JPH11346644A - 生洋菓子及びその製造方法 - Google Patents

生洋菓子及びその製造方法

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JPH11346644A
JPH11346644A JP10160173A JP16017398A JPH11346644A JP H11346644 A JPH11346644 A JP H11346644A JP 10160173 A JP10160173 A JP 10160173A JP 16017398 A JP16017398 A JP 16017398A JP H11346644 A JPH11346644 A JP H11346644A
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JP
Japan
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fresh
confectionery
water
cake
raw
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Application number
JP10160173A
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English (en)
Inventor
Izumi Higuchi
泉 樋口
Toshiaki Komaki
利章 小巻
Hiroshi Sato
洋 佐藤
Yoshinori Tsukiji
美徳 築地
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CHIBORI KK
Original Assignee
CHIBORI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間冷凍貯蔵し、その後解凍しても品質の
劣化がほとんど起こらない生洋菓子及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】 固形物重量換算で40%以上の水溶性糖
質を含む生地を焼成して得られるスポンジケーキ又はパ
ン様部分と、必要により生クリームとを含むことを特徴
とする冷凍耐性を有する生洋菓子、及び前記生洋菓子を
中心温度が0℃以下に達するように急速冷凍した後、−
18℃以下の温度で貯蔵し、必要に応じて0℃±2℃の
温度、80%以上の関係湿度の冷室内で解凍する工程を
含む生洋菓子の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生洋菓子を品質を
劣化させることなく冷凍貯蔵し解凍して食することが可
能な生洋菓子及びその製造方法に関し、特に従来の生洋
菓子ではなし得なかった冷凍貯蔵が可能で、必要に応じ
て解凍し販売が可能な生洋菓子及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スポンジケーキ又はショートケーキと呼
ばれる、小麦粉と砂糖及び鶏卵の混合物を焼成した台状
の上部に生クリーム、ムース、ババロア及び果実等を乗
せたいわゆる生洋菓子は、製造されたその日のうちに販
売され、販売できなかった残部は多くの場合閉店後廃棄
処分にされており、その量は店舗により、その日の状況
によって異なるが平均すれば10〜20%にも達すると
いわれている。
【0003】従来技術により製造されたこれらの生洋菓
子は、冷凍貯蔵すると、生クリームが割れたり、スポン
ジケージの澱粉が老化して、著しく品質が劣化して販売
に供することがほとんど不可能であった。生クリームに
関しては、混合油脂、ソルビトール、マルトース、グル
コース、フラクトースから選ばれる1種または2種以上
の糖および糖アルコール2〜20%(固形物換算)、乳
化剤、加工澱粉リン酸塩及びガム類を必須成分として使
用する方法が提案されている(特許公報平4−1210
1号)。そのほかに冷凍耐性のある起泡性クリームが多
数提案されている(特公昭46−39061号、特公昭
58−31910号、特公昭58−47152号、特公
昭58−49228号、特公昭58−57145号、特
開昭54−105278号、特開昭54−119065
