JPH1134498A - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JPH1134498A
JPH1134498A JP9203819A JP20381997A JPH1134498A JP H1134498 A JPH1134498 A JP H1134498A JP 9203819 A JP9203819 A JP 9203819A JP 20381997 A JP20381997 A JP 20381997A JP H1134498 A JPH1134498 A JP H1134498A
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JP
Japan
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dye
optical information
recording medium
recording layer
information recording
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Application number
JP9203819A
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English (en)
Inventor
Toshio Ishida
寿男 石田
Atsuo Kondo
篤生 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温湿度変化の大きい環境下などの激しい環境
下に保存した場合でも記録再生特性が低下することな
く、品質の安定した光情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 円盤状透明基板上に、レーザ光の照射に
より情報を記録することができる色素記録層およびその
上に光反射層を有するヒートモード型の光情報記録媒体
であって、該色素記録層が非晶質状態の色素から構成さ
れ、かつ色素記録層上の微結晶状態の色素の存在量が、
1平方メリメートル当り1万5000個以下であること
を特徴とする光情報記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を用いて
情報の記録及び再生を行うことができるヒートモード型
の光情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザ光により一回限りの情
報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)は、追
記型CD(所謂CD−R)とも称され、従来のCDの作
成に比べて少量のCDを手頃な価格でしかも迅速に提供
できる利点を有している。CD−R型の光情報記録媒体
の代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素から
なる記録層、金などの金属からなる光反射層、さらに樹
脂製の保護層をこの順に積層したものである。そしてこ
の光情報記録媒体への情報の書き込み(記録)は、近赤
外域のレーザ光(通常780nm付近の波長のレーザ
光)を照射することにより行われ、色素記録層の照射部
分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的ある
いは化学的な変化(例えば、ピットの生成)が生じてそ
の光学的特性を変えることにより情報が記録される。一
方、情報の読み取り(再生)も通常、記録用のレーザ光
と同じ波長のレーザ光を照射することにより行われ、色
素記録層の光学的特性が変化した部位(ピットなどの生
成による記録部分)と変化しない部位(未記録部分)と
の反射率の違いを検出することにより情報が再生され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなCD−R
は、例えば、特開平4−175188号公報に記載のシ
アニン色素などに代表される色素化合物からなる記録層
を有しているため、一般に光や熱に対して影響を受け易
く、これによって記録再生特性が低下するなどの性能が
変化し易いという性質がある。特に、最近では、パーソ
ナルコンピュータなどの普及に伴ってCD−Rの用途が
拡大しており、従来に比べてその使用機会の増大と共
に、遥かに激しい環境下(例えば、温湿度の変化の激し
い環境下)で使用する機会も多くなっている。従って、
品質の安定性に対する要求は従来に増して高まってい
る。しかし、従来のCD−Rは、品質の安定性、特に、
高温高湿下での保存後の品質の安定性については尚充分
であるいとは言えない。
【0004】記録再生特性が良好に維持されるために
は、色素記録層は、非晶質の状態の色素で均一に形成さ
れていることが必要であるとされている。本発明者は、
色素記録層の色素の状態に着目し、環境条件に左右され
ることなく品質の安定したCD−Rを求めて検討を行な
った。その検討によると、色素記録層中には、微結晶状
態の色素が混在しており、これが保存中に更に増加した
り、また大きな塊の微結晶の集合体になったり、あるい
は成長して大きな結晶になり、記録再生特性などの性能
に悪影響を及ぼすことが判明した。即ち、色素原料自体
は結晶あるいは微結晶の集合体であるため、これらの色
素の結晶あるいは微結晶を溶剤に溶解して塗布液を調製
した段階では、これらは全て溶解され、塗布液中には微
結晶さえも残存していないことが好ましい。しかし、色
素の溶解条件などを検討してもその微結晶状態の色素が
全く混在しない状態で塗布液を調製することは困難であ
り、従って、色素記録層は、微結晶状態の色素が混在し
た状態で形成されることがわかった。
【0005】本発明の目的は、高温、高湿下、あるいは
温湿度変化の大きい環境下などの激しい環境下に保存し
た場合でも記録再生特性が低下することなく、品質の安
定した(即ち、保存耐久性が更に向上した)光情報記録
媒体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、保存後の性
能の低下を解消するには、色素記録層に混在する微結晶
量を低減することが有効であるとの観点から更に研究を
進めた結果、例えば、色素原料として、メタノールが包
接された色素を用いることにより、得られる色素記録層
中の微結晶状態の色素の混在量を大幅に減少することが
でき、従って、高温高湿下に保存した場合でも品質の安
定した光情報記録媒体が得られることを見出し、本発明
に到達した。尚、メタノール包接色素を使用することに
より、微結晶状態の色素の混在量が低減する理由は明ら
かではない。しかし、本発明者は、色素を溶解した時
に、包接されたメタノールが一緒に色素から分離され、
この分離に際してメタノール分子が未溶解状態にある微
結晶を崩壊させるように作用するためと推定している。
【0007】本発明は、円盤状透明基板上に、レーザ光
の照射により情報を記録することができる色素記録層お
よびその上に光反射層を有するヒートモード型の光情報
記録媒体であって、該色素記録層が非晶質状態の色素か
ら構成され、かつ色素記録層上の微結晶状態の色素の存
在量が、1平方メリメートル当り1万5000個以下で
あることを特徴とする光情報記録媒体にある。本発明で
規定する微結晶状態の色素とは、EPMA(Electron P
