JPH1135180A - 給紙装置 - Google Patents

給紙装置

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JPH1135180A
JPH1135180A JP9202372A JP20237297A JPH1135180A JP H1135180 A JPH1135180 A JP H1135180A JP 9202372 A JP9202372 A JP 9202372A JP 20237297 A JP20237297 A JP 20237297A JP H1135180 A JPH1135180 A JP H1135180A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 傾斜状態で積層保持された用紙を分離パッド
方式を用いてバックテンションを増大させることなく確
実に一枚づつ給送する。 【解決手段】 側面視略D形の給紙ローラ121により
送られるべき用紙を次位の用紙から分離する分離パッド
150のバネよりも小さな付勢力のローラバネ165で
アイドルローラ160を分離パッドに当接させ次位の用
紙P2の下降を規制する。用紙戻しレバー180を回動
させて次位の用紙P2を戻す。分離パッドの給紙ローラ
との対向面150aを湾曲させる。分離パッドとの間に
用紙の通路Rを形成するとともに、この通路を通過しよ
うとする用紙の先端部分が給紙ローラ側へ湾曲している
場合にその先端部分と当接するガイド167を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層された用紙
(普通紙、コート紙、OHP(オーバーヘッドプロジェ
クタ)用シート、光沢紙、光沢フィルム等のカットシー
ト)を、その最上位のものから1枚づつ給送する給紙装
置に関する。主としてプリンタ等に適した給紙装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、給紙装置としては、爪分離方式
によるものとパッド分離方式によるものとが知られてい
る。
【0003】爪分離方式は、周知のように、積層された
用紙の先端角部を爪に係止させておき、この爪部よりも
後方(給紙方向下流側)に給紙ローラを配置し、給紙ロ
ーラを回転させることによってこの給紙ローラと前記爪
部との間で最上位の用紙を撓ませ、この撓みが限界に達
して弾かれることを利用して最上位の用紙を次位の用紙
から分離させて最上位の用紙のみを給送する方式であ
る。
【0004】一方、パッド分離方式は、これも周知であ
るように、給紙ローラと用紙との間の摩擦係数をμ1、
分離パッドと用紙との間の摩擦係数をμ2、用紙相互間
の摩擦係数をμ3とした場合に、μ1>μ2>μ3なる
関係が成立するように給紙ローラと分離パッドとを構成
し、回転する給紙ローラとこれに圧接される分離パッド
とで用紙を挟圧することによって最上位の用紙と次位の
用紙とを分離し、最上位の用紙のみを給送する方式であ
る。
【0005】これらの方式では、いずれも、回転する給
紙ローラに最上位の用紙の表面が接触して最上位の用紙
が移動する際、その接触部の他面側において最上位の用
紙の裏面と次位の用紙の表面とが摺接することとなるた
め、次位の用紙の表面に、摺接による薄い傷が付き、用
紙が例えば光沢紙や光沢フィルムであると、この薄傷が
多少目立つ。
【0006】そして、爪分離方式であると、前記摺接部
(すなわち薄傷部分)が、爪部後方すなわち最上位の用
紙に撓み付けを行なうことができるほどの後方となるた
め、用紙の印字領域に位置してしまい、好ましくない。
【0007】他方、パッド分離方式であると、摺接によ
る薄傷は付くものの、この薄傷部は、次位の用紙の表面
先端部に付くだけであるから、通常、印字領域には位置
しない。
【0008】したがって、上記薄傷の観点からすると、
パッド分離方式の方が優れている。
【0009】しかしながら、パッド分離方式には、次の
ような難点がある。
【0010】例えば、図26に示すように、パッド分離
方式を用いた給紙装置1をプリンタに用いた場合、給送
された用紙P1は、搬送ローラ2,3によって挟圧され
ながら搬送され、印字手段4によって印字されることと
なるが、搬送ローラ2,3による用紙P1の搬送が開始
された時点では、通常、用紙P1は給紙装置から完全に
脱した状態とはならない。
【0011】一方、パッド分離方式では、上述したμ1
>μ2>μ3なる関係、すなわち、給紙ローラと用紙と
の間の摩擦力をf1、用紙と分離パッドとの間の摩擦力
をf2、用紙と用紙との間の摩擦力をf3とすると、f
1>f2>f3なる関係が成立するように給紙ローラと
分離パッドとを圧接させなければならないから、搬送ロ
ーラ2,3による用紙P1の搬送が開始された時点で給
紙ローラと分離パッドとが圧接されていると、用紙P1
は、その後部が給紙ローラと分離パッドとで挟圧された
状態となる。
【0012】したがって、用紙P1は、その後端が給紙
ローラと分離パッドとの挟圧部を通過するまでは、この
挟圧部による負荷を受けた状態(後方に引っ張られた状
態)で、搬送ローラ2,3によって搬送されることとな
る。
【0013】このような負荷(すなわちバックテンショ
ン)が大きいと、搬送ローラ2,3による用紙の送り精
度が低下し、印字品質も低下することとなるため、この
負荷すなわち給紙ローラと分離パッドとの圧接力は、で
きるだけ小さくすることが望ましい。しかしながら、圧
接力が小さいと、給紙動作を繰り返す度に次位の用紙が
給紙ローラと分離パッドとの圧接部に徐々に進入してき
て、用紙の分離ができなくなってしまうという難点があ
る。
【0014】このような難点を解決したものとして、特
開平7−53062号公報記載のシート媒体整列機構が
ある。
【0015】図27(a)〜(e)は、この機構の構造
および作動を示した図である。
【0016】同図において、18は給紙ローラ、24は
分離パッド、22はレバーである。
【0017】レバー22は、図(c)に示すように枢軸
Aで回動可能に支持されており、その腕22cを押圧す
る片持ち梁バネ26によって時計方向に付勢されてい
る。
【0018】この機構によれば、図(b)〜(e)に示
すように給紙ローラ18が時計方向に回転すると、給紙
ローラ18と分離パッド24との圧接部で最上位のシー
トS1が次位のシートS2と分離され、図(d)に示す
ように最上位のシートS1のみが給送される。この際、
レバー22は図(c)(d)に示すようにシートS1に
押されて逃げる。そして、次位のシートS2(およびさ
らに次のシートS3)が、給紙ローラ18と分離パッド
24との圧接部に進入しあるいは進入しようとしていて
も、先のシートS1の後端がレバー22の上端を通過す
ると、レバー22が片持ち梁バネ26の付勢力によって
時計方向に回動し、次位のシートS2(およびさらに次
のシートS3)が、図(e)に示すように押し戻される
こととなる。
【0019】従って、この機構によれば、上記難点すな
わち次位の用紙が給紙ローラと分離パッドとの圧接部に
徐々に進入してきて、用紙の分離ができなくなってしま
うという難点は一応解消される。
【0020】ところが、上述したような給紙ローラ1
8、すなわち側面視円形の給紙ローラであると、これが
常に分離パッドに圧接されている状態となるため、摩耗
し易いという難点がある。
【0021】そこで、この難点を解消すべく、給紙ロー
ラを側面視D形にした給紙装置が知られている。
【0022】その一例として、図28に、実公平8−3
396号公報記載の給紙装置を示す。
【0023】同図において、40は側面視略D形の給紙
ローラであり、円弧部40aと直線部40bとを有して
いる。
【0024】41はガイドブロックであり、このガイド
ブロック41に給紙ローラ40の軸40cが支持されて
いる。
【0025】42はカセットであり、内部に積載板42
aが設けられている。この積載板42aの上に複数枚の
用紙Pが積層状態でセットされる。42cはスプリング
であり、このスプリング42cによって用紙Pは給紙ロ
ーラ40に向けて付勢されている。
【0026】43は分離パッドであり、ブラケット43
a上に取り付けられている。分離パッド43は、給紙ロ
ーラ40の円弧部40aの回転軌道中に位置しており、
スプリング44により、ガイド45に沿って給紙ローラ
軸40cの方向に付勢されている。
【0027】46はガイドブロック41に回転可能に取
り付けられたアイドルローラ、47はガイドブロック4
1の長溝41aに軸47aが移動可能に取り付けられた
可動アイドルローラである。可動アイドルローラ47
は、スプリング48により分離パッド43に向けて付勢
され、分離パッド43に当接している。
【0028】このスプリング48の付勢力F2は、分離
パッド43のスプリング44の付勢力F1よりも小さく
設定されている(すなわちF1>F2である)。
【0029】以上のような給紙装置は、次のように作動
する。
【0030】待機時には、図28に示すように、給紙ロ
ーラ40の直線部40bが用紙Pと対向した状態となっ
ており、給紙ローラ40は用紙Pとは接触していない。
また、可動アイドルローラ47のスプリング48の付勢
力F2は、分離パッド43のスプリング44の付勢力F
1よりも小さく設定されているので、可動アイドルロー
ラ47は分離パッド43によって押し上げられ、その軸
47aが長溝41aの上端に当接した状態となってい
る。
【0031】給紙動作時には、給紙ローラ40が矢印方
向に回転し、その円弧部40aが用紙Pのうちの最上位
の用紙P1と接触することによって、この用紙P1が分
離パッド43に向けて送られる。この際、用紙P1に対
して次位の用紙P2が静電気の作用で吸着していること
により、あるいは用紙P1と用紙P2との間に摩擦力が
作用することによって、用紙P2が用紙P1とともに送
られることがある。
【0032】しかしながら、用紙P2は、次のようにし
て分離パッド43によって用紙P1から分離され、最上
位の用紙P1のみが給送されることとなる。
【0033】すなわち、用紙P2は、その先端が分離パ
ッド43に突き当たることによって、その移動が阻害さ
れ、一次的に用紙P1から分離され得る。
【0034】また、給紙ローラ40の円弧部40aと用
紙P1との間の摩擦力をf1、用紙P2と分離パッド4
3との間の摩擦力をf2、用紙P1と用紙P2との間の
摩擦力をf3とすると、f1>f2>f3なる関係が成
立するように給紙ローラ40および分離パッド43が構
成されているため、給紙ローラ40の回転につれて用紙
P1と用紙P2とがともに給紙ローラの円弧部40aと
分離パッド43とで挟圧された状態になると、用紙P2
は分離パッド43との間の摩擦力によってその移動が阻
害され、二次的に用紙P1から分離されて、用紙P1の
みが給送されることとなる。なお、分離パッド43は、
給紙ローラ40の円弧部40aの回転軌道中に位置して
いるため、円弧部40aが回転することにより円弧部4
0aによって押し下げられることとなるが、可動アイド
ルローラ47はスプリング48により分離パッド43に
向けて付勢されているので、分離パッド43が押し下げ
られてもこれに当接し、この当接によっても用紙の分離
動作がなされることとなる。
【0035】給紙ローラ40が丁度一回転して待機状態
(図28に示した状態)に戻る。
【0036】以上のようにして、最上位の用紙P1のみ
が給送されることとなる。
【0037】このような給紙装置によれば、給紙ローラ
40が常に分離パッド43に圧接されているわけではな
いので、摩耗が低減される。
【0038】また、可動アイドルローラ47がスプリン
グ48により分離パッド43に圧接されているので、次
位の用紙が最上位の用紙につれて圧接部に進入すること
も、ある程度は防止される。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平7−5
3062号公報記載のシート媒体整列機構(図27)
は、図27(d)に示すように最上位のシートS1が給
送された後、図(e)に示すようにレバー22が回動し
て次位のシートS2(およびさらに次のシートS3)を
押し戻す構成となっているので、最上位の用紙S1とと
もに次位の用紙S2が移動してその先端がレバー22の
先端を通過してしまうと、もはや次位の用紙S2を押し
戻すことはできなくなってしまう。
【0040】このような事態、すなわち最上位の用紙S
1を給送する際、あるいはその後さらに最上位の用紙S
1が後段の搬送ローラ等によって搬送される際に、次位
の用紙S2の先端がレバー22の先端を通過してしまう
という事態は、給紙ローラ18と分離パッド24との圧
接力を大きくすることによって防止することが可能では
ある。
【0041】しかしながら、給紙ローラ18と分離パッ
ド24との圧接力を大きくすると、前述した用紙搬送時
の負荷(バックテンション)が極めて大きくなるため、
この負荷に十分に打ち勝つだけの搬送力を得るべく、搬
送ローラ(図26の2,3)等による用紙の挟圧力を大
きくする必要があると同時に、搬送ローラ等を駆動する
ための大きな駆動力が必要となり、装置が大型化したり
消費電力が増大してしまうという問題が生じる。また、
搬送ローラ等が摩耗し易くなるという問題も生じる。
