JPH11343184A - 湿潤したコンクリート構造物の劣化防止工法 - Google Patents

湿潤したコンクリート構造物の劣化防止工法

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JPH11343184A
JPH11343184A JP16424098A JP16424098A JPH11343184A JP H11343184 A JPH11343184 A JP H11343184A JP 16424098 A JP16424098 A JP 16424098A JP 16424098 A JP16424098 A JP 16424098A JP H11343184 A JPH11343184 A JP H11343184A
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Japan
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coating film
meth
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acrylate
cement
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JP16424098A
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Takehiro Yanase
武裕 簗瀬
Koichi Fukushima
浩一 福島
Yoshito Uramoto
義人 浦本
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Toagosei Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/52Multiple coating or impregnating multiple coating or impregnating with the same composition or with compositions only differing in the concentration of the constituents, is classified as single coating or impregnation

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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンクリート構造物の塩害、中性化及びアルカ
リ骨材反応を防止し、当該構造物の亀裂に対しても優れ
た追従性を有し、これらの性能を長期に亘り保持するこ
とができ、さらに当該構造物の表面が湿潤している場合
においても形成される塗膜の密着性に優れる工法の提
供。 【解決手段】湿潤したコンクリート構造物の表面に、エ
ポキシ樹脂とセメントからなる組成物により下塗材塗膜
を形成させ、その塗膜表面にアルキル(メタ)アクリレ
ート系共重合体を含む組成物から形成された塗膜であっ
て、伸び率、遮塩性、水蒸気透過性及び膜厚が特定の物
性値の塗膜を形成させるコンクリート構造物の劣化防止
工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート構造
物の劣化防止工法に関するものであり、土木及び建築等
の技術分野において賞用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】一般にコンクリート構造物は、セメント
の水和物である水酸化カルシウムの存在によりpH12
〜13の強アルカリ性を呈するため、例えば、鉄筋コン
クリート構造物の場合には、コンクリート内部の鉄筋の
表面に不動態膜が形成されることにより腐食が抑制され
ている。しかしながら、炭酸ガスがコンクリート中に侵
入すると、これと水和物の水酸化カルシウムが反応して
炭酸カルシウムを生成するため、コンクリートの中性化
が促進され、又塩化物イオンが鉄筋表面に侵入した場合
には、鉄筋表面を被覆していた不動態膜が破壊されて鉄
筋を腐食させる。鉄筋の腐食が進行すると、腐食前に比
較して約2.5倍の体積膨張を伴うため、錆の進行と共
にコンクリートにクラックが生じたり、コンクリートの
強度が低下したりして、当初予定していた構造物の耐用