robe Xray-MicroAnalysis )で色素記録層を観察した時
に異物状に認められる塊状物であって、析出元素が炭素
原子のみであり、最大径が0.01μm以上のものを言
う。そして色素記録層上の微結晶状態の色素の存在量
は、実際には、偏向レンズを用いた顕微鏡を用いて20
00倍の顕微鏡写真から測定したものである。
【0008】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)色素記録層上の微結晶状態の色素の存在量が、1
平方ミリメートル当り7000個以下(更に好ましく
は、5000個以下)である。 (2)微結晶状態の色素の平均直径が、0.1μm以上
(更に好ましくは、0.1〜5μm)の範囲にある。 (3)シアニン色素が下記一般式(I)で表される化合
物である。 [DYE+nn- (I) [式中、DYE+ は、一価のシアニン色素陽イオンを表
し、nは2以上の整数を表し、Xn-はn価の多価陰イオ
ンを表す。] (4)シアニン色素が下記一般式(II)又は一般式(II
A)で表される化合物である。 一般式(II):
【0009】
【化3】
【0010】[式中、Za及びZbは各々独立に5員も
しくは6員の含窒素複素環を完成するために必要な原子
群を表し、R1 およびR2 は各々独立に、アルキル基ま
たはアリール基を表し、L1 、L2 、L3 、L4 及びL
5 は各々独立に、置換又は無置換のメチン基を表し(但
し、L1 〜L5 上に置換基がある場合には互いに連結し
て環を形成しても良い)、jは0、1または2を表し、
kは0又は1を表し、Xn-はn価の多価陰イオンを表
し、そしてnは2以上の整数を表す。] 一般式(IIA):
【0011】
【化4】
【0012】[式中、Z1 及びZ2 は各々独立に、イン
ドレニン核もしくはベンゾインドレニン核を完成するた
めに必要な原子群を表し、R1 及びR2 は各々独立に、
アルキル基又はアリール基を表し、R3 、R4 、R5
びR6 は各々独立に、アルキル基を表し、L1 、L2
3 、L4 及びL5 は各々独立に、置換又は無置換のメ
チン基を表し(但し、L1 〜L5 上に置換基がある場合
には互いに連結して環を形成しても良い)、jは0、1
又は2を表し、kは0又は1を表し、Xn-はn価の多価
陰イオンを表し、そしてnは2以上の整数を表す。] (5)色素記録層が、メタノール包接シアニン色素を用
いて製造されたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の光情報記録媒体は、その
色素記録層上の微結晶状態の色素の存在量が1平方メリ
メートル当り1万5000個以下であるように調製され
ていることを特徴とするものである。その存在量は、好
ましくは、1平方メリメートル当り7000個以下であ
り、更に好ましくは、1平方メリメートル当り5000
個以下である。また微結晶状態の色素の平均直径は、
0.1μm以上(更に好ましくは、0.1〜5μm)の
範囲にあることが好ましい。上記のように色素記録層上
の微結晶状態の色素の存在量が一定値以下に調整された
本発明の光情報記録媒体は、例えば、色素記録層に含有
する色素として、後述するメタノール包接シアニン色素
を用いることにより製造することができる。色素記録層
の形成工程(塗布液の調製工程)において、メタノール
包接シアニン色素からメタノールが分離され、色素記録
層は、シアニン色素からなる層として形成される。
【0014】本発明の光情報記録媒体の色素記録層に含
有されるシアニン色素は、下記の一般式(I)で表され
る化合物であることが好ましい。以下に、下記一般式
(I)で表されるシアニン色素について詳述する。 [DYE+nn- (I) DYEで表されるシアニン色素陽イオンは、陰イオン性
の置換基を有することのない1価の陽イオンを表す。ま
たXn-は、n価の陰イオンを表し、nは2以上の整数を
表す。即ち、Xn-は、2価以上の多価陰イオンを表す。
【0015】Xn-で表される多価陰イオンは、無機の陰
イオンであっても有機の陰イオンであっても良い。無機
の多価陰イオンの例としては、硫酸イオン、リン酸イオ
ン、リン酸水素イオン、タングストリン酸イオンなどの
ヘテロポリ酸イオンが挙げられる。有機の多価陰イオン
の例としては、カルボン酸イオン(例えば、琥珀酸イオ
ン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、テレフタル酸
イオン)、芳香族ジスルホン酸イオン(例、ベンゼン−
1,3−ジスルホン酸イオン、3,3’−ビフェニルジ
スルホン酸イオン、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸
イオン、ナフタレン−1,6−ジスルホン酸イオン、ナ
フタレン−2,6−ジスルホン酸イオン、1−メチルナ
フタレン−2,6−ジスルホン酸イオン、ナフタレン−
2,7−ジスルホン酸イオン、ナフタレン−2,8−ジ
スルホン酸イオン、2−ナフトール−6,8−ジスルホ
ン酸イオン、1,8−ジヒドロキシナフタレン−3,6
−ジスルホン酸イオン、1,5−ジヒドロキシナフタレ
ン−2,6−ジスルホン酸イオン)、芳香族トリスルホ
ン酸イオン(例、ナフタレン−1,3,5−トリスルホ
ン酸イオン、ナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸
イオン、ナフタレン−1,3,7−トリスルホン酸イオ
ン、1−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸イオ
ン、2−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸イオ
ン)、芳香族テトラスルホン酸イオン(例、ナフタレン
−1,3,5,7−テトラスルホン酸イオン)、脂肪族
ポリスルホン酸イオン(例、ブタン−1,4−ジスルホ
ン酸イオン、シクロヘキサン−1,4−ジスルホン酸イ
オン)、ポリ硫酸モノエステル(例、プロピレングリコ
ール−1,2−ジスルフェート、ポリビニルアルコール
ポリ硫酸エステルイオン)などが挙げられる。本発明に
おいて、Xn-は、2〜4価の陰イオンであることが好ま
しく、更に好ましくは、2又は3価の陰イオンであり、
特に2価の陰イオンである。
【0016】上記シアニン色素は、下記一般式(II)で
表される化合物であることが好ましい。 一般式(II):
【0017】
【化5】
【0018】一般式(II)において、Za及びZbは各
々独立に、5員もしくは6員の含窒素複素環を完成する
ために必要な原子群を表す。R1 及びR2 は各々独立
に、アルキル基またはアリール基を表す。L1 、L2
3 、L4 及びL5 は各々独立に、置換又は無置換のメ
チン基を表す。またL1 〜L5 上に置換基を有する場合
には互いに連結して環を形成しても良い。jは0、1又
は2を表し、kは0又は1を表す。Xn-は、n価の多価
陰イオンを表し、nは2以上の整数を表す。
【0019】Za及びZbで表される5員もしくは6員
の含窒素複素環(核)としては、例えば、チアゾール
核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、チアゾ
リン核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核、ナフ
トオキサゾール核、オキサゾリン核、セレナゾール核、
