JPH11342092A - 吸引排出機能付き便器装置 - Google Patents

吸引排出機能付き便器装置

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JPH11342092A
JPH11342092A JP16596498A JP16596498A JPH11342092A JP H11342092 A JPH11342092 A JP H11342092A JP 16596498 A JP16596498 A JP 16596498A JP 16596498 A JP16596498 A JP 16596498A JP H11342092 A JPH11342092 A JP H11342092A
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JP
Japan
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human waste
tank
toilet
bowl
opening
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JP16596498A
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Inventor
Mitsuo Matsumoto
光雄 松本
Shiyuuchin Yamane
秋陳 山根
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Nikken Corp
Original Assignee
Nikken Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】便器に***された屎尿を吸引して一時貯溜する
ことができ、貯溜された屎尿を次の処理装置に圧送する
ことができる。 【解決手段】便器23に収納され、***された屎尿を受
け止めることができる半球形をしたボウル31と、ボウ
ル31の底部の開口に、その下面から密着させた開閉機
構32と、開閉機構32の下部に密着され、内部が空洞
で周囲から密閉された屎尿タンク33と、屎尿タンク3
3の内部空間と連通して、その内部を負圧に吸引する吸
引機構42とから成り、吸引機構42により屎尿タンク
33を負圧にした状態で開閉機構32を開放し、ボウル
31に***された屎尿を屎尿タンク33に吸引すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、便器に***された
屎尿を吸引して一時貯溜することができ、かつ、貯溜さ
れた屎尿を次の処理装置に圧送することができる吸引排
出機能付き便器装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、人体から***された屎尿を受
け止めるために便器が利用されていた。この便器で受け
止められた屎尿は、浄化槽に流動させるか、下水道にそ
のまま放出されていた。住宅や建造物に固定された便器
では、上水道の設備が整っているため、大量の水と共に
屎尿を流動させることができ、浄化槽や下水道への移動
は容易であった。ところが、昨今では、上水道、下水道
が施設されていない場所で使用される仮設便所の利用が
盛んとなっている。
【0003】従来から用いられている仮設便所の多くは
屎尿を一時収納する便槽を持った構造のものであり、人
体から***された屎尿はそのままこの便槽に蓄えられる
ものであった。従って、仮設便所を使用した後には、バ
キュームカー等によって便槽に貯留された屎尿を回収
し、屎尿処理施設に移送しなけらばならないものであっ
た。このため、回収後の処理が必要となり、後処理に手
数がかかるとともに非衛生的なものであった。
【0004】また、長距離を移動する電車、バス、船舶
等の交通機関では、***された屎尿を貯留する専用のタ
ンクを備えており、このタンク内に屎尿を収納し、化学
薬品等で防臭処理を行った後、終着駅や中継地点でバキ
ュームカーにより回収する方法が一般的であった。
【0005】このように、従来の仮設便所、あるいは移
動できる交通機関での屎尿の処理は、人体より***され
たままの状態で貯留し、その後回収するのがほとんどで
あった。このため、貯留方法、回収方法、処理方法の何
れをとっても非近代的であり、極めて非衛生的であると
言わざるを得なかった。従って、長期間仮設便所を使用
していると、***した屎尿がタンク内に残留し、悪臭の
原因となるものであった。また、使用後の仮設便所を清
掃する作業は作業員に嫌がれるため、仮設便所や交通機
関の便所のメンテナンスの近代化のためからも好ましい
ものではなかった。
【0006】このような実情から、従来より衛生的に屎
尿を処理する方法が各種考えられていた。例えば、屎尿
と共に化学薬品を投入し、殺菌及び防臭を行う方法があ
る。この方法は新幹線等の交通機関に多く用いられてい
るが、薬品を含んだ屎尿がタンクと便器の間で循環する
ため、長期の使用が行われると便器を流れる水が汚れ、
悪臭を発生して使用者にとって不評となっていた。ま
た、タンクを空にして次の使用に準備するために、タン
クには多量の薬品を投入しておかなければならず、薬品
による経費が高くなる欠点があった。
【0007】さらに、ビニール等の袋に屎尿を収納して
パッキングすることにより、臭いの発散を防止する方法
も考えられている。しかし、一回の***においてかなり
広い面積のビニール袋を使用しなければならず、処理費
用が高くなるとともに、後日ビニール袋から屎尿を分離
するための処理が必要とされるものである。この方法で
は、パッキングするまでの処理は比較的容易であるが、
その後の処理が煩わしく、かつその処理施設が大掛かり
となるものであった。
【0008】さらに、***された屎尿を密閉した蒸発容
器に収納し、バーナーの火力で直接屎尿を加熱して蒸発
させる方法も考えられている。例えば、特許公告昭和4
5年17236号、特許公告昭和49年2545号、特
許公告昭和50年3149号、特許公開昭和52年58
239号、特許公開昭和53年110268号、特許公
開昭和55年165415号などが知られている。しか
し、これらの方法であっては、バーナーの火炎を屎尿に
噴出させてその表面から蒸発させようとしているため、
屎尿の大部分の成分である水分は効率良く蒸発できず、
完全に屎尿を処理するためには多くのエネルギーを必要
としていた。
【0009】また、これらの構成であっては屎尿の乾燥
後における蒸発容器の清掃は行われず、長期の使用にお
いては蒸発容器の底に屎尿から蒸発できなかった残留物
が堆積することになり、熱効率が悪くなるものであっ
た。このような場合には、残留物を清掃するために、そ
の都度装置を分解してメンテナンスを行わなければなら
ず、保守のために手数と費用がかかる欠点があった。
【0010】このように、仮設便所での屎尿の処理には
多くの問題が残されており、***された屎尿を仮設便所
の内部で完全に処理することができにくいものであっ
た。このような社会的な需要により、屎尿を加熱するこ
とで、屎尿の大部分の成分である水分を蒸発させること
ができる屎尿処理装置が提案されている。この提案され
た屎尿処理装置は仮設便所に設けて使用するものであ
り、装置内には屎尿を収納する密閉した乾燥釜(耐熱性
のある蒸発容器)を設けてあり、この乾燥釜内には回転
できる攪拌羽根が軸支してあり、乾燥釜内には攪拌羽根
の回転に従って屎尿と共に内底で転動する蓄熱体を複数
個収納させた構成となっている。
【0011】そして、この乾燥釜を外部から加熱して乾
燥釜内の屎尿を加熱し、同時に攪拌羽根を回転させるこ
とで屎尿を混合させ、屎尿の水分を迅速に蒸発させるこ
とができる。この蒸発の際には、球形をした蓄熱体が乾
燥釜の底で転動し、屎尿の温度を均一に加熱すると共
に、それ自体の熱を屎尿に伝達して加熱速度を上昇させ
ることができるものである(例えば、特願昭63年12
4150号などがある)。
【0012】この機構は基本的なもので、特願平2年1
64594号ではさらに改良された屎尿処理装置を順次
提案している。この発明では、乾燥釜に空気を圧送する
パイプと排気のパイプを連結し、排気のパイプには集塵
機と凝縮器を接続した構成が示されている。この機構で
