JPH1134503A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH1134503A
JPH1134503A JP9190934A JP19093497A JPH1134503A JP H1134503 A JPH1134503 A JP H1134503A JP 9190934 A JP9190934 A JP 9190934A JP 19093497 A JP19093497 A JP 19093497A JP H1134503 A JPH1134503 A JP H1134503A
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dye precursor
color
heat
recording material
compound
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JP9190934A
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Shigekazu Shiku
茂和 珠久
Rie Harunaga
理恵 春永
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存性、透明性、発色性に優れた感熱記録材
料の提供。 【解決手段】 透明なポリエステルフィルムを支持体と
し、その上に染料前駆体および該染料前駆体と加熱下に
反応してこれを発色させる顕色性化合物を含有する感熱
発色層を有し、染料前駆体が多価イソシアネート化合物
を溶媒とし該染料前駆体を溶質とする油性溶液を親水性
保護コロイド溶液中に乳化分散後、多価イソシアネート
化合物の高分子化反応を促進させることにより製造され
る複合微粒子に含有され、曇度(ヘーズ値)が50%以
下である感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発色性に優れ、熱
や湿度による地肌かぶりや発色画像の消色の少ない透明
性に優れた感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、染料前駆体と、この染料前駆体と
加熱下に接触してこれを呈色させる顕色剤との発色反応
を利用し、加熱により両発色物質を溶融接触させ、発色
画像を得るようにした感熱記録材料が広く知られてい
る。このような感熱記録材料は、比較的安価であり、記
録機器がコンパクトであり、かつその保守も容易である
ため、ファクシミリ、ワードプロセッサー、各種計算
機、およびその他の用途の記録媒体として、幅広い分野
において使用されている。
【0003】感熱記録材料に対し、その用途の拡大に伴
なって要求される品質も多様化しており、例えば高感度
化、画像安定化、多色記録化等の要望を挙げることがで
きる。特に多色記録手段には、強調したい文字や図形を
他の部分と異なる色調によって顕著に明確に表示できる
などの利点があり、その実用化要望が高まっている。
【0004】また、近年医療用の記録媒体として感熱記
録材料を利用する場合が多くなって来ており、特に超音
波画像診断用やX線フィルム用には優れた画像安定性が
要求されるため、基材にはプラスチックフィルムや合成
紙が利用されている。その中でもX線フィルム用にはさ
らに多色記録化や優れた透明性が要求されるようになっ
てきた。
【0005】多色記録系として、これまでに加熱温度の
差、または熱エネルギーの差を利用する試みがなされ、
種々の多色感熱記録材料が提案されている。一般に、多
色感熱記録材料は、支持体上に異なる色調に発色する高
温発色層と低温発色層を順次積層して構成されたもので
あって、これらを大別すると消色型と加色型の2種類に
分けられる。
【0006】消色型多色感熱記録材料としては、例え
ば、特公昭50−17865号公報、特公昭57−14
320号公報、および特開平2−80287号公報に開
示されているように、低温発色操作により低温発色層の
みが発色し、高温発色加熱の際には、低温発色層の発色
系に対して消色作用を有する消色剤が作用し、高温発色
層のみが発色する方法である。この方法は発色色調を自
由に選べるという長所を有するが、低温発色層に対し充
分な消色効果を得るために多量の消色剤を添加する必要
がある。すると、多量に添加された消色剤の作用により
記録発色画像が長期保存中に退色したり、消色剤を溶融
させるための熱量が余分に必要となるため、サーマルヘ
ッドに過度の負担がかかるなどの問題があり、画像記録
の信頼性や記録感度などの点に関し、必ずしも満足の得
られるものではなかった。
【0007】これに対し加色型感熱記録材料は多色感熱
記録材料の例としては、特公昭49−27708号公
報、特公昭51−19989号公報、および特開昭51
−146239号公報などに、異なる色に発色する2層
の発色層を積層し、異なる熱量を与えることにより識別
可能な2色を得る方法が記載されている。この方法は、
低温では上層の発色層が、発色し、高温では上下両発色
層が発色し、両者の色の混合色調の画像が得られるた
め、下層発色層を黒色発色系とする場合に適している。
しかしながら、十分な低温発色を出すだけの熱量をかけ
ると高温発色層の発色も一部混合するために混色が起こ
り、低温発色画像が鮮明になりにくいといった問題があ
った。また、特開昭56−99697号公報には、同一
層内に発色色調が異なり、かつ平均粒径の異なる2種類
以上の染料前駆体を混在させる方法が記載されている
が、やはり十分な低温発色を出すだけの熱量をかける
と、高温発色の一部混色が避けられないという問題があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発色
性に優れ、熱や湿度による地肌かぶりや発色画像の消色
の少ない透明性に優れた感熱記録材料を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明なポリエ
ステルフィルムを支持体とし、その上に染料前駆体およ
び該染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕
色性化合物を含有する感熱発色層を有し、染料前駆体が
多価イソシアネート化合物を溶媒とし該染料前駆体を溶
質とする油性溶液を親水性保護コロイド溶液中に乳化分
散後、多価イソシアネート化合物の高分子化反応を促進
させることにより製造される複合微粒子に含有され、曇
度(ヘーズ値)が50%以下であることを特徴とする感
熱記録材料に存する。
【0010】さらに感熱発色層中に該染料前駆体と異な
る色調に発色する染料前駆体を1種類以上含有させるこ
とを特徴とする感熱記録材料に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】X線フィルム用感熱紙では、優れ
た透明性が必要とされており、曇度(ヘーズ値)が50
%以下のものが望ましい。そのため支持体としては、透
明で剛度の高いポリエステルフィルムが好ましい。支持
体のポリエステルフィルムの種類は特に限定されるもの
ではなく、ポリエステルフィルムに成形することのでき
る公知のポリエステルを適宜選択して使用することがで
