JPH11351134A - 可変容量型斜板式油圧ポンプ - Google Patents

可変容量型斜板式油圧ポンプ

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JPH11351134A
JPH11351134A JP10181615A JP18161598A JPH11351134A JP H11351134 A JPH11351134 A JP H11351134A JP 10181615 A JP10181615 A JP 10181615A JP 18161598 A JP18161598 A JP 18161598A JP H11351134 A JPH11351134 A JP H11351134A
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JP
Japan
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swash plate
cam
feedback
pressure
regulator
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Application number
JP10181615A
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English (en)
Inventor
Haruo Kokubu
晴雄 国分
Shigetaka Nakamura
重孝 中村
Yukihiro Motosawa
幸裕 本澤
Tetsuya Sakairi
哲也 坂入
Haruki So
東輝 曹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンプ吐出圧と吐出量の関係を曲線状の特性
として原動機の限られた馬力特性を有効に活用し、省エ
ネルギ化を図るようにする。 【解決手段】 フィードバック機構48のリンク部材5
0には、フィードバックピン52の先端側に球形部53
を一体形成し、斜板10の側面には球形部53に摺接す
るカム板54を設ける。ポンプ吐出圧Pに応じてレギュ
レータ42からの傾転制御圧で傾転アクチュエータを作
動させることにより、斜板10を傾転駆動して傾転角を
変化させる。そして、斜板10の傾転動作をカム板54
のカム面からフィードバックピン52の球形部53を通
じてリンク部材50に伝え、リンク部材50を支持ピン
49を中心として矢示E,F方向に回動変位させると共
に、このときの回動変位量をカム板54のカム形状に応
じて変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に搭載された油圧機器の油圧源として好
適に用いられる可変容量型斜板式油圧ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の建設機械に
は、タンクと共に油圧源を構成する油圧ポンプが設けら
れ、該油圧ポンプはディーゼルエンジン等の原動機で回
転駆動されることにより、作業用油圧シリンダ、走行用
油圧モータ等の各油圧アクチュエータに向けて圧油を給
排する構成となっている。
【0003】そこで、この種の従来技術による油圧ポン
プとして可変容量型斜板式油圧ポンプを、図7ないし図
10を参照して説明する。
【0004】図において、1は筒状のケーシングで、該
ケーシング1は、有底筒状のケーシング本体1Aと、該
ケーシング本体1Aの開口端側(前側)を閉塞したフロ
ントケーシング1Bとから構成されている。そして、ケ
ーシング本体1Aの底部側には、後述するタンク32内
の作動油を吸込むための吸入通路1Cと、後述の圧油を
外部に吐出させるための吐出通路1Dとが設けられてい
る。
【0005】そして、吐出通路1Dは吐出配管、方向制
御弁等を介して油圧シリンダ、油圧モータ等の各種油圧
アクチュエータ(いずれも図示せず)に接続され、ポン
プ吐出圧Pの圧油をこれらの油圧アクチュエータに供給
するものである。また、ケーシング本体1Aの外周側に
は、後述するレギュレータ17の弁ハウジング18内と
連通する開口部1Eが形成され、該開口部1E内には後
述のリンク部材26が回動可能に取付けられている。
【0006】2はケーシング1内に回転可能に設けられ
た回転軸、3はケーシング本体1A内に位置して該回転
軸2と共に回転するシリンダブロックで、該シリンダブ
ロック3にはその軸方向に複数のシリンダ4が穿設され
ている。そして、該各シリンダ4内にはそれぞれピスト
ン5が摺動可能に設けられ、該各ピストン5にはシュー
6が揺動可能に取付けられている。
【0007】7は各シュー6を保持した環状のシュー押
えで、該シュー押え7は後述する斜板10の摺動面10
Aに向けて各シュー6を押圧し、斜板10の摺動面10
A上で各シュー6が環状軌跡を描くように摺動変位する
のを補償するものである。
【0008】8はケーシング本体1Aの底部とシリンダ
ブロック3との間に設けられた弁板で、該弁板8はシリ
ンダブロック3の端面に摺接し、シリンダブロック3が
回転軸2と一体に回転するのを補償している。また、弁
板8には眉形状をなす一対の給排ポート(図示せず)が
形成され、これらの給排ポートのうち一方のポートは吸
入通路1Cと常時連通し、他方のポートは吐出通路1D
に常時連通している。
【0009】そして、弁板8の各給排ポートは、シリン
ダブロック3の回転時に各シリンダ4と間欠的に連通
し、吸入通路1C側から各シリンダ4内に吸込ませた作
動油をピストン5により加圧させると共に、各シリンダ
4内で高圧状態となった圧油(ポンプ吐出圧P)を吐出
通路1Dから外部へと図7中の矢示方向に吐出させる機
能を有している。
【0010】9は回転軸2の周囲に位置してフロントケ