は、乾燥釜の内部で蒸発された屎尿の内、水蒸気は凝結
して回収し、水洗用水に循環して使用することができ、
屎尿の乾燥後に乾燥釜に残った塵埃は空気と共に吸引し
て回収し、塵埃は集塵機によって空気と分離させること
ができるものである。この機構により、乾燥釜に投入し
た屎尿から水分を回収でき、屎尿の乾燥後に乾燥釜に残
った蒸発できない塵埃を清掃することができ、屎尿処理
装置を連続して使用することが可能となるものである。
【0013】また、特願平2年411577号では屎尿
処理装置をユニット化し、仮設便所に装着し易いように
構成してある。この機構では、乾燥釜の構造を円筒形に
形成し、この乾燥釜の側面より屎尿を投入することがで
きるようにしてある。このため、乾燥釜の上部に便器を
配置する必要性が無くなり、装置の高さを低くすること
ができる特徴がある。
【0014】特願平2年412559号では、小便器で
回収される小便を貯留する貯留槽を設け、貯留槽と便器
の間を噴射噴出パイプで接続した構成である。この構成
では、大小便は便器に***し、小便は小便器で回収する
ように区分し、乾燥釜に大小便を投入する際には貯留槽
から小便を便器に噴出させ、小便を大小便と共に乾燥釜
に投入させることができる。このため、便器を小便で清
掃することができ、上水道が設置できない場所であって
も仮設便所を水洗化させることができる。
【0015】さらに、特願平3年067538号では、
乾燥釜の側面から液面センサーを挿入しておき、乾燥釜
内に投入した屎尿の液面の位置を常時検知することがで
きる機構が示されている。この機構では、屎尿の液面高
さを検知して判断することにより、一時的に大量の屎尿
が投入されて屎尿の蒸発処理の能力を低下させないよう
に防止することができ、オーバーフローによる故障の発
生を防止することができるものである。
【0016】そして、特願平3年189280号では、
送風器と触媒箱の間にヒーターを内蔵した再加熱箱を配
置すると共に、乾燥釜と集塵機を結ぶパイプと触媒箱の
間にバイパスを設けた構成である。この構成では、屎尿
の蒸発処理の際にはバイパスにより乾燥釜からの空気を
触媒箱に流動させて空気の流動を効率化させることがで
きる。また、乾燥釜の清掃処理の際にはバイパスを閉鎖
し、塵埃を含んだ空気を集塵機にそのまま流動させるこ
とができるものである。
【0017】また、特願平3年189281号は、特願
平3年189280号を改良したものであり、乾燥釜と
集塵機を結ぶパイプにはバイパスのパイプを接続し、こ
のバイパスパイプの終端にはエゼクターの負圧側を接続
し、エゼクターに触媒箱を接続した構成である。この構
成では、バイパスパイプが開通しているとエゼクターに
より乾燥釜内の空気が強制的に吸引されて触媒箱に流動
させられるので、乾燥釜の空気の流動効率が高められて
蒸発が促進される効果がある。
【0018】特願平3年265237号では、乾燥釜の
排気パイプにゴミ回収箱を接続し、このゴミ回収箱に
紙、布などで形成したゴミ袋を収納した構成である。こ
の構成では、乾燥釜の清掃時には塵埃を含んだ空気をゴ
ミ袋に流入させ、このゴミ袋では空気のみが通過して塵
埃は分離することができるものである。サイクロン式の
集塵機に比べて確実に塵埃を分離できる効果がある。
【0019】そして、特願平5年031170号では、
便器と屎尿処理装置を分離し、便器に投入された屎尿を
タンクに貯留した後にバッジ式に連続して蒸発・乾燥の
処理を行うことができるものである。この屎尿処理装置
では、水平な軸で回動できるやや球形の乾燥釜の上部に
屎尿投入用の開口を形成し、乾燥釜の内部には球形の蓄
熱体を収納してあり、乾燥釜の底部を加熱できるバーナ
ーを設けた構成である。この構成により、乾燥釜に投入
された屎尿はバーナーの熱で蒸発・乾燥され、この処理
の間は乾燥釜を揺動することにより蓄熱体で屎尿を攪拌
でき、乾燥後は乾燥釜を回転することで塵埃を開口より
落下させることができるものである。
【0020】特願平5年121968号では、乾燥釜の
送風パイプと排気パイプに切り換え弁を介在させ、切り
換え弁を介してゴミ回収箱と送風機を乾燥釜に直列に接
続できるように構成してある。この構成では、乾燥釜の
清掃時には空気が屎尿処理装置の内部で循環し、塵埃の
回収効率が向上する効果がある。
【0021】特願平5年125360号では、乾燥釜の
下面に高周波コイルを設置し、この高周波コイルに高周
波の電力を供給することにより電磁波を発生させる構成
である。乾燥釜には高周波の電磁波が交拌するため、直
接加熱ではなく、乾燥釜自体が発熱して屎尿を加熱する
ことができる。このため、迅速に必要とする乾燥釜のみ
を加熱させることができ、熱損失が少なくなる効果があ
る。
【0022】特願平5年307135号では、乾燥釜自
体は通常は直立しており、乾燥釜の上部は常時開口して
おり、清掃時のみ転倒できる構成となっている。この乾
燥釜の内部には蓄熱体を収納すると共に、上部の開口は
転倒時に閉鎖できる蓋板を設けてある。この構成では、
乾燥釜に投入した屎尿の蒸発・乾燥の処理の際には、乾
燥釜自体は静止して直立しているが、屎尿が蒸発した後
の清掃の処理の際には乾燥釜が転倒し、内部に残ってい
た塵埃をその開口から放出させることができる。この塵
埃の放出の際において、蓋板(その面には小さな穴が複
数個開口してある)が自動的に乾燥釜の開口を閉鎖し、
蓄熱体が落下するのを防止して、塵埃のみが蓋板の小さ
な穴からゴミ皿に放出させることができるものであり、
屎尿処理装置の構成を簡略化させることができる。
【0023】さらに、特願平5年314445号では、
回転自在に乾燥釜を支持しておき、この乾燥釜の外周に
はモーターの出力を噛み合わせておき、乾燥釜内には球
形の蓄熱体を複数個収納し、乾燥釜の上部に位置してい
る蓋板からは乾燥釜の内部に向けて邪魔板を3本挿入し
た構成となっている。この構成では、今までの屎尿処理
装置の乾燥釜と相違し、乾燥釜自体が垂直な軸線を中心
にして回転し、高周波コイルからの電磁波によって屎尿
を加熱させることができるものである。そして、乾燥釜
の内部に収納してある蓄熱体は邪魔板によって乾燥釜と
共には回転せず、乾燥釜の底で転動し、屎尿を攪拌して
加熱することができるものである。この構成では、乾燥
釜の内部で攪拌羽根を回転させる必要が無くなるので、
屎尿処理装置全体の高さを低くすることができる。ま
た、回転羽根を回転させる構成であっては、乾燥釜内に
投入された屎尿以外の異物(例えば、ボールペン、衣
類、時計など)が回転する回転羽根に絡みつくことによ
る故障を排除できる優れた効果を有するものである。
【0024】また、特願平6年151631号では、同
様に、回転自在に乾燥釜を支持しておき、この乾燥釜の
外周にはモーターの出力を噛み合わせておき、乾燥釜内
には球形の蓄熱体を複数個収納し、乾燥釜の上部に位置
している蓋板からは乾燥釜の内部に向けて邪魔板を1本
挿入した構成となっている。この構成であっても、乾燥
釜自体が垂直な軸線を中心にして回転し、高周波コイル
からの電磁波によって屎尿を加熱させることができるも
のである。この発明では、邪魔板は吸引パイプに固定さ
れた1枚で形成してあり、複数の邪魔板間に蓄熱体が嵌
まり込まないため、乾燥釜の回転により蓄熱体が確実に
転動できるものであった。
【0025】これらの新しく提案された屎尿処理装置で
は、***された屎尿は乾燥釜内で密閉されたままで加熱
でき、攪拌羽根や乾燥釜が回転することで屎尿が混合さ
せることができるものである。加熱された屎尿は、全体
の温度が均一に上昇し、大部分の成分である水分が蒸発
し、水蒸気となって大気中に発散される。この加熱と混
合により屎尿の蒸発速度が早くなり、屎尿の処理時間が
短縮することができるものである。また、大気中に拡散
される水蒸気は触媒等で無臭化させ、人家等が立ち込ん
でいたり、人員が多数集合しているような場所であって
も、悪臭を発散させることがなく、環境保全の面からし
ても好ましいものであった。
【0026】このように密閉された蒸発容器内で屎尿を
蒸発、拡散させるのは極めて衛生的であり、かつ作業を
システム化することができて、メンテナンス等において
作業員に負担をかけないものである。しかし、従来の屎
尿処理装置では乾燥釜を固定しておき、この乾燥釜の内
部で攪拌羽根を回転させて屎尿を混合させる構成のもの
が殆どであった。この機構であっては、乾燥釜内に屎尿
