては、露点式がいし汚損検出装置と、SB(Steam Bow
l)式がいし汚損検出装置とが知られている。露点式が
いし汚損検出装置は、実がいしと同一形状のパイロット
がいしにペルチェ効果を利用した電子冷却素子を組み込
んで、パイロットがいしを露点温度以下に冷却して空気
中の水分を集め、これによりがいしに付着している汚損
物を強制的に湿潤させて、その汚損物の漏れ抵抗を測定
するようにした検出装置である。
【0004】またSB式がいし汚損検出装置は、実がい
しと同一形状のパイロットがいしの笠の下方に配置した
蒸発皿より発生させた蒸気によりがいしの笠の下面を強
制的に湿潤させて、湿潤したがいしの笠の下面の漏れ抵
抗を測定するようにした装置である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来
は、がいしの汚損状態を検出するために実がいしと同形
状のパイロットがいしを用いる必要があったため、検出
装置が大形化して、そのコストが高くなるという問題が
あった。
【0006】また従来の検出装置では、実がいしの汚損
状態を直接検出することなく、パイロットがいしの汚損
を検出するため、汚損状態の検出の信頼性に欠けるとい
う問題があった。
【0007】本発明の目的は、パイロットがいしを用い
ることなく、実がいしの汚損の程度を検出することがで
きるようにしたがいし汚損検出装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、高電圧が印加
される導体を支持するために用いるがいしの汚損の程度
を検出するがいし汚損検出装置に係わるものである。
【0009】本発明においては、がいしの表面を伝わっ
て流れ落ちる雨水を集める第1の集雨装置と、がいしに
触れていない降雨を集める第2の集雨装置と、第1の集
雨装置により集められた雨水の導電度を検出して第1の
導電度検出信号を出力する第1の導電度検出装置と、第
2の集雨装置により集められた雨水の導電度を検出して
第2の導電度検出信号を出力する第2の導電度検出装置
と、第1の導電度検出信号と第2の導電度検出信号との
差からがいしの汚損の程度を判定して汚損状態検出信号
を出力する汚損状態判定装置とを設けた。
【0010】がいしが塩害により汚損されていると、雨
が降った際に、がいしの表面を伝わって流れ落ちる雨水
にがいしの表面に付着している塩分が溶け込むため、が
いしが汚損されていると、がいしの表面を伝わって流れ
落ちる雨水の導電度が、がいしに触れていない雨水の導
電度よりも高くなる。
【0011】従って、上記のように、がいしの表面を伝
わって流れ落ちた雨水と、がいしに触れていない雨水と
を集めて、両雨水の導電度の差を検出すると、がいしの
表面に付着している塩分が溶け込んだことによる雨水の
導電度の上昇分を検出することができ、この導電度の上
昇分の大小からがいしの汚損の程度を判定することがで
きる。
【0012】なお、がいしの表面を伝わって流れ落ちた
雨水の導電度のみからがいしの汚損の程度を検出するこ
ともできるが、がいしの表面を伝わって流れ落ちた雨水
の導電度のみからがいしの汚損の程度を検出した場合に
は、たまたま、がいしに触れていない降雨に含まれる塩
分の濃度が高い場合に、がいしの汚損の程度が低い場合
でも、汚損の程度が高いと判断されるという問題があ
る。これに対し、本発明のように、がいしの表面を伝わ
って流れ落ちた雨水と、がいしに触れていない雨水とを
集めて、両雨水の導電度の差を検出することによりがい
しの汚損の程度を検出するようにすると、降雨に塩分が
含まれている場合でも、がいしの汚損の程度を正確に検
出することができる。
【0013】本発明によれば、パイロットがいしを用い
ることなく、実がいしの汚損の程度を検出できるため、
がいし汚損検出装置の小形化と、コストの低減とを図る
ことができる。またパイロットがいしの汚損の程度を検
出するのではなく、実がいしそのものの汚損の程度を直
接検出することができるため、がいしの汚損状態の検出
の信頼性を高めることができる。