強度が維持できなくなる問題がある。又、コンクリート
中にアルカリ骨材反応を起こす骨材が混入している場合
には、アルカリ骨材反応の進行によりコンクリートにク
ラックが発生し、前記と同様のトラブルが発生する。
【0003】このようなコンクリート構造物の塩害、中
性化及びアルカリ骨材反応が発生もしくは懸念される場
合には、従来より一般的に、いわゆる環境遮断による補
修が行われている。即ち、コンクリート構造物の表面に
塗料、防水材及びポリマーセメントモルタル等により塗
膜を形成し、炭酸ガス、塩分、酸素及び水分等を遮断す
る方法である。この場合、塗料としては、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂系のものが一般的に
用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
塗料、防水材及びポリマーセメントモルタル等の塗膜を
形成する工法では、コンクリート構造物表面が湿潤して
いる場合には、十分な密着性を得ることが困難であるた
め、塗工前にコンクリート構造物表面を十分に乾燥する
必要があり、コンクリート構造物表面の乾燥が十分でな
い場合には、塗膜のふくれ及びはがれ等が発生してい
た。又、例えコンクリート構造物表面を十分に乾燥さ
せ、塗膜を形成させたとしても、塗料、防水材及びポリ
マーセメントモルタルから形成される塗膜は、柔軟性に
欠けるため、コンクリート構造物にクラックが発生した
場合、塗膜はこれに追従できず割れてしまったり、耐水
接着性が不良であることに起因して、塗膜にふくれ、わ
れ又ははがれ等が発生していた。又、従来の工法による
塗膜は、水蒸気透過性に劣るため、コンクリート構造物
内部を乾燥状態に導くことができず、アルカリ骨材反
応、塩害及びふくれを誘発してしまうという欠点があ
る。
【0005】本発明者らは、上記問題点を解消し、コン
クリート構造物中への劣化要因の侵入を遮断して塩害及
び中性化を防止し、コンクリート構造物内部に滞留した
水分を速やかに放出してアルカリ骨材反応を防止し、コ
ンクリート構造物の亀裂に対しても優れた追従性を有
し、これら性能を長期に亘り保持し、さらにコンクリー
ト構造物の表面が湿潤条件下においても密着性に優れる
工法を見出すべく鋭意検討したのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために種々の検討を行った結果、湿潤したコ
ンクリート表面に、特定の組成物から形成され、特定の
物性を有する2層の塗膜を形成する施工方法が有効であ
ることを見出し本発明を完成した。以下、本発明を詳細
に説明する。尚、本明細書においては、アクリレート又
はメタクリレートを(メタ)アクリレートという。
【0007】
【発明の実施の形態】
○下塗材塗膜(1) 本発明において、湿潤したコンクリート構造物の表面に
形成する下塗材塗膜(1)において、これを形成するた
めの組成物〔以下組成物(1)という〕は、エポキシ樹
脂とセメントからなる組成物であり、いわゆるポリマー
セメントモルタルの1種である。以下、それぞれの成分
について説明する。
【0008】・エポキシ樹脂 エポキシ樹脂としては、種々のものが使用でき、例えば
ビスフェノールA又はそのアルキレンオキサイド付加物
とエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ
樹脂、水素添加ビスフェノールA又はそのアルキレンオ
キサイド付加物とエピクロルヒドリンとの反応により得
られるエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等を挙げ
ることができる。ここで、アルキレンオキサイドとして
は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を挙
げることができる。この他にも、「基礎合成樹脂の化学
(新版)」(三羽忠広著、技報堂発行)の第372頁〜
第379頁に記載されている様なグリシジル型エポキシ
樹脂、同書の第388頁〜第391頁に記載されている
様な非グリシジル型エポキシ樹脂が挙げられる。これら
エポキシ樹脂の中でも、グリシジル型エポキシ樹脂が好
ましく、液状のグリシジル型エポキシ樹脂がより好まし
い。これらエポキシ樹脂は市販されており、例えば油化
シェルエポキシ(株)社のエピコート828等が挙げら
れる。エポキシ樹脂は、エマルションの形態のものが好
ましい。この場合、エポキシ樹脂を水中に分散させるた