以外の蒸発できない異物が投入されると、回転する攪拌
羽根とこの異物が噛み合い、故障の原因となることが多
かった。例えば、使用者の不注意により、便器に金属製
のボールペン、ベルト、衣類等が投入されることもあ
る。これらの異物が乾燥釜に投入されると、異物が攪拌
羽根と乾燥釜の間に食い込み、攪拌羽根の回転を停止さ
せたり、攪拌羽根や乾燥釜を磨耗させる現象を発生させ
るものであった。
【0027】また、乾燥釜の内部に攪拌羽根を収納して
おくと、限定された乾燥釜の内部空間がこれらの機構で
狭くなるため、乾燥釜の内部空間を有効に利用すること
ができない要因となっていた。
【0028】このような欠点を解消するため、特願平5
年314445号、特願平6年151631号では乾燥
釜自体を回転させる構成とし、攪拌羽根を用いずに屎尿
を混合させることができるように工夫してある。だが、
この機構であっては、乾燥釜を回転自在に支持しなけれ
ばならず、しかも、乾燥釜を上下方向に移動せず、か
つ、中心軸が偏位しないように支持しなければならな
い。回転する乾燥釜が上下に移動したり、回転軸が味噌
擂り運動を起こすとなれば、乾燥釜の開口端が蓋板から
離れることになり、乾燥釜の気密性が保たれなくなるか
らである。このため、特願平6年219457号では、
この欠点を改良し、架台の上部に回転保持手段を設け、
この回転保持手段の下部に蒸発容器を吊り下げ、この蒸
発容器の下面に間隔を置いて電磁加熱手段を設けた構成
が提案されている。
【0029】このようにして、屎尿を加熱して処理する
仮設便所の開発が進んできており、屎尿を貯留するので
はないため、衛生的で近代的な衛生処理方法が確立され
てきた。しかし、本来、仮設便所は上下水道が施設され
ていない場所に設置されて利用されるため、便器に***
された屎尿をどのように流動させるかが問題であった。
通常の家庭や建造物に設置された便器では、上水道が接
続されているので、便器に***された屎尿は上水道から
の水を大量に流すことで流動させることができる。だ
が、上水道が接続されていない仮設便所の便器では、こ
のような方法で円滑に屎尿を流動させることができなか
った。
【0030】従来の仮設便所に設置された便器では、そ
の下部に直下方向に向けた導入パイプを接続してあり、
便器に***された屎尿はそのまま自然落下により次の処
理装置である乾燥釜などに流動させていた。このような
構造の便器では、大きな二つの欠点があった。第一に、
屎尿は自重による自然落下に頼って流下させているた
め、屎尿が完全には次の処理装置にまで移動させること
ができないものであった。このため、便器の内壁や途中
のパイプの内壁に屎尿の一部が残留することが多く、後
日に清掃をする必要があった。第二に、便器に***され
た屎尿がそのまま乾燥釜などの次の処理機構に流入させ
るため、処理機構が乾燥などの工程が完了しないうちに
次に***された屎尿が流入させられることになった。こ
のため、乾燥などの処理サイクルが完了せず、乾燥釜に
屎尿が残留している内に次の屎尿が投入され、乾燥釜が
オーバーフローする原因となった。このようなオーバー
フローが発生すると、便器まで屎尿が溢れることにな
り、仮設便所の故障の原因となるものであった。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】このような事情によ
り、上水道が施設されていなくとも、便器に***された
屎尿が次の処理機構にまで確実に流動させることがで
き、便器内に屎尿が残留しない便器の構造の開発が望ま
れていた。また、***された屎尿を一時的に貯留してお
き、次の処理機構の作動サイクルに合わせて、一括して
移送することができる機能も必要とされていた。本願の
発明では、便器に屎尿を***する前に少量の清浄水を噴
射して、便器の内壁に水の膜を塗布すると同時に、便器
の底部に清浄水の溜めておくことができるようにしてい
る。浅く溜められた清浄水の上に屎尿が***されたなら
ば、便器の底に接続した屎尿タンクの内部を負圧となる
ように設定しておく。その後に便器と屎尿タンクの間に
設けたシャッターを開くことで、清浄水と屎尿が屎尿タ
ンクに一瞬にして吸引させることができるようになって
いる。便器の内壁の噴出した少量の清浄水により、便器
の内壁やシャッターの上方には清浄水が塗布され、屎尿
が直接便器やシャッターに付着するのを防止して、後日
の清掃の手数を省略している。
【0032】このような屎尿の吸引の動作を何回も繰り
返すことにより、屎尿タンクには屎尿が貯溜されること
になる。屎尿タンクが許容できる容量まで屎尿が貯溜さ
れたなら、屎尿タンクの上部の空間に空気を供給して加
圧状態にさせる。そして、屎尿タンクの下部に接続した
導入パイプを解放すると、屎尿タンク内に貯溜されてい
た屎尿は空気圧により導入パイプを通過して、次の処理
装置に強制的に圧送させることができる。このように、
屎尿の吸引と圧送の動作は、屎尿タンクに加えられる空
気圧の圧力を利用しているため、屎尿の移送において何
ら機械的な動作を行うことがなく、便器と屎尿タンクの
内部を常時清潔に維持させることができる。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明は、便器に収納さ
れ、***された屎尿を受け止めることができる半球形を
したボウルと、ボウルの底部の開口に、その下面から密
着させた開閉機構と、開閉機構の下部に密着され、内部
が空洞で周囲から密閉された屎尿タンクと、屎尿タンク
の内部空間と連通して、その内部を負圧に吸引する吸引
機構とから成り、吸引機構により屎尿タンクを負圧にし
た状態で開閉機構を開放し、ボウルに***された屎尿を
屎尿タンクに吸引することができることを特徴とする吸
引排出機能付き便器装置である(請求項1)。
【0034】本発明は、便器に収納され、***された屎
尿を受け止めることができる半球形をしたボウルと、ボ
ウルの底部の開口に、その下面から密着させた開閉機構
と、開閉機構の下部に密着され、内部が空洞で周囲から
密閉された屎尿タンクと、屎尿タンクの内部空間と連通
して、その内部を負圧に吸引する吸引機構と、ボウルの
上部にその一端が開口され、清浄水を放出することがで
きる放水機構とから成り、ボウルに屎尿を***する前
に、放出機構により少量の清浄水を噴出させ、吸引機構
により屎尿タンクを負圧にした状態で開閉機構を開放
し、ボウルに***された屎尿と清浄水とを屎尿タンクに
吸引することができることを特徴とする吸引排出機能付
き便器装置である(請求項2)。
【0035】本発明は、便器に収納され、***された屎
尿を受け止めることができる半球形をしたボウルと、ボ
ウルの底部の開口に、その下面から密着させた開閉機構
と、開閉機構の下部に密着され、内部が空洞で周囲から
密閉された屎尿タンクと、屎尿タンクの内部空間と連通
して、その内部を正圧に加圧する圧送機構と、屎尿タン
クの底部にその先端を接続した圧送パイプとから成り、
屎尿タンクの内部に圧送機構から空気を送って正圧に加
圧し、屎尿タンクに貯留された屎尿を圧送パイプより外
部に流出させることを特徴とする吸引排出機能付き便器
装置である(請求項3)。
【0036】本発明は、便器に収納され、***された屎
尿を受け止めることができる半球形をしたボウルと、ボ
ウルの底部の開口に、その下面から密着させた開閉機構
と、開閉機構の下部に密着され、内部が空洞で周囲から
密閉された屎尿タンクと、屎尿タンクの内部空間と連通
して、その内部を正圧に加圧する圧送機構と、屎尿タン
クの底部にその先端を接続した圧送パイプと、屎尿タン
クに設けられて、貯留された屎尿の高さを検知する液面
検知機構とから成り、液面検知機構により所定の高さ以
上に屎尿が貯留されたことを検知したならば、液面検知
機構より圧送機構を作動させ、屎尿タンクの内部に圧送
機構から空気を送って正圧に加圧し、屎尿タンクに貯留
された屎尿を圧送パイプより外部に流出させることを特
徴とする吸引排出機能付き便器装置である(請求項
4)。
【0037】本発明は、前記圧送パイプの途中に開閉で
きる放出弁を介在させたことを特徴とする吸引排出機能
付き便器装置である(請求項5)。
【0038】本発明は、前記開閉機構は、スライドを左
右に摺動させることで開口を開閉動させることができる
スライドバルブであることを特徴とする吸引排出機能付
き便器装置である(請求項6)。