ーシング1Bに設けられた斜板支持体で、該斜板支持体
9は斜板10の裏面側に位置し、斜板10を傾転可能に
支持するための傾転支持部9Aを有している。そして、
該傾転支持部9Aは図8に示すように凹湾曲面形状をな
し、後述する斜板10の傾転案内面10Bが摺動可能に
嵌合される構成となっている。
【0011】10はケーシング1内に斜板支持体9を介
して傾転可能に設けられた斜板を示し、該斜板10は表
面側が各シュー6に対する摺動面10Aとなり、裏面側
は斜板支持体9の傾転支持部9Aに嵌合される凸湾曲状
の傾転案内面10Bとなっている。そして、斜板10は
図8に示す如く回転軸2、シリンダブロック3に対して
傾転角θ分だけ傾いた状態に配設され、油圧ポンプの容
量(圧油の吐出量Q)は傾転角θの大きさに応じて可変
に制御されるものである。
【0012】11A,11Bは斜板10を傾転駆動する
一対の傾転アクチュエータで、該傾転アクチュエータ1
1A,11Bは、図8に示すようにシリンダブロック3
の径方向外側に位置してケーシング本体1Aに形成され
たシリンダ穴12A,12Bと、該シリンダ穴12A,
12B内に摺動可能に挿嵌され、シリンダ穴12A,1
2Bとの間に液圧室13A,13Bを画成した傾転制御
ピストン14A,14Bと、液圧室13A,13B内に
配設され、該傾転制御ピストン14A,14Bを斜板1
0側に向けて常時付勢したスプリング15A,15Bと
から構成されている。
【0013】ここで、傾転アクチュエータ11Aは、シ
リンダブロック3の各シリンダ4内に挿嵌した各ピスト
ン5の下死点側と対応する位置に配設され、傾転アクチ
ュエータ11Bは、各ピストン5の上死点側と対応する
位置に配設されている。そして、傾転制御ピストン14
Aは傾転制御ピストン14Bよりも小径に形成され、シ
リンダ穴12A,12B内の液圧室13A,13Bに対
する受圧面積は、傾転制御ピストン14Bよりも傾転制
御ピストン14Aの方が小さくなっている。
【0014】16A,16Bは傾転アクチュエータ11
A,11Bに傾転制御圧を給排するための制御圧通路
で、該制御圧通路16A,16Bは図8に示すようにケ
ーシング本体1Aに形成され、傾転アクチュエータ11
A,11Bの液圧室13A,13Bをレギュレータ17
の給排ポート18A,18Bに接続している。また、制
御圧通路16Aは後述のパイロットポンプ31に管路3
3を介して接続され、小径となった傾転制御ピストン1
4Aにパイロットポンプ31からの圧力を常に作用させ
る構成となっている。
【0015】そして、傾転アクチュエータ11A,11
Bの傾転制御ピストン14A,14Bは、レギュレータ
17を介して制御圧通路16A,16Bから給排される
傾転制御圧に応じてシリンダ穴12A,12Bから斜板
10側に向けて進退される。これにより、斜板10は図
8中の矢示A,B方向に傾転駆動され、斜板10が矢示
A方向に傾転されるときには傾転角θが小さくなり、矢
示B方向に傾転されるときには傾転角θが大きくなるよ
うに制御されるものである。
【0016】17は傾転アクチュエータ11A,11B
に傾転制御圧を給排するためのレギュレータで、該レギ
ュレータ17は、ケーシング1の外側(図7中でケーシ
ング1の上側)に位置してケーシング本体1Aに設けら
れた弁ハウジング18と、後述の制御スリーブ19、ス
プール20、弁ばね21,22及び油圧パイロット部2
3等とからなり、図9に示すように油圧ポンプ用の容量
制御弁を構成するものである。
【0017】ここで、レギュレータ17の弁ハウジング
18には、図8に示すように傾転制御圧の給排ポート1
8A,18B及び排出ポート18C等がそれぞれ径方向
に穿設され、給排ポート18Aは制御圧通路16Aを介
して傾転アクチュエータ11Aの液圧室13Aに常時連
通している。また、給排ポート18Bは制御圧通路16
Bを介して液圧室13Bに常時連通し、排出ポート18
Cはケーシング1内を通じてタンク32に常時連通する
ものである。
【0018】19は弁ハウジング18内に摺動可能に挿
嵌された筒状の制御スリーブで、該制御スリーブ19は
一端側が後述のリンク部材26に出力ピン27を介して
連結され、リンク部材26の動きに追従して弁ハウジン
グ18内を軸方向に摺動変位する構成となっている。
【0019】20は制御スリーブ19内に摺動可能に挿
嵌されたスプールで、該スプール20は制御スリーブ1
9を介して弁ハウジング18内を軸方向に摺動変位する
ことにより、給排ポート18Bと給排ポート18A、排
出ポート18Cとの間を選択的に連通,遮断するもので
ある。
【0020】21,22はスプール20の一端側と弁ハ
ウジング18との間に配設された弁ばねを示し、該弁ば
ね21,22のうち、コイル径が大きい方の弁ばね21
は、スプール20を油圧パイロット部23側に向けて常
時一方向に付勢している。そして、コイル径の小さい方
の弁ばね22は、スプール20により弁ばね21が規定
寸法分だけ撓み変形されるまでは自由長状態を保ち、規
定寸法を越えたときには弁ばね21と共に撓み変形する
ことにより、スプール20を油圧パイロット部23側に
付勢する構成となっている。
【0021】23は弁ハウジング18の他端側に位置し
てスプール20との間に設けられた油圧パイロット部
で、該油圧パイロット部23は弁ばね21,22に抗し
てスプール20を軸方向に駆動するためのプランジャ2
3Aを有し、後述の分岐管路34を介してポンプ吐出圧
Pが導入される。そして、油圧パイロット部23のプラ
ンジャ23Aは、分岐管路34からのポンプ吐出圧Pを
パイロット圧として受圧することにより、このパイロッ
ト圧に応じてスプール20を弁ハウジング18内で軸方
向に摺動変位させるものである。
【0022】24は斜板10の傾転動作に追従させてレ
ギュレータ17をフィードバック制御するフィードバッ
ク機構で、該フィードバック機構24は、図7に示すよ