【0014】上記第1の導電度検出装置は、例えば、第
1の集雨装置により集められた雨水中に挿入されて対向
配置された第1の検出電極と、該対の第1の検出電極間
に一定の電圧を印加する第1の電源部と、該第1の電源
部から対の第1の検出電極間を通して流れる電流を検出
して検出した電流に相応した大きさの第1の導電度検出
信号を出力する第1の電流検出回路とを備えることによ
り構成できる。
【0015】また上記第2の導電度検出装置は、第2の
集雨装置により集められた雨水中に挿入されて対の第1
の検出電極間の間隔に等しい間隔をもって対向配置され
た対の第2の検出電極と、該対の第2の検出電極間に一
定の電圧を印加する第2の電源部と、第2の電源部から
対の第2の検出電極間を通して流れる電流を検出して検
出した電流に相応した大きさの第2の導電度検出信号を
出力する第2の電流検出回路とを備えることにより構成
できる。
【0016】また上記汚損状態判定装置は、第1の導電
度検出信号と第2の導電度検出信号との差に相当する信
号を出力する差動回路と、差動回路の出力からがいしの
汚損状態を判定して、汚損状態検出信号を出力する判定
部とを備えることにより構成できる。
【0017】上記第1の集雨装置は、がいしの下端側に
配置されて、該がいしの表面を伝わって流れ落ちる雨水
を受け入れる第1の雨水受けと、第1の雨水受けが受け
入れた雨水を収容する第1の集雨容器とを備えて、第1
の集雨容器内の雨水の量が一定値に達する毎に該集雨容
器内の雨水を排出する動作を行うように構成するのが好
ましい。
【0018】上記第2の集雨装置は、がいしから離れた
場所に配置されて、降雨を直接受け入れる第2の雨水受
けと、第2の雨水受けが受け入れた雨水を収容する第2
の集雨容器とを備えて、第2の集雨容器内の雨水の量が
一定値に達する毎に該集雨容器内の雨水を排出する動作
を行うように構成することができる。
【0019】各集雨容器内の雨水の量が一定値に達する
毎に該容器内の雨水を排出するようにするためには、例
えば、各集雨容器として、回動自在に支持されるととも
に、開口部を斜め上方に向けた状態で配置されて、内部
に所定量の雨水が溜まるごとに開口部を下方に向けるよ
うに転倒して内部の雨水を排出する転倒ます(鹿威しと
同じ原理で定量の雨水を溜めては排出する容器)を用い
るのが好ましい。
【0020】このような集雨容器を用いると、がいしの
汚損の程度の検出を行った後、各集雨容器内に集められ
た雨水を自動的に排出して次の検出に備えることができ
るため、がいしの汚損状態の監視を自動的に行わせるこ
とができる。
【0021】なお集雨容器内の雨水を排出する方法は上
記の方法に限られるものではなく、例えば、集雨容器の
内部に溜まった雨水の液面を検出する液面レベル検出器
を設けて、該液面レベル検出装置により集雨容器内の雨
水の液面が所定のレベルに達したことが検出された時に
バルブを開くなどの手段により集雨容器内の雨水を排出
するようにしてもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係わるがいし汚損
検出装置の一構成例を示したものである。同図において
1は本発明に係わる汚損検出装置により汚損状態を検出
するがいしで、変電所等において高圧電線2を支持する
ために用いられているものである。図示のがいしは、中
実円柱状の本体101の外周部から、軸線方向に沿って
並ぶ多数の笠102,102,…を突出させた構造を有
する周知のラインポストがいしで、このがいしは中心軸
線を垂直方向に向けた状態で配置されて、その下端に形
成された柱状の首下部103が架台3に固定され、その
上端に架線2が接続されている。
【0023】図1に示した例では、がいし1の下端付近
に、がいしの表面を伝わって流れ落ちる雨水を集める第
1の雨水受け4が配置されている。図示の雨水受け4
は、内面が円錐面状を呈する内周壁401及び外周壁4
02と水平面に対して傾斜した状態で設けられた底壁部
403とを有する環状の容器からなっていて、この雨水