めの界面活性剤としては、安定性に優れるアニオン性又
は/及びノニオン性の界面活性剤が使用することが好ま
しい。ノニオン性の界面活性剤としては、ポリエチレン
グリコール型界面活性剤等が挙げられ、アニオン性の界
面活性剤としては、これらの硫酸エステル又はリン酸エ
ステルのアルカリ金属塩等が挙げられる。ポリエチレン
グリコール型界面活性剤としては、例えば高級アルコー
ル、多価アルコール、油脂、高級脂肪酸、アルキルフェ
ノール及びアミン等の活性水素を有する化合物に、エチ
レンオキサイドを付加したものが挙げられる。好ましい
界面活性剤としては、アルキルフェノール、又は油脂、
特にヒマシ油のエチレンオキサイド付加物である。界面
活性剤は、単独でも、2種以上を併用して使用すること
もできる。界面活性剤の使用量としては、通常エマルシ
ョン中の樹脂固形分に対して1〜15重量%が好まし
い。組成物(1)中のエポキシ樹脂の割合は、全固形分
を基準にして1〜50重量%でなければならない。この
範囲外では、塗膜の下地ひび割れ追従性及び湿潤面への
接着性が低下する。
【0009】・セメント セメントは、下塗材塗膜(1)に対して、強靱性、耐水
性、湿潤面に対する接着性及び乾燥成膜性を向上させる
目的で配合するものである。セメントとしては、通常の
ポリマーセメントで使用されるセメントが使用でき、例
えば普通ポルトランドセメント、アルミナセメント並び
に高炉セメント、シリカセメント及びフライアッシュセ
メント等の混合ポルトランドセメント等が挙げられる。
セメントは、2種以上を併用することもできる。これら
のセメントの組成物(1)中の割合は、全固形分を基準
にして5〜99重量%であることを必要とし、好ましく
は5〜90重量%である。5重量%に満たない場合には
塗膜の強靭性が低下し、又99重量%を越える場合に
は、防水材との耐水接着性が低下する。又、組成物
(1)中のエポキシ樹脂とセメントの合計量は、全固形
分を基準にして40重量%以上でなければならず、50
重量%以上が好ましい。この値が40重量%に満たない
場合には、下塗材が乾燥しにくくなったり、接着力が低
下してしまう。
【0010】・その他の配合物 本発明で使用する組成物(1)中には、上記必須成分の
他、必要に応じて、モノ又はポリアミドアミン化合物、
高級脂肪酸又はその塩、並びに骨材及び防水剤等の補助
剤等を配合することもできる。
【0011】モノ又はポリアミドアミン化合物は、塗膜
の強度を向上させるために配合するものである。モノ又
はポリアミドアミン化合物は、その分子中にエポキシ樹
脂と反応する活性水素原子を2個以上有する化合物で、
通常重合脂肪酸及び/又は脂肪酸等の酸成分とポリアミ
ンとをアミン過剰で反応させて製造して得られるもので
ある。重合脂肪酸としては、例えばオレイン酸又はリノ
ール酸等の炭素数18の不飽和脂肪酸、乾性油脂肪酸、
半乾性油脂肪酸及びこれら各脂肪酸の低級モノアルコー
ルエステルを二分子重合させたもの等が挙げられる。脂
肪酸としては、例えば、ステアリン酸、2−エチルヘキ
サン等の飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸及びリノ
レン酸等の不飽和脂肪酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪
酸又は綿実油脂肪酸等の天然油脂を処理して得られる脂
肪酸、ヒマシ油脂肪酸又はジフェノール酸のヒドロキシ
基含有脂肪酸、並びに炭素数12〜24の脂肪酸を含有
する天然油脂を処理して得られる脂肪酸等が挙げられ
る。ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テト
ラエチレンペンタミン、キシリレンジアミン、メタフェ
ニレンジアミン等が挙げられる。これらの含有量は、組
成物(1)中のエポキシ樹脂に対して、0.5〜70重
量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30重
量%である。
【0012】高級脂肪酸又はその塩は、エポキシ樹脂エ
マルションの下地への浸透を助けるために配合されるも
のである。高級脂肪酸の具体例としては、ラウリル酸、
オレイン酸及びステアリル酸等の炭素数10〜30の飽
和又は不飽和脂肪酸等が挙げられる。又高級脂肪酸の塩
としては、これら高級脂肪酸のナトリウム塩、カリウム
塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、低級アミン及
