JPH1133540A - 液体又は気体の浄化方法及びその装置 - Google Patents

液体又は気体の浄化方法及びその装置

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JPH1133540A
JPH1133540A JP9194596A JP19459697A JPH1133540A JP H1133540 A JPH1133540 A JP H1133540A JP 9194596 A JP9194596 A JP 9194596A JP 19459697 A JP19459697 A JP 19459697A JP H1133540 A JPH1133540 A JP H1133540A
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activated carbon
liquid
treated
gas
substance
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JP9194596A
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Seiji Suzuki
誠治 鈴木
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境汚染物質、悪臭発生物質を含む液体また
は気体を、消費エネルギーが小さく、安価で且つ安定に
処理できる簡易な液体または気体の浄化処理を成し遂げ
ること。 【手段】 被処理液体又は被処理気体を、殺菌効果を有
する化学物質によって実質的に無菌状態が保持された活
性炭に酸素原子供給物質存在下で接触させる液体または
気体の浄化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性炭を用いる液
体または気体の浄化方法、及び液体または気体の浄化装
置に関し、詳しくは環境汚染物質、悪臭発生物質を含む
液体または気体を、安価且つ安定に処理することができ
る簡便な液体または気体の浄化方法、及び液体または気
体の浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】莫大に増えつつある廃棄物の処理は、深
刻な社会問題となりつつある。その中でも環境汚染物
質、悪臭発生物質、特に難分解性物質を含む液体・気体
などの処理問題が急速に顕在化しつつある。
【0003】これらの環境汚染物質、悪臭発生物質を含
む液体・気体などの処理法としては、例えば微生物を利
用した生物学的処理法や酸化、還元、吸着、イオン交
換、沈殿生成、熱分解等の物理化学的処理法が知られて
いる。液体・気体などの処理はそれらの性状に応じてこ
れらの処理法を単独であるいはいくつかを組み合わせて
用いて行なわれる。処理の設備費、運転費を考慮した場
合、上記の方法の中では生物学的処理法が最も有利であ
る。しかし、環境汚染物質、悪臭発生物質の中でも、各
種の高分子化合物、塩素系化合物、窒素化合物あるいは
硫黄化合物等の難分解性化合物については通常生物学的
処理だけでは分解が不十分あるいは不可能である。そこ
でその処理のためには分解力が強い物理化学的処理法が
必要となる。物理化学的処理法としては化学酸化、電解
酸化、光酸化などがあるが、それらを用いた場合、設備
費や必要電力、薬剤等の運転費が高くなることが大きな
問題である。
【0004】また、特定の難分解性化合物に対して、特
定の分解菌を見出して処理に用いる可能性もある。しか
しこのような分解菌を見出すことは容易ではなく、また
通常処理対象となる液体・気体には多種の成分が含まれ
ているので特定の成分だけを分解する分解菌を使用して
浄化を達成することは容易ではない。
【0005】一方、活性炭を用いた環境汚染物質、悪臭
発生物質の処理は、活性炭の優れた吸着能を用いた吸着
処理が一般的である。従って、その活性炭の吸着処理に
おいては、活性炭に環境汚染物質、悪臭発生物質がある
程度吸着されてしまえば、その吸着処理はできなくな
る。その活性炭を再生処理すれば、再び吸着処理に使用
することもできるが、その再生処理には、従来熱処理と
か薬品による洗浄処理等が必要となり、処理に1工程増
えることになり処理の煩雑化及びコストアップとなって
いた。
【0006】更に、活性炭の存在下で生物処理を行な
う、いわゆる生物活性炭法により、活性汚泥処理などの
通常の生物処理では分解できなかった難分解性化合物等
の環境汚染物質、悪臭発生物質が分解できる場合がある
ことが知られている。
【0007】また、活性炭自身の触媒的分解作用は昔か
ら知られていたが、一部の有機化合物に限られていた。
しかも、その活性炭自身の触媒的分解作用は、100℃
を越える高温を必要とし、室温程度で分解できる化合物
はごく僅か(シクロヘキセン、硫化水素)であるとされ
てきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は難分解性化合
物等の環境汚染物質、悪臭発生物質を含む液体又は気体
の浄化方法において、上記の問題点を解決する新たな方
法及びその装置を提供することを目的としている。難分
解性化合物等の環境汚染物質、悪臭発生物質を含む液体
又は気体の浄化において、従来多大のエネルギー(電
力、薬剤等)を用い、煩雑な操作により分解処理してい
た難分解性化合物等の環境汚染物質、悪臭発生物質を、
安価で、長期間安定して、且つ効率的に分解処理を行な
うことができる簡易な液体又は気体の浄化方法、及び液
体又は気体の浄化装置を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、種々の環境汚
染物質、悪臭発生物質に対して、特殊な条件下の活性炭
が優れた分解特性を有するという新たに見出した知見に
基づいてなされたものである。本発明者は種々の検討を
行なった結果、以下の手段を用いることにより、本発明
の目的が効果的に達成されることを見出した。 (1) 被処理液体又は被処理気体を、殺菌効果を有す
る化学物質によって実質的に無菌状態が保持された活性
炭に酸素原子供給物質存在下で接触させることを特徴と
する液体または気体の浄化方法。 (2) 被処理液体又は被処理気体と前記活性炭を、気
体の状態の酸素原子供給物質存在下で接触させることを
特徴とする前記(1)に記載の液体または気体の浄化方
法。 (3) 前記活性炭は、粒度分布が多分散である粒子で
あることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の液
体または気体の浄化方法。 (4) 被処理液体又は被処理気体が、前記活性炭と接
触させる前に殺菌あるいは除菌処理されていることを特
徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の液体ま
たは気体の浄化方法。
【0010】(5) 被処理液体又は被処理気体を殺菌
あるいは除菌処理するための手段と、殺菌効果を有する
化学物質と前記殺菌あるいは除菌処理された被処理液体
又は被処理気体を混合するための混合槽と、活性炭が充
填され、該混合槽から供給された殺菌効果を有する化学
物質により該活性炭が実質的に無菌状態が保持され、該
活性炭により前記被処理液体又は被処理気体を浄化処理
