JPH1134246A - ガスバリアー積層体 - Google Patents

ガスバリアー積層体

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JPH1134246A
JPH1134246A JP19011297A JP19011297A JPH1134246A JP H1134246 A JPH1134246 A JP H1134246A JP 19011297 A JP19011297 A JP 19011297A JP 19011297 A JP19011297 A JP 19011297A JP H1134246 A JPH1134246 A JP H1134246A
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JP
Japan
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layer
gas
shielding layer
polyamide
barrier laminate
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Application number
JP19011297A
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English (en)
Inventor
Naruaki Takamatsu
成亮 高松
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた耐ガス透過性を長期に渡って維持するこ
とのできるガスバリアー積層体を提供する。 【解決手段】気体と液体の界面に用いられるガスバリア
ー積層体7であって、上記ガスバリアー積層体7が、下
記のガス遮蔽層(A)1および水遮蔽層(B)2を備え
てなる遮蔽複合層3の上下両面に、下記の樹脂弾性層
(C)4が積層されてなる複合層5を層形成要素として
含み、かつ上記遮蔽複合層3における水遮蔽層(B)2
がガス遮蔽層(A)1より液体側に位置決めされてい
る。 (A)エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物を含有す
る材料からなるガス遮蔽層1。 (B)ポリオレフィン系樹脂からなる水遮蔽層2。 (C)ポリアミド樹脂を含有する材料からなる樹脂弾性
層4。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アキュムレータ等
に用いられ、耐ガス透過性(ガスバリアー性)が要求さ
れダイヤフラム、ブラダ等に用いられるガスバリアー積
層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、液体圧力を伝達するアキュムレ
ータ等に用いられ、液体を通過させることなく液体の圧
力に応じて変形するように形成されているダイヤフラム
は、アキュムレータ等の内部に配設され、その内部空間
を二室に区画する。そして、その一方の部屋に、窒素ガ
ス等のガス(気体)が封入されて圧力伝達流体となり、
他の部屋に、液体供給源の圧力に応じてブレーキフルー
ド等の液体が供給される。この場合、一方の部屋に封入
されたガスが、使用期間の経過とともに徐々にゴム製薄
膜を通過するため、ガス封入圧力が低下し、その機能を
果たさなくなるという問題を生じていた。
【0003】そこで、上記ダイヤフラムの耐ガス透過性
を向上させる試みがなされており、例えば二枚のゴム製
薄膜の間に一枚のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化
物膜を、接着剤層を介在して設けたゴム樹脂複合膜が提
案されている(特開平2−165948号公報)。上記
エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(以下「EVO
H」と略す)は、耐ガス透過性に優れたものであるた
め、これを用いて構成したゴム樹脂複合膜は、ガスの封
入圧力が保持できるものとなる。しかしながら、上記ゴ
ム樹脂複合膜は、使用期間が長くなると、そのEVOH
膜に割れ、剥離等が発生するという問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記EVOH
膜とゴム製薄膜の間に、ポリアミド樹脂主体の樹脂弾性
膜を介在させたものが提案され、EVOH膜に割れ等が
発生しないようになっている。しかしながら、このよう
な構成のものをアキュムレータに装着して長期に渡って
使用すると、耐ガス透過性が徐々に(経時的に)低下