受けは、円柱状を呈するがいし1の下端の首下部103
を取り囲むように配置されている。できるだけがいしの
表面を伝わって流れ落ちる雨水のみを集め、がいしに触
れないで落下する雨滴を直接集めることがないようにす
るため、第1の雨水受け4の外周壁402の上端の外径
は、がいし1のかさ102の外径よりも僅かに大きい程
度に設定されている。また第1の雨水受けの内周壁40
1の上端の内径は、がいし1の首下部103の外径にほ
ぼ等しく設定されていて、該内周壁401の上端部がが
いしの首下部の円柱部に密接させられている。雨水受け
4の底壁部403の最も低い個所に開口部4aが設けら
れ、該開口部4aに第1の雨水供給管5の上端が接続さ
れている。
【0024】第1の雨水受け4よりも更に下方の位置に
第1の集雨容器6が配置されている。図示の第1の集雨
容器6は、開口部6aが斜め切りされた有底の円筒体か
らなっていて、支持フレーム7に回動自在に支持されて
いる。支持フレーム7は、基台7aと該基台7aから起
立した1対の支持腕7b,7bとを有していて、第1の
雨水受け4よりも下方の位置で、かつ雨に直接さらされ
ることがない位置に配置されている。
【0025】第1の集雨容器6は、支持腕7b,7bの
間に、その上端の開口部6aを上方に向けた状態で、か
つその底部6b側の端部を基台7aに当接させた状態で
斜めに配置され、その中間部に固定された回動軸6c,
6cが支持腕7b,7bにそれぞれ設けられた軸支持孔
に嵌合されている。これにより、第1の集雨容器6は、
図示のようにその開口部6aが底部6bよりも高い位置
で上方に向いた状態になる待機位置と、その開口部6a
の先端が底部6bよりも低い位置で斜め下方を向いた状
態になる排水位置との間を回動し得るように支持されて
いる。
【0026】図示の例では、第1の集雨容器6が図示の
ように待機位置にあるときにその開口部6aの端面がほ
ぼ水平面上に位置するように、開口部6aの端面の傾斜
角が設定されている。また待機位置にある第1の集雨容
器6内に溜った雨水の液面がその開口部付近に設定され
た設定レベルに達していない状態にあるときに第1の集
雨容器6が図示の待機位置に保持され、内部に溜った雨
水の量が増加してその液面が設定レベルに達したときに
第1の集雨容器6が排水位置側に回動してその開口部6
aが斜め下方を向くように、回動軸6cの位置が設定さ
れている。
【0027】雨水供給管5の下端は、開口部を上に向け
て傾斜した状態ある第1の集雨容器6の開口部6aの上
方に位置するように図示しない位置決め手段により位置
決めされ、第1の雨水受け4により集められた雨水が雨
水供給管5を通して集雨容器6内に供給されるようにな
っている。
【0028】上記の集雨容器6は、転倒ますとして知ら
れているもので、鹿威しと同じ原理で、内部に雨水を溜
める動作と、内部の雨水を排出する動作とを行うもので
ある。すなわち、集雨容器6は、その内部の雨水の液面
レベルが設定レベルに達するまでの間は、図1に示した
待機位置にあってその内部に雨水が溜まるのを許容し、
内部の雨水の液面レベルが設定レベルに達したときに排
水位置に向けて回動して、その内部に溜まった雨水を排
出する。
【0029】図示の例では、第1の雨水受け4と第1の
雨水供給管5と第1の集雨容器(転倒ます)6とによ
り、がいしの表面を伝わって流れ落ちる雨水を集めて、
集めた雨水の量が設定値に達する毎に集めた雨水を排出
する動作を行う第1の集雨装置が構成されている。
【0030】第1の集雨容器6内には所定の間隔を隔て
て対向配置された1対の第1の検出電極8,8が挿入さ
れ、第1の電源部9から第1の抵抗10を通して検出電
極8,8間に一定の直流電圧が印加されている。この例
では、第1の抵抗10により、電源部9から対の検出電
極8,8間を通して流れる電流を検出して検出した電流
に相応した大きさの第1の導電度検出信号Vsを出力す
る第1の電流検出回路11が構成されている。
【0031】第1の集雨容器6内に溜まった雨水の液面
が上昇して検出電極8,8に接触すると、直流電源部9