号、特開昭55−131350号及び特開昭58−15
2457号等)。しかしながら、これらの技術はいずれ
も生クリームの冷凍耐性に関する技術にとどまり、生洋
菓子生体の冷凍耐性組成やその冷凍貯蔵及び解凍方法に
ついて何ら新規な提案をしていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は長時
間冷凍貯蔵し、その後解凍しても品質の劣化がほとんど
起こらない生洋菓子及びその製造方法を提供することに
ある。
【0005】特に、本発明は、生洋菓子が製造後長期間
の貯蔵にたえず、1〜2日以内に食用に供さなければな
らない品質劣化の主な理由が、食材の微生物汚染と、焼
成によって糊化されたスポンジケーキなどの澱粉質の老
化にあることに着目して、生洋菓子の冷凍貯蔵と解凍条
件及びそれに耐え得る品質の生洋菓子を検討し、生洋菓
子の最適な冷凍、貯蔵、解凍条件、さらにスポンジケー
キ、生クリームの最適な調製条件等を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は固形物重量換算
で40%以上、好ましくは40〜50%、より好ましく
は40〜45%の水溶性糖質を含む生地を焼成して得ら
れるスポンジケーキ又はパン様部分と、必要により生ク
リームとを含むことを特徴とする冷凍耐性を有する生洋
菓子である。
【0007】前記生洋菓子が生クリームを含む場合は、
その生クリームが固形物重量換算で5%以上の水溶性糖
質を含むことが好ましい。また、前記水溶性糖質はマル
トース、マルトトリオースを主成分とするマルトオリゴ
糖、イソマルトース、イソマルトトリオース及びパノー
ス等のα−グルコシダーゼの転移作用によるオリゴ糖を
含む分岐オリゴ糖、酵素糖化水飴、トレハロースからな
る群から選択された少なくとも1種の水溶性高保水性糖
質を20%以上含有することが好ましい。さらに前記生
洋菓子は全固形分中卵固形物を17重量%以上含有する
ことが好ましく、その場合使用した生液卵に対する卵黄
の比率が0.60〜0.85に高められていることが好
ましい。
【0008】本発明の生洋菓子の製造方法では、前述の
生洋菓子を中心温度が0℃以下に達するように急速冷凍
した後、−18℃以下の温度で貯蔵し、必要に応じて0
℃±2℃の温度、80%以上の関係湿度の冷室内で解凍
する工程を含む。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の生洋菓子は前述のように
生地の配合成分とその割合、焼成後の冷凍、貯蔵および
解凍条件の組合せに特徴がある。まず、生地の配合につ
いて説明する。生地の配合は、冷凍操作および冷凍中の
氷の生成に影響を与えるので重要であり、また解凍時に
スポンジケーキに接触する生クリーム、ムース、ババロ
ア等からスポンジケーキへの水分の移行を防止するため
に重要である。
【0010】好適な配合の組合せについて種々検討を加
えた結果、生地固形分中に占める水溶性糖質の割合を4
0%以上、好ましくは40〜50%、より好ましくは4
0〜45%とやや多くし、しかも糖質は砂糖が主体とな
るが全糖質固形分中少なくとも20%以上、好ましくは
50〜60%をマルトース、マルトトリオースを主成分
とするマルトオリゴ糖、イソマルトース、イソマルトト
リオース及びパノース等のα−グルコシダーゼの転移作
用によるオリゴ糖を含む分岐マルトオリゴ糖、酵素糖化
水飴、トレハロースのいずれか又はこれらの混合物にす
ることが好ましい。ショートケーキ、スポンジケーキの
ように生卵の使用量の多い生洋菓子では、全固形分中卵
固形分の割合を少なくとも17%以上、好ましくは約2
0%にし、使用する生液卵量に対しさらに10〜20%
の卵黄を添加し、生液卵に対する卵黄の比率を全卵のそ
れよりもかなり高くすることが好ましい。
【0011】糖質の選択については甘味度と生産コスト
に対する効果を考慮すると、上述した糖質の中でもマル
トトリオースを多く含有するマルトオリゴ糖が特に適し
ている。例えば、α−アミラーゼ液化、β−アミラーゼ
およびプラナーゼ糖化によるマルトースの製造法におい
てα−アミラーゼによる液化工程を十分進めて加水分解
率を高くした後、糖化工程に入ることによってマルトト
リオースの生成率を高くした糖化液から製品化したも
の、さらにはこの糖化液をイオン交換樹脂を用いたクロ