うにレギュレータ17の弁ハウジング18とケーシング
本体1Aとの間に支持ピン25を介して回動可能に取付
けられたリンク部材26と、後述の各連結突部30等と
から構成されている。そして、リンク部材26は後述の
フィードバックピン28及び球形部29と共にフィード
バックリンクを構成するものである。
【0023】ここで、リンク部材26は支持ピン25に
よりケーシング1の開口部1E内に揺動可能に配設さ
れ、支持ピン25の位置から弁ハウジング18内に向け
て延びる一端側がレギュレータ17の制御スリーブ19
に出力ピン27を介して回動可能に連結されている。ま
た、リンク部材26の他端側はケーシング本体1A内に
向けて突出し、その突出端側にはフィードバックピン2
8の基端側が一体に固着されている。そして、フィード
バックピン28は連結突部30側に向けて斜板10の側
面とほぼ平行に延び、その先端側は連結突部30に揺動
可能に連結される球形部29となっている。
【0024】30は斜板10の側面に固着された連結突
部で、該連結突部30は斜板10の側面からフィードバ
ックピン28の球形部29側に向けて突出し、その突出
端は略コ字形状の継手部30Aとなっている。そして、
連結突部30の継手部30Aにはフィードバックピン2
8の球形部29が揺動可能に連結され、これによって連
結突部30は、斜板10の傾転動作に追従してリンク部
材26を回動変位させる構成となっているている。
【0025】即ち、斜板10が図8中の矢示A,B方向
に傾転されるときには、斜板10の傾転動作に従ってフ
ィードバックピン28(球形部29)が連結突部30に
対し揺動変位することにより、リンク部材26が支持ピ
ン25を中心にして回動される。そして、支持ピン25
を中心としたリンク部材26の回動変位は、図8中に矢
示C,D方向で示す出力ピン27の並進動作として取出
され、これが出力ピン27を通じてレギュレータ17の
制御スリーブ19に伝えられることにより、レギュレー
タ17のフィードバック制御が行われるものである。
【0026】31は傾転制御圧を発生させるパイロット
ポンプで、該パイロットポンプ31は、図8に示すよう
にタンク32内から作動油を吸込みつつ、管路33内に
傾転制御用の圧油を吐出させるものである。この場合、
パイロットポンプ31から吐出される圧油の圧力は、低
圧リーフ弁(図示せず)等によりポンプ吐出圧Pよりも
十分に低い圧力に保たれるものである。
【0027】34はケーシング本体1Aの底部側に向け
られた分岐管路で、該分岐管路34は図7に示すように
吐出通路1Dの途中部位から分岐し、その先端側は図8
に示すようにレギュレータ17の油圧パイロット部23
に接続されている。そして、分岐管路34はポンプ吐出
圧Pを容量制御用のパイロット圧としてレギュレータ1
7の油圧パイロット部23に給排する構成となってい
る。
【0028】従来技術による可変容量型斜板式油圧ポン
プは、上述の如き構成を有するもので、次にその作動に
ついて述べる。
【0029】まず、原動機により回転軸2を回転駆動す
ると、シリンダブロック3が回転軸2と一体に回転する
ことより、各ピストン5がシリンダブロック3の各シリ
ンダ4内で往復動を繰返すようになる。この間、各シュ
ー6は斜板10の摺動面10A上を環状軌跡を描くよう
に滑動し、各シリンダ4内で各ピストン5が円滑に往復
動するのを補償する。
【0030】この場合、各ピストン5がシリンダ4内で
上死点側から下死点側へと後退(伸長)するときには、
タンク32内の作動油を吸入通路1C側からシリンダ4
内に吸入する吸入行程となる。また、ピストン5がシリ
ンダ4内で下死点側から上死点側に進入(縮小)すると
きには、該シリンダ4内の作動油を加圧し、高圧側とな
る吐出通路1Dから外部に向けて圧油(ポンプ吐出圧
P)を吐出させる吐出行程となる。
【0031】そして、このときのポンプ吐出圧Pは分岐
管路34を介してレギュレータ17の油圧パイロット部
23に容量制御用のパイロット圧として供給され、レギ
ュレータ17は図10に示す特性線35A,35Bに沿
って油圧ポンプによる圧油の吐出量Qを、ポンプ吐出圧
Pに応じて可変に制御する。
【0032】即ち、レギュレータ17は、図9に示すよ
うにポンプ吐出圧Pが一定の状態では中立位置(イ)に
保持される。そして、この状態でポンプ吐出圧Pが上昇
すると、レギュレータ17の油圧パイロット部23に作
用するパイロット圧が上昇することにより、スプール2
0は弁ばね21に抗して中立位置(イ)から切換位置
(ロ)に切換わる。
【0033】この結果、弁ハウジング18の給排ポート
18A,18B間が連通し、パイロットポンプ31から
の傾転制御圧が傾転アクチュエータ11A,11Bの液
圧室13A,13Bに共に供給され、傾転制御ピストン
14A,14Bは受圧面積差により図9中の矢示A方向
に駆動される。そして、油圧ポンプの斜板10は傾転制
御ピストン14Bにより傾転角θが小さくなる方向(小
傾転側)に駆動され、圧油の吐出量Qは小さくなる。
【0034】このとき、フィードバック機構24は、斜
板10の矢示A方向への傾転動作が連結突部30からフ
ィードバックピン28に球形部29を介して伝えられ、
リンク部材26が支持ピン25を中心として図8中の矢
示C方向に回動される。そして、リンク部材26の回動
変位は出力ピン27の矢示B方向に向けた変位となって
レギュレータ17の制御スリーブ19に伝達され、該制
御スリーブ19をスプール20と同方向に摺動変位させ
るように、レギュレータ17をフィードバック制御す
る。
【0035】そして、斜板10の傾転角θ(圧油の吐出
量Q)がポンプ吐出圧Pに対応した状態では、レギュレ
ータ17が図9に示す中立位置(イ)へと復帰するよう
になり、油圧ポンプによる圧油の吐出量Qはポンプ吐出
圧Pに対して、図10に示す特性線35A,35Bの関
係を満たすように制御されるものである。
