JPH11344031A - リニアガイド装置 - Google Patents

リニアガイド装置

Info

Publication number
JPH11344031A
JPH11344031A JP27345098A JP27345098A JPH11344031A JP H11344031 A JPH11344031 A JP H11344031A JP 27345098 A JP27345098 A JP 27345098A JP 27345098 A JP27345098 A JP 27345098A JP H11344031 A JPH11344031 A JP H11344031A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
bearing races
races
concave groove
pressing member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27345098A
Other languages
English (en)
Inventor
Futoshi Yamamoto
太 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP27345098A priority Critical patent/JPH11344031A/ja
Publication of JPH11344031A publication Critical patent/JPH11344031A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bearings For Parts Moving Linearly (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品の各部に寸法誤差があっても、この寸法
誤差を吸収する機能を備え、もってベアリングレース
5,6と転動体8の間に隙間が発生するのを防止するこ
とが可能なリニアガイド装置を提供する。 【解決手段】 固定部1に設けた凹溝3内に配置される
一対のベアリングレース5と、凹溝3と対向するように
移動部2に設けた凹溝4内に配置される一対のベアリン
グレース6と、二対四本のベアリングレース5,6の間
に転動自在に配置される所要数の転動体8と、ベアリン
グレース5,6と転動体8の間に隙間が生じないように
調整ネジ10で押されて一部のベアリングレース6を押
圧する押圧部材9とを有し、押圧部材9とベアリングレ
ース6とが、それぞれに形成された横断面円弧形の円弧
部9a,6aで互いに接触する構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転動体の転動を介
して移動部が固定部に沿って軸方向に移動可能なリニア
ガイド装置に関し、更に詳しくは、転動体とベアリング
レースとの隙間調整機能を備えたリニアガイド装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、固定部であるガイドレールお
よび移動部であるスライダに直接、転動体の転走面を形
成したリニアガイド装置が知られている。この従来技術
はガイドレールおよびスライダを高炭素クロム軸受鋼や
マルテンサイト系ステンレス鋼等によって製作し、更に
転動体の転走面に熱処理を施すことによって所定の硬度
を確保している。したがってリニアガイド装置の質量が
大きいために取り扱いが不便なだけでなく、加工性が良
くないために製造コストが高いと云う不都合がある。
【0003】したがって、作用する荷重が比較的小さい
用途においては、図11に示すように、スライダ51お
よびガイドレール52に互いに対向する凹溝53,54
を設け、この凹溝53,54内にそれぞれ一対のベアリ
ングレース55,56を配置し、この二対四本のベアリ
ングレース55,56の間に転動体であるボール57を
所要数、転動自在に介装し、更にベアリングレース5
5,56とボール57の間に隙間が発生することがない
ように調整ネジ58をねじ込んで押圧部材59によって
一部のベアリングレース55を押圧するリニアガイド装
置が用いられる(特開昭49−80448号公報参
照)。
【0004】しかしながら、この従来技術においては、
押圧部材59の横断面形状が図示したように長方形に成
形されているために、以下のような不都合がある。
【0005】すなわち、押圧部材59の横断面形状が長
方形であってこの押圧部材59が平板状に成形されてい
るために、この押圧部材59が背後から調整ネジ58に