ベンゾセレナゾール核、ナフトセレナゾール核、セレナ
ゾリン核、テルラゾール核、ベンゾテルラゾール核、ナ
フトテルラゾール核、テルラゾリン核、イミダゾール
核、ベンゾイミダゾール核、ナフトイミダゾール核、ピ
リジン核、キノリン核、イソキノリン核、イミダゾ
〔4,5ーb〕キノキサリン核、オキサジアゾール核、
チアジアゾール核、テトラゾール核、及びピリミジン核
などを挙げることができる。これらの中では、ベンゾチ
アゾール核、イミダゾール核、ナフトイミダゾール核、
キノリン核、イソキノリン核、イミダゾ〔4,5ーb〕
キノキサリン核、チアジアゾール核、テトラゾール核、
及びピリミジン核が好ましい。これらの環には、更にベ
ンゼン環、ナフトキノン環が縮合していても良い。
【0020】上記の5員又は6員の含窒素複素環は置換
基を有していても良い。好ましい置換基(原子)の例と
しては、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、
アリール基を挙げることができる。ハロゲン原子として
は、塩素原子が好ましい。アルキル基は、炭素原子数1
〜6の直鎖状のアルキル基が好ましい。またアルキル基
の置換基の例としては、アルコキシ基(例、メトキ
シ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ)を挙げること
ができる。アリール基としては、フェニルが好ましい。
【0021】上記R1 およびR2 で表されるアルキル基
は置換基を有していてもよく、好ましくは炭素原子数1
〜18(更に好ましくは1〜8、特に1〜6)の直鎖
状、環状、もしくは分岐状のアルキル基である。R1
よびR2 で表されるアリール基は置換基を有していても
良く、好ましくは炭素原子数6〜18の置換基を有して
いても良いアリール基である。
【0022】R1 およびR2 で表されるアルキル基また
はアリール基の有する好ましい置換基の例としては、以
下のものを挙げることができる。炭素原子数6〜18の
置換又は無置換のアリール基(例えば、フェニル、クロ
ロフェニル、アニシル、トルイル、2,4−ジ−t−ア
ミル、1−ナフチル)、アルケニル基(例えば、ビニ
ル、2−メチルビニル)、アルキニル基(例えば、エチ
ニル、2−メチルエチニル、2−フェニルエチニル)、
ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、シアノ
基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アシル基(例え
ば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイ
ル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、シ
クロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(例えば、フ
ェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(例え
ば、メチルチオ、ブチルチオ、ベンジルチオ、3−メト
キシプロピルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニ
ルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニ
ル基(例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニ
ル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホ
ニル、パラトルエンスルホニル)、炭素原子数1〜10
のカルバモイル基、炭素原子数1〜10のアミド基、炭
素原子数2〜10のアシルオキシ基、炭素原子数2〜1
0のアルコキシカルボニル基、ヘテロ環基(例えば、ピ
リジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリ
ル、ピラゾリルなどの複素芳香族環、ピロリジン環、ピ
ペリジン環、モルホリン環、ピラン環、チオピラン環、
ジオキサン環、ジチオラン環などの脂肪族ヘテロ環)。
【0023】本発明において、上記R1 およびR2 は、
それぞれ無置換の炭素原子数1〜8(好ましくは、炭素
原子数1〜6、特に炭素原子数1〜4)の直鎖状のアル
キル基、あるいはアルコキシ基(特に、メトキシ)又は
アルキルチオ基(特に、メチルチオ)で置換された炭素
原子数1〜8(好ましくは、炭素原子数1〜6、特に炭
素原子数1〜4)の直鎖状のアルキル基であることが好
ましい。
【0024】L1 〜L5 で表されるメチン基は、置換基
を有していても良い。好ましい置換基の例としては、炭
素原子数1〜18のアルキル基、アラルキル基、および
前記R1 およびR2 で表されるアルキル基またはアリー
ル基の有する好ましい置換基の例として挙げたものを挙
げることができる。これらの中では、アルキル基(例、
メチル)、アリール基(例、フェニル)、ハロゲン原子
(例、Cl、Br)、アラルキル基(例、ベンジル)が
好ましい。中でも特に好ましいのはメチル基である。本
発明においては、jが2でkが0である場合、あるいは
j、kが、各々独立に0又は1である場合が好ましい。
【0025】上記L1 〜L5 上の置換基は互いに連結し
て環を形成しても良い。好ましい環員数は5員環または
6員環であり、これらの環が2個以上縮合していても良
い。連結位置は、形成されるメチン鎖の数によって異な
る。例えば、L1 〜L5 で形成されるメチン鎖がペンタ
メチン鎖の場合には、その好ましい連結位置は、L1
3 、L2 とL4 、及びL3 とL5 である。また二重縮
合環を形成する場合の連結位置は、L1 とL3 とL5
ある。またこの場合、L1 とR1 、L5 とR2、更にL3
とR2 は互いに連結して環を形成していても良く、そ
の環員数は好ましくは5員環または6員環である。本発
明においては、L1 〜L5 上の置換基で形成される環
は、シクロヘキセン環であることが好ましい。
【0026】Xn-及びnは、それぞれ前記一般式(I)
において説明したXn-及びnと同義である。一般式(I
I)において、Xn-は、前記芳香族ジスルホン酸イオン
又は芳香族トリスルホン酸イオンであることが好まし
い。更に好ましくは、ベンゼン−1,3−ジスルホン酸
イオン、3,3’−ビフェニルジスルホン酸イオン、ナ
フタレン−1,5−ジスルホン酸イオン、ナフタレン−
1,6−ジスルホン酸イオン、ナフタレン−2,6−ジ
スルホン酸イオン、1−メチルナフタレン−2,6−ジ
スルホン酸イオン、ナフタレン−2,7−ジスルホン酸
イオン、ナフタレン−2,8−ジスルホン酸イオン、2
−ナフトール−6,8−ジスルホン酸イオン、1,8−
ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸イオ
ン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジスル
ホン酸イオンであり、特に、ナフタレン−1,5−ジス
ルホン酸イオン、ナフタレン−1,6−ジスルホン酸イ
オン、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸イオン、1−
メチルナフタレン−2,6−ジスルホン酸イオン、ナフ
タレン−2,7−ジスルホン酸イオン、又はナフタレン