【0042】このような問題は、例えば、図28に示し
た実公平8−3396号公報記載の構造のものに、図2
7に示した特開平7−53062号公報記載のレバー2
2を設けた場合にも同様に生じる。すなわち、この場合
には、可動アイドルローラ47と分離パッド43との圧
接力を大きくしなければ、給送された最上位の用紙がさ
らに後段の搬送ローラ等で搬送される際に次位の用紙の
先端がレバー22の先端を通過してしまうという事態を
防止することができず、そうすると上記バックテンショ
ンが大きくなってしまう。
【0043】本発明の目的は、以上のような問題を解決
し、分離パッド方式および、用紙戻しレバーを用いた給
紙装置において、上記バックテンションを増大させるこ
となく、次位の用紙の先端が用紙戻しレバーの先端を通
過し難くすることにある。
【0044】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の給紙装置は、円弧部と直線部とを有
し、給紙動作時に正転する側面視略D形の給紙ローラ
と、この給紙ローラの前記円弧部と接触して給送される
べき用紙が複数枚積層され、給紙ローラの正転時に給紙
ローラに向けて用紙を圧接させるホッパと、少なくとも
前記給紙ローラの正転時にその円弧部との間で用紙を挟
圧することにより、給紙ローラにより送られるべき前記
用紙を次位の用紙から分離する分離パッドと、少なくと
も分離パッドが給紙ローラの円弧部との間で用紙を挟圧
しないときに分離パッドと当接して、次位の用紙の移動
を規制するアイドルローラと、前記給紙ローラにより給
送された最上位の用紙の後端が通過した後、後方に回動
して次位の用紙の先端が前記アイドルローラと前記分離
パッドとの当接部よりも後方に位置するように次位の用
紙を後方に向けて押し戻す用紙戻しレバーと、を備え、
前記分離パッドの給紙ローラとの対向面が給紙ローラに
対して凹状に湾曲していることを特徴とする。
【0045】請求項2記載の給紙装置は、請求項1記載
の給紙装置において、前記分離パッドの給紙ローラとの
対向面は、分離パッドと前記アイドルローラとの当接部
よりも用紙の給送方向下流側において湾曲していること
を特徴とする。
【0046】請求項3記載の給紙装置は、円弧部と直線
部とを有し、給紙動作時に正転する側面視略D形の給紙
ローラと、この給紙ローラの前記円弧部と接触して給送
されるべき用紙が複数枚積層され、給紙ローラの正転時
に給紙ローラに向けて用紙を圧接させるホッパと、少な
くとも前記給紙ローラの正転時にその円弧部との間で用
紙を挟圧することにより、給紙ローラにより送られるべ
き前記用紙を次位の用紙から分離する分離パッドと、少
なくとも分離パッドが給紙ローラの円弧部との間で用紙
を挟圧しないときに分離パッドと当接して、次位の用紙
の移動を規制するアイドルローラと、前記給紙ローラに
より給送された最上位の用紙の後端が通過した後、後方
に回動して次位の用紙の先端が前記アイドルローラと前
記分離パッドとの当接部よりも後方に位置するように次
位の用紙を後方に向けて押し戻す用紙戻しレバーと、前
記給紙ローラにより最上位の用紙が給送された際の用紙
戻しレバーの位置と前記分離パッドとアイドルローラと
の当接位置との間にあって、分離パッドとの間に用紙の
通路を形成するとともに、この通路を通過しようとする
用紙の先端部分が前記給紙ローラ側へ湾曲している場合
にその先端部分と当接するガイドと、を備えていること
を特徴とする。
【0047】請求項4記載の給紙装置は、請求項3記載
の給紙装置において、前記分離パッドの給紙ローラとの
対向面と、前記ガイドの分離パッドとの対向面とが略平
行、または前記両対向面の間隔が用紙の給送方向下流側
に向かうにしたがって狭く形成されていることを特徴と
する。
【0048】請求項5記載の給紙装置は、請求項3また
は4記載の給紙装置において、前記分離パッドの給紙ロ
ーラとの対向面は、分離パッドと前記アイドルローラと
の当接部よりも用紙の給送方向下流側において給紙ロー
ラに対して凹状に湾曲していることを特徴とする。
【0049】請求項6記載の給紙装置は、請求項3,
4,または5記載の給紙装置において、前記ガイドは、
前記アイドルローラを支持するアイドルローラホルダに
対して一体的に設けられていることを特徴とする。
【0050】請求項7記載の給紙装置は、請求項1〜6
のうちいずれか1つに記載の給紙装置において、前記給
紙ローラにより給送されるべき用紙は、傾斜状態で積層
されることを特徴とする。
【0051】請求項8記載の給紙装置は、請求項1〜7
のうちいずれか1つに記載の給紙装置において、前記給
紙ローラと分離パッドとの挟圧力に比べて、前記分離パ
ッドとアイドルローラとの当接力の方が小さく設定され
ていることを特徴とする。
【0052】請求項9記載の給紙装置は、請求項1〜8
のうちいずれか1つに記載の給紙装置において、前記用
紙戻しレバーが後方に回動して次位の用紙を後方に向け
て押し戻す際、前記分離パッドを前記アイドルローラか
ら離間させる離間機構を備えていることを特徴とする。
【0053】請求項10記載の給紙装置は、請求項1〜
9のうちいずれか1つに記載の給紙装置において、前記
ホッパは、前記用紙戻しレバーが後方に回動する際に、
ホッパに積層されている用紙を前記給紙ローラから離間
させるホッパであるとともに、このホッパの、用紙給送
方向前方には、このホッパに積層された用紙の先端を支
持する支持面が設けられており、前記用紙戻しレバー
は、次位の用紙の先端が前記支持面後方に達するように
次位の用紙を押し戻すことを特徴とする。
【0054】請求項11記載の給紙装置は、請求項1〜
10のうちいずれか1つに記載の給紙装置において、前
記ホッパに積層されている用紙を、ホッパの用紙支持面
に向けて付勢している付勢部材を備えていることを特徴
とする。
【0055】請求項12記載の給紙装置は、請求項1〜
11のうちいずれか1つに記載の給紙装置において、前
記給紙ローラは、給紙動作時に1回転正転するローラで
あり、その1回転の前に一旦逆転し、この逆転によって
前記用紙戻しレバーが後方に回動することを特徴とす
る。
【0056】請求項13記載の給紙装置は、請求項1〜
12のうちいずれか1つに記載の給紙装置において、前
記給送されるべき用紙の先端が分離パッドとアイドルロ
ーラとの間を通過する際にアイドルローラを分離パッド
から離間させ、前記用紙の先端が分離パッドとアイドル
ローラとの間を通過した後、前記給紙ローラの円弧部と
分離パッドとの用紙を介した当接が解除される前にアイ
ドルローラを分離パッドに当接させるアイドルローラ退
避機構を備えたことを特徴とする。
【0057】請求項14記載の給紙装置は、請求項13
記載の給紙装置において、前記アイドルローラ退避機構
は、前記給紙ローラの軸に設けられ、この軸とともに回
転するカムによって作動することを特徴とする。
【0058】
【作用効果】請求項1記載の給紙装置によれば、円弧部
と直線部とを有し、給紙動作時に正転する側面視略D形
の給紙ローラと、この給紙ローラの前記円弧部と接触し
て給送されるべき用紙が複数枚積層され、給紙ローラの
正転時に給紙ローラに向けて用紙を圧接させるホッパ
と、少なくとも前記給紙ローラの正転時にその円弧部と
の間で用紙を挟圧することにより、給紙ローラにより送
られるべき前記用紙を次位の用紙から分離する分離パッ
ドとを備えているので、給紙動作時には、最上位の用紙
のみが給送される。
【0059】給送された最上位の用紙が、後段の搬送ロ
ーラ等によって搬送される際、最上位の用紙に対して次
位の用紙が静電気の作用で吸着していることにより、あ
るいは用紙間に摩擦力が作用することによって、次位の
用紙が最上位の用紙とともに送られようとすることがあ
るが、この次位の用紙の移動は、アイドルローラによっ
て規制され、さらに、最上位の用紙の後端が通過した後
に、用紙戻しレバーが後方に回動することによって、次
位の用紙は、その先端が前記アイドルローラと前記分離
パッドとの当接部よりも後方に位置するように押し戻さ
れる。
【0060】ここで、用紙戻しレバーが後方に回動する
際、仮に、次位の用紙の先端が用紙戻しレバーの先端を
通過しているとすると、次位の用紙は用紙戻しレバーに
よって押し戻されなくなるが、この請求項1記載の給紙
装置によれば、分離パッドの給紙ローラとの対向面が給
紙ローラに対して凹状に湾曲しているので、その湾曲面
に次位の用紙の先端が当接しやすくなる。したがって、
分離パッドとアイドルローラとの圧接力をそれほど大き
くしなくても、次位の用紙が最上位の用紙とともに移動
してしまう事態が生じ難くなり、結果として、用紙戻し
レバーが後方に回動する際に、次位の用紙の先端が用紙
戻しレバーの先端を通過してしまっているという事態が
生じ難くなる。
【0061】すなわち、この請求項1記載の給紙装置に
よれば、バックテンションを増大させることなく、次位
の用紙の先端が用紙戻しレバーの先端を通過し難くする
ことができ、結果として、積層保持された用紙を、分離
パッド方式を用いて負荷(バックテンション)を増大さ
せることなく確実に一枚づつ給送することができること
となる。
【0062】請求項2記載の給紙装置によれば、請求項
1記載の給紙装置において、前記分離パッドの給紙ロー
ラとの対向面が、分離パッドと前記アイドルローラとの
当接部よりも用紙の給送方向下流側において湾曲してい
るので、次のような作用効果が得られる。
【0063】すなわち、分離パッドの給紙ローラとの対
向面は給送方向上流側においては給紙ローラに対して凹
状に湾曲していないので、結果として、上流側における
分離パッドと給紙ローラとの間隔が確保され、給紙動作
時に用紙が分離パッドと給紙ローラとの間に導入され易
くなる一方、下流側においては用紙はアイドルローラに
よって分離パッド側に押圧された状態となるので、用紙
の先端が分離パッドの湾曲面に対してより一層当接し易
くなる。
【0064】したがって、この請求項2記載の給紙装置
によれば、より円滑な給送状態が得られるとともに、次
位の用紙の先端が用紙戻しレバーの先端を通過してしま
うという事態が一層生じ難くなる。
【0065】請求項3記載の給紙装置によれば、円弧部
と直線部とを有し、給紙動作時に正転する側面視略D形
の給紙ローラと、この給紙ローラの前記円弧部と接触し
て給送されるべき用紙が複数枚積層され、給紙ローラの
正転時に給紙ローラに向けて用紙を圧接させるホッパ
と、少なくとも前記給紙ローラの正転時にその円弧部と
の間で用紙を挟圧することにより、給紙ローラにより送
られるべき前記用紙を次位の用紙から分離する分離パッ
ドとを備えているので、給紙動作時には、最上位の用紙
のみが給送される。
【0066】給送された最上位の用紙が、後段の搬送ロ
ーラ等によって搬送される際、最上位の用紙に対して次
位の用紙が静電気の作用で吸着していることにより、あ
るいは用紙間に摩擦力が作用することによって、次位の
用紙が最上位の用紙とともに送られようとすることがあ
るが、この次位の用紙の移動は、アイドルローラによっ
て規制され、さらに、最上位の用紙の後端が通過した後
に、用紙戻しレバーが後方に回動することによって、次
位の用紙は、その先端が前記アイドルローラと前記分離
パッドとの当接部よりも後方に位置するように押し戻さ
れる。
【0067】用紙戻しレバーが後方に回動する際、仮
に、次位の用紙の先端が用紙戻しレバーの先端を通過し
ているとすると、次位の用紙は用紙戻しレバーによって
押し戻されなくなるが、このような事態は、次位の用紙
の先端部分が分離パッドから離れる方向すなわち給紙ロ
ーラ側に湾曲している場合に生じ易い。次位の用紙の先
端部分が給紙ローラ側に湾曲していると、分離パッドと
アイドルローラとの当接位置を通過した用紙の先端部分
が分離パッドと当接しないかあるいは当接してもその当
接力が小さくなり、したがって、分離パッドによる抵抗
を受けないかあるいはその抵抗が小さくなるからであ
る。
【0068】これに対し、この請求項3記載の給紙装置
によれば、給紙ローラにより最上位の用紙が給送された
際の用紙戻しレバーの位置と分離パッドとアイドルロー
ラとの当接位置との間にあって、分離パッドとの間に用
紙の通路を形成するとともに、この通路を通過しようと
する用紙の先端部分が給紙ローラ側へ湾曲している場合
にその先端部分と当接するガイドを備えているので、分
離パッドとアイドルローラとの当接位置を通過した次位
の用紙の先端部分が、給紙ローラ側に湾曲している場合
には、その先端部分がガイドに当接することにより、用
紙先端部分(湾曲部分)自身の弾性力によって分離パッ
ドに押し付けられる状態となり、結果として、分離パッ
ドによる抵抗を受けることとなる。
【0069】したがって、分離パッドとアイドルローラ
との圧接力をそれほど大きくしなくても、先端部分が給
紙ローラ側へ湾曲した次位の用紙が最上位の用紙ととも
に移動してしまう事態が生じ難くなり、結果として、用
紙戻しレバーが後方に回動する際に、次位の用紙の先端
が用紙戻しレバーの先端を通過してしまっているという
事態が生じ難くなる。
【0070】すなわち、この請求項3記載の給紙装置に
よれば、バックテンションを増大させることなく、次位
の用紙の先端が用紙戻しレバーの先端を通過し難くする
ことができ、結果として、積層保持された用紙を、分離