押されても全く傾かない。したがってベアリングレース
55,56および凹溝53,54の断面寸法や、調整ネ
ジ58を取り付けるためのネジ穴60の寸法等に加工精
度上の誤差が生じた場合に、この誤差を吸収することが
できず、ベアリングレース55,56とボール57の間
に隙間が発生してしまう。この隙間は直ちに作動誤差な
いしガタとなって表れるもので、よって極力排除しなけ
ればならないものである。また平板状の押圧部材59に
は、ベアリングレース55,56の間にボール57が介
在していない状態で調整ネジ58をねじ込んだときに、
この押圧部材59が容易に変形してしまう不都合もあ
る。
【0006】平板状の押圧部材が傾くようにするには、
特公昭62−40566号公報に記載されているよう
に、複数の調整ネジを千鳥状に配置して押圧部材をベア
リングレースに沿わせることが考えられるが、平板状の
押圧部材が傾くと、この押圧部材と調整ネジとが線接触
する。したがって、これを原因として押圧部材と調整ネ
ジとの接触部にへたりが発生し、やはりガタが発生す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
み、部品の各部に寸法誤差があってもこれを吸収する機
能を備え、もってベアリングレースと転動体の間に隙間
が発生するのを防止することが可能なリニアガイド装置
を提供することを目的とする。
【0008】また、部品点数を減らして製作コストを低
減させることができ、しかも装置を小型化することがで
きるリニアガイド装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1によるリニアガイド装置は、固定
部に設けた凹溝内に配置される一対のベアリングレース
と、前記凹溝と対向するように移動部に設けた凹溝内に
配置される一対のベアリングレースと、前記二対四本の
ベアリングレースの間に転動自在に配置される所要数の
転動体と、前記ベアリングレースと転動体の間に隙間が
生じないように調整ネジで押されて一部のベアリングレ
ースを押圧する押圧部材とを有し、前記押圧部材とベア
リングレースとが、それぞれに形成された横断面円弧形
の円弧部で互いに接触する構造を備えることにした。
【0010】また、本発明の請求項2によるリニアガイ
ド装置は、固定部に設けた凹溝内に配置される一対のベ
アリングレースと、前記凹溝と対向するように移動部に
設けた凹溝内に配置される一対のベアリングレースと、
前記二対四本のベアリングレースの間に転動自在に配置
される所要数の転動体と、前記移動部の一方の側面から
前記凹溝の底面に貫通配置された所要数の調整ネジとを
有し、前記調整ネジの軸端に形成された円錐面または半
球面等よりなる曲面部と、前記ベアリングレースに形成
された横断面円弧形の円弧部とが互いに接触する構造を
備えることにした。
【0011】上記構成を備えた本発明の請求項1による
リニアガイド装置においては、上記構成により、調整ネ
ジに押された押圧部材が一部のベアリングレースを押圧
するときに寸法誤差を吸収すべく前後方向のみならず上
下方向にも変位することが可能である。したがって押圧
部材、各ベアリングレースおよび転動体が寸法誤差を吸
収すべく順送りに前後上下に変位するために、ベアリン
グレースと転動体の間に隙間が発生するのを防止するこ
とが可能となる。
【0012】また、上記構成を備えた本発明の請求項2
によるリニアガイド装置においては上記構成により、調
整ネジがベアリングレースを押圧するときに寸法誤差を
吸収すべく前後方向のみならず上下方向にも変位するこ
とが可能である。したがって各ベアリングレースおよび
転動体が寸法誤差を吸収すべく順送りに前後上下に変位
するために、ベアリングレースと転動体の間に隙間が発
生するのを防止することが可能となる。
【0013】また、その構成部品から押圧部材が省略さ
れるために、この分、製作コストを低減させることが可
能となり、リニアガイド装置をその幅方向に小さくする
ことも可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施形態を図面に
したがって説明する。
【0015】第一実施形態・・・図1は、当該実施形態
に係るリニアガイド装置の斜視図、図2は分解斜視図、
図3は横断面図、図4は縦断面図、図5はその要部拡大
図である。
【0016】当該リニアガイド装置は先ず、固定部であ
るガイドレール1および移動部であるスライダ2を有し
ており、ガイドレール1の上面にその全長に亙って設け
られた凸部1aの両外側面にそれぞれ、軸方向に延びる
凹溝3がガイドレール1の全長に亙って設けられてお