マトグラム方式でマルトースを分離し、マルトトリオー
ス区分がマルトース区分よりも多い製品(たとえば三和
澱粉製液状オリゴトース:固形分72%、マルトトリオ
ース52%、マルトース42%、グルコース3%、マル
トテトラース3%)が最も適している。またプラナーゼ
を使用しない麦芽水飴の製法においてもα−アミラーゼ
作用が十分進んだ条件で製造された製品は、マルトース
含量が45%以上で、マルトトリオースが20〜25
%、5〜10糖の分岐デキストリンが残りの大部分であ
る酵素糖化水飴も適している。高純度のマルトースの製
品(林原製サンマルト)も有効な糖質である。
【0012】分岐(イソ)マルトオリゴ糖はマルトース
製造の条件で糖化するときにα−グルコシダーゼを含む
酵素を加えて糖化することによってマルトースが分解さ
れると共に転移作用によってイソマルトース、イソマル
トトリオースおよびパノースが生成することを利用して
製造されたものである(昭和産業製イソマルト、日本資
糧製ISO、日本食品製バイオトース)。
【0013】トレハロースは生体の凍結耐性、乾燥耐性
を示し、冷凍耐性の酵母菌体内に多量に含まれているこ
とで知られ、最近では澱粉の還元性末端の結合をα−1
−4からα−1−1結合に変換し、次いでこのα−1−
1結合のトレハロースを加水分解して生産する酵素法で
製造されるようになっている。しかし、現在ではまだ価
格的に高価な糖質である。
【0014】以上に示したこれらの糖質は甘味度的には
砂糖の30%程度である。したがって砂糖と組み合わせ
て用いることで冷凍耐性のみならず甘味度の調整も可能
となる。酵素糖化法によるグルコースおよびこのグルコ
ースをグルコース異性化酵素で約半分をフラクトースに
異性化したブドウ糖果糖液糖または果糖ブドウ糖液糖も
単糖であるために氷点降下効果がオリゴ糖よりも高いの
で本発明の効果が期待できる。しかしスポンジケーキ焼
成時に着色が大きいので、目的によって選択しなければ
ならない。
【0015】糖質の配合量は最も単純な小麦粉と等量の
砂糖および卵からなる配合では、固形分中約40%まで
であるが、本発明ではこれよりやや多くしたほうが好ま
しく、固形分中40%以上、好ましくは40〜50%、
より好ましくは40〜45%の糖質量とし、このうち少
なくとも20%以上、好ましくは50〜60%を上記し
た糖質群から選択した水溶性高保水性糖質とする。生地
の水分量は通常卵、牛乳等から持ち込まれて特に加水す
ることは少ないが、生地中の水分量は少なくとも湿物基
準で35〜40%、乾物基準では53〜67%になるよ
うな配合が適当である。
【0016】但し、サバランに代表されるような、酵母
を用いてパン製造のように発酵させてから焼成する生洋
菓子では、発酵性糖質が高濃度になると酵母の発酵作用
が阻害されるので、糖質濃度は固形分中10%程度が限
度である。この場合、焼成後に用いるシロップを工夫す
る。例えばオリゴトース(三和澱粉製:固形分72%、
マルトトリオース主体)100部と、水70〜100部
に溶解し、これにブランディー、ラム酒等の蒸留酒を2
0部程度添加してサバラン用シロップとし、これをサバ
ランにかけてパン様部分が全体として40%以上の水溶
性糖質を含有する製品とすれば良い。
【0017】生卵を多く使用する生洋菓子についても検
討した結果、生液卵のみを用いるよりも、これにさらに
卵黄を生液卵量の10〜20%加えて生液卵に対する卵
黄の比率を高め、通常1個60g重量の卵ではその比率
は0.48程度であるが、これを0.60〜0.85と
高くすることで、解凍時にスポンジケーキに水分が移行
するのを防止できることを見いだした。これは生地調製
時に生卵液に糖質を加えて撹拌し、泡立てるときタンパ
ク質と油分がレシチンの作用もあって強く微細なコロイ
ド膜を形成するため、及び最後に卵黄を加えることによ
り、さらに前記コロイド膜が強化されるためと思われ
る。卵の使用量は全固形分中卵固形物が17%以上、好
ましくは約20%が好ましい。
【0018】本発明者らが用いた生洋菓子の配合例の1
例を全量を100部(部は重量部を表す)としてその配
合の構成比を換算して示すと、小麦粉21.97部、生
液卵35.04部、生卵黄4.77部、砂糖9.25
部、サンマルトS 13.88部、コーンシロップH7
5 4.2部、乳化植物油脂2.63部、牛乳4.2
部、バター3.68部、食塩0.06部、ベーキングパ