きる。このようなポリエステルの具体例としては、例え
ばポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−o−オキシベンゾエー
ト、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボ
キシレート及びポリエステルの共重合体等を挙げること
ができる。感熱記録材料の透明性の点から支持体のポリ
エステルフィルムの曇度(ヘーズ値)は10%以下が好
ましい。
【0012】本発明においては、支持体から感熱記録層
がはがれることを防ぐ目的で、支持体上に下塗り層を設
けることができる。下塗り層としては、アクリル酸エス
テル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、SBR、水性ポリ
エステルなどを用いることができ、膜厚としては、0.
1〜5μmとすることが望ましい。また、支持体表面
を、感熱層または下塗り層を塗布する前に、コロナ放電
処理、グロー放電処理、紫外線照射処理等を行なうこと
は、塗工層とのぬれおよび接着を強固にするために好ま
しい。
【0013】本発明で使用される染料前駆体としては、
トリアリール系、ジフェニルメタン系、チアジン系、ス
ピロピラン系、ラクタム系、フルオラン系などのロイコ
体が好ましく使用できる。本発明において、2色感熱記
録材料を構成する場合、高温発色に使用する染料前駆体
は黒色に発色するものが好ましく用いられる。高温発色
に黒色発色性染料前駆体を使用する場合、低温発色で使
用する染料前駆体は、赤、赤紫、オレンジ、青、緑など
に発色し、高温発色で使用する黒色発色性染料前駆体の
黒色発色と明確に区分できる色調を有するものであるこ
とが好ましい。
【0014】黒色発色を与える染料前駆体としては、3
−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチ
ルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−2−テ
トラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7
−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−アミ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N
−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチル
アミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ)
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−
ジ−n−ブチルアミノ7−(2−クロロアニリノ)フル
オラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリ
ノ)フルオラン、2、4−ジメチル−6−(4−ジメチ
ルアミノアニリノ)フルオランおよび3−(N−シクロ
ヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン等の少なくとも1種を用いることができ
る。
【0015】赤もしくは赤紫、オレンジ色系統の発色を
与える染料前駆体としては、3,6−ビス(ジエチルア
ミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3,6−ビ
ス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(p−ニトロ)
アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フ
ルオラン−γ−(o−クロロ)アニリノラクタム、3−
ジメチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチル
アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−tert−ブチルフルオラン、3−(N−エ
チル−N−トリルアミノ)−7−メチルフルオラン、3
−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−エチルフル
オラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−
6−メチル−7−クロロフルオラン、および3−(N−
エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフル
オランをあげることができる。
【0016】赤色、赤紫色、オレンジ色系統の発色色調
を与える染料前駆体としては、さらに3−シクロヘキシ
ルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチル
アミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−ジ−
n−ブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ト
リルアミノ−7−メチルフルオラン、3−トリルアミノ
−7−エチルフルオラン、2−(N−アセチルアニリ
ノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラ
ン、2−(N−プロピオニルアニリノ)−3−メチル−
6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベン
ゾイルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルア
ミノフルオラン、2−(N−カルボブトキシアニリノ)
−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−(N−ホルミルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−
n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジルアニ
リノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオ
ラン、2−(N−アリルアニリノ)−3−メチル−6−
ジ−n−ブチルアミノフルオラン、および2−(N−メ
チルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミ
ノフルオランをあげることができる。
【0017】赤色、赤紫色、およびオレンジ色系統の発
色色調を示す染料前駆体として、さらに3,3′−ビス
(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)
フタリド、3,3′−ビス(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3,3′−ビス(1−
n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタ
