JPH11338527A - 工作機械の制御方法および装置 - Google Patents

工作機械の制御方法および装置

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JPH11338527A
JPH11338527A JP14737198A JP14737198A JPH11338527A JP H11338527 A JPH11338527 A JP H11338527A JP 14737198 A JP14737198 A JP 14737198A JP 14737198 A JP14737198 A JP 14737198A JP H11338527 A JPH11338527 A JP H11338527A
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JP
Japan
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spindle
heat
machine tool
main shaft
temperature
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Application number
JP14737198A
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English (en)
Inventor
Jun Yoshida
順 吉田
Yoshikatsu Teraoka
義勝 寺岡
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Makino Milling Machine Co Ltd
Original Assignee
Makino Milling Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 センサを極力用いることなく工作機械の変形
による制御対象の位置誤差を相殺する補正値を求め、工
作機械の位置精度の向上を図る。 【解決手段】 工作機械の位置精度に影響を与える工作
機械の所定部位を変形させる現象を数値的にモデル化
し、工作機械の変形挙動を逐次シミュレーションして、
工作機械の変形による制御対象の位置誤差を相殺する補
正値を、工作機械の軸送り制御装置に送出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の制御方
法および装置に関し、特に工作機械の所定の部位の変形
による位置誤差を相殺するように補正制御を行う工作機
械の制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、工作機械は益々高精度化が求めら
れる一方、工作機械の加工効率を高くするために高速化
がなされている。工作機械を高速化すると、主軸は主と
して軸受部において発熱して熱変形を生じ軸方向に延び
ることが知られている。こうした主軸の熱変位に基づく
誤差を除去するために従来から種々の制御方法または制
御装置が提案されている。
【0003】先ず、工作機械の制御方法として、予め定
められた動作手順に従い工作機械の作用部位の動作、例
えば、主軸の回転速度や送り、XYテーブルの送り、潤
滑油やクーラント供給装置のオンオフを制御する方法
や、ミリットスイッチ、位置検知器等の種々のセンサを
用いて、工作機械の作用部位の位置、状態を検知して、
それらが所定の値となるようにフィードバック制御する
方法がある。
【0004】予め定められた動作手順に従い制御する方
法として、特開平9−70739号公報に開示された制
御方法がある。この制御方法では、主軸の熱変形に基づ
く変位を主軸回転速度毎に時間を変数として予め実測し
た上で、主軸熱変位データを記録テーブルとして記憶さ
せて、加工に際して主軸の変位を相殺するように主軸の
送りが補正される。
【0005】センサを用いたフィードバック制御とし
て、特開昭58−132441号公報に開示された、主
軸頭やコラムからX、Y、Z方向についての温度を検出
して、主軸の熱変位に対応した補正値をNC装置に出力
して制御する熱変位補正装置がある。
【0006】また、特開平7−75937号公報には、
ニューラルネットワークを用いた工作機械及びその制御
方法が開示されている。この公報の工作機械及びその制
御方法は、ニューラルネットワークを用いた学習機能を
有しているが、温度センサからの温度情報に基づいて工
作機械各部位の熱変形量を求め、各軸の補正を行ってい
る点で上述のセンサを用いたフィードバック制御の一種
と言える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−70739
号公報に開示された制御方法によれば、単純な構成によ
り主軸熱変位を動的に補正することができる。然しなが
