JPH11349896A - 水性インク受容体用処理剤 - Google Patents

水性インク受容体用処理剤

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JPH11349896A
JPH11349896A JP10159325A JP15932598A JPH11349896A JP H11349896 A JPH11349896 A JP H11349896A JP 10159325 A JP10159325 A JP 10159325A JP 15932598 A JP15932598 A JP 15932598A JP H11349896 A JPH11349896 A JP H11349896A
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JP
Japan
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molecular weight
polyether polyester
treating agent
ink
high molecular
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Application number
JP10159325A
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English (en)
Inventor
Terunori Matsushita
輝紀 松下
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性インク吸収速度が大きく、水性インクが
滲みにくく、さらにカラー印刷を行った場合にも混色滲
みが起こりにくく、水性インクの発色性も良好な水性イ
ンク受容体用処理剤を提供することにある。 【解決手段】 水性インク受容体用処理剤は、紙質基材
および/または非紙質基材を基材とする水性インク受容
体を製造する際に用いられる処理剤であって、テトラカ
ルボン酸無水物由来の特定の構造と酸価を有する、高分
子量ポリエーテルポリエステルを必須成分として含むこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業用の利用分野】本発明は、水性インク受容体用処
理剤に関するものである。より具体的には、インクジェ
ット用の記録媒体に利用される、水性インク受容体用処
理剤に関してである。
【0002】
【従来の技術】従来、水溶性インクを使用したインクジ
ェットプリンタ用の記録媒体には、そのインクを保持す
るために、例えばポリビニルピロリドン(PVP)、ポ
リビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイ
ド、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセ
ルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(C
MC)等の、親水性の有機ポリマーがインク受容体用処
理剤としてコーティングされ使用されている。
【0003】しかしこれらの有機ポリマーは親水性であ
るため、単独で紙及びOHPのような支持体にコーティ
ングし、印刷してもインク水分を十分に吸収できず、イ
ンクドットがにじんだり、ぼやけたり、凝集したりし
て、十分な印刷性能を発揮する事ができない。
【0004】また高温高湿度条件下では、インク受容層
が大気中の水分を吸収し、粘着性を増し、取り扱いにく
くなってしまうといった欠点があった。個別に見れば、
PVP、MC、HPC、CMCは比較的印刷性能が高い
が経時的に画質が低下したり、コーティング後の乾燥時
にカールしやすい。またPVAは耐水性は比較的高い
が、そのためにインクの定着性が悪く、PVP同様カー
ルしやすい。ポリエチレンオキサイドはカールしにくい
が、画質と耐水性に劣る。
【0005】さらに、親水性ポリマー単独でのこれらの
問題を解決するために、各ポリマーを化学的に修飾した
り、混合したり、様々な添加剤を加えたりするといった
試みがなされているが、現在もさらに高い印刷性能と高
い耐水性を求めて盛んに開発が行われている。
【0006】一方、特表平8−503903にポリオキ
シアルキレングリコールと多価カルボン酸又はその無水
物からなる分子量50,000〜300,000の高分
子量化合物を含有するインクジェット記録シートに関す
る内容が開示されている。しかし、具体的な製造例、実
験例の開示は全くなく、さらにインクジェット記録シー
トに前記高分子量化合物を使用した実施例、そしてその
性能等を評価した実施例等の記載は全く開示されていな
い。さらに、前記高分子量化合物の酸価に対する好まし
い範囲等の具体的検討および情報の開示は全くなされて
いない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の問題点
を解決するためになされたものであり、水性インク受容
体用処理剤として高い印刷性能と耐水性を実現すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解消するために鋭意検討を重ねた結果、水性インク受容
体用処理剤中に下記一般式(1)に示される高分子量ポ
リエーテルポリエステルを含ませれば、前記課題を解決
できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体
的には、鎖延長剤として特定の多価酸無水物を使用し、
導入されるカルボキシル基の量を、酸価で規定した高分
子量ポリエーテルポリエステルを含ませることにより、
解決できたのである。
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Rは2価の有機残基、Zは4価の
有機残基であり、XおよびYはいずれも、水素原子、金
属原子、アンモニウム基および有機アミン基からなる群
より選ばれる少なくとも1種であり、n=1〜1000
である。) すなわち、本発明にかかる水性インク受容体用処理剤
は、紙剤および非紙剤を基材とし、高分子量ポリエーテ
ルポリエステルを含んでなる水性インク受容体用処理剤
を含んでなる水性ジェット用インク受容層を有するもの
である。ここに、紙とは、パルプなどの木質繊維を抄造
することにより得られるシートを示す。また、紙以外の
物としては、布等の繊維材料、プラスチック、OHPシ
ート(具体的にはポリエステルフィルムのシート)等の
シートを示す。
【0011】そして、本発明にかかる水性インク受容体
用処理剤は、この紙および/または非紙の基材に、被膜
形成樹脂として高分子量ポリエーテルポリエステルを含
むか、高分子量ポリエーテルポリエステルと高分子量ポ
リエーテルポリエステル以外の被膜形成樹脂をも含む後
述の処理剤を含浸させることにより、前記木質繊維の表
面を部分的または全面的に前記水性インク受容体用処理
剤で覆うようにしてなるものである。含浸方法としては
基材の表面に処理剤を塗布するか基材を処理剤中に浸漬
するなどの方法がある。
【0012】本発明の目的をより効果的に達成するため
には、高分子量ポリエーテルポリエステルの水性インク
受容体用処理剤中の含有量は1重量%以上であることが
好ましい。水性インク受容体用処理剤は、被膜形成性樹
脂として高分子量ポリエーテルポリエステルのみを含む
物であっても良いが、高分子量ポリエーテルポリエステ
ル以外の被膜形成性樹脂をも含むものであると、高分子
量ポリエーテルポリエステル以外の被膜形成性樹脂によ
って水性インク受容体用処理剤の形成に必要な被膜形成
性樹脂量の一部を代替させたり、高分子量ポリエーテル
ポリエステルだけでは発揮し得ない他の物性を水性イン
ク受容体用処理剤に発揮させたり、高分子量ポリエーテ
ルポリエステルの作用を補助させたり、高分子量ポリエ
ーテルポリエステルとの相乗作用を発揮させたりなどが
できるので好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の水性インク受容体用処理
剤に含まれる高分子量ポリエーテルポリエステルの分子
量は特に限定されないが、GPCで測定した数平均分子
量で5,000〜500,000の範囲が好ましく用い
られる。
【0014】数平均分子量が5,000未満だと塗膜の
強度が不十分でインジェット用プリンターで印刷した場
合、プリンターのガイドローラーの跡がつきやすくなっ
たり、傷がつきやすい。また数平均分子量が500,0
00より大きくなると溶媒へ溶解作業性が低下したり、
塗工後の乾燥に支持体がカールしてしまうことがあり好
ましくない。なお、これ以後の本願における分子量に関
する記述は、GPCで測定した結果である。
【0015】該高分子量ポリエーテルポリエステルは、
多価酸無水物でポリエチレングリコールを鎖延長させて
得られる高分子量ポリエーテルポリエステルであると好
ましい。
【0016】また、その重合体中の酸価は、水性インク
受容用処理剤として用いる場合、0.8〜160であれ
ば特に限定されないが、好ましくは2.0〜80であ
り、より好ましくは4.0〜20である。
【0017】この様に高分子量ポリエーテルポリエステ
ル中の酸価を特定化した高分子量ポリエーテルポリエス
テルを水性インク受容層に含有させる事により、親水性
と耐水性のバランスに優れ、かつ基材(材質は限定しな
いが、具体的にはPETフィルム等)との密着性にも優
れ、またインクとの親和性が良いので発色性能にも優れ
た、水性インク受容層を提供できる。
【0018】より具体的には、該高分子量ポリエーテル
ポリエステルは、ポリエチレングリコールをテトラカル
ボン酸二無水物で鎖延長させて得られた重合体であると
好ましい。鎖延長剤としてはテトラカルボン酸二無水物
や、具体的には無水ピロメリット酸等が好ましい。これ
らは、骨格中にベンゼン環を保有しており、鎖延長反応
により、ポリエーテルポリエステルの分子量を高くする
と共に、重合体の骨格中にカルボキシル基を導入でき
る。
【0019】またベンゼン環を含有しているので、重合
体の骨格中にベンゼン環の導入も可能である。ベンゼン
環を導入することで、耐水性、耐熱性等を付与できる。
この様に、特定の上記鎖延長剤を使用し、酸価を規定し
た高分子量ポリエーテルポリエステルを使用する事で、
親水性、耐水性、基材との密着性、インクの発色性能に
優れた水性インク受容体を提供できる。
【0020】本発明の水性インク受容体用処理剤におい
て、インク受容層を形成させる際に使用される塗工液の
溶媒は環境及び安全性の面から水が好ましいが、微粒子