リド、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3
−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロク
ロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3′−フタリ
ド〕、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3
−メチル−1−p−メチルフェニルスピロ〔(1,4−
ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,
3′−フタリド〕、および7−(N−エチル−N−n−
ヘキシルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ
〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾー
ル)−4,3′−フタリド〕などをあげることができ
る。
【0018】青色発色を与える染料前駆体としては、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2
−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル
−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエ
チルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−
4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3
−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−
4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−3−(2−n−ヘキシルオキシ−
4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、お
よび3−ジフェニルアミノ−6−ジフェニルアミノフル
オランなどをあげることができる。
【0019】緑色発色を与える染料前駆体としては、3
−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−7−アニ
リノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジル
アミノフルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ
−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−
(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−(N−フ
ェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−〔p−
(p−アニリノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7
−クロロフルオラン、および3,6−ビス(ジメチルア
ミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチ
ルアミノ)フタリドなどをあげることができる。
【0020】黄色系統の発色を与える染料前駆体とし
て、3,6−ジメトキシフルオラン、および1−(4−
n−ドデシルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−
(2−キノリル)エチレンなどがある。上記の染料前駆
体は単独で使用してもかまわないが、色調補正のために
他の色の染料前駆体と併用することも効果的である。
【0021】さらに、複合微粒子に含有させるかまたは
固体微粒子状態で使用できる染料前駆体としては、上述
の電子供与性発色性染料の他に酸化型発色性染料を利用
することができる。またジアゾニウム塩とカプラーとの
反応を利用することもできる。
【0022】本発明において、前記染料前駆体を複合微
粒子中に含有させたものと異なる色調に発色する染料前
駆体を固体微粒子状態で併用使用する場合、当該染料前
駆体を、水を分散媒体として、サンドグラインダー、ア
トライター、ボールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕
機によって粉砕し、これをポリアクリルアミド、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン基変
性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそれらの誘導
体などの水溶性合成高分子化合物の他、必要に応じて界
面活性剤、消泡剤などと共に分散媒体中に分散させ分散
液とし、この分散液を感熱発色層形成用塗料の調製に用
いることができる。
【0023】また染料前駆体を溶剤に溶解した後、この
溶液を水中で上記水溶性高分子を安定化剤として乳化分
散後、この乳化液から溶剤を蒸発させ染料前駆体を固体
微粒子化して使用することもできる。いずれの場合も固
体微粒子状態で使用する染料前駆体の分散粒子の平均粒
子径は、適切な発色感度を得るために0.2〜3.0μ
mであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.
5μmである。
【0024】この複合微粒子は多価イソシアネート化合
物と染料前駆体とを溶解した油性溶液を親水性保護コロ
イド溶液中に乳化分散後、多価イソシアネート化合物の
高分子化反応を促進させることにより製造するもので、
加熱下、顕色性化合物と反応し発色する。この場合の発
色温度は主に多価イソシアネートおよび後述のポリオー
ル、多価アミンの種類の選択、および染料前駆体と高分
子物質との配合比率、さらには複合微粒子の粒径などを
適宜に調整することにより自由に変えることができる。
複合微粒子中の染料前駆体は外部との隔離性が高く、熱
や湿度による地肌かぶりや発色画像の消色が少なく、染
料前駆体がイソシアネートに溶解されるため感熱記録層
の透明度が固体微粒子状態で使用する場合に比較して優
れている。また、発色温度、発色色調の違う2種以上の
複合微粒子と顕色性化合物を組み合わせるか、この複合
微粒子と異なる色調に発色する固体微粒子状態の染料前
駆体と顕色性化合物を組み合わせれば、低温発色への高
温発色色調の混ざりがより少ない多色感熱記録材料を得
ることもできる。
【0025】本発明で使用することのできる複合微粒子
は、多価イソシアネート化合物を溶媒とし染料前駆体を
溶質とする溶液を親水性保護コロイド溶液中に乳化分散
後、系を昇温させ溶液中の多価イソシアネート化合物の
高分子化反応を促進させることを特徴とするもので複合
微粒子中に実質的に有機溶剤を含まないためその物理的
強度が高い。このため、複合微粒子を用いた多色感熱記
録材料は耐圧性、耐摩擦性に優れている。また、高分子