ウダー0.11部、バニラオイル0.21部であり、計
算値によると水分量は38.63%、乾物基準では6
2.91%、固形分中の糖質量は42.7%、砂糖以外
の糖質は全可溶性糖質中64.17%と砂糖よりも多
い。卵固形分は18.23%となり、生液卵に対する卵
黄量の比率は0.77であり、通常の全卵の0.483
の1.46倍となる。
【0019】生地調製操作はまず生液卵と、糖質、乳化
植物油脂および食塩とを混合して糖質を溶解し、十分撹
拌し泡立てる。次に予め篩った薄力小麦粉とベーキング
パウダーを添加混合し、これにバターを湯煎で溶解し、
加熱した牛乳と混合したものを加え、最後に固形状から
液状に解した卵黄を加えて混合して終了する。
【0020】生クリームは、市販されている商品は主成
分を乳脂肪とし、レシチンや脂肪酸エステル、リン酸ナ
トリウム安定剤などが配合されて冷凍耐性を改良してい
るが、このような生クリームの冷凍耐性にも上記した各
種の水溶性の保水性の高い糖質が有効であり、生クリー
ム中全固形分中5%以上、好ましくは8〜18%添加す
ることで冷凍耐性がさらに改善される。
【0021】次に焼成は当業者に公知の通常の方法で行
う。即ち、180℃前後の温度のオーブンで約35〜4
5分間焼成する。焼成後のスポンジケーキは水分約30
%前後で、その水分活性は0.9以下である。生洋菓子
の上部に乗せる果物類は冷凍に適しないので別にして販
売前の適当な時期に乗せると良い。また適宜缶詰製品を
用いるとよい。
【0022】次に冷凍及び貯蔵条件について説明する。
冷凍はケーキの中心温度が0℃以下に達するまで急速冷
凍することが好ましい。急速冷凍の方法は、静置法であ
っても連続法であってもよいが、少なくとも40分以内
に完了することが好ましい。急速冷凍した後は、−18
℃以下で貯蔵する。かくすることでケーキ内の水分は細
かい氷の結晶となり組織を破壊することはなく、また糊
化した澱粉質の老化も実質的に起こらない。−18℃で
の貯蔵期間は酸化による変化が進行するので60日以内
が好ましい。
【0023】次に解凍条件について説明する。種々の条
件を検討した結果、温度−2℃〜+2℃で、しかも関係
湿度80%以上の高湿度雰囲気の冷室中に放置して解凍
する方法が最も好ましいことが明らかになった。この方
法に適した装置としては、機内に冷風を直接導入して冷
却する方法は、湿度を維持することが難しく製品が乾燥
するマイナス面が大きいので、ショーケース内の天板、
正面、側面、引き戸などが断熱効果の優れた特殊二重硝
子で構成されてその空間内を冷風が通過するような冷却
方法が適しており、さらに室内へ湿度を与える装置を具
備していることが必要である。その例として保坂製作所
製のショーケースHシリーズやオリオン機械製高湿チル
ドマンを湿度90%、室温0℃±2℃で用いるのが適し
ている。
【0024】したがって営業店では、例えば製造した商
品を−20℃以下で冷凍貯蔵し、解凍に要する時間は上
記ショーケースまたはストッカーに収容する量によって
異なるが、例えば翌朝の開店時に備えて満量収容すると
きは前夜から冷凍品を収容すれば良い。また開店中に途
中で少量追加する場合は約2時間もすれば充分解凍でき
る。中心温度−19℃の製品を+1℃の上記高湿度冷室
内で放置した場合、約100分で−4℃迄上昇し、販売
に供することが可能となった。この方法によると、その
日の販売量に応じて必要量を解凍すればよいので終業時
に廃棄処分する生洋菓子は全くなくなった。
【0025】
【実施例】本発明の実施例を以下に示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0026】実施例 1 一般的なショートケーキの製造例 10kgの生液卵の中にグラニュー糖5.6kg、オリ
ゴトース(三和澱粉製:固形分72%、マルトトリオー
ス52%、マルトース42%、グルコース3%、マルト
テトラース3%)2.2kg、食用乳化油脂ハイメル
(脂質・植物油脂38.4%、糖質・ソルビトール3
0.3%、水分31.3%)乳化剤0.75kgを添加
し、加熱しながら撹拌を続けて液温が35℃に達し、十
分泡立ちができたら、さらにバニラオイル60g、およ
び食塩18gを添加溶解し、この中へ予め篩っておいた
薄力小麦粉6.27kgとベーキングパウダー30gを
添加混合した。この中へ湯煎で加熱溶解したバター1.