の分散性が著しく変化しない範囲でアルコール等の有機
溶媒も使用可能で、単独又は混合して使用できる。
【0021】本発明の水性インク受容体用処理剤に用い
られる高分子量ポリエーテルポリエステルの濃度は、塗
工液を支持体に塗工できる粘度があれば特に限定されな
いが、塗工液全重量に対し0.1〜20%が好ましい。
0.1%未満の場合、十分な塗工層の厚さを得るために
は塗工量を増やさねばならず、乾燥に多くの時間とエネ
ルギーが必要となるため経済的でない。また20%を越
えると微粒子と併用した際に粘度が高すぎて塗工性が悪
くなる。従って1〜20%の濃度が好ましく用いられ
る。
【0022】本発明の水性インク受容体用処理剤におい
て、支持体に微粒子を安定に保持させるために高分子量
ポリエーテルポリエステル以外の水溶性ポリマーを、微
粒子の分散性に著しく影響を与えない範囲で、高分子量
ポリエーテルポリエステルと併せて使用することも可能
である。使用可能な水溶性ポリマーとしては、PVP、
PVA、ポリエチレンオキサイド、MC、HPC、CM
C、でんぷん、カゼイン、アラビアゴム、アルギン酸ソ
ーダ、ポリアクリル酸ソーダ、ポリジオキソラン等が挙
げられる。
【0023】本発明の水性インク受容体用処理剤に用い
られるインク受容層の厚さは、1.0〜50μmが好ま
しい。1.0μm未満の場合、インクの水分を十分に吸
収しきれず、鮮明な画像を得ることはできない。また5
0μm以上の場合、塗工後の乾燥時にカールする可能性
があるので好ましくない。
【0024】本発明の水性インク受容体用処理剤に用い
られるインク受容層すなわち塗工層の塗工量は、0.5
〜50g/m2で、より好ましくは1.0〜30g/m2
である。0.5g/m2未満の場合、インクの水分を十
分吸収することができず、インクが流れたり、画像がに
じんだりして効果が十分発揮できない。また50g/m
2よりも多い場合、乾燥時に記録媒体全体がカールした
り、印刷性能の顕著な効果も期待できないので経済的で
ない。従って0.5〜50g/m2が好ましい。
【0025】本発明の水性インク受容体用処理剤に用い
られる微粒子は、高分子量ポリエーテルポリエステルの
球晶化を防ぐ効果のある微粒子であれば、種類に関係な
く用いることができ、例えば、有機物でもいいし無機物
でもいい。耐水性の面からシリカ、アルミナ、チタニ
ア、ジルコニア等の無機微粒子が好ましく、特にシリ
カ、アルミナが好ましい。
【0026】これらは単独で使うことも可能であるし、
二種類以上混合して使うことも可能である。シリカ微粒
子としては合成シリカでもいいし、天然に産出するシリ
カでも良い。合成シリカとしてはコロイド状水溶液のコ
ロイダルシリカ、気相で合成された無水シリカ超微粒
子、また粒子径が比較的大きな粒子を特殊なミルによっ
て任意の粒径に物理的に破砕したもの等も使用可能であ
る。
【0027】コロイド状シリカとしては日産化学(株)
のスノーテックス、Du Pont社のLudox、M
onsanto社のSyton、Nalco社のNal
coag等の商品名で入手することが可能である。また
アルミナ微粒子としては、日産化学(株)のアルミナゾ
ル#520等の商品名で入手することが可能である。
【0028】本発明の水性インク受容体用処理剤に用い
られる微粒子の粒子径は、好ましくは1000nm以下
で、高分子量ポリエーテルポリエステルの球晶化を防ぐ
ことのできる大きさであれば特に限定されないが、イン
ク受容層に透明性が必要な場合500nm以下が好まし
く、さらにインクの水分をよく吸収させるためには10
0nm以下が好ましく、最も好ましくは50nm以下で
ある。また粒子形状は特に限定されないが、球形に近い
ものが好ましい。
【0029】本発明の水性インク受容体用処理剤におい
て、塗工液中の高分子量ポリエーテルポリエステルと無
機微粒子の重量比は1:0.2〜1:1.4が好まし
い。高分子量ポリエーテルポリエステル1に対し無機微
粒子の重量比が0.2より少ない場合、高分子量ポリエ
ーテルポリエステルが著しく結晶化し、インク定着性が
急激に低下してしまう。また高分子量ポリエーテルポリ
エステル1に対し無機微粒子の重量比が1.4より多い
場合、インクドットが凝集しやすくなり、画質は悪くな
ってしまう。
【0030】本発明の水性インク受容体用処理剤におい
て、耐水性をさらに向上させるためにインク受容層に金
属アルコキシドを含有させることが可能である。使用可
能な金属アルコキシドは、オルガノシラン、アルミニウ
ムアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムア
ルコキシド、シラノール変性ポリビニルアルコール等が
挙げられるが、中でもシラノール変性ポリビニルアルコ
ール等が好ましい。
【0031】使用可能な量及び濃度は、それぞれ金属ア
ルコキシドの溶媒への溶解性が保持される範囲内で使用
できる。オルガノシランとしてはテトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン等が、アルミニウムアルコキ
シドとしてはアルミニウムトリイソプロポキシド等が、
チタンアルコキシドとしてはチタンテトライソプロポキ
シド等が好ましく用いられる。またシラノール変性ポリ
ビニルアルコールとしてはクラレ社製の機能性ポリビニ
ルアルコール、Rシリーズ等が入手しやすく、使用可能
である。また支持体に、インク受容層が含有される塗工
液を塗工した後、熱処理することで金属アルコキシドを
インク受容層中に含まれる無機微粒子と反応させ、耐水
性の高い皮膜を形成する(金属アルコシキシドで処理す
る)ことも可能であるし、塗工前にあらかじめ金属アル
コキシドで処理された微粒子を用いても同様の効果が得
られる。
【0032】本発明の水性インク受容体用処理剤を塗布
した水性インク用記録媒体において、インク受容層中の
ヘテロ結合を有する樹脂を含む受容層の耐水性を向上さ
せるためには、紫外線等の電離放射線の照射が有効であ
る。この効果の理由ははっきり分かっていないが、一つ
の理由としては、ヘテロ結合においてヘテロ原子に隣接
した炭素上の水素は紫外線等の照射によりラジカルとし
て比較的解裂しやすいため、分子鎖上にいくつかのラジ
カルが発生する。こうしてできたポリマー分子鎖上のラ
ジカル同士が結合して、架橋構造が形成されるためと考
えられる。このときポリマー同士の架橋であり、またラ
ジカル濃度も低いため、架橋密度の低いゆるやかな架橋
構造が形成される。そのため比較的インク吸収性も維持
されたまま耐水性が向上するものと推測される。逆に照
射時間が長すぎると、いくら架橋剤を添加しなくても、
架橋密度が上がりインク吸収性の低下を招く。したがっ
て照射時間も一定時間以内である必要がある。
【0033】上述の通り通常放射線硬化型樹脂に必要と
される光開始剤や光増感剤や光架橋剤あるいは不飽和結
合含有化合物は特に必要ないが、インク吸収性を低下さ
せない範囲、および架橋効率の向上の目的で、これらの
添加物、化合物を併用することは何ら差し支えない。
【0034】本発明に使用できる電離放射線としては特
に制限はないが、上述した紫外線の他、例えば、α線、
β線、γ線、X線および電子線等が挙げられる。ただし
α線、β線、γ線またはX線は人体への危険性の問題が
あるため、取り扱いが容易で工業的にもその利用が普及
している紫外線が有効である。
【0035】照射時間は電離放射線の種類にもよるが、
例えば紫外線の照射時間は、10秒以内が好ましい。さ
らに好ましくは1秒以内である。10秒以上であるとイ
ンク受容層に用いる樹脂によっては架橋密度が高くなり
すぎて、インクを吸収しにくくなる場合がある。また生
産効率も低下するため経済的にも好ましくない。使用す
るインク受容層の光源としては、例えば、低圧水銀灯、
中圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、およびタン
グステンランプ等が使用される。
【0036】本発明の水性インク用記録媒体において、
インク受容層を形成させる際に使用される塗工液の溶媒
は環境及び安全性の面から水が好ましいが、添加剤等の
分散性が著しく変化しない範囲でアルコール等の有機溶
媒も使用可能で、単独又は混合して使用できる。
【0037】本発明の水性インク受容体用処理剤に用い
られるインク受容層には、必要に応じて顔料、分散剤、
増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動変性剤、界面活性
剤、消泡剤、抑泡剤、剥離剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤等を添加する事も可能である。
【0038】本発明の水性インク受容体用処理剤におい
て、顔料としてスメクタイト、ケイ酸アルミニウム、ケ
イ酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、カオリ
ン、タルク、クレイ、ハイドロタルサイト、炭酸カルシ
ウム、酸化亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸
化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ケイソウ土、ゼオライト
等を使用することも可能である。
【0039】本発明の水性インク受容体用処理剤に用い
られる支持体は、特に限定されるものではないが、紙、
合成紙、白色フィルム、透明フィルム等が使用可能であ
る。紙としては、上質紙、中質紙、アート紙、コート
紙、キャストコート紙、箔紙、クラフト紙、含浸紙、蒸
着紙等が適宜使用できる。またフィルム及びシートとし
ては、可とう性で、高強度、高光沢性を有するポリエチ
レンテレフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、
ポリアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン等が使
用可能であり、このうち透明性を有する支持体はOHP
用として、本願の構成を作用させることで、従来よりも
優れた発色性、画質を有し、かつ受容層の球晶化を抑制
しているので、経時変化しにくい水性インク受容体用処
理剤が得られる。さらにインク受容層の強度を向上させ
るために、コロナ放電処理や各種アンダーコート処理す
ることも可能である。
【0040】本発明の水性インク受容体用処理剤におい
て、インク受容層を塗工する方法としては、スピンコー
ト法、ロールコート法、ブレードコート法、エアナイフ
コート法、ゲートロールコート法、バーコート法、サイ
ズプレス法、スプレーコート法、グラビアコート法、カ
ーテンコート法、ロッドブレードコート法、リップコー