から抵抗10と検出電極8,8間の雨水とを通して電流
が流れ、この電流に相応した大きさの電圧が抵抗10の
両端に生じる。検出電極8,8間を通して流れる電流
は、第1の集雨容器5内に溜まった雨水の導電度に比例
して増加する。従って、抵抗10の両端に生じる第1の
導電度検出信号Vsの電圧値は、集雨容器5内の雨水の
導電度に比例して上昇する。
【0032】本発明においてはまた、がいし1に触れて
いない雨水を集めるために、がいし1から離れた位置に
第2の雨水受け4´が配置されている。この雨水受け4
´は、逆円錐状の周壁部402´と、水平面に対して傾
斜した底壁部403´とを有する容器からなっていて、
その底壁部403´の最も低い個所に開口部4a´が設
けられ、開口部4a´に第2の雨水供給管5´の上端が
接続されている。
【0033】第2の雨水受け4´よりも下方の位置に、
第1の集雨容器と同様に開口部6a´が斜め切りされた
有底の円筒体からなる第2の集雨容器6´が配置されて
いる。第2の集雨容器6´は、フレーム7´の基台7a
´から起立した1対の支持腕7b´,7b´の間に、そ
の上端の開口部6a´を上方に向けた状態で、かつその
底部6b´側の端部を基台7a´に当接させた状態で斜
めに配置されていて、その中間部に固定された回動軸6
c´,6c´を介して支持腕7b´,7b´に回動自在
に支持されている。
【0034】第2の集雨容器6´は、図示のようにその
開口部6a´が底部6b´よりも高い位置で上方に向い
た状態になる待機位置と、その開口部6a´の先端が底
部6b´よりも低い位置で斜め下方を向いた状態になる
排水位置との間を回動し得るように支持されている。こ
の第2の集雨容器6´の構成及び動作は、第1の集雨容
器6のそれと同様である。
【0035】第2の雨水供給管5´の下端は、開口部を
上に向けて傾斜した状態ある第2の集雨容器6´の開口
部6a´の上方に位置するように位置決めされ、第2の
雨水受け4´により集められた雨水が雨水供給管5´を
通して集雨容器6´内に供給されるようになっている。
【0036】上記第2の雨水受け4´と第2の雨水供給
管5´と第2の集雨容器(転倒ます)6´とにより、が
いしに触れていない雨水を集めて(空から降ってくる雨
を直接集めて)、集めた雨水の量が設定値に達する毎に
集めた雨水を排出する動作を行う第2の集雨装置が構成
されている。
【0037】第2の集雨容器6´内には対の第1の検出
電極8,8相互間の間隔に等しい間隔を隔てて対向する
ように配置された1対の第2の検出電極8´,8´が挿
入され、第2の電源部9´から第2の抵抗10´を通し
て検出電極8´,8´間に一定の直流電圧が印加されて
いる。第2の電源部9´から抵抗10´を通して検出電
極8´,8´間に印加される電圧は、第1の電源部9か
ら抵抗10を通して検出電極8,8間に印加される電圧
に等しく設定されている。また第2の抵抗10´の抵抗
値は第1の抵抗10の抵抗値に等しく設定されている。
【0038】この例では、第2の抵抗10´により、第
2の電源部9´から対の第2の検出電極8´,8´間を
通して流れる電流を検出して検出した電流に相応した大
きさの第2の導電度検出信号Vs´を出力する第2の電
流検出回路11´が構成されている。対の第2の検出電
極8´,8´間を通して流れる電流は、第2の集雨容器
6´内に溜まった雨水の導電度に比例して増加するた
め、抵抗10´の両端に生じる第2の導電度検出信号V
s´の電圧値は、第2の集雨容器6´内の、がいしに触
れていない雨水の導電度に比例して上昇する。
【0039】上記第1の導電度検出信号Vs及び第2の
導電度検出信号Vs´は、差動回路12に入力されてい
る。差動回路12は、差動増幅器や減算回路からなって
いて、第1の導電度検出信号Vsと第2の導電度検出信
号Vs´との差に比例した(比例定数が1の場合を含
む。)差信号Vdを出力する。
【0040】この差信号Vdは、判定部13に与えられ
る。判定部13は、差信号を所定の判定値を与える参照