化合物形成時に低沸点有機溶剤等を用いないため溶剤の
蒸発などによる悪影響がなく高い隔離性を示し、熱や湿
度による地肌かぶりや発色画像の消色も少ない。複合微
粒子は多価イソシアネートの高分子化反応によって形成
されるポリウレア、およびポリウレタンより選ばれた少
なくとも1種の高分子物質と、染料前駆体とからなるも
のであって、染料前駆体と高分子物質とが分子レベルで
混合し、固溶体状態で存在していると考えられる。複合
微粒子の外観は、電子顕微鏡で観察するとほぼ球形をし
ているか、または真ん中がくぼんだ赤血球状である。
【0026】本発明で使用する複合微粒子の製造におい
ては、まず、染料前駆体を多価イソシアネート化合物に
溶解した溶液を作成する。このときの溶解温度は、70
℃以上が好ましく、それ以下の温度では溶質である染料
前駆体の多価イソシアネート化合物に対する溶解性が低
く、十分な隔離性を持った複合微粒子を製造できないこ
とがある。この溶液をポリビニルアルコール等の保護コ
ロイド物質を溶解含有している水性媒体中に乳化分散
し、さらに必要により水溶性ポリアミン等の反応性物質
を添加後、40℃以上に加熱し、高分子形成原料を重合
させ、染料前駆体とポリウレアまたはポリウレタン−ポ
リウレアよりなる複合微粒子を形成する。
【0027】本発明で用いられる多価イソシアネート化
合物とは水と反応することによりポリウレアまたは、ポ
リウレタン−ポリウレアを形成する化合物であり。多価
イソシアネート化合物のみであってもよいし、又は多価
イソシアネート化合物及びこれと反応するポリオールと
の混合物、或いは多価イソシアネート化合物とポリオー
ルの付加物、ビウレット体、イソシアヌレート体等の多
量体であってもよい。これら多価イソシアネート化合物
に染料前駆体を溶解し、この溶液を、ポリビニルアルコ
ール等の保護コロイド物質を溶解含有している水性媒体
中に乳化分散し、さらに必要によりポリアミン等の反応
性物質を混合後、この乳化分散液を加温することによ
り、高分子形成性原料を重合させることによって高分子
化し、それによって染料前駆体と高分子物質とからなる
複合微粒子を形成することができる。
【0028】高分子形成性原料として用いられる多価イ
ソシアネート化合物としては例えば、m−フェニレンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレン
ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネ
ート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタン−4,4‘−ジイソシアネ
ート、5−イソシアナト−1−(イソシアナトメチル)
−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビ
ス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチ
ルキシリレンジイソシアネート、3,3′−ジメチルジ
フェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、キシリ
レン−1,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニ
ルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン
−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイ
ソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシア
ネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート
等のジイソシアネート類、4,4′,4″−トリフェニ
ルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−
トリイソシアネート等のトリイソシアネート類、4,
4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′
−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類、
などがある。多価イソシアネート化合物とポリオールと
の付加物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネ
ートのトリメチロールプロパン付加物、2,4−トリレ
ンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、
キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン
付加物、トリレンジイソシアネートのヘキサントリオー
ル付加物等のイソシアネートプレポリマーを用いること
ができる。また多価イソシアネート化合物、例えばヘキ
サメチレンジイソシアネートのビウレット体、イソシア
ヌレート体等の多量体も、本発明の高分子形成性原料と
して用いることができる。
【0029】また高分子形成性原料に用いられるポリオ
ール化合物としては、例えばエチレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、プロピレングリコール、2,3−ジヒドロキシブタ
ン、1,2−ジヒドロキシブタン、1,3−ジヒドロキ
シブタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘ
キサン、ジエチレングリコール、1,2,6−トリヒド
ロキシヘキサン、フェニルエチレングリコール、1,
1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオー
ル、ペンタエリスリトール、グリセリン等の脂肪族ポリ
オール、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等
の芳香族多価アルコールとアルキレンオキサイドとの縮
合生成物、p−キシリレングリコール、m−キシリレン
グリコール、α,α′−ジヒドロキシ−p−ジイソプロ
ピルベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタ
ン、2−(p,p′−ジヒドロキシジフェニルメチル)
ベンジルアルコール、4,4′−イソプロピリデンジフ
ェノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4′−イソプロピリデンジフェノールのエチレンオ
キサイド付加物、4,4′−イソプロピリデンジフェノ
ールのプロピレンオキサイド付加物、2−ヒドロキシア
クリレートのような分子内にヒドロキシ基のあるアクリ
レート等が挙げられる。
【0030】もちろん、多価イソシアネート化合物、多
価イソシアネートとポリオールの付加物及びポリオール
化合物などは、前記化合物に限定されるものではなく、
また、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
【0031】また本発明の高分子形成性原料に用いられ