【0039】本発明は、前記屎尿タンクは、その左右の
側壁が中央方向に向けて傾斜し、その中央が下方に向け
て突出したやや逆三角形をした形状であることを特徴と
する請求項1、2、3又は4記載の吸引排出機能付き便
器装置である(請求項7)。
【0040】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施の態様を図
面により説明する。図1は、本発明の吸引排出機能付き
便器装置を屎尿処理装置と連結した仮設便所11の外観
を示すもので、図2は同上の側断面図、図3は吸引排出
機能付き便器装置の内部構成を示すために上部を切断し
た平面図、図4は同上の縦断面図、図5は同上の後方か
ら見た状態を示す背面図、図6は吸引排出機能付き便器
装置の内部を構成する主要部材を分解して示す分解斜視
図である。
【0041】この仮設便所11は、便器部12と屎尿乾
燥部13を連結して、一体となるように組み立てられて
いる。便器部12は背の低い立体形をしており、屎尿乾
燥部13は背の高い立体形をしており、両者を接続する
ことにより、側面から見てややL字形となるように構成
されている。こうして、仮設便所11は便器部12が椅
子の高さとなり、その背面に背もたれのように屎尿乾燥
部13が配置され、ユニットのような仮設便所11が組
み立てられている。
【0042】この仮設便所11は、これ自体を自由に移
動させることができ、催物会場、建築現場などでそのま
ま便所として使用することができるものである。仮設便
所11に電源を供給することで、***された屎尿を加熱
蒸発して、水蒸気として拡散させることで清潔に処理す
ることができる。この便器部12は、人体から***され
た屎尿を一時貯溜することができ、屎尿乾燥部13は、
その内部において屎尿をバッヂ処理で加熱処理すること
ができる。
【0043】この仮設便所11の構成において、便器部
12と屎尿乾燥部13は一体に連結してあるが、便器部
12だけを単独で使用することもできる。例えば、便器
部12だけを一つのユニットとして考え、便器部12を
バスや車両の内部に設置し、***された屎尿を空気圧で
圧送し、バスや車両の離れた他の場所に移送させること
も可能となっている。同様にして、下水道が接続されて
いない他の輸送機関、例えば飛行機や船舶などにおい
て、便器部12と大きな屎尿タンクを配置しておき、便
器部12から離れた屎尿タンクに屎尿を圧送することも
できる。さらに、高層住宅の建築現場や国立公園にある
公衆便所などのように、便所から下水道、浄化槽までが
離れているような場合には、便所施設に複数個の便器部
12を配置し、便器部12から下水道、浄化槽までに屎
尿を圧送して移動させることもできる。
【0044】この便器部12の外殻は強化プラスチック
などで立体形に形成された便器外カバー21で構成さ
れ、便器外カバー21の上面はやや前面に傾斜してお
り、便器外カバー21の上面中央にはやや楕円形をした
便器22が一体となるように形成してある。この便器2
2の上部には中央が開口して楕円形をした便座23が配
置してあり、便座23の後部と便器22の上面とは軸ピ
ン27により回動自在に連結してある。そして、便座2
3の上部には平坦な楕円形をした便座カバー24を配置
してあり、便座カバー24は軸ピン27に回動自在に連
結してある。この構成により、便器部12を使用しない
時には便座カバー24を便座23に密着させて閉鎖する
ことができ、使用する時には軸ピン27を軸として回動
して上方に撥ね上げることができる。また、便座23も
軸ピン27を軸として回動させることができ、大小便の
動作の用途に応じてその位置を変えることができるよう
になっている。この便器22、便座23、便座カバー2
4の形状は、従来からある洋式便器と全く同じである。
【0045】この便器部12の後部に連結してある屎尿
乾燥部13の外殻は、強化プラスチックなどで立体形に
形成された処理装置カバー25から構成されている。こ
の処理装置カバー25は上方に向けて延長した長方体の
形状をしており、処理装置カバー25の前面(図1中で
手前側の面)の上部には、便器部12を利用した人が屎
尿の***の終了を知らせるための水洗ボタン26が設け
てある。また、処理装置カバー25の前面の上部には、
便器部12に利用者が座っているかどうかを赤外線など
により検知する人体検知センサー79が設けてある。
【0046】図2は、図1で示した仮設便所11をその
中央で縦方向に切断して、その内部の構成の概略を示し
たものである。便器部12の外周は、その内部が空洞と
なった便器外カバー21で覆われており、この便器外カ
バー21の上面中央には下方に向けて半球形に凹ませた
ボウル31を収納してある。このボウル31の開口上面
には便座23が軸ピン27により開動自在となるように
連結してあり、便座23の上部には便座カバー24が軸
ピン27により開動自在となるように連結してある。そ
して、ボウル31は下方に向けて半球形を描くように凹
面に形成してあり、ボウル31の底の中央は下方に通じ
るように開口しており、この底部の開口には開閉機構と
してのスライドバルブ32が連結してある。そして、ス
ライドバルブ32の下方にはステンレスなどの耐水性の
ある材料で形成され、内部が空洞となった屎尿タンク3
3が設置してあり、ボウル31の底の開口と屎尿タンク
33はスライドバルブ32を介して連通させてある。こ
の屎尿タンク33の底には、貯留した屎尿を流動させる
ための導入パイプ35の先端が接続してあり、導入パイ
プ35は便器部12の後方に向けて延長してあり、便器
部12の背面で垂直に立ち上げられ、次いで水平に曲げ
られて屎尿乾燥部13の内部に向けて延長してあり、導
入パイプ35の終端は下方に少し垂れ下げてある。
【0047】前述した屎尿乾燥部13は、その外周は内
部が空洞となった処理装置カバー25によって覆われて
いる。この処理装置カバー25の内部の底部には、高周
波数の電磁波を発生させるための加熱器36が設置して
あり、加熱器36の上部には屎尿を貯溜して蒸発させる
ための乾燥釜37が配置してある。加熱器36から高周
波数の電磁波を発生させ、乾燥釜37の壁面に交拌させ
ると、乾燥釜37は金属であるため発熱し、内部に貯溜
した屎尿を加熱してその水分を蒸発させることができ
る。そして、処理装置カバー25の内部の中央には乾燥
釜37から排出された水蒸気より悪臭の成分を還元して
無臭に変化させるための消臭器38が配置してあり、消
臭器38の上部には乾燥釜37で乾燥できなかった繊維
質などの塵埃を回収することができる集塵器39が配置
してある。なお、本発明の実施の態様においては、屎尿
乾燥部13は本発明の要旨ではないためその説明を省略
してある。
【0048】次に、図3、図4、図5は便器部12の内
部構造をより具体的に示したものであり、図6は便器部
12の便器外カバー21を取り外して内部の機構を構成
する主要な部材を分解して示した斜視図である。図3
は、便器外カバー21とボウル31を取り外し、便器部
12を上方から見た状態を示すものである。図4は、便
器部12を縦方向に切断して側面から見た状態を示し、
図2で示した便器部12の断面とは逆方向から見てい
る。そして、図5は、図3中におけるAーAを矢視した
断面図であり、便器部12をその後部から見た状態を示
すものである。
【0049】この便器外カバー21の内部であって、そ
の中央下部には屎尿タンク41を設置してあり、屎尿タ
ンク41の図3中右側(図5中では左側)には空気を吸
引したり圧縮するための吸引機構及び圧送機構としての
エアーポンプ42が配置してあり、屎尿タンク41の図
3中左側(図5中では右側)にはエアーポンプ42から
圧送された空気を一時貯溜しておくためのエアータンク
43が配置してある。そして、屎尿タンク41の上面で
あって、図3中左側(図5中では右側)には、水タンク
(図示せず)から清掃水を吸引してボウル31内に噴出
させるための水ポンプ44を載置してある。また、屎尿
タンク41の上面中央には導入口が形成してあり、この
導入口を塞ぐようにしてスライドバルブ32が設置して
ある。このスライドバルブ32には、そのシャッターを
摺動させるためのエアーシリンダー45が連結してあ
る。
【0050】次に、図6により、便器外カバー21を取
り外した便器部12の内部の構成を具体的について説明
する。便器部12の構成を支えるのは底板49であり、