−2,8−ジスルホン酸イオンであり、最も好ましいも
のは、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸イオンであ
る。
【0027】また上記シアニン色素は、下記一般式(II
A)で表される化合物であることが好ましい。 一般式(IIA):
【0028】
【化6】
【0029】一般式(IIA)において、Z1 及びZ2
インドレニン核もしくはベンゾインドレニン核を完成す
るために必要な原子群を表す。R1 及びR2 は各々独立
に、アルキル基またはアリール基を表す。R3 、R4
5 及びR6 は各々独立に、アルキル基を表す。L1
2 、L3 、L4 及びL5 は各々独立に、置換又は無置
換のメチン基を表す。またL1 〜L5 上に置換基を有す
る場合には、互いに連結して環を形成しても良い。jは
0、1又は2を表し、kは0又は1を表す。Xn-は、n
価の多価陰イオンを表し、nは2以上の整数を表す。
【0030】上記Z1 及びZ2 で表されるインドレニン
核もしくはベンゾインドレニン核は、置換基を有してい
ても良い。置換基(原子)としては、ハロゲン原子、又
はアリール基を挙げることができる。ハロゲン原子とし
ては、塩素原子が好ましい。またアリール基としては、
フェニルが好ましい。
【0031】上記R3 、R4 、R5 およびR6 で表され
るアルキル基は、好ましくは炭素原子数1〜18の直鎖
状、分岐状、あるいは環状のアルキル基である。またR
3 とR4 、及びR5 とR6 はそれぞれ連結して環を形成
しても良い。R3 、R4 、R5 およびR6 で表されるア
ルキル基は、置換基を有していても良い。置換基として
好ましいものは、前記R1 およびR2 で表されるアルキ
ル基またはアリール基の有する好ましい置換基の例とし
て挙げたものを挙げることができる。本発明において
は、R3 、R4 、R5 及びR6 で表されるアルキル基
は、ぞれぞれ炭素原子数1〜6の直鎖状の無置換のアル
キル基(特に、メチル、エチル)であることが好まし
い。
【0032】一般式(IIA)において、R1 及びR2
1 、L2 、L3 、L4 及びL5 、j及びk、そしてX
n-及びnは、それぞれ一般式(II)において説明したそ
れらと同じ意味を表す。またそれらの好ましい例示も前
記一般式(II)において説明したものと同じである。
【0033】以下に、一般式(I)(一般式(II)又は
(IIA)で表される化合物を含む)で表される化合物の
好ましい具体例を挙げる。
【0034】
【化7】
【0035】
【化8】
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】上記一般式(I)で表される化合物は、単
独で用いても良いし、あるいはまた二種以上を併用して
も良い。なお、一般式(I)で表される化合物は、既に
公知の下記の文献の記載を参考にして容易に合成するこ
とができる。
【0044】これらの文献としては、たとえば、エフ・
エム・ハーマー著「ザ・シアニン・ダイズ・アンド・リ
レイテッド・コンパウンズ5(インターサイエンス・パ
ブリシャーズ、N.Y.1964年)55頁以降;ニコ
ライ・チュチュルコフ、ユルゲン・ファビアン、アキム
・メールホルン、フィリッツ・ディエツ、アリア・タジ
エール(Nikolai Tyutyulkov, Jurgen Fabian, Achim U
lehlhorn, Fritz Dietz, Alia Tadjer)共著「ポリメチ
ン・ダイズ」、セントクリメント・オーリズキ・ユニバ
シティ・プレス、ソフィア(St. Kliment Ohridski Uni
versity Press,Sophia )、23頁ないし38頁;デー
・エム・スターマー(D.M.Sturmer )著、「ヘテロサイ
クリック、コンパウンズ−スペシャル・トピックス・イ
ン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic
Compounds-Special topics in heterocyclic chemistr
y )」、第18章、第14節、第482〜515頁、ジ
ョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons
)社、ニューヨーク、ロンドン、(1977年刊);
「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウン
ズ(Rodd's Chemistry of Carbon Compounds)」、(2n
d.Ed.vol.IV,part B,1977年刊)、第15章、第3
69〜422頁、(2nd.Ed.vol.IV,part B, 1985年
刊)、第15章、第267〜296頁、エルスバイヤー
・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsv
ier Science Public Company Inc. )、ニューヨークな
どが挙げられる。
【0045】多価の陰イオンを対イオンとして導入する
手法は、まず適当な溶剤に1価の対イオンを有するシア
ニン色素を溶かし、これに多価の酸またはその塩の溶液
を添加し、更に必要に応じて色素を溶解しにくい溶剤を
添加して、多価イオンを対イオンとするシアニン色素の
結晶を析出せしめる方法が最も簡便でかつ大量の合成に
適している。その他の方法としては、イオン交換樹脂を
用いて対イオンを交換する方法が挙げられる。
【0046】次に合成例を挙げて、上記シアニン色素の
合成法について具体的に説明する。 [合成例] (化合物I−4の合成)化合物I−4の陰イオン部がパ
ラトルエンスルホン酸イオンである化合物を常法により
合成した。この化合物26.8g(0.04モル)を4
00mlのメタノールに溶かした後、ナフタレン−1,
5−ジスルホン酸7.2g(0.02モル)を加え、5
0℃で1時間攪拌した。冷却した後、生じた結晶を濾取
し、メタノールをかけて洗い、50℃で1晩乾燥した
(収量:22.3g、融点:238℃)。
【0047】本発明の光情報記録媒体の製造に用いるメ
タノール包接シアニン色素は、前述した一般式(I)で
表されるシアニン色素の合成法を利用して調製すること
ができる。即ち、1価の対イオンを有するシアニン色素
をメタノールに溶解した後、これに多価の酸またはその
塩の溶液を添加し、多価イオンを対イオンとするシアニ
ン色素の結晶を析出させ、その後、乾燥することによ
り、メタノール包接シアニン色素を得ることができる。
メタノールが該色素中に包接される量(当量)は、反応
温度、反応時のメタノールに対する色素の濃度、反応時
間、又は乾燥時間などの製造条件を単独であるいは組み
合わせることにより、変化させることができる。本発明
で使用するメタノール包接シアニン色素中のメタノール
量(含量)は、特に制限はないが、好ましくは、その量
は、色素に対して0.1当量〜15当量の範囲、更に好
ましくは、0.1〜10当量の範囲、特に0.5当量〜
5当量の範囲である。なお、シアニン色素内(色素結晶
内)に包接されているメタノールの分子数と色素記録層
上で存在が確認される微結晶状態の色素の量とは、必ず
しも有意な相関関係は認められない。また、包接された
メタノールの量は色素を完全に溶解した溶液中に放出さ
れるメタノールの量を定量することにより、測定するこ
とができる。例えば、メタノールの含有量は、プロトン
