JPH11348111A - 合成樹脂製シート成形容器の製造方法 - Google Patents

合成樹脂製シート成形容器の製造方法

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JPH11348111A
JPH11348111A JP15465998A JP15465998A JPH11348111A JP H11348111 A JPH11348111 A JP H11348111A JP 15465998 A JP15465998 A JP 15465998A JP 15465998 A JP15465998 A JP 15465998A JP H11348111 A JPH11348111 A JP H11348111A
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pva
synthetic resin
sheet
resin
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Hiromichi Inagaki
宏道 稲垣
Shigeki Takada
重喜 高田
Yoshimi Umemura
芳海 梅村
Sadahiko Shiragami
貞彦 白神
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Kuraray Co Ltd
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AI PLUS KK
Kuraray Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスの遮断性や着色性、印刷性を向上し、さ
らに合成樹脂の回収、再利用が可能な合成樹脂製シート
成形容器の製造方法を確立する。 【解決手段】 合成樹脂からなるシートにポリビニルア
ルコール系樹脂を被覆し、次いで、熱成形して容器と
し、使用後に該容器表面の該ポリビニルアルコール系樹
脂被覆層を蒸気又は熱水等の後処理により除去可能とし
た合成樹脂製シート成形容器の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスの遮断性や着
色性、印刷性を向上し、さらに合成樹脂の回収、再利用
が可能な合成樹脂製シート成形容器の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂製シート成形容器は一般に真空
成形と呼ばれる方法で製造されている。他にも圧空成
形、真空圧空成形と呼ばれる方法も採用されている。予
め赤外線ヒータや熱風などの非接触加熱や熱板による接
触加熱でシートを温め軟化させ、凹型又は凸型の金型へ
真空又は加圧空気の力で圧着冷却成形し、続く工程で型
抜きする容器製造方法が一般的に採用されている。
【0003】合成樹脂シートから製造された容器は主に
食品を包装する用途に多用されている。中でも味噌は酸
素による変色が著しく、容器に高いガスバリア性が要求
される。このため、例えばポリエチレンテレフタレート
(PET)シートにエチレン−ビニルアルコール共重合体
(EVOH)フィルムを貼り合わせたり、ポリプロピレン
(PP)シートの中間層へEVOH樹脂を共押出しにて挟
み込んだシートを用いたり、ポリアクリロニトリル(P
AN)樹脂製シートなどで成形されたガスバリア性に優
れた容器が採用されている。
【0004】包装ゴミの回収に当たり、PETボトルの
リサイクルシステムは徐々に構築が進み、近い将来最も
規模の大きな流れになると予測される。しかし、PET
以外にもPP、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(P
S)などの汎用樹脂のリサイクルシステムの組み立て
は、未だ具体化されていないのが現況である。特にそれ
以外の複合樹脂製品やポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩
化ビニリデン(PVDC)など塩素を含む樹脂に関するリ
サイクルシステムは全く手つかずであり、最後に残され
た処理方法である焼却でも多くの問題を抱えている。
【0005】従来、成形性が良く安価なことから多用さ