05kg及び加熱した牛乳1.2kgの混合物を添加混
合し、さらに固形状から液状に解かした生卵黄1.36
kgを加えて混合してスポンジケーキの生地調製を終え
た。この生地中の水分は湿物基準で39%で、全固形分
中の水溶性糖質は41.3%で、このうち22.2%が
マルトオリゴ糖である。常法により生地を型に入れ内部
の気泡を追い出した後、180℃に加熱したオーブンで
約38分焼成した。
【0027】生クリームの調製は生クリームの耐冷凍性
を考慮して配合された。具体的には森永フレッシュ36
(乳脂肪37%、炭水化物10%、蛋白質1.5%、水
分51.2%)10kgにグラニュー糖0.8kg、オ
リゴトース0.37kg、ゼラチン−2001 30g
及びバニラエッセンス20gを配合した。まず、生クリ
ームの1部を用いてオリゴトースとゼラチンを混合し、
残部のクリームにグラニュー糖を溶解し撹拌して、次い
でゼラチン溶液とバニラエッセンスを加えてホイップし
た。常温迄冷却したスポンジケーキの上に生クリームを
上面に塗布した。
【0028】このようにして作ったケーキを急速冷凍し
た。冷凍機はオランダのコマ社製のトンネル型連続式急
速冷凍機を用いた。この冷凍機において入口温度を−2
5℃、出口温度を−40℃に設定し冷凍機内の通過時間
を約35分間としたところケーキの中心温度は−2℃に
達した。このケーキを−20℃の冷凍庫内に1週間貯蔵
した後、取り出して室内温度0℃±2℃、内部湿度が9
0%の保坂製作所製の高湿度冷室ショーケースHシリー
ズ内に移して解凍した。ケーキの中心部の温度は最初−
19℃であったが、30分後には−10℃、1時間後に
は−7℃、105分後には−4℃になり、その後販売に
供することができ、その日に製造し同一冷室内に保存し
たものと、外観的にも食味の点においても全く区別がつ
かなかった。販売時には生クリームの上部に苺のような
生果実を配置した。
【0029】実施例 2 バニラスポンジケーキの製造例 生液卵17kg、グラニュー糖4.6kg、粉末マルト
ース(林原製サンマルトS)6.9kg、酵素糖化水飴
H75 2.1kg、乳化植物油脂ハイメル1.32k
g及び食塩30gとバニラオイル100gとを混合溶解
し、この中へ予め篩っておいた薄力小麦粉バイオレット
11kgとベーキングパウダー51gとを加えて混捏
し、最後に溶融した無塩バター1.84kgと牛乳2.
1kgの混合物を添加混合し、さらに固形状から液状に
解かした生卵黄2.4kgを混合してスポンジケーキの
生地調製を終えた。この生地中の水分は湿物基準で3
8.63%、乾物基準で62.91%となった。全固形
物中の水溶性糖質は42.7%、可溶性糖質中砂糖以外
は64.17%、全固形分中の卵固形分は18.23%
で、生液卵に対する卵黄の比率は0.715で通常の全
卵のそれの1.49倍であった。これを常法により18
0℃で37分焼成した。得られたバニラスポンジケーキ
の水分は湿分基準で30.70%、乾物基準では44.
3%となり、活性水分は0.903%であった。
【0030】生クリームの調製は、森永フレッシュ36
4.5kgにグラニュー糖3.6kg、オリゴトース
1.2kg、バニラエッセンス80g、およびゼラチン
135gを加えてホイップし調製した。
【0031】以上の如く調製したケーキを実施例1と同
様に急速冷凍し、−19℃で3日間貯蔵し、高湿度冷室
ショーケース内で3時間放置し解凍して販売に供した。
その販売品は外観及び食味において当日製造品と全く差
を認められなかった。
【0032】実施例 3 クレーム・フロマージュの製造例 スポンジケーキは実施例1と同様の方法によって製造し
た。生卵黄80gと牛乳300gを混合したものに、グ
ラニュー糖70g、粉末マルトース(林原製サンマルト
S)50gを添加して加熱し、75℃で5分間混合溶解
し、25℃まで冷却した後タチュラクリームチーズ60
0gを添加混合し、次にレモンストレート果汁24g、
オレンジキュラソー20gを加え、これに、ゼラチン5
0gを200mlの湯に溶解したものを添加混合してベ
ースを造る。解凍した冷凍卵白190gと水70mlを
混合したものにグラニュー糖115gを溶解混合してイ
タリアンメレンゲを造り、ベースに混合する。これに、
ホイップした生クリーム(森永フレッシュ36)500
gを混合して、ムースを造る。直径21cmセルクル型
に直径21cm、厚さ1cmのスポンジを敷き込み、上
記ムースを流し込み、冷蔵庫で2時間冷却した後、型を
外して10等分にカットした上で、容器にとり、直ちに
コマ社製の連続式急速冷凍機内を約35分で通過させ、
ケーキの中心温度を−4℃とした後、−20℃の冷凍庫
に3日間貯蔵した。これを室内温度0℃±2℃、内部湿