【0036】この場合、図10中に仮想線で示す特性線
36は、原動機の一定馬力曲線であり、ポンプ吐出圧P
と吐出量Qの関係が、この特性線36よりも大きくなっ
たときには原動機に過負荷が作用するために、原動機は
エンジンストール(所謂エンスト)を起こす原因とな
る。
【0037】そこで、従来技術によるレギュレータ17
は、2本の弁ばね21,22を採用し、ポンプ吐出圧P
が圧力P1 以下の状態では、弁ばね21のみでスプール
20を付勢することにより、吐出量Qと吐出圧Pとの関
係を特性線35Aに沿って制御する。そして、ポンプ吐
出圧Pが圧力P1 を越えた高圧状態のときには、2本の
弁ばね21,22を用いてスプール20を付勢すること
により、吐出量Qと吐出圧Pとの関係を特性線35Bに
沿って制御するようにしている。
【0038】即ち、弁ばね21のみでスプール20を付
勢している状態では、ポンプ吐出圧Pの変化率に対して
スプール20の変位量は相対的に大きくなり、これによ
って、吐出量Qは特性線35Aに沿って比較的大きく変
化する。一方、2本の弁ばね21,22を用いてスプー
ル20を付勢している状態では、ポンプ吐出圧Pの変化
率に対してスプール20の変位量は相対的に小さくなる
ため、吐出量Qは吐出量Q1 以下の領域で、その変化率
が特性線35Bに沿って小さくなるように制御される。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、レギュレータ17に2本の弁ばね21,2
2を用いることにより、ポンプ吐出圧Pと吐出量Qの関
係を図10中の特性線35A,35Bに沿って変化させ
るように、ポンプ吐出圧Pが圧力P1 以下の段階と圧力
P1 を越えた段階とで、互いに異なる直線状の特性(特
性線35A,35B)をもって制御する構成としてい
る。
【0040】しかし、原動機の一定馬力曲線は、図10
中に仮想線で示す特性線36のように曲線状の特性を有
するものであり、ポンプ吐出圧Pと吐出量Qの関係を特
性線35A,35Bに沿って制御する限りは、例えばポ
ンプ吐出圧Pが圧力P1 の近傍となる領域等で、油圧ポ
ンプの吐出量Qを特性線36よりも低い吐出量Q1 のレ
ベルまで抑えることになり、原動機の限られた馬力特性
を必ずしも有効に活用することができないという問題が
ある。
【0041】また、従来技術では、レギュレータ17に
2本の弁ばね21,22を用いる構成としているため、
部品点数が増えて組立時の作業性が低下するばかりでな
く、弁ばね21,22のばね力等にバラツキが生じ易
く、ポンプ吐出圧Pと吐出量Qの関係を各製品毎に調整
して均一化するのが難しいという問題がある。
【0042】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はポンプ吐出圧と吐出量の関係を
曲線状の特性として原動機の限られた馬力特性を有効に
活用でき、省エネルギ化を図ることができると共に、組
立時の作業性を向上でき、生産性を高めることができる
ようにした可変容量型斜板式油圧ポンプを提供すること
を目的としている。
【0043】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、筒状のケーシングと、該ケーシング内に
回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と共に回転す
るように前記ケーシング内に設けられ、軸方向に複数の
シリンダが穿設されたシリンダブロックと、該シリンダ
ブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数の
ピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューが
摺動する摺動面を有し、前記ケーシング内に傾転可能に
設けられた斜板と、傾転制御圧が給排されることにより
該斜板を傾転駆動する傾転アクチュエータと、該傾転ア
クチュエータに給排する傾転制御圧を制御するため前記
ケーシングに設けられ、スプール及び制御スリーブを有
したレギュレータと、前記斜板の傾転動作に追従して該
レギュレータのフィードバック制御を行うフィードバッ
ク機構とからなる可変容量型斜板式油圧ポンプに適用さ
れる。
【0044】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記フィードバック機構は、前記レギュレータ
とケーシングとの間に回動可能に設けられ、一端側が前
記レギュレータの制御スリーブに連結され、他端側が前
記斜板側に向けて突出するカム摺接部となったフィード
バックリンクと、前記斜板に設けられ、該フィードバッ
クリンクのカム摺接部が摺接することにより該フィード
バックリンクを前記斜板の傾転動作に伴って回動変位さ
せると共に、その回動変位量をカム形状に応じて変化さ
せるカム体とから構成したことにある。
【0045】このように構成することにより、レギュレ
ータから傾転アクチュエータに傾転制御圧を給排して斜
板を傾転駆動するときに、フィードバックリンクのカム
摺接部はカム体に摺接し続けるから、斜板の傾転動作に
伴ってフィードバックリンクを回動変位できると共に、
その回動変位量をカム形状に応じて可変に設定すること
ができる。そして、フィードバックリンクの回動変位を
レギュレータの制御スリーブに伝達でき、レギュレータ
をカム体のカム形状に応じてフィードバック制御できる
と共に、斜板の傾転角(ポンプ容量)をポンプ吐出圧に
対し曲線状の特性をもって制御することが可能となる。
【0046】また、請求項2の発明では、カム体は、フ
ィードバックリンクのカム摺接部が摺接する面を傾斜面
として形成してなる構成としている。
【0047】また、請求項3の発明では、フィードバッ
クリンクのカム摺接部を球形状に形成してなる構成とし
ている。これにより、フィードバックリンクの球形状を