ら、主軸温度は、主軸の軸受のための潤滑油の温度、切
削用クーラントのオンオフ、その温度、工作機械の設置
されている周囲の環境温度によっても変化するので、同
公報に開示されたように予め実測された主軸の変位デー
タをテーブルとして記憶させても、主軸回転速度と時間
から主軸の挙動を再現することができない。更に、主軸
回転速度の変化のパターンは対象となる切削加工により
まちまちとなり、かつ、複雑であるので、複合的な工作
機械の各部位の挙動を記憶テーブルとして記憶させるこ
とはできない。
【0008】特開昭58−132441号公報および特
開平7−75937号公報に開示された制御装置または
制御方法では、温度センサが不可欠な要素として必要と
なり、工作機械の製造コストを増加させる。更に検知す
べき対象によっては、センサの取付が困難または不可能
な場合があり、工作機械におけるあらゆる部位の変位を
検知できるわけではない。
【0009】かかる従来技術の問題に鑑み、本発明は、
極力センサを用いることなく工作機械の変形による制御
対象の位置誤差を相殺する補正値を求め、工作機械の位
置精度向上を図った制御方法および装置を提供すること
を目的としている。
【0010】更に、本発明は主軸の温度変化による主軸
の熱変位を相殺する補正値を出力して、工作機械の位置
精度向上を図った制御方法および装置を提供することを
目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、工作機械の位
置誤差を補正する制御方法において、工作機械の位置精
度に影響を与える物理現象を工作機械の構成要素につい
て前記現象を支配する要素単位に分割して各々について
数値モデル化し、前記数値モデル化した要素単位を結合
して工作機械の変形挙動を逐次シミュレーションし、工
作機械の変形による位置誤差を相殺する補正値を求め、
前記求めた補正値を用いて補正制御を行う工作機械の制
御方法を要旨とする。
【0012】更に、本発明は、工作機械の主軸の熱変形
による位置誤差を補正する工作機械の制御方法におい
て、工作機械の主軸回りの構成物、その構成物の動作に
より生じる発熱、吸熱、熱変形等の物理現象及びその構
成物を制御する制御アルゴリズムを基本的な要素単位に
分割して数値モデル化し、前記数値モデル化した各要素
単位間で作用し合う要素単位同士を入力と出力とで結合
し、相互に関連させて主軸回りの吸熱量及び発熱量を演
算し、主軸回りの熱収支から主軸温度または主軸に蓄積
される熱量を求め、求めた主軸温度又は主軸蓄熱量から
主軸の熱変位量を求めるシミュレーションを逐次行い、
前記シミュレーションによって求めた主軸の熱変位量か
ら位置誤差を相殺する補正値を求め、前記求めた補正値
を用いて補正制御を行う工作機械の制御方法を要旨とす
る。
【0013】更に、本発明によれば、工作機械の主軸の
熱変形による位置誤差を補正する工作機械の制御装置に
おいて、主軸回りに配設された構成要素のうち、主軸に
対して吸熱源となる放熱要素及び吸熱制御要素による吸
熱量を演算する吸熱量演算手段と、主軸回りに配設され
た構成要素のうち、主軸に対して発熱源となる発熱要素
による発熱量を演算する発熱量演算手段と、前記吸熱量
演算手段および発熱量演算手段により演算された吸熱量
および発熱量から主軸温度または主軸に蓄積される熱量
をを演算する主軸温度/主軸蓄熱量演算手段と、前記主
軸温度/主軸蓄熱量演算手段により演算された主軸温度
または主軸蓄熱量を前記吸熱量演算手段に帰還して逐次
シミュレーションすることで、主軸の連続的な熱変位量
を求め、求めた熱変位量から位置誤差を相殺する補正値
を発生して補正制御を行わせる補正手段と、を具備する
工作機械の制御装置が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、工作機械の位置精度に
影響を与える工作機械の構成要素を変形させる物理現象
による工作機械の変形を、工作機械の各構成要素につい
て数値解析モデルを立てて、その変形挙動を時間を追っ
て逐次シミュレーションし、こうした工作機械の変形に
よる制御対象の位置誤差を相殺する補正値を、NC装置
に出力して軸送りを補正制御する。
【0015】工作機械の位置精度に影響を与える構成要
素としては、例えば主軸、主軸装置、ベッド、コラム、
ワークテーブル、工具、ワークそれ自体等が挙げられ
る。こうした構成要素を変形させる物理現象としては、
主軸の熱変形現象や、工作機械におけるコラムやベッド
の熱変形、荷重変動による工作機械の弾性変形等が挙げ
られる。こうした物理現象を支配する要素単位に分割し
て各々について数値モデルを想定する。例えば、主軸の
熱変形に関して考えると、主軸の回転による発熱、主軸
駆動モータの発熱、クーラントによる吸熱、潤滑油によ
る吸熱、主軸の自然放熱が構成要素としての主軸を熱変
形させる物理現象を支配する要素単位として考えられ