するための処理槽と、該処理槽の内部に酸素原子供給物
質を供給するための手段とが設けられたことを特徴とす
る液体又は気体の浄化装置。
【0011】(6)本発明において、上記活性炭を、活
性炭以外の物体と共存し混合した状態で用いることが好
ましい。 (7)本発明において、気体の状態の酸素原子供給物質
を、活性炭1グラム当たり、毎分、酸素換算体積として
0.1ml〜0.3ml(25℃、1気圧下での容量)
連続的に供給することが好ましい。 (8)本発明において、被処理液体又は被処理気体を、
前記活性炭と接触させるときの処理温度が、100℃以
下であることが好ましい。 (10)本発明において、殺菌効果を有する化学物質
が、過酸化物であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者らは、酸素原子供給物質
の存在下、活性炭を実質的に無菌状態に保持することに
より、環境汚染物質、悪臭発生物質の分解が安定に維持
されることを見出した。本発明は新たに見出した活性炭
自身の種々の化合物に対する分解作用を実際の処理に有
効に適用できるように、種々の検討を行なった結果、殺
菌効果を有する化学物質の作用により活性炭を実質的な
無菌状態に保持し、且つ酸素原子供給物質存在下で、被
処理液体又は被処理気体を該活性炭に接触することによ
り、従来では考えられなかった活性炭の新たな効果、即
ち種々の環境汚染物質、悪臭発生物質の効率的かつ安定
な分解を初めて成し遂げられたものである。
【0013】上述の如く、従来の活性炭自身の吸着作
用、生物活性炭法における分解作用及び高温での触媒的
分解作用を有するものとして知られている活性炭が、特
定の条件下に設定されることにより、種々の環境汚染物
質、悪臭発生物質の分解を室温で効率的に達成する技術
を構築できるとは予想もできないことであった。
【0014】本発明における活性炭の環境汚染物質、悪
臭発生物質の分解は、活性炭の実質的な無菌状態を保持
すれば長時間保持することができ、更に分解作用が特定
の化合物に限定されない。
【0015】本発明において、実質的に無菌状態が保持
された活性炭とは、具体的には活性炭における菌数が好
ましくは活性炭1グラム当たり106個以下であり、よ
り好ましくは105個以下、更に好ましくは104個以下
に保持された活性炭である。発明者が見出した活性炭の
分解能は、詳細な実験により微生物(細菌、真菌など)
が活性炭に付着することにより阻害されることを見出し
た。具体的には、活性炭1g当りの付着生菌数が106
個を超えると分解活性が著しく阻害されるのでこのよう
な活性炭を本発明に用いることはできない。
【0016】水環境学会誌、第15巻、第10号、68
3〜689頁(1992)に記載の如く生物活性炭と呼
ばれる生物膜が付着した活性炭上の生菌数は通常107
個以上であることが知られている。またEnviron Toxico
l Chem. vol.13, No.1, page 3〜8(1994) に記載の如く
通常の活性炭吸着処理において、活性炭と被処理液を予
じめ滅菌して用いた場合でも完全な滅菌環境で実験を行
なわなければ活性炭上の生菌数は容易に約107 個に達
してしまう。
【0017】従って従来知られている吸着処理、生物活
性炭処理における活性炭は、活性炭自身の分解能をほど
んど発現できない状態にあると考えられる。これに対し
て、本発明は活性炭の分解能を長期間安定にかつ有効に
するためには、活性炭に付着している菌数を従来の活性
炭の使用法におけるよりも低く抑える(前述の如く、活
性炭1g当りの生菌数が106個以下が好ましい)こと
が有効であるという本発明者の発見に基づいてなされた
ものである。この発見は、注意深い実験により初めて見
出された事実であり、従来の知見からは容易に見い出し
得なかった。本発明は、発明者が見い出した発見に基づ
いて活性炭の分解能を有効に長期間安定に発現できる手
段、即ち実質的に無菌状態が長期間安定に保持された活
性炭により、被処理液体または被処理気体を処理する手
段について種々検討することによって初めて成し遂げら
れたものであり、従来の知見からは容易に達成されるも
のではない。
【0018】本発明において、殺菌効果を有する化学物
質としては、オゾン、過酸化水素、過酢酸等の過酸化
物、次亜塩素酸塩、二酸化塩素、クロラミンT、ヨード
等のハロゲン系殺菌剤、ベンズイミダゾール等の上記以
外の化学的殺菌剤、無機抗菌剤等が挙げられる。またこ
れら化学物質を単独で用いてもよいし、複数を併用して
もよい。本発明において、殺菌効果を有する化学物質と
して好ましくは過酸化物である。
【0019】上記殺菌効果を有する化学物質を活性炭に
作用させるには、活性炭と該化学物質が直接接触するよ
うに設定することが好ましい。また、浄化処理中、該化
学物質は連続的でも、断続的でもいずれでも活性炭に供
給してもよく、処理中の活性炭の実質的な無菌状態が保
持されればよい。
【0020】これらの殺菌効果を有する化学物質の中
で、活性炭との接触により分解するオゾン、過酸化水
素、過酢酸等の過酸化物、次亜塩素酸塩、二酸化塩素等
のハロゲン系殺菌剤、及びベンズイミダゾール等の上記
の以外の化学的殺菌剤を用いる場合は、それらを断続的
に施し、処理中の活性炭が実質的に無菌状態が保持され
るのに充分な上記化学物質を活性炭に供給することが好
ましい。これにより、使用する上記化学物質の量を節約
できる。
【0021】上記化学物質を断続的に使用する場合の供
給量の目安としては、活性炭が存在する系中の濃度とし
て以下に示す。過酸化水素の場合、過酸化水素の濃度が
50〜500ppm(液体中)が好ましく、より好まし
くは200〜500である。オゾンの場合、オゾンの濃
度が、液体中では0.5〜3ppmが好ましく、より好
ましくは0.5〜2ppm、気体中では5〜100pp
mが好ましく、より好ましくは10〜70ppmであ
る。過酢酸の場合、過酢酸の濃度が液体中で10〜10
0ppmが好ましく、より好ましくは50〜100pp
mである。ハロゲン系殺菌剤の場合、ハロゲン系殺菌剤
に由来する有効塩素濃度が2〜300ppm(液体中)
が好ましく、より好ましくは10〜200ppmであ
る。ベンズイミダゾールの場合、好ましくは20ppm
以上(液体中)、より好ましくは50ppm以上であ
る。また化学的殺菌剤として、ベンズイミダゾール以外
のものはその殺菌効果により濃度が異なり、活性炭が実
質的に無菌状態が保持されるのに充分な濃度であればよ
い。
【0022】上記化学物質を断続的に使用する場合の活
性炭への作用時間としては、上記濃度を少なくとも5分
以上、好ましくは15分以上、更に好ましくは30分以
上維持することが必要である。これらの化学物質を活性
炭へ断続的に作用させる場合、それらの化学物質による
殺菌処理を施す間隔は1〜24時間が好ましく、より好
ましくは6〜12時間である。
【0023】過酸化物、ハロゲン系殺菌剤、上記の以外
の化学的殺菌剤を用いる場合、被処理液体または被処理
気体中にこれらと容易に反応する成分(たとえば炭素−
炭素二重結合を有する化合物等)を多く含む場合、これ
ら化学物質の濃度を、活性炭が実質的に無菌状態を保持
できるのに充分な濃度に設定する。
【0024】上記化学物質を活性炭に連続的に供給する
場合の供給量の目安を活性炭が存在する系中の濃度とし