なすカム摺接部をカム体のカム面に対して円滑に摺接さ
せることができる。
【0048】また、請求項4の発明では、レギュレータ
を、内周側にスプールが制御スリーブと共に摺動可能に
挿嵌され、傾転アクチュエータに傾転制御圧を給排する
ための給排ポートを有する弁ハウジングと、該弁ハウジ
ングとスプールとの間に配設され、該スプールを常時一
方向に向けて付勢する弁ばねと、前記スプールを挟んで
該弁ばねと反対側に位置して弁ハウジングに設けられ、
ポンプ吐出圧をパイロット圧として受圧することにより
前記スプールを弁ばねに抗して摺動変位させる油圧パイ
ロット部とから構成している。
【0049】これにより、レギュレータの油圧パイロッ
ト部がポンプ吐出圧をパイロット圧として受圧すると、
このときのパイロット圧に応じてスプールが弁ばねに抗
して弁ハウジング内を摺動変位する。そして、弁ハウジ
ングの各給排ポートがスプール、制御スリーブを介して
連通または遮断されるので、レギュレータから傾転アク
チュエータに向けてポンプ吐出圧に対応した傾転制御圧
を給排することができる。
【0050】一方、請求項5の発明では、ケーシングと
フィードバックリンクとの間に、カム摺接部をカム体に
向けて常時付勢する付勢手段を設けてなる構成としてい
る。これにより、カム摺接部をカム体に対して常に当接
した状態に保持でき、フードバックリンクの回動変位を
安定させることができる。
【0051】また、請求項6の発明では、カム体はカム
溝を有し、フィードバックリンクのカム摺接部には該カ
ム溝に摺動可能に係合する係合突部を設けてなる構成と
している。これにより、フィードバックリンクのカム摺
接部(係合突起)をカム体のカム溝に係合させた状態に
保持でき、フィードバックリンクの回動変位を安定させ
ることができる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
可変容量型斜板式油圧ポンプを添付図面に従って詳細に
説明する。なお、実施の形態では前述した従来技術と同
一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する
ものとする。
【0053】ここで、図1ないし図3は本発明の第1の
実施の形態を示している。図中、41は本実施の形態に
よる斜板式油圧ポンプのケーシングで、該ケーシング4
1は従来技術で述べたケーシング1とほぼ同様にケーシ
ング本体41Aとフロントケーシング41Bとから構成
され、ケーシング本体41A側には吸入通路41C、吐
出通路41D及び開口部41E等が設けられている。
【0054】また、ケーシング本体41Aには吐出通路
41Dの途中部位から分岐した分岐管路34が設けら
れ、該分岐管路34は後述するレギュレータ42の油圧
パイロット部47にポンプ吐出圧Pをパイロット圧とし
て供給するものである。一方、フロントケーシング41
Bには斜板10を傾転可能に支持する斜板支持体9が設
けられている。
【0055】42は傾転アクチュエータ11A,11B
に傾転制御圧を給排するためのレギュレータで、該レギ
ュレータ42は従来技術で述べたレギュレータ17とほ
ぼ同様に、傾転制御圧の給排ポート43A,43B及び
排出ポート43Cを有した弁ハウジング43と、制御ス
リーブ44、スプール45及び弁ばね46と、プランジ
ャ47Aを有した油圧パイロット部47等とから構成さ
れている。
【0056】しかし、本実施の形態によるレギュレータ
42は、単一の弁ばね46によりスプール45を油圧パ
イロット部47側に向けて常時付勢する構成としている
点等で、従来技術によるレギュレータ17とは異なるも
のである。
【0057】48は斜板10の傾転動作に追従させてレ
ギュレータ42をフィードバック制御するためのフィー
ドバック機構で、該フィードバック機構48は従来技術
で述べたフィードバック機構24とほぼ同様に、ケーシ
ング本体1A側に支持ピン49を介して回動可能に取付
けられたフィードバック用のリンク部材50等からな
り、リンク部材50は後述のフィードバックピン52及
び球形部53と共にフィードバックリンクを構成してい
る。
【0058】しかし、本実施の形態によるフィードバッ
ク機構48では、支持ピン49が回転軸2に対してほぼ
直交する方向に配設され、リンク部材50は支持ピン4
9を中心にして矢示E,F方向に回動される構成となっ
ている。また、弁ハウジング43内ヘと延びるリンク部
材50の一端側には出力ピン51が設けられ、該出力ピ
ン51はリンク部材50をレギュレータ42の制御スリ
ーブ44に回動可能に連結している。
【0059】また、ケーシング本体41A内へと延びる
リンク部材50の他端側にはフィードバックピン52が
一体に設けられ、該フィードバックピン52は後述のカ
ム板54側に向けて斜板10の側面とほぼ平行に延びて
いる。そして、フィードバックピン52の先端側はカム
摺接部としての球形部53となり、該球形部53はカム
板54に図2に示す如く摺接する構成となっている。
【0060】54は斜板10の側面に固着されたカム体
としてのカム板で、該カム板54は斜板10の側面から
フィードバックピン52の球形部53側に向けて突出
し、該球形部53と対向する表面側が図2に示すように
カム面54Aとなっている。そして、カム板54のカム
面54Aは予め決められた曲率で僅かに湾曲した傾斜面
等により形成されている。
【0061】ここで、カム板54のカム面54Aは、フ
ィードバックピン52の先端側に形成した球形部53に
常時当接し、斜板10が図2中の矢示A方向(小傾転
側)に傾転されるときには、カム面54Aで球形部53
を後退方向(矢示E方向)に押圧することにより、支持
ピン49を中心にしてリンク部材50を矢示E方向に回
動させると共に、このときの回動変位量をカム面54A
のカム形状に応じて変化させる構成となっている。