る。この数値モデル化した要素単位を結合して、工作機
械の変形挙動、例えば主軸の熱変形や、工作機械の荷重
の移動や切削荷重による弾性変形、を時間を追って逐次
シミュレーションする。工作機械の弾性変位の場合に
は、主軸装置、ベッド、コラム、ワークテーブル、工
具、ワークの各変形量を求めて工具とワークとの間の相
対的な位置誤差を逐次シミュレーションする。
【0016】次いで、この工作機械の変形により生じる
位置誤差を相殺する補正値を求める。例えば、主軸が熱
変形により主軸長さの定位から0.01mm延びた場合
には、補正値は主軸のZ軸方向の送りを0.01mm低
減する値である。この補正値を工作機械のNC装置に出
力して工作機械の補正制御を行う。また、工作機械の弾
性変形の場合には、ワークと工具先端位置との相対的な
位置誤差をX、Y、Z軸方向について求め、各々の位置
誤差を相殺する補正値をX、Y、Z軸について出力し、
補正制御を行う。
【0017】図1、2を参照して本発明の第1の実施形
態をより詳細に説明する。図1は本発明実施形態による
主軸熱変位補正制御装置を備えた工作機械の構成を示す
ブロック図であり、図2は、主軸熱変位補正制御装置の
ブロック図である。以下の実施形態では、工作機械の位
置精度に影響を与える工作機械の所定部位として主軸を
想定して、この主軸を変形させる現象としての主軸温度
変化を主軸回りの熱収支モデルを確立して数値解析によ
り求め、主軸の変形挙動を時間を追って逐次シミュレー
ションすることにより、主軸の熱変形による制御対象と
しての主軸のZ軸方向の位置誤差を補正する場合を一例
として説明する。
【0018】先ず、図1において、工作機械は、ベッド
10、前記ベッド10上でXY軸方向に移動可能に設け
られワーク(図示せず)を取り付けるためのXYテーブ
ル13、前記ベッド10に立設されたコラム(図示せ
ず)、XY軸に対して垂直なZ軸方向に移動可能にコラ
ムに支持された主軸装置11、前記XYテーブルをXY
軸方向に送るためのX、Y軸送り装置15a、主軸装置
11をZ軸方向に送るためのZ軸送り装置15bを主要
な構成要素として具備している。
【0019】主軸装置11は、ハウジング11aに軸受
11bを介して回転自在に支持された主軸11cと、ハ
ウジング11a内に収納され主軸11cを回転駆動する
所謂ビルトイン式の主軸モータ11dを主要な構成要素
として具備している。主軸11cの先端に形成されたテ
ーパー孔に工具11gを装着した工具ホルダ11fが取
り付けられる。主軸11c、工具ホルダ11fおよび工
具11gを貫通させてクーラント供給通路11eが形成
されており、クーラント供給装置19から工具先端の切
刃に向けてクーラントが供給される。
【0020】潤滑油冷却供給装置21から、潤滑油供給
管路21a、ハウジング11aに形成された油通路(図
示せず)を通して主軸11cを支持する軸受11bへ潤
滑油が供給され、ハウジング11に形成された油通路
(図示せず)、潤滑油回収管路21bを介して回収され
る。潤滑油回収管路21bには潤滑油温度センサ21c
が配設されており、主軸装置11から回収される潤滑油
の温度が検知される。また、潤滑油冷却供給装置21に
は、工作機械の所定部位に取り付けられた機械温度セン
サ21dが接続されている。図1では図示する便宜上、
機械温度センサ21dはベッド10に取り付けられてい
るが、機械温度センサ21dは工作機械の温度変化の少
ない他の部位に取り付けてもよい。
【0021】X、Y軸送り装置15aおよびZ軸送り装
置15bは、軸送り用サーボモータおよびアンプ等を主
要な構成要素として具備して成る当業者には周知の送り
装置である。X、Y軸送り装置15aおよびZ軸送り装
置15bは、軸送り制御装置としてのNC装置17によ
り制御される。主軸駆動モータ11dもまたNC装置1
7により制御される。詳細には図示されていないが、N
C装置17には、工作機械により加工されるワークの形
状や材料に関するデータを入力する入力装置を具備する
ことができる。NC装置17には詳細に後述する主軸熱
変位補正制御装置23が接続されている。
【0022】次に、図2を参照して本発明実施形態によ
る主軸熱変位補正制御装置23を説明する。主軸熱変位
補正制御装置23は吸熱量演算部25、発熱量演算部2
7、主軸温度演算部29、主軸熱変位演算補正部31を
具備して構成される。詳細には図示されていないが、主
軸熱変形予測補正装置23は、ハードウェア構成として
中央演算素子(CPU)と、ROM、RAM等の記憶装
置、入出力インターフェースおよびこれらを接続する双
方向バス等により構成することができる。記憶装置は、
ハードディスク装置や光磁気ディスク装置等を含んでい
ても良い。
【0023】詳細に後述するように、主軸熱変位補正制
御装置23は、主軸11cの周囲に配設された工作機械
の構成要素のうち、主軸に対して吸熱源となる構成要素
による吸熱量を吸熱量演算部25により演算し、主軸に