信号と比較して、差信号Vdのレベルが参照信号のレベ
ルを超えた時にがいしの汚損状態が重汚損状態(そのま
ま放置するとフラッシオーバを生じるおそれがある状
態)にあることを示す汚損検出信号Voを出力部14に
与える。出力部14は、汚損検出信号Voが与えられた
ときに、がいしが重汚損状態にあることを示す警報手段
を動作させたり、図示しない洗浄装置に洗浄指令を与え
て、がいしの洗浄を行わせたりする。がいしが重汚損状
態にあることを示す警報手段としては、ランプなどの発
光表示手段や、ブザーなどの発音手段を用いることがで
きる。
【0041】図1に示すがいし汚損検出装置において、
差動回路12が出力する差信号Vdと、第1の集雨容器
6内の水の導電度と第2の集雨容器6´内の水の導電度
との差Δαとの関係を示すと図2に示す通りであり、差
信号Vdのレベルは集雨容器6,6´内の雨水の導電度
の差Δαに比例して上昇する。判定部13は、第1の集
雨容器6内の水の導電度と第2の集雨容器6´内の水の
導電度との差Δαが設定値Δαo を超えて、差信号Vd
のレベルが判定値Vrを超えたときに汚損検出信号Vo
を出力する。
【0042】図1に示したがいし汚損検出装置におい
て、塩害によるがいし1の汚損の程度が低い状態では、
降雨があった際に、集雨容器6内に集められる雨水に含
まれる塩分が少ないため、第1の電源部9から第1の抵
抗10と対の第1の検出電極8,8間とを通して流れる
電流は、第2の電源部9´から抵抗10´と対の第2の
検出電極8´,8´間とを通して流れる電流と同等か、
または対の第2の検出電極8´,8´間を通して流れる
電流よりも僅かに大きい程度の値を示す。そのため、第
1の導電度検出信号Vsのレベルと第2の導電度検出信
号Vs´のレベルとの差は僅かであり、差動回路12が
出力する差信号Vdは参照信号のレベルよりも低いレベ
ルを示している。このとき判定部13は重汚損状態を示
す汚損検出信号を発生しないため、出力部14は警報動
作などを行わない。
【0043】これに対し、塩害によるがいし1の汚損が
進み、重汚損の状態になると、降雨があった際に、集雨
容器6内に集められる雨水に含まれる塩分が少ないた
め、第1の電源部9から第1の抵抗10と第1の対の検
出電極8,8間とを通して流れる電流は、第2の電源部
9´から第2の抵抗10´と第2の対の検出電極8´,
8´間とを通して流れる電流と同等か、または第2の対
の検出電極8´,8´間を通して流れる電流よりも僅か
に大きい程度の値を示す。そのため、第1の導電度検出
信号Vsのレベルと第2の導電度検出信号Vs´のレベ
ルとの差が大きくなり、差動回路12が出力する差信号
Vdのレベルが参照信号のレベルを超えるため、判定部
13が重汚損状態を示す汚損検出信号を発生する。この
とき出力部14は警報手段に警報動作を行わせたり、が
いしを洗浄する洗浄装置に洗浄指令を与えて洗浄動作を
行わせたりする。
【0044】上記の例では、差信号Vdが参照信号のレ
ベルを超えたとき(第1の集雨容器6内の雨水の導電度
と第2の集雨容器6´内の雨水の導電度との差が判定値
を超えたとき)に、がいしの汚損状態が重汚損状態にあ
ることを示す汚損検出信号Vsを発生させるようにした
が、差信号Vdの大きさそのものをがいしの汚損の程度
を示す量としてアナログ表示またはデジタル表示させた
り、差信号Vdをレベルが異なる複数の参照信号(汚損
の程度の判定基準を与えるための参照信号)のレベルと
比較してがいしの汚損の程度を、「低汚損」、「中汚
損」、「重汚損」のように段階的に表示させるようにし
たりすることもできる。
【0045】上記のように、がいし1の表面を伝わって
流れ落ちた雨水と、がいし1に触れていない雨水とを集
めて、両雨水の導電度の差を検出すると、がいし1の表
面に付着している塩分が溶け込んだことによる雨水の導
電度の上昇分を検出することができるため、この導電度
の上昇分の大小からがいしの汚損の程度を判定すること
ができる。
【0046】また上記のように、がいしの表面を伝わっ
て流れ落ちた雨水と、がいしに触れていない雨水とを集