るポリアミン化合物としては、例えばエチレンジアミ
ン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p
−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ピペ
ラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペ
ラジン、2−ヒドロキシトリメチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラ
エチレンペンタミン、エポキシ化合物のアミン付加物等
が挙げられる。また本発明の目的を損なわない範囲で、
他の高分子物質を含有させることもできる。
【0032】複合微粒子製造における染料前駆体と多価
イソシアネート化合物との重量比率は、発色感度の点か
ら多価イソシアネートの重量に対して、染料前駆体の重
量が5〜100重量%であることが好ましく、20〜7
0重量%であることがより好ましい。また、複合微粒子
製造において、油性溶液の合計重量に対し多価イソシア
ネート化合物、染料前駆体の合計は90重量%以上とす
ることが白紙かぶりの少ない感熱記録材料が得られるた
め望ましい。
【0033】本発明では発色感度をあげる目的で複合微
粒子作成時の溶質として、染料前駆体の他に融点が40
℃以上150℃以下であり、かつ沸点150℃以上の有
機化合物を併用することができる。このような有機化合
物としては、芳香族ケトン化合物、芳香族エーテル化合
物、芳香族環状エステル化合物が好ましく使用できる。
芳香族ケトン化合物としては、ベンゾフェノン、芳香族
エーテル化合物としては、1,2−ジ(m−トリルオキ
シ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−
メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)
エタン、芳香族環状エステル化合物としては、クマリ
ン、フタリドなどがある。上記の有機化合物は単独で使
用してもかまわないが、2種以上併用することも可能で
ある。
【0034】本発明において、複合微粒子の調製に用い
られる乳化剤(保護コロイド剤)としては、前記の固体
微粒子状態の染料前駆体を分散する時に使用される水溶
性高分子と同一のものを用いることができる。同時に界
面活性剤、消泡剤などを使用してもよい。複合微粒子調
製時の乳化剤の使用量については特に限定はないが、一
般に、複合微粒子重量に対して1〜50重量%であるこ
とが好ましく、3〜30重量%程度であることがより好
ましい。
【0035】本発明に使用される複合微粒子中には、染
料前駆体の他に、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止
剤、油溶性蛍光染料、離型剤等が添加されていてもよ
い。このような添加物質は、常温で固体であることが好
ましいが、液体であってもよい。染料前駆体が2種類以
上の混合物であってもよい。本発明の複合微粒子の平均
粒子径は、発色感度を考慮すると、0.1〜15μmで
あることが好ましく、0.2〜4.0μmの範囲となる
ように調節することがより好ましい。
【0036】本発明の複合微粒子を使用することによ
り、押圧力による地発色や、熱や湿度による地肌かぶり
を抑制することができ、そればかりでなく透明度を高
め、発色画像の熱や湿度による消色も著しく抑制するこ
とができる。
【0037】本発明において、2色感熱記録材料を構成
する場合の高温発色染料前駆体と低温発色染料前駆体の
比率には、限定はないが、一般に高温発色染料前駆体1
00重量部に対し、低温発色染料前駆体の量を20〜6
00重量部にすることが好ましく、より好ましくは40
〜300重量部である。
【0038】これらの感熱記録材料は複数の染料前駆体
を各々異なる層に配する多層発色層の構成であってもよ
いし、複数の染料前駆体を同一の層に含有させる単層発
色層の構成であってもよい。しかしながら曇度の点か
ら、複数の染料前駆体を同一の層に含有させる単層発色
層の構成のものが好ましい。
【0039】本発明において使用される顕色性化合物に
ついては特に制限はないが、一般に温度の上昇によって
液化、又は溶解する性質を有し、染料前駆体と接触して
これを発色させる性質を有するものから選ばれる。代表
的な顕色性化合物としては4−tert−ブチルフェノ
ール、4−アセチルフェノール、4−tert−オクチ
ルフェノール、4,4′−sec−ブチリデンジフェノ
ール、4−フェニルフェノール、4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルメタン、4,4′−イソプロピリデンジフ
ェノール、4,4′−シクロヘキシリデンジフェノー
ル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルサル
ファイド、4,4′−チオビス(3−メチル−6−te
rt−ブチルフェノール)、4,4′−ジヒドロキシジ
フェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニル
スルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフ
ェニルスルホン、およびビス(3−アリル−4−ヒドロ
キシフェニル)スルホンなどのフェノール性化合物をあ
げることができる。
【0040】さらに本発明において、顕色性化合物とし
て使用できる化合物としては4−ヒドロキシベンゾフェ
ノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキ
シ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、
4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロ
キシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安
息香酸クロロフェニル、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテルなどのフェノール性化合物、または、安息
香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息
香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチ
ルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベン
ジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル
酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸などの芳
香族カルボン酸、およびこれらフェノール性化合物、芳
香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニ
ウム、カルシウムなどの多価金属との塩などの有機酸性
物質などが挙げられる。
【0041】本発明において使用する顕色性化合物はヒ