対して発熱源となる構成要素による発熱量を発熱量演算
部27により演算し、こうして演算された吸発熱量を主
軸温度演算部29において統合して、その熱収支から主
軸11cの温度を演算し、これに基づいて主軸熱変位補
正部31において主軸11cの熱変位を求めると共に、
この熱変位を相殺するように、NC装置17に対して主
軸11CのZ軸方向の送りに関する補正値を出力し、主
軸11cの熱変位による位置誤差を除去することにより
加工精度の向上を図るものである。
【0024】吸熱量演算部25は、主軸11cに形成さ
れたクーラント通路11eを流通するクーラントにより
主軸が冷却されることに基づく吸熱量を演算するクーラ
ント吸熱量演算部25a、軸受11bに供給される潤滑
油により冷却されることによる吸熱量を演算する潤滑油
吸熱量演算部25b、主軸装置11が周囲に放散する熱
量を演算する主軸放熱量演算部25cとを具備すること
ができる。
【0025】発熱量演算部27は、主軸11cが回転す
ることにより主として軸受11bでの発熱量を演算する
主軸発熱量演算部27aと、主軸11cを回転駆動する
主軸駆動モータ11dの銅損に基づく発熱量を演算する
主軸駆動モータ発熱量演算部27bとを具備することが
できる。
【0026】クーラント吸熱量演算部25a、潤滑油吸
熱量演算部25bおよび主軸放熱量演算部25cの各々
において、主軸装置11における吸熱量を演算し、主軸
発熱量演算部27aおよび主軸駆動モータ発熱量演算部
27bにおいて主軸装置11における発熱量を演算し、
これを主軸温度演算部29において統合して熱収支を立
てて主軸11cの温度を演算する。主軸温度演算部29
で演算された主軸11cの温度は、次いで、クーラント
吸熱量演算部25a、潤滑油吸熱量演算部25bおよび
主軸放熱量演算部25cの各々に出力され、次の演算の
基礎に用いられる。更に、主軸11cの温度は主軸熱変
位演算補正部31へ出力され、この主軸11cの温度に
基づいて主軸11cの熱変位量が求められ、その熱変位
を相殺するように主軸11cをZ軸方向に送るべく補正
値がNC装置17に出力される。
【0027】以下、図3から図10を参照して、本実施
形態による主軸温度の演算方法を説明する。先ず、図3
を参照して主軸温度予測、演算メインルーチンを説明す
る。このメインルーチンは、例えば工作機械の主電源が
投入されたときに起動させることができる。メインルー
チンの起動後、まず初期化サブルーチンが呼び出され
(ステップS10)、変数の初期化が行われる。
【0028】図4を参照すると、本実施形態において、
初期化サブルーチンではステップS23において、主電
源投入時(ON時)の日付から予め登録してある年間の
温度テーブルを参照して周囲温度Ta が決定される。つ
まり、周囲温度Ta は日付の関数F(日付)で決定され
る。次いで、ステップS24において、主電源をOFF
した時刻とONした時刻から、主電源OFF中の時間t
0 を算出し、記憶されている主電源OFF時の主軸温度
spから主電源OFF中の放熱を算出し、主電源ON時
の主軸温度が求められ、新しい主軸温度Tspとする。こ
れは以下の積分により求められる。
【数1】 ここで、Cは主軸11cの比熱、Mは主軸11cの質
量、τc は時間定数、a3及びγd は定数である。もち
ろん周囲温度Ta を求める温度センサ33を設置してお
き、温度センサ33の読みを用いて周囲温度Ta の初期
値として用いても良い。なお温度センサ33は必須の構
成要素ではない。
【0029】更に、ステップS25において、クーラン
ト吸熱量Qc 、潤滑油吸熱量Qo 、主軸放熱量Qd 、主
軸発熱量Qsp、主軸駆動モータ発熱量Qm に0が読み込
まれる。クーラント吸熱量Qc 、潤滑油吸熱量Qo 、主
軸放熱量Qd 、主軸発熱量Q sp、主軸駆動モータ発熱量
m の単位はワット(W)とするとができるが、適当な
代表値に基づき無次元化してもよい。
【0030】次に、ステップS12において主軸温度演
算サブルーチンが呼び出される。図5を参照すると、ス
テップS26において、主軸温度Tspは、クーラント吸
熱量Qc 、潤滑油吸熱量Qo 、主軸放熱量Qd 、主軸発
熱量Qsp、主軸駆動モータ発熱量Qm の各々に重みとし
ての定数a1 〜a5 を掛けて合計し、所定の時間定数τ
c を掛けて、主軸11cの比熱Cと質量Mとの積の逆数
を掛けた値に主軸温度Tspの前回値を加えて求められ
る。ここで、時間定数τc は、この主軸温度予測演算メ
インルーチンを実行する実時間間隔に対応させて決定さ
れる。主軸11cの比熱Cは主軸11cの材料から決定
することができる。
【0031】第一回目に主軸温度演算サブルーチンが実
行されるときには、クーラント吸熱量Qc 、潤滑油吸熱
量Qo 、主軸放熱量Qd 、主軸発熱量Qsp、主軸駆動モ
ータ発熱量Qm には0が入力されているので、ステップ
S26で演算される主軸温度TspはステップS24で演