パッド方式を用いて負荷(バックテンション)を増大さ
せることなく確実に一枚づつ給送することができること
となる。
【0071】請求項4記載の給紙装置によれば、請求項
3記載の給紙装置において、前記分離パッドの給紙ロー
ラとの対向面と、前記ガイドの分離パッドとの対向面と
が略平行、または前記両対向面の間隔が用紙の給送方向
下流側に向かうにしたがって狭く形成されているので、
先端部分が給紙ローラ側へ湾曲した次位の用紙のその先
端部分が、より確実にガイドに当接し、分離パッドによ
る抵抗を確実に受けることとなる。
【0072】したがって、分離パッドとアイドルローラ
との圧接力をそれほど大きくしなくても、先端部分が給
紙ローラ側へ湾曲した次位の用紙が最上位の用紙ととも
に移動してしまう事態がより一層生じ難くなり、結果と
して、用紙戻しレバーが後方に回動する際に、次位の用
紙の先端が用紙戻しレバーの先端を通過してしまってい
るという事態がより一層生じ難くなる。
【0073】請求項5記載の給紙装置によれば、請求項
3または4記載の給紙装置において、前記分離パッドの
給紙ローラとの対向面は、分離パッドと前記アイドルロ
ーラとの当接部よりも用紙の給送方向下流側において給
紙ローラに対して凹状に湾曲しているので、次のような
作用効果が得られる。
【0074】すなわち、分離パッドの給紙ローラとの対
向面は給送方向上流側においては湾曲していないので、
結果として、上流側における分離パッドと給紙ローラと
の間隔が確保され、給紙動作時に用紙が分離パッドと給
紙ローラとの間に導入され易くなる一方、下流側におい
ては用紙はアイドルローラによって分離パッド側に押圧
された状態となるので、分離パッドとアイドルローラと
の当接位置を通過した次位の用紙の先端部分が給紙ロー
ラ側に湾曲していない場合には、その先端が直接分離パ
ッドの湾曲面に対してより確実に当接するし、分離パッ
ドとアイドルローラとの当接位置を通過した次位の用紙
の先端部分が給紙ローラ側に湾曲している場合でも、そ
の先端部分はガイドに当接して、用紙先端部分(湾曲部
分)自身の弾性力によって分離パッドに押し付けられる
状態となり、分離パッドによる抵抗を受けることとな
る。
【0075】したがって、この請求項5記載の給紙装置
によれば、より円滑な給送状態が得られるとともに、次
位の用紙の先端が用紙戻しレバーの先端を通過してしま
うという事態がより一層生じ難くなる。
【0076】請求項6記載の給紙装置によれば、請求項
3,4,または5記載の給紙装置において、前記ガイド
は、前記アイドルローラを支持するアイドルローラホル
ダに対して一体的に設けられているので、このガイドを
支持する支持部材を別途設ける必要がなくなり、構造の
簡素化を図ることができる。
【0077】しかも、アイドルローラは分離パッドと当
接する部材であり、このアイドルローラを支持するアイ
ドルローラホルダに対してガイドが一体的に設けられて
いる結果として、ガイドと分離パッドとの間隔(すなわ
ち用紙の通路)が適正に形成されることとなるので、上
述した請求項3,4,または5記載の給紙装置による作
用効果がより確実に得られることとなる。
【0078】請求項7記載の給紙装置によれば、請求項
1〜6のうちいずれか1つに記載の給紙装置において、
前記給紙ローラにより給送されるべき用紙は、傾斜状態
で積層されるので、設置面積が低減される。
【0079】ホッパには、用紙が傾斜状態で積層されて
いるため、最上位の用紙が給送される際、次位の用紙も
給紙ローラに向けて下降しやすくなるが、給紙ローラの
円弧部と分離パッドとが圧接されているときには、この
圧接部によって次位の用紙の下降は阻害される。
【0080】給紙ローラは、円弧部と直線部とを有する
側面視略D形であるから、給紙ローラが回転する過程で
円弧部と分離パッドとの圧接が解除され、直線部が分離
パッドと対向する状態になる、すなわち上記圧接部がな
くなると、次位の用紙が下降しようとするが、このとき
はアイドルローラが分離パッドと当接して、次位の用紙
の下降を規制するので、次位の用紙の下降が規制され
る。
【0081】そして、給紙ローラにより給送された最上
位の用紙の後端が通過した後には、用紙戻しレバーが後
方に回動することにより、次位の用紙の先端が前記アイ
ドルローラと前記分離パッドとの当接部よりも後方に位
置するように次位の用紙が後方に向けて押し戻されるこ
ととなる。
【0082】しかも、前述したように、用紙戻しレバー
が後方に回動する際に、次位の用紙の先端が用紙戻しレ
バーの先端を通過してしまっているという事態が生じ難
くなるので、用紙戻しレバーによる用紙戻し動作は確実
になされることとなる。
【0083】したがって、この請求項7記載の給紙装置
によれば、給紙ローラがD形のローラであり、かつ用紙
が傾斜状態で積層されていて設置面積が低減されるにも
拘らず、次位の用紙が給紙ローラと分離パッドとの圧接
部に徐々に(累積的に)進入して、用紙の分離ができな
くなるという事態が生じ難くなる。
【0084】請求項8記載の給紙装置によれば、請求項
1〜7のうちいずれか1つに記載の給紙装置において、
前記給紙ローラと分離パッドとの挟圧力に比べて、前記
分離パッドとアイドルローラとの当接力の方が小さく設
定されているので、給送された最上位の用紙の後部に作
用する付加(バックテンション)がより一層小さくな
る。
【0085】詳しく説明すると、図28に示した従来の
給紙装置では、前述したように、給紙動作時に給紙ロー
ラ40が1回転して図28に示した状態(円弧部40a
が分離パッド43を押圧しない状態)となると、可動ア
イドルローラ47のスプリング48の付勢力F2より
も、分離パッド43のスプリング44の付勢力F1の方
が大きく設定されているので、分離パッド43は、可動
アイドルローラ47をその軸47aが長溝41aの上端
に当接するまで押し上げた状態で停止した状態となる。
【0086】すなわち、従来の給紙装置では、用紙P1
は、その後部が分離パッド43のスプリング44の付勢
力F1によって分離パッド43と可動アイドルローラ4
7との間に挟圧された状態で、例えば図26に示した搬
送ローラ2,3により搬送されるようになっていた。
【0087】分離パッド43は、前述したように給紙ロ
ーラ40の円弧部40aとの間で用紙を挟圧することに
より、用紙が2枚以上送られようとした場合にこれを防
止するためのものであるから、その付勢力F1は比較的
大きく(少なくとも上述したように可動アイドルローラ
47の付勢力F2より大きく)設定する必要がある。
【0088】従来の給紙装置では、この比較的大きな付
勢力F1によって用紙P1の後部が挟圧される構造とな
っていたため、この挟圧部における負荷が大きかった。
しかも、可撓アイドルローラ47によって次位の用紙の
前述した累積的な進入を阻止しようとすれば、可動アイ
ドルローラ47の付勢力F2も大きくせざるを得なかっ
た。
【0089】これに対し、この請求項8記載の給紙装置
によれば、上記請求項1〜7のうちいずれか1つに記載
の構成とすることにより、給紙ローラと分離パッドとの
挟圧力に比べて分離パッドとアイドルローラとの当接力
の方が小さく設定されているにもかかわらず、用紙戻し
レバーの後方への回動の際に次位の用紙の先端が用紙戻
しレバーの先端を通過してしまっているという事態が生
じ難くなるので、用紙戻しレバーによる用紙戻し動作が
確実になされ、結果として、次位の用紙が給紙ローラと
分離パッドとの圧接部に徐々に(累積的に)進入して、
用紙の分離ができなくなるという事態が生じ難くなる。
【0090】したがって、給送された最上位の用紙の後
部に作用する付加(バックテンション)をより一層小さ
くすることが可能となる。
【0091】請求項9記載の給紙装置によれば、請求項
1〜8のうちいずれか1つに記載の給紙装置において、
前記用紙戻しレバーが後方に回動して次位の用紙を後方
に向けて押し戻す際、前記分離パッドを前記アイドルロ
ーラから離間させる離間機構を備えているので、次位の
用紙を円滑に押し戻すことができる。
【0092】請求項10記載の給紙装置によれば、請求
項1〜9のうちいずれか1つに記載の給紙装置におい
て、前記ホッパは、前記用紙戻しレバーが後方に回動す
る際に、ホッパに積層されている用紙を前記給紙ローラ
から離間させるホッパであるとともに、このホッパの、
用紙給送方向前方には、このホッパに積層された用紙の
先端を支持する支持面が設けられており、前記用紙戻し
レバーは、次位の用紙の先端が前記支持面後方に達する
ように次位の用紙を押し戻す構成となっているので、押
し戻された次位の用紙の先端は、支持面で支持されるこ
ととなる。
【0093】したがって、次位の用紙の前述した累積的
な進入がより一層確実に防止される。
【0094】請求項11記載の給紙装置によれば、請求
項1〜10のうちいずれか1つに記載の給紙装置におい
て、前記ホッパに積層されている用紙を、ホッパの用紙
支持面に向けて付勢している付勢部材を備えているの
で、押し戻された次位の用紙が、付勢部材によってホッ
パ上に落とし込まれることとなり、押し戻された次位の
用紙の先端が、確実に支持面で支持されることとなる。
【0095】したがって、次位の用紙の前述した累積的
な進入がより一層確実に防止される。
【0096】請求項12記載の給紙装置によれば、請求
項1〜11のうちいずれか1つに記載の給紙装置におい
て、前記給紙ローラは、給紙動作時に1回転正転するロ
ーラであり、その1回転の前に一旦逆転し、この逆転に
よって前記用紙戻しレバーが後方に回動する構成となっ
ているので、給紙動作が開始される前に何らかの理由で
用紙が給紙ローラと分離パッドとの間に入り込んでいた
としても、これを確実に一旦戻すことができる。
【0097】したがって、何らかの理由で用紙が給紙ロ
ーラと分離パッドとの間に入り込んでいる状態でそのま
ま給紙動作がなされたならば生じるであろう不具合(例
えば用紙の頭出し不良)を未然に防止することができ
る。
【0098】請求項13記載の給紙装置によれば、請求
項1〜12のうちいずれか1つに記載の給紙装置におい
て、前記給送されるべき用紙の先端が分離パッドとアイ
ドルローラとの間を通過する際にアイドルローラを分離
パッドから離間させ、前記用紙の先端が分離パッドとア
イドルローラとの間を通過した後、前記給紙ローラの円
弧部と分離パッドとの用紙を介した当接が解除される前
にアイドルローラを分離パッドに当接させるアイドルロ
ーラ退避機構を備えているので、次のような作用効果が
得られる。
【0099】すなわち、給紙動作時に給紙ローラが回転
して最上位の用紙が送られ、この用紙の先端が給紙ロー
ラの円弧部と分離パッドとの当接部を通過しようとする
際、アイドルローラが分離パッドに向けて付勢されて分
離パッドに当接していると、このアイドルローラが通過
しようとする用紙に対して抵抗となる。
【0100】これに対し、請求項13記載の給紙装置に
よれば、給送されるべき用紙の先端が分離パッドとアイ
ドルローラとの間を通過する際にアイドルローラを分離
パッドから離間させる退避機構が設けられているので、
通過しようとする用紙に対してアイドルローラが抵抗に
なるということがない。
【0101】また、退避機構は、前記用紙の先端が分離
パッドとアイドルローラとの間を通過した後、前記給紙
ローラの円弧部と分離パッドとの用紙を介した当接が解
除される前にアイドルローラを分離パッドに当接させる
から、給紙ローラの円弧部と分離パッドとの用紙を介し
た当接が解除された後に、最上位の用紙とともに次位の
用紙が送られてしまうということもない。
【0102】請求項14記載の給紙装置によれば、請求
項13記載の給紙装置において、前記アイドルローラ退
避機構が、前記給紙ローラの軸に設けられ、この軸とと
もに回転するカムによって作動する構成となっているの
で、構造の簡素化を図ることができる。例えば、ソレノ
イド等によって作動させるような構成にした場合に比べ
て簡単な構造とすることができる。
【0103】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0104】ここで説明しようとする実施の形態は、本
件出願人が先に出願した特願平8−298043号の給
紙装置を基本構成として、これを改良したものであるの
で、先ず、その給紙装置について説明する。
【0105】図1は本発明に係る給紙装置の一実施の形
態の基本構成を示す斜視図、図2はプリンタへの取付例
を示す図で、一部を透視した部分省略側面図である。
【0106】図1に示すように、この給紙装置SFは、
フレーム100と、このフレームに回転可能に支持され
た給紙ローラ軸110と、この給紙ローラ軸110に取
り付けられた一対の給紙ローラユニット120,12
0’と、フレーム100に対して回動可能に取り付けら
れたホッパ130とを有している。
【0107】ホッパ130には、用紙幅方向にスライド
可能なエッジガイド131が取り付けられている。一対
の給紙ローラユニット120,120’のうち、一方の
給紙ローラユニット120’は、エッジガイド131と
連結されており、エッジガイド131と共に、給紙ロー
ラ軸110に沿ってスライド可能になっている。
【0108】このような給紙装置SFは、例えば、図2
に示すようにプリンタに組み込まれる。図2において、
2,3は用紙を搬送する搬送ローラ対、4は用紙に印字