り、ガイドレール1に跨乗配置される逆凹字形のスライ
ダ2の両内側面にそれぞれ、前記凹溝3に相対応する凹
溝4がスライダ2の全長に亙って設けられている。凹溝
3,4はそれぞれ横断面矩形状ないし長方形状に形成さ
れている。ガイドレール1およびスライダ2はそれぞれ
アルミニウム合金等の軽量で加工性に優れた材料によっ
て成形されている。
【0017】ガイドレール1側の凹溝3の底部に、軸方
向に延びる平面部5bを備えた横断面略D字形を呈する
棒状のベアリングレース5が上下一対配置されており、
スライダ2側の凹溝4の底部にも、軸方向に延びる平面
部6bを備えた横断面略D字形を呈する棒状のベアリン
グレース6が上下一対配置されており、この二対四本一
組で田の字形に配置されたベアリングレース5,6の間
に、保持器7によって転動自在に保持された転動体であ
るボール8が所要数、転動自在に介装されている。ボー
ル8は各ベアリングレース5,6の平面部5b,6bと
接触している。
【0018】スライダ2側の一方の凹溝4の底面中央
に、この凹溝4よりやや幅の狭い凹部4aが凹溝4と平
行に設けられており、この凹部4aに、軸方向に延びる
平面部9bを備えた横断面略D字形を呈する棒状の押圧
部材9が配置されており、この押圧部材9がその平面部
9bにおいて、軸方向に所定の間隔を介してスライダ2
の一方の側面から凹溝4底面に貫通配置された複数の調
整ネジ(調整用ネジ部材とも称する)10の先端平面部
にそれぞれ接触しており、この調整ネジ10をねじ込ん
だり戻したりすることによってベアリングレース5,6
とボール8との接触状態を調節することができるように
なっている。ベアリングレース5,6およびボール8は
それぞれ、熱処理後、研磨によって精密な仕上げ加工を
施こされて当該リニアガイド装置の精度および剛性を向
上させている。凹部4aは横断面矩形状ないし長方形状
に形成されており、この凹部4aの幅よりネジ穴31の
径の方が大きく、このネジ穴31の径より凹溝4の幅の
方が更に大きく設定されている。
【0019】ベアリングレース5,6および押圧部材9
はそれぞれ、その横断面形状(軸直角断面形状)を円形
の一部を平面状に切り欠いた形状に形成されていて、こ
れにより上記したように横断面略D字形とされており、
その周面に円弧部(曲線部または曲面部とも称する)5
a,6a,9aおよび平面部(直線部とも称する)5
b,6b,9bが設けられている。
【0020】ベアリングレース5,6は、その円弧部5
a,6aで凹溝3,4の内壁に線接触しており、その平
面部5b,6bでボール8に点接触している。凹溝3側
の一対のベアリングレース5の内壁に対する接触は二点
線接触であり、凹溝4側の一対のベアリングレース6の
内壁に対する接触は一点線接触であるが、代わって凹溝
4側のベアリングレース6はその円弧部6aで押圧部材
9の円弧部9aに一点線接触している。ベアリングレー
ス5,6同士は非接触である。ボール8はベアリングレ
ース5,6の平面部5b,6bに点接触しており、内壁
および押圧部材9に対しては非接触である。押圧部材9
はその円弧部9aで凹溝4側のベアリングレース6の円
弧部6aに一点線接触しており、その平面部9bで調整
ネジ10の先端平面部に面接触している。押圧部材9は
内壁およびボール8に対しては非接触である。ベアリン
グレース5,6の横断面形状と押圧部材9の横断面形状
は同形同大であり、軸方向長さおよび材質も同じであ
り、よってこのベアリングレース5,6および押圧部材
9は部品として共用化されている。
【0021】ガイドレール1側の凹溝3の底部に配置さ
れたベアリングレース5の両端部にそれぞれ鍋子ネジ1
1が装着されるとともに、スライダ2の両端部にそれぞ
れ端板12が鍋子ネジ13によって固定されており、こ
れによりボール8の脱落が防止されている。
【0022】スライダ2の上面に、ツールや治具等のワ
ークを連結するための取付部14が設けられており、ガ
イドレール1に、当該リニアガイド装置を設備等に固定
するための取付部15が設けられている。
【0023】ガイドレール1にその全長に亙って貫通孔
16が設けられるとともに、この貫通孔16と交差する
ように長孔状の開口部17が設けられており、この開口
部17が凸部1aの上面に開口している。上端部に雄ネ
ジ19を刻設した係合ピン18が開口部17を上下に貫
通して、スライダ2の略中央にスライダ2上面に直交し
て刻設された雌ネジ20にねじ込まれてスライダ2に結
合されており、この係合ピン18の下端部が係合部材2
1の軸方向略中央に形成された係合孔22に若干の遊び
をもって差し込み係合されている。係合部材21は貫通
孔16の内部に配置されており、その両端部に一対のピ