て以下に示す。過酸化水素の場合、過酸化水素の濃度が
液体中で20〜200ppmが好ましく、より好ましくは
50〜100ppmである。オゾンの場合、オゾン濃度が
液体中では0.1〜2ppmが好ましく、より好ましくは
0.2〜1ppm、気体中では0.5〜70ppmが好まし
く、より好ましくは1〜50ppmである。
【0025】過酢酸の場合、過酢酸の濃度が液体中で5
〜70ppmが好ましく、より好ましくは10〜50ppmで
ある。ハロゲン系殺菌剤の場合、ハロゲン系殺菌剤に由
来する有効塩素濃度が、液体中で1〜200ppmが好ま
しく、より好ましくは5〜100ppmである。ベンズイ
ミダゾールの場合、好ましくは液体中で10ppm以上、
より好ましくは20ppm以上である。ここで連続的に供
給するという意味は、常に上記化学物質を活性炭に供給
することであるが、回分式処理において活性炭が存在す
る処理槽中の液の入れ換え、引き抜き等を行なう際に
は、供給を止めてもよい。
【0026】殺菌効果を有する化学物質として無機抗菌
剤を用いる場合、それらを活性炭と混合接触させること
が好ましい。無機抗菌剤と活性炭の嵩体積の和に対して
無機抗菌剤が占める割合(嵩体積%)は、活性炭が実質
的に無菌状態が保持される量であればいずれでもよい
が、目安として0より大きく100より小さい値の間の
どのような値であってもよい。また、無機抗菌剤と活性
炭を粉体にした後結着剤を用いて造粒したもの、無機抗
菌剤を活性炭上に固定させたものあるいは活性炭を無機
抗菌剤上に固定したものを用いることもできる。
【0027】適用できる無機抗菌剤としては、上記目的
が達成されれば、どのような形状、材質のものでもよい
し、どのような抗菌作用を有するものであってもよい。
本発明に用いる無機抗菌剤の例としては、ゼオライト系
(シナネンゼオミック(株)製ゼオミック等)、シリカ
ゲル系(ゲルテクノロジー(株)製バクテノン等)、ガ
ラス系(石塚硝子(株)製イオンピュア等)、リン酸カ
ルシウム系(サンギ(株)製アパサイダーA等)、リン
酸ジルコニウム系(東亜合成(株)製ノバロンAGZ3
30等)、珪酸塩系(レンゴー(株)製レントーバ
等)、ウイスカ系(大塚化学(株)製バイカムAK
等)、その他日鉱(株)製ホロンキラーサンド、長野セ
ラミクス(株)製MS30、STA15等が挙げられ
る。
【0028】上記活性炭を実質的に無菌状態に保持する
には、上記化学物質以外に、他の殺菌手段を併用しても
よい。そのような手段としては、下記に示すような手段
を挙げることができる。二酸化チタン等の光酸化触媒を
用い、光(紫外線、可視光)を照射する手段(光酸化触
媒は活性炭と共存でも別でもよい)、紫外線、遠赤外線
等の電磁波を照射する手段、加熱する手段、電解酸化を
行なう手段、パルス電解を印加する手段、強酸性水(水
の電気分解などにより得られるpH2.4〜2.7、酸
化還元電位プラス1100ミリボルト以上の水)を用い
る手段等を適用することができるが、殺菌効果を有する
ものなら何でもよくこれらの手段に限定されない。
【0029】これら他の殺菌手段を施す時間の長さと殺
菌力の強弱は、殺菌手段の種々の条件、被処理液体また
は被処理気体の成分により巾があり適宜決められる。
【0030】本発明において、上記殺菌効果を有する化
学物質(更に他の殺菌手段)により活性炭を実質的に無
菌状態に保持する方法としては、活性炭に充分殺菌作用
が及ぼされるような方法ならば、活性炭が存在する系で
施しても、活性炭が存在しない系で施して活性炭に作用
させてもよい。上記化学物質を活性炭に供給する方法
は、具体的には、活性炭が入った槽に直接上記化学物質
を供給する方法、あるいは被処理液又は被処理気体と上
記化学物質を混合し、その混合液を活性炭が入った槽に
供給する方法、活性炭が入った槽に、上記化学物質を共
存させる方法(たとえば上記化学物質が無機抗菌剤の場
合、活性炭と無機抗菌剤を混合させる方法、上記化学物
質が過酸化物、化学殺菌剤などの場合、化学物質を担持
させた多孔質担体を活性炭と混合させる方法等)等が挙
げられる。
【0031】本発明において殺菌効果を有する化学物質
が液体あるいは気体の場合の好ましい方法は、被処理液
又は被処理気体と上記化学物質を混合し、その混合液を
活性炭が入った槽に供給する方法である。前述の如く、
これらの方法において、前記化学物質の供給は、連続的
でも断続的でもいずれでもよい。本発明において殺菌効
果を有する化学物質が固体の場合の好ましい方法は、活
性炭が入った槽に直接上記化学物質を供給する方法であ
る。
【0032】被処理液体又は被処理気体と上記化学物質
を予め混合する場合には、被処理液体または被処理気体
中に、活性炭が殺菌されるのに充分な量(例えば、上記
活性炭が存在する系中の濃度として記載した量)の上記
化学物質を存在させることが好ましい。
【0033】また、本発明においては、活性炭に接触す
る前に被処理液体または被処理気体が、予め殺菌あるい
は除菌処理されていることが好ましい。活性炭に接触す
る被処理液体または被処理気体中の菌数が1立方センチ
メートル中103個以下であることが好ましい。被処理
液体または被処理気体中に微生物が多く(1立方センチ
メートル中10 3個を越える量)存在する場合、微生物
による易分解の成分が多く(BODとして100ppm
以上)含まれる場合、あるいは難分解性化合物が多く
〔TOC(Total Organic Carbo
n)として40ppm以上〕含まれる場合などは、被処
理液体または被処理気体に予め殺菌あるいは除菌処理を
施してから、活性炭に接触させることが好ましい。これ
により、処理中の活性炭の無菌状態が有効に保持でき
る。
【0034】被処理液体または被処理気体を殺菌あるい
は除菌処理する手段としては、上記殺菌効果を有する化
学物質を被処理液体または被処理気体に作用させる手
段、あるいはその他に併用可能な殺菌手段として挙げた
手段が挙げられる。これらの殺菌手段の作用時間は被処
理液体または被処理気体の性状によって異なり、1分〜
数時間(2、3時間)である。
【0035】また、被処理液体または被処理気体を除菌
処理する手段としては、被処理液体または気体を、UF
膜、MF膜などのフィルターによる濾過手段も用いるこ
とができる。本発明において、被処理液体または被処理
気体に予め殺菌あるいは除菌処理する手段としては、過
酸化物(たとえば液体に対してはオゾン、過酸化水素、
気体に対してはオゾン)あるいは電磁波(たとえば紫外
線)を、それらを活性炭に連続的に供給する場合と同条
件で被処理液体に施すことが好ましい。また、被処理対
象が気体の場合にはフィルターを、被処理気体に予め殺
菌あるいは除菌処理する手段として用いることも好まし
い。フィルターとしては、抗菌作用を有するHEPA
(High Efficiency Particulate Air )フィルター(た
とえば日本エアフィルター(株)製抗菌HEPAフィル
ター)、ミクロフィルター(たとえば富士写真フイルム
(株)製アストロポアPP、PPEカートリッジ)等を
用いることができる。
【0036】本発明における活性炭の環境汚染物質、悪
臭発生物質の分解には、酸素原子を供給する物質の存在
が必須である。酸素原子供給物質とは、活性炭による被
処理液体または被処理気体中の物質の酸化分解作用に用
いられる酸素原子を、活性炭と被処理液体または被処理