ドロキシル基を分子内に含むジフェニルスルホン誘導体
がより好ましく、例えば、4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェ
ニルスルホン、およびビス(3−アリル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホンなどを例示することができる。こ
のような顕色性化合物は、発色画像の保存性に優れた特
性を有する。これは、上記顕色性化合物のスルホン基の
強い電子吸引性によるものと推測される。また、油や可
塑剤などが接触してもより消色しにくい発色画像を形成
するためには、顕色性化合物として4,4′−ビス(p
−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェ
ニルメタン、又はN−(p−トルエンスルホニル)−
N′−フェニル尿素を単独または併用使用することが好
ましい。
【0042】顕色性化合物は通常、染料前駆体の合計重
量に対し、100〜700重量%の割合で用いることが
好ましく、より好ましくは150〜400重量%の割合
で使用される。もちろん必要に応じて、2種類以上の顕
色性化合物を併用することもできる。
【0043】本発明においては、主に発色記録画像の保
存性向上のために、画像安定化剤を用いてもよい。この
ような画像安定化剤としては、例えば1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシル
フェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4′−〔1,
4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフ
ェノール、および4,4′−〔1,3−フェニレンビス
(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノールなどのフェ
ノール系の化合物、4−ベンジルオキシフェニル−4′
−(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキシ)フ
ェニルスルホン、4−(2−メチル−1,2−エポキシ
エチル)ジフェニルスルホン、および4−(2−エチル
−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン等のエ
ポキシ化合物、並びに1,3,5−トリス(2,6−ジ
メチルベンジル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチ
ル)イソシアヌル酸などのイソシアヌル酸化合物から選
ばれた1種以上を含むものを用いることができる。もち
ろん、画像安定化剤はこれらに限定されるものではな
く、又必要に応じて2種類以上の化合物を併用すること
もできる。
【0044】感熱記録材料の感熱発色層の発色感度を調
節するために、感熱発色層に熱可融性物質を増感剤とし
て含有させることができる。増感剤としては、従来から
感熱記録材料の増感剤として知られている化合物を使用
することができ、例えばパラベンジルビフェニル、ジベ
ンジルテレフタレート、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ
酸フェニル、シュウ酸ジベンジル、アジピン酸ジ−o−
クロルベンジル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)
エタン、シュウ酸ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸ジ
−p−クロルベンジル、1,2−ビス(3,4−ジメチ
ルフェニル)エタン、1,3−ビス(2−ナフトキシ)
プロパンなどをあげることができる。特にシュウ酸ジ−
p−メチルベンジルとシュウ酸ジ−p−クロルベンジル
を増感剤として使用すると、かぶりが少ない増感効果が
得られる。
【0045】本発明において使用される顕色性化合物、
画像安定化剤および増感剤などの添加剤は、染料前駆体
を固体微粒子状態で使用する時と同じ方法で水中に分散
させ、感熱発色層形成塗料の調製の際にこれに混合すれ
ばよい。また、これらの添加剤を溶剤に溶解し、水溶性
高分子化合物を乳化剤として用いて水中に乳化して使用
することもできる。さらには前記の複合微粒子調製方法
と同様の方法で、これら化合物を含有する複合微粒子を
作成し、これを感熱発色層に含有させてもよい。また画
像安定化剤および増感剤は、染料前駆体を含有する複合
微粒子中に含有させてもよい。
【0046】感熱発色層の白色度向上および画像の均一
性向上のため、白色度が高く、平均粒子径が10μm以
下の微粒子顔料を感熱発色層に含有させることができ
る。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオ
リン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、ケイソウ
土、合成ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、
水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭
酸カルシウムやシリカなどの無機顔料、並びに、尿素−
ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、
ポリスチレン樹脂等の有機顔料が使用できる。顔料の配
合量は、透明性や発色濃度を低下させない程の量、すな
わち、感熱発色層の全固形分重量に対して40重量%以
下であることが好ましい。
【0047】本発明において、感熱発色層を構成する他
の成分材料として接着剤が用いられ、さらに必要によ
り、架橋剤、ワックス類、金属石鹸、有色染料、有色顔
料、および蛍光染料などを用いることができる。接着剤
としては、例えばポリビニルアルコール及びその誘導
体、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等の
セルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニル
ピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重
合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタアク
リル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共
重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼ
イン、ゼラチン及びそれらの誘導体等の水溶性高分子材
料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアク
リル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−
酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共