する印字ヘッド、5,6は印字済の用紙を排出する排紙
ローラ対、8a,8bは用紙ガイドである。
【0109】ホッパ130は、図示のように傾斜してお
り、この上に複数枚の用紙P(図2)が積層状態でセッ
トされる。
【0110】図1に示したエッジガイド131は、ユー
ザによりセットされる用紙の幅に合わせてスライド操作
され、給送される用紙の一側縁を案内する。他側縁は、
フレーム100の側壁101によって案内される。従っ
て、他方の給紙ローラユニット120は給紙ローラ軸1
10上をスライドしない。
【0111】一対の給紙ローラユニット120,12
0’は、左右対称に構成されており、スライドするかし
ないかだけが異なっているに過ぎないので、以下、給紙
ローラユニットに関しては、一方の給紙ローラユニット
120についてのみ説明する。
【0112】図3は給紙装置の給紙ローラユニットを主
として示す一部切断側面図、図4は図3におけるIV−
IV断面図、図5は主として給紙ローラおよびホッパ等
を示す断面図、図6は図5の部分省略平面図である。
【0113】これらの図において、121は給紙ローラ
であり、円弧部121aと直線部121bとを有する側
面視略D形に構成されており、少なくとも円弧部121
aの表面および直線部121bの表面が高摩擦材料(例
えばゴム)で形成されている。この給紙ローラ121
は、主として図4に示すようにブッシュ122を介して
給紙ローラ軸110に固定されている。すなわち、給紙
ローラ121およびブッシュ122は給紙ローラ軸11
0に対して回転不能である。給紙ローラ軸110は、そ
の軸端に固定された歯車111(図1参照)を介し、図
示しない駆動手段によって、給紙動作時に丁度1回転だ
け回転駆動されるようになっている。
【0114】ホッパ130は、図5に示すように軸13
2によってフレーム100に対して回動可能に取り付け
られている。なお、137は給紙トレイであり、プリン
タに取り付けられている。これらホッパ130および給
紙トレイ137上に、複数枚の用紙Pが積層状態でセッ
トされる(図2参照)。セットされた用紙Pは、その先
端Paが、後述する分離パッドホルダ151の背面(支
持面)152に当接することによって支持され揃えられ
る。
【0115】140は給紙ローラユニット120のフレ
ーム(以下、サブフレームという)であり、このサブフ
レーム140とホッパ130の先端部との間にはホッパ
バネ(圧縮バネ)133が設けられている。したがっ
て、ホッパ130は、ホッパバネ133により、図5に
おいて時計方向すなわち用紙Pを給紙ローラ121に当
接させる方向に向けて常時付勢されているが、図3およ
び図6に示すように、ホッパ130の両端にはカムフォ
ロア134が形成されており、このカムフォロア134
が、給紙ローラ軸110に固定されたホッパカム135
(図1参照)と当接することによって、その回動が規制
されている。なお、図5、図6に示すように、ホッパ1
30の先端部上面には、後述する分離パッドと同様のパ
ッド136が設けられている。
【0116】150は分離パッドであり、分離パッドホ
ルダ151に固定されている。分離パッド150は、用
紙Pに対する摩擦係数が、給紙ローラ121の摩擦係数
よりも小さな材料(例えばコルク等の材料)で構成され
ている。また、いずれの摩擦係数も用紙相互間の摩擦係
数よりも大きな摩擦係数の材料で構成されている。すな
わち、給紙ローラ121と用紙との間の摩擦係数をμ
1、分離パッド150と用紙との間の摩擦係数をμ2、
用紙相互間の摩擦係数をμ3とすると、μ1>μ2>μ
3となっている。
【0117】分離パッドホルダ151は、図7、図8に
示すように、分離パッド150が固定されるパッド支持
部153と、これと一体の前述した用紙先端の支持面
(背面)152部分と、これと一体に形成されたアーム
部154とを有しており、アーム部154の後端両側に
設けられた軸155がサブフレーム140のトラック穴
140aと嵌合することによって、サブフレーム140
に回動可能に取り付けられている。
【0118】パッド支持部153の下面とサブフレーム
140との間には、パッド付勢手段としてのパッドバネ
(圧縮バネ)156が設けられている。したがって、分
離パッドホルダ151は、パッドバネ156により、図
5において時計方向すなわち分離パッド150を給紙ロ
ーラ121に当接させる方向に向けて常時付勢されてい
るが、分離パッドホルダ151の一側には突部157
(図7,図8参照)が形成されており、この突部157
が、図4に示すようにサブフレーム140に設けられ
た、パッド規制手段をなすピン141(図8参照)と当
接することによって、その回動が規制されている。突部
157がピン141と当接している状態で、分離パッド
150は、給紙ローラ121の円弧部121aの回転軌
道中に位置している。
【0119】図3〜図5、および図9において、160
はアイドルローラ、161はアイドルローラホルダであ
る。なお、170は給紙ローラ121のカバーであり、
サブフレーム140に取り付けられている。
【0120】アイドルローラホルダ161は、その中心
に穴161aを有する略リング状をなしている。アイド
ルローラホルダ161の一側面下方には、軸163が設
けられており、この軸163にアイドルローラ160が
回転可能に支持されている。なお、図9において163
aは、抜け止めのフックである。
【0121】アイドルローラホルダ161には、図9に
示すように一対の爪161b,161bが形成されてお
り、これら爪161b,161bが、サブフレーム14
0に設けられた長穴142,142と軽く嵌まり合うこ
とによって、アイドルローラホルダ161はサブフレー
ム140に取り付けられている。また、アイドルローラ
ホルダ161の他側面上下には図4,図5に示すように
一対のピン161c,161cが設けられており、この
ピン161c,161cが、図4、図9に示すようにサ
ブフレーム140に形成されたトラック穴143,14
3に対してスライド可能に嵌まり込んでいる。さらに、
アイドルローラホルダ161の穴161aには、図4に
示すように給紙ローラ軸110およびブッシュ122が
挿通されているが、穴161aの径はブッシュ122の
対応する部分122aの外径よりも大きく形成されてい
る。
【0122】したがって、アイドルローラホルダ161
は、そのピン161c,161cがトラック穴143,
143に案内されることにより、図5において矢印a
1,a2方向にスライド可能であり、したがってまた、
アイドルローラ160も矢印a1,a2方向にスライド
可能である。
【0123】図3,図4,および図9に示すように、ア
イドルローラホルダ161の上部にはバネ受け部164
が設けられており、このバネ受け部164を跨ぐように
してローラ付勢手段としてのローラバネ(引っ張りコイ
ルバネ)165が設けられている。このローラバネ16
5は、その両端が、サブフレーム140の内面に形成さ
れた掛け止め部144,144(図9参照)に係止され
ることによって、サブフレーム140に取り付けられて
いる。したがって、アイドルローラホルダ161は、ロ
ーラバネ165により、図5矢印a1方向に向けて常時
付勢されているが、アイドルローラ160が分離パッド
150と当接することによって(または、後述するカム
フォロア166がブッシュ122に形成されたカム12
3と当接することによって)その移動が規制されてい
る。ローラバネ165の付勢力は、パッドバネ156の
付勢力よりも小さく設定されている。したがって、アイ
ドルローラ160が分離パッド150を押し下げてしま
うということはない。
【0124】一方、アイドルローラホルダ161の一側
面上方にはカムフォロア166が形成されており、この
カムフォロア166が、前述したブッシュ122に形成
されたカム123(図3から図5参照)と接離すること
によって、アイドルローラホルダ161が矢印a1また
はa2方向に移動し、したがってまた、アイドルローラ
160も矢印a1またはa2方向に移動するようになっ
ている。すなわち、この給紙装置において、アイドルロ
ーラ退避機構は、アイドルローラホルダ161およびカ
ム123で構成されており、カム123の作動によっ
て、後述するように、給送されるべき用紙の先端が分離
パッド150とアイドルローラ160との間を通過する
際にアイドルローラ160を分離パッド150から離間
させ、用紙の先端が分離パッド150とアイドルローラ
160との間を通過した後、給紙ローラ121の円弧部
121aと分離パッド150との用紙を介した当接が解
除される前に、アイドルローラ160を分離パッド15
0に当接させるように、前記カム123の形状が構成さ
れている。
【0125】図3、図4、図9、および図10におい
て、180は用紙戻しレバーである。
【0126】この用紙戻しレバー180は、その基部1
81が断面C字形の筒状に形成されており、その弾性を
利用してこの筒状基部181を、サブフレーム140に
形成された軸145a,145bに嵌め合わせることに
よって、サブフレーム140に回動可能に取り付けられ
ている。筒状基部181には、小径部181aが形成さ
れており、この小径部181aに対してねじりバネ18
2が装着されている(小径部181aがねじりバネ18
2のコイル部182aに挿入されている)。ねじりバネ
182の一方の腕182bは用紙戻しレバー180に形
成された穴183に挿入されてレバー180に係止さ
れ、他方の腕182cは、サブフレーム140に形成さ
れた受け溝146,146に両端が支持されると共に中
央部がフック147に掛け止めされることによってサブ
フレーム140に係止される。したがって、レバー18
0は、これに外力が作用しないときには、図3および図
9に示す中立位置にあるが、外力(ブッシュ122の後
述する円板124または給送される用紙による外力)が
作用するとバネ182の付勢力に抗して図3において時
計方向または反時計方向に回動し、外力が作用しなくな
ると、バネ182の付勢力によって前記中立位置に復帰
するようになっている。
【0127】図4に示すように、ブッシュ122には、
上記用紙戻しレバー180に対応する位置に円板124
が一体的に形成されている。この円板124には、図3
および図11に示すように、凹所124aが設けられて
おり、この凹所124a内に、前述した中立位置にある
用紙戻しレバー180が入り込むようになっている。し
たがって、ブッシュ122が回転すると(給紙ローラ軸
110が回転すると)、円板124の角部124bまた
は124cがレバー180に当接し、これによってレバ
ー180が図3において時計方向または反時計方向に回
動する。時計方向に回動したとき、後述するように用紙
が押し戻されるようになっており、この際、次に説明す
る離間機構によって、前述した分離パッド150がアイ
ドルローラ160から離間させられるようになってい
る。
【0128】離間機構は、主として上記用紙戻しレバー
180と、分離パッドホルダ151におけるパッド支持
部153の下面に組み込まれた離間レバー190(図1
2参照)とによって構成されている。
【0129】図12(a)(b)は、離間レバー190
の分離パッドホルダ151への組み込み状態を示す斜視
図である。なお、この図では、組み込み状態を分かりや
すくするために、天地を逆にして描いてある。
【0130】離間レバー190は、軸191と、バネ受
け部192と、突片193とを有している。
【0131】一方、分離パッドホルダ151には、軸受
け穴151aおよび軸受け溝151bと、窓151c
と、バネ受け穴151d,151dとが形成されてい
る。
【0132】離間レバー190は、その突片193を窓
151cに挿通するようにして、軸191を軸受け穴1
51aおよび軸受け溝151bに嵌め合わせることによ
って、分離パッドホルダ151に対し、軸191回りに
回動可能に取り付けられている。
【0133】図(b)において、194はコイルバネで
あり、部分的に巻径を大きくすることによって段部19
4aが形成されている。
【0134】コイルバネ194は、その両端をバネ受け
穴151d,151dに係合させることによって分離パ
ッドホルダ151に取り付けられ、離間レバー190の
バネ受け部192を図(b)において下方に押圧するよ
うになっている。したがって、離間レバー190はコイ
ルバネ194で付勢され、通常は、その突片193が分
離パッドホルダ151の窓151cの下縁151f(図
8参照)に当接している(図3、図4参照)が、突片1
93が窓151c内を移動し得る範囲で回動可能であ
る。なお、151eは、段部194aと係合してコイル
バネ194の抜けを防止する突起である。
【0135】一方、前述した用紙戻しレバー180に
は、図10に示すように、突起カム184が形成されて
おり、図3、図4、および図9に示すように分離パッド
ホルダ151がサブフレーム140に組み込まれたとき
に、離間レバー190の突片193が前記突起カム18
4の回動軌道中に位置するようになっている。したがっ
て、後述するように用紙戻しレバー180が図3におい
て時計方向に回動すると、突起カム184が突片193
を押し下げ、これによってパッド150が押し下げられ
てアイドルローラ160から離間することとなる。