れていたPVCシート製容器は焼却時の塩素ガス発生の
ため疎まれ、特に食品包装の分野では採用が控えられて
いる。一方、発泡又は未発泡PSシート製容器も広い用
途に採用されている。発泡シートを成形した容器は生
肉、魚、などの生鮮食品から野菜果物のトレー包装を始
め、即席麺、即席スープやホットドリンク用に多用され
ている。また、未発泡シートを成形した容器はアイスク
リーム、乳製品やデザート容器に多用されている。発泡
シート成形トレーは嵩張るため量販店を中心とした回収
システムが徐々に構築されつつあるが減容化が急務とな
っている。PPシート成形容器は、樹脂中に無機充填剤
を混練し耐熱性を上げた電子レンジ対応機能によりコン
ビニエンスストアで拡販されている持ち帰り弁当容器に
広く採用されている。またシートの中間層へEVOH樹
脂を共押出しにて挟み込んだシートを成形して作られた
レトルト殺菌用容器は常温保存が可能な米飯やカレーな
どの包装に大量に採用されているが、リサイクルには問
題を残している。
【0006】PETシート成形容器は透明軽量で強く、
化学的に安定で他の化学薬品によっても溶出しにくい。
このためリサイクルや繰り返し使用に有利なガラスビン
が急速にPETボトルに代替されたと同様に、PETシ
ート成形容器が合成樹脂シート成形容器の分野でのシェ
アを広げている。PPシート成形容器やPSシート成形
容器は耐熱性はあるがガスバリア性が悪い。また、PE
Tシート成形容器も前述の味噌やスライスハムなど酸素
で変色し易い食品の包装用途では、十分なガスバリア性
を持った容器とはいえない。
【0007】シート成形容器にガスバリア性を付与する
手段としては、EVOHのようなガスバリア性に優れる
フィルム素材を貼り合わせたり、EVOH樹脂をシート
の表層又は中間層に共押し出しする方法が採用されてい
る。しかし使用済容器として回収された後、リサイクル
しようとするとき分離分別することは非常に困難であ
る。
【0008】PETボトルはPETシート成形容器と同
様に優れた簡便性が消費者に受け入れられ、高速大量生
産による合理化が生産を促進させ、軽量強靱性が流通を
促進させるなど、急速にボトル市場の採用を増やしてい
る。しかし反面使用済PETボトルの大量排出は都市ゴ
ミの増加に拍車をかけ、この回収と再利用(リサイクル)
に関し技術的解決を強く求められる深刻な社会問題とな
っている。
【0009】PETボトルが例えば飲料容器として使用
される場合、飲料を充填しキャップにて密封しラベルを
装着してでき上がる。従来、アルミニウム製やPP製で
あったキャップはPET製に置き換えられ、ラベルも
紙、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムや収縮性
のPSフィルム、PVCフィルムから収縮性のPETフ
ィルムに置き換えられ、全体として同一素材に統合し回
収と再利用を容易にする方向付けも始められてはいる。
しかしながら、炭酸飲料用PETボトルの中には、底部
が半球型に成形された古いタイプでベースカップと呼ば
れるPE製の袴を装着したものもあり、回収の障害とな
っている。
【0010】消費者はキャップを開封し飲料を飲み容器
を捨てる。回収に際しては、これら捨てられた容器内に
残る飲料、アルミニウムやPPキャップは取り除き、ラ
ベルも紙、OPP、PS、PVCなどで作られたものは
剥がさなければならない。PETボトルのリサイクルは
徹底した洗浄と分別を繰り返し、できるだけ純粋なPE
Tフレーク(薄片)を回収することにある。
【0011】使用済PETボトルをフレークにする工程
は、種々の選別と洗浄である。最初に重量分離機にかけ
中身の残るボトルやガラス瓶を除去、次にX線検知器で
塩化ビニル製ボトルを検知除去する。選別されたボトル
はロータリードラムセパレータと呼ばれる装置にかけら
れる。穴のあいたドラムの中で回転し擦れ合うことでキ
ャップや袴やラベルの一部が除去される。続く洗浄工程
ではアルカリ性洗剤で前洗い、本洗い、仕上げ洗いの順
に丹念に洗浄する。洗浄後、再度セパレータに投入しラ
ベル等の異物を除去する。更に手作業で着色ボトルを除
去し破砕機にて8mm角程のフレークに粉砕される。フレ
ークは洗浄後、比重分離機を経てPE、PPを除去し熱
風にて乾燥する。乾燥されたフレーク中のラベルや微粉