度90%±3%のオリオン機械製の高湿チルドマン内に
2時間保存して解凍した。当日、同様の製法で製造した
ものと、前述の方法で解凍したものを食用に供したが、
外観、品質ともに両者間に全く差を認められなかった。
【0033】実施例 4 サバランの製造例 湯水(38℃程度)240mlに生イースト360gを
入れ約5分間溶解発酵させ、生液卵4.32kg、上白
糖1.728kg、モルトエキス0.24kgと、事前
に強力粉(日清製粉製カメリヤ粉)6.528kgと食
塩14gを混合しておいたものを混入し約15分間撹拌
した。これに、5等分した無塩バター2.4kgをそれ
ぞれ間隔をおいて混入し、生地に馴染むように撹拌し、
最後にレーズンSL 1.44kgを混合した。この生
地をホイロ(40℃)で40分間発酵させた後、一定量
計量し、型詰めし、再度ホイロ(40℃)で40分間発
酵させ、200℃で15分間焼成した。
【0034】サバランシロップはオリゴトース(三和澱
粉製 固形分72%)27kgを煮沸した湯水13.5
kgに混合し、常温に冷却した後、これにラムダーク
3.6kgとブランデーVO 1.8kgを加え混合し
て調製した。焼成したサバラン用パン(焼成後1個が約
30g)の上部を分割して刳り抜き、シロップに漬け込
み、全体重量が71g程度で取り出し、本体のサバラン
用パンにホイップした生クリームを絞り、パイナップル
のスライス7gを乗せ、その上に分割されたサバラン用
パンを被せ、さらに艶だしのために、杏ジャム9gを少
量のゼラチン混合糖液を溶かしたものを表面に塗り完成
した。
【0035】これを実施例1と同様、コマ社製のトンネ
ル型連続式急速冷凍機を通過させて中心部の温度を−2
℃とした後、−20℃の冷凍庫内に2日貯蔵し、これを
庫内温度0℃±2℃、湿度90%±3%のオリオン機械
製の高湿チルドマン内に2時間保存して解凍した。当
日、同様の製法で製造したものと、前述の方法で解凍し
たものを食用に供したが、外観、品質ともに両者間に全
く差を認められなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23G 3/00 A23G 3/00 (72)発明者 築地 美徳 山梨県東八代郡中道町下曽根3402−3 株 式会社花わらべ内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形物重量換算で40%以上の水溶性糖
    質を含む生地を焼成して得られるスポンジケーキ又はパ
    ン様部分と、必要により生クリームとを含むことを特徴
    とする冷凍耐性を有する生洋菓子。
  2. 【請求項2】 生地に含まれる水溶性糖質が40〜50
    %であることを特徴とする請求項1記載の冷凍耐性を有
    する生洋菓子。
  3. 【請求項3】 前記生洋菓子が生クリームを含み、その
    生クリームが固形物重量換算で5%以上の水溶性糖質を
    含むことを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍耐性を
    有する生洋菓子。
  4. 【請求項4】 水溶性糖質がマルトース、マルトトリオ
    ースを主成分とするマルトオリゴ糖、イソマルトース、
    イソマルトトリオース及びパノース等のα−グルコシダ
    ーゼの転移作用によるオリゴ糖を含む分岐オリゴ糖、酵
    素糖化水飴、トレハロースからなる群から選択された少
    なくとも1種の水溶性高保水性糖質を20%以上含有す
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の冷凍
    耐性を有する生洋菓子。
  5. 【請求項5】 前記生洋菓子が全固形分中卵固形物を1
    7重量%以上含有することを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか記載の冷凍耐性を有する生洋菓子。
  6. 【請求項6】 使用した生液卵に対する卵黄の比率が
    0.60〜0.85に高められていることを特徴とする
    請求項5記載の冷凍耐性を有する生洋菓子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載の生洋菓子
    を中心温度が0℃以下に達するように急速冷凍した後、
    −18℃以下の温度で貯蔵し、必要に応じて0℃±2℃
    の温度、80%以上の関係湿度の冷室内で解凍する工程
    を含むことを特徴とする生洋菓子の製造方法。
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