【0136】図1および図3において、200は付勢部
材としての合成樹脂製のシートである。このシート20
0は、その上端201が、給紙ローラのカバー170に
固着されたガイド171に固定されている。このシート
200は、自由状態では、図3に二点鎖線で示すように
直線状態をなすものであるが、その下端201がホッパ
130上の用紙Pの上面Pcと当接することによって実
線で示すように撓むようになっている。逆にいえば、こ
のシート200は、ホッパ130に積層されている用紙
Pを、ホッパ130の用紙支持面130aに向けて付勢
している。
【0137】この実施の形態の給紙装置は、前述したホ
ッパカム135(図1参照)の他にも、ホッパ130の
回動を規制するホッパ保持機構を備えている。
【0138】ホッパ保持機構は、主として保持レバー2
10(図3、図13参照)によって構成されている。
【0139】図3において、102はフレーム100の
側壁101(図1参照)に突設されたピンであり、保持
レバー210は、このピン102によって側壁101に
回動可能に取り付けられている。保持レバー210の後
端211と側壁101との間に図示しない引っ張りバネ
が設けられており、この引っ張りバネによって保持レバ
ー210は図3において時計方向に常時付勢されている
が、その先端212がホッパカム135の回転軌道中に
位置しているので、図3に示すように先端212がホッ
パカム135に当接したときには反時計方向に回動した
状態となる。保持レバー210の中間には突起213が
形成されており、この突起213が、ホッパ130の側
部先端に形成された凹部138と係脱可能である。すな
わち、保持レバー210が時計方向に回動すると、突起
213が凹部138に係合して(入り込んで)ホッパ1
30の上動(図3において時計方向への回動)が規制さ
れ、保持レバー210が反時計方向に回動すると、突起
213が凹部138から脱してホッパ130の上動が可
能となる。なお、このホッパ保持機構はホッパ130の
両側に設けられている。
【0140】次に、以上のような給紙装置の作動につい
て説明する。
【0141】先ず、待機時の状態について説明する。
【0142】待機時には、図3に示すように、ホッパカ
ム135に、ホッパ130のカムフォロア134が当接
していることにより、ホッパ130が押し下げられた状
態となっている(図5参照)。
【0143】給紙ローラ121は、その直線部121b
が用紙Pと対向した状態となっており、給紙ローラ12
1は用紙Pとは接触していない。
【0144】したがって、この状態においては、ホッパ
130上に容易に用紙Pをセットすることができる。
【0145】分離パッドホルダ151(すなわち分離パ
ッド150)は、パッドバネ156(図5参照)によ
り、図3において時計方向に付勢されているが、図4に
示すように突部157がピン141と当接することによ
って、その回動が規制され、図3、図5に示す位置に停
止している。したがって、パッドバネ156の付勢力は
アイドルローラ160には作用していない。また、この
とき、分離パッド150は、給紙ローラの円弧部121
aの回転軌道中に位置している。
【0146】ブッシュ122のカム123とアイドルロ
ーラホルダ161のカムフォロア166とは接触してお
らず、したがって、アイドルローラ160はローラバネ
165の付勢力によって分離パッド150に当接してい
る。
【0147】用紙戻しレバー180は中立位置にあっ
て、ブッシュ122の凹所124a内に入り込んでい
る。
【0148】用紙戻しレバー180の突起カム184
と、離間レバー190の突片193とは、接触していな
いかあるいは微かに接触している。
【0149】離間レバー190の突片193は分離パッ
ドホルダ151の窓151cの下縁151fに当接して
いる。
【0150】ホッパ保持機構の保持レバー210は、そ
の先端212がホッパカム135に当接しており、した
がって、保持レバー210の突起213はホッパ130
の凹部138から脱した状態となっている。
【0151】次に、用紙戻し動作および給紙動作につい
て説明する。
【0152】(i)この給紙装置においては、先ず用紙
戻し動作を行なう。
【0153】しかしながら、説明の便宜上、この用紙戻
し動作については、次の(ii)以降で説明する給紙動
作がなされた後に説明した方が分かりやすいので、後で
説明する。
【0154】(ii)図3において、給紙ローラ軸11
0が時計方向への回転を開始する。したがって、給紙ロ
ーラ121、ブッシュ122、およびホッパカム135
も回転を開始する。
【0155】(iii)図14に示すように、給紙ロー
ラ軸110とともに給紙ローラ121、ブッシュ12
2、およびホッパカム135が所定角度回転してホッパ
カム135とホッパ130のカムフォロア134との当
接が解除されると、ホッパバネ133(図5参照)によ
ってホッパ130が瞬間的に押し上げられ、用紙Pも押
し上げられてその最上位の用紙P1が給紙ローラ121
の円弧部121aに押し付けられる。ホッパ130およ
び用紙Pは瞬間的に押し上げられるので、上部の用紙が
支持面152から外れてもほとんど下降せず、図示のよ
うにホッパ130と給紙ローラ121とで挟まれた状態
となる。
【0156】なお、分離パッドホルダ151(すなわち
分離パッド150)は、上述した待機状態と同じ状態に
ある。ブッシュ122のカム123とアイドルローラホ
ルダ161のカムフォロア166とは未だ接触しておら
ず、アイドルローラ160はローラバネ165の付勢力
によって分離パッド150に当接している。用紙戻しレ
バー180は、ブッシュ122の回転により、円板12
4の角部124c(図3参照)に押されて反時計方向に
回動し凹所124aから脱してその先端が円板124の
周面124dに沿う状態となる。したがって用紙戻しレ
バー180の突起カム184は、離間レバー190の突
片193と完全に離間する。離間レバー190および保
持レバー210は待機状態と同じ状態のままである。
【0157】(iv)さらに給紙ローラ軸110が回転
し続けることにより、図15に示すように、給紙ローラ
121の円弧部121aと最上位の用紙P1とが接触し
ていることによって、この用紙P1が分離パッド150
に向けて送られる。この際、用紙P1に対して次位の用
紙P2が静電気の作用で吸着していることにより、ある
いは用紙P1と用紙P2との間に摩擦力が作用すること
によって、用紙P2が用紙P1とともに送られることも
あるが、用紙P2は、その先端P2aが分離パッド15
0に突き当たることによって、その移動が阻害され、一
次的に用紙P1から分離され得る。同様に、さらに下位
の用紙P3等が送られようとしても同様にして分離され
得る。なお、これからも分かるように、「次位の用紙」
には、さらに下位の用紙P3等も含まれるが、説明が煩
雑化するのを避けるために、特に必要がない限り「さら
に下位の用紙P3等」も含めて単に「次位の用紙」とい
うことにする。
【0158】この時点(図15に示す時点)で、ブッシ
ュ122のカム23の斜面123aがアイドルローラホ
ルダ161のカムフォロア166に当接するが、最上位
の用紙P1の先端P1aは未だアイドルローラ160と
分離パッド150との当接部Tには達していない。な
お、この当接部Tは、給紙ローラ121の円弧部121
aと分離パッド150との当接部と一致している(図1
8参照)。
【0159】なお、その他の部材は、上述した(ii
i)の状態と同じ状態のままである。
【0160】(v)さらに給紙ローラ軸110が回転し
続けることにより、図16に示すように、給紙ローラ1
21の円弧部121aが最上位の用紙P1を介して分離
パッド150を押圧する。これによって、分離パッド1
50はパッドバネ156の付勢力に抗して矢印b1方向
に押し下げられると同時に、パッドバネ156の付勢力
によって給紙ローラ121の円弧部121aとの間で最
上位の用紙P1を挟圧する。すなわち、用紙P1は給紙
ローラ121と分離パッド150との間で挟圧された状
態で送られることとなる。この際、上述したように、次
位の用紙P2が用紙P1とともに送られそうになること
もあるが、前述したように給紙ローラ121と用紙との
間の摩擦係数をμ1、分離パッド150と用紙との間の
摩擦係数をμ2、用紙相互間の摩擦係数をμ3とする
と、μ1>μ2>μ3となっているので、給紙ローラ1
21の回転につれて用紙P1と用紙P2とがともに給紙
ローラの円弧部121aと分離パッド150とで挟圧さ
れた状態になると、用紙P2は分離パッド150との間
の摩擦力によってその移動が阻害され、二次的に用紙P
1から分離されて、用紙P1のみが給送されることとな
る。
【0161】また、この時点(図16に示す時点)で、
アイドルローラホルダ161のカムフォロア166は、
カム123の斜面123aによって押し上げられてカム
123の円弧面123bに乗り上げた状態となる。これ
によって、アイドルローラ160は矢印a2方向に移動
し、分離パッド150から離間した状態となるが、最上
位の用紙P1の先端P1aは未だアイドルローラ160
と分離パッド150との当接部T(図15参照)には達
していない。
【0162】すなわち、給送されるべき用紙P1の先端
P1aが分離パッド150とアイドルローラ160との
間を通過する際には、すでにアイドルローラ160は分
離パッド150から離間した状態となっていることとな
る。
【0163】なお、その他の部材は、上述した(ii
i)の状態と同じ状態のままである。
【0164】(vi)さらに給紙ローラ軸110が回転
し続けることにより、図17に示すように、用紙P1が
給紙ローラ121と分離パッド150とで挟圧された状
態でさらに送られる。なお、用紙P1は用紙戻しレバー
180を反時計方向に回動させて送られ、用紙戻しレバ
ー180は用紙P1の後端が通過するまで用紙P1にし
たがって反時計方向に回動した状態となる。
【0165】この時点(図17に示す時点)で、アイド
ルローラホルダ161のカムフォロア166は、カム1
23の円弧面123bの終端部近くに位置する。
【0166】また、この時点では、給紙ローラ軸110
が1回転近く回転しており、ホッパカム135が、図1
7に示す位置まできているので、ホッパ保持機構の保持
レバー210は、その先端212がホッパカム135か
ら外れ、したがって、図3において時計方向に回動しよ
うとするが、その突起213がホッパ130の前面13
9に当接することによって、時計方向への回動が規制さ
れた状態となっている(図17仮想線参照)。
【0167】なお、その他の部材は、上述した(ii
i)の状態と同じ状態のままである。
【0168】(vii)さらに給紙ローラ軸110が回
転し続けることにより、図18に示すように、用紙P1
が給紙ローラ121と分離パッド150とで挟圧された
状態でさらに送られる。
【0169】この時点(図18に示す時点)で、アイド
ルローラホルダ161のカムフォロア166は、カム1
23のもう一方の傾斜面123cを滑り落ち、したがっ
てローラバネ165の付勢力によってアイドルローラ1
60が分離パッド150に当接する。しかし、この時点
では未だ、給紙ローラ121の円弧部121aが用紙P
1を介して分離パッド150を押圧した状態となってい
る。
【0170】すなわち、給紙ローラ121の円弧部12
1aと分離パッド150との用紙P1を介した当接が解
除される前にアイドルローラ160が分離パッド150
に当接することとなる。
【0171】なお、その他の部材は、上述した(vi)
の状態と同じ状態のままであるが、ホッパ130はホッ
パカム135で押し下げられる。
【0172】(viii)さらに給紙ローラ軸110が
回転し(丁度一回転し)、図19に示すように、ホッパ
130がホッパカム135で完全に押し下げられて待機
状態(図3に示した状態)に戻る。
【0173】ただし、この時点では、用紙P1は給紙装
置から完全に脱した状態とはなっていない。
【0174】したがって、用紙P1は、その後端が分離
パッド150とアイドルローラ160との当接部Tを通
過するまでは、この当接部Tにおける負荷を受けた状態
(後方に引っ張られた状態)で、図2に示した搬送ロー
ラ2,3によって搬送されることとなる。
【0175】この場合、アイドルローラ160が分離パ
ッド150に向けてローラバネ165で付勢され、分離
パッド150との間で用紙P1を挟圧しているので、す
でに一旦用紙P1から分離された次位の用紙P2が、そ
の自重で下降しようとしたり、または用紙P1に対して
静電気の作用で吸着しあるいは用紙P1との間の摩擦力
によって用紙P1とともに送られようとしても、これが
防止される。
【0176】(ix)以上のようにして給送され、搬送
される用紙P1の後端が給紙装置から脱した後、必要に
応じて再び給紙動作が行なわれることとなるが、この給
紙装置はホッパ130が傾斜しており、この上に複数枚
の用紙Pが積層状態でセットされているので、上述した
ように一旦給紙動作がなされると、図19に示すよう
に、次位の用紙P2は、その先端P2aが分離パッド1
50とアイドルローラ160との当接部Tの近くに位置
するまで下降した状態となる。なお、用紙が滑り易いフ
ィルム等であると、その先端P2aが前記当接部Tを通