この底板49は薄肉鋼板の両端を上方に折り曲げて断面
がコの字形となるように形成したものである。この底板
49の中央は平坦な形状をしており、全体は長方形とな
っていて、底板49の下面が地面や床と接触して便器部
12を支えることができる。この底板49の前側(図6
中で手前側)の左右には一対の支柱50が間隔を置いて
垂直となるように固定してあり、底板49の後側(図6
中で奥側)の左右には一対の支柱51が間隔を置いて垂
直となるように固定してある。この支柱50と51の間
には屎尿タンク41が溶接などによって固着してあり、
屎尿タンク41は支柱50と51によって底板49の上
方の空間に保持されている。
【0051】また、底板49の上面であって逆三角形と
なった屎尿タンク41の左右の下部空間の図6中右側に
はエアーポンプ42が載置してあり、図6中左側の空間
にはエアータンク43が載置してある。この屎尿タンク
41の上面は平坦であり、平坦となった上面中央には屎
尿タンク41の内外を連通する導入口53が貫通形成し
てあり、導入口53にはスライドバルブ32を密着して
固定してある。このスライドバルブ32は、その内部に
収納したスライドを摺動することで導入口53を開閉さ
せることができるものであり、このスライドにはエアー
シリンダー45が連結してある。エアーシリンダー45
はエアーポンプ42からの空気圧により動作するもので
あり、その軸線を屎尿タンク41の軸線に対して斜めと
なるように屎尿タンク41の上面に固定してある。この
スライドバルブ32の上面には、薄肉鋼板を絞り加工な
どにより半球形に形成し、その底に開口を形成したボウ
ル31が載置してある。このボウル31の上面には便座
23が配置してあり、便座23の上部には便座カバー2
4が配置してある。
【0052】そして、屎尿タンク41の図6中における
左側の上面には水ポンプ44が載置してある。さらに、
屎尿タンク41の下部中央には導入パイプ35の先端が
接続してあり、導入パイプ35は屎尿タンク41の後部
に向けて水平に延長し、屎尿タンク41の背面において
導入パイプ35は上方に立ち上げられ、屎尿タンク41
の上面より少し高い位置で折り曲げられ、後方に向けて
水平に延長させてある。
【0053】図7は、前述した屎尿タンク41の構成を
拡大して示すものである。この屎尿タンク41は耐蝕性
のある薄いステンレス板により組み立てられており、そ
の内部は屎尿を収納できるように空洞に形成され、外部
からは遮蔽された気密な構造となっている。屎尿タンク
41の上面は長方形をした平坦な面に形成してあるが、
底部分はその左右は中央に向かって傾斜しており、側面
(図7中で左手前より右奥側を見たとき)から見て両端
が平行なやや逆三角形をしている。この形状のため、屎
尿タンク41の内部に屎尿を収納すると、屎尿は左右の
傾斜面よりその中央に流下することができる。この屎尿
タンク41の上面には、薄肉で長方形をした台座54が
補強のために固着してあり、台座54の一端は屎尿タン
ク41の中央に位置し、他端は屎尿タンク41の図7中
右側に位置させてあり、台座54の軸線は屎尿タンク4
1の上面の軸線と斜めになるように配置してある。この
台座54の一端であって、屎尿タンク41の上面の中央
には、屎尿タンク41の内部空間と連通する導入口53
が開口してある。また、屎尿タンク41の上面の図7中
左側には補強のための薄肉の台座55が固着してあり、
この台座55には水ポンプ44を載置させている。
【0054】そして、屎尿タンク41の上面の中央であ
って、図7中の手前側の左右には細径の検知穴56、5
7が間隔を置いて開口してある。また、屎尿タンク41
の上面であって、図7中の奥側には屎尿タンク41の内
部空間と連通する吸引パイプ58が上方に向けて突起さ
せてある。前述したスライドバルブ32はその中央に開
口を有しており、スライドバルブ32の開口が導入口5
3の位置と一致するようにしてスライドバルブ32は台
座54に載置して固定してある。また、台座54にはエ
アーシリンダー45が載置して固定してある。このスラ
イドバルブ32の内部には、その側面から薄板状をした
スライダー61が摺動自在に挿入してあり、スライダー
61の後端にはエアーシリンダー45によって駆動され
るロッド62の先端が連結してある。このためエアーシ
リンダー45を作動させるとロッド62が前後動し、ス
ライダー61がスライドバルブ32内で摺動してスライ
ドバルブ32の開口を開閉させることができる。
【0055】図8は、図7中でCーC矢視した屎尿タン
ク41の断面を示すものである。前述した屎尿タンク4
1の内部は空洞であり、その上板は平坦で、上板の左右
の側板は少し垂直に垂れ下がり、次いで左右から中央に
向けて傾斜した底板となっており、断面形状はやや台形
をした逆三角形となっている。屎尿タンク41の左右の
底板は中央に向けてすり鉢のように傾斜しており、その
最下位の位置には導入パイプ35の先端が接続してあ
る。また、前述した検知穴56には絶縁性のあるパッキ
ング64を介して銅などの通電性材料で形成した液面検
知機構としての検知電極66が挿入してあり、検知電極
66の下端は屎尿タンク41の内部空間に露出させてあ
る。同様に、検知穴57には絶縁性のあるパッキング6
5を介して銅などの通電性材料で形成した液面検知機構
としての検知電極67が挿入してあり、検知電極67の
下端は屎尿タンク41の内部空間に露出させてある。こ
れらの検知電極66と67の間に電圧を加えた状態で、
屎尿タンク41の内部に貯溜した屎尿Zの液面が上昇
し、屎尿Zの液面が検知電極66と67の下端に接触す
ると両者は通電する。両検知電極66と67の間に電流
が流れることで、屎尿タンク41には屎尿Zが許容量以
上に収納され、オーバーフローとなったことを検知する
ことができる。
【0056】次に、図9は、図7中でBーB矢視したも
ので、屎尿タンク41の中央付近と導入口53の部分を
切断して屎尿タンク41の断面を示すものである。図9
で示すように、前述した吸引パイプ58はその下部が太
径であり、その上部が細径となるように二段に絞られた
パイプ状となっている。これは吸引パイプ58で屎尿タ
ンク41の上部空間の空気を吸引した場合、屎尿Zが直
接吸引されず、太径の下部の空間に一時保留できるよう
に構成してある。
【0057】図10は、本実施の態様における空気と液
体の流路の系統を模示的に示したものである。先ず、液
体系統の流路を説明する。前述したボウル31の周面の
上部には放水口70が開口してあり、この放水口70か
らは清浄水が放出されるようになっている。この放水口
70には注水パイプ71の先端が接続してあり、注水パ
イプ71の終端には水ポンプ44の吐出側が接続してあ
り、水ポンプ44の吸引側には吸水パイプ72が接続し
てある。この吸水パイプ72の終端は清掃水を収納した
水タンク74の内部にまで延長させてあり、吸水パイプ
72の途中には開閉弁73を介在させてある。図1で示
すように、前述した便器22に接近した処理装置カバー
25の前面には、赤外線を照射しすることで、人間が便
器22に座っていることを検知する人体検知センサー7
9が設けてあり、この人体検知センサー79の出力は初
期動作開始回路80に接続してある。前述した二つの電
極である検知電極66と67の出力はオーバーフロー検
知器82に接続してある。また、ボウル31の内周の上
部には、ボウル31の内部に清浄水が所定の高さよりも
高い位置にある事を検知する水面センサー76が固定し
てあり、水面センサー76の出力はオーバーフロー検知
器77に接続してある。そして、導入パイプ35の終端
付近には、開閉して屎尿の流動を制御をするための放出
弁84を介在してある。
【0058】次に、空気系統の流路を説明する。エアー
ポンプ42の排出側Sには開閉弁86を介して外気に連
通してあり、エアーポンプ42の吸引側Tには開閉弁8
7を介して外気に連通してある。このエアーポンプ42
の排出側Sには開閉弁89が接続してあり、開閉弁89
には開閉弁90とエアータンク43がそれぞれ接続して
ある。エアータンク43の他方には、空気パイプ92に
より吸引パイプ58が接続してあり、エアータンク43
の内部空間と屎尿タンク41の上部空間とは連通されて
いる。また、エアーポンプ42の吸引側Tにも開閉弁8
8を介してエアータンク43に接続してある。前述した