ト法、スリットダイコート法等の手法によって支持体に
塗工し、熱風乾燥機等で乾燥させることによって本発明
の記録媒体が得られる。
【0041】本発明の水性インク受容体用処理剤におい
て、インク定着性を向上させるために尿素を添加した
り、インク受容層の粘着性を低減させる目的でチオ尿素
を添加することが可能である。これらはそれぞれ単独で
用いてもよいが、併せて用いることによって2つの効果
を同時に得ることも可能である。またこれらの添加は、
一般的な水溶性ポリマーを含有する水性インク受容体用
処理剤であれば特に限定されずにその効果が発現する。
これらの添加量は特に制限はないが、画質を維持するた
めには高分子量ポリエーテルポリエステルと微粒子の合
計重量に対し0.1〜25%が好ましい。
【0042】本発明において、水性インク受容体用処理
剤中の高分子量ポリエーテルポリエステルの含有量は、
特に限定されないが、混色滲みが少なく、発色性が高い
等の理由で、0.1重量%以上が好ましく、0.5重量
%以上がより好ましい。本発明において、水性インク受
容体用処理剤は、被膜形成性樹脂として高分子量ポリエ
ーテルポリエステルのみを含むものであっても良いが、
高分子量ポリエーテルポリエステル以外の被膜形成性樹
脂をも含んでなるものである場合、例えば、少ない高分
子量ポリエーテルポリエステル含量でより高いインクジ
ェット印刷適性が得られる等の効果が得られる。
【0043】前記被膜形成性樹脂は、被膜を形成する樹
脂であれば特に限定されないが、水性分散体を形成し得
る実質的に水に不溶性の樹脂(水不溶性樹脂)である
か、または水溶性樹脂であると、紙基材の処理剤を水性
にすることができるので、本発明の水性インク受容体用
処理剤を製造する場合における安全性と作業環境保全の
上で好ましい。
【0044】前記高分子量ポリエーテルポリエステル以
外の被膜形成性樹脂の具体例としては、例えば、酸化で
んぷん、カチオン化でんぷん、プルラン、ヒドロキシエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の天然
系;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルホルムアミド、ポリビニルアセトアミド、スチ
レン/ブタジエンゴム等のビニル系;ポリ(メタ)アク
リルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等のアク
リル系;ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル系;
ナイロン、ウレタン、ポリエステル等の縮合系の樹脂等
が挙げられ、特にでんぷん、ポリビニルアルコールがイ
ンクの吸収性、裏抜け防止性が良好な点で好ましく、ま
たスチレン/ブタジエンゴム、アクリル系樹脂、ウレタ
ン系樹脂がインクの滲みが少なく、発色性が高い点で好
ましい。
【0045】さらに、アクリル系樹脂とウレタン系樹脂
とを混合したり、あるいは、ウレタン系樹脂の分散体に
アクリル系重合性単量体を添加、重合させたり、また分
子内にイソシアネートに対して反応性を有する官能基を
持つアクリル系樹脂分散体とイソシアネートとを反応さ
せたりすることにより得られる、一般に「アクリル/ウ
レタン」と総称される、アクリル系樹脂とウレタン系樹
脂との複合体が、アクリル系樹脂単独あるいはウレタン
系樹脂単独の場合に比べてインクの滲みが少ない点で特
に好ましい。
【0046】紙基材処理剤の形態については、バルク、
溶液、水性分散体(エマルジョン、ラテックス)等、特
に限定されないが、紙基材への処理作業の容易性を考え
ると、溶液または水性分散体であると、含浸、塗布、噴
霧といった処理を行う際の取り扱いがバルクに比べ容易
である点で好ましく、さらに水溶液または水性分散体
等、水性の処理剤として取り扱うと、作業の安全性およ
び作業環境の保全の上で好ましい。従って、高分子量ポ
リエーテルポリエステル以外の被膜形成性樹脂およびそ
の形態としては、スチレン/ブタジエンゴムラテック
ス、ウレタン系エマルジョンおよびアクリル系エマルジ
ョンの中から選ばれる少なくとも1種が好ましく、上述
の「アクリル/ウレタン」の水分散体が特に好ましい。
【0047】水性インク受容体用処理剤の製造方法とし
ては、特に限定されないが、例えば、高分子量ポリエー
テルポリエステルをそのまま、または高分子量ポリエー
テルポリエステルと高分子量ポリエーテルポリエステル
以外の被膜形成性樹脂とを、必要であれば適宜溶媒で希
釈して、コーティング液(処理剤)を調製した後、ゲー
トロールコーター、エアナイフコーター、スプレー等を
用いて、含浸、塗布、あるいは噴霧することにより紙基
材を処理した後、さらに乾燥、必要に応じ、その他の常
法の工程を経て製造する方法や、高分子量ポリエーテル
ポリエステルあるいは高分子量ポリエーテルポリエステ
ルと高分子量ポリエーテルポリエステル以外の被膜形成
性樹脂とを粉末状にし、静電気やスプレー等を用いて紙
基材に付着させ、その後必要に応じて加熱等により定着
させる方法等を挙げることができる。
【0048】また、紙基材を処理する際に高分子量ポリ
エーテルポリエステルや高分子量ポリエーテルポリエス
テル以外の被膜形成性樹脂の付着を補助し、強固なもの
にする目的で、紙基材表面を高分子量ポリエーテルポリ
エステルや高分子量ポリエーテルポリエステル以外の被
膜形成性樹脂との間に接着剤層を設けることもできる。
【0049】前記希釈溶媒は、特に制限はないが、水、
アセトン、イソプロピルアルコール、トルエン、テトラ
ヒドロフラン、クロロホルム、ジオキサン等の溶媒が好
ましく、中でも、水、イソプロピルアルコール、トルエ
ンは安全性が高いので特に好ましい。その場合の前記高
分子量ポリエーテルポリエステル濃度にも特に制限はな
いが、通常は、0.1〜30重量%、さらに好ましく
は、0.5〜15重量%である。
【0050】溶液濃度が0.1重量%未満の場合には得
られる受像紙のインクジェット印刷処理性が低いことが
ある。一方、溶液濃度が30重量%より高い場合にはコ
ーティング液の粘度が著しく高く、コーティング液の紙
への処理が困難となることがある。
【0051】前記コーティング液には、これに種々の安
定化剤、分散剤、消泡剤、界面活性剤、pH調節剤、充
填剤、顔料、染料等の添加剤を混合して使用することが
できる。前記コーティング液に含まれる固形分の塗工量
(固形分塗工量)は、通常、紙基材の面積あたりで0.
01g/m2〜20g/m2であることが好ましく、0.
1g/m2 〜10g/m2であることがより好ましい。
【0052】塗工量が0.01g/m2 未満の場合に
は、インクの滲み等が大きくなり、充分なインクジェッ
ト印刷適性を得られないことがある。一方、塗工量が2
0g/m2より多い場合には、不経済であるばかりでな
く、コーティング液が紙基材全体の木質繊維の表面を完
全に覆うためにかえってインク吸収速度等の印刷適性が
悪くなることがある。
【0053】本発明の水性インク受容体用処理剤に使用
できる基材は特に限定はないが。例えば、パルプ等の木
質繊維を抄造することにより得られるシートとしては、
超軽量紙、軽量紙、上質紙、更半紙等が挙げられる。ま
たは、布等の繊維材料、各種プラスチックシート、OH
Pシート(具体的にはポリチレンレテフタレートフィル
ム等)が挙げられる。
【0054】前記一般式(1)中のRとしては、2価の
有機残基であれば特に限定されないが、炭素数2〜6の
2価の有機残基が好ましく、具体的には、−CH2CH
2−、−CH2−CH(CH3)−、−CH2CH2C
H2CH2−、等の構造単位が挙げられ、これらの1種
または必要に応じて2種以上を有したものであってもよ
い。
【0055】前記一般式(1)中のZとしては、4価の
有機残基であれば特に限定されないが、炭素数4〜20
の4価の有機残基が好ましく、具体的には、フェニル
基、ブチル基、ビフェニル基、p−ターフェニル基、ベ
ンゾフェニル基、シクロペンチル基、ナフチル基、ペリ
ル基、テトラヒドロフリル基、ジフェニルスルホニル基
等の4価の残基が挙げられ、これらの1種または必要に
応じて2種以上を有したものであってもよい。
【0056】前記一般式(1)で示される構造単位とし
て、具体的には、下記に示す一般式(2)〜(12)等
の構造単位が挙げられ、これらの1種または必要に応じ
て2種以上を有したものであってもよい。
【0057】
【化3】
【0058】
【化4】
【0059】
【化5】
【0060】
【化6】
【0061】
【化7】
【0062】
【化8】
【0063】
【化9】
【0064】
【化10】
【0065】
【化11】
【0066】
【化12】
【0067】
【化13】
【0068】(前記一般式(2)〜(12)中、Rは炭
素数2〜6の2価の有機基、Zは炭素数4〜20の4価
の有機基であり、XおよびYはいずれも、水素原子、金
属原子、アンモニウム基および有機アミン基から選ばれ
る1種または2種以上であり、n=1〜1000であ
る。)。
【0069】上記の様な特定構造の多価酸無水物を鎖延
長剤として用い、カルボキシル基を高分子量ポリエーテ
ルポリエステル構造のポリマーに導入することができ
る。そしてその導入量は酸価で規定することができる。
この好ましい酸価は2.0〜80で、より好ましくは
4.0〜20である。この酸価量を規定することによっ
て、ポリエーテルポリエステル構造由来の親水性と、芳
香族環を有する特定構造の多価酸無水物由来の耐水性
と、その導入される量、つまり酸価で規定され導入され
たカルボキシル基由来の親水性、あるいは基材との密着
性等のトータルバランスに優れたインクジェット受容層
に最適な重合体が得られる。
【0070】前記一般式(1)、および(2)〜(1
2)中のXおよびYはいずれも、水素原子、金属原子、
アンモニウム基および有機アミン基からなる群より選ば
れる少なくとも1種であり、XとYは同じでも異なって
いてもよい。
【0071】前記金属原子としては、カルボキシル基と
塩を形成するものであれば特に限定はないが、具体的に
はナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、
亜鉛、チタン、ジルコニウム等が挙げられ、これらの1
種または必要に応じて2種以上を使用したものであって
もよい。
【0072】前記有機アミン基として、有機アミン類か
ら由来し、有機アミン類とカルボキシル基とから塩を形
成してできる構造であれば特に限定はない。このような
有機アミン類の具体例としては、トリエチルアミン、ピ
リジン、トリプロピルアミン、1,4−ジアザビシクロ
〔2.2.2〕オクタン、テトラメチルエチレンジアミ