ストン23が配置されている。ピストン23の外周にそ
れぞれOリング等のパッキン24が装着されている。貫
通孔16の両端部はそれぞれ閉止部材25によって閉塞
されており、この閉止部材25の外周にそれぞれOリン
グ等のパッキン26が装着されている。閉止部材25は
それぞれ穴用止め輪27によって固定されている。
【0024】貫通孔16の内部は、ピストン23および
係合部材21によって一対のシリンダ室28に仕切られ
ている。ガイドレール1の側面に一対の配管ポート29
が設けられており、この配管ポート29がそれぞれオリ
フィス30を介して一方のシリンダ室28に連通してい
る。そして、この配管ポート29およびオリフィス30
を介して一方のシリンダ室28に作動流体圧である圧縮
空気を供給するとともに他方のシリンダ室28を大気開
放すると、その圧力によってピストン23および係合部
材21が一体に貫通孔16内を軸方向に移動し、この動
きに係合ピン18を介してスライダ2が従動する。係合
ピン18が開口部17の周縁部に当接すると、ストロー
クエンドに達して移動が停止する。
【0025】上記構成のリニアガイド装置は、スライダ
2の上面にツールや治具等の各種のワークを搭載してこ
れを直線的に移動させるものであって、上記構成により
以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
【0026】すなわち先ず第一に、押圧部材9と凹溝4
側のベアリングレース6とが互いに円弧部9a,6aで
接触する構造であるために、ベアリングレース6の断面
寸法や、スライダ2に形成される凹溝4、および調整ネ
ジ10を取り付けるネジ穴31の加工精度にバラツキが
あっても、ボール8とベアリングレース5,6の間の隙
間を無くし、所要の接触圧を均等に付与することができ
る。
【0027】すなわち、例えば図5において、左下側の
ベアリングレース5の高さ寸法tが他の三本のベアリン
グレース5,6の高さ寸法より低い場合には、調整ネジ
10をねじ込むことによって押圧部材9が左方向に前進
し、ボール8と各ベアリングレース5,6の間に隙間が
発生するのを完全に防止することができる。このときボ
ール8は高さの低いベアリングレース5側、すなわち図
において左下側にずれるが、押圧部材9と凹溝4側のベ
アリングレース6とが互いに円弧部9a,6aで接触し
ているために、押圧部材9が上方向に変位し、右上側の
ベアリングレース6を左方向に変位させる。したがっ
て、このような順送りの連関動作によってボール8と各
ベアリングレース5,6とが接触する四点で均等に隙間
を無くし、各接触部に均等な接触圧を付与することがで
きる。したがってスライダ2がガタなくスライドするこ
とになる。
【0028】これに対して、比較例として示す図12お
よび図13のように平板状の押圧部材32を用いた場合
には、図12のようにボール8とベアリングレース6の
間に隙間33が発生してしまったり、図13のように押
圧部材32が傾いて(傾斜角度をθで示している)、こ
の押圧部材32と調整ネジ10とが点接触し、接触部に
へたりが発生してしまったりし、本発明との作用効果上
の相違は極めて明白である。
【0029】また、上記リニアガイド装置においては、
押圧部材9の横断面が円形の一部を平面状に切り欠いた
形状であって上記したように略D字形を成しているため
に、ベアリングレース5,6の間にボール8が介在して
いない状態で調整ネジ10をねじ込んでも、押圧部材9
が変形することがない。したがって押圧部材9の耐久性
を向上させることができる。
【0030】また、押圧部材9がその平面部9bで調整
ネジ10の先端平面部と面接触する構造であるために、
押圧部材9と調整ネジ10との接触部にへたりが生じる
ことがない。したがって、このへたりを原因としてガタ
が発生するのを防止することができる。
【0031】更にまた、ベアリングレース5,6の横断
面形状と押圧部材9の横断面形状とが同形同大であり、
軸方向長さおよび材質も同じであり、このベアリングレ
ース5,6と押圧部材9とが部品として共用化されてい
るために、部品の種類を一種類減らすことができる。し
たがって部品の調達等を容易化し、コスト的にも有利な
ものとなる。尚、実際には、押圧部材9にベアリングレ
ース5,6を利用するために、ベアリングレース5,6
の製作ロットが増えることになる。
【0032】第二実施形態・・・図6は、当該実施形態
に係るリニアガイド装置の斜視図、図7は分解斜視図、
図8は横断面図、図9は縦断面図、図10はその要部拡
大図である。
【0033】当該リニアガイド装置は先ず、固定部であ