めて、両雨水の導電度の差を検出するようにすると、た
またま降雨に塩分が含まれている場合でも、がいしの汚
損の程度を正確に検出することができる。
【0047】上記の例では、集雨容器6,6´として転
倒ますを用いて集雨装置を構成したが、本発明で用いる
集雨装置は、がいしの下端側に配置されてがいしの表面
を伝わって流れ落ちる雨水を受け入れる雨水受けと、雨
水受けが受け入れた雨水を収容する集雨容器とを備え
て、集雨容器内の水の量が一定値に達する毎に該集雨容
器内の水を排出する動作を行うように構成されていれば
よく、集雨容器として転倒ますを用いる場合に限定され
るものではない。
【0048】例えば、図3に示すように、第1の雨水供
給管5を通して供給される雨水を受け入れる開口部20
aを上端に有し、電磁バルブ20bにより開閉される排
水口20cを下端に有する第1の集雨容器20を用い
て、集雨容器20内に溜まった水の量が設定値に達した
ときにバルブ20bを開くことにより集雨容器20内の
水を排出するようにした集雨装置を第1の集雨装置とし
て用いてもよい。
【0049】図3に示した例では、第1の集雨容器20
の上端寄りの部分の所定位置に、集雨容器20内の水の
液面レベルが設定レベルに達したことを検出した時に液
面検出信号を出力する液面レベル検出器21が取り付け
られ、この液面レベル検出器21の出力がバルブ制御装
置22に入力されている。バルブ制御装置22は、液面
レベル検出器21から液面検出信号が与えられた時に、
集雨容器6内の水をすべて排出するために必要な一定時
間の間だけ電磁バルブ20bを開いた後、該バルブ20
bを再び閉じるように構成されている。
【0050】図3に示した例では、第2の集雨装置が、
第2の雨水供給管5´を通して供給される雨水を受け入
れる開口部20a´を上端に有し、電磁バルブ20b´
により開閉される排水口20c´を下端に有する第2の
集雨容器20´と、集雨容器20´内の水の液面レベル
が設定レベルに達した時に液面検出信号を出力する液面
レベル検出器21´と、液面検出信号に応じてバルブ2
2b´を制御するバルブ制御装置22´とにより、第1
の集雨装置と全く同様に構成されている。
【0051】図3に示したがいし汚損検出装置の他の部
分の構成及び動作は図1に示した例と同様である。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、がいし
の表面を伝わって流れ落ちた雨水と、がいしに触れてい
ない雨水とを集めて、両雨水の導電度の差を検出するよ
うにしたので、雨水に含まれる塩分の影響を受けること
なく、がいしの表面に付着している塩分が溶け込んだこ
とによる雨水の導電度の上昇分を正確に検出して、がい
しの汚損の程度を正確に検出することができる利点があ
る。
【0053】また本発明によれば、パイロットがいしを
用いることなく、実がいしの汚損の程度を検出できるた
め、がいし汚損検出装置の小形化と、コストの低減とを
図ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるがいし汚損検出装置の構成例を
示した構成図である。
【図2】本発明に係わる汚損検出装置で用いる第1及び
第2の集雨装置が集めた水の導電度の差と差動回路の出
力との関係を示した線図である。
【図3】本発明に係わるがいし汚損検出装置の他の構成
例を示した構成図である。
【符号の説明】
1 がいし 2 高圧電線 3 架台 4 第1の雨水受け 6,20 第1の集雨容器 8 第1の検出電極 12 差動回路 4´ 第2の雨水受け 6´,20´ 第2の集雨容器 8´ 第2の検出電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高電圧が印加される導体を支持するため
    に用いるがいしの汚損状態を検出するがいし汚損検出装
    置において、 前記がいしの表面を伝わって流れ落ちる雨水を集める第
    1の集雨装置と、 前記がいしに触れていない雨水を集める第2の集雨装置