開閉弁90にはエアーシリンダー45の吸引側Vを接続
してあり、エアーシリンダー45の排出側Wは外気に対
して解放してある。このエアーシリンダー45は、内部
に収納したバネによって常時ロッド62を押し出す方向
に付勢しており、吸引側Vが負圧になるとロッド62が
エアーシリンダー45の内部に引き込められるようにな
っている。
【0059】そして、図11は本実施の態様における電
気制御系統を示すブロック図である。この仮設便所11
の全体はコンピュータープログラムにより制御されてお
り、その制御の中核をなすのは中央演算回路95であ
る。この中央演算回路95は、その内部にプログラムを
記憶させた記憶回路を収納しており、検知された条件に
より予め定められた手順で仮設便所11を動作させるこ
とができる。この中央演算回路95には電源の投入を行
ない、装置全体の動作を開始させる電源スイッチ94が
接続してあり、手動により屎尿の圧送の指示を行う圧送
スイッチ97も接続してある。前述の水洗ボタン26、
初期動作開始回路80、オーバーフロー検知器82、オ
ーバーフロー検知器77の出力は中央演算回路95に入
力しており、これらで検知された信号を内部に記憶させ
たプログラムの条件と比較して、中央演算回路95は最
適な動作を行うことができる制御信号を出力する。中央
演算回路95の制御出力は、エアーポンプ42、水ポン
プ44および弁制御回路96に出力されている。この弁
制御回路96には、それぞれが個別に動作することがで
きる放出弁84、開閉弁73、86、87、88、8
9、90に接続されている。
【0060】次に、本発明の一実施の態様における各部
の動作について、それぞれの条件と共に説明する。
【0061】<装置の動作開始と待機>
【0062】この便器部12の動作を開始するために
は、まず装置に電源を投入して待機の状態にしなければ
ならない。そのため、電源スイッチ94を投入すると中
央演算回路95に電力が供給され、便器部12が動作を
開始できる状態となる。この状態で便器部12は待機す
ることになり、排便をしようとする人がボウル31に排
泄するまでその状態を維持することになる。電源スイッ
チ94を投入しても、エアーポンプ42、水ポンプ44
は作動せず、放出弁84、開閉弁73、86、87、8
8、89、90はそれぞれ閉鎖している。そして、スラ
イダー61はスライドバルブ32の内部に押し込められ
ていて、スライドバルブ32は閉鎖しており、ボウル3
1の底の開口と屎尿タンク41の内部空間は遮断されて
いる。
【0063】<便器部12の使用の検知>
【0064】この仮設便所11を使って排便しようとす
る場合には、使用する人は便器部12にある軸ピン27
を中心にして便座カバー24を上方に撥ね上げ、この便
座23に座って大便を***する(図1、図2の状態を参
照)。また、小便を***しようとする場合には、軸ピン
27を中心にして便座23を撥ね上げ、便器22を露出
させてボウル31に直接小便を***することになる。そ
して、仮設便所11を利用して排便しようとする人が便
器部12に近づくと、赤外線を照射している人体検知セ
ンサー79がその赤外線の反射を検知し、排便しようと
する人が近づいていて、これから便器部12が使用され
ることを検知する。
【0065】<便器部12の起動とボウル31への排便
【0066】この人体検知センサー79から出力信号は
初期動作開始回路80を介して中央演算回路95に伝え
られ、中央演算回路95はこれから排便が行われるた
め、便器部12をその準備のために動作させることにな
る。先ず、中央演算回路95は弁制御回路96に制御信
号を出力させて開閉弁73を開け、同時に水ポンプ44
を作動させる。すると、水ポンプ44は開放した開閉弁
73を介して吸水パイプ72より水タンク74の内部に
ある清掃水を吸引し、清掃水は注水パイプ71に移送さ
れ、終端にある放水口70にまで移送させる。清掃水は
放水口70の先端で噴出され、この清掃水はボウル31
の内周面に塗布されて流下し、ボウル31の底部に流れ
る。貯留された清掃水はスライダー61の上面に溜めら
れ、スライダー61の上面には数ミリメートルの厚みで
清掃水が貯留されることになる。こうして、スライダー
61の上面は直接空気に触れることなく、水タンク74
からの清掃水が薄く張られることになる。所定の時間
(約2秒)だけ水ポンプ44を作動させたなら、中央演
算回路95は弁制御回路96を介して開閉弁73を閉鎖
させ、同時に水ポンプ44の動作を停止させる。ボウル
31の内周面に清掃水が付着し、スライダー61の上面
に清掃水が貯留されることで、便器部12の排便に対す
る準備が終了する。そして、排便しようとする利用者が
ボウル31に向かって大小便を***することにより、排
泄された屎尿はボウル31の底部に一時貯溜される。
【0067】<屎尿の吸引の動作>
【0068】利用者による***行為が終了したならば、
便器部12を利用した人は、次に便器部12を利用する
人のために、ボウル31に溜まった屎尿を便器部12の
内部に流下させておく必要がある。利用者による便器部
12の使用が終わったならば、利用者は水洗ボタン26
を押動させ、清掃の動作の開始を指示する。
【0069】この水洗ボタン26の押動により、ボウル
31に貯留されていた清掃水と屎尿が便器部12の内部
に吸引させられる。水洗ボタン26が押された信号は中
央演算回路95に伝えられ、中央演算回路95は屎尿を
吸引するための動作を開始する。中央演算回路95はエ
アーポンプ42を動作させ、同時に弁制御回路96に制
御信号を送り、開閉弁86と88を解放させる。この
時、他の開閉弁87、89、90はそれぞれ閉鎖させた
ままにしておく。エアーポンプ42が作動されたため、
その吸引側Tは負圧となり、その吸引された空気は排出
側Sより排出され、開閉弁86を介して外部に放出され
る。エアータンク43の内部の空気は解放された開閉弁
88よりエアーポンプ42の吸引側Tに吸引され、エア
ータンク43の内部は負圧となる。このエアータンク4
3には空気パイプ92を介して吸引パイプ58が接続し
てあるため、吸引パイプ58と連通する屎尿タンク41
の内部空間も負圧の状態となる。エアーポンプ42をし
ばらく作動させ、エアータンク43と屎尿タンク41の
内部の負圧が一定値以上になったなら、中央演算回路9
5は屎尿タンク41へ***物の投入が可能であると判断
し、次の、屎尿の吸引の動作を指示する。
【0070】中央演算回路95は弁制御回路96に制御
信号を伝え、他の開閉弁87、89は閉鎖したままで開
閉弁90のみを解放する。すると、エアーポンプ42の
吸引動作によってエアータンク43内は負圧状態である
ことから、開閉弁90の解放により連通しているエアー
シリンダー45の吸引側Vが負圧となり、ロッド62が
エアーシリンダー45の内部に引き込められるように動
作される。ロッド62にはスライダー61が連結してあ
るため、スライダー61はスライドバルブ32から引き
抜かれ、スライドバルブ32の開口は開放される。この
スライドバルブ32の開放により導入口53は解放さ
れ、ボウル31の底部と屎尿タンク41とが連通するこ
とになる。すでに、屎尿タンク41の上部空間はエアー
タンク43により負圧となっていることから、ボウル3
1の底部に溜まっていた清掃水と屎尿は負圧状態となっ
ている屎尿タンク41内に瞬時にして吸引される。所定
の時間だけ開閉弁90を解放したならば、中央演算回路
95は弁制御回路96に制御信号を伝え、開閉弁90を
閉鎖させる。エアーシリンダー45の吸引側Vには負圧
が加えられなくなるため、内蔵したバネによりロッド6
2はエアーシリンダー45より押し出される。ロッド6
2にはスライダー61が連結してあるため、スライダー
61はスライドバルブ32内に押し込められ、スライド
バルブ32の開口を閉鎖させることになる。また、同時
に中央演算回路95はエアーポンプ42の動作を停止さ
せ、弁制御回路96を介して開閉弁86、88を閉鎖す
る。
【0071】<清掃水の放出>
【0072】前述のように、ボウル31の底部に貯溜さ
れた清浄水と屎尿が負圧により屎尿タンク41に吸引さ
れ、スライドバルブ32が閉鎖されたならば、次いで、
ボウル31の内周面の清掃のために清掃水を噴出する。
すなわち、中央演算回路95からの制御信号により開閉
弁90を閉鎖してスライドバルブ32を閉鎖したなら
ば、次いで、中央演算回路95は水ポンプ44を動作さ