びアルカノールアミン等のアミンの塩が挙げられる。こ
れらの含有量は、組成物(1)中に0.01〜20重量
%であることが好ましい。
【0013】補助剤としては、骨材及び防水剤等が挙げ
られる。骨材としては、川砂、海砂、ケイ砂、炭酸カル
シウム、タルク、ベントナイト、酸化鉄、フライアッシ
ュ、アルミナ高炉水及び顔料等が挙げられる。これら
は、組成物(1)中に300重量%以下の割合で配合す
ることが好ましい。防水剤としては、けい酸ナトリウム
及びけい酸カリウム等のけい酸塩、SBR、NBR、E
VA及びクロロプレンラバー等の非反応性樹脂エマルシ
ョン、並びにCMC及びポリビニルアルコール等の水溶
性樹脂等が挙げられる。これらは、組成物(1)中に3
0重量%以下の割合で配合することができる。
【0014】○塗膜(2) 本発明の工法では、上記下塗材塗膜(1)の表面に、ア
ルキル基の炭素数が4〜10であるアルキル(メタ)ア
クリレート単位を30〜98重量%の含有割合とする共
重合体からなる組成物〔以下組成物(2)という〕から
形成された塗膜であって、20℃における伸び率50〜
2000%、遮塩性10-2〜10-4mg/cm2 ・日、
水蒸気透過性5g/m2 ・日以上及び膜厚100〜50
00μmである塗膜を形成する。
【0015】アルキル基の炭素数が4〜10であるアル
キル(メタ)アクリレートの具体例としては、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アク
リレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−
アミル(メタ)アクリレート、iso−アミル(メ
タ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ペンチル
(メタ)アクリレート、オキソヘプチル(メタ)ア ク
リレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メ
タ)アクリレート、オキソノニル(メタ)アクリレー
ト、n−デシル(メタ)アクリレート及びオキソデタル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。アルキル基の炭
素数が4より小さいアルキル(メタ)アクリレートは、
耐アルカリ性の点で好ましくなく、他方炭素数が10を
越えるものは耐寒性が低下してしまう。上記単量体中の
割合は、30〜98重量%である必要があり、好ましく
は50〜90重量%である。この割合が30重量%を下
回ると、塗膜の下地ひび割れ追従性、耐水性及び耐アル
カリ性が低下する。他方この割合が98重量%を越える
と、十分な強度の塗膜を得られないことがある。本発明
における重合体は、当該(メタ)アクリレートに加え、
その他単量体を共重合したものであっても良い。その他
単量体としては、スチレン、アクリロニトリル、(メ
タ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、N
−メチロールアクリルアミド及び炭素数1〜3のアルキ
ル(メタ)クリレート等が挙げられる。又、塗膜(2)
に難燃性を付与するために、塩化ビニリデンを構成単量
体として使用することもできる。
【0016】重合体の形態としては、安全性に優れ、得
られた塗膜がベタツキもなく、耐水性、耐薬品性、耐紫
外線性及び耐オゾン性が良好である点で、重合体の水性
エマルションが好ましい。尚、エマルション中の重合体
の割合は、30〜70重量%であることが好ましい。
【0017】又、得られる塗膜を強靭にし、又塗膜表面
の粘着性の低減、施工性を向上させるために、組成物
(2)に充填材を配合することもできる。充填材の配合
量は、重合体100重量部に対して、30〜300重量
部が好ましく、より好ましくは50〜150重量部程度
配合することが好ましい。充填材の配合量が300重量
部を超えると、塗膜の接着性、伸び及び防水機能を損な
う場合がある。充填材の具体例としては、硅砂、タル
ク、炭酸カルシウム、カオリン、石膏、珪藻土、酸化チ
タン、並びに各種ポルトランドセメント、高炉セメント
及びアルミナセメント等のセメント等が挙げられ、2種
以上を併用することもできる。充填材としてセメントを
配合する場合、その配合量は、重合体100重量部に対
して、50重量部程度までが好ましい。又、必要に応じ
て、重合体100重量部に対して5重量部程度までの界
面活性剤、粘度安定剤及び消泡剤等を配合することもで