ン等が挙げられ、これらの1種または必要に応じて2種
以上を使用したものであってもよい。
【0073】前記ポリエーテル構造単位:nは、1以上
であれば特に限定はないが、通常は1〜1000、好ま
しくは25〜700である。ポリエーテル構造単位:n
が前述の範囲より小さくなると親水性が低下するため、
本発明に係る水性インク受容体用処理剤としての効果が
なくなってしまう。一方、ポリエーテル構造単位:nが
前述の範囲より大きくなると、水性インク受容体用処理
剤に占めるポリエステルおよび/またはポリカルボン酸
および/またはポリカルボン酸塩の割合が小さくなり、
インクを保持する能力である耐水性が低下するために好
ましくない。
【0074】本発明にかかるポリエーテルポリエステル
の構造を有する水性インク受容体用処理剤は、例えば、
ポリエチレングリコールとテトラカルボン酸二酸無水物
との反応等により得られる。
【0075】前記反応の原料として用いるポリエチレン
グリコールの数平均分子量は特に限定はないが、通常2
00〜30,000、好ましくは300〜30,000
であり、より好ましくは700〜25,000、最も好
ましくは1,000〜20,000である。ポリエチレ
ングリコールの平均分子量が前述の範囲より小さいと、
ポリエステル成分が多くなり、親水性が低下するため、
本発明に係る水性インク受容体用処理剤としての効果が
なくなってしまう。
【0076】一方、ポリエチレングリコールの平均分子
量が前述の範囲より大きいと、後述するテトラカルボン
酸二酸無水物との鎖延長反応を行ってポリエーテルポリ
エステルを合成して得られたものは、水性インク受容体
用処理剤に占めるポリエステルおよび/またはポリカル
ボン酸および/またはポリカルボン酸塩の割合が小さく
なり、インクを保持する能力である耐水性が低下するた
めに好ましくない。
【0077】前記反応の原料として用いるテトラカルボ
ン酸二酸無水物は、酸無水物基が2つあれば特に限定は
ないが、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカル
ボン酸二酸無水物、二無水ピロメリット酸、ビフェニル
テトラカルボン酸二酸無水物、p−ターフェニル3,
4,3’,4’−テトラカルボン酸二酸無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二酸
無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボ
ン酸二酸無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラ
カルボン酸二酸無水物,3,4,9,10−ペリレンテ
トラカルボン酸二酸無水物、2,3,4,5−テトラヒ
ドロフランテトラカルボン酸二酸無水物、3,3’,
4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,
3,5,6−テトラカルボン酸二酸無水物等が挙げら
れ、これらの中から一種または二種以上を用いてもよ
い。
【0078】これらのテトラカルボン酸二酸無水物の中
で、二無水ピロメリット酸、ブタン−1,2,3,4−
テトラカルボン酸二酸無水物、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二酸無水物から選ばれる
少なくとも1種であると、反応性および製造効率が高い
ためにさらに好ましい。
【0079】前記テトラカルボン酸二酸無水物を用いる
場合、中和剤を用いてもよい。該中和剤は、金属化合
物、金属単体、アンモニアおよびアミン類からなる群よ
り選ばれる少なくとも1種が添加される。
【0080】前記中和剤として用いられる金属化合物お
よび金属単体を構成する金属原子の具体例としては、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム、フランシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシ
ウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、チタン、
ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロ
ム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニ
ウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、
ニッケル、銅、銀、亜鉛、カドミウム、水銀、アルミニ
ウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ケイ素、ゲル
マニウム、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、スカンジ
ウム等が挙げられ、これらの中から1種または2種以上
を用いてもよく、リチウム、ナトリウム、カリウム、ル
ビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、スト
ロンチウム、バリウム、クロム、マンガン、鉄、コバル
ト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、ジル
コニウムから選ばれる1種または2種以上であると比較
的取り扱いやすく、カルボン酸塩として導入されやす
く、比較的安定な塩となるため好ましい。
【0081】前記中和剤として用いられる金属化合物と
しては、上記金属原子からなる酸化物、カルボン酸塩、
金属アルコキシド、炭酸塩、水酸化物、水素化物、過酸
化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、亜硫酸塩、
炭化物等が挙げられる。これらの金属化合物は1種また
は必要に応じて2種以上を使用したものでもよい。中で
も、金属化合物が、酸化物、炭酸塩、水酸化物、カルボ
ン酸塩から選ばれる少なくとも1種であると、ポリエチ
レングリコールおよびポリエーテルポリエステルに対す
る相溶性がよいため、金属を容易に導入することがで
き、安全性が高く、製造時の取り扱いが容易で、安価で
あるために好ましい。
【0082】前記中和剤としては、金属化合物でない金
属単体をそのまま使用することもできる。金属単体の具
体例として特に好ましいものとして、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム等が挙げられる。ただし、このような金
属単体を使用する場合は、空気や湿気で反応し、火災を
引き起こす危険性が高いので安全性に万全を期する必要
がある。
【0083】前記中和剤として用いられるアミン類の具
体例としては、トリメチルアミン、トリエチエルアミ
ン、トリプロピルアミン、ピリジン、ピロリジン、ピロ
ール、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアザビシク
ロ[2.2.2]オクタン、ヒドラジン、N,N−ジメ
チルシクロヘキシルアミン、エチルアミン、アニリン、
トルイジン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリ
ルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、2−エ
チルヘキシルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキ
シ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ジ
イソブチルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルア
ミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、3−(ジブチル
アミノ)プロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン、トリ−n−オクチルアミン、tert−ブチルアミ
ン、2−ブチルアミン、ピコリン、ビニルピリジン、ピ
ペコリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン、エタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン等を挙げることができる。これらのアミン類は1種ま
たは必要に応じて2種以上を使用したものでも良い。中
でも、アミン類がトリエチルアミン、ピリジン、トリプ
ロピルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]
オクタン、テトラメチルエチレンジアミンから選ばれる
少なくとも1種であると、入手し易く安価であり、アミ
ン類がカルボン酸塩として導入しやすいため好ましい。
【0084】前記中和剤の使用量は、テトラカルボン酸
二酸無水物1モルに対して0.001〜10.0モルで
あれば特に限定はなく、好ましくは0.01〜6.0モ
ル、さらに好ましくは0.05〜5.0モル、最も好ま
しくは、0.1〜4.0モルである。添加量が前述の範
囲より多いと、中和剤がポリエーテルポリエステル中に
均一に分散、溶解できなくなるため、ポリエーテルポリ
エステルの機械的強度が低下する。また、中和剤が少な
いと、反応時間が長くなり、製造効率が低下する。中和
剤の添加量が前述の範囲よりも少ないと、中和剤の添加
効果であるpH調整効果および機械的強度を増加させる
効果が著しく低下する。
【0085】中和剤の添加時期は、ポリエーテルポリエ
ステルを合成するに際して、反応の開始時、反応中、反
応後のいつでも良いが、反応の開始時および/または反
応中に中和剤を存在させる方が、製造効率が高くなるた
めに好ましい。中和剤の添加の際、中和剤の分散を良く
するために溶媒を用いても構わないが、無溶媒の方が溶
媒を除去する工程を省略できるため効率がよい。
【0086】前記の反応を行う際の反応温度は、特に限
定はされない。好ましくは70〜300℃、さらに好ま
しくは80〜200℃、最も好ましくは90〜180℃
である。反応温度が前述の範囲より低いと、反応時間が
何時間もかかったり、未反応の原料が残るなど生産効率
が低下する場合があるため好ましくない。また、反応温
度が前述の範囲より高いと、反応中に生成したポリエー
テルポリエステルが熱劣化を起こす場合があるため好ま
しくない。
【0087】前記の反応を行う際の反応圧は、通常0.
003MPa以上、好ましくは0.030以上、さらに
好ましくは0.080MPa以上、最も好ましくは0.