るガイドレール1および移動部であるスライダ2を有し
ており、ガイドレール1の上面にその全長に亙って設け
られた凸部1aの両外側面にそれぞれ、軸方向に延びる
凹溝3がガイドレール1の全長に亙って設けられてお
り、ガイドレール1に跨乗配置される逆凹字形のスライ
ダ2の両内側面にそれぞれ、前記凹溝3に相対応する凹
溝4がスライダ2の全長に亙って設けられている。凹溝
3,4はそれぞれ横断面矩形状ないし長方形状に形成さ
れている。ガイドレール1およびスライダ2はそれぞ
れ、軽量で耐蝕性および加工性等に優れたアルミニウム
合金等の押出材によって製作されている。したがって押
出材を製作する時点で断面形状の成形が完了しており、
凹溝3,4の仕上げ加工を行ない、所要の長さに切断し
てからタップ加工等を行なえば良いために、製作コスト
を大幅に低減させることが可能である。
【0034】ガイドレール1側の凹溝3に、棒状を呈す
るベアリングレース5が上下一対配置されており、この
ベアリングレース5の周面に形成された横断面(軸直角
断面)円弧形の円弧部(曲線部または曲面部とも称す
る)5aと、凹溝3の上下隅部に形成された横断面円弧
形の円弧部3aとが互いに接触している。凹溝3側の円
弧部3aの径の大きさは、ベアリングレース5側の円弧
部5aの径の大きさと等しいか、またはこの円弧部5a
の径より僅かに大きく形成されており、これにより円弧
部と平面部とが接触する場合と比較して、接触部に発生
する応力の大きさが著しく低減せしめられている。
【0035】スライダ2側の凹溝4であって図9におけ
る左側の凹溝4に、棒状を呈するベアリングレース6が
上下一対配置されており、このベアリングレース6の周
面に形成された横断面円弧形の円弧部6aと、凹溝4の
上下隅部に形成された横断面円弧形の円弧部4bとが互
いに接触している。凹溝4側の円弧部4bの径の大きさ
は、ベアリングレース6側の円弧部6aの径の大きさと
等しいか、またはこの円弧部6aの径より僅かに大きく
形成されており、これにより円弧部と平面部とが接触す
る場合と比較して、接触部に発生する応力の大きさが著
しく低減せしめられている。
【0036】スライダ2側の凹溝4であって図9におけ
る右側の凹溝4に、棒状を呈するベアリングレース6が
上下一対配置されており、このベアリングレース6の周
面に形成された平面部6bと、凹溝4の上下に形成され
た平面部4cとが互いに接触している。この部分の接触
は平面同士の接触であるために、円弧部と平面部とが接
触する場合と比較して、接触部に発生する応力の大きさ
が著しく低減せしめられている。
【0037】上記構成によって二対四本一組で田の字形
に配置されたベアリングレース5,6の中央に、転動体
であるボール8が所要数、保持器無しで転動自在に介装
されており、図9における左側のボール8はそれぞれベ
アリングレース5,6の平面部5b,6bに対して転動
自在に接触している。これに対して図9における右側の
ボール8はそれぞれガイドレール1側のベアリングレー
ス5の平面部5bおよびスライダ2側のベアリングレー
ス6の円弧部6aに対して転動自在に接触している。
【0038】スライダ2側であって図9における右側の
凹溝4の底面に向けて、スライダ2の外側側面からネジ
穴31が設けられており、このネジ穴31に調整ネジ
(調整用ネジ部材とも称する)10がねじ込まれてお
り、この調整ネジ10の軸端(先端)に円錐形または半
球形を呈する曲面部10aが設けられており、この曲面
部10aが上下一対のベアリングレース6の間に入り込
むようにして各ベアリングレース6の円弧部6aに接触
している。ネジ穴31は凹溝4の長手方向に沿って複数
が所定間隔で設けられており、この複数のネジ穴31に
それぞれ曲面部10aを備えた調整ネジ10がねじ込ま
れている。したがって、これらの調整ネジ10をねじ込
んだり戻したりすることによってベアリングレース5,
6とボール8との接触状態を調整することが可能であ
る。ベアリングレース5,6およびボール8はそれぞれ
硬質材料によって製作されており、熱処理後、研磨によ
って精密に仕上げ加工を施こされることにより、リニア
ガイド装置の精度および剛性を向上させている。
【0039】ガイドレール1側の凹溝3の底部に配置さ
れたベアリングレース5の両端部にそれぞれ鍋子ネジ1
1が装着されるとともに、スライダ2の両端部にそれぞ
れ端板12が鍋子ネジ13によって固定されており、こ
れによりボール8の脱落が防止されている。
【0040】スライダ2の上面に、ツールや治具等のワ
ークを連結するための取付部14が設けられており、ガ
イドレール1に、当該リニアガイド装置を設備等に固定
するための取付部15が設けられている。