きる。
【0018】又、塗膜に難燃性を付与するため、塩化ビ
ニリデンの重合体又は/及び塩化ビニリデンの共重合体
を配合したり、トリアジン環を有する化合物を配合する
こともできる。
【0019】本発明の塗膜(2)は、20℃における伸
び率50〜2000%、遮塩性10-2〜10-4mg/c
2 ・日、水蒸気透過性5g/m2 ・日以上及び膜厚1
00〜5000μmであることが必要である。
【0020】20℃における伸び率が50%を下回る
と、コンクリートのひび割れに対して追従することがで
きず、又水、酸素、二酸化炭素及び飛来塩分を遮断する
ことができず、又2000%を越えると、摩耗及び衝撃
等に弱くなり、塗膜の耐久性が不十分なものとなる。遮
塩性が、10-2mg/cm2 ・日を上回ると、飛来塩分
に対する遮断効果が不十分となり、長期的な防錆効果に
欠け、又10-4mg/cm2 ・日を下回ると他の効果が
低下してしまう。水蒸気透過性が5g/m2 ・日を下回
ると、コンクリート内部の水分を放出しにくいためにコ
ンクリート内部を乾燥状態にすることができず、アルカ
リ骨材反応及び塩害を誘発させたり、水分により塗膜が
膨張してしまうことがある。形成膜厚が100μmを下
回る場合にはコンクリートのひび割れに対する追従性に
欠け、なおかつ環境遮断性に劣るものとなり、又形成膜
厚が5000μを上回ると、水蒸気透過性が小さくな
り、コンクリート内部を乾燥状態にすることができず、
アルカリ骨材反応及び塩害を誘発させたり、又塗膜が膨
れ易くなってしまう。
【0021】○上塗材塗膜(3) 本発明の工法においては、必要に応じて、前記塗膜
(2)上に、美観を向上させる目的と、塗膜(1)及び
塗膜(2)を保護する目的で、上塗材塗膜を(3)を形
成することもできる。上塗材塗膜(3)としては、20
℃における伸び率が50〜500%、膜厚50〜300
μmを有する塗膜であるものが好ましい。上塗材塗膜
(3)の20℃における伸び率が50%を下回ると、塗
膜(1)のひび割れ追従性を低下させたり、塗膜(1)
の柔軟性に追従できずに上塗材塗膜(3)自体が割れる
場合があり、又隠ぺい性不良となり、外観上好ましくな
いことがある。他方、500%を上回ると、外部からの
汚染を受けやすくなって、美観上好ましくないことがあ
り、又コンクリート内部の水分を放出しにくいためにコ
ンクリート内部を乾燥状態にできず、アルカリ骨材反応
及び塩害を誘発させたり、塗膜が膨れ易くなってしまう
場合がある。上塗材塗膜(3)を形成する上塗材組成物
としては、種々のものが使用可能であり、アクリル系樹
脂塗料、アクリルウレタン系塗料、アクリルシリコン系
塗料、フッ素樹脂塗料及びエポキシ樹脂塗料等が挙げら
れる。
【0022】○施工方法 本発明の劣化防止工法は、湿潤したコンクリート構造物
表面に前記下塗材塗膜(1)を形成し、その塗膜表面上
に塗膜(2)を形成するものである。具体的には、組成
物(1)及び組成物(2)を、常法に従い施工すれば良
い。これら組成物の施工方法としては、通常の方法で行
えば良く、例えばコテ、刷毛又はローラー等により塗布
したり、リシンガン及びスプレーガン等の機械により吹
付けたりする方法がある。特に、組成物(2)を施工す
る場合、優れたひび割れ追従性を付与するために、膜厚
への配慮を行う必要がある。組成物(2)の粘度として
は、施工方法により異なるが、300cps以上(B型
粘度計、12回転、ローターNo.4、20℃)である
ことが施工性に優れるため好ましく、より好ましくは1
000〜50000cpsにである。粘度が300c
psより小さいと、一度に厚塗りすることが難しくな
り、又高粘度の場合には、厚塗りができる利点がある
が、施工に難点が生じる場合がある。
【0023】本発明の工法は、土木・建築における種々
のコンクリート構造物に適用可能である。尚、本発明に
おいて、コンクリート構造物とは、コンクリート及びモ
ルタルを意味する。又、本発明の工法は、既に塩害やア
ルカリ骨材反応により、劣化を受けたもしくは劣化のお
それのあるコンクリート構造物にも適用することが可能
であり、さらに、それらコンクリート表面が湿潤条件下
にある場合において、最も効果を発揮する。尚、湿潤面
条件下にあるコンクリート構造物の例として、橋脚、橋
台、床版下面、桟橋、ドルフィン、ボックスカルバー
ト、導水路、貯水槽、地下ピット、壁及び屋根等が挙げ
られる。
【0024】
【作用】本発明の工法は、湿潤したコンクリート構造物
表面に対して、下塗材塗膜の密着性に優れるため、ふく