算された主軸温度Tspとなる。
【0032】主軸温度演算サブルーチンの実行後、メイ
ンルーチンのステップS14〜ステップS22におい
て、クーラント吸熱量演算サブルーチン、潤滑油吸熱量
演算サブルーチン、主軸放熱量演算サブルーチン、主軸
発熱量演算サブルーチン、モータ発熱量演算サブルーチ
ンが逐次実行される。
【0033】図6において、周囲温度Ta の関数として
求まるクーラント温度Tc (γc は定数)と、予め設定
されたクーラントの流量FRc が読み込まれる(ステッ
プS28、S30)。次いで、クーラント温度Tc と主
軸温度Tspとの差に定数αcと流量FRc を乗じてクー
ラント吸熱量Qc が求められる。ここで、定数αc は、
主軸11cのクーラント通路11eを流通するクーラン
トの熱伝達率に対応した定数である。
【0034】図7において、潤滑油吸熱量演算サブルー
チンでは、先ず、潤滑油冷却供給装置21の冷却制御を
数値モデル化し、周囲温度Ta と等しいと仮定した機械
温度と(温度センサ21dの読みを用いてもよい)、主
軸温度Tspによって決まる回収潤滑油温度(温度センサ
21cの読み)との差分に比例定数kを乗じて潤滑油温
度To を算出する(ステップS32)。そして予め設定
されている潤滑油流量FRo を読み込む(ステップS3
4)。なお、温度センサ21cは必須のセンサである
が、この温度センサは主軸の熱変位量を補正する制御の
ために設けた温度センサではなく、もともと潤滑油冷却
供給装置21に付属する構成要素として具備されている
センサである。
【0035】次いで、ステップS36において、潤滑油
温度To と主軸温度Tspとの差に定数αo と流量FRo
を乗じて潤滑油吸熱量Qo が求められる。ここで、定数
αoは、ハウジング11a内の油通路および主軸11c
のための軸受11bを流通する潤滑油の総合熱伝達率に
対応した定数である。
【0036】図8において主軸放熱量演算サブルーチン
では、先ず、周囲温度Taと主軸温度Tspとの温度差Δ
spを求め(ステップS38)、次いで、温度差ΔTsp
に定数γd を乗じて主軸の放熱量が求められる。定数γ
d は、主軸11cからハウジング11aを通して外気に
放散される伝熱の熱通過係数に対応した値であり、例え
ば、ハウジング11a内での主軸11cからハウジング
11aへの対流熱伝達、熱放射、ハウジング11aの熱
伝導、ハウジング11aから外気への対流熱伝達および
熱放射を考慮して決定することができる。
【0037】図9において主軸発熱量演算サブルーチン
では、先ず、ステップS42において、主軸11cの回
転速度rpmがNC装置17から変数RPMとして読み
込まれ、ステップS44において、NC装置17内にあ
る送り軸サーボモータ用のサーボ制御部のトルク指令か
ら加減速トルク、動摩擦トルク、垂直軸重力保持トルク
を差し引いた実切削負荷トルクtc を求め、変数Tc
して読み込まれる。ステップS46において、この実切
削負荷トルクTc に定数lを乗じて軸受11bに負荷さ
れる荷重を代表する値Pが演算される。
【0038】ステップS48において、荷重Pと回転速
度RPMとの関数として主軸発熱量Qspが演算される。
本実施形態では、主軸の発熱量Qspは、主として主軸1
1cを回転支持する軸受11bでの発熱を考慮してお
り、軸受11bでの発熱量は、軸受11bの荷重Pのb
1 乗と回転速度RPMとの積と、回転数RPMのb2
との和に比例すると仮定している。比例定数γ1 、γ2
は実験により適宜に求めることができ、例えば、回転速
度RPMや荷重Pをパラメータに比例定数γ1 、γ2
よび指数b1 、b2 に関するデータを記憶テーブルとし
て制御装置の記憶装置に格納することができる。
【0039】図10において、モータ発熱量演算サブル
ーチンでは、ステップS50において主軸駆動モータ1
1dへ供給される駆動電流im がNC装置17から出力
され変数Im として読み込まれる。モータ発熱量Q
m は、駆動電流Im の二乗にモータ損失定数εを乗じて
求められる(ステップS52)。モータ損失定数εは、
使用するモータの定数として格納することができる。
【0040】こうして、ステップS14からS22のク
ーラント吸熱量演算サブルーチン、潤滑油吸熱量演算サ
ブルーチン、主軸放熱量演算サブルーチン、主軸発熱量
演算サブルーチン、モータ発熱量演算サブルーチンが逐
次実行されると、メインルーチンは、主軸温度演算サブ
ルーチン(ステップS12)へ帰還し、上述したように
求められたクーラント吸熱量Qc 、潤滑油吸熱量Qo
主軸放熱量Qd 、主軸発熱量Qsp、主軸駆動モータ発熱
量Qm に基づいて新たな主軸温度Tspが求められる。求
めた主軸温度Tspは、クーラント吸熱量演算部25a、
潤滑油吸熱量演算部25b、主軸放熱量演算部25cに
帰還して逐次シミュレーションすることで、主軸11c
の温度を連続的に求められる。