    と、 前記第1の集雨装置により集められた雨水の導電度を検
    出して第1の導電度検出信号を出力する第1の導電度検
    出装置と、 前記第2の集雨装置により集められた雨水の導電度を検
    出して第2の導電度検出信号を出力する第2の導電度検
    出装置と、 前記第1の導電度検出信号と第2の導電度検出信号との
    差から前記がいしの汚損の程度を判定して汚損状態検出
    信号を出力する汚損状態判定装置とを具備したことを特
    徴とするがいし汚損検出装置。
  2. 【請求項2】 高電圧が印加される導体を支持するため
    に用いるがいしの汚損状態を検出するがいし汚損検出装
    置において、 前記がいしの表面を伝わって流れ落ちる雨水を第1の集
    雨容器内に集める第1の集雨装置と、 前記がいしに触れていない雨水を第2の集雨容器内に集
    める第2の集雨装置と、 前記第1の集雨装置により集められた雨水中に挿入され
    て対向配置された対の第1の検出電極と、前記対の第1
    の検出電極間に一定の電圧を印加する第1の電源部と、
    前記第1の電源部から対の第1の検出電極間を通して流
    れる電流を検出して検出した電流に相応する大きさの第
    1の導電度検出信号を出力する第1の電流検出回路とを
    備えた第1の導電度検出装置と、 前記第2の集雨装置により集められた雨水中に挿入され
    て前記対の第1の検出電極間の間隔に等しい間隔をもっ
    て対向配置された対の第2の検出電極と、前記対の第2
    の検出電極間に一定の電圧を印加する第2の電源部と、
    前記第2の電源部から対の第2の検出電極間を通して流
    れる電流を検出して検出した電流に相応する大きさの第
    2の導電度検出信号を出力する第2の電流検出回路とを
    備えた第2の導電度検出装置と、 前記第1の導電度検出信号と第2の導電度検出信号との
    差に相当する信号を出力する差動回路と、前記差動回路
    の出力から前記がいしの汚損状態を判定して、汚損状態
    検出信号を出力する判定部とを備えた汚損状態判定装置
    とを具備したことを特徴とするがいし汚損検出装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の集雨装置は、前記がいしの下
    端側に配置されて、該がいしの表面を伝わって流れ落ち
    る雨水を受け入れる第1の雨水受けと、前記第1の雨水
    受けが受け入れた雨水を収容する第1の集雨容器とを備
    えて、前記第1の集雨容器内の雨水の量が一定値に達す
    る毎に該集雨容器内の雨水を排出する動作を行うように
    構成され、 前記第2の集雨装置は、前記がいしから離れた場所に配
    置されて、前記がいしに触れていない雨水を受け入れる
    第2の雨水受けと、前記第2の雨水受けが受け入れた雨
    水を収容する第2の集雨容器とを備えて、前記第2の集
    雨容器内の雨水の量が一定値に達する毎に該集雨容器内
    の雨水を排出する動作を行うように構成されていること
    を特徴とする請求項1または2に記載のがいし汚損検出
    装置。
JP15934598A 1998-06-08 1998-06-08 がいし汚損検出装置 Withdrawn JPH11352084A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104297015A (zh) * 2014-10-16 2015-01-21 国家电网公司 便携式自适应盐密灰密取样装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104297015A (zh) * 2014-10-16 2015-01-21 国家电网公司 便携式自适应盐密灰密取样装置

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