【0062】また、斜板10が図2中の矢示B方向(大
傾転側)に傾転されるときには、フィードバックピン5
2の球形部53がカム面54Aに追従して矢示F方向へ
と進出することにより、リンク部材50は支持ピン49
を中心にして矢示F方向に回動されるようになり、この
ときの回動変位量もカム面54Aのカム形状に応じて変
化されるものである。
【0063】本実施の形態による可変容量型斜板式油圧
ポンプは上述の如き構成を有するもので、その基本的作
動については従来技術によるものと格別差異はない。
【0064】然るに、本実施の形態によれば、フィード
バック機構48のリンク部材50には、フィードバック
ピン52の先端側にカム摺接部となる球形部53を一体
形成し、斜板10の側面には球形部53に摺接するカム
板54を設ける構成としたから、下記のような作用効果
を得ることができる。
【0065】即ち、当該油圧ポンプによるポンプ吐出圧
Pが変化して、レギュレータ42から傾転アクチュエー
タ11A,11Bに傾転制御圧が給排されるときには、
この傾転制御圧に応じて傾転制御ピストン14A,14
Bを斜板10に向けて進退させることにより、斜板10
を矢示A,B方向に傾転駆動して傾転角θを適宜に変化
させることができる。
【0066】そして、斜板10の傾転動作をカム板54
のカム面54Aからフィードバックピン52の球形部5
3を通じてリンク部材50へと伝えることができ、該リ
ンク部材50を支持ピン49を中心として矢示E,F方
向に回動変位させると共に、このときの回動変位量をカ
ム面54Aのカム形状に応じて変化させることができ
る。
【0067】これによって、リンク部材50は、斜板1
0の傾転動作とカム板54のカム形状とに応じて矢示
E,F方向に回動されることになり、このときの回動変
位によりレギュレータ42の制御スリーブ44をフィー
ドバック制御することができ、レギュレータ42から傾
転アクチュエータ11A,11Bに給排する傾転制御圧
を、斜板10の傾転角θとカム板54のカム面54A
(カム形状)とに対応させて可変に制御できる。
【0068】この結果、カム板54のカム形状に応じて
傾転アクチュエータ11A,11Bの動きを変えること
ができ、該傾転アクチュエータ11A,11Bによる斜
板10の傾転動作(傾転角θ)をカム板54のカム形状
に対応させて可変に制御することが可能となる。これに
より、図3に示す特性線55のようにポンプ吐出圧Pと
吐出量Qとの関係を、原動機の一定馬力曲線(仮想線で
示す特性線36)に近似させることができ、原動機の限
られた馬力を有効に活用することができる。
【0069】また、レギュレータ42は単一の弁ばね4
6のみによりスプール45の摺動変位を制御できるか
ら、従来技術で述べたレギュレータ17(図8参照)の
ように2本の弁ばね21,22を用いる必要がなく、部
品点数を削減して組立時の作業性を向上させることがで
きる。そして、単一の弁ばね46を採用することによっ
て、ばね力のバラツキ等による影響を小さく減じること
ができ、ポンプ吐出圧Pと吐出量Qの関係が各製品毎に
バラツク等の問題を容易に解消できる。
【0070】従って、本実施の形態によれば、ポンプ吐
出圧Pと吐出量Qの関係を図3に示す特性線55のよう
に曲線状の特性として、原動機の限られた馬力特性を有
効に活用でき、省エネルギ化を図ることができる。そし
て、当該油圧ポンプの組立時における作業性を向上で
き、生産性を高めることができる。
【0071】なお、前記実施の形態では、レギュレータ
42の弁ハウジング43内に油圧パイロット部47側に
位置して引張ばねを設け、この引張ばねで制御スリーブ
44に油圧パイロット部47側への引張り力を与えるこ
とにより、リンク部材50に矢示F方向に向けた回動力
を与える構成としてもよい。これにより、フィードバッ
クピン52の球形部53をカム板54のカム面54Aに
常に押付けておくことができる。
【0072】次に、図4は本発明の第2の実施の形態を
示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。しかし、本実施の形態の特徴は、フィードバッ
クピン52の球形部53をカム板54のカム面54Aに
向けて常時付勢する付勢手段としてのスプリング61を
備える構成としたことにある。
【0073】ここで、ケーシング本体41A内へと延び
るリンク部材50の端部には、スプリング61用のばね
受62が形成され、ケーシング本体41Aには該ばね受
62と対向する位置にたのばね受63が形成されてい
る。そして、スプリング61はばね受62,63間にプ
リセット(圧縮変形)状態で配設され、リンク部材50
に対してカム板54側(例えば矢示F方向)に向けた付
勢力を付与し続けるものである。
【0074】かくして、このように構成される本実施の
形態にあっても、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作
用効果を得ることができるが、特に本実施の形態では、
スプリング61によりリンク部材50を球形部53と共
にカム板54のカム面54Aに常に押付ける構成として
いるから、外部からの振動等でリンク部材50が矢示F
方向に振動して、球形部53がカム板54から離間する
等の問題を解消でき、フィードバック機構48によるフ
ィードバック動作を常に安定した状態に保持することが
できる。
【0075】次に、図5及び図6は本発明の第3の実施
の形態を示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態
と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略
するものとする。しかし、本実施の形態の特徴は、リン
ク部材50の端部に設けるフィードバックピン71の先
端側に、略L字状をなす屈曲部71Aを形成し、該屈曲