し、優れた耐ガス透過性を有さなくなるという新たな問
題が生じている。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、優れた耐ガス透過性を長期に渡って維持するこ
とのできるガスバリアー積層体の提供をその目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のガスバリアー積層体は、気体と液体の界面
に用いられるガスバリアー積層体であって、上記ガスバ
リアー積層体が、下記のガス遮蔽層(A)および水遮蔽
層(B)を備えてなる遮蔽複合層の上下両面に、下記の
樹脂弾性層(C)が積層されてなる複合層を層形成要素
として含み、かつ上記遮蔽複合層における水遮蔽層
(B)がガス遮蔽層(A)より液体側に位置決めされて
いるという構成をとる。 (A)EVOHを含有する材料からなるガス遮蔽層。 (B)ポリオレフィン系樹脂からなる水遮蔽層。 (C)ポリアミド樹脂を含有する材料からなる樹脂弾性
層。
【0007】すなわち、この発明者は、優れた耐ガス透
過性を長期に渡って維持することができるガスバリアー
積層体について、一連の研究を重ねた。その結果、前述
した耐ガス透過性の経時的な低下は、上記液体の高い吸
水性に起因していることを突き止めた。すなわち、この
ような液体であると、経時的に液体中に水分を含有する
ようになり、この水分がガスバリアー積層体を構成する
ゴムやポリアミド樹脂中を透過して、EVOHにまで達
し、EVOHの吸水により耐ガス透過性が低下してしま
うからである。そこで、この発明者は、ガス遮蔽層
(A)のEVOHを水分から保護するための層として、
低吸水性であるポリオレフィン系樹脂からなる水遮蔽層
(B)を案出し、これをガス遮蔽層(A)より液体側に
位置決めすることにより、所期の目的を達成した。した
がって、本発明において、「液体」とは、ブレーキフル
ード等の本来水分を含有していないものであって経時的
に吸水して水分が含有するようになってしまう吸水性液
体を意味し、またそれ以外に、最初から水分を含有して
いる液体をも包含する概念で用いている。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0009】本発明のガスバリアー積層体は、例えば、
図1に示すように、その中央に、EVOHを含有する材
料からなるガス遮蔽層1と、ポリオレフィン系樹脂から
なる水遮蔽層2とを備える遮蔽複合層3が設けられ、こ
の遮蔽複合層3の上下両面に、ポリアミド樹脂を含有す
る材料からなる樹脂弾性層4が設けられて複合層5が構
成されている。そして、上記樹脂弾性層4の上下両面
に、ゴム弾性層6が設けられている。
【0010】上記ガスバリアー積層体7において、上記
ガス遮蔽層1の形成材料としては、EVOHを含有する
ものであれば特に制限するものではないが、例えば、E
VOHからなる組成物〔(a)成分〕や、EVOHとポ
リアミド6,ポリアミド66,ポリアミド610,ポリ
アミド612の四成分からなるポリアミド四元共重合体
とエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元
共重合体とが配合されてなる組成物〔(b)成分〕や、
EVOHとポリアミド6,ポリアミド66の少なくとも
二成分を含むポリアミド成分からなるポリアミド多元共
重合体と無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重
合体とが配合されてなる組成物〔(c)成分〕等が用い
られる。
【0011】そして、上記ガス遮蔽層1の形成材料とし
て、EVOHからなる組成物〔(a)成分〕を用いた場
合は、優れた耐ガス透過性を有するガス遮蔽層1を低コ
ストで形成できる。また、上記ガス遮蔽層1の形成材料
として、EVOHとポリアミド四元共重合体とエチレン
−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体と
が配合されてなる組成物〔(b)成分〕を用いた場合
は、耐ガス透過性の良好さに加えて、特に低温環境下に
おける耐屈曲疲労性に優れたガス遮蔽層1を形成でき
る。さらに、上記ガス遮蔽層1の形成材料として、EV
OHとポリアミド多元共重合体と無水マレイン酸変性エ
チレン−プロピレン共重合体とが配合されてなる組成物
〔(c)成分〕を用いた場合は、耐ガス透過性や耐屈曲
疲労性の良好さに加えて、成形加工性に優れたものとな
り、得られるガスバリアー積層体7の寸法精度が良好に
なる。
【0012】上記EVOHとしては、エチレン含有量が
25〜50モル%のものを用いることが好ましい。なか
でも、エチレン含有量が32モル%のものが好適であ