れ及びはがれ等を発生することがない。又、塗膜(2)
がひび割れ追従性の優れる塗膜であるため、コンクリー
トにクラックが発生した場合もこれに追従できることが
可能となり、劣化要因の侵入を長期に亘り防止する。
又、塗膜(2)が水蒸気透過性に優れた塗膜であること
により、コンクリート内部を乾燥状態に導き、さらに遮
塩性にも優れているため、アルカリ骨材反応、塩害及び
ふくれの発生を防止する。
【0025】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具
体的に説明する。尚、以下に示す「部」及び「%」は、
いずれも重量基準である。 ○製造例1〔下塗材用組成物の製造〕 エポキシ当量約190のビスフェノール型エポキシ樹脂
60部に、ノニオン性界面活性剤のノニルフェノールの
エチレノキサイド40モル付加物5部を約60℃にて溶
融混合しホモミキサーで攪拌し、これに水35部を徐々
に投入し転相させ、エポキシ樹脂エマルション100部
(エポキシ樹脂含有量:60%)を得た。得られたエポ
キシ樹脂エマルション及び下記成分を、配合槽に投入
し、約5分間攪拌し、ポリマーセメントモルタルを得た
(組成物固形分に対する割合:エポキシ樹脂12.8
%、セメント85%)。これを下塗材用組成物P−1と
いう。 エポキシ樹脂エマルション :100部 ポルトランドセメント :400部 水 :200部 モノアミドポリアミン(テトラエチレンペ: 40部 ンタミンと綿実油脂脂肪酸より製造された もの、アミン価約380、固形分15%) ラウリル酸ソーダ : 4部
【0026】又、エポキシ樹脂及びセメントのみの割合
を表1に示す割合に変更する以外は上記と同様の方法
で、下塗材用組成物P−2〜P―6を製造した。
【0027】
【表1】
【0028】○製造例2〔組成物(2)の製造〕 表2に示す単量体を使用し、界面活性剤を使用して水性
媒体中に当該単量体を分散させた後加熱し、これにラジ
カル重合開始剤を滴下して、重合反応を行った。
【0029】
【表2】 *1:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル *2:ドデシルベンゼンスルホン酸 *3:トリメチルステアリルアンモニウムクロライド
【0030】得られた重合体エマルション100部に、
下記表3に示す配合物を撹拌下に添加混合し、組成物
(2)を得た。
【0031】
【表3】 1)遮塩性:単位は×10-4mg/cm2・日。但し組成物Dの塗膜はmg/cm2・日 2)水蒸気透過性:単位はg/m2・日
【0032】○実施例1〜5 コンクリート板(300mm×300mm×50mm)
を1週間水没させた後、図1に示すように、その3分の
2を水に浸し、4時間放置した。コンクリート板の水を
浸した面に、表4に示す下塗材用組成物(1)をコテに
より均一に塗布して乾燥し下塗材塗膜(1)を形成した
後、該塗膜の表面に表4に示す組成物(2)をローラー
を用いて2.0kg/m2 塗布し、20℃、60%R.
H.条件下で7日放置して、塗膜(2)を形成させた。
得られた試験体を使用し、下記評価方法に従い評価し
た。それらの結果を表4に示す。本発明の施工方法で
は、湿潤したコンクリートと塗膜の密着性に優れ、更に
塗膜のひび割れ追従性が大きく、遮塩性及び水蒸気透過
性に優れているものであった。
【0033】○評価方法 (1)湿潤面下地接着試験 試験体について、手剥離により接着性を評価し(ピーリ
ング試験)、又接着力を、建研式接着力試験機により測
定し、破壊箇所を記録した。
【0034】(2)ひび割れ追従性試験 日本道路公団「維持修繕要領・橋梁編、塗装材料の規格
適合試験」に記載されている、ひび割れ追従性試験に準
拠して評価した。
【0035】(3)遮塩性 日本道路公団「維持修繕要領・橋梁編、塗装材料の規格
適合試験」に記載されている、しゃ塩性試験に準拠して
評価した。
【0036】(4)水蒸気透過性 JIS Z0208「防湿包装材料の透湿度試験方法」
に準拠して評価した。
【0037】
【表4】 1)T−1:アクリルウレタン樹脂溶剤型塗料〔アロンブルコートT−310、 東亞合成(株)製〕を使用して形成。T−2:アクリルウレタン樹脂溶剤型塗料 〔アロンブルコートT−300、東亞合成(株)製〕を使用して形成。 2)A:塗膜(2)が凝集破壊
【0038】○比較例1〜同6 表5に示す下塗材用組成物、組成物(2)及び上塗材用
組成物を使用する以外は、実施例と同様にして施工を行