磁気共鳴法(水素原子核磁気共鳴法)を利用することに
より測定することができる。
【0048】メタノール包接シアニン色素の具体的な合
成例を以下に記載する。 (化合物I−4で示されるメタノール包接シアニン色素
の合成)化合物I−4の陰イオン部がパラトルエンスル
ホン酸イオンである下記化合物を常法により合成した。
【0049】
【化16】
【0050】この化合物26.8g(0.04モル)と
400mlのメタノールとを室温で混合し、50℃に加
温して溶解させた。その後、この溶液に、ナフタレン−
1,5−ジスルホン酸7.2g(0.02モル)を加
え、50℃で1時間攪拌した。冷却した後、生じた結晶
を濾取し、室温(25℃)で一晩乾燥させて化合物I−
4で示されるメタノール包接シアニン色素を得た(メタ
ノール含量:1当量)。
【0051】本発明の光情報記録媒体には、その色素記
録層中に前記一般式(I)で表されるシアニン色素と共
に、下記の一般式(A1)または式(A2)で表される
化合物(退色防止剤)が含有されていることが好まし
い。以下に、一般式(A1)又は式(A2)で表される
化合物(退色防止剤)について詳述する。
【0052】
【化17】
【0053】上記一般式(A1)において、R11、R12
は各々独立に炭化水素基を表す。炭化水素基は、炭素数
1〜18(更に好ましくは、1〜10、特に1〜6)の
直鎖状、分岐鎖状、又は環状の、無置換のアルキル基が
好ましい。更に好ましくは、炭素数1〜10(更に好ま
しくは炭素数1〜6)の直鎖状又は分岐鎖状の無置換の
アルキル基であり、これらの例としては、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、te
rt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル及びデシル
を挙げることができる。一般式(A1)で表される化合
物の好ましい具体例を以下に記載する。
【0054】
【化18】
【0055】上記一般式(A1)又は式(A2)で表さ
れる化合物(退色防止剤)は、それぞれ単独で使用して
よいし、あるいは併用してもよい。上記一般式(A1)
又は式(A2)で表される化合物(退色防止剤)の使用
量は、シアニン色素の量に対して、通常0.1〜50重
量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45重量%の
範囲、更に好ましくは、3〜40重量%の範囲、特に5
〜25重量%の範囲である。
【0056】本発明の光情報記録媒体は、円盤状透明基
板上に、非晶質状態の色素から構成され、かつ微結晶状
態の色素の混在量が一定値以下にある色素記録層、更に
その上に光反射層が設けられてなるものである。この光
反射層の上には、更に保護層が設けられていることが好
ましい。本発明の光情報記録媒体は、例えば、以下に述
べるような方法により製造することができる。基板は、
従来の光情報記録媒体の基板として用いられている各種
の材料から任意に選択することができる。基板材料とし
ては、例えばガラス;ポリカーボネート;ポリメチルメ
タクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化
ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;
アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを
挙げることができる。上記のものは、所望により併用し
てもよい。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性およ
び価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
【0057】記録層が設けられる側の基板表面には、平
面性の改善、接着力の向上および記録層の変質防止の目
的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料として
はたとえば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・
メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重
合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリル
アミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルス
ルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビ
ニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミ
ド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
カーボネート等の高分子物質;およびシランカップリン
グ剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層
は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液
を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディップ
コート、エクストルージョンコートなどの塗布法により
基板表面に塗布することにより形成することができる。
下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあ
り、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0058】基板(または下塗層)上には、トラッキン
グ用溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレ
グルーブ)が形成されていることが好ましい。このプレ
グルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成
形あるいは押出成形する際に直接基板上に形成されるこ
とが好ましい。またプレグルーブ形成を、プレグルーブ
層を設けることにより行ってもよい。プレグルーブ層の
材料としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステ
ル、トリエステルおよびテトラエステルのうちの少なく
とも一種のモノマー(またはオリゴマー)と光重合開始
剤との混合物を用いることができる。この場合のプレグ
ルーブ層の形成は、例えば、まず精密に作られた母型
(スタンパ)上に上記のアクリル酸エステルおよび重合
開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布液層上
に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線を
照射するにより塗布層を硬化させて基板と塗布層とを固
着させる。次いで、基板を母型から剥離することにより
得ることができる。プレグルーブ層の層厚は一般に、
0.05〜100μmの範囲にあり、好ましくは0.1
〜50μmの範囲である。
【0059】プレグルーブの深さは100〜3000Å
の範囲にあることが好ましく、またその半値幅は、0.