る。すなわち、エチレン含有量が25モル%未満である
と、耐ガス透過性は向上するが、EVOH自体が固くな
って柔軟性が低下し、屈曲運動を有する用途に適さなく
なる傾向がみられるからである。逆に、エチレン含有量
が50モル%を超えると、充分な耐ガス透過性を確保で
きないおそれがあるからである。また、上記EVOHに
おける酢酸ビニル成分のけん化度は、耐ガス透過性や成
形加工性を考慮して、95モル%以上に設定されている
ことが好ましく、より好ましくは98モル%以上であ
る。
【0013】上記(b)成分に用いられるポリアミド
6,ポリアミド66,ポリアミド610,ポリアミド6
12の四成分からなるポリアミド四元共重合体は、EV
OHに配向性を与えず、優れた耐屈曲疲労性を付与でき
るという観点から、ポリアミド6およびポリアミド66
の合計配合割合が、四成分全体に対して、50〜80重
量%の範囲に設定されていることが好ましい。すなわ
ち、上記合計配合割合が50重量%未満であると、EV
OHに対して高い相溶性を有するポリアミド6およびポ
リアミド66が少なすぎて、ポリアミド四元共重合体と
EVOHの反応性が低下し、耐屈曲疲労性の向上を図れ
ないおそれがあるからである。逆に、上記合計配合割合
が80重量%を超えると、EVOHに対して高い相溶性
を有するポリアミド6およびポリアミド66が多くなり
すぎて、ポリアミド四元共重合体とEVOHが過度に反
応してゲル化し、成形加工性が悪化するおそれがあるか
らである。
【0014】上記(b)成分に用いられるエチレン−ア
クリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体は、上
記EVOHに含有させるポリアミド四元共重合体ととも
に用いることによって、低温環境下における破断伸びの
低下を効果的に抑制することができ、耐屈曲疲労性が顕
著に向上する。
【0015】上記(b)成分において、EVOH
〔(p)成分〕と、ポリアミド四元共重合体〔(q)成
分〕と、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン
酸三元共重合体〔(r)成分〕との容量基準配合比
〔(p)/(q)/(r)〕は、(p)/(q)/
(r)=(60〜90)/(5〜35)/(5〜35)
の範囲に設定されていることが好ましい。すなわち、E
VOHの配合割合が60容量%未満であると、EVOH
の配合量が少なすぎて、耐ガス透過性を充分に発揮でき
ないおそれがあるからであり、EVOHの配合割合が9
0容量%を超えると、ポリアミド四元共重合体およびエ
チレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重
合体が少なすぎて、低温環境下における耐屈曲疲労性の
向上を図ることができないおそれがあるからである。
【0016】上記(c)成分に用いられるポリアミド
6,ポリアミド66の少なくとも二成分を含むポリアミ
ド成分からなるポリアミド多元共重合体としては、EV
OHに配向性を与えず、優れた耐屈曲疲労性を付与でき
るという観点から、上記ポリアミド6とポリアミド66
の合計配合割合が、全ポリアミド成分に対して、50〜
80重量%の範囲に設定されていることが好ましい。す
なわち、上記合計配合割合が50重量%未満であると、
EVOHに対して高い相溶性を有するポリアミド6およ
びポリアミド66が少なすぎて、ポリアミド多元共重合
体とEVOHの反応性が低下し、耐屈曲疲労性の向上を
図れないおそれがあるからである。逆に、上記合計配合
割合が80重量%を超えると、EVOHに対して高い相
溶性を有するポリアミド6およびポリアミド66が多く
なりすぎて、ポリアミド多元共重合体とEVOHが過度
に反応してゲル化し、成形加工性が悪化するおそれがあ
るからである。そして、上記二成分以外に用いられるポ
リアミド成分としては、ポリアミド11、ポリアミド1
2、ポリアミド69、ポリアミド610、ポリアミド6
12等があげられる。
【0017】上記(c)成分に用いられる無水マレイン
酸変性エチレン−プロピレン共重合体は、エチレン−プ
ロピレン共重合体に無水マレイン酸が付加されたもので
ある。そして、上記EVOHに含有させるポリアミド多
元共重合体とともに用いることによって、低温環境下に
おける破断伸びの低下を効果的に抑制することができ、
耐屈曲疲労性が顕著に向上する。
【0018】上記(c)成分において、EVOH
〔(x)成分〕と、ポリアミド多元共重合体〔(y)成
分〕と、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重
合体〔(z)成分〕との重量基準配合比〔(x)/