気体との接触時に供給する物質である。酸素原子供給物
質として、具体的には酸素分子、オゾン、過酸化水素あ
るいは、酸素分子、オゾンもしくは過酸化水素を含んだ
気体あるいは液体(例えば、空気)、それらの混合物、
過酸化水素等の過酸化物を吸着させた多孔性担体等を挙
げることができる。
【0037】上記酸素原子供給物質として酸素を含む気
体としては、空気、酸素富化気体(空気中の酸素濃度よ
り高い酸素濃度を有する気体)等の酸素を含む気体なら
ば何でもよい。酸素富化気体は、酸素ボンベ、PSA法
(Pressure Swing Adsorption)、深冷分離法等によって
えられるが、その手段を特定するものではない。本発明
において、酸素原子供給物質としては酸素分子、オゾ
ン、空気等の気体が好ましい。酸素原子供給物質の1つ
である酸素分子が、活性炭との接触処理の前から被処理
液体または被処理気体中に目的物質分解のために十分に
含まれている場合、あるいは前記殺菌効果を有する化学
物質が酸素原子供給物質をも兼ねる場合(オゾン、過酸
化水素等)には、新たに被処理液体または被処理気体が
活性炭と接触する系に酸素原子供給物質を添加する必要
はない。
【0038】一方、前記被処理液体または被処理気体中
に含まれている酸素が低濃度で、環境汚染物質、悪臭発
生物質が高濃度であるため多量の酸素を必要とする場
合、あるいは分解効率を上げたい場合などに、必要に応
じて新たに被処理液体または被処理気体が活性炭と接触
する系に酸素原子供給物質を供給することが好ましい。
活性炭との接触処理の際に、被処理液体または被処理気
体中に含まれる酸素濃度の好ましい範囲としては、液体
の場合では0〜50℃では溶存酸素が少なくとも5.5
ppm含まれていることが好ましく、飽和濃度であること
がより好ましい。また50℃以上では溶存酸素が飽和し
ていることが好ましい。気体の場合では1vol%以上の
酸素を含むことが好ましく、より好ましくは10vol%
以上、更に好ましくは20vol%以上である。
【0039】被処理対象が液体又は気体で、酸素原子供
給物質が気体の場合には、被処理液体又は被処理気体と
活性炭との接触系に酸素原子供給物質を供給する手段
は、活性炭が入った槽に被処理液体又は気体が供給され
る前に、被処理液体又は気体に気体の酸素原子供給物質
を供給し、槽中の活性炭に酸素原子供給物質が作用する
ようにしてもよいし、活性炭が入った槽に気体の酸素原
子供給物質を直接供給してもよい。
【0040】上記気体の酸素原子供給物質の供給する手
段としては、散気板、散気球などによる散気手段、イン
ジェクター(ベンチュリーインジェクター、加圧インジ
ェクターなど)による手段、ミキシング(スタティック
ミキサ、高速回転羽根等による)による手段等を用いる
ことができる。被処理液体中に気体の吹き込みなどによ
り揮散し易い成分(例えば、ジクロロエチレン、ジメチ
ルスルフィド等)を含む場合は気泡が発生しにくい気液
界面での攪拌手段(120回転/分以下が好ましい)、
加圧手段などの方法を用いることが好ましい。
【0041】被処理対象が液体の場合、被処理液体中に
揮散し易い成分を含み、その成分の揮散が問題となる場
合(その成分が処理したい成分である場合、その成分の
揮散が周囲環境に悪影響を与えると予想される場合等)
以外は、被処理液体と活性炭との接触系中に気体の酸素
原子供給物質を気泡の状態で与えることが好ましい。こ
の場合、活性炭表面に気泡を接触させることがより好ま
しい。更に好ましくは、活性炭表面に気泡がかなり強く
衝突することが好ましい。このように活性炭表面に気泡
を接触させることは、気体の酸素原子供給物質が液中に
溶存した状態で活性炭に供給されるよりも、気体の酸素
原子供給物質の活性炭への供給速度を著しく増加させる
ので、処理速度向上に有効な手段となるものと推定され
る。
【0042】被処理対象が液体又は気体の場合で活性炭
に直接気体(被処理対象が液体の場合、気泡の状態で存
在)を接触させる方法を用いる場合、活性炭ができるだ
け動かない状態で存在することが好ましい。そのような
活性炭が入った槽として、たとえば粒状活性炭または粒
状活性炭と固形物の混合物を充填したカラム、繊維状ま
たは板状活性炭を設置した槽などがあるが、これらに限
られることはない。活性炭に対する気体の移動線速度は
10〜2000mm/secであることが好ましく、より好ま
しくは50〜1500mm/secである。被処理対象が液体
の場合、気体は気泡の状態で存在し、気泡の粒径は10
0μm以下が好ましく、10μm以下が更に好ましい。
活性炭に酸素原子供給物質を気体の状態で与える場合、
連続的に供給することが好ましく、気体の酸素原子供給
物質を活性炭1グラム当り毎分酸素に換算した体積(温
度25℃、1気圧下での容量:たとえば空気10mlは酸
素2.1ml、オゾン10mlは酸素15mlに換算)とし
て、0.1〜3ml供給することが好ましく、0.2〜
2.0ml供給することがより好ましい。
【0043】活性炭に直接気泡を接触させる方法として
は、直接活性炭の入った槽に気泡供給手段を設けるか、
被処理液体に気泡を供給して、その気泡が被処理液体と
ともに活性炭の入った槽に供給される方法が挙げられ
る。活性炭の入った槽にあるいは被処理液体中に気体を
気泡の状態で与える具体的手段として、上記の散気手
段、インジェクター手段、ミキシング手段による方法を
用いることができる。インジェクター手段とスタティッ
クミキサーを組み合わせて用いると、微細な気泡(10
〜100μm)を発生させることができるので好まし
い。これら装置の具体例としては、インジェクターとし
ては、日本インジェクター(株)製インジェクター、ス
タティックミキサーとしては、(株)リーテック製スパ
イラルミキサ、(有)シンユー技研製スーパースタティ
ックミキサー等が挙げられる。また液体に気泡を与える
手段はこれらに限られることはない。被処理対象が液体
で、酸素原子供給物質が液体の場合には、被処理液体と
活性炭との接触系に酸素原子供給物質を供給する手段
は、活性炭が入った槽に被処理液体が供給される前に、
被処理液体に液体の酸素原子供給物質を供給し、槽中の
活性炭に酸素原子供給物質が作用するようにしてもよい
し、活性炭が入った槽に液体の酸素原子供給物質を直接
供給してもよい。上記液体の酸素原子供給物質を被処理
液体に供給した後の被処理液体中の酸素原子濃度が1〜
20ppmであることが好ましく、より好ましくは5〜1
5ppmである。
【0044】液体の酸素原子供給物質としては過酸化水
素水、オゾン水等が好ましく、過酸化水素が活性炭と接
触することにより、酸素気体を発生して活性炭に酸素を
供給することができる。被処理対象が気体で、酸素原子
供給物質が液体の場合には、被処理液体と活性炭との接
触系に酸素原子供給物質を供給する手段としては活性炭
が入った槽に、液体の酸素原子供給物質を含む物質(た
とえば過酸化水素水を吸着させたシリカゲルビーズ、多
孔性ガラスビーズ、多孔性セラミクス等あるいは過酸化
水素、炭酸カルシウム付加物等)を存在させて(活性炭
と分離しても混合してもよい)、酸素原子供給物質の分
解・脱着によって放出する酸素を活性炭に作用させる方
法等を用いることができる。
【0045】これらの殺菌効果を有する化学物質と酸素
原子供給物質は、被処理液体または被処理気体および活
性炭に対して作用させる順序、組み合わせについては、