末を風力選別で除去し、更に静電気を利用した選別機で
キャップのアルミニウムや他の金属を除去する。そして
リンス剤による洗浄で接着剤などが除去され、熱風乾
燥、微分分離を施し再生原料となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】PETシート製容器の
リサイクルもPETボトルの場合と同様多くの工程と高
度な技術が応用され、それに伴い費用が嵩む。石油化学
により大量に合成されるPET樹脂ペレットに比較して
割高で品質の劣る再生原料は決して積極的に用途展開さ
れる素材ではない。限られた資源の有効利用を進めるた
めには使用済PETシート製容器のリサイクル費用を削
減する必要がある。PETシート製容器1個当たりの使
用樹脂量をできるだけ少なくすることは大切な手段で、
今後ともますます容器の薄肉化が図られる。それに伴い
容器のガスバリア性は悪くなる。
【0013】合成樹脂シート製容器のガスの遮断性(バ
リア性)を改善するためには容器を多層化し種々のバリ
ア性樹脂、例えばEVOHを積層する方法や、PET樹
脂に直接バリア性樹脂、例えばポリエチレンナフタレー
ト(PEN)を練り込む方法がある。これらの方法は使用
済容器の回収リサイクルの段階で選別を困難にする原因
にもなる。
【0014】着色ボトルはPETボトルのリサイクルシ
ステム中の選別工程を複雑にする。又選別された何種類
もの着色ボトルは再生が困難なため、焼却処分にされる
ことが多い。同様に着色又は印刷を施した合成樹脂シー
ト製容器も問題を抱えている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の現状
に鑑み、バリア性が高く、回収、再利用が容易で、自在
な着色や印刷を施した合成樹脂シート製容器を得る方法
について鋭意検討を重ねた結果、合成樹脂シートにPV
A系樹脂を被覆後、熱成形する方法を見出し、本発明に
至った。すなわち、本発明は、合成樹脂からなるシート
にPVA系樹脂を被覆し、次いで、熱成形して容器と
し、使用後に該容器表面の該PVA系樹脂被覆層を後処
理により除去可能としたことを特徴とする合成樹脂製シ
ート成形容器の製造方法である。
【0016】PVA系樹脂の被覆手段は、水溶液の塗
布、スプレー、浸漬後の乾燥によるか、あるいはフィル
ムのラミネートによる方法、その他の公知の方法が採用
できる。また、PVA系樹脂被覆層の除去手段としての
後処理は、PVA系樹脂の特性を利用して水蒸気や熱
水、あるいはアルカリ水などで溶出又は膨潤剥離により
合成樹脂シート本体から除去することを意味する。ここ
で、着色容器の場合は、染料又は顔料を配合したPVA
系樹脂溶液を合成樹脂からなるシートに塗工して被覆す
るし、印刷容器の場合は、被覆したPVA系樹脂の外表
面に印刷を施す。
【0017】用いるPVA系樹脂には、重合度200〜
8000、けん化度90〜100モル%のをPVAや、
α−オレフィン単位を1〜20モル%含有し、かつ重合
度200〜5000、けん化度90〜100モル%のP
VAが上記後処理による除去に際して好適である。
【0018】上記のように、合成樹脂製シートにPVA
系樹脂を被覆乾燥後、熱成形(真空成形、圧空成形、真
空圧空成形など)することによりバリア性の高い容器が
得られること、かつ、使用済の容器の回収システムに後
処理での洗浄工程を加えることにより、PVA系樹脂が
容易に剥がれ、着色皮膜や印刷インキも剥がれることに
より、バージン樹脂と同品質の再生樹脂フレークが得ら
れる方法を提供するものである。
【0019】バリア性の高い合成樹脂シート製容器を製
造する方法として、合成樹脂シートにPVA系樹脂を塗
布乾燥する本発明の方法は、従来の合成樹脂シートの表
層又は中間層にEVOHなどのバリア性樹脂を共押し出
しする方法に比べ、高速の塗布乾燥機の設置費用や一工
程が増えるが、ボトルの回収に際して異種樹脂の混入を
防ぐために欠かせない選別の必要もなく効率良く再生樹
脂フレークが得られる利点をもたらす。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に使用するPVA系樹脂
は、冷水には不溶でかつ耐水性が高く、かつ、熱水には
溶解する必要があり、結晶性の高い無変性PVAあるい
は疎水基変性PVAが好ましい。無変性PVAとして