せ、開閉弁73を開放させる。すると、水タンク74の
清掃水は水ポンプ44で吸引され、放水口70よりボウ
ル31の内周面に向けて噴出される。短時間(約1秒)
の間だけ開閉弁73を開放させたならば、中央演算回路
95は水ポンプ44を停止させ、開閉弁73を閉鎖させ
る。このようにしてボウル31に噴出された清浄水は、
ボウル31の内周面を流動し、閉鎖したスライドバルブ
32の上面に貯留されるが、ボウル31内を流動する際
に、内周面に付着した屎尿を洗い流し、その清浄水と共
にスライドバルブ32の上面に流下させる。こうして、
***に使用されたボウル31には清浄水が噴出され、自
動的に清掃されるので、次にこのボウル31に***する
人に不快感を与えることはない。
【0073】このような一連の動作により、ボウル31
の底部に貯溜された清浄水と屎尿は瞬時にして屎尿タン
ク41に吸引される。***されるボウル31の内周面と
スライドバルブ32の上面には予め清掃水が噴霧されて
濡れた状態となっていることから、ボウル31やスライ
ドバルブ32には屎尿が付着することなく、清潔に吸引
することができる。また、屎尿を吸引後には再度清掃水
がボウル31に噴出されるので、内周面に付着していて
吸引されなかった屎尿は洗い流して自動的に清掃するこ
とができる。このような、屎尿の***と屎尿タンク41
への吸引の動作、及びボウル31の清掃は、便器部12
を使用する人が複数であれば、その人数の回数だけこの
動作を繰り返すことになる。
【0074】<屎尿のオーバーフローの検知>
【0075】前述のように、便器部12を利用して***
する人が増えてくると、その度に屎尿が屎尿タンク41
に吸引され、屎尿タンク41内には屎尿と清浄水が順次
貯溜されることになる。屎尿タンク41にはその容量の
限度があり、最終的には屎尿タンク41が満杯となるこ
とになる。屎尿タンク41の内部に屎尿が充満されるま
で吸引されると、便器部12を使用することができなく
なる。このため、屎尿タンク41に一定の量の屎尿が貯
溜されたならば、その状態を検知して、屎尿を屎尿乾燥
部13の内部にある乾燥釜37に圧送し、加熱乾燥の処
理を行わせることになる。前述のように、ボウル31か
ら吸引された屎尿が屎尿タンク41に順次貯溜される
と、図8で示す屎尿Zの液面は順次上昇する。最終的に
は、屎尿Zの液面は検知電極66と67の下端にまで上
昇し、検知電極66と67の間に屎尿Zの液面が接触す
る。この検知電極66と67の間には電圧が加えてある
ため、検知電極66と67の間に電流が通じ、この電流
はオーバーフロー検知器82に伝えられる。オーバーフ
ロー検知器82では、この電流が通じたことから屎尿タ
ンク41の内部には屎尿Zが許容量まで収納されたと判
断し、圧送の動作の開始を中央演算回路95に伝える。
オーバーフロー検知器82から信号により、中央演算回
路95は***する人が便器部12を使用する行為を一時
停止させると共に、屎尿タンク41に貯溜された屎尿Z
を乾燥釜37の方向に圧送させる動作を開始する。
【0076】<屎尿の圧送>
【0077】中央演算回路95はエアーポンプ42を作
動させ、同時に弁制御回路96を介して開閉弁87と8
9を解放させる。他の開閉弁86、88、90は閉鎖し
たままにしておく。外部の空気は開閉弁87を通じてエ
アーポンプ42の吸引側Tより吸引され、エアーポンプ
42の排出側Sより吐出された空気は開閉弁89を通過
してエアータンク43に圧送される。エアータンク43
内で空気は圧縮されるが、その空気は同時に空気パイプ
92、吸引パイプ58より屎尿タンク41の上部空間に
も圧送され、屎尿タンク41内の空気圧を上昇させるこ
とになる。なお、この時スライダー61はスライドバル
ブ32の内部に押し込めてあり、スライドバルブ32は
閉鎖しているので、屎尿タンク41の導入口53より外
部に空気が漏れることはない。所定の時間を経過するま
でエアーポンプ42を作動させ続けると、屎尿タンク4
1の上部空間の内圧は高められる。
【0078】その後に、中央演算回路95は弁制御回路
96を介して放出弁84を解放させる。屎尿タンク41
の上部空間の空気圧が高められているためその空気圧が
膨張し、空気圧は屎尿Zを押し下げるように作用し、屎
尿タンク41の内部に貯溜されていた屎尿Zは導入パイ
プ35内に押し出される。導入パイプ35に押し出され
た屎尿Zは、放出弁84を通過して乾燥釜37の方向に
流動させられ、屎尿タンク41の全ての屎尿Zは乾燥釜
37まで移送される。この時、屎尿タンク41の底面は
中央に向かって傾斜しているため、貯溜された屎尿Zは
屎尿タンク41の底部に溜まることなく、全て導入パイ
プ35より乾燥釜37にまで流動させられる。所定の時
間が経過したならば、中央演算回路95は屎尿タンク4
1の内部が空になったと判断し、圧送の動作を停止させ
る。すなわち、前述とは逆に、中央演算回路95はエア
ーポンプ42の動作を停止し、弁制御回路96を介して
開閉弁87、89、放出弁84をそれぞれ閉鎖させる。
この動作が終了したならば、前述のように、便器部12
に利用者が屎尿を***し、屎尿タンク41に屎尿を貯留
させることができるようになる。
【0079】<手動による屎尿の圧送>
【0080】前述のように、屎尿タンク41内に屎尿が
所定量以上貯留されると、自動的に貯留された屎尿が乾
燥釜37の方向に流動される。しかし、仮設便所11の
使用を一時停止したり、屎尿タンク41を清掃しようと
する場合には、屎尿が屎尿タンク41内で満杯とならな
くとも、残留している屎尿を乾燥釜37に移送させる必
要がある。このような場合には、手動により屎尿タンク
41内の屎尿を移送させることができる。手動により作
業員などが圧送スイッチ97を押動すると、その信号は
中央演算回路95に伝えられ、中央演算回路95はエア
ーポンプ42を作動させ、同時に弁制御回路96を介し
て開閉弁87と89を解放させ、前述ど同様の動作によ
り屎尿を導入パイプ35を通じて圧送させることができ
る。
【0081】<動作が不調の時>
【0082】なお、便器部12の使用状況によっては、
ボウル31の内部に屎尿や清掃水が多量に貯留されるこ
ともある。これは、誤動作により水ポンプ44が水タン
ク74の清掃水を必要以上に吸引して、多量の清掃水を
ボウル31に噴出するからである。このように、ボウル
31の内部に多量の屎尿や清浄水が貯留されると、その
液面の位置は水面センサー76で検知し、動作が不調で
あることを自己判断する。この水面センサー76で検知
された信号はオーバーフロー検知器77に伝えられ、オ
ーバーフロー検知器77は中央演算回路95に対してボ
ウル31がオーバーフローであることを伝える。する
と、中央演算回路95は、オーバーフローとなったこと
から貯溜された屎尿や清浄水をすべて屎尿タンク41に
流動させる。すなわち、中央演算回路95は前述と同様
にエアーポンプ42を作動させ、弁制御回路96により
開閉弁86と88を解放する。すると、屎尿タンク41
の内部が負圧となり、次いで開閉弁90を解放させるこ
とでスライドバルブ32を解放させ、ボウル31内にオ
ーバーフローしていた屎尿や清掃水を屎尿タンク41に
吸引させる。
【0083】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、便
器のボウルに***された屎尿は、開閉機構が開口するこ
とで負圧となった屎尿タンクに吸引され、強制的に屎尿
タンクに流動することになる。このため、重力による流
動ではなく、吸い込まれるように吸引されるので、ボウ
ルに屎尿が残留せず、便器を使用した後の清掃が容易と
なる。
【0084】また、本発明は、ボウルの周囲には清浄水
を噴出できる放水機構を設けてあり、使用者が便器を使
用する前に清浄水をボウルの内周に噴出させ、その内周
面を濡らすことができる。そして、その清浄水をボウル
の底部に貯溜することができる。ボウルに排出させられ
た屎尿は、ボウルの内周面に直接接触することなく、底
部分では清浄水の上に屎尿が貯留され、屎尿とボウルの
内周面、及び開閉機構とが接触するのを防止して、屎尿
を円滑に流動させることができるようにしている。この
ため、屎尿を吸引した後では、ボウルの内周面と底部に
屎尿が付着するのを防止し、使用後における清掃を容易
にすることができる。
【0085】本発明は、屎尿タンクの内部に***された