活性炭が実質的に無菌状態で、活性炭と被処理液体また
は被処理気体とが接触するときに酸素原子供給物質が存
在すれば、被処理液体または気体の性状、処理の目的に
応じていかようにも実施することができる。
【0046】本発明における活性炭としては、従来の多
孔性炭素質吸着剤として知られているものを使用するこ
とができる。これらの活性炭は、主に、石炭、コーク
ス、ピッチ、骨炭、木炭、ヤシ殻・木材等の植物由来の
天然炭素質物質、合成樹脂等の有機高分子、煤等の炭素
質物質を熱処理により炭化させ、それを賦活させて得る
ことができる。本発明における活性炭としては、活性炭
そのものでもよいし、活性炭を一部含んだものでもよ
い。例えば、プラスチック、鉱物、セラミクス、繊維等
の担体上に活性炭を固着させたものでもよいし、粉末活
性炭を結着剤を用いて造粒したものでもよいし、鉱物、
セラミック等の粉末と粉末活性炭から造粒したものでも
よい。また、骨炭、木炭、グラファイト、カーボンブラ
ック等も、それら構造の中に活性炭を含んでいる場合が
あるので、これらも本発明において活性炭を一部含んだ
ものとして挙げることができる。本発明においては、活
性炭として炭素含有率が高いものが好ましい。本発明に
おいては活性炭そのものを使用することが、処理の効率
性の点で好ましい。
【0047】本発明に用いる上記のような活性炭の形状
は、粒状、粉末、繊維状、板状、ハニカム状その他どの
ような形状でもよく、活性炭と被処理液体または被処理
気体との接触の形態によって種々選択することができ
る。ここで粒状、粉末は通常市販されている区分に従
う。およその目安としては、粉末活性炭は200メッシ
ュのふるいを通過する粒径の活性炭がおよそ半量以上を
占めるものが好ましい。また、粒状活性炭は0.1mm以
上の粒径の活性炭が大部分を占める(90%以上)もの
であるが、本発明にはどんな粒径の活性炭も用いること
ができるが、粒状活性炭の粒度分布(活性炭の粒径は、
活性炭の投影面積と同一面積の円の直径として表わされ
る)は、多分散であることが好ましい。また、粒度分布
が単分散の粒状活性炭2種類以上の混合物であってもよ
い。
【0048】平均粒径(標準フルイによるフルイ分け法
を用いて重量による粒度分布を求めて描いた累積分布曲
線から求めた50%粒径)をrとし、累積分布曲線にお
いて累積10%での粒径(r10%)と累積90%での粒
径(r90%)の差をΔrとした時、分散の指標としてΔ
r/rを用いた場合、本発明の多分散とは2≦Δr/r
の場合を言い、Δr/rが2〜8が好ましく、より好ま
しくは3〜7である。rは0.3〜2mmが好ましく、
0.5〜1.5mmがより好ましい。本発明の単分散とは
Δr/r<2の場合を言う。多分散の粒状活性炭を用い
ることにより、被処理液体または被処理気体が短絡して
流れるのを防ぐことができ、被処理対象と活性炭の接触
効率が上がるので好ましい。また、被処理対象が液体の
場合、吹き込んだ気体の酸素原子供給物質の気泡と活性
炭の接触効率が上がるので好ましい。
【0049】本発明に用いる活性炭の例としては、粒状
活性炭としては東洋カルゴン(株)製のF400、F3
00、PCB、BPL、CAL、CPGあるいはAP
C、武田薬品工業(株)製の粒状白鷺WHあるいは粒状
白鷺C、クラレケミカル(株)製のクラレコールKW、
クレハ化学工業(株)製のBAC等が挙げられる。粉末
活性炭としては武田薬品工業(株)製の白鷺Aあるいは
白鷺C等が挙げられる。繊維状活性炭としては東邦レー
ヨン(株)製のFX−300、大阪ガス(株)製のM−
30、東洋紡績(株)製のKF−1500、板状活性炭
としては鐘紡(株)製のミクロライトAC等が挙げられ
る。
【0050】本発明において活性炭と被処理液体または
被処理気体との接触は、上記のような粒状、粉末、繊維
状、板状、ハニカム状その他種々の形状の活性炭の1種
又は2種以上が入った槽に被処理液体または被処理気体
を供給させることによってなされる。
【0051】槽中の活性炭の存在割合は、粉末活性炭を
そのまま単独で用いる場合以外は嵩体積として0より大
きく最高100%である。粉末活性炭をそのまま単独で
用いる場合は、被処理対象が液体の場合に限られ、粉末
活性炭の槽からの流出を防ぐため、MF膜またはUF膜
による固液分離法を用いることができる。膜の形状とし
ては中空糸が好ましい。例えば中空糸膜を槽中に浸漬す
ることにより中空糸膜中に浸透した液体を槽外に排出さ
せることができる。この場合には槽中の活性炭の存在割
合は、嵩体積として0より大きく最高80%以下が好ま
しい。
【0052】中空糸膜の例としては、三菱レーヨン
(株)製ステラポア、東洋紡エンジニアリング(株)製
クロスフロー等を用いることができる。活性炭が存在す
る槽の中に、活性炭以外の物体を活性炭と混合し、共存
させることができる。活性炭以外の物体としては、石、
プラスチック、セラミクス、ガラス、金属、石炭、貝ガ
ラ等の固形物を挙げることができる。活性炭以外の物体
の粒径(物体の投影面積と同一面積の円の直径として表
わされる)は1mm〜5mmが好ましく、より好ましくは2
mm〜4mmである。活性炭以外の物体の共存量としては活
性炭の嵩体積と活性炭以外の物体の嵩体積の比が好まし
くは7:3〜1:9、より好ましくは7:3〜4:6で
ある。
【0053】粒状活性炭、繊維状活性炭、担体の一部に
活性炭を含むもの等を用いる場合、上記共存物体を活性
炭と混合して存在させることにより、被処理液体または
被処理気体が短絡して流れるのを防ぐことができ、被処
理対象と活性炭の接触効率が上がるので好ましい。ま
た、被処理対象が液体の場合、吹き込んだ気体の酸素原
子供給物質の気泡と活性炭の接触効率が上がるので好ま
しい。
【0054】粉末活性炭を用いる場合、それらの共存物
がMF膜またはUF膜に衝突することにより、MF膜ま
たはUF膜に付着した粉末活性炭が脱落し易くなるので
好ましい。種々の形状の活性炭または活性炭と活性炭以
外の物体との混合物は槽中で固定状態であっても流動状
態であってもよい。
【0055】活性炭が入った槽への被処理液体または被
処理気体の流入は連続式であっても、回分式であっても
よい。
【0056】被処理液体または気体と活性炭とを接触さ
せるときの温度は、好ましくは100℃以下、より好ま
しくは5〜85℃、更に好ましくは10〜75℃であ
る。
【0057】本発明において、本発明の処理に供する被
処理液体の酸化還元電位は−100mV以上800mV以下
が好ましく、100mV以上800mV以下がより好まし
い。被処理液体の酸化還元電位が低い(<−100mV)
と、本発明における分解が効率よく進行しない。本発明
の処理に供する被処理液体の酸化還元電位が−100mV
より低い場合は予じめ、酸素、オゾン、空気等の酸素原
子供給物質による曝気、過酸化物(過酸化水素等)、ハ
ロゲン系殺菌剤(次亜塩素酸塩等)、強酸性水等の添加
電解などの手段により酸化還元電位を−100mV以上と
してから、本発明の処理に供することが好ましい。酸化
還元電位の測定は、酸化還元電位計(例えば東亜電波工
業(株)製ORP Meter RM-12P等)を用いて測定できる。
【0058】本発明において、被処理液体として、鉄、
コバルト、ニッケル、マンガン、クロム、バナジウム、
銅、亜鉛、鉛、水銀、アルミニウム等の金属が少なくと