った。得られた試験体について、実施例と同様に評価を
行った。それらの結果を表5に示す。比較例1は、実施
例1と比較し、20℃における伸び率が50%を下回る
塗膜(2)を形成した場合であり、ひび割れ追従性及び
遮塩性に劣っている。比較例2は、実施例1と比較し、
20℃における伸び率が2000%を越える塗膜(2)
を形成した場合であり、水蒸気透過性及び湿潤下地への
接着力に劣っている。比較例3、同4及び同5は、下塗
材用組成物(1)として、エポキシ樹脂及びセメントの
割合が本発明で使用する下塗材用組成物(1)の範囲外
であるP−4、P−5及びP−6を使用した例であり、
いずれも、湿潤下地への接着力は小さく、ピーリング試
験の結果も不良であり、密着性に劣っている。比較例6
は、実施例1と比較し、塗膜(2)の膜厚が100μを
下回る塗膜を形成した場合であり、ひび割れ追従性及び
遮塩性に劣っている。
【0039】
【表5】 1)アクリルウレタン樹脂溶剤型塗料〔アロンブルコートT−310、東亞合成 (株)製〕を使用して形成。 2)単位は、kgf/cm2 3)A:塗膜(2)が凝集破壊、B:下塗材塗膜(1)/塗膜(2)界面破壊 4)単位は、×10-4mg/cm2 ・日 5)単位は、g/m2 ・日 6)※:有スパン
【0040】
【発明の効果】本発明の工法によれば、湿潤したコンク
リート表面に対して、下塗材塗膜の密着性に優れるた
め、ふくれ及びはがれ等を発生することがなく、又塗膜
(2)がひび割れ追従性の優れる塗膜であるため、コン
クリートにクラックが発生した場合もこれに追従でき、
劣化要因の侵入を長期に亘り防止し、又水蒸気透過性に
優れた塗膜であることにより、コンクリート内部を乾燥
状態に導き、さらに遮塩性にも優れているため、アルカ
リ骨材反応、塩害及びふくれの発生を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、各実施例及び比較例で使用するコンク
リート板を、1週間水没させた後、その3分の2を水に
浸している図である。
【符号の説明】
1:コンクリート板 2:水

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】湿潤したコンクリート構造物の表面に、下
    塗材塗膜として下記塗膜(1)を形成させ、その塗膜表
    面に下記塗膜(2)を形成させることを特徴とするコン
    クリート構造物の劣化防止工法。 (1)全固形分を基準にして、1〜50重量%のエポキ
    シ樹脂と5〜99重量%のセメントを含有し、かつこれ
    らの合計量が40重量%以上である組成物から形成され
    た塗膜。 (2)アルキル基の炭素数が4〜10であるアルキル
    (メタ)アクリレート単位を30〜98重量%の含有割
    合とする共重合体からなる組成物から形成された塗膜で
    あって、20℃における伸び率50〜2000%、遮塩
    性10-2〜10-4mg/cm2 ・日、水蒸気透過性5g
    /m2 ・日以上及び膜厚100〜5000μmである塗
    膜。
JP16424098A 1998-05-28 1998-05-28 湿潤したコンクリート構造物の劣化防止工法 Pending JPH11343184A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009533305A (ja) * 2006-04-07 2009-09-17 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア ポリマー分散液、及びそれの水蒸気バリアとしての使用方法
JP2013542817A (ja) * 2010-11-19 2013-11-28 インターフェイス オースト ピーティワイ リミテッド アルカリ加水分解耐性接着剤
US9290651B2 (en) 2006-04-07 2016-03-22 Basf Se Electrically neutral dispersions and method of preparing same
US9469786B2 (en) 2012-02-03 2016-10-18 Basf Se Compositions comprising asphalt and electrically neutral copolymer dispersions

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