094MPa以上である。反応圧が低すぎると、反応系
は減圧状態となり、得られるポリエーテルポリエステル
中の水酸基等との間で、副反応である脱水反応が促進さ
れる。副反応が促進されると、ポリエーテルポリエステ
ルのカルボキシル価が低下し、ポリエーテルポリエステ
ルの分子間に存在するカルボキシル基等の凝集力が失わ
れ、機械的強度が著しく低下する。
【0088】前記、低分子量ポリアルキレンオキサイド
を多価酸無水物によって鎖延長する反応において、反応
系内に存在する活性プロトン化合物の量に着目して、そ
の活性プロトン化合物の含有量を5,000ppm以下
であることが好ましい。特に低分子量ポリアルキレンオ
キサイドを多価酸無水物によって鎖延長する反応におい
ては、典型的な活性プロトン化合物は水であり、原料で
ある低分子量ポリアルキレンオキサイドに多く含まれ
る。
【0089】前記、反応系とは、低分子量ポリアルキレ
ンオキサイドおよび/または多価酸無水物および/また
は中和剤および/または反応系内に残存する気体および
/または反応装置および/または原料導入部であり、反
応原料や反応生成物と直接または窒素・アルゴン・ヘリ
ウムのような不活性気体等を介在して間接的に触れる可
能性のある部分全てを含む。
【0090】本発明に係る反応系内の活性プロトン化合
物(低分子量ポリアルキレンオキサイドの場合の典型は
水)の含有量は、5,000ppm以下に調整すること
が好ましく、さらに好ましくは、1,000ppm以
下、また、さらに好ましくは、500ppm以下、最も
好ましくは、200ppm以下である。
【0091】活性プロトン化合物(低分子量ポリアルキ
レンオキサイドの場合のその典型は水である)の含有量
が前述の範囲より大きくなると、多価酸無水物は、該活
性プロトン化合物に対しての反応活性が低分子量ポリア
ルキレンオキサイドより高いため、低分子量ポリアルキ
レンオキサイドと反応する前に反応が起こり、本来、目
的とする低分子量ポリアルキレンオキサイドとの反応
が、起こりにくくなったり、起こらなくなったりするた
め好ましくない。つまり、該反応が起こりにくい、ある
いは起こらないと目的とする鎖延長反応が有効に行われ
ないので好ましくない。
【0092】同様に、水以外の活性プロトンも低分子量
ポリアルキレンオキサイドと多価酸無水物の反応を阻害
する要因になる。水分以外の活性プロトンの具体例とし
ては、メタノール、エタノール、プロパノール、フェノ
ール、エチレングリコール等のアルコール化合物、アン
モニア、メチルアミン、アニリン等のアミン化合物、水
素化ナトリウム、水素化カルシウム等の水素化化合物、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物、酢
酸、ギ酸、シュウ酸、アクリル酸等のカルボキシル基を
持ったカルボン酸化合物、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸等
の無機酸類、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、
トリフルオロメタンスルホン酸等のヘテロポリ酸類、そ
の他、250℃以下で大気圧下または、1Pa〜0.0
9MPaの真空下で揮発性があり酸無水物基と反応性の
ある置換基を持った化合物が挙げられる。
【0093】上記に挙げた水分以外の活性プロトンを持
つ化合物が、反応系内に含まれる場合、5,000pp
m以下である方が好ましい。さらに好ましくは、1,0
00ppm以下、また、さらに好ましくは、500pp
m以下、最も好ましくは、200ppm以下である。上
述した様に、低分子量ポリアルキレンオキサイドの場
合、その典型的な活性プロトン化合物は水であり、いか
に含有される水の量が少ない原料の低分子量ポリアルキ
レンオキサイドを選択して使用するかが好ましい発明の
実態である。例えば、反応系から水分を除去しながら該
鎖延長反応をすることも、該反応の好ましい実施形態で
ある。反応系内の活性プロトン化合物の量を少なくする
目的で行われる手法は特に限ることなく、この反応に応
用することができる。
【0094】例えば、上述の様に原料として、活性プロ
トン化合物(典型的は水)の量が少ない低分子量ポリア
ルキレンオキサイドを選択して使用することは好ましい
が、活性プロトン化合物(典型的は水)の量が多くて
も、脱揮しながら反応させる等の工夫で系内の活性プロ
トン化合物の量を低減させることができ、好ましく該鎖
延長反応を有効に起こさせることができる。
【0095】前記の反応を行う際には、高粘度用反応装
置を用いて反応を行うと、さらに容易に効率良く製造す
ることができるため好ましい。高粘度用反応装置の具体
例としては、変形翼を連ねた攪拌軸を並べて配置した横
型二軸混練装置、並べて配置された2本の攪拌軸と前記
攪拌軸に位相を変形させて組み込まれた凸レンズ形状の
パドルとを有するセルフクリーニング型の横型二軸混練
装置、格子状の翼を連ねた軸無し構造の攪拌部を並べて
配置した横型二軸混練装置、内側に配置された板状攪拌
翼と、前記板状攪拌翼の外側に同芯状に配置された変形
螺旋状翼とを有する縦型混練装置、逆円錐リボン翼を有
する縦型混練装置、ねじり格子状の翼を連ねた軸無し構
造の攪拌翼を有する縦型混練装置一軸または二軸押し出
し機、排出用の一軸または二軸押し出し機を備えている
変形翼を連ねた攪拌軸を並べて配置した横型二軸混練装
置等が挙げられる。
【0096】上述の高粘度用反応装置に脱揮装置を併設
し、低分子量ポリアルキレンオキサイドと酸二無水物と
の反応で、ポリエーテルポリエステルを合成しながら平
行して脱揮を行い、反応を目的のレベルまで完結させる
こともできる。また、上記高粘度用反応装置でポリエー
テルポリエステルを合成しながらおよび/または合成後
に、成形用粉体、助バインダー、流動化剤等を混合して
もよい。
【0097】また、前記の反応を行う際には、反応初期
においては低粘度であるが、反応後期になると分子量と
ともに粘度も上昇して攪拌が困難になるのを防ぐため
に、溶媒を使用してもよい。反応溶媒の具体例として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、炭酸エチレン、炭
酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、
酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、アニソール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエ
チルケトン、メチルプロピルケトン、ジクロロメタン、
ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、アセトニ
トリル、ピリジン、ジメチルホルムアミド、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン等を挙げることができる。
これらの反応溶媒の1種または必要に応じて2種以上を
混合したものを使用してもよい。
【0098】本発明の高分子量ポリエーテルポリエステ
ルの酸価は、0.8〜160であれば特に限定はない。
好ましくは2.0〜80、より好ましくは4.0〜20
である。酸価が前述の範囲より小さい場合、発色性、境
界線、吸水性、裏抜け、耐水性が低下するために好まし
くない。前述の範囲より大きい場合、高分子量ポリエー
テルポリエステル中に占める芳香族基や脂肪族基等の疎
水基の割合が多くなるため水溶性が低下し、水性インク
受容体用処理剤としての機能が低下するため好ましくな
い。
【0099】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0100】[酸価]評価サンプルを純水に溶解し、J
IS K0070に準拠して、酸価を測定した。
【0101】[受容体用処理剤の付着量]受容体用処理
剤の付着量は、以下の方法に従って、 受容体用処理剤の付着量(g/m2)=W1/A−W0 W1:処理後切り出されたフィルムの重量(g) W0:未処理フィルムの単位面積当たりの重量(g/m
2) A :処理後切り出されたフィルムの面積(m2)求め
た。
【0102】[性能評価]性能評価は、フルカラーイン
クジェットプリンタとして、(株)キャノン製BJC−
600Jを用い、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラッ
クのベタが隣接する映像の印刷を行い、発色性、境界
線、耐水性、吸水性、裏抜けを以下の指標を基に評価し
た。
【0103】なお、紙質基材については、発色性、境界
線、吸水性、裏抜けの4種の評価を行った。一方、非紙
質基材については、発色性、境界線、耐水性、基材との
密着性の評価を行った。
【0104】(発色性)イエロー、シアン、マゼンタ、
ブラックのベタ記録印刷画像の色彩および鮮明さを、以
下の評点で、 ○:発色性に優れ高濃度である △:発色性にやや欠け、色かすれがある ×:発色性に欠け、かなりの濃度低下が見られる目視に
より評価した。
【0105】(境界線)各色のベタ印刷映像の境界線を
ルーペを用いて目視で判定し、インクジェットインクの
にじみ具合を、以下の評点で、 ○:にじみがなく、境界部分が重ならず分離している △:ややにじみがあり、境界部分が重なってしまう ×:にじみが大きく、境界部分が不明瞭である評価し
た。
【0106】(耐水性)印刷したシートを水中に24時
間浸漬した後取り出し、印刷面を指で軽くこすって塗膜
強度を、以下の評点で、 ○:印刷画像に変化がほとんど認められない △:印刷画像が少し損傷した ×:印刷画像がほとんど脱落した評価した。
【0107】(吸収性)ベタ記録印刷画像の印字直後、
記録部分に指で触れ、指にインクが付着しないかを目視
により、以下の評点で、 ○:印字直後に指で触れても、インクが付着しない △:印字後、5秒以上経過後に指で触れてもインクが付
着しない ×:印字直後指で触れるとインクが付着する評価した。
【0108】(裏抜け)イエロー、シアン、マゼンタ、
ブラックのベタ記録印刷画像の裏側を目視により、以下
の評点で、 ○:インクの裏抜けがほとんど見られない △:ややインクの裏抜けが見られる ×:インクの裏抜けが激しく見られる評価した。
【0109】−製造例1− 100ミリリットルフラスコに、数平均分子量13,0
00のポリエチレングリコールを10部仕込み、150
℃で1.5時間減圧脱揮を行い、反応系内の水分および
活性プロトンを除去した。ポリエチレングリコールに含
まれる水分量をカールフィッシャー水分計にて測定した
ところ、251ppmであった。窒素気流下、二無水ピ
ロメリット酸0.151部を仕込み、2時間、大気圧
下、窒素気流中、130℃で鎖延長反応を行い高分子量
ポリエーテルポリエステル(1)を得た。得られた高分
子量ポリエーテルポリエステルは、数平均分子量は1
2.5万であった。酸価は、8.2KOHmg/ポリマ
ーgであった。
【0110】−製造例2− 1リットルニーダーに、数平均分子量14,000のポ
リエチレングリコールを500部、炭酸カルシウム4.
09部仕込み、130℃で2時間減圧脱揮を行い、反応
系内の水分および活性プロトンを除去した。ポリエチレ
ングリコールに含まれる水分量をカールフィッシャー水
分計にて測定したところ、97ppmであった。窒素気
流下、二無水ピロメリット酸7.86部を仕込み、2時
間、大気圧下、窒素気流中、125℃で鎖延長反応を行
い高分子量ポリエーテルポリエステル(2)を得た。得
られた高分子量ポリエーテルポリエステルは、数平均分
子量は15.1万であった。酸価を測定する際、酸処理
を行った。酸価は、8.4KOHmg/ポリマーgであ
った。
【0111】−比較製造例− 数平均分子量10,000のポリエチレングリコールを
100部にテレフタル酸ジメチル1.85部を加え、1
20℃に昇温させたのち、5mmHgの減圧の状態でメ
タノールを除去し、高分子量化合物(1)を得た。得ら
れた高分子量化合物の数平均分子量は、146,000
であった。酸価は、0.0KOHmg/ポリマーgであ
った。
【0112】−実施例A1− 前記製造例1で得た高分子量ポリエーテルポリエステル
(1)を受容体用処理剤(1)としてイオン交換水を用
いて固形分が5%となるように希釈してコーティング液
(1)を得た。23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で4
8時間かけて調湿されたA4版中性PPC紙に、No.