も1ppm以上溶解し、且つEDTAなどの有機アミノ
ポリカルボン酸等の錯体を形成する化合物を含有する液
体の場合、被処理液体が活性炭に接触する時の被処理液
体のpHを好ましくは6〜12、より好ましくは7〜1
0、更に好ましくは7.5〜9に維持することが、活性
炭の分解作用を長時間持続させるために好ましい。その
他の分解すべき化合物が含有する被処理液体または被処
理気体については活性炭接触時のpHは特に限定されな
い。
【0059】本発明の方法は、有機アミノポリカルボン
酸類(たとえばEDTA)、アゾ染料、フェノール誘導
体、界面活性剤(カチオン系、アニオン系、ノニオン
系)、有機塩素系化合物(たとえばトリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレンなどの溶剤、シマジン、2,
4−Dなどの農薬、その他たとえばトリクロロフェノー
ル、PCB、ダイオキシン)、農薬(たとえばチウラ
ム、チオベンカルブ)、硫黄化合物(たとえばメチルメ
ルカプタン、ジメチルスルフィド、硫化水素)、フミン
物質(フルボ酸、フミン酸等)、アニリン誘導体、ジオ
スミン等の難分解性化合物、悪臭化合物等、環境中に流
出した場合、環境および人の健康に有害な影響を与える
可能性のある物質を含有する液体又は気体の浄化方法と
して有効に利用できる。
【0060】
【実施例】以下に本発明を、実施例を用いて具体的に説
明するが、本発明の内容がこれらに限定されるものでは
ない。 実施例1 Fe−EDTA(100ppm)の活性炭に
よる分解 (被処理液体)Fe−EDTAを含む水溶液を、0.0
3Mリン酸と水酸化ナトリウムを添加して、pH7.5
に調製し、Fe−EDTAを0.1g/リットル含む被
処理液体を調製した。 (処理方法及び処理装置)処理装置として、図1に示す
装置を用いた。上記被処理液体が入った被処理液体タン
ク1から被処理液を、送液ポンプ2により、2400ml
/日で連続的に混合槽3に送液する。混合槽3(内容積
300ml、液量200mlの上部が開いた円塔状混合槽)
には、殺菌効果を有する化学物質及び酸素原子供給物質
として、過酸化水素を送液する。過酸化水素は、0.5
%の過酸化水素水の形態で、タンク9から、オン−オフ
タイマーが装備された送液ポンプ制御部11により制御
された送液ポンプ10により、3回/日、8時間毎に添
加時の過酸化水素の濃度(混合槽3、充填カラム6、循
環ポンプ4、配管中の液体(液量500ml)における
の平均濃度)が200ppmとなるように添加した。即
ち、最初の1分間で0.5%過酸化水素水20mlを添
加したのち、30分間0.5%過酸化水素水を0.02
2ml/分で添加した。
【0061】混合槽3内で混合された被処理液体と過酸
化水素は、循環ポンプ4により、活性炭が充填された充
填カラム6に送液され、更に配管中を通り、再び混合槽
3に送液され、循環する。充填カラム6は、粒状活性炭
8(東洋カルゴン(株)製F400)が充填された内容
積200mlの円柱状カラムであり、その液の入口付近の
カラム6の上面及び液の出口付近のカラム6の底面に、
不織布フィルター7が設置されている。ここで、循環ポ
ンプ4による液体の循環速度は8リットル/分であっ
た。また、充填カラム6の中の温度は、40℃であっ
た。
【0062】上記のようにFe−EDTAを含む被処理
液体を活性炭で処理した。処理開始後3または4日毎に
混合槽3の排出口12から排出された液(3〜4日分の
混合液)中のFe−EDTA濃度を測定した。
【0063】(評価)処理開始後2週間、1ケ月、2ケ
月でのFe−EDTA濃度(イオンクロマトグラフで測
定)と活性炭1g当りの生菌数(2ケ月後)の測定値を
表1に示した。なお、生菌数の測定には、活性炭に付着
した細菌を超音波で剥離した後、蛍光色素(DAPI;
4,6−ジアミノ−2−フェニルインドール)で染色
し、フィルター上にろ過してから蛍光顕微鏡下で観察、
計数する方法を用いた。本法は沿岸環境調査マニュアル
II、日本海洋学会編、恒星社厚生閣刊の第4章に詳しく
記載されている。
【0064】比較例1 上記実施例1において、過酸化水素を添加しない以外
は、実施例1と同様に被処理液体の処理を行なった。処
理開始後、2週間、1ケ月、2ケ月でのFe−EDTA
濃度と活性炭1g当りの生菌数(2ケ月後)の測定値を
表1に示した。
【0065】比較例2 上記実施例1において、上記粒状活性炭の代わりにガラ
スビーズ(平均粒径1mm)を用いたこと以外は、実施例
1と同様に被処理液体の処理を行なった。処理開始後、
2週間、1ケ月、2ケ月でのFe−EDTA濃度と活性
炭1g当りの生菌数(2ケ月後)の測定値を表1にまと
めた。
【0066】
【表1】
【0067】表1の結果により、本発明の実施例1は、
活性炭に殺菌剤として過酸化水素を断続的に施すことで
活性炭が実質的な無菌状態となり、長期間安定にFe−
EDTAを処理することができることが判る。殺菌剤の
み(比較例2)および活性炭のみ(比較例1)を使用し
た処理は、本発明の実施例と比べると、著しく処理性能
が劣ることが判る。特に、活性炭のみを使用した比較例
1は、活性炭中に菌が繁殖し、その結果著しく処理性能
が劣ってしまった。
【0068】実施例2及び3 高濃度Fe−EDTA
(400ppm)の活性炭による分解 (被処理液体)Fe−EDTAを含む水溶液を、0.0
3Mリン酸と水酸化ナトリウムを添加して、pH7.5
に調製し、Fe−EDTAを0.4g/リットル含む被
処理液体を調製した。 (処理方法及び処理装置)ここでは、上記図1の混合槽
3において被処理液体が過酸化水素と混合される前に、
予め被処理液体を殺菌処理する。その装置を図2に示
す。被処理液体タンク1からの被処理液体を、殺菌槽1
3に送液し、同時にその殺菌槽13には、殺菌剤として
過酸化水素(上記実施例1と同様の溶液)を、殺菌剤タ
ンク9から送液ポンプ14により被処理液中の濃度が2
00ppmになるように連続的に送液する。被処理液体
の殺菌槽13における滞留時間は1時間である。その
後、殺菌槽13で殺菌処理された被処理液体は、混合槽
3に送液ポンプ15により送液され、それ以後は、上記
実施例1と同様に処理を行なった。また、充填カラム6
の中の温度は、40℃であった。処理開始後、2週間、
1ケ月、2ケ月でのFe−EDTA濃度と活性炭1g当
りの生菌数(2ケ月後)を上記実施例1と同様に測定
し、表2に示した。
【0069】実施例3 上記実施例2と同様の被処理液(Fe−EDTA400
ppm)を用いて、混合槽3に、空気、酸素濃度18 v
ol%の気体、3.3 vol%の気体を吹き込み、活性炭に
接触する液体の溶存酸素濃度(DO)を6.4ppm、
5.5ppm、1ppmに調整した(実施例3〜)
以外、上記実施例1と同様に、被処理液体を予め殺菌処
理せずに処理を行なった。また、充填カラム6の中の温
度は、実施例2と同様であった。上記と同様に、処理開
始後、2週間、1ケ月、2ケ月でのFe−EDTA濃度
と活性炭1g当りの生菌数(2ケ月後)の測定値を表2
に示した。
【0070】
【表2】
【0071】表2の結果から、実施例2のように活性炭
と接触処理する前に被処理液体を予め殺菌処理すること
により、Fe−EDTAの濃度が高くなった場合でも、
長期間より安定にFe−EDTAを処理できることがわ
かる。液中のDOが飽和(6.4ppm)の場合、5.