重合体などの水不溶性重合体のラテックスなどをあげる
ことができる。
【0048】また、感熱発色層の耐水性を向上させるた
めに、接着剤を三次元硬化させるための架橋剤を感熱発
色層中に含有させることができる。例えば、グリオキザ
ール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等の
ポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹
脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリ
ジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、並びに過
硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、および塩化マグネシウ
ム、四ホウ酸ソーダ、四ホウ酸カリウム等の無機化合物
又はホウ酸、ホウ酸トリエステル、ホウ素系ポリマー等
から選ばれた少なくとも1種の架橋性化合物を感熱発色
層の全固形分重量に対し1〜10重量%の範囲で用いる
ことが好ましい。
【0049】感熱発色層に添加されるワックス類として
は、パラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイ
クロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、
およびポリエチレンワックスなどのワックス類、並びに
例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸
アミドなどの高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、
およびその誘導体などをあげることができる。特にメチ
ロール化脂肪酸アミドを感熱発色層に添加すると、地肌
かぶりを悪化せずに増感効果を得ることができる。
【0050】感熱発色層に添加される金属石鹸として
は、高級脂肪酸多価金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、
およびオレイン酸亜鉛等をあげることができる。また低
温発色色調に対して補色の関係にある色調を有する有色
染料、および/又は有色顔料を感熱発色層中に含有させ
ることは、印字前の記録材料の色調を調節するために好
ましく用いられる。必要に応じて、本発明の効果を損な
わない範囲で、感熱発色層中に、さらに撥油剤、消泡
剤、粘度調節剤など各種添加剤を添加することができ
る。
【0051】本発明においては、感熱記録材料の付加価
値を高めるために、これにさらに加工を施し、より高い
機能を付与した感熱記録材料とすることができる。例え
ば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の
粘着剤などによる塗布加工を全面または一部分に施すこ
とにより粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙とし
たり、或は裏面に磁気加工を全面または一部分に施すこ
とにより磁気記録可能な層を有する感熱記録材料とする
ことができる。また、裏面を利用して、これに熱転写用
紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、静電記録
紙、ゼログラフィ用紙としての機能を付与し、両面記録
が可能な記録紙とすることもできる。もちろん両面感熱
記録材料とすることもできる。
【0052】本発明においては、感熱発色層の上に保護
層を設け、感熱発色層の下に下塗層を設けることができ
る。これらの追加層として、感熱記録材料に使用されて
いる公知の保護層および下塗層を利用することができ
る。保護層および下塗層は、ともに顔料および接着剤を
主体とし構成することが望ましい。特に保護層には、サ
ーマルヘッドに対するスティッキングを防止する目的
で、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸亜鉛のよう
な滑剤を添加することが好ましく、またこれを2層以上
に構成することもできる。また光沢のある保護層を設け
ることにより、製品の付加価値を高めることもできる。
下塗り層には、シリカ、焼成カオリンなどのような空隙
率の高い顔料を使用することにより、その上の感熱発色
層の発色感度をあげることができる。また下塗り層中に
プラスチックピグメント、中空粒子、発泡体などを含有
させることもその上に形成される感熱発色層の発色感度
向上に効果がある。
【0053】本発明の感熱発色層上または前記保護層を
中間層としてさらに上に、紫外線硬化樹脂や電子線硬化
樹脂を含む保護層を設けることもできるし、その上ある
いは下にUVインキ、フレキソインキなどで印刷するこ
ともできる。
【0054】支持体上に前記各層を形成する方法として
は、エアーナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロール
コーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、および
エクストルージョン法など既知の塗布方法のいずれを利
用してもよい。また印刷機などを使用して本発明の感熱
発色層塗料を部分印刷して使用することもできる。感熱
発色層用塗料は、支持体に通常1〜20g/m2(乾
燥)となる様に塗布され、それによって感熱発色層が形
成される。また、記録材料裏面にカールコントロールの
ためにバック層を設けることもできる。
【0055】また感熱記録材料をスーパーカレンダーや
ソフトカレンダーなどの既知の平滑化方法を用いて平滑
化処理することは、その発色感度を高める事に効果があ
る。感熱発色層側を、カレンダーの金属ロールおよび弾
性ロールのいずれに当てて処理してもよい。
【0056】
【実施例】本発明を実施例により更に詳しく説明する
が、本発明はこれらにより限定されるものではない。な
お、特に断わらない限り、「部」および「%」はそれぞ
れ「重量部」および「重量%」を示す。 実施例1 (1)黒系発色性染料前駆体含有複合微粒子の分散液の
調製 黒系発色性染料前駆体として3−ジ−n−アミルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン8部、3―(4
―ジエチルアミノー2―エトキシフェニル)―3―(1
―エチルー2―メチルインドールー3―イル)―4―ア
ザフタリド3部を100℃に加熱したジシクロヘキシル
メタン−4,4’−ジイソシアネート24部に溶解し、
この溶液を35℃に冷却後、同温度の8%ポリビニルア
ルコール(日本合成化学工業製、商標:ゴーセノールG
M−14L)水溶液100部に徐々に添加し、ホモジナ
イザーを用い、回転数8000rpm の撹拌によって乳化
分散した後、この乳化分散液に水40部を加えて均一化
した。この乳化分散液を90℃に昇温し、10時間の硬
化反応を行わせて、平均粒子径0.6μmの、黒系発色
性染料前駆体含有複合微粒子の分散液を調製した。
【0057】(2)顕色性化合物、増感剤の固体分散液