屎尿を貯溜させているが、貯留した屎尿は屎尿タンクの
内部の空気圧を加圧することにより、屎尿タンクの底部
に接続した圧送パイプより他の処理機構に移送させるこ
とができる。この屎尿の移送においては、空気圧を利用
しているため、ポンプなどで直接吸引することもなく、
他の機器を汚したりすることもなく、移送のための手段
が故障することもなくなる。
【0086】本発明は、屎尿タンクに貯留した屎尿を液
面検知機構により常時検知しているため、屎尿タンクに
屎尿が満杯となる前にはその状態を検知し、屎尿タンク
内の空気圧を加圧して屎尿を自動的に移送させることが
できる。このため、屎尿タンクが満杯になったことを知
らずに、屎尿を順次投入して、屎尿タンクから屎尿が溢
れ出る事故を防止することができる。
【0087】本発明は、屎尿タンクの底部に接続した圧
送パイプの途中に放出弁を介在させてある。このため、
屎尿を圧送する際には、屎尿タンクの内部空間の空気圧
を所定の圧力まで高め、ある程度以上の正圧に加圧され
てから放出弁を開放して屎尿を移送させることができ
る。屎尿タンクの内部の空気圧を高めてから屎尿を放出
させるため、短時間で屎尿を流動させることができる。
このため、屎尿タンク内に残留する屎尿は無くなり、清
掃などが簡易になる特徴がある。
【0088】本発明は、開閉機構はスライドバルブであ
り、ボウルの下部開口を大きく開口することができ、屎
尿を短時間で屎尿タンクに流動させることができる。ま
た、スライドにより開口を閉鎖できるので、***された
屎尿を清浄水と共に底面に保持しておくことができる。
【0089】本発明は、屎尿タンクの底面の形状を逆三
角形に形成してあるため、貯留した屎尿は三角形の頂点
に向けて下流し、空気圧で移送した場合に、屎尿タンク
内に残留することがなく、全ての屎尿を円滑に移送させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の発明の実施の形態における便器部であっ
て、屎尿乾燥部と組み合わせた仮設便所を前方斜め上か
ら見た斜視図である。
【図2】本願の発明の実施の形態における便器部であっ
て、図1の仮設便所を中央で切断した状態を示す縦断面
図である。
【図3】本願の発明の実施の形態における便器部であっ
て、便器、ボウルを取り外した状態を示す平面図であ
る。
【図4】本願の発明の実施の形態における便器部であっ
て、その中心で縦方向に切断した状態を示す縦断面図で
ある。
【図5】本願の発明の実施の形態における便器部であっ
て、その後方から見た状態を示す背面図である。
【図6】本願の発明の実施の形態における便器部の内部
を構成する主要な部材を分解して示す分解斜視図であ
る。
【図7】本願の発明の実施の形態における便器部に使用
される屎尿タンクを示す斜視図である。
【図8】本願の発明の実施の形態における便器部に使用
される屎尿タンクを図7中CーCに切断した状態を示す
断面図である。
【図9】本願の発明の実施の形態における便器部に使用
される屎尿タンクを図7中DーDに切断した状態を示す
断面図である。
【図10】本願の発明の実施の形態における便器部の空
気系統と流体系統の流れを示す配管図である。
【図11】本願の発明の実施の形態における便器部の制
御を行うための、制御回路のブロック図である。
【図12】本願の発明の実施の形態における便器部の動
作を示すフローチャート図である。
【図13】本願の発明の実施の形態における便器部の動
作を示すフローチャート図である。
【図14】本願の発明の実施の形態における便器部の動
作を示すフローチャート図である。 11 仮設便所 12 便器部 13 屎尿乾燥部 31 ボウル 32 開閉機構としてのスライドバルブ 33 屎尿タンク 35 導入パイプ 42 吸引機構及び圧送機構としてのエアーポンプ 44 水ポンプ 61 スライダー 66 液面検知機構としての検知電極 67 液面検知機構としての検知電極 84 放出弁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 便器に収納され、***された屎尿を受け
    止めることができる半球形をしたボウルと、ボウルの底
    部の開口に、その下面から密着させた開閉機構と、開閉
    機構の下部に密着され、内部が空洞で周囲から密閉され
    た屎尿タンクと、屎尿タンクの内部空間と連通して、そ
    の内部を負圧に吸引する吸引機構とから成り、吸引機構
    により屎尿タンクを負圧にした状態で開閉機構を開放
    し、ボウルに***された屎尿を屎尿タンクに吸引するこ
    とができることを特徴とする吸引排出機能付き便器装
    置。
  2. 【請求項2】 便器に収納され、***された屎尿を受け
    止めることができる半球形をしたボウルと、ボウルの底
    部の開口に、その下面から密着させた開閉機構と、開閉
    機構の下部に密着され、内部が空洞で周囲から密閉され
    た屎尿タンクと、屎尿タンクの内部空間と連通して、そ
    の内部を負圧に吸引する吸引機構と、ボウルの上部にそ
    の一端が開口され、清浄水を放出することができる放水
    機構とから成り、ボウルに屎尿を***する前に、放出機
    構により少量の清浄水を噴出させ、吸引機構により屎尿
    タンクを負圧にした状態で開閉機構を開放し、ボウルに
    ***された屎尿と清浄水とを屎尿タンクに吸引すること
    ができることを特徴とする吸引排出機能付き便器装置。
  3. 【請求項3】 便器に収納され、***された屎尿を受け
    止めることができる半球形をしたボウルと、ボウルの底
    部の開口に、その下面から密着させた開閉機構と、開閉
    機構の下部に密着され、内部が空洞で周囲から密閉され
    た屎尿タンクと、屎尿タンクの内部空間と連通して、そ
    の内部を正圧に加圧する圧送機構と、屎尿タンクの底部
    にその先端を接続した圧送パイプとから成り、屎尿タン
    クの内部に圧送機構から空気を送って正圧に加圧し、屎
    尿タンクに貯留された屎尿を圧送パイプより外部に流出
    させることを特徴とする吸引排出機能付き便器装置。
  4. 【請求項4】 便器に収納され、***された屎尿を受け
    止めることができる半球形をしたボウルと、ボウルの底
    部の開口に、その下面から密着させた開閉機構と、開閉
    機構の下部に密着され、内部が空洞で周囲から密閉され
    た屎尿タンクと、屎尿タンクの内部空間と連通して、そ
    の内部を正圧に加圧する圧送機構と、屎尿タンクの底部
    にその先端を接続した圧送パイプと、屎尿タンクに設け
    られて、貯留された屎尿の高さを検知する液面検知機構
    とから成り、液面検知機構により所定の高さ以上に屎尿
    が貯留されたことを検知したならば、液面検知機構より
    圧送機構を作動させ、屎尿タンクの内部に圧送機構から
    空気を送って正圧に加圧し、屎尿タンクに貯留された屎
    尿を圧送パイプより外部に流出させることを特徴とする
    吸引排出機能付き便器装置。
  5. 【請求項5】 前記圧送パイプの途中に開閉できる放出
    弁を介在させたことを特徴とする請求項3又は4記載の
    吸引排出機能付き便器装置。
  6. 【請求項6】 前記開閉機構は、スライドを左右に摺動
    させることで開口を開閉動させることができるスライド
    バルブであることを特徴とする請求項1、2、3又は4
    記載の吸引排出機能付き便器装置。
  7. 【請求項7】 前記屎尿タンクは、その左右の側壁が中
    央方向に向けて傾斜し、その中央が下方に向けて突出し
    たやや逆三角形をした形状であることを特徴とする請求
    項1、2、3又は4記載の吸引排出機能付き便器装置。
JP16596498A 1998-05-30 1998-05-30 吸引排出機能付き便器装置 Pending JPH11342092A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100618629B1 (ko) 2006-03-17 2006-09-06 (주)에이치앤지 변기의 슬라이드식 개폐장치

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