【0041】ガイドレール1にその全長に亙って貫通孔
16が設けられるとともに、この貫通孔16と交差する
ように長孔状の開口部17が設けられており、この開口
部17が凸部1aの上面に開口している。上端部に雄ネ
ジ19を刻設した係合ピン18が開口部17を上下に貫
通して、スライダ2の略中央にスライダ2上面に直交し
て刻設された雌ネジ20にねじ込まれてスライダ2に結
合されており、この係合ピン18の下端部が係合部材2
1の軸方向略中央に形成された係合孔22に若干の遊び
をもって差し込み係合されている。係合部材21は貫通
孔16の内部に配置されており、その両端部に一対のピ
ストン23が配置されている。ピストン23の外周にそ
れぞれピストンシール24が装着されている。貫通孔1
6の両端部はそれぞれ閉止部材25によって閉塞されて
おり、この閉止部材25の外周にそれぞれOリング等の
パッキン26が装着されている。閉止部材25はそれぞ
れ穴用止め輪27によって固定されている。
【0042】貫通孔16の内部は、ピストン23および
係合部材21によって一対のシリンダ室28に仕切られ
ている。ガイドレール1の側面に一対の配管ポート29
が設けられており、この配管ポート29がそれぞれオリ
フィス30を介して一方のシリンダ室28に連通してい
る。そして、この配管ポート29およびオリフィス30
を介して一方のシリンダ室28に作動流体圧である圧縮
空気を供給するとともに他方のシリンダ室28を大気開
放すると、その圧力によってピストン23および係合部
材21が一体に貫通孔16内を軸方向に移動し、この動
きに係合ピン18を介してスライダ2が従動する。係合
ピン18が開口部17の周縁部に当接すると、ストロー
クエンドに達して移動が停止する。
【0043】上記構成のリニアガイド装置は、スライダ
2の上面にツールや治具等の各種のワークを搭載してこ
れを直線的に移動させるものであって、上記構成により
以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
【0044】すなわち先ず第一に、調整ネジ10の曲面
部10aとベアリングレース6の円弧部6aとが互いに
接触する構造であるために、ベアリングレース5,6、
ガイドレール1に設けられた凹溝3、スライダ2に設け
られた凹溝4、および調整ネジ10を取り付けるネジ穴
31等の加工精度にばらつきがあっても、ボール8とベ
アリングレース5,6の間の隙間を無くすことができ
る。
【0045】すなわち、例えば図10において、左下側
のベアリングレース5の高さ寸法tが他の三本のベアリ
ングレース5,6の高さ寸法より低い場合には、調整ネ
ジ10をねじ込むことによってベアリングレース6が左
方向に前進し、ボール8と各ベアリングレース5,6と
の間に隙間が発生するのを完全に防止することができ
る。このとき、ボール8は高さの低いベアリングレース
5側、すなわち図において左下側にずれるが、調整ネジ
10の曲面部10aとベアリングレース6の円弧部6a
とが互いに接触しているために、調整ネジ10がスライ
ダ2と一体的に上方向に変位し、右上側のベアリングレ
ース6を左方向に変位させる。したがってこのような順
送りの連関動作によってボール8と各ベアリングレース
5,6とが接触する四点で隙間を無くすことができる。
したがってスライダ2がガタなくスライドすることにな
る。
【0046】これに対して、比較例として示す図12お
よび図13のように平板状の押圧部材32を用いた場合
には、図12のようにボール8とベアリングレース6の
間に隙間33が発生してしまったり、図13のように押
圧部材32が傾いて(傾斜角度をθで示している)、こ
の押圧部材32と調整ネジ10とが点接触し、接触部に
へたりが発生してしまったりし、本発明との作用効果上
の相違は極めて明白である。
【0047】また、上記リニアガイド装置においては、
ベアリングレース6の横断面が円形の一部を平面状に切
り欠いた形状であって断面略D字形を成しているため
に、ベアリングレース5,6の間にボール8が介在して
いない状態で調整ネジ10をねじ込んでも、ベアリング
レース5,6が変形することがない。したがってベアリ
ングレース5,6の耐久性を向上させることができる。
【0048】また、ベアリングレース6が凹溝4と面接
触する構造であるために、大きな摩擦力が作用し、調整
ネジ10とベアリングレース6との接触部には殆ど力が
作用しない。したがって調整ネジ10とベアリングレー
ス6との接触部にへたりが発生することがなく、このへ
たりを原因としてガタが発生するのを防止することがで
きる。
【0049】更にまた、その構成部品から押圧部材が省