【0041】当業者には理解されるように、上述した主
軸温度演算方法によれば、工作機械の起動から停止に至
るまで、主軸の回転中、停止中を含め連続的に主軸温度
を予測演算することが可能となる。
【0042】主軸温度Tspは、上述したように主軸熱変
位演算補正部31に出力される。主軸熱変位演算補正部
31において、主軸温度Tspに基づいて主軸11cの熱
変位量が求められる。この熱変位量は、主軸温度Tsp
パラメータとして実験により実際の熱変位量を求め、そ
のデータを記憶テーブルとして記憶装置に格納すること
ができる。或いは、温度変化に比例した値にて代表させ
ても良い。主軸熱変位演算補正部31は、求められた熱
変位を相殺する補正値をNC装置17に出力し、この補
正値に基づいてNC装置17がZ軸送り装置に指令を出
力する。本実施形態の特徴は、図2に示すように、シミ
ュレーションによって求めた主軸温度または主軸蓄熱量
から主軸熱変位量を相殺する補正値を演算するととも
に、求めた主軸温度または主軸蓄熱量をクーラント吸熱
量演算部25a、潤滑油吸熱量演算部25b、主軸放熱
量演算部25cにも帰還して次のシミュレーションを行
い、新たな主軸温度または主軸蓄熱量を求め、このサイ
クルを逐次繰返し行うことによって補正制御の適格性を
上げていることである。
【0043】添付図面を参照して本発明の一実施形態を
説明したが、本発明がこの実施形態に限定されずに種々
の変形、改良が可能であることは言うまでもない。例え
ば、既述の実施形態では、主軸装置11はビルトイン型
の主軸駆動モータ11dを具備しているが、本発明はこ
うした主軸装置に限定されず、ハウジング11aの外部
に主軸駆動用モータが配設されていてもよい。
【0044】既述の説明では、吸熱量演算部25は、ク
ーラント吸熱量演算部25a、潤滑油吸熱量演算部25
bおよび主軸放熱量演算部25cを具備しているが、こ
れは一例であって本発明はこの構成に限定されない。ク
ーラント、潤滑油、自然放熱以外のものであっても、主
軸11cの熱変位に影響を与える吸熱または冷却効果を
有する要素がある場合には、それによる加工精度への影
響を除去するために、吸熱量演算部25に含めることが
できる。また、本実施形態では、所謂スルースピンドル
型の供給方法にてクーラントを加工領域に供給する主軸
装置を例としたために、クーラント吸熱量演算部25a
が設けられていたが、主軸11cを貫通するクーラント
通路を備えない主軸装置の場合には、クーラントによる
主軸11cの冷却効果は小さいと考えられるので、吸熱
量演算部25aを備えなくともよい。
【0045】既述の実施形態では、クーラント吸熱量演
算サブルーチンにおいて、クーラントによる吸熱量を主
軸とクーラントの温度差と、クーラント流量と、熱伝達
率との積にて代表させたが、本発明はこれに限定されな
い。例えば、主軸とクーラントの温度差とクーラント流
量とをパラメータとして、予め実験によりクーラントに
よる吸熱効果を求め、そのデータを記憶テーブルの形で
記憶装置に格納してもよい。
【0046】同様に、既述の実施形態では、潤滑油吸熱
量演算サブルーチンにおいて、潤滑油による吸熱量を主
軸と潤滑油の温度差と潤滑油の流量と熱伝達率との積に
て代表させたが、本発明はこれに限定されない。例え
ば、主軸と潤滑油の温度差と潤滑油流量とをパラメータ
として、予め実験により潤滑油による吸熱効果を求め、
そのデータを記憶テーブルの形で記憶装置に格納しても
よい。
【0047】更には、既述の実施形態では、主軸放熱量
演算サブルーチンにおいて、主軸装置のハウジングから
の放散熱量を主軸と周囲温度と熱通過率の積にて代表さ
せたが、本発明はこれに限定されない。例えば、主軸と
周囲温度との温度差をパラメータとして、予め実験によ
り主軸装置からの放散熱量を求め、そのデータを記憶テ
ーブルの形で記憶装置に格納してもよい。
【0048】既述の実施形態の説明では、発熱量演算部
27は、主軸発熱量演算部27aおよび主軸駆動モータ
発熱量演算部27bを具備しているが、これは単に一例
であって、本発明はこの構成に限定されないことは言う
までもない。例えば、上述したように、ハウジング11
aの外部に主軸11cの駆動用モータが配設されている
場合には、主軸駆動モータ発熱量演算部27bを具備し
なくともよい。更に、主軸11cの温度を上昇させる他
の要因が存在する場合には、発熱量演算部27は、その
発熱量を演算するように構成することができる。
【0049】既述の実施形態では、主軸発熱量演算サブ
ルーチンにおいて、軸受11bでの発熱量が、軸受11
bへの荷重と回転速度との関数で求まるように説明した
が、本発明は、これに限定されず、例えば、主軸11b
の回転速度をパラメータとして軸受11bの発熱量を予
め実験により求めて記憶テーブルの形で記憶装置に格納
してもよい。
【0050】既述の実施形態では、主軸温度演算部29
で主軸温度Tspを求めこの主軸温度Tspに基づき主軸の