5ppmの場合では、Fe−EDTA処理は良好であっ
たが、1ppmの場合は充分にFe−EDTA処理はで
きなかった。
【0072】実施例4 Fe−EDTA(400pp
m)の活性炭による分解における殺菌剤濃度と酸素供給
条件の効果 (被処理液体)被処理液体としては、上記実施例2と同
じものを用いた。 (処理方法及び処理装置)上記図2に示す装置におい
て、活性炭充填用の充填カラム6として、その内容積を
400mlにし、その中に粒状活性炭(東洋カルゴン
(株)PCBを粉砕して平均粒径(r)1mm、Δr/
r=1.7の粒状活性炭を調整)を充填した充填カラム
を用いた。また、充填カラム直前の配管中に空気供給装
置(インジェクター)を設置してカラム内に直接空気の
気泡を入れ、空気を送り込めることができきるようにし
た。ここで、空気を吹き込む場合の空気の吹き込み量
は、250ml/分である。空気を吹き込む場合、活性
炭に対する気泡の移動速度は200mm/sec、酸素
原子供給物質の供給速度は0.22ml−O2 /(g−
活性炭・分)(25℃、1気圧下での容量)であった。
これら以外は、実施例2及び図2と同様に処理を行なっ
た。また、充填カラム6の中の温度は、40℃であっ
た。表−3に示すように、活性炭に断続的に施す過酸化
水素の濃度が200ppmおよび50ppmの各々の場合につ
いて、酸素供給方法として、液体に気泡を送り込む(カ
ラム6内に)処理とそれを送り込まない処理(実施例4
〜)を行なった。
【0073】(比較例3)表−3に示すように、活性炭
に過酸化水素を施さず、酸素供給方法として、液体に気
泡を送り込む(カラム6内に)処理とそれを送り込まな
い処理(比較例3、)を行なった。混合槽3内の溶
存酸素濃度は実施例4、比較例3において約6.4pp
mに保たれていた。上記と同様に、処理開始後、2週
間、1ケ月、2ケ月でのFe−EDTA濃度と活性炭1
g当りの生菌数(2ケ月後)を測定し、その値を表−3
に示した。
【0074】
【表3】
【0075】表−3の結果をみると、活性炭に断続的に
200ppm、50ppmの過酸化水素を施すことにより活性
炭が実質的に無菌状態となり、長期間安定に水中のFe
−EDTAを高処理率で処理することができた。また気
泡による酸素供給により活性炭1g当りの生菌数が一層
低下し、Fe−EDTAの分解処理がより効率的になる
ことがわかる。過酸化水素を施さなかった場合は、気泡
を送り込む、送り込まないにかかわらず、実施例4と比
較して、処理性能が著しく劣り、2ケ月後には殆ど処理
できなかった。
【0076】実施例5 Fe−EDTA(400ppm)
の活性炭による分解における活性炭の粒径の効果 表−4に示すように、カラム6内に充填する活性炭とし
て平均粒径(r)(mm)1、0.5、2、3に対して各々
Δr/rが2.5、6.0、2.5、2.5とした活性
炭を用いた以外は、実施例4と同様の処理(実施例5
〜)、評価を行なった。
【0077】
【表4】
【0078】表−4の結果をみると、活性炭の分散を多
分散(2≦Δr/r)にすると、また活性炭の粒径を細
かくして多分散にすると、単分散(Δr/r<2)の場
合より、更にFe−EDTAの処理性能が向上に有効で
あることが分かる。また大きな粒径(r=3mm)の場合
はかえって処理性能が落ちたことがわかる。
【0079】実施例6 Fe−EDTA(400ppm)
水溶液の活性炭による分解における活性炭以外の物体の
混合の効果 表−5に示すように、カラム6内に平均粒径(r)0.
5mm、Δr/rが1.7の活性炭(多分散でない活性
炭)と平均粒径2mmの多孔性セラミクス(岩尾磁器工業
(株)製)を嵩体積比で100:0、90:10、7
0:30、50:50、30:70になるように混合し
て用いた以外は、実施例4と同様の処理(実施例6
〜)、評価を行なった。
【0080】
【表5】
【0081】表−5の結果をみると、活性炭に多孔性セ
ラミクスを混合することにより、Fe−EDTAの処理
性能が向上した。用いた活性炭を減らしたにもかかわら
ず、Fe−EDTAの処理性能が向上したことは多孔性
セラミクスがスペーサの役目をして活性炭が有効に使わ
れたこと、および気泡が万遍なく活性炭に接触した効果
によると推定される。
【0082】実施例7 水に含まれるテトラクロロエチ
レン(40ppm )の分解 (被処理液体)被処理液体としてテトラクロロエチレン
水溶液(0.04g/リットル)を調製した。 (処理方法及び処理装置)本実施例における処理装置を
図3に示す。被処理液体タンク1から被処理液体を、1
200ml/日で連続的に混合槽3に送液し、同時に、殺
菌効果を有する化学物質及び酸素原子供給物質としての
オゾン(O3 )を、オゾン発生器16から散気管17を
通して混合槽3に、3回/日、8時間毎に、オゾン注入
率20mg/リットルで15分間注入した。この間混合槽の液
中のオゾン濃度は1mg/リットル以上に維持された。オゾン
注入時、液体の循環を継続し、二方コック18を閉じ、
液の流出を止めた。また、混合槽3内のオゾンは、オゾ
ン分解装置19により分解して系外に出した。活性炭充
填カラム6と充填物8は 粒状活性炭(東洋カルゴン
(株)F400)と多孔性セラミクス(イワオ磁器
(株)製、粒径3mm)を同嵩体積ずつ混合したものを用
いた。ここで、循環ポンプ4による液体の循環速度は3
〜4リットル/分であった。また、充填カラム6の中の温度
は、40℃であった。
【0083】処理開始後、3または4日毎に排出口12
から排出された液(3〜4日分の混合液)中のテトラク
ロロエチレンの濃度をガスクロマトグラフを用いて測定
した。また、上記実施例1と同様に活性炭1g当りの生
菌数(2ケ月後)を測定し、その値を表6に示した。
【0084】比較例4 上記実施例7において、オゾンを注入しない以外実施例
7と同様に処理を行った。
【0085】比較例5 上記実施例7において、活性炭の代わりに多孔性セラミ
クスを用い、充填カラム6の充填物を全て多孔性セラミ
クスにする以外は上記実施例7と同様に処理を行った。
実施例7、比較例4および5における処理開始後、1ヶ
月、2ヶ月でのテトラクロロエチレン濃度と活性炭1g
当りの生菌数(2ヶ月後)の測定値を表6に示す。
【0086】
【表6】
【0087】表6より、実施例6のように活性炭にオゾ
ンを断続的に施すことにより、長期間安定に水中のテト
ラクロロエチレンを処理することができた。本発明の実
施例7は、殺菌剤のみ(比較例4)および活性炭のみ
(比較例5)を使用した処理と比べて、著しい処理性能
の向上が認められた。
【0088】実施例8 空気中に含まれるトリクロロエ
チレン(500ppm )の分解 (被処理気体)トリクロロエチレン500ppm を含む空
気 (処理方法及び処理装置)本実施例における処理装置を
図4に示す。粒状活性炭(東洋カルゴン(株)製F40
0)22を内径20mm、長さ200mmのテフロン管20
に充填した。テフロン管20の内部の上面と底面にはそ
れぞれフィルターが設置された。空気送気用ポンプ24
により、上記被処理気体を活性炭が充填されたテフロン
管20に送気した。1日1回、活性炭が充填されたテフ
ロン管20内に、オゾン発生器16からオゾン濃度30
ppm の気体を15分間送り込んだ。ここで、オゾンをテ
フロン管20内に送気する時は、三方コック23を操作
してトリクロロエチレンを含む気体のテフロン管20へ
の送気は行わなかった。また、テフロン管20を通過し
たオゾンは図の上方の三方コック23を通してオゾン分
解装置19に送り、分解してから、系外に排出した。被