は、重合度200〜8000、けん化度90〜100モ
ル%、さらに95〜100モル%が好ましい。重合度が
200未満では皮膜強度が不足し、8000以上では粘
度が高くなり作業性が悪くなる。けん化度90モル%未
満では皮膜に耐水性が不足する。
【0021】疎水基変性PVAとしては、例えば、炭素
数20以下のα−オレフィン単位を0.1〜20モル%
含有するPVA系樹脂が好ましい。この疎水基変性PV
Aは、重合度200〜5000、けん化度90〜100
モル%、さらに95〜100モル%が好ましい。重合度
が200未満では皮膜強度が不足し、5000以上では
粘度が高くなり作業性が悪くなる。けん化度90モル%
未満では皮膜に耐水性が不足する。
【0022】炭素数20以下のα−オレフィンとして
は、エチレン、プロピレン、イソブチレンが生産性の点
で好ましい。α−オレフィン単位の含有量としては、
0.1〜20モル%が適用されるが、好ましくは3〜1
5モル%である。α−オレフィン単位が0.1モル%未
満の場合は変性の効果が発現せず、20モル%を超える
と重合度にもよるが、水への溶解性が損なわれる。
【0023】本発明に使用するPVA系樹脂は、ビニル
エステル重合体を常法によりけん化することにより得ら
れる。ビニルエステルとしては、例えば蟻酸ビニル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バ
ーサチック酸ビニル等が挙げられるが、酢酸ビニルが好
ましい。
【0024】本発明において前述のPVA系樹脂を合成
樹脂シートに被覆乾燥後、熱成形により容器に成形され
る。PVA系樹脂を溶剤、好ましくは水に溶解した溶液
を合成樹脂シートに塗布し、乾燥する。塗布方法は特に
限定されないが、グラビアコート、ロールコートなどの
塗工方法が採用される。この場合、合成樹脂シートにア
ンダーコート剤を使用してもよいが、回収性に影響しな
い範囲に限られる。また、予めフィルム状に製膜したP
VA系樹脂を水、溶剤又はアンダーコート剤を含んだ
水、溶剤で合成樹脂シートに貼り合わせて乾燥後、熱成
形により容器に成形されることもある。
【0025】PVA系樹脂溶液に着色顔料や染料を添加
することにより、着色容器が得られる。用いる顔料、染
料は従来公知のものが使用できる。食品容器や調味料容
器は様々な環境下で輸送、販売、保管される。その際、
日光や近接する蛍光灯などの強い紫外線により変色変質
する。紫外線の影響を軽減するために、顔料を用い茶色
や緑色や青色に着色し紫外線の防止策を施す要求は強
い。しかし、製造個数が少ない場合、容器に直接着色す
る手段を採用することは多くの着色樹脂原料を調整しな
ければならず、コスト高を招き、実際上むずかしいが、
被覆するPVA系樹脂溶液に顔料や染料で着色し塗布乾
燥する本発明の方法を用いれば、このような制約に縛ら
れることなく比較的容易に採用できる。
【0026】本発明の方法では、PVA系樹脂溶液に着
色顔料や染料を添加し、あるいは添加しないで合成樹脂
シートに塗布し、乾燥後、PVA系樹脂外表面にグラビ
ア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印
刷などの印刷を施すことができる。合成樹脂シートに直
接グラビア印刷などを施し成形すれば、容器に高価な粘
着ラベルなどを装着するのに比べ格段に製造コストを低
減させるが、容器の回収時、印刷インキを有機溶剤など
で溶解除去することが必要となり、この方法は採用され
ていない。本発明の方法を用いればこのような制約に縛
られることなく予め塗布されたPVA系樹脂皮膜の表面
にグラビア印刷などを施し、成形した容器の印刷インキ
は回収時簡単に熱水又は蒸気による後処理でPVA系樹
脂皮膜と共に着色顔料も印刷インクも簡単に除去され
る。ここで「蒸気又は熱水により除去可能な」とは、容
器を85℃の熱水に1分間漬けるという測定条件におい
て、容器表面のPVA系樹脂がほぼ完全に溶出すること
を指す。PVA系樹脂の除去に用いられる蒸気又は熱水
は80℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは
90℃以上であるが、除去方法に特に制限はなく、従来
公知の方法、例えば、高結晶性のPVA系樹脂でも1〜