5ワイヤーロッドを用いてコーティング液(1)7.4
g(コーティング液が中性PPC紙に均等にコーティン
グされたと仮定した場合の固形分付着量は5.9g/m
2)を塗布し、恒温恒湿室内で1昼夜風乾してコーティ
ング剤で処理された水性インクジェット用受像紙(1)
を得た。
【0113】(評価結果)発色性:○、境界線:○、吸
水性:○、裏抜け:○。
【0114】−実施例A2− 前記製造例1で得た受容体用処理剤(1)としての高分
子量ポリエーテルポリエステル(1)65重量部および
アクリルエマルジョン(商品名:アクリセット、EMN
−210E、(株)日本触媒製、固形分49%)55重
量部を、イオン交換水を用いて固形分が5%となるよう
に希釈してコーティング液(2)を得た。以下、実施例
A1と同様にして、水性インクジェット用受像紙(2)
を得て、発色性、境界線、吸収性、裏抜けを評価した。
【0115】(評価結果)発色性:○、境界線:○、吸
水性:○、裏抜け:○。
【0116】−実施例A3− 前記製造例1で得た受容体用処理剤(1)としての高分
子量ポリエーテルポリエステル(1)70重量部および
でんぷん(商品名:王子エースC、王子コーンスターチ
社製)31重量部を、イオン交換水を用いて固形分が5
%となるように希釈してコーティング液(3)を得た。
以下、実施例A1と同様にして、水性インクジェット用
受像紙(3)を得て、発色性、境界線、吸収性、裏抜け
を評価した。
【0117】(評価結果)発色性:○、境界線:○、吸
水性:○、裏抜け:○。
【0118】−実施例A4− 前記製造例1で得た受容体用処理剤(1)としての高分
子量ポリエーテルポリエステル(1)71重量部および
ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGL−5
0、日本合成化学工業(株)製)32重量部を、イオン
交換水を用いて固形分が5%となるように希釈してコー
ティング液(4)を得た。以下、実施例A1と同様にし
て、水性インクジェット用受像紙(4)を得て、発色
性、境界線、吸収性、裏抜けを評価した。
【0119】(評価結果)発色性:○、境界線:○、吸
水性:○、裏抜け:○。
【0120】−実施例A5− 前記製造例1で得た受容体用処理剤(1)としての高分
子量ポリエーテルポリエステル(1)70重量部および
アクリルエマルジョン(商品名:ジョンクリル790、
ジョンソンポリマー(株)製、固形分46%)66重量
部を、イオン交換水を用いて固形分が5%となるように
希釈してコーティング液(5)を得た。以下、実施例A
1と同様にして、水性インクジェット用受像紙(5)を
得て、発色性、境界線、吸収性、裏抜けを評価した。
【0121】(評価結果)発色性:○、境界線:○、吸
水性:○、裏抜け:○。
【0122】−実施例A6− 前記製造例1で得た受容体用処理剤(1)としての高分
子量ポリエーテルポリエステル(1)50重量部および
スチレン/ブタジエンゴムラテックス(商品名:Nip
ol LX407K、日本ゼオン(株)製、固形分50
%)100重量部を、イオン交換水を用いて固形分が5
%となるように希釈してコーティング液(6)を得た。
以下、実施例A1と同様にして、水性インクジェット用
受像紙(6)を得て、発色性、境界線、吸収性、裏抜け
を評価した。
【0123】(評価結果)発色性:○、境界線:○、吸
水性:○、裏抜け:○。
【0124】−実施例A7− 前記製造例1で得た受容体用処理剤(1)としての高分
子量ポリエーテルポリエステル(1)70重量部および
ウレタンエマルジョン(商品名:NeoRez、R−9
60、ゼネカ(株)製、固形分33%)100重量部
を、イオン交換水を用いて固形分が5%となるように希
釈してコーティング液(7)を得た。以下、実施例A1
と同様にして、水性インクジェット用受像紙(7)を得
て、発色性、境界線、吸収性、裏抜けを評価した。
【0125】(評価結果)発色性:○、境界線:○、吸
水性:○、裏抜け:○。
【0126】−実施例A8− 前記製造例2で得た高分子量ポリエーテルポリエステル
(2)を受容体用処理剤(2)としてイオン交換水を用
いて固形分が5%となるように希釈してコーティング液
(8)を得た。23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で4
8時間かけて調湿されたA4版中性PPC紙に、No.
5ワイヤーロッドを用いてコーティング液(8)7.6
g(コーティング液が中性PPC紙に均等にコーティン
グされたと仮定した場合の固形分付着量は6.1g/m
2)を塗布し、恒温恒湿室内で1昼夜風乾してコーティ
ング剤で処理された水性インクジェット用受像紙(8)
を得た。
【0127】(評価結果)発色性:○、境界線:○、吸
水性:○、裏抜け:○。
【0128】−実施例A9− 前記製造例2で得た受容体用処理剤(2)としての高分
子量ポリエーテルポリエステル(2)70重量部および
アクリルエマルジョン(商品名:アクリセットEMN−
210E、(株)日本触媒製、固形分50%)60重量
部を、イオン交換水を用いて固形分が5%となるように
希釈してコーティング液(9)を得た。以下、実施例A
1と同様にして、水性インクジェット用受像紙(9)を
得て、発色性、境界線、吸収性、裏抜けを評価した。
【0129】(評価結果)発色性:○、境界線:○、吸
水性:○、裏抜け:○。
【0130】−実施例A10− 前記製造例2で得た受容体用処理剤(2)としての高分
子量ポリエーテルポリエステル(2)71重量部および
でんぷん(商品名:王子エースC、王子コーンスターチ
社製)30重量部を、イオン交換水を用いて固形分が5
%となるように希釈してコーティング液(10)を得
た。以下、実施例A1と同様にして、水性インクジェッ
ト用受像紙(10)を得て、発色性、境界線、吸収性、
裏抜けを評価した。
【0131】(評価結果)発色性:○、境界線:○、吸
水性:○、裏抜け:○。
【0132】−実施例A11− 前記製造例2で得た受容体用処理剤(2)としての高分
子量ポリエーテルポリエステル(2)70重量部および
ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGL−5
0、日本合成化学工業(株)製)30重量部を、イオン
交換水を用いて固形分が5%となるように希釈してコー
ティング液(11)を得た。以下、実施例A1と同様に
して、水性インクジェット用受像紙(11)を得て、発
色性、境界線、吸収性、裏抜けを評価した。
【0133】(評価結果)発色性:○、境界線:○、吸
水性:○、裏抜け:○。
【0134】−実施例A12− 前記製造例2で得た受容体用処理剤(2)としての高分
子量ポリエーテルポリエステル(2)70重量部および
アクリルエマルジョン(商品名:ジョンクリル790、
ジョンソンポリマー(株)製、固形分47%)65重量
部を、イオン交換水を用いて固形分が5%となるように
希釈してコーティング液(12)を得た。以下、実施例
A1と同様にして、水性インクジェット用受像紙(1
2)を得て、発色性、境界線、吸収性、裏抜けを評価し
た。
【0135】(評価結果)発色性:○、境界線:○、吸
水性:○、裏抜け:○。
【0136】−実施例A13− 前記製造例2で得た受容体用処理剤(2)としての高分
子量ポリエーテルポリエステル(2)50重量部および
スチレン/ブタジエンゴムラテックス(商品名:Nip
ol LX407K、日本ゼオン(株)製、固形分50
%)100重量部を、イオン交換水を用いて固形分が5
%となるように希釈してコーティング液(13)を得
た。以下、実施例A1と同様にして、水性インクジェッ
ト用受像紙(13)を得て、発色性、境界線、吸収性、
裏抜けを評価した。
【0137】(評価結果)発色性:○、境界線:○、吸
水性:○、裏抜け:○。
【0138】−実施例A14− 前記製造例2で得た受容体用処理剤(2)としての高分
子量ポリエーテルポリエステル(2)70重量部および
ウレタンエマルジョン(商品名:NeoRezR−96
0、ゼネカ(株)製、固形分34%)100重量部を、
イオン交換水を用いて固形分が5%となるように希釈し
てコーティング液(14)を得た。以下、実施例A1と
同様にして、水性インクジェット用受像紙(14)を得
て、発色性、境界線、吸収性、裏抜けを評価した。
【0139】(評価結果)発色性:○、境界線:○、吸
水性:○、裏抜け:○。
【0140】−比較例A1− 未処理の中性PPC紙について、実施例A1と同様にし
て、発色性、境界線、吸収性、裏抜けを評価した。
【0141】(評価結果)発色性:△、境界線:×、吸
水性:○、裏抜け:×。
【0142】−比較例A2− でんぷん(商品名:王子エースC、王子コーンスターチ
社製)を、イオン交換水を用いて固形分が5%となるよ
うに希釈して比較コーティング液(2)を得た。以下、
実施例A1と同様にして、比較水性インクジェット用受
像紙(2)を得て、発色性、境界線、吸収性、裏抜けを
評価した。
【0143】(評価結果)発色性:△、境界線:×、吸
水性:△、裏抜け:△。
【0144】−比較例A3− ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGL−5
0、日本合成化学工業(株)製)を、イオン交換水を用
いて固形分が5%となるように希釈して比較コーティン
グ液(3)を得た。以下、実施例A1と同様にして、比
較水性インクジェット用受像紙(3)を得て、発色性、
境界線、吸収性、裏抜けを評価した。
【0145】(評価結果)発色性:△、境界線:×、吸
水性:△、裏抜け:△。
【0146】−比較例A4− ポリエチレンオキサイド(Aldrich社製試薬:分
子量20万;酸価は、0.0KOHmg/ポリマーgで
あった。)を、イオン交換水を用いて固形分が5%とな
るように希釈して比較コーティング液(4)を得た。以
下、実施例A1と同様にして、比較水性インクジェット
用受像紙(4)を得て、発色性、境界線、吸収性、裏抜
けを評価した。
【0147】(評価結果)発色性:×、境界線:×、吸
水性:△、裏抜け:△。
【0148】−比較例A5− 前記比較製造例で得た高分子量化合物(1)を比較受容
体用処理剤(5)としてイオン交換水を用いて固形分が
5%となるように希釈して比較コーティング液(5)を
得た。23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で48時間か
けて調湿されたA4版中性PPC紙に、No.5ワイヤ
ーロッドを用いて比較コーティング液(5)7.5g
(コーティング液が中性PPC紙に均等にコーティング
されたと仮定した場合の固形分付着量は6g/m2)を
塗布し、恒温恒湿室内で1昼夜風乾してコーティング剤
で処理された比較水性インクジェット用受像紙(5)を
得て、発色性、境界線、吸収性、裏抜けを評価した。
【0149】(評価結果)発色性:△、境界線:△、吸
水性:×、裏抜け:×。
【0150】−実施例B1− (コーティング液の調製)受容体用処理剤(15)とし