部71Aの先端側にはカム摺接部を構成する係合突部と
しての球形部72を設けると共に、斜板10の側面には
カム体としてのカム板73を設け、該カム板73には球
形部72が摺動可能に係合する断面コ字形状のカム溝7
3Aを形成する構成としたことにある。
【0076】ここで、フィードバックピン71は屈曲部
71Aを除いて、前記第1の実施の形態で述べたフィー
ドバックピン52とほぼ同様に構成され、球形部72は
屈曲部71Aからカム板73のカム溝73A内に向けて
突出している。そして、フィードバックピン71の基端
側はリンク部材50の端部に一体化され、リンク部材5
0はフィードバックピン71、球形部72と共にフィー
ドバックリンクを構成するものである。
【0077】また、カム板73のカム溝73Aは球形部
72の外径に対応する溝幅を有し、カム溝73Aの周壁
は、前記第1の実施の形態で述べたカム面54Aとほぼ
同様に、予め決められた曲率で僅かに湾曲した傾斜面等
により形成されている。そして、各カム板73のカム溝
73Aには、フィードバックピン71のカム摺接部とな
る球形部72が常に接触し、斜板10が矢示A,B方向
に傾転駆動されるときには、この傾転動作に追従して矢
示E,F方向に回動されると共に、このときの回動変位
量はカム溝73Aのカム形状に応じて可変に調整される
ものである。
【0078】かくして、このように構成される本実施の
形態にあっても、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作
用効果を得ることができるが、特に本実施の形態では、
フィードバックピン71の先端側に設けた球形部72を
カム板73のカム溝73Aに摺動可能に係合させる構成
としているから、外部からの振動等でリンク部材50が
矢示E,F方向に振動してカム板73から離間する等の
問題を解消でき、フィードバック機構48によるフィー
ドバック動作を安定させることができる。
【0079】なお、前記各実施の形態では、リンク部材
50の端部にフィードバックピン52を設け、これによ
ってフィードバックリンクを構成するものとして述べた
が、本発明はこれに限るものではなく、例えばフィード
バックリンクをL字状の単一部材として予め形成し、そ
の先端部にカム摺接部として球形部等を設ける構成とし
てもよい。
【0080】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1に記載の発
明によれば、レギュレータから傾転アクチュエータに傾
転制御圧を給排して斜板を傾転させるときに、フィード
バック機構のフィードバックリンクに設けたカム摺接部
を斜板側のカム体に摺接させ、フィードバックリンクを
斜板の傾転動作に追従して回動変位させると共に、この
回動変位量をカム体のカム形状に応じて変化させる構成
としたから、レギュレータの制御スリーブを斜板の傾転
動作とカム体のカム形状に追従させてフィードバック制
御でき、斜板の傾転角(ポンプ容量)をポンプ吐出圧に
対し曲線状の特性をもって制御することができる。従っ
て、ポンプ吐出圧と吐出量の関係を曲線状の特性として
原動機の限られた馬力特性を有効に活用でき、省エネル
ギ化を図ることができる。
【0081】また、請求項2に記載の発明では、カム体
はフィードバックリンクのカム摺接部が摺接する面を傾
斜面として形成しているから、レギュレータの制御スリ
ーブを斜板の傾転動作とカム体のカム形状に追従させて
フィードバック制御することにより、斜板の傾転角(ポ
ンプ容量)をポンプ吐出圧に対して曲線状の特性を与え
ることができ、原動機の限られた馬力特性を有効に活用
できる。
【0082】また、請求項3に記載の発明では、フィー
ドバックリンクのカム摺接部を球形状に形成しているか
ら、カム体のカム面に対し球形状をなすカム摺接部を円
滑に接触させることができ、フィードバックリンクの回
動変位量をカム体のカム形状に従って可変に設定でき
る。
【0083】また、請求項4に記載の発明では、レギュ
レータを、内周側にスプールが制御スリーブと共に摺動
可能に挿嵌される弁ハウジングと、該弁ハウジングとス
プールとの間に配設された弁ばね及び油圧パイロット部
とにより構成しているから、レギュレータの油圧パイロ
ット部がポンプ吐出圧をパイロット圧として受圧すると
きに、このパイロット圧に応じてスプールを弁ばねに抗
して弁ハウジング内で摺動変位させ、弁ハウジングの各
給排ポートをスプール、制御スリーブを介して連通,遮
断でき、これによりレギュレータから傾転機構に向けて
ポンプ吐出圧に対応した傾転制御圧を給排することがで
きる。そして、レギュレータには単一の弁ばねを用いる
だけでよく、ばね力の調整作業等を簡略化できると共
に、組立時の作業性を向上でき、生産性を高めることが
できる。
【0084】また、請求項5に記載の発明では、ケーシ
ングとフィードバックリンクとの間に、該フィードバッ
クリンクのカム摺接部をカム体に向けて常時付勢する付
勢手段を設ける構成としたから、外部からの振動等でフ
ィードバックリンクが振動してカム体から離間する等の
問題を解消でき、フィードバック機構によるフィードバ
ック動作等を安定させ、信頼性や寿命を向上できる。
【0085】さらに、請求項6に記載の発明では、カム
体のカム溝に摺動可能に係合する係合突部をフィードバ
ックリンクのカム摺接部に設ける構成としたから、フィ
ードバックリンクのカム摺接部(係合突部)をカム体の
カム溝に係合させた状態に保持でき、外部からの振動で
フィードバックリンクが不用意に変位するのを防止でき
ると共に、フィードバック機構によるフィードバック動
作等を安定させ、信頼性や寿命を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による可変容量型斜
板式油圧ポンプを示す縦断面図である。
【図2】斜板の傾転アクチュエータ、フィードバック機