2〜0.9μmの範囲にあることが好ましい。またプレ
グルーブ層の深さを1500〜2000Åの範囲にする
ことにより反射率を殆ど低下させることなく感度を向上
させることができ、特に好ましい。従って、このような
光ディスク(深いプレグルーブの基板に色素の記録層お
よび光反射層が形成された光ディスク)は、高い感度を
有することから、低いレーザーパワーでも記録が可能と
なり、これにより安価な半導体レーザの使用が可能とな
る、あるいは半導体レーザの使用寿命を延ばすことがで
きる等の利点を有する。
【0060】プレグルーブが形成された基板上には、色
素記録層が設けられる。色素記録層の形成は、前述した
メタノール包接シアニン色素、更に所望により前記の退
色防止剤、結合剤を溶剤に溶解して塗布液を調製し、次
いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成したの
ち乾燥することにより行なうことができる。
【0061】色素層塗布液の溶剤の例としては、酢酸ブ
チル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケト
ンなどのケトン;ジクロルメタン、1、2−ジクロルエ
タン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホ
ルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水
素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン
などのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール
などのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロ
パノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグ
リコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶
剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独または二種以
上を適宜併用することができる。塗布液中には更に酸化
防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤
を目的に応じて添加してもよい。
【0062】結合剤の例としては、例えば、ゼラチン、
セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの
天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系
樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化
ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポ
リアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアク
リル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレ
ン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期
縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記
録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使
用量は、色素に対して一般に0.01〜50倍量(重量
比)の範囲にあり、好ましくは、0.1〜5倍量(重量
比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液の
濃度は一般に0.01〜10重量%の範囲にあり、好ま
しくは0.1〜5重量%の範囲にある。
【0063】塗布方法としては、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げる
ことができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層
の層厚は一般に20〜500nmの範囲にあり、好まし
くは50〜300nmの範囲にある。また、記録層は基
板の片面のみならず両面に設けられていてもよい。
【0064】上記記録層の上には、情報の再生時におけ
る反射率の向上の目的で、光反射層が設けられる。光反
射層の材料である光反射性物質は、レーザ光に対する反
射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、
Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、
W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、P
d、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、A
l、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、S
n、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を
挙げることができる。これらのうちで好ましいものは、
Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステ
ンレス鋼である。これらの物質は単独で用いてもよい
し、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用
いてもよい。特に好ましくはAu、Agあるいはこれら
の合金である。光反射層は、例えば、上記光反射性物質
を真空蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティン
グすることにより記録層の上に形成することができる。
光反射層の層厚は、一般的には10〜800nmの範囲
にあり、好ましくは20〜500nmの範囲、更に好ま
しくは50〜300nmの範囲である。
【0065】光反射層の上には、記録層などを物理的お
よび化学的に保護する目的で保護層を設けることが好ま
しい。この保護層は、基板の記録層が設けられていない
側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設けることもでき
る。保護層に用いられる材料の例としては、SiO、S
iO2 、MgF2 、SnO2 、Si34 等の無機物
質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の
有機物質を挙げることができる。保護層は、例えば、プ
ラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介
して反射層上及び/または基板上にラミネートすること
により形成することができる。あるいは真空蒸着、スパ
ッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。ま
た、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを
適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布
液を塗布し、乾燥することによっても形成することがで
きる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適
当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を
塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形
成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電
防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的
に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.