て高分子量ポリエーテルポリエステル(1)を用い、メ
チルエチルケトンに固形分が10%となるように溶解さ
せてコーティング液(15)を調製した。
【0151】(基材へのコーティング)A4版サイズに
切り出した透明ポリエチレンテレフタレートフィルム
(ルミラータイプT、厚さ:100μm、東レ(株)
製)にコーティング液(15)をNo.28ワイヤーロ
ッドを用いて塗布後、1昼夜23℃−湿度65%の恒温
恒湿室内で風乾した。
【0152】乾燥したフィルムで受容体用処理剤(1
5)が均一に付着している中央部をほぼB5版サイズに
なるように切り出し、重量を測定したところ、受容体用
処理剤(15)の付着量は4.4g/m2であった。前
記フルカラープリンタを用い、印刷を行い前記評価方法
にて印刷精度を評価した。また、基材との密着性は良好
であった。
【0153】(評価結果)発色性:○、境界線:△、耐
水性:○。
【0154】−実施例B2− (コーティング液の調製)高分子量ポリエーテルポリエ
ステル(1)70重量部およびアクリルエマルジョン
(商品名:アクリセット EMN−210E、(株)日
本触媒製、固形分50%)60重量部からなる受容体用
処理剤(16)をイオン交換水に全体の固形分が10%
となるように混合、溶解させて、コーティング液(1
6)を調製した。
【0155】(基材へのコーティング)透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ルミラー、 タイプT、厚
さ:100μm、東レ(株)製)にコーティング液(1
6)をNo.28ワイヤーロッドを用いて塗布後、1昼
夜23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で風乾した。受容
体用処理剤(16)の付着量は7.5g/m2であっ
た。実施例B1と同様にして、発色性、境界線、耐水性
を評価した。また、基材との密着性は良好であった。
【0156】(評価結果)発色性:○、境界線:○、耐
水性:○。
【0157】−実施例B3− (コーティング液の調製)高分子量ポリエーテルポリエ
ステル(1)69重量部およびでんぷん(商品名:王子
エースC、王子コーンスターチ社製)28重量部からな
る受容体用処理剤(17)をイオン交換水に全体の固形
分が5%となるように溶解させて、コーティング液(1
7)を調製した。
【0158】(基材へのコーティング)透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ルミラー、タイプT、厚
さ:100μm、東レ(株)製)にコーティング液(1
7)をNo.60ワイヤーロッドを用いて塗布後、1昼
夜23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で風乾した。
【0159】受容体用処理剤(17)の付着量は6.3
g/m2であった。実施例B1と同様にして、発色性、
境界線、耐水性を評価した。また、基材との密着性は良
好であった。
【0160】(評価結果)発色性:○、境界線:○、耐
水性:○。
【0161】−実施例B4− (コーティング液の調製)高分子量ポリエーテルポリエ
ステル(1)70重量部およびポリビニルアルコール
(商品名:ゴーセノールGL−50、日本合成化学工業
(株)製)30重量部からなる受容体用処理剤(18)
をイオン交換水に全体の固形分が5%となるように混
合、溶解させて、コーティング液(18)を調製した。
【0162】(基材へのコーティング)透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ルミラータイプT、厚さ:
100μm、東レ(株)製)にコーティング液(18)
をNo.60ワイヤーロッドを用いて塗布後、1昼夜2
3℃−湿度65%の恒温恒湿室内で風乾した。受容体用
処理剤(18)の付着量は8.4g/m2であった。実
施例B1と同様にして、発色性、境界線、耐水性を評価
した。また、基材との密着性は良好であった。
【0163】(評価結果)発色性:○、境界線:○、耐
水性:○。
【0164】−実施例B5− (コーティング液の調製)高分子量ポリエーテルポリエ
ステル(1)70重量部およびアクリルエマルジョン
(商品名:ジョンクリル790、ジョンソンポリマー
(株)製、固形分47%)64重量部からなる受容体用
処理剤(19)をイオン交換水に全体の固形分が5%と
なるように混合、溶解させて、コーティング液(19)
を調製した。
【0165】(基材へのコーティング)透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ルミラー、タイプT、厚
さ:100μm、東レ(株)製)にコーティング液(1
9)をNo.60ワイヤーロッドを用いて塗布後、1昼
夜23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で風乾した。受容
体用処理剤(19)の付着量は8.7g/m2であっ
た。実施例B1と同様にして、発色性、境界線、耐水性
を評価した。また、基材との密着性は良好であった。
【0166】(評価結果)発色性:○、境界線:○、耐
水性:○。
【0167】−実施例B6− (コーティング液の調製)高分子量ポリエーテルポリエ
ステル(1)50重量部およびスチレン/ブタジエンゴ
ムラテックス(商品名:Nipol LX407K、日
本ゼオン(株)製、固形分50%)100重量部からな
る受容体用処理剤(20)をイオン交換水に全体の固形
分が5%となるように混合、溶解させて、コーティング
液(20)を調製した。
【0168】(基材へのコーティング)透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ルミラー、タイプT、厚
さ:100μm、東レ(株)製)にコーティング液(2
0)をNo.60ワイヤーロッドを用いて塗布後、1昼
夜23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で風乾した。受容
体用処理剤(20)の付着量は8.3g/m2であっ
た。実施例B1と同様にして、発色性、境界線、耐水性
を評価した。また、基材との密着性は良好であった。
【0169】(評価結果)発色性:○、境界線:○、耐
水性:○。
【0170】−実施例B7− (コーティング液の調製)高分子量ポリエーテルポリエ
ステル(1)70重量部およびウレタンエマルジョン
(商品名:NeoRez R−960、ゼネカ(株)
製、固形分34%)100重量部からなる受容体用処理
剤(21)をイオン交換水に全体の固形分が5%となる
ように混合、溶解させて、コーティング液(21)を調
製した。
【0171】(基材へのコーティング)透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ルミラータイプT、厚さ:
100μm、東レ(株)製)にコーティング液(21)
をNo.60ワイヤーロッドを用いて塗布後、1昼夜2
3℃−湿度65%の恒温恒湿室内で風乾した。受容体用
処理剤(21)の付着量は7.5g/m2であった。実
施例B1と同様にして、発色性、境界線、耐水性を評価
した。また、基材との密着性は良好であった。
【0172】(評価結果)発色性:○、境界線:○、耐
水性:○。
【0173】−実施例B8− (コーティング液の調製)受容体用処理剤(22)とし
て高分子量ポリエーテルポリエステル(2)を用い、メ
チルエチルケトンに固形分が10%となるように溶解さ
せてコーティング液(22)を調製した。
【0174】(基材へのコーティング)A4版サイズに
切り出した透明ポリエチレンテレフタレートフィルム
(ルミラータイプT、厚さ:100μm、東レ(株)
製)にコーティング液(22)をNo.28ワイヤーロ
ッドを用いて塗布後、1昼夜23℃−湿度65%の恒温
恒湿室内で風乾した。乾燥したフィルムで受容体用処理
剤(22)が均一に付着している中央部をほぼB5版サ
イズになるように切り出し、重量を測定したところ、受
容体用処理剤(22)の付着量は4.3g/m2であっ
た。前記フルカラープリンタを用い、印刷を行い前記評
価方法にて印刷精度を評価した。また、基材との密着性
は良好であった。
【0175】(評価結果)発色性:○、境界線:△、耐
水性:○。
【0176】−実施例B9− (コーティング液の調製)高分子量ポリエーテルポリエ
ステル(2)70重量部およびアクリルエマルジョン
(商品名:アクリセット EMN−210E、(株)日
本触媒製、固形分49%)61重量部からなる受容体用
処理剤(23)をイオン交換水に全体の固形分が10%
となるように混合、溶解させて、コーティング液(2
3)を調製した。
【0177】(基材へのコーティング)透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ルミラー、タイプT、厚
さ:100μm、東レ(株)製)にコーティング液(2
3)をNo.28ワイヤーロッドを用いて塗布後、1昼
夜23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で風乾した。受容
体用処理剤(23)の付着量は7.6g/m2であっ
た。実施例B1と同様にして、発色性、境界線、耐水性
を評価した。また、基材との密着性は良好であった。
【0178】(評価結果)発色性:○、境界線:○、耐
水性:○。
【0179】−実施例B10− (コーティング液の調製)高分子量ポリエーテルポリエ
ステル(2)70重量部およびでんぷん(商品名:王子
エースC、王子コーンスターチ社製)30重量部からな
る受容体用処理剤(24)をイオン交換水に全体の固形
分が5%となるように溶解させて、コーティング液(2
4)を調製した。
【0180】(基材へのコーティング)透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ルミラー、タイプT、厚
さ:100μm、東レ(株)製)にコーティング液(2
4)をNo.60ワイヤーロッドを用いて塗布後、1昼
夜23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で風乾した。受容
体用処理剤(24)の付着量は6.1g/m2であっ
た。実施例B1と同様にして、発色性、境界線、耐水性
を評価した。また、基材との密着性は良好であった。
【0181】(評価結果)発色性:○、境界線:○、耐
水性:○。
【0182】−実施例B11− (コーティング液の調製)高分子量ポリエーテルポリエ
ステル(2)70重量部およびポリビニルアルコール
(商品名:ゴーセノールGL−50、日本合成化学工業
(株)製)30重量部からなる受容体用処理剤(25)
をイオン交換水に全体の固形分が5%となるように混
合、溶解させて、コーティング液(25)を調製した。