発熱量を求めたが、主軸温度演算部29に代え、主軸に
蓄積される熱量を図3に示すアルゴリズムと同様のアル
ゴリズムで演算する主軸蓄熱量演算部(図示せず)を用
いることもできる。そして、この主軸蓄熱量演算部で求
めた主軸蓄熱量に基づき主軸の熱変形量を求めてもよ
い。
【0051】更には、既述実施形態では主軸11cのZ
軸方向への送り制御に対して補正値を出力する場合につ
いて説明したが、本発明は、これに限定されない。例え
ば、工作機械におけるコラムやベッドの熱変形について
も熱収支モデルを立てて、数値解析的に工作機械の挙動
をシミュレーションすることにより、XYZ軸方向の送
り制御に対して補正値を出力するように構成することも
できる。
【0052】更には、工作機械の位置精度に影響を与え
る物理現象として、熱変形のみならずXYテーブルの移
動やワークの切削加工による荷重移動または荷重変動に
よる工作機械のコラムやベッドの変形、更には、切削加
工負荷によるワークの変形についても、力学的な数値モ
デルを立てて数値解析的に工作機械の挙動をシミュレー
ションすることによりX、Y、Z軸方向の送り制御に対
して補正値を出力するように構成することもできる。
【0053】以下、本発明の第2の実施形態として図1
1、12を参照しつつ、工作機械の位置精度に影響を与
える物理現象として、ワークテーブルの移動やワークの
切削加工による荷重移動または荷重変動による工作機械
のコラムやベッドの変形、更には、切削加工負荷による
ワークの変形等を考え、力学的な数値モデルを立てて数
値解析的に工作機械の挙動をシミュレーションする例を
説明する。
【0054】図11において、工作機械51はベッド5
3にX軸方向(紙面に対して垂直な方向)に往復動作自
在に支持されたコラム55と、コラム55にY軸方向
(鉛直方向)に往復動作自在に支持された主軸頭57
と、ベッド53にZ軸方向(XY軸に垂直な方向)に往
復動作自在に支持されたワークテーブル59とを具備し
ている。ワークテーブル59の上面にはワーク取付具6
1を介してワークWが取り付けられており、ワークWに
対面するように工具57aが主軸頭57の先端から突出
した主軸部に取り付けられている。
【0055】図12を参照すると、第1の実施形態にお
ける主軸熱変位補正制御装置23に相当する機械変形量
演算補正制御装置63が、ベッド変形量演算部63a、
テーブル変形量演算部63b、コラム変形量演算部63
c、主軸頭変形量演算部63d、取付具変形量演算部6
3e、ワーク変形量演算部63f、工具変形量演算部6
3g、および主軸・ワーク間相対位置演算補正部63h
を主要な構成要素として含んでいる。
【0056】ワーク材質、工具種類、加工条件等を示す
データがキーボード等の入力インターフェース(図示せ
ず)を介して切削力演算部65に入力される。切削力演
算部65ではワークWを切削加工するためにワークWお
よび工具57aに負荷される切削力が演算される。この
データは、NC装置67からのX、Y、Z軸位置座標デ
ータと共に機械変形量演算補正制御装置63に送られ
る。
【0057】ベッド変形量演算部63aではワークWの
質量やX、Y、Z軸位置座標データからベッド53の変
形量が演算される。テーブル変形量演算部63bでは、
ワークWの質量やワークWに負荷される切削力からワー
クテーブル59の変形量が演算される。コラム変形量演
算部63cでは工具57aおよび主軸頭57を介してコ
ラム55に伝達される切削力によるコラム55の変形量
が演算される。主軸頭変形量演算部63dでは、工具5
7aを介して主軸頭57に伝達される切削力による主軸
頭57の変形量が演算される。取付具変形量演算部63
eでは、ワークWを介してワーク取付具61に伝達され
る切削力によるワーク取付具61の変形量が演算され
る。ワーク変形量演算部63fではワークWに負荷され
る切削力によるワークWの変形量が演算される。工具変
形量演算部63gでは工具57aに負荷される切削力に
よる工具57aの変形量が演算される。
【0058】ベッド変形量演算部63a、テーブル変形
量演算部63b、コラム変形量演算部63c、主軸頭変
形量演算部63d、取付具変形量演算部63e、ワーク
変形量演算部63f、工具変形量演算部63gの各々で
演算された各変形量が結合されて主軸・ワーク間相対位
置演算補正部63hに送られ、主軸とワークWの間の相
対位置が演算され、入力された加工条件からの位置誤差
を相殺する補正値が演算される。この補正値がNC装置
67に送られ、この補正値に基づき送り装置69が制御
される。
【0059】既述の実施形態の説明から理解されるよう
に、本願発明の主眼とするところは、工作機械の制御対
象であるX、Y、Z軸方向の送り制御の精度に影響を与
える工作機械の所定部位を変形させる現象、例えば、既
述の実施形態のように主軸の熱変形現象、或いは、工作
機械におけるコラムやベッドの熱変形、荷重変動による