(y)/(z)〕は、(x)/(y)/(z)=(60
〜85)/(5〜30)/(10〜35)の範囲に設定
されていることが好ましい。すなわち、EVOHの配合
割合が60重量%未満であると、EVOHの配合量が少
なすぎて、耐ガス透過性を充分に発揮できないおそれが
あるからであり、EVOHの配合割合が85重量%を超
えると、ポリアミド多元共重合体および無水マレイン酸
変性エチレン−プロピレン共重合体が少なすぎて、低温
環境下における耐屈曲疲労性の向上を図ることができな
いおそれがあるからである。
【0019】上記水遮蔽層2の形成材料として用いられ
るポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリブテン−1等があげられる。また、こ
れら以外に、エチレン、プロピレン、ブテン−1等のα
−オレフィン同士の共重合体や、α−オレフィンと他の
成分、例えばスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル
等のビニル化合物との共重合体を用いてもよい。さら
に、これらポリオレフィン系樹脂に、マレイン酸、フマ
ル酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸や、このエステ
ルおよび酸無水物、あるいはこれらにヒドロキシル基ま
たはエポキシ基を付加したものを用いて、接着性を付与
したものを用いてもよい。これらポリオレフィン系樹脂
は、低吸水性であるため、水の透過を著しく低減でき、
それゆえ得られるガスバリアー積層体7の耐ガス透過性
を低下させない。
【0020】上記樹脂弾性層4の形成材料として用いら
れるポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミ
ド66、ポリアミド610、ポリアミド612等があげ
られ、これらは単独でもしくは併せて用いられる。この
ようなポリアミド樹脂は、上記ポリアミド6もしくはポ
リアミド66がベースに入っていれば、EVOHの融点
と近似するようになることから、ポリアミド6と他のポ
リアミド樹脂等との各種の混合物を使用することが可能
である。特に、ポリアミド樹脂に、ポリオレフィン系樹
脂をブレンドしたものは、低吸水性であるポリオレフィ
ン系樹脂に起因して、樹脂弾性層4においても、水の透
過の抑制が可能となって、より耐ガス透過性に優れたも
のを得ることができる。
【0021】上記ゴム弾性層6の形成材料としては、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブ
チルゴム(IIR)、エピクロルヒドリン−エチレンオ
キサイド共重合ゴム(ECO)、フッ素ゴム、塩素化ブ
チルゴム(Cl−IIR)等の合成ゴムがあげられる。
なかでも、ガスバリアー積層体7全体に柔軟性を付与し
て、屈曲運動によって亀裂等を生じさせない効果を充分
に得ることができる点で、Cl−IIRが好ましい。
【0022】本発明のガスバリアー積層体は、例えばつ
ぎのようにして製造される。すなわち、上記ガス遮蔽層
1の形成材料と、水遮蔽層2の形成材料と、樹脂弾性層
4の形成材料とを押出成形機を用い、共押出することに
より、ガス遮蔽層1と水遮蔽層2とを備える遮蔽複合層
3の上下両面に、樹脂弾性層4を一体成形する。この場
合、ガス遮蔽層1と樹脂弾性層4との接合界面は、両者
の溶融によって接着するため、接着剤は不要となる。一
方、水遮蔽層2と樹脂弾性層4との接合界面は、通常、
上記と同様、両者の溶融によって接着するが、水遮蔽層
2の形成材料として、α−オレフィン同士の共重合体を
用いた場合は、両者の溶融によって接着しないため、こ
れらは予め接着性付与処理を施しておく必要がある。
【0023】つぎに、上記樹脂弾性層4の上下両面に、
従来公知の接着剤を塗布する。そして、層状に形成した
ゴム弾性層6をその上に重ね合わせたのち、加硫接着す
ることにより、図1に示すガスバリアー積層体7が得ら
れる。そして、このガスバリアー積層体7は、遮蔽複合
層3における水遮蔽層2が、ガス遮蔽層1より液体側に
位置決めされているようにして使用される。
【0024】なお、上記製法以外に、ラミネート法等の
従来公知の方法によって、ガスバリアー積層体を得るこ
とができる。
【0025】このようにして得られたガスバリアー積層
体7は、ガス遮蔽層1より液体側に低吸水性のポリオレ
フィン系樹脂からなる水遮蔽層2が形成されているた
め、水の透過によってガス遮蔽層1の耐ガス透過性が低
下せず、優れた耐ガス透過性を長期に渡って維持するこ
とができる。
【0026】なお、上記ガス遮蔽層1の厚みは、10〜
100μmの範囲に設定されていることが好ましい。よ