過するということも有り得る。従って、この状態のまま
給紙動作を繰り返すと、さらに次の用紙P3等が給紙ロ
ーラ121と分離パッド150との間に進入し、さらに
また次の用紙P4が進入しというようにして、用紙の進
入が累積し、結果として、アイドルローラ160を設け
ていても、本来送られるべきではない次位の用紙がアイ
ドルローラ160と分離パッド150との当接部Tを通
過してしまい、これが最上位の用紙と共に送られてしま
う(重送されてしまう)という事態が生じ得る。
【0177】そこでこの給紙装置では、給紙動作を行な
う前に、前述したように(i)で、先ず用紙戻し動作を
行なう。すなわち、この用紙戻し動作は、前述した上記
(ii)の動作に先立って次のようにして行なわれる。
【0178】用紙戻し動作は、次の通りである。
【0179】(i−1)前述した待機の状態(図3およ
び図19参照)から、給紙ローラ軸110が反時計方向
への回転(逆転)を開始する。したがって、給紙ローラ
121、ブッシュ122、およびホッパカム135も逆
転を開始する。
【0180】図20に示すように、給紙ローラ軸110
とともに給紙ローラ121、ブッシュ122、およびホ
ッパカム135が所定角度逆転すると、用紙戻しレバー
180が、その後縁185で用紙の先端P2aを押し戻
すべく、ブッシュ122の円板124の角部124bに
押されて時計方向に回動し、その突起カム184が離間
レバー190の突片193と当接してこれを押し下げ
る。突片193は、分離パッドホルダ151の窓151
cの下縁151fに当接しているから、結果として分離
パッド150も押し下げられ、図示のように分離パッド
150が給紙ローラ121およびアイドルローラ160
から離間することとなる。このように、分離パッド15
0を給紙ローラ121およびアイドルローラ160から
離間させるのは、前述したように用紙が滑り易いフィル
ム等である場合には、その先端P2aが前記当接部Tを
通過してしまっているということも有り得、このような
場合に、分離パッド150と給紙ローラ121およびア
イドルローラ160とを離間させることなく、用紙P2
を用紙戻しレバー180で押し戻そうとしても、円滑に
押し戻すことはできないからである。
【0181】なお、アイドルローラ160の下動は、ア
イドルローラホルダ161のカムフォロア166が、カ
ム123に当接していることによって規制される。
【0182】この時点(図20に示す時点)で、ホッパ
130は、そのカムフォロア134がホッパカム135
と当接していることにより、押し下げられた状態となっ
ており、ホッパ保持機構の保持レバー210は、その先
端212がホッパカム135から外れて時計方向に回動
し、その突起213がホッパ130の凹部138に入り
込んだ状態となる。
【0183】(i−2)さらに給紙ローラ軸110が逆
転し続けることにより、図21に示すように、用紙戻し
レバー180がさらに時計方向に回動し、その後縁18
5で用紙P2を押し戻す。用紙戻しレバー180の突起
カム184は離間レバー190の突片193と当接して
これを押し下げたままであり、したがって、分離パッド
150は給紙ローラ121およびアイドルローラ160
から離間したままである。
【0184】なお、ホッパ130は、そのカムフォロア
134がホッパカム135と当接していることにより、
押し下げられた状態のままであり、保持レバー210の
突起213もホッパ130の凹部138に入り込んだ状
態のままである。
【0185】(i−3)さらに給紙ローラ軸110が逆
転し続けることにより、図22に示すように、用紙戻し
レバー180がさらに時計方向に回動し、その後縁18
5で用紙P2を完全に押し戻す。すなわち、用紙戻しレ
バー180は、用紙P2の先端P2aが支持面152の
後方に達するように用紙P2を押し戻す。これによっ
て、用紙P2は、その自重により、また、シート200
が用紙P(すなわち用紙P2)をホッパ130の用紙支
持面130aに向けて付勢していることによって、ホッ
パ130上に完全に戻される(落とし込まれる)ことと
なる。
【0186】この時点で、ホッパカム135はホッパ1
30のカムフォロア134から外れているので、ホッパ
130は上動しようとするが、保持レバー210の突起
213がホッパ130の凹部138に入り込んでいるた
め、ホッパ130は上動せず、下動した状態(図22に
示す状態)のままである。したがって、上記用紙の落と
し込みは確実になされる。なお、このようなホッパ13
0の保持動作は、ホッパカム135の形状を変える、す
なわち、給紙ローラ軸110が図22に示すように逆転
しても、依然としてカムフォロア134と当接するよう
な形状(仮想線135’で示す形状)とすることによっ
ても可能ではある。しかしながら、このような形状とす
ると、前述した給紙動作時に、ホッパ130が早く押し
下げられてしまい(図17に示した状態に達する前に下
動してしまい)、ホッパ130の押し上げ力による用紙
と給紙ローラ121との当接期間が不十分になって給紙
動作自体が確実には行なわれなくなってしまうおそれが
あるので、あまり望ましくはない。
【0187】用紙戻しレバー180が完全に時計方向に
回動することにより、その突起カム184は離間レバー
190の突片193から外れた状態となる。したがっ
て、分離パッド150は上動し得る状態となるが、この
時点では給紙ローラ121と当接することによってその
上動は規制されている。
【0188】なお、この給紙装置では、上述したよう
に、用紙P2をホッパ130上に完全に戻すようにした
が、少なくとも次位の用紙P2の先端P2aがアイドル
ローラ160と分離パッド150との当接部Tよりも後
方に位置するように押し戻せば、前述した累積的な進入
は防止される。
【0189】以上のような用紙戻し動作がなされた後、
給紙ローラ軸110が正転し、前述した待機状態を経て
(ii)以降の給紙動作がなされる。なお、用紙戻し動
作がなされた後、給紙ローラ軸110が正転すると、用
紙戻しレバー180は、ねじりバネ182の付勢力によ
り、また、ブッシュ122の円板124の角部124c
で押されることにより反時計方向に回動することとなる
が、この際、用紙戻しレバー180の突起カム184
は、離間レバー190の突片193の下面と当接してこ
れを押し上げて(離間レバー190を反時計方向に回動
させて)通過するだけである。
【0190】以上のような給紙装置によれば、次のよう
な作用効果が得られる。
【0191】(a)円弧部121aと直線部121bと
を有し、給紙動作時に正転する側面視略D形の給紙ロー
ラ121と、この給紙ローラ121の円弧部121aと
接触して給送されるべき用紙Pが複数枚積層され、給紙
ローラ121の正転時に給紙ローラ121に向けて用紙
Pを圧接させるホッパ130と、給紙ローラ121の円
弧部121aの回転軌道中に位置し、パッド付勢手段1
56により給紙ローラ121に向けて付勢されていて円
弧部121aとの間で用紙Pを挟圧することにより、給
紙ローラ121により送られるべき用紙P1を次位の用
紙P2から分離する分離パッド150とを備えているの
で、給紙動作時には、最上位の用紙P1のみが給送され
る。
【0192】(b)ホッパ130には、用紙Pが傾斜状
態で積層されるので、この給紙装置によれば、設置面積
が低減される。
【0193】ホッパ130には、用紙Pが傾斜状態で積
層されているため、最上位の用紙P1が給送される際、
次位の用紙P2も給紙ローラ121に向けて下降するこ
ととなるが、給紙ローラ121の円弧部121aと分離
パッド150とが圧接されているときには、この圧接部
によって次位の用紙P2の下降は阻害される(図15等
参照)。
【0194】給紙ローラ121は、円弧部121aと直
線部121bとを有する側面視略D形であるから、給紙
ローラ121が1回転する過程で円弧部121aと分離
パッド150との圧接が解除され、直線部121bが分
離パッド150と対向する状態になる、すなわち上記圧
接部がなくなると、次位の用紙P2が下降しようとする
が、このときはアイドルローラ160が分離パッド15
0と当接して、次位の用紙P2の下降を阻止するので、
次位の用紙P2の下降が防止される(図19参照)。
【0195】そして、給紙ローラ121により給送され
た最上位の用紙P1の後端が通過した後には、用紙戻し
レバー180が後方に回動することにより、次位の用紙
P2の先端P2aがアイドルローラ160と分離パッド
150との当接部Tよりも後方に位置するように次位の
用紙P2が後方に向けて押し戻されることとなるので、
給紙ローラ121がD形のローラであり、かつ用紙Pが
傾斜状態で積層されているにも拘らず、次位の用紙P2
が給紙ローラ121と分離パッド150との圧接部に徐
々に(累積的に)進入して、用紙の分離ができなくなる
という事態が生じなくなる。
【0196】(c)しかも、この給紙装置によれば、分
離パッド150が給紙ローラ121の円弧部121aと
の間で用紙を挟圧しないときに、給紙ローラ121に向
かう分離パッド150の移動を規制する、前記アイドル
ローラ160とは別のパッド規制手段としてのピン14
1を備えているので、パッド付勢手段156による付勢
力は、このパッド規制手段141によって受けられるこ
ととなる。
【0197】したがって、アイドルローラ160と分離
パッド150との当接力はローラ付勢手段165によっ
て得られることとなり、このローラ付勢手段165によ
る付勢力はパッド付勢手段156による付勢力よりも小
さいから、用紙の挟圧力は従来の装置に比べて小さくす
ることが可能である。
【0198】詳しく説明すると、図28に示した従来の
給紙装置では、前述したように、給紙動作時に給紙ロー
ラ40が1回転して図28に示した状態(円弧部40a
が分離パッド43を押圧しない状態)となると、可動ア
イドルローラ47のスプリング48の付勢力F2より
も、分離パッド43のスプリング44の付勢力F1の方
が大きく設定されているので、分離パッド43は、可動
アイドルローラ47をその軸47aが長溝41aの上端
に当接するまで押し上げた状態で停止した状態となる。
【0199】すなわち、従来の給紙装置では、用紙P1
は、その後部が分離パッド43のスプリング44の付勢
力F1によって分離パッド43と可動アイドルローラ4
7との間に挟圧された状態で、例えば図26に示した搬
送ローラ2,3により搬送されるようになっていた。
【0200】分離パッド43は、前述したように給紙ロ
ーラ40の円弧部40aとの間で用紙を挟圧することに
より、用紙が2枚以上送られようとした場合にこれを防
止するためのものであるから、その付勢力F1は比較的
大きく(少なくとも上述したように可動アイドルローラ
47の付勢力F2より大きく)設定する必要がある。
【0201】従来の給紙装置では、この比較的大きな付
勢力F1によって用紙P1の後部が挟圧される構造とな
っていたため、この挟圧部における負荷が大きかった。
しかも、可撓アイドルローラ47によって次位の用紙の
前述した累積的な進入を阻止しようとすれば、可動アイ
ドルローラ47の付勢力F2も大きくせざるを得なかっ
た。
【0202】これに対し、この実施の形態の給紙装置S
Fによれば、分離パッド150が給紙ローラ121の円
弧部121aとの間で用紙P1を挟圧しないときに、給
紙ローラ121に向かう分離パッド150の移動を規制
する、アイドルローラ160とは別のパッド規制手段1
41を備えているので、パッド付勢手段156による付
勢力は、このパッド規制手段141によって受けられる
こととなる。
【0203】したがって、アイドルローラ160と分離
パッド150との当接力はローラ付勢手段165によっ
て得られることとなり、このローラ付勢手段165によ
る付勢力はパッド付勢手段156による付勢力よりも小
さい、すなわち、次位の用紙P2が用紙戻しレバー18
0の回動によって押し戻すことができなくなる位置にま
で達しないように次位の用紙P2の移動を阻止し得る程
度の比較的小さな付勢力とすることができるから、この
アイドルローラ160と分離パッド150とによる用紙
の挟圧力は従来の装置に比べて小さくすることが可能で
あり、結果として、最上位の用紙P1を給送した後にこ
の用紙P1に作用する負荷を小さくすることができる。
【0204】以上説明したように、この給紙装置SFに
よれば、傾斜状態で積層保持された用紙Pを、分離パッ
ド方式を用いて負荷(バックテンション)を増大させる
ことなく確実に一枚づつ給送することができる。
【0205】(d) この給紙装置SFによれば、用紙
戻しレバー180が後方に回動して次位の用紙P2を後
方に向けて押し戻す際、分離パッド150をアイドルロ
ーラ160から離間させる離間機構を備えているので、
次位の用紙P2を円滑に押し戻すことができる。
【0206】(e) ホッパ130は、用紙戻しレバー
180が後方に回動する際に、ホッパ130に積層され
ている用紙Pを給紙ローラ121から離間させるホッパ
であるとともに、このホッパ130の、用紙給送方向前
方には、このホッパ130に積層された用紙の先端を支
持する支持面152が設けられており、用紙戻しレバー
180は、次位の用紙P2の先端P2aが支持面152
の後方に達するように次位の用紙P2を押し戻す構成と
なっているので、押し戻された次位の用紙P2の先端P