1〜100μmの範囲にある。
【0066】本発明の光情報記録媒体は、上述した構成
からなる単板であってもよい。あるいは更に二枚の円盤
状基板のうちの少なくとも一方に上記構成を有する基板
を用いて、色素記録層が内側となるように基板同士を向
い合わせ、接着剤等を用いて接合することにより、貼り
合せタイプの光情報記録媒体とすることもできる。ある
いはまた、二枚の円盤状基板のうちの少なくとも一方に
上記構成を有する基板を用いて、リング状内側スペーサ
とリング状外側スペーサとを介して接合することによ
り、エアーサンドイッチタイプの光情報記録媒体とする
こともできる。上記の単板のタイプの光情報記録媒体
は、高い反射率を示すため、市販のCDプレーヤで再生
することができる。
【0067】本発明の光情報記録媒体は、高密度記録が
可能な追記型デジタル・ビデオ・ディスク(所謂DVD
−R)として構成することもできる。即ち、このタイプ
の光情報記録媒体は、トラックピッチが上記CD−Rの
1.6μmより狭い0.8μmのプレグループが形成さ
れた直径120mm±3mmの透明な円盤状基板上に、
本発明に係る色素記録層、該記録層の上に光反射層、そ
して通常は光反射層の上に更に保護層を設けてなるディ
スクを二枚、あるいは該ディスクと、これと同じ形状の
円盤状保護基板とをそれぞれ該記録層を内側にして接着
剤で貼り合わせることにより、製造することができる。
【0068】本発明の光情報記録媒体には、例えば、次
のようにして情報の記録、再生が行われる。本発明の光
情報記録媒体は、通常のCDフォーマットの場合の1倍
速(1.2〜1.4m/秒)を始めとして、4倍速、6
倍速、もしくはそれ以上の高速記録に利用できる。特
に、線速度が4m/秒以上(実用上更に好ましくは、
4.5〜10m/秒)の範囲でレーザ光を照射して記録
するために有利である。以下に、高速記録再生方法につ
いて説明する。まず、光情報記録媒体を線速度が4m/
秒以上にて回転させながら、基板側から半導体レーザ光
などの記録用の光を照射する。この光の照射により、記
録層と反射層との界面に空洞を形成(空洞の形成は、記
録層または反射層の変形、あるいは両層の変形を伴って
形成される)するか、基板が肉盛り変形する、あるいは
記録層に変色、会合状態の変化等により屈折率が変化す
ることにより情報が記録されると考えられる。記録光と
しては、一般に、500nm〜850nmの範囲の波長
の光が使用される。具体的には、レーザービームが用い
られ、用いられるレーザービーム波長は好ましくは50
0nm以上、800nm以下である。特に、CD−R型
の光情報記録媒体においては、770〜790nmの範
囲の波長の光が用いられる。またDVD−R型の光情報
記録媒体においては、630〜680nmの範囲の波長
の光が用いられる。上記のように記録された情報の再生
は、光情報記録媒体を通常の1倍速〜30倍速の線速度
で回転させながら半導体レーザ光を基板側から照射し
て、その反射光を検出することにより行うことができ
る。
【0069】
【実施例】以下に本発明の実施例と比較例を記載する。
【0070】[実施例1] (前記化合物I−4で示される、メタノール含量が0.
5当量であるメタノール包接シアニン色素の合成)前記
化合物I−4の陰イオン部がパラトルエンスルホン酸イ
オンである化合物を、前述のように常法により合成し
た。この化合物26.8g(0.04モル)と400m
lのメタノールとを室温で混合し、50℃に加温して溶
解させた。その後、この溶液に、ナフタレン−1,5−
ジスルホン酸7.2g(0.02モル)を加え、50℃
で1時間攪拌した。冷却した後、生じた結晶を濾取し、
50℃で6時間乾燥させ、メタノール包接シアニン色素
を得た。得られた該色素中のメタノール含量をプロトン
磁気共鳴法により測定したところ色素に対して0.5当
量であった。
【0071】上記で得たメタノール包接シアニン色素
(メタノール含量:0.5当量)と、該色素に対して1
0重量%の前記式(A1−1)で示される退色防止剤と
を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解
して記録層形成用塗布液を調製した。この塗布液の濃度
は、2.5重量%であった。この塗布液を、表面にスパ
イラル状のプレグルーブ(トラックピッチ:1.6μ
m、プレグルーブ幅:0.4μm、プレグルーブの深
さ:0.16μm)が射出成形により形成されたポリカ
ーボネート基板(直径:120mm、厚さ:1.2m
m、帝人(株)製のポリカーボネート(商品名:パンラ
イトAD5503))のそのプレグルーブ側の表面に、
回転数を300rpm〜4000rpmまで変化させな
がらスピンコートにより塗布し、色素記録層(厚さ(プ
レグルーブ内):約200nm)を形成した。次に、色
素記録層上に、Auをスパッタして光反射層を形成し
た。更に光反射層上に、UV硬化性樹脂(商品名:SD
−220、大日本インキ化学工業(株)製)を回転数を
300rpm〜4000rpmまで変化させながらスピ
ンコートにより塗布した。塗布後、その上から高圧水銀
灯により紫外線を照射して層厚8μmの保護層を形成し
た。以上の工程により、基板、色素記録層、光反射層及
び保護層からなる本発明に従うCD−R型の光情報記録
媒体(以下、サンプル)を製造した。
【0072】[実施例2]実施例1の化合物I−4で示
される、メタノール含量が0.5当量であるメタノール
包接シアニン色素の合成において、得られた結晶を25
℃で一晩の乾燥条件に変更した以外は、同様にして化合
物I−4で示される、メタノール含量が色素に対して1
当量であるメタノール包接シアニン色素を合成した。実
施例1において、上記で得たメタノール含量が1当量で
あるメタノール包接シアニン色素を用いること以外は同
様にして本発明に従うCD−R型の光情報記録媒体を製
造した。
【0073】[実施例3]実施例1の化合物I−4で示
される、メタノール含量が0.5当量であるメタノール
包接シアニン色素の合成において、得られた結晶を23
℃で6時間の乾燥条件に変更した以外は、同様にして化
合物I−4で示される、メタノール含量が色素に対して
2当量であるメタノール包接シアニン色素を合成した。
実施例1において、上記で得たメタノール含量が2当量
であるメタノール包接シアニン色素を用いること以外は
同様にして本発明に従うCD−R型の光情報記録媒体を
製造した。
【0074】[実施例4]実施例1の化合物I−4で示