り好ましくは、25〜85μmの範囲である。すなわ
ち、上記範囲内に設定されていることにより、気体の透
過を効果的に抑制できるからである。
【0027】また、上記水遮蔽層2の厚みは、20〜1
00μmの範囲に設定されていることが好ましい。より
好ましくは、30〜70μmの範囲である。すなわち、
上記範囲内に設定されていることにより、水の透過を効
果的に抑制でき、EVOHの吸水による耐ガス透過性の
著しい低下を起こさないからである。
【0028】そして、上記樹脂弾性層4の厚みは、15
〜150μmの範囲に設定されていることが好ましい。
より好ましくは、50〜110μmの範囲である。すな
わち、上記範囲内に設定されていることにより、得られ
るガスバリアー積層体7に適度の柔軟性を付与すること
ができるからである。
【0029】さらに、上記ゴム弾性層6の厚みは、50
0〜1500μmの範囲に設定されていることが好まし
い。より好ましくは、700〜1500μmの範囲であ
る。すなわち、上記範囲内に設定されていることによ
り、得られるガスバリアー積層体7に適度の柔軟性を付
与することができるからである。
【0030】なお、本発明のガスバリアー積層体は、上
記積層構造に限定されるものではなく、例えば、図2に
示すような構造であってもよい。すなわち、ガス遮蔽層
1の液体側の面(下面)に水遮蔽層2を形成し、かつ上
記ガス遮蔽層1の気体側の面(上面)に、樹脂弾性層
4′とガス遮蔽層1′とをこの順で交互に任意の数積層
して、遮蔽複合層3を形成してもよい。そして、この遮
蔽複合層3の上下両面に樹脂弾性層4を形成し、さらに
この樹脂弾性層4の上下両面にゴム弾性層6を形成した
構造である。なお、図2に示す構造の場合、得られるガ
スバリアー積層体7′の耐屈曲疲労性の観点から、ガス
遮蔽層1の上面に形成される樹脂弾性層4′およびガス
遮蔽層1′の層の数は、2〜6程度が好ましい。
【0031】また、本発明のガスバリアー積層体は、通
常、アキュムレータ等のダイヤフラム、ブラダ等に用い
られるが、これら以外に、例えば液体等を保管するタン
クや、それらを輸送する管体等の、気体/液体界面用の
部材として用いることができる。
【0032】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0033】
【実施例1、2】まず、ガス遮蔽層の形成材料としてE
VOH(エチレン含有量32モル%,クラレ社製のF−
101)を準備し、水遮蔽層の形成材料としてポリオレ
フィン系樹脂(HDPE,三井石油化学社製のアドマ
ー)を準備し、樹脂弾性層の形成材料としてポリアミド
樹脂(デュポン社製のスーパータフナイロンST811
HS)を準備した。また、ゴム弾性層の形成材料として
Cl−IIR(日本合成ゴム社製のJSR1066)を
準備した。つぎに、上記ガス遮蔽層形成材料と水遮蔽層
形成材料と樹脂弾性層形成材料とを押出成形機を用いて
共押出して、六層積層体を作製した。つぎに、上記六層
積層体の上下両面に従来公知の接着剤を塗布し、さらに
プレス機を用いて、ゴム弾性層形成材料を層状にプレス
成形したのち、加硫接着した。このようにして、図3に
示すガスバリアー積層体7aを得た。なお、各層の厚み
を下記の表1に示した。
【0034】
【比較例1〜3】水遮蔽層を形成せず、各層の厚みを下
記の表1に示すとおりにした以外は、実施例1と同様に
して、ガスバリアー積層体を得た。
【0035】
【表1】
【0036】
【実施例3】つぎに、実施例1と同様にして、押出成形
機から共押出により、八層積層体を作製し、この八層積
層体の上下両面にゴム弾性層を形成した。このようにし
て、図4に示すガスバリアー積層体7bを得た。
【0037】
【実施例4】また、実施例1と同様にして、押出成形機
から共押出により、十層積層体を作製し、この十層積層
体の上下両面にゴム弾性層を形成した。このようにし
て、図5に示すガスバリアー積層体7cを得た。
【0038】このようにして得られたガスバリアー積層
体を用い、下記に示す方法にて窒素ガス透過試験を行
い、その結果を下記の表2に示した。
【0039】〔窒素ガス透過試験〕まず、得られたガス
バリアー積層体を表面積が100cm2 となるよう成形
し、これを窒素ガスとブレーキフルードからなる液体と
の界面、および窒素ガスとブレーキフルードに水を10
容量%含有させた液体との界面にそれぞれ設置した。つ
いで、このガスバリアー積層体の窒素ガス透過量を、1
00℃×1000hr×150kgf/cm2 の条件で
測定した。
【0040】
【表2】
【0041】上記実施例品はすべて、ガス遮蔽層より液
体(ブレーキフルード)側に水遮蔽層を設けているた