【0183】(基材へのコーティング)透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ルミラー、タイプT、厚
さ:100μm、東レ(株)製)にコーティング液(2
5)をNo.60ワイヤーロッドを用いて塗布後、1昼
夜23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で風乾した。受容
体用処理剤(25)の付着量は8.4g/m2であっ
た。実施例B1と同様にして、発色性、境界線、耐水性
を評価した。また、基材との密着性は良好であった。
【0184】(評価結果)発色性:○、境界線:○、耐
水性:○。
【0185】−実施例B12− (コーティング液の調製)高分子量ポリエーテルポリエ
ステル(2)68重量部およびアクリルエマルジョン
(商品名:ジョンクリル790、ジョンソンポリマー
(株)製、固形分47%)66重量部からなる受容体用
処理剤(26)をイオン交換水に全体の固形分が5%と
なるように混合、溶解させて、コーティング液(26)
を調製した。
【0186】(基材へのコーティング)透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ルミラー、タイプT、厚
さ:100μm、東レ(株)製)にコーティング液(2
6)をNo.60ワイヤーロッドを用いて塗布後、1昼
夜23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で風乾した。受容
体用処理剤(26)の付着量は8.7g/m2であっ
た。実施例B1と同様にして、発色性、境界線、耐水性
を評価した。また、基材との密着性は良好であった。
【0187】(評価結果)発色性:○、境界線:○、耐
水性:○。
【0188】−実施例B13− (コーティング液の調製)高分子量ポリエーテルポリエ
ステル(2)50重量部およびスチレン/ブタジエンゴ
ムラテックス(商品名:Nipol LX407K、日
本ゼオン(株)製、固形分50%)100重量部からな
る受容体用処理剤(27)をイオン交換水に全体の固形
分が5%となるように混合、溶解させて、コーティング
液(27)を調製した。
【0189】(基材へのコーティング)透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ルミラー、タイプT、厚
さ:100μm、東レ(株)製)にコーティング液(2
7)をNo.60ワイヤーロッドを用いて塗布後、1昼
夜23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で風乾した。受容
体用処理剤(27)の付着量は8.3g/m2であっ
た。実施例B1と同様にして、発色性、境界線、耐水性
を評価した。また、基材との密着性は良好であった。
【0190】(評価結果)発色性:○、境界線:○、耐
水性:○。
【0191】−実施例B14− (コーティング液の調製)高分子量ポリエーテルポリエ
ステル(2)72重量部およびウレタンエマルジョン
(商品名:NeoRez R−960、ゼネカ(株)
製、固形分33%)100重量部からなる受容体用処理
剤(28)をイオン交換水に全体の固形分が5%となる
ように混合、溶解させて、コーティング液(28)を調
製した。
【0192】(基材へのコーティング)透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ルミラー、タイプT、厚
さ:100μm、東レ(株)製)にコーティング液(2
8)をNo.60ワイヤーロッドを用いて塗布後、1昼
夜23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で風乾した。受容
体用処理剤(28)の付着量は7.7g/m2であっ
た。実施例B1と同様にして、発色性、境界線、耐水性
を評価した。また、基材との密着性は良好であった。
【0193】(評価結果)発色性:○、境界線:○、耐
水性:○。
【0194】−比較例B1− 未処理の透明ポリエチレンテレフタレートフィルムを用
い、実施例B1と同様にして、発色性、境界線、耐水性
を評価した。
【0195】(評価結果)発色性:×、境界線:×、耐
水性:×。
【0196】−比較例B2− (コーティング液の調製)比較受容体用処理剤(12)
として、ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノール
GL−50、日本合成化学工業(株)製)をイオン交換
水に固形分が5%となるように混合、溶解させて、比較
コーティング液(12)を調製した。
【0197】(基材へのコーティング)透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ルミラー、タイプT、厚
さ:100μm、東レ(株)製)に比較コーティング液
(12)をNo.60ワイヤーロッドを用いて塗布後、
1昼夜23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で風乾した。
比較受容体用処理剤(12)の付着量は7.3g/m2
であった。実施例B1と同様にして、発色性、境界線、
耐水性を評価した。
【0198】(評価結果)発色性:×、境界線:×、耐
水性:×。
【0199】−比較例B3− (コーティング液の調製)比較受容体用処理剤(13)
として、ポリエチレンオキサイド(Aldrich社製
試薬:分子量20万;酸価は、0.0KOHmg/ポリ
マーgであった。)をイオン交換水に固形分が5%とな
るように混合、溶解させて、比較コーティング液(1
3)を調製した。(基材へのコーティング)透明ポリエ
チレンテレフタレートフィルム(ルミラー タイプT、
厚さ:100μm、東レ(株)製)に比較コーティング
液(13)をNo.60ワイヤーロッドを用いて塗布
後、1昼夜23℃−湿度65%の恒温恒湿室内で風乾し
た。比較受容体用処理剤(13)の付着量は7.2g/
2であった。実施例B1と同様にして、発色性、境界
線、耐水性を評価した。(評価結果)発色性:×、境界
線:×、耐水性:×。
【0200】−比較例B4− (コーティング液の調製)受容体用処理剤(14)とし
て前記比較製造例の高分子量化合物(1)を用い、メチ
ルエチルケトンに固形分が10%となるように溶解させ
て比較コーティング液(14)を調製した。
【0201】(基材へのコーティング)A4版サイズに
切り出した透明ポリエチレンテレフタレートフィルム
(ルミラータイプT、厚さ:100μm、東レ(株)
製)に比較コーティング液(14)をNo.28ワイヤ
ーロッドを用いて塗布後、1昼夜23℃−湿度65%の
恒温恒湿室内で風乾した。
【0202】乾燥したフィルムで比較受容体用処理剤
(14)が均一に付着している中央部をほぼB5版サイ
ズになるように切り出し、重量を測定したところ、受容
体用処理剤(14)の付着量は4.3g/m2であっ
た。実施例B1と同様にして、発色性、境界線、耐水性
を評価した。
【0203】(評価結果)発色性:△、境界線:△、耐
水性:×。
【0204】以上の実施例A1〜A14と比較例A1〜
A5の結果より、本発明の高分子量ポリエーテルポリエ
ステルを水性インク受容体用処理剤として用いた方が、
発色性、境界線、吸水性、裏抜けの全ての評価で良い結
果が得られている。
【0205】さらに実施例B1〜B14と比較例B1〜
B4の結果より、本発明の高分子量ポリエーテルポリエ
ステルを水性インク受容体用処理剤として用いた方が、
発色性、境界線、耐水性の全ての評価で良い結果が得ら
れている。
【0206】また、本発明の高分子量ポリエーテルポリ
エステルは特定構造を有しているので、親水性と耐水性
のバランスに優れ、特定量導入されたカルボキシル基に
より基材(特に紙およびPETフィルム)等への密着性
およびカルボキシル基とインクの良好な親和性によって
発色性能が優れている。
【0207】
【発明の効果】本発明の水性インク受容体用処理剤は、
紙質基材および/または非紙質基材を基材とする水性イ
ンク受容体を製造する際に用いられる処理剤であって、
テトラカルボン酸無水物由来の特定構造と、特定の酸価
を有する高分子量ポリエーテルポリエステルを必須成分
として含むことを特徴とするため、水性インク吸収速度
が大きく、水性インクが滲みにくく、さらにカラー印刷
を行った場合にも混色滲みが起こりにくく、水性インク
の発色性に優れた水性インク受容層を備えた水性インク
受容体を製造できる水性インク受容体用処理剤を提供す
ることができる。また、親水性と耐水性のトータルバラ
ンスにも優れている。また、特定構造の由来のカルボキ
シル基を有しているので、基材への密着性とインクとの
親和性にも優れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙質および/または非紙質を基材とする
    水性インク受体を製造する際に用いられる処理剤であっ
    て、ポリエチレングリコールを多価酸無水物で鎖延長反
    応することにより得られる高分子量ポリエーテルポリエ
    ステルで、その酸価が0.8〜160である事を特徴と
    する高分子量ポリエーテルポリエステルを含む事を特徴
    とする水性インク受容体用処理剤。
  2. 【請求項2】 前記高分子量ポリエーテルポリエステル
    が下記一般式(1): 【化1】 (式中、Rは2価の有機残基、Zは4価の有機残基であ
    り、XおよびYはいずれも、水素原子、金属原子、アン
    モニウム基および有機アミン基からなる群より選ばれる
    少なくとも1種であり、n=1〜1000である。)で
    表されるポリエーテルポリエステル構造単位を有する数
    平均分子量500〜500,000の重合体(I)であ
    る請求項1記載の水性インク受容体用処理剤。
  3. 【請求項3】 前記多価無水物がテトラカルボン酸二無
    水物である事を特徴とする、請求項1または2に記載の
    水性受容体用処理剤。
  4. 【請求項4】 前記高分子量ポリエーテルポリエステル
    の含有量が固形分換算で10重量%以上である請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の水性インク受容体用処理
    剤。
  5. 【請求項5】 前記高分子量ポリエーテルポリエステル
    の酸価が2.0〜80である請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の水性インク受容体用処理剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005100431A3 (en) * 2004-03-24 2006-12-28 Henkel Kgaa Polycarboxy-functionalized prepolymers
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