される、メタノール含量が0.5当量であるメタノール
包接シアニン色素の合成において、得られた結晶を23
℃で3時間の乾燥条件に変更した以外は、同様にして化
合物I−4で示される、メタノール含量が色素に対して
5当量であるメタノール包接シアニン色素を合成した。
実施例1において、上記で得たメタノール含量が5当量
であるメタノール包接シアニン色素を用いること以外は
同様にして本発明に従うCD−R型の光情報記録媒体を
製造した。
【0075】[実施例5]実施例1の化合物I−4で示
される、メタノール含量が0.5当量であるメタノール
包接シアニン色素の合成において、得られた結晶を23
℃で1時間の乾燥条件に変更した以外は、同様にして化
合物I−4で示される、メタノール含量が色素に対して
10当量であるメタノール包接シアニン色素を合成し
た。実施例1において、上記で得たメタノール含量が1
0当量であるメタノール包接シアニン色素を用いること
以外は同様にして本発明に従うCD−R型の光情報記録
媒体を製造した。
【0076】[参考例1]実施例1の化合物I−4で示
される、メタノール含量が0.5当量であるメタノール
包接シアニン色素の合成において、得られた結晶を11
0℃で6時間の真空排気条件に変更した以外は、同様に
して化合物I−4で示される、メタノールが含有されて
ないシアニン色素を合成した。実施例1において、上記
で得たメタノールが含有されてないシアニン色素を用い
ること以外は同様にして参考用のCD−R型の光情報記
録媒体を製造した。
【0077】[光情報記録媒体としての評価] (1)色素記録層上の微結晶状態の色素の存在量の測定 得られたサンプルの色素記録層上の微結晶状態の色素の
存在量を偏向レンズを用いた顕微鏡(2000倍)を用
いて調べた。存在量は、顕微鏡の10視野(1視野の面
積:1750μm2 )で検出した数を合計し、この含量
を1平方ミリメートル当りに換算して表示した。なお、
各サンプルにおいて、微結晶状態の色素の平均直径は、
0.5μmであった。色素記録層上の微結晶状態の色素
の存在量は、後述するように、保存前と保存後との場合
についてそれぞれ測定した。
【0078】(2)保存耐久性の評価 得られたサンプルを波長780nm、線速1.4m/s
で3TのEFM信号をレーザーパワーを4mW〜9mW
まで振って記録した。その後、90℃、90%RHの環
境条件下で48時間保存した。保存前と保存後のサンプ
ルに対してパルステック社製OTM−2000を用いて
最適パワーでの記録特性(ブロックエラーレート及び3
Tジッター)を調べ、保存耐久性を評価した。評価結果
を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】上記表1の結果から、メタノールを包接し
た本発明に係るシアニン色素を用いたサンプルの場合
(実施例1〜5)には、参考例であるメタノールを含有
しないシアニン色素を用いたサンプルの場合に比べて、
高温高湿度下に保存した後においても色素記録層上の微
結晶状態の色素の存在量は増加しておらず、また記録再
生特性も安定していることが示されており、従って本発
明に従う光情報記録媒体は高い保存耐久性を有している
ことがわかる。
【0081】
【発明の効果】本発明に係るメタノールが包接されたシ
アニン色素を用いることにより、保存後においても品質
の安定した光情報記録媒体を製造することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状透明基板上に、レーザ光の照射に
    より情報を記録することができる色素記録層およびその
    上に光反射層を有するヒートモード型の光情報記録媒体
    であって、該色素記録層が非晶質状態の色素から構成さ
    れ、かつ色素記録層上の微結晶状態の色素の存在量が、
    1平方メリメートル当り1万5000個以下であること
    を特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 色素記録層上の微結晶状態の色素の存在
    量が、1平方ミリメートル当り7000個以下である請
    求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 色素記録層の色素がシアニン色素である
    請求項1に記載の光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 シアニン色素が下記一般式(I)で表さ
    れる化合物である請求項3に記載の光情報記録媒体。 [DYE+nn- (I) [式中、DYE+ は、一価のシアニン色素陽イオンを表
    し、nは2以上の整数を表し、Xn-はn価の多価陰イオ
    ンを表す。]
  5. 【請求項5】 シアニン色素が下記一般式(II)又は一
    般式(IIA)で表される化合物である請求項4に記載の
    光情報記録媒体。一般式(II): 【化1】 [式中、Za及びZbは各々独立に、5員もしくは6員
    の含窒素複素環を完成するために必要な原子群を表し、
    1 およびR2 は各々独立に、アルキル基またはアリー
    ル基を表し、L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 は各々独
    立に、置換又は無置換のメチン基を表し(但し、L1
    5 上に置換基がある場合には互いに連結して環を形成
    しても良い)、jは0、1又は2を表し、kは0又は1
    を表し、Xn-はn価の多価陰イオンを表し、そしてnは
    2以上の整数を表す。] 一般式(IIA): 【化2】 [式中、Z1 及びZ2 は各々独立に、インドレニン核も
    しくはベンゾインドレニン核を完成するために必要な原
    子群を表し、R1 及びR2 は各々独立に、アルキル基又
    はアリール基を表し、R3 、R4 、R5 及びR6 は各々
    独立に、アルキル基を表し、L1 、L2 、L3 、L4
    びL5 は各々独立に、置換又は無置換のメチン基を表し
    (但し、L1 〜L5 上に置換基がある場合には互いに連
    結して環を形成しても良い)、jは0、1又は2を表
    し、kは0又は1を表し、Xn-はn価の多価陰イオンを
    表し、そしてnは2以上の整数を表す。]
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