2%濃度のアルカリ水溶液での処理による溶解又は膨潤
剥離の方法が用いられる。
【0027】本発明のPVA系樹脂には、本発明の効果
を損なわない範囲で、充填剤、可塑剤、香料、滑剤、剥
離剤、紫外線吸収剤等の添加剤を配合することができ
る。
【0028】合成樹脂製シート成形容器の回収、再利用
には、前述の使用済PETボトルをフレークに再生する
工程がそのまま利用できる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。なお、実施例中特に断りのない限り、「%」
および「部」は重量基準を表す。
【0030】特性値の測定法法及び評価方法は次の方法
による。 (1)特性値の測定方法 (1−1)重合度、けん化度 JIS K6726にて測定した。
【0031】(2)評価方法 (2−1)ガスバリア性 MODERN CONTROLS,INC.製酸素透過
率測定装置MOCONOX−TRAN10/50A型を
用い、成形容器の内部に窒素キャリアガスを流し、成形
容器の外部を酸素雰囲気下において、20℃、65%R
Hの条件でJIS K7126(等圧法)に準じて酸素透
過量を求めた。 (2−2)耐水性 容器を20℃の水に1分間浸し、指で容器外側表面をこ
すってPVAの溶出の有無で判断した。 (2−3)回収容易性 容器を85℃の熱水の入ったウォーターバスに浸漬し、
1分後、容器の外側表面にヨード溶液を振りかけ、ヨー
ド呈色の有無からPVAの溶出を判定し、PETの回収
容易性を評価した。
【0032】実施例1 重合度1700、けん化度99.5モル%のPVA(PV
A−1と称す)の10%水溶液を調製し、厚さ1mmのP
ETシートにロールコート方式で塗布乾燥する。乾燥機
の長さは5m、温度85℃、シートの通過速度は20m
/分であった。このシートを長さ4mの赤外線ヒータを
持つオーブン中を通過させ、真空成形により、寸法縦1
20mm×横150mm×高さ55mmの約980ccの味噌容
器を得た。得られた容器の側面の厚みはPET250μ
m、PVA系樹脂1.0μmであった。ガスバリア性、耐
水性及び回収容易性の測定結果を表1に示す。表1の結
果から、上記いずれの性質も良好であることがわかる。
【0033】
【表1】
【0034】実施例2 実施例1で用いたPVA−1に代えて、エチレン含量9
モル%、重合度900、けん化度99.0モル%のエチ
レン変性PVA(PVA−2と称す)を用いた以外は実施
例1と同様にPETシートにPVAを塗布乾燥後、真空
成形により容器を得た。得られた容器の側面の厚みはP
ET250μm、PVA系樹脂1.0μmであった。ガス
バリア性、耐水性及び回収容易性の測定結果を表1に示
す。実施例1と同様にいずれの性質も良好であった。
【0035】実施例3 実施例2で用いたPVA−2、10%水溶液に青色顔料
水性インキ(大日本インキ化学工業社製ディックセーフ
CP507原色藍)を1%添加した。実施例1と同様
に、PETシートに当該PVA水溶液を塗布乾燥後、真
空成形により青色の美麗な容器を得た。得られた容器の
側面の厚みはPET250μm、PVA系樹脂1.0μm
であった。ガスバリア性、耐水性及び回収容易性の測定
結果を表1に示す。水温20℃では青色は変化なく、8
5℃では容器は無色透明となり、PVAはインキと共に
完全に溶出しており、容易にPETを回収できた。
【0036】実施例4 実施例1と同様に、予め成形したPETシートに実施例
1で用いたPVA−1の10%水溶液を塗布乾燥後、P
VA被覆表面にオリエント総業(株)製のグラビア印刷機
(OSG−1000型)で最終ボトル形状を想定した縮小
変形図案を印刷した。真空成形により美麗な印刷容器を
得た。得られた容器の厚みはPET250μm、PVA
系樹脂1.0μmであった。ガスバリア性、耐水性及び回
収容易性の測定結果を表1に示す。容器を20℃の水に
つけ、手でこすっても印刷インキの剥離もPVAの溶出
や脱落も認められなかった。得られた容器を85℃の熱
水に1分間漬けると、容器は無色透明となり印刷インキ
は離脱しPVAは完全に溶出しており、容易にPETを
回収できた。
【0037】実施例5 重合度1700、けん化度99.5モル%のPVA(PV
A−1と称す)フィルム(20μm)を180℃で20秒熱
処理したものに、ヒートシール剤を塗布する。厚さ1mm