2aは、支持面152で支持されることとなる。
【0207】したがって、次位の用紙P2の前述した累
積的な進入が確実に防止される。
【0208】(f) ホッパ130に積層されている用
紙Pを、ホッパ130の用紙支持面130aに向けて付
勢している付勢部材としてのシート200を備えている
ので、押し戻された次位の用紙P2が、付勢部材200
によってホッパ130上に落とし込まれることとなり、
押し戻された次位の用紙P2の先端が、確実に支持面1
52で支持されることとなる。
【0209】したがって、次位の用紙P2の前述した累
積的な進入が一層確実に防止される。
【0210】(g) 給紙ローラ121は、1回転する
前に一旦逆転し、この逆転によって用紙戻しレバー18
0が後方に回動する構成となっているので、給紙動作が
開始される前に何らかの理由で用紙が給紙ローラ121
と分離パッド150との間に入り込んでいたとしても、
これを確実に一旦戻すことができる。
【0211】したがって、何らかの理由で用紙が給紙ロ
ーラ121と分離パッド150との間に入り込んでいる
状態でそのまま給紙動作がなされたならば生じるであろ
う不具合(例えば用紙の頭出し不良)を未然に防止する
ことができる。
【0212】(h) 給送されるべき用紙P1の先端が
分離パッド150とアイドルローラ160との間を通過
する際にアイドルローラ160を分離パッド150から
離間させ(図16参照)、用紙P1の先端が分離パッド
150とアイドルローラ160との間を通過した後、給
紙ローラ121の円弧部121aと分離パッド150と
の用紙を介した当接が解除される前にアイドルローラ1
60を分離パッド150に当接させる(図18参照)ア
イドルローラ退避機構を備えているので、次のような作
用効果が得られる。
【0213】すなわち、給紙動作時に給紙ローラ121
が回転して最上位の用紙P1が送られ、この用紙P1の
先端が給紙ローラ121の円弧部121aと分離パッド
150との当接部を通過しようとする際、アイドルロー
ラ160が分離パッド150に向けて付勢されて分離パ
ッド150に当接していると、このアイドルローラ16
0が通過しようとする用紙P1に対して抵抗となる。
【0214】これに対し、実施の形態の給紙装置によれ
ば、給送されるべき用紙P1の先端P1aが分離パッド
150とアイドルローラ160との間を通過する際にア
イドルローラ160を分離パッド150から離間させる
退避機構が設けられているので、通過しようとする用紙
に対してアイドルローラ160が抵抗になるということ
がない。
【0215】また、退避機構は、用紙P1の先端が分離
パッド150とアイドルローラ160との間を通過した
後、給紙ローラ121の円弧部121aと分離パッド1
50との用紙を介した当接が解除される前にアイドルロ
ーラ160を分離パッド150に当接させるから、給紙
ローラ121の円弧部121aと分離パッド150との
用紙を介した当接が解除された後に、最上位の用紙P1
とともに次位の用紙P2が送られてしまうということも
ない。
【0216】(i) アイドルローラ退避機構が、給紙
ローラの軸110に設けられ、この軸110とともに回
転するカム123によって作動する構成となっているの
で、構造の簡素化を図ることができる。例えば、ソレノ
イド等によって作動させるような構成にした場合に比べ
て簡単な構造とすることができる。
【0217】以上、本件出願人が先に出願した特願平8
−298043号の給紙装置について説明したが、本発
明の実施の形態は、これを改良したものであるので、そ
の改良点について説明する。
【0218】図23は、この実施の形態の要部を示す側
面図、図24は主としてアイドルローラホルダを示す図
で、(a)はアイドルローラを取り付けた状態の正面
図、(b)は同じく側面図、(c)はアイドルローラホ
ルダのみの正面図、(d)は同じく側面図ある。これら
の図において、前述したものと同様の部分あるいは相当
する部分には同じ符号を付してある。
【0219】この実施の形態の第1の主な特徴は、図2
3に示すように、分離パッド150の給紙ローラ121
との対向面150aが給紙ローラ121に対して凹状に
湾曲している点にある。
【0220】また第2の主な特徴は、給紙ローラ121
により最上位の用紙P1が給送された際の用紙戻しレバ
ー180の位置(仮想線180で示す位置)と分離パッ
ド150とアイドルローラ160との当接位置Tとの間
にあって、分離パッド150との間に用紙の通路Rを形
成するとともに、この通路Rを通過しようとする用紙P
2(図25(b)参照)の先端部分P2bが給紙ローラ
側へ湾曲している場合にその先端部分P2bと当接する
ガイド167を備えている点にある。
【0221】分離パッド150は図7に示したように柔
軟性を有する薄板状のものであるが、この実施の形態で
は、図23および図25に示すように、分離パッドホル
ダ151’におけるパッド支持部153’の上面153
aを凹状に湾曲させることによって、この上面153a
に貼付される分離パッド150を湾曲させ、その給紙ロ
ーラ121との対向面150aを給紙ローラ121に対
して凹状に湾曲させている。
【0222】パッド支持部153’の上面153aは、
分離パッド150とアイドルローラ160との当接部T
よりも用紙の給送方向下流側(図で左側)においてのみ
湾曲しており、上流側(図で右側)では凹状に湾曲して
はいない。したがって、分離パッド150の給紙ローラ
との対向面150aも、上記当接部Tよりも用紙の給送
方向下流側においてのみ凹状に湾曲している。
【0223】ガイド167は、図24に示すように、ア
イドルローラ160を支持するアイドルローラホルダ1
61に対して一体的に設けられている。
【0224】このガイド167は、分離パッド150と
アイドルローラ160との間を通過した用紙の両側部分
上面を案内するものであり、その分離パッドとの対向面
167aは、分離パッド150の給紙ローラ121との
対向面150aと略平行となるように湾曲している。な
お、分離パッド150の給紙ローラとの対向面150a
と、ガイド167の分離パッドとの対向面167aとの
間隔は、用紙の給送方向下流側(図で左側)に向かうに
したがって狭くなるように構成しても良い。
【0225】このような実施の形態によれば、前述した
(a)〜(i)の作用効果に加えて、さらに次のような
作用効果が得られる。
【0226】(j)図23は、給紙動作がなされて最上
位の用紙P1が給送され、この用紙P1がさらに後段の
搬送ローラ2,3によって搬送される様子を示してい
る。
【0227】このように、給送された最上位の用紙P1
が、後段の搬送ローラ2,3によって搬送される際に
は、前述したように、最上位の用紙P1に対して次位の
用紙P2が静電気の作用で吸着していることにより、あ
るいは用紙間に摩擦力が作用することによって、次位の
用紙P2が最上位の用紙P1とともに送られようとする
ことがあり、この傾向は用紙が傾斜状態となっていると
助長される。
【0228】この次位の用紙P2の移動は、アイドルロ
ーラ160が分離パッド150に圧接されていることに
よって規制されるが、この圧接力(この実施の形態の場
合ローラバネ165による付勢力)を大きくすると、搬
送ローラ2,3によって搬送される用紙P1に対するバ
ックテンションが増大するので望ましくないことは前述
した通りである。
【0229】したがって、アイドルローラ160と分離
パッド150との圧接力は、小さくすることが望ましい
のであるが、これを小さくすると次位の用紙P2が上記
圧接部Tを通過しやすくなる。そして、最上位の用紙P
1の後端P1bが用紙戻しレバー180の先端180a
を通過した後に、用紙戻しレバー180が後方に回動す
る際、仮に、次位の用紙P2の先端P2aが用紙戻しレ
バーの先端180aを通過しているとすると、次位の用
紙P2は用紙戻しレバー180によって押し戻されなく
なってしまう。
【0230】これに対し、この実施の形態の給紙装置に
よれば、図25(a)に示すように、分離パッド150
の給紙ローラとの対向面150aが給紙ローラに対して
凹状に湾曲しているので、次位の用紙P2がアイドルロ
ーラ160と分離パッド150との圧接部Tを通過した
としても、その先端P2aが分離パッド150の湾曲面
(150a)に当接しやすくなる。
【0231】したがって、分離パッド150とアイドル
ローラ160との圧接力をそれほど大きくしなくても、
次位の用紙P2が最上位の用紙P1とともに移動してし
まうという事態が生じ難くなり、結果として、用紙戻し
レバー180が後方に回動する際に、次位の用紙P2の
先端P2aが用紙戻しレバー180の先端180aを通
過してしまっているという事態が生じ難くなる。
【0232】すなわち、この実施の形態の給紙装置によ
れば、バックテンションを増大させることなく(前述し
た基本構成の給紙装置におけるバックテンションより
も、それを小さくすることが可能であるにもかかわら
ず)、次位の用紙P2の先端P2aが用紙戻しレバーの
先端180aを通過し難くすることができ、結果とし
て、積層保持された用紙Pを、分離パッド方式を用いて
負荷(バックテンション)を増大させることなく確実に
一枚づつ給送することができることとなる。
【0233】(k)分離パッド150の給紙ローラとの
対向面150aが、分離パッド150とアイドルローラ
160との当接部Tよりも用紙の給送方向下流側におい
て湾曲しているので、次のような作用効果が得られる。
【0234】すなわち、分離パッド150の給紙ローラ
との対向面150aは給送方向上流側においては凹状に
湾曲していないので、結果として、上流側における分離
パッド150と給紙ローラ121との間隔C(図23参
照)が確保され、給紙動作時に用紙Pが分離パッド15
0と給紙ローラ121との間に導入され易くなる一方、
下流側においては、図25(a)に示すように、用紙
(特に次位の用紙P2)はアイドルローラ160によっ
て分離パッド150側に押圧された状態となるので、次
位の用紙P2の先端P2aが分離パッド150の湾曲面
(150a)に対してより一層当接し易くなる。
【0235】したがって、この実施の形態の給紙装置に
よれば、円滑な給送状態が得られるとともに、次位の用
紙P2の先端P2aが用紙戻しレバー180の先端18
0aを通過してしまうという事態が一層生じ難くなる。
【0236】(l)前述したように、用紙戻しレバー1
80が後方に回動する際、仮に、次位の用紙P2の先端
P2aが用紙戻しレバー180の先端180aを通過し
ているとすると、次位の用紙P2は用紙戻しレバー18
0によって押し戻されなくなるが、このような事態は、
次位の用紙の先端部分が分離パッド150から離れる方
向すなわち給紙ローラ側に湾曲している場合に生じ易
い。次位の用紙の先端部分が給紙ローラ側に湾曲してい
ると、分離パッド150とアイドルローラ160との当
接位置Tを通過した用紙の先端部分が分離パッド150
と当接しないかあるいは当接してもその当接力が小さく
なり、したがって、分離パッドによる抵抗を受けないか
あるいはその抵抗が小さくなるからである。
【0237】これに対し、この実施の形態の給紙装置に
よれば、給紙ローラ121により最上位の用紙P1が給
送された際の用紙戻しレバー180の位置(図23参
照)と分離パッドとアイドルローラとの当接位置Tとの
間にあって、分離パッド150との間に用紙の通路Rを
形成するとともに、この通路Rを通過しようとする用紙
の先端部分が給紙ローラ121側へ湾曲している場合に
その先端部分と当接するガイド167を備えているの
で、図25(b)に示すように、分離パッド150とア
イドルローラ160との当接位置Tを通過した次位の用
紙P2の先端部分P2bが、給紙ローラ側に湾曲してい
る場合には、その先端部分P2b(特にその先端P2
a)がガイド167に当接することにより、用紙先端部
分(湾曲部分)P2b自身の弾性力によって分離パッド
150に押し付けられる状態となり、結果として、分離
パッド150による抵抗を受けることとなる。
【0238】したがって、分離パッド150とアイドル
ローラ160との圧接力をそれほど大きくしなくても、
先端部分が給紙ローラ側へ湾曲した次位の用紙P2が最
上位の用紙P1とともに移動してしまうという事態が生
じ難くなり、結果として、用紙戻しレバー180が後方
に回動する際に、次位の用紙P2の先端P2aが用紙戻
しレバー180の先端180aを通過してしまっている
という事態が生じ難くなる。
【0239】すなわち、この実施の形態の給紙装置によ
れば、バックテンションを増大させることなく、次位の
用紙P2の先端P2aが用紙戻しレバー180の先端1
80aを通過し難くすることができ、結果として、積層
保持された用紙を、分離パッド方式を用いて負荷(バッ
クテンション)を増大させることなく確実に一枚づつ給
送することができることとなる。
【0240】(m)分離パッド150の給紙ローラとの
対向面150aと、ガイド167の分離パッドとの対向
面167aとが略平行に形成されているので、図25
(b)に示すように、先端部分が給紙ローラ側へ湾曲し
た次位の用紙P2のその先端部分P2bが、より確実に
ガイド167に当接し、分離パッド150による抵抗を
確実に受けることとなる。なお、この作用は、分離パッ