の調製 顕色性化合物ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホンをポリビニルアルコールと下記の配合比率
で混合し、各混合物を縦型サンドミル(アイメックス
(株)製、サンドグラインダー)を用いて、平均粒子径
が0.6μmとなるように粉砕、分散した。 成分 量(重量部) 顕色性化合物 40 ポリビニルアルコール10%液 40 (重合度500、鹸化度90%) 水 20
【0058】別に接着剤液として固形分濃度48%のス
チレン・ブタジエンラテックス(ポリラック752A、
三井東圧化学工業(株)製)、ワックス液として固形分
濃度22%のステアリン酸アミドエマルジョンを用意し
た。
【0059】(3)感熱発色層の形成 上記の黒系発色性染料前駆体含有複合微粒子の分散液、
顕色性化合物分散液、ワックス液、接着剤液を固形分配
合比率が20:30:5:10となるように配合し、感
熱発色層塗工液を調製した。この塗工液をメイヤーバー
を用いて支持体であるポリエステルフィルム(厚さ12
5μm 商品名:帝人HMW)上に、7.0g/ m2
の塗工量(乾燥)で塗工し乾燥して感熱記録材料を作製
した。
【0060】実施例2 (4)赤系発色性染料前駆体の固体分散液の調製 赤系発色性染料前駆体3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−クロロフルオランを実施例1の顕色性化合物と同
様の方法で、平均粒子径が0.6μmとなるように粉
砕、分散して赤系発色性染料前駆体固体分散液を得た。
【0061】実施例1の感熱発色層の形成において、黒
系発色性染料前駆体含有複合微粒子の分散液、赤系発色
性染料前駆体分散液、顕色性化合物分散液、ワックス
液、接着剤液を固形分配合比率が20:8:30:5:
10となるように配合し、感熱発色層塗工液を調製した
以外は実施例1と同様に感熱記録材料を作製した。
【0062】比較例1 実施例1において、黒系発色性染料前駆体含有複合微粒
子の分散液の代わりに黒系発色性染料前駆体として3−
ジ−n−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オランを実施例1の顕色性化合物と同様の方法で、平均
粒子径が0.6μmとなるように粉砕、分散した分散液
を使用した以外は実施例1と同様に感熱記録材料を作製
した。 成分 量(重量部) 黒系発色性染料前駆体 40 ポリビニルアルコール10%液 40 (重合度500、鹸化度90%) 水 20
【0063】比較例2 実施例2において、黒系発色性染料前駆体含有複合微粒
子の分散液の代わりに黒系発色性染料前駆体として3−
ジ−n−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オランを実施例1の顕色性化合物と同様の方法で、平均
粒子径が4.8μmとなるように粉砕、分散した分散液
を使用した以外は実施例2と同様に感熱記録材料を作製
した。
【0064】前記の操作により得られた感熱記録材料の
各々について試験を行なった。感熱記録は感熱印字試験
装置TH−PMD(大倉電機製)を用いて、副走査線密
度:8ライン/mm、ドット当たり印加エネルギー:0.
2mJの条件下に2ラインの細線を印字し、低温印字にお
ける低温発色を行った。また、別にこの印字と並べて、
副走査線密度:8ライン/mm、ドット当たり印加エネル
ギー:0.8mJの条件下に2ラインの細線を印字し、高
温印字における高温発色を行った。また高温印字におけ
る条件でベタ発色させた。
【0065】このようにして得られた感熱記録材料を以
下の方法で品質評価を行なった。 <透明性> 感熱記録材料の未記録部の曇度(ヘーズ
値)をヘーズメーターTC―HIII(東京電色社製)を
用い測定した。 [数値が低い程、透明である] <透過記録濃度> 高温印字における条件でベタ発色さ
せた感熱記録材料の透過記録濃度をマクベス濃度計TD
―904(マクベス社製)を用い測定した。 <発色部の区分> 2細線の区分を、目視により下記の
評価基準で評価した。 ○:非常に明確に区分できる ×:区分が不明瞭である <保存性> 高温印字における条件でベタ発色させた感
熱記録材料を40℃90%RHの条件下で24時間暴露
した時、処理前後の透過記録濃度の残存率を測定、計算
した。[未記録部;数値が低い程、地肌かぶりが良
い。] [記録部;数値が高い程、記録保存性が良い]
【0066】上記試験結果を表1に示す。
【表1】
【0067】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
によって熱や湿度による地肌かぶりや発色画像の消色が
少ない透明性に優れた感熱記録材料を製造することが可
能となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明なポリエステルフィルムを支持体と
    し、その上に染料前駆体および該染料前駆体と加熱下に
    反応してこれを発色させる顕色性化合物を含有する感熱
    発色層を有し、染料前駆体が多価イソシアネート化合物
    を溶媒とし該染料前駆体を溶質とする油性溶液を親水性
    保護コロイド溶液中に乳化分散後、多価イソシアネート
    化合物の高分子化反応を促進させることにより製造され
    る複合微粒子に含有され、曇度(ヘーズ値)が50%以
    下であることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 感熱発色層中に該染料前駆体と異なる色
    調に発色する染料前駆体を1種類以上含有させることを
    特徴とする請求項1記載の感熱記録材料。
JP9190934A 1997-07-16 1997-07-16 感熱記録材料 Pending JPH1134503A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9190934A JPH1134503A (ja) 1997-07-16 1997-07-16 感熱記録材料

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JP9190934A JPH1134503A (ja) 1997-07-16 1997-07-16 感熱記録材料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007032325A1 (ja) 2005-09-14 2007-03-22 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha ポリエステルおよびポリエステルの製造方法、ならびにポリエステル成形体

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WO2007032325A1 (ja) 2005-09-14 2007-03-22 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha ポリエステルおよびポリエステルの製造方法、ならびにポリエステル成形体

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