略されるために、この分、製作コストを低減させること
ができ、併せてリニアガイド装置そのものをその幅方向
に小型化することができる。
【0050】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。
【0051】すなわち先ず、上記構成を備えた本発明の
請求項1によるリニアガイド装置においては、押圧部材
とこれに押圧される一部のベアリングレースとがそれぞ
れに形成された横断面円弧形の円弧部で互いに接触する
構造であるために、ベアリングレースの断面寸法や、凹
溝および調整ネジを取り付けるネジ穴の加工精度にバラ
ツキがあっても、ベアリングレースと転動体の間に隙間
が発生するのを防止することができ、各接触部に所要の
接触圧を均等に付与することができる。したがって移動
部をガタなく円滑にスライドさせることができる。
【0052】また、上記構成を備えた本発明の請求項2
によるリニアガイド装置においては、調整ネジの曲面部
とベアリングレースの円弧部とが互いに接触する構造で
あるために、ベアリングレース、ガイドレールに設けた
凹溝、スライダに設けた凹溝および調整ネジを取り付け
るネジ穴等の加工精度にバラツキがあっても、ボールと
ベアリングレースとの間の隙間を無くすことができる。
したがって移動部をガタなく円滑にスライドさせること
ができる。
【0053】また、その構成部品から押圧部材が省略さ
れるために、この分、製作コストを低減させることがで
き、併せてリニアガイド装置そのものをその幅方向に小
型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係るリニアガイド装置
の斜視図
【図2】同リニアガイド装置の分解斜視図
【図3】同リニアガイド装置の横断面図
【図4】同リニアガイド装置の縦断面図
【図5】図4の要部拡大図
【図6】本発明の第二実施形態に係るリニアガイド装置
の斜視図
【図7】同リニアガイド装置の分解斜視図
【図8】同リニアガイド装置の横断面図
【図9】同リニアガイド装置の縦断面図
【図10】図9の要部拡大図
【図11】従来例を示す断面図
【図12】比較例を示す断面図
【図13】他の比較例を示す断面図
【符号の説明】
1 ガイドレール(固定部) 1a 凸部 2 スライダ(移動部) 3,4 凹溝 3a,4b,5a,6a,9a 円弧部 4a 凹部 4c,5b,6b,9b 平面部 5,6 ベアリングレース 7 保持器 8 ボール(転動体) 9 押圧部材 10 調整ネジ 10a 曲面部 12 端蓋 14,15 取付部 16 貫通孔 17 開口部 18 係合ピン 21 係合部材 22 係合孔 23 ピストン 25 閉止部材 28 シリンダ室 29 配管ポート 30 オリフィス 31 ネジ穴

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部(1)に設けた凹溝(3)内に配
    置される一対のベアリングレース(5)と、前記凹溝
    (3)と対向するように移動部(2)に設けた凹溝
    (4)内に配置される一対のベアリングレース(6)
    と、前記二対四本のベアリングレース(5)(6)の間
    に転動自在に配置される所要数の転動体(8)と、前記
    ベアリングレース(5)(6)と転動体(8)の間に隙
    間が生じないように調整ネジ(10)で押されて一部の
    ベアリングレース(6)を押圧する押圧部材(9)とを
    有し、 前記押圧部材(9)とベアリングレース(6)とが、そ
    れぞれに形成された横断面円弧形の円弧部(9a)(6
    a)で互いに接触する構造を備えたことを特徴とするリ
    ニアガイド装置。
  2. 【請求項2】 固定部(1)に設けた凹溝(3)内に配
    置される一対のベアリングレース(5)と、前記凹溝
    (3)と対向するように移動部(2)に設けた凹溝
    (4)内に配置される一対のベアリングレース(6)
    と、前記二対四本のベアリングレース(5)(6)の間
    に転動自在に配置される所要数の転動体(8)と、前記
    移動部(2)の一方の側面から前記凹溝(4)の底面に
    貫通配置された所要数の調整ネジ(10)とを有し、 前記調整ネジ(10)の軸端に形成された円錐面または
    半球面等よりなる曲面部(10a)と、前記ベアリング
    レース(6)に形成された横断面円弧形の円弧部(6
    a)とが互いに接触する構造を備えたことを特徴とする
    リニアガイド装置。