構及びカム板等を拡大して示す図1中の矢示II−II方向
からみた変則断面図である。
【図3】第1の実施の形態による可変容量型斜板式油圧
ポンプの容量特性を示す特性線図である。
【図4】第2の実施の形態による可変容量型斜板式油圧
ポンプの要部を拡大して示す縦断面図である。
【図5】第3の実施の形態による可変容量型斜板式油圧
ポンプの要部を示す正面図である。
【図6】フィードバック機構、斜板及びカム板等を拡大
して示す図5中の矢示VI−VI方向からみた断面図であ
る。
【図7】従来技術による可変容量型斜板式油圧ポンプを
示す縦断面図である。
【図8】斜板の傾転アクチュエータ、フィードバック機
構、カム板及びレギュレータ等を拡大して示す図7中の
矢示VIII−VIIIからみた変則断面図である。
【図9】図7に示す可変容量型斜板式油圧ポンプの油圧
回路図である。
【図10】従来技術による可変容量型斜板式油圧ポンプ
の容量特性を示した特性線図である。
【符号の説明】
2 回転軸 3 シリンダブロック 4 シリンダ 5 ピストン 6 シュー 8 弁板 9 斜板支持体 10 斜板 10A 摺動面 11A,11B 傾転アクチュエータ 31 パイロットポンプ 32 タンク 41 ケーシング 41E 開口部 42 レギュレータ 43 弁ハウジング 43A,43B 給排ポート 44 制御スリーブ 45 スプール 46 弁ばね 47 油圧パイロット部 48 フィードバック機構 49 支持ピン 50 リンク部材(フィードバックリンク) 51 出力ピン 52,71 フィードバックピン 53 球形部 54,73 カム板(カム体) 61 スプリング(付勢手段) 72 球形部(係合突部) 73A カム溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂入 哲也 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 曹 東輝 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のケーシングと、該ケーシング内に
    回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と共に回転す
    るように前記ケーシング内に設けられ、軸方向に複数の
    シリンダが穿設されたシリンダブロックと、該シリンダ
    ブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数の
    ピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューが
    摺動する摺動面を有し、前記ケーシング内に傾転可能に
    設けられた斜板と、傾転制御圧が給排されることにより
    該斜板を傾転駆動する傾転アクチュエータと、該傾転ア
    クチュエータに給排する傾転制御圧を制御するため前記
    ケーシングに設けられ、スプール及び制御スリーブを有
    したレギュレータと、前記斜板の傾転動作に追従して該
    レギュレータのフィードバック制御を行うフィードバッ
    ク機構とからなる可変容量型斜板式油圧ポンプにおい
    て、 前記フィードバック機構は、 前記レギュレータとケーシングとの間に回動可能に設け
    られ、一端側が前記レギュレータの制御スリーブに連結
    され、他端側が前記斜板側に向けて突出するカム摺接部
    となったフィードバックリンクと、 前記斜板に設けられ、該フィードバックリンクのカム摺
    接部が摺接することにより該フィードバックリンクを前
    記斜板の傾転動作に伴って回動変位させると共に、その
    回動変位量をカム形状に応じて変化させるカム体とから
    構成したことを特徴とする可変容量型斜板式油圧ポン
    プ。
  2. 【請求項2】 前記カム体は、前記フィードバックリン
    クのカム摺接部が摺接する面を傾斜面として形成してな
    る請求項1に記載の可変容量型斜板式油圧ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記フィードバックリンクのカム摺接部
    は球形状に形成してなる請求項1または2に記載の可変
    容量型斜板式油圧ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記レギュレータは、内周側に前記スプ
    ールが制御スリーブと共に摺動可能に挿嵌され、前記傾
    転アクチュエータに傾転制御圧を給排するための給排ポ
    ートを有する弁ハウジングと、該弁ハウジングとスプー
    ルとの間に配設され、該スプールを常時一方向に向けて
    付勢する弁ばねと、前記スプールを挟んで該弁ばねと反
    対側に位置して弁ハウジングに設けられ、ポンプ吐出圧
    をパイロット圧として受圧することにより前記スプール
    を弁ばねに抗して摺動変位させる油圧パイロット部とか
    ら構成してなる請求項1,2または3に記載の可変容量
    型斜板式油圧ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記ケーシングとフィードバックリンク
    との間には、前記カム摺接部をカム体に向けて常時付勢
    する付勢手段を設けてなる請求項1,2,3または4に
    記載の可変容量型斜板式油圧ポンプ。
  6. 【請求項6】 前記カム体はカム溝を有し、前記フィー
    ドバックリンクのカム摺接部には該カム溝に摺動可能に
    係合する係合突部を設けてなる請求項1,2,3または
    4に記載の可変容量型斜板式油圧ポンプ。
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