工作機械の変形を数値解析モデルを立てて、その変形挙
動を時間を追って逐次シミュレーションし、こうした工
作機械の変形による制御対象の位置誤差を相殺する補正
値を、NC装置に出力して軸送りを補正制御する点であ
る。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、極力センサを用いるこ
となく工作機械の変形による制御対象の位置誤差を相殺
する補正値を逐次求め、補正制御を行うので工作機械の
位置精度の向上が達成される。更に、本発明は主軸の温
度変化による主軸の熱変位量を逐次演算により求め、こ
れを相殺する補正値を出力して補正制御を行うことによ
り工作機械の位置精度の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施形態による工作機械の制御方
法を適用する工作機械の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明第1の実施形態による主軸熱変位補正制
御装置のブロック図である。
【図3】主軸温度を演算するメインルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図4】初期化サブルーチンのフローチャートである。
【図5】主軸温度演算サブルーチンのフローチャートで
ある。
【図6】クーラント吸熱量演算サブルーチンのフローチ
ャートである。
【図7】主軸放熱量サブルーチンのフローチャートであ
る。
【図8】潤滑油吸熱演算サブルーチンのフローチャート
である。
【図9】主軸発熱量演算サブルーチンのフローチャート
である。
【図10】主軸駆動モータ発熱量演算サブルーチンのフ
ローチャートである。
【図11】本発明第2の実施形態による工作機械の制御
方法を適用する工作機械の構成を示す図である。
【図12】本発明第2の実施形態による機械変形補正制
御装置のブロック図である。
【符号の説明】
10…ベッド 11…主軸装置 11a…ハウジング 11b…軸受 11c…主軸 11d…主軸駆動モータ 13…XYテーブル 15a…Z軸送り装置 15b…XY軸送り装置 17…NC装置 19…クーラント供給装置 21…潤滑油冷却供給装置 23…主軸熱変位補正制御装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機械の位置誤差を補正する制御方法
    において、 工作機械の位置精度に影響を与える物理現象を工作機械
    の構成要素について前記現象を支配する要素単位に分割
    して各々について数値モデル化し、 前記数値モデル化した要素単位を結合して工作機械の変
    形挙動を逐次シミュレーションし、 工作機械の変形による位置誤差を相殺する補正値を求
    め、 前記求めた補正値を用いて補正制御を行う工作機械の制
    御方法。
  2. 【請求項2】 工作機械の主軸の熱変形による位置誤差
    を補正する工作機械の制御方法において、 工作機械の主軸回りの構成物、その構成物の動作により
    生じる発熱、吸熱、熱変形等の物理現象及びその構成物
    を制御する制御アルゴリズムを基本的な要素単位に分割
    して数値モデル化し、 前記数値モデル化した各要素単位間で作用し合う要素単
    位同士を入力と出力とで結合し、相互に関連させて主軸
    回りの吸熱量及び発熱量を演算し、主軸回りの熱収支か
    ら主軸温度または主軸に蓄積される熱量を求め、求めた
    主軸温度又は主軸蓄熱量から主軸の熱変位量を求めるシ
    ミュレーションを逐次行い、 前記シミュレーションによって求めた主軸の熱変位量か
    ら位置誤差を相殺する補正値を求め、 前記求めた補正値を用いて補正制御を行う工作機械の制
    御方法。
  3. 【請求項3】 工作機械の主軸の熱変形による位置誤差
    を補正する工作機械の制御装置において、 主軸回りに配設された構成要素のうち、主軸に対して吸
    熱源となる放熱要素及び吸熱制御要素による吸熱量を演
    算する吸熱量演算手段と、 主軸回りに配設された構成要素のうち、主軸に対して発
    熱源となる発熱要素による発熱量を演算する発熱量演算
    手段と、 前記吸熱量演算手段および発熱量演算手段により演算さ
    れた吸熱量および発熱量から主軸温度または主軸に蓄積
    される熱量をを演算する主軸温度/主軸蓄熱量演算手段
    と、 前記主軸温度/主軸蓄熱量演算手段により演算された主
    軸温度または主軸蓄熱量を前記吸熱量演算手段に帰還し
    て逐次シミュレーションすることで、主軸の連続的な熱
    変位量を求め、求めた熱変位量から位置誤差を相殺する
    補正値を発生して補正制御を行わせる補正手段と、 を具備する工作機械の制御装置。
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