JP27345098A 1998-03-31 1998-09-28 リニアガイド装置 Pending JPH11344031A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27345098A JPH11344031A (ja) 1998-03-31 1998-09-28 リニアガイド装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10175598 1998-03-31
JP10-101755 1998-03-31
JP27345098A JPH11344031A (ja) 1998-03-31 1998-09-28 リニアガイド装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11344031A true JPH11344031A (ja) 1999-12-14

Family

ID=26442575

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27345098A Pending JPH11344031A (ja) 1998-03-31 1998-09-28 リニアガイド装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11344031A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001263349A (ja) * 2000-02-11 2001-09-26 Gimatic Spa リニアハンドリングユニット
CN107061491A (zh) * 2017-01-23 2017-08-18 北京埃莫豪新技术有限公司 一种滚珠直线精密平移台

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001263349A (ja) * 2000-02-11 2001-09-26 Gimatic Spa リニアハンドリングユニット
JP4605910B2 (ja) * 2000-02-11 2011-01-05 ジマティック エセ.ピ.ア. リニアハンドリングユニット
CN107061491A (zh) * 2017-01-23 2017-08-18 北京埃莫豪新技术有限公司 一种滚珠直线精密平移台

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4427240A (en) Endless linear ball bearing
WO1990010159A1 (en) Bearing for straight slide and method of setting thereof
JPH0425618A (ja) 直線案内装置
US8939064B2 (en) Linear actuator
JPH02113114A (ja) 軸支ローラ式直線運動用ベアリング
JP2016211673A (ja) ロータリーアクチュエータ
US9162291B2 (en) Tool head for use in machine tools
JPH0735137A (ja) ボールスプライン
JPH0416296B2 (ja)
KR20110081020A (ko) 리니어 액츄에이터
JPH0232488B2 (ja)
US8955424B2 (en) Linear actuator
JPS6211211B2 (ja)
JPH11344031A (ja) リニアガイド装置
US20030164054A1 (en) Guide actuator with high radial direction load capacity
JP3613937B2 (ja) 無潤滑直線案内装置
JPH09141533A (ja) リニアアクチュエータ
US5172982A (en) Linear motion rolling guide unit
JPH02186107A (ja) リニアアクチュエータ
JP2005282744A (ja) アクチュエータ
JPH0740086Y2 (ja) スライドアクチュエータ
WO2020121562A1 (ja) ステージ機構
JP2607486Y2 (ja) 流体圧シリンダ
JPH10318209A (ja) ロッドレスシリンダ
JP2000304044A (ja) リニアガイド装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060306

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060628