のPETシートに200℃に加熱したロールにより約1
0m/分の速度でPVAフィルムを圧着積層する。実施
例1で用いた真空成形法により、寸法縦120mm×横1
20mm×高さ90mmの約1000ccの味噌容器を得た。
得られた容器の側面の厚みはPET250μm、PVA
系樹脂5μmであった。ガスバリア性、耐水性及び回収
容易性の測定結果を表1に示す。表1の結果から、上記
いずれの性質も良好であった。
【0038】比較例1 PVA無塗工の厚さ1mmのPETシートを長さ4mの赤
外線ヒータを持つオーブン中を通過させ、真空成形によ
り、寸法縦120mm×横150mm×高さ55mmの約98
0ccの味噌容器を得た。得られた容器の側面の厚みはP
ET250μmであった。ガスバリア性、耐水性及び回
収容易性の測定結果を表1に示すが、PVA被膜がない
のでガスバリア性に劣るものであった。
【0039】比較例2 実施例1で用いたPVA−1に代えて、重合度900、
けん化度88.0モル%のPVA(PVA−3と称す)を
用いた以外は実施例1と同様に、予め成形したPETシ
ートにPVA塗布乾燥後、真空成形により容器を得た。
得られた容器側面の厚みはPET250μm、PVA系
樹脂1.0μmであった。ガスバリア性、耐水性及び回収
容易性の測定結果を表1に示す。容器を20℃の水につ
け、手でこするとPVAが容易に溶出し、脱落した。こ
のように、低けん化度のPVAは常温水に漬けるだけで
容易に脱落するし、ガスバリア性も十分でなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る合成樹脂製シート成形容器
の製造方法は、ガスバリア性に優れるPVA系樹脂で被
覆されているから、内容物の変質を防ぎ、またPVA系
樹脂皮膜の染料又は顔料との染みのよさから美麗な色彩
の容器が得られる。しかも、使用後には蒸気又は熱水等
による簡単な後処理でPVA系樹脂皮膜が除去でき、合
成樹脂の高純度回収が容易に実施可能で、各種合成樹脂
製容器のリサイクルシステムに貢献することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 67:00 105:26 (72)発明者 梅村 芳海 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (72)発明者 白神 貞彦 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂からなるシートにポリビニルア
    ルコール系樹脂を被覆し、次いで、熱成形して容器と
    し、使用後に該容器表面の該ポリビニルアルコール系樹
    脂被覆層を後処理により除去可能としたことを特徴とす
    る合成樹脂製シート成形容器の製造方法。
  2. 【請求項2】 染料又は顔料を配合したポリビニルアル
    コール系樹脂溶液を合成樹脂からなるシートに塗工して
    被覆する請求項1記載の合成樹脂製シート成形容器の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 被覆したポリビニルアルコール系樹脂の
    外表面に印刷を施す請求項1又は2記載の合成樹脂製シ
    ート成形容器の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリビニルアルコール系樹脂には重合度
    200〜8000、けん化度90〜100モル%のポリ
    ビニルアルコールを用いる請求項1、2又は3記載の合
    成樹脂製シート成形容器の製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリビニルアルコール系樹脂にはα−オ
    レフィン単位を1〜20モル%含有し、かつ重合度20
    0〜5000、けん化度90〜100モル%のポリビニ
    ルアルコールを用いる請求項1、2又は3記載の合成樹
    脂製シート成形容器の製造方法。
JP15465998A 1998-06-03 1998-06-03 合成樹脂製シート成形容器の製造方法 Pending JPH11348111A (ja)

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