め、ガス遮蔽層まで水分が達するのを著しく低減でき、
優れた耐ガス透過性を長期に渡って維持していることが
わかる。これに対して、比較例1品〜3品は、水遮蔽層
が形成されていないため、ガス遮蔽層まで水分が透過し
てしまい、耐ガス透過性が低下していることがわかる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明のガスバリアー積
層体は、EVOHを含有する材料からなるガス遮蔽層
と、ポリオレフィン系樹脂からなる水遮蔽層とを備えて
なる遮蔽複合層の上下両面に、ポリアミド樹脂を含有す
る材料からなる樹脂弾性層を設け、上記遮蔽複合層にお
ける水遮蔽層がガス遮蔽層より液体側に位置決めされた
構成になっている。このため、ガス遮蔽層まで水分が達
するのを低減でき、それゆえガス遮蔽層のEVOHの吸
水を著しく低減することができる。したがって、本発明
のガスバリアー積層体は、優れた耐ガス透過性を長期に
渡って維持できるものとなる。加えて、上記遮蔽複合層
の上下両面に、ポリアミド樹脂を含有する形成材料から
なる樹脂弾性層が形成されているため、屈曲運動といっ
た形状変化を繰り返す用途に使用しても、樹脂弾性層の
弾性力を利用してガスバリアー積層体に亀裂等を生じる
ことがないという利点を有する。
【0043】また、本発明のガスバリアー積層体におい
て、上記樹脂弾性層の上下両面に、接着剤層を介してゴ
ム弾性層を形成した場合は、ゴム弾性層の優れた弾性力
も利用できるため、柔軟性に非常に優れたものとなり、
耐屈曲疲労性により一層優れたものとなるという利点を
有する。
【0044】また、本発明のガスバリアー積層体におい
て、上記遮蔽複合層として樹脂弾性層とガス遮蔽層とを
任意の数積層したものは、耐ガス透過性および耐屈曲疲
労性に関して非常に優れたものとなり、しかもその優れ
た性能を長期に渡って維持することができるものとなる
という利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリアー積層体の一例を示す断面
図である。
【図2】本発明のガスバリアー積層体の他の例を示す断
面図である。
【図3】本発明のガスバリアー積層体の実施例を示す断
面図である。
【図4】本発明のガスバリアー積層体の他の実施例を示
す断面図である。
【図5】本発明のガスバリアー積層体のさらに他の実施
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ガス遮蔽層 2 水遮蔽層 3 遮蔽複合層 4 樹脂弾性層 5 複合層 7 ガスバリアー積層体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体と液体の界面に用いられるガスバリ
    アー積層体であって、上記ガスバリアー積層体が、下記
    のガス遮蔽層(A)および水遮蔽層(B)を備えてなる
    遮蔽複合層の上下両面に、下記の樹脂弾性層(C)が積
    層されてなる複合層を層形成要素として含み、かつ上記
    遮蔽複合層における水遮蔽層(B)がガス遮蔽層(A)
    より液体側に位置決めされていることを特徴とするガス
    バリアー積層体。 (A)エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物を含有す
    る材料からなるガス遮蔽層。 (B)ポリオレフィン系樹脂からなる水遮蔽層。 (C)ポリアミド樹脂を含有する材料からなる樹脂弾性
    層。
  2. 【請求項2】 上記樹脂弾性層(C)の上下両面に、接
    着剤層を介してゴム弾性層が積層形成されている請求項
    1記載のガスバリアー積層体。
  3. 【請求項3】 上記遮蔽複合層が、水遮蔽層(B)の片
    面にガス遮蔽層(A)が積層され、このガス遮蔽層
    (A)の片面に樹脂弾性層(C)とガス遮蔽層(A)と
    がこの順で交互に任意の数積層されて構成されている請
    求項1または2記載のガスバリアー積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100563794B1 (ko) * 2001-11-23 2006-03-27 아르끄마 폴리아미드 및 evoh 배리어층을 포함하는 가황탄성중합체로 구성된 튜브
US7435446B2 (en) 2003-04-09 2008-10-14 Toyo Ink Mfg. Co., Ltd. Method of producing gas barrier multilayer body
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