ド150の給紙ローラとの対向面150aと、ガイド1
67の分離パッドとの対向面167aとの間隔を用紙の
給送方向下流側に向かうにしたがって狭くなるように形
成した場合には、さらに確実に得られる。
【0241】したがって、分離パッド150とアイドル
ローラ160との圧接力をそれほど大きくしなくても、
先端部分が給紙ローラ側へ湾曲した次位の用紙P2が最
上位の用紙P1とともに移動してしまう事態がより一層
生じ難くなり、結果として、用紙戻しレバー180が後
方に回動する際に、次位の用紙の先端P2aが用紙戻し
レバー180の先端180aを通過してしまっていると
いう事態がより一層生じ難くなる。
【0242】(n)ガイド167は、アイドルローラ1
60を支持するアイドルローラホルダ161に対して一
体的に設けられているので、このガイド167を支持す
る支持部材を別途設ける必要がなくなり、構造の簡素化
が図られる。
【0243】しかも、アイドルローラ160は分離パッ
ド150と当接する部材であり、このアイドルローラ1
60を支持するアイドルローラホルダ161に対してガ
イド167が一体的に設けられている結果として、ガイ
ド167と分離パッド150との間隔(すなわち用紙の
通路R)が適正に形成されることとなるので、上述した
(l),(m)の作用効果がより確実に得られることと
なる。
【0244】以上、本発明の一実施の形態について説明
したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるもので
はなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可
能である。
【0245】
【発明の効果】請求項1〜14記載のいずれの給紙装置
によっても、バックテンションを増大させることなく、
次位の用紙の先端が用紙戻しレバーの先端を通過し難く
することができ、結果として、積層保持された用紙を、
分離パッド方式を用いて負荷(バックテンション)を増
大させることなく確実に一枚づつ給送することができ
る。
【0246】さらに、請求項2記載の給紙装置によれ
ば、より円滑な給送状態が得られるとともに、次位の用
紙の先端が用紙戻しレバーの先端を通過してしまうとい
う事態が一層生じ難くなる。
【0247】請求項4記載の給紙装置によれば、用紙戻
しレバーが後方に回動する際に、次位の用紙の先端が用
紙戻しレバーの先端を通過してしまっているという事態
がより一層生じ難くなる。
【0248】請求項5記載の給紙装置によれば、より円
滑な給送状態が得られるとともに、次位の用紙の先端が
用紙戻しレバーの先端を通過してしまうという事態がよ
り確実に生じ難くなる。
【0249】請求項6記載の給紙装置によれば、ガイド
を支持する支持部材を別途設ける必要がなくなり、構造
の簡素化を図ることができる。
【0250】しかも、上述した請求項3,4,または5
記載の給紙装置による効果がより確実に得られることと
なる。
【0251】請求項7記載の給紙装置によれば、設置面
積が低減される。
【0252】請求項8記載の給紙装置によれば、給送さ
れた最上位の用紙の後部に作用する付加(バックテンシ
ョン)をより一層小さくすることができる。
【0253】請求項9記載の給紙装置によれば、次位の
用紙を円滑に押し戻すことができる。
【0254】請求項10記載の給紙装置によれば、次位
の用紙の累積的な進入がより一層確実に防止される。
【0255】請求項11記載の給紙装置によれば、次位
の用紙の累積的な進入がより一層確実に防止される。
【0256】請求項12記載の給紙装置によれば、何ら
かの理由で用紙が給紙ローラと分離パッドとの間に入り
込んでいる状態でそのまま給紙動作がなされたならば生
じるであろう不具合(例えば用紙の頭出し不良)を未然
に防止することができる。
【0257】請求項13記載の給紙装置によれば、通過
しようとする用紙に対してアイドルローラが抵抗になる
ということがなくなる。
【0258】請求項14記載の給紙装置によれば、構造
の簡素化を図ることができる。
【0259】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給紙装置の一実施の形態の基本構
成を示す斜視図。
【図2】同上給紙装置のプリンタへの取付例を示す図
で、一部を透視した部分省略側面図。
【図3】同上給紙装置の主として給紙ローラユニットを
示す一部切断側面図。
【図4】図3におけるIV−IV断面図。
【図5】同上給紙装置の主として給紙ローラおよびホッ
パ等を示す断面図。
【図6】図5の部分省略平面図。
【図7】同上給紙装置の分離パッド150および分離パ
ッドホルダ151の斜視図。
【図8】同上給紙装置の分離パッドホルダ151および
サブフレーム140の斜視図。
【図9】同上給紙装置の主としてアイドルローラホルダ
161およびサブフレーム140を示す斜視図。
【図10】同上給紙装置の主として用紙戻しレバー18
0およびサブフレーム140を示す斜視図。
【図11】同上給紙装置のブッシュ122の円板124
を示す側面図。
【図12】(a)(b)は同上給紙装置の離間レバー1
90の取付状態を示す斜視図。
【図13】同上給紙装置の保持レバー210の側面図。
【図14】同上給紙装置の作動説明図。
【図15】同上給紙装置の作動説明図。
【図16】同上給紙装置の作動説明図。
【図17】同上給紙装置の作動説明図。
【図18】同上給紙装置の作動説明図。
【図19】同上給紙装置の作動説明図。
【図20】同上給紙装置の作動説明図。
【図21】同上給紙装置の作動説明図。
【図22】同上給紙装置の作動説明図。
【図23】本発明に係る給紙装置の一実施の形態の要部
を示す側面図。
【図24】同上給紙装置の主としてアイドルローラホル
ダを示す図で、(a)はアイドルローラを取り付けた状
態の正面図、(b)は同じく側面図、(c)はアイドル
ローラホルダのみの正面図、(d)は同じく側面図。
【図25】(a)(b)は同上給紙装置の作動説明図。
【図26】従来技術の説明図。
【図27】(a)から(e)は従来技術の説明図。
【図28】従来技術の説明図。
【符号の説明】
P 用紙 P1 最上位の用紙 P2 次位の用紙 R 通路 121 給紙ローラ 121a 円弧部 121b 直線部 123 カム 130 ホッパ 140 サブフレーム 141 ピン 150 分離パッド 150a 給紙ローラとの対向面 152 支持面 156 パッドバネ 160 アイドルローラ 161 アイドルローラホルダ 165 ローラバネ 166 カムフォロア 167 ガイド 167a 分離パッドとの対向面 180 用紙戻しレバー 190 離間レバー 200 シート

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円弧部と直線部とを有し、給紙動作時に
    正転する側面視略D形の給紙ローラと、 この給紙ローラの前記円弧部と接触して給送されるべき
    用紙が複数枚積層され、給紙ローラの正転時に給紙ロー
    ラに向けて用紙を圧接させるホッパと、 少なくとも前記給紙ローラの正転時にその円弧部との間
    で用紙を挟圧することにより、給紙ローラにより送られ
    るべき前記用紙を次位の用紙から分離する分離パッド
    と、 少なくとも分離パッドが給紙ローラの円弧部との間で用
    紙を挟圧しないときに分離パッドと当接して、次位の用
    紙の移動を規制するアイドルローラと、 前記給紙ローラにより給送された最上位の用紙の後端が
    通過した後、後方に回動して次位の用紙の先端が前記ア
    イドルローラと前記分離パッドとの当接部よりも後方に
    位置するように次位の用紙を後方に向けて押し戻す用紙
    戻しレバーと、を備え、 前記分離パッドの給紙ローラとの対向面が給紙ローラに
    対して凹状に湾曲していることを特徴とする給紙装置。
  2. 【請求項2】 前記分離パッドの給紙ローラとの対向面
    は、分離パッドと前記アイドルローラとの当接部よりも
    用紙の給送方向下流側において湾曲していることを特徴
    とする請求項1記載の給紙装置。
  3. 【請求項3】 円弧部と直線部とを有し、給紙動作時に
    正転する側面視略D形の給紙ローラと、 この給紙ローラの前記円弧部と接触して給送されるべき
    用紙が複数枚積層され、給紙ローラの正転時に給紙ロー
    ラに向けて用紙を圧接させるホッパと、 少なくとも前記給紙ローラの正転時にその円弧部との間
    で用紙を挟圧することにより、給紙ローラにより送られ
    るべき前記用紙を次位の用紙から分離する分離パッド
    と、 少なくとも分離パッドが給紙ローラの円弧部との間で用
    紙を挟圧しないときに分離パッドと当接して、次位の用
    紙の移動を規制するアイドルローラと、 前記給紙ローラにより給送された最上位の用紙の後端が
    通過した後、後方に回動して次位の用紙の先端が前記ア
    イドルローラと前記分離パッドとの当接部よりも後方に
    位置するように次位の用紙を後方に向けて押し戻す用紙
    戻しレバーと、 前記給紙ローラにより最上位の用紙が給送された際の用
    紙戻しレバーの位置と前記分離パッドとアイドルローラ
    との当接位置との間にあって、分離パッドとの間に用紙
    の通路を形成するとともに、この通路を通過しようとす
    る用紙の先端部分が前記給紙ローラ側へ湾曲している場
    合にその先端部分と当接するガイドと、を備えているこ
    とを特徴とする給紙装置。
  4. 【請求項4】 前記分離パッドの給紙ローラとの対向面
    と、前記ガイドの分離パッドとの対向面とが略平行、ま
    たは前記両対向面の間隔が用紙の給送方向下流側に向か
    うにしたがって狭く形成されていることを特徴とする請
    求項3記載の給紙装置。
  5. 【請求項5】 前記分離パッドの給紙ローラとの対向面
    は、分離パッドと前記アイドルローラとの当接部よりも
    用紙の給送方向下流側において給紙ローラに対して凹状
    に湾曲していることを特徴とする請求項3または4記載
    の給紙装置。
  6. 【請求項6】 前記ガイドは、前記アイドルローラを支
    持するアイドルローラホルダに対して一体的に設けられ
    ていることを特徴とする請求項3,4,または5記載の
    給紙装置。
  7. 【請求項7】 前記給紙ローラにより給送されるべき用
    紙は、傾斜状態で積層されることを特徴とする請求項1
    〜6のうちいずれか1つに記載の給紙装置。
  8. 【請求項8】 前記給紙ローラと分離パッドとの挟圧力
    に比べて、前記分離パッドとアイドルローラとの当接力
    の方が小さく設定されていることを特徴とする請求項1
    〜7のうちいずれか1つに記載の給紙装置。
  9. 【請求項9】 前記用紙戻しレバーが後方に回動して次
    位の用紙を後方に向けて押し戻す際、前記分離パッドを
    前記アイドルローラから離間させる離間機構を備えてい
    ることを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1つに
    記載の給紙装置。
  10. 【請求項10】 前記ホッパは、前記用紙戻しレバーが
    後方に回動する際に、ホッパに積層されている用紙を前
    記給紙ローラから離間させるホッパであるとともに、こ
    のホッパの、用紙給送方向前方には、このホッパに積層
    された用紙の先端を支持する支持面が設けられており、
    前記用紙戻しレバーは、次位の用紙の先端が前記支持面
    後方に達するように次位の用紙を押し戻すことを特徴と
    する請求項1〜9のうちいずれか1つに記載の給紙装
    置。
  11. 【請求項11】 前記ホッパに積層されている用紙を、
    ホッパの用紙支持面に向けて付勢している付勢部材を備
    えていることを特徴とする請求項1〜10のうちいずれ
    か1つに記載の給紙装置。
  12. 【請求項12】 前記給紙ローラは、給紙動作時に1回
    転正転するローラであり、その1回転の前に一旦逆転
    し、この逆転によって前記用紙戻しレバーが後方に回動
    することを特徴とする請求項1〜11のうちいずれか1
    つに記載の給紙装置。
  13. 【請求項13】 前記給送されるべき用紙の先端が分離
    パッドとアイドルローラとの間を通過する際にアイドル
    ローラを分離パッドから離間させ、前記用紙の先端が分
    離パッドとアイドルローラとの間を通過した後、前記給
    紙ローラの円弧部と分離パッドとの用紙を介した当接が
    解除される前にアイドルローラを分離パッドに当接させ
    るアイドルローラ退避機構を備えたことを特徴とする請
    求項1〜12のうちいずれか1つに記載の給紙装置。
  14. 【請求項14】 前記アイドルローラ退避機構は、前記
    給紙ローラの軸に設けられ、この軸とともに回転するカ
    ムによって作動することを特徴とする請求項13記載の
    給紙装置。
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