処理気体はテフロン管20内滞留時間が30秒になるよ
うに通過させた。また、テフロン管20内の温度は、3
0℃であった。
【0089】比較例6 上記実施例8において、オゾンをテフロン管20に送気
しない以外は実施例8と同様に処理を行った。実施例
8、比較例6における処理開始後、2、3ヶ月後の処理
後気体中のトリクロロエチレンと活性炭1g当りの生菌
数(3ヶ月後)を上記と同様に測定し、その値を表7に
示した。
【0090】
【表7】
【0091】表7の結果により、実施例8のように活性
炭にオゾンを断続的に施すことにより、長期間安定に空
気中のテトラクロロエチレンを処理することができた。
本発明の実施例8は、活性炭のみを使用した処理(比較
例6)より著しく処理性能の向上が認められた。
【0092】実施例9 Fe−EDTA(400ppm )
水溶液の活性炭による分解 (被処理液体)Fe−EDTAを含む水溶液を、リン酸
と水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、Fe−E
DTAを0.4g/リットル含む被処理液体を調整した。 (処理方法及び処理装置)本実施例における処理装置を
図5に示す。上記被処理液体が入った被処理液体タンク
1から被処理液体を、送液ポンプ2により、800ml/
日で連続的に混合槽3に送液する。混合槽3(内容積3
00ml、液量200ml)の被処理液体は、循環ポンプ4
により、活性炭が充填された充填カラム6に送液され、
更に配管中を通り、再び混合槽3に送液され、循環す
る。充填カラム6は、粒状活性炭(東洋カルゴン(株)
製F400)と抗菌セラミクス((株)長野セラミクス
製S−TA−15、平均粒径3〜4mm)を嵩体積で1対
1に混合したものが充填された内径50mm、長さ200
mmの円柱状容器であり、その液の入口付近のカラム6の
上面及び液の出口付近のカラム6の底面に、不織布フィ
ルター7が設置されている。被処理液体が充填カラム6
に入る前の配管中に空気供給装置(インジェクター)5
が設けられ、該空気供給装置5からカラム6内に直接気
泡が入るように空気を送り込んだ。ここで、空気の吹き
込み量は500ml/分であった。ここで、被処理液体の
循環速度は9〜10リットル/分であった。また、充填カラ
ム6の中の温度は、40℃であった。
【0093】比較例7 上記実施例9において、空気を吹き込まない以外は、上
記実施例9と同様に処理を行った。 比較例8 上記実施例9において、上記抗菌セラミクスの代わりに
ガラスビーズ(平均粒径3〜4mm)を用いた以外は、実
施例9と同様に処理を行なった。実施例9、比較例7及
び8において、上記と同様に処理開始後、2週間、1ケ
月、2ケ月後のFe−EDTA濃度と活性炭1g当りの
生菌数(2ケ月後)の測定値を表8に示した。
【0094】
【表8】
【0095】表8の結果より、実施例9のように活性炭
と抗菌セラミクスを混合接触させることにより、活性炭
の無菌状態が保持され、長期間安定に水中のFe−ED
TAを処理することができた。本発明の実施例9は、抗
菌セラミクスを用いない処理(比較例8)よりも著しく
処理性能の向上が認められた。また、抗菌セラミクスを
用いた場合、空気の吹き込みにより処理性能の向上が認
められた。
【0096】
【発明の効果】本発明により、環境汚染物質、悪臭発生
物質を含む液体または気体を、消費エネルギーが小さ
く、安価で且つ安定に処理できる簡易な液体または気体
の浄化処理を成し遂げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体の浄化方法に用いられる装置の1
態様を示す図である。
【図2】本発明の液体の浄化装置の1態様を示す図であ
る。
【図3】本発明の液体の浄化方法に用いられる装置の1
態様を示す図である。
【図4】本発明の気体の浄化方法に用いられる装置の1
態様を示す図である。
【図5】本発明の液体の浄化方法に用いられる装置の1
態様を示す図である。
【符号の説明】
1 被処理液体タンク 2 送液ポンプ 3 混合槽 4 循環ポンプ 5 空気供給装置 6 活性炭充填カラム 7 フィルター 8 活性炭または活性炭とその他の固形物の混合物 9 殺菌効果を有する化学物質のタンク 10 送液ポンプ 11 送液ポンプ制御部 12 排出口 13 殺菌槽 14、15 送液ポンプ 16 オゾン発生器 17 散気管 18 二方コック 19 オゾン分解装置 20 テフロン管 21 フィルター 22 活性炭 23 三方コック 24 送気ポンプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理液体又は被処理気体を、殺菌効果
    を有する化学物質によって実質的に無菌状態が保持され
    た活性炭に酸素原子供給物質存在下で接触させることを
    特徴とする液体または気体の浄化方法。
  2. 【請求項2】 被処理液体又は被処理気体と前記活性炭
    を、気体の状態の酸素原子供給物質存在下で接触させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体または気体の浄
    化方法。
  3. 【請求項3】 前記活性炭は、粒度分布が多分散である
    粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液
    体または気体の浄化方法。
  4. 【請求項4】 被処理液体又は被処理気体が、前記活性
    炭と接触させる前に殺菌あるいは除菌処理されているこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体ま
    たは気体の浄化方法。
  5. 【請求項5】 被処理液体又は被処理気体を殺菌あるい
    は除菌処理するための手段と、殺菌効果を有する化学物
    質と前記殺菌あるいは除菌処理された被処理液体又は被
    処理気体を混合するための混合槽と、活性炭が充填さ
    れ、該混合槽から供給された殺菌効果を有する化学物質
    により該活性炭が実質的に無菌状態が保持され、該活性
    炭により前記被処理液体又は被処理気体を浄化処理する
    ための処理槽と、該処理槽の内部に酸素原子供給物質を
    供給するための手段とが設けられたことを特徴とする液
    体又は気体の浄化装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2418373A (en) * 2004-12-07 2006-03-29 Abc Macintosh Ltd Method and apparatus for processing waste fluorinated products
JP2013141643A (ja) * 2012-01-11 2013-07-22 Kurita Water Ind Ltd 電子産業プロセス排水の回収方法及び回収装置
EP2046402B1 (de) 2006-07-19 2015-09-16 Basf Se Verfahren zur herstellung wasserabsorbierender polymerpartikel durch polymerisation von tropfen einer monomerlösung
JP2018030089A (ja) * 2016-08-24 2018-03-01 住友金属鉱山株式会社 サフラニンを